JP3748943B2 - コモンレールにおける分岐接続体の接続構造 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般にディーゼル内燃機関における高圧燃料多岐管或いはブロック・レール等のようなコモンレールにおける分岐枝管もしくは分岐金具等のような分岐接続体の接続構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の接続構造としては、例えば図３に示すように、本管レール（１１）側の周壁部に設けた内部の流通路（１１′）に通ずる貫孔（１１″）のなす外方に開口する受圧座面（１２）に、該受圧座面附近の本管レール（１１）の外周部を囲繞する継手金具（１４）を使用して、端部を先細円錐状となして拡径部（１３′）を形成した分岐接続体（１３）側のなす押圧座面（１３″）を当接係合した状態をもって、継手金具（１４）に突設した螺子壁（１４′）に分岐接続体（１３）側に組込んだ取付ナット（１５）の螺合による前記拡径部（１３′）での押圧に伴って締着して接続するように構成されていた。尚（１６）はスリーブワッシャーである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術による接続構造としては、前記囲繞する継手金具（１４）を使用するため接続部での製品重量を増すこととなり、かつ分岐接続体（１３）での挫屈成形による拡径した前記接続頭部（１３′）の構造により該頭部内部に環状のポケット部（１７）を生ぜしめて燃料の流過抵抗を増大ならしめ、またナット（１５）による直接の螺合締着構造により長期に亘って緩みを招いて洩れを誘発してその接続を不安定となす等の問題を有するものであった。
【０００４】
本発明は従来技術の有する前記問題に鑑みてなされたものであり、従来技術のように囲繞する継手金具の使用を一切不要となして製品重量を極度に軽減し、また、分岐接続体側の押圧座面部のなす端部附近の拡径部を必要としない、しかも螺合およびロー熔着構造によって、該附近の機械的強度を著しく高めると共に、燃料の流過抵抗を増大ならしめる等の憂いをなくし、また同時に長期に亘り相互の当接係合部での緩みによる洩れを全くなくし、確実にして安定となすことのできるコモンレールにおける分岐接続体の接続構造を提供することを目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、軸芯内部に流通路を有する本管レールの軸方向の周壁部に間隔を保持して複数の貫孔を設け、且つ該貫孔の周面部にそれぞれ前記流通路に通ずる流路を有する分岐接続体を連設する外方に開口する受圧座面を形成して該分岐接続体の先細円錐状の押圧座面を当接係合せしめて接続してなる接続構造において、前記本管レールの貫孔のなす受圧座面に連る下部に螺子部を設け、一方、分岐接続体側の押圧座面に連って先端部に設けた螺子面での前記螺子部との螺合による当接係合状態をもって接続構成したコモンレールにおける分岐接続体の接続構造を要旨とするものであり、更に前記分岐接続体の押圧座面の外側上部に逆螺子面を有するナットを螺着して本管レールの外周面を係圧して回り止め機能をもたせ、また前記螺子面と螺子部との相互の螺合部、前記押圧座面と受圧座面との相互の係合部、前記本管レールとナットとの逆螺子面との螺着部、又は前記ナットと本管レールとの係圧部のうち少くとも１つをロー熔着せしめて構成したものである。
【０００６】
本発明は、以上のように構成されているため、本管レール側と分岐接続体との直接の螺合およびロー熔着による確実な接続構造とすることにより囲繞する継手金具を一切不要となして製品を極度に軽量となすことができ、また押圧座面部のなす端部附近での拡径部を必要としない構造によって成形の手間を除くと共に、該附近の機械的強度を著しく高めると共に、燃料の流過抵抗が増大する等の憂いをなくすことができ、さらに長期に亘って相互の当接係合部での緩みによる洩れをなくして確実にして安定した接続を得ることができることとなる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すれば、図１は本発明のコモンレールにおける分岐接続体の接続構造の一部切欠きによる接続状態の拡大断面図、図２は他の実施例を示す図２相当図であって、（１）はコモンレールとしての本管レールであり、例えば管径２０ｍ／ｍ、肉厚８．０ｍ／ｍ程度の厚肉細径からなる金属管であって、その軸芯内部を流通路（１′）となして軸方向の周壁部に間隔を保持して複数からなる外方に開口する受圧座面（２）となす貫孔（１″）を流通路（１′）に通じて設けると共に、該受圧座面に連る流通路（１′）側孔部に螺子部（２′）を形成してなるものである。
【０００８】
一方、（３）は分岐枝管或いは分岐金具からなる分岐接続体であって、内部に前記流通路（１′）に通ずる流路（３′）を有してその端部附近のほぼ円錐状の押圧座面（３″）に連ってその先端部に螺子面（４）を設けてなるものであり、該螺子面による前記本管レール（１）側の螺子部（２′）との螺合締着に伴って押圧座面（３″）を受圧座面（２）部と当接係合するものである。
【０００９】
そして該当接係合状態をもって相互の係合部或いは螺合部、または相互の係合部と螺合部の両者を予め該部分に施した銅、銅合金等の金属ロー材よりなるペースト状、リング状、鍍金被膜状のロー材を加熱処理によって溶融してロー熔着（５）して接続するのである。
【００１０】
尚（６）はナットであり、所望に応じ前記分岐接続体（３）の押圧座面（３″）の外側上部に設けた別途逆螺子面（４′）との螺着によって本管レール（１）の外周面を係圧するように備えたロック機能のものであって、前記当接係合部での回り止め機能を発揮して緩みを防止せしめ、更に図２のように前記受圧座面（２）と押圧座面（３″）とのなす相互の当接係合部分及び螺合部分のみならず、前記本管レール（１）とナット（６）との逆螺子面（４′）の螺着部及び該ナットと本管レール（１）との係圧部を更にロー熔着（５）して形成すると一層安定した接続を得るように構成されるので好ましい。
【００１１】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるコモンレールにおける分岐接続体の接続構造は、特に本管レール（１）側の貫孔（１″）部に設けた螺子部（２′）に直接分岐接続体（３）側のなす拡径部を必要としない押圧座面（３″）に連る螺子面（４）を螺合締着せしめ、且つ好ましくは前記螺子面（４）と螺子部（２′）との相互の螺合部、前記押圧座面（３）と受圧座面（２）との相互の係合部、前記本管レール（１）とナット（６）との逆螺子面（４′）との螺着部、又は前記ナット（６）と本管レール（１）との係圧部のうち少くとも１つをロー熔着（５）することによって強固かつ確実に接続する構造により、接続部での別途囲繞する継手金具を一切不要となして製品を極度に軽量となすことができ、また押圧座面（３″）のなす端部附近の機械的強度を著しく高めると共に、燃料の流過抵抗を増大させる等の憂いをなくすことができ、さらに長期に亘って相互の当接係合部での緩みによる洩れをなくして確実にして安定した接続を得ることができる等、極めて有用なコモンレールにおける分岐接続体の接続構造である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例を示すコモンレールにおける分岐接続体の接続構造の一部切欠きによる接続状態の拡大断面図である。
【図２】他の実施例を示す図１相当図である。
【図３】従来例を示すコモンレールにおける分岐接続体の接続構造の一部切欠きによる拡大断面図である。
【符号の説明】
１ 本管レール
１″ 貫孔
２ 受圧座面
２′ 螺子部
３ 分岐接続体
３″ 押圧座面
４ 螺子面
５ ロー熔着
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般にディーゼル内燃機関における高圧燃料多岐管或いはブロック・レール等のようなコモンレールにおける分岐枝管もしくは分岐金具等のような分岐接続体の接続構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の接続構造としては、例えば図３に示すように、本管レール（１１）側の周壁部に設けた内部の流通路（１１′）に通ずる貫孔（１１″）のなす外方に開口する受圧座面（１２）に、該受圧座面附近の本管レール（１１）の外周部を囲繞する継手金具（１４）を使用して、端部を先細円錐状となして拡径部（１３′）を形成した分岐接続体（１３）側のなす押圧座面（１３″）を当接係合した状態をもって、継手金具（１４）に突設した螺子壁（１４′）に分岐接続体（１３）側に組込んだ取付ナット（１５）の螺合による前記拡径部（１３′）での押圧に伴って締着して接続するように構成されていた。尚（１６）はスリーブワッシャーである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術による接続構造としては、前記囲繞する継手金具（１４）を使用するため接続部での製品重量を増すこととなり、かつ分岐接続体（１３）での挫屈成形による拡径した前記接続頭部（１３′）の構造により該頭部内部に環状のポケット部（１７）を生ぜしめて燃料の流過抵抗を増大ならしめ、またナット（１５）による直接の螺合締着構造により長期に亘って緩みを招いて洩れを誘発してその接続を不安定となす等の問題を有するものであった。
【０００４】
本発明は従来技術の有する前記問題に鑑みてなされたものであり、従来技術のように囲繞する継手金具の使用を一切不要となして製品重量を極度に軽減し、また、分岐接続体側の押圧座面部のなす端部附近の拡径部を必要としない、しかも螺合およびロー熔着構造によって、該附近の機械的強度を著しく高めると共に、燃料の流過抵抗を増大ならしめる等の憂いをなくし、また同時に長期に亘り相互の当接係合部での緩みによる洩れを全くなくし、確実にして安定となすことのできるコモンレールにおける分岐接続体の接続構造を提供することを目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、軸芯内部に流通路を有する本管レールの軸方向の周壁部に間隔を保持して複数の貫孔を設け、且つ該貫孔の周面部にそれぞれ前記流通路に通ずる流路を有する分岐接続体を連設する外方に開口する受圧座面を形成して該分岐接続体の先細円錐状の押圧座面を当接係合せしめて接続してなる接続構造において、前記本管レールの貫孔のなす受圧座面に連る下部に螺子部を設け、一方、分岐接続体側の押圧座面に連って先端部に設けた螺子面での前記螺子部との螺合による当接係合状態をもって接続構成したコモンレールにおける分岐接続体の接続構造を要旨とするものであり、更に前記分岐接続体の押圧座面の外側上部に逆螺子面を有するナットを螺着して本管レールの外周面を係圧して回り止め機能をもたせ、また前記螺子面と螺子部との相互の螺合部、前記押圧座面と受圧座面との相互の係合部、前記本管レールとナットとの逆螺子面との螺着部、又は前記ナットと本管レールとの係圧部のうち少くとも１つをロー熔着せしめて構成したものである。
【０００６】
本発明は、以上のように構成されているため、本管レール側と分岐接続体との直接の螺合およびロー熔着による確実な接続構造とすることにより囲繞する継手金具を一切不要となして製品を極度に軽量となすことができ、また押圧座面部のなす端部附近での拡径部を必要としない構造によって成形の手間を除くと共に、該附近の機械的強度を著しく高めると共に、燃料の流過抵抗が増大する等の憂いをなくすことができ、さらに長期に亘って相互の当接係合部での緩みによる洩れをなくして確実にして安定した接続を得ることができることとなる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すれば、図１は本発明のコモンレールにおける分岐接続体の接続構造の一部切欠きによる接続状態の拡大断面図、図２は他の実施例を示す図２相当図であって、（１）はコモンレールとしての本管レールであり、例えば管径２０ｍ／ｍ、肉厚８．０ｍ／ｍ程度の厚肉細径からなる金属管であって、その軸芯内部を流通路（１′）となして軸方向の周壁部に間隔を保持して複数からなる外方に開口する受圧座面（２）となす貫孔（１″）を流通路（１′）に通じて設けると共に、該受圧座面に連る流通路（１′）側孔部に螺子部（２′）を形成してなるものである。
【０００８】
一方、（３）は分岐枝管或いは分岐金具からなる分岐接続体であって、内部に前記流通路（１′）に通ずる流路（３′）を有してその端部附近のほぼ円錐状の押圧座面（３″）に連ってその先端部に螺子面（４）を設けてなるものであり、該螺子面による前記本管レール（１）側の螺子部（２′）との螺合締着に伴って押圧座面（３″）を受圧座面（２）部と当接係合するものである。
【０００９】
そして該当接係合状態をもって相互の係合部或いは螺合部、または相互の係合部と螺合部の両者を予め該部分に施した銅、銅合金等の金属ロー材よりなるペースト状、リング状、鍍金被膜状のロー材を加熱処理によって溶融してロー熔着（５）して接続するのである。
【００１０】
尚（６）はナットであり、所望に応じ前記分岐接続体（３）の押圧座面（３″）の外側上部に設けた別途逆螺子面（４′）との螺着によって本管レール（１）の外周面を係圧するように備えたロック機能のものであって、前記当接係合部での回り止め機能を発揮して緩みを防止せしめ、更に図２のように前記受圧座面（２）と押圧座面（３″）とのなす相互の当接係合部分及び螺合部分のみならず、前記本管レール（１）とナット（６）との逆螺子面（４′）の螺着部及び該ナットと本管レール（１）との係圧部を更にロー熔着（５）して形成すると一層安定した接続を得るように構成されるので好ましい。
【００１１】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるコモンレールにおける分岐接続体の接続構造は、特に本管レール（１）側の貫孔（１″）部に設けた螺子部（２′）に直接分岐接続体（３）側のなす拡径部を必要としない押圧座面（３″）に連る螺子面（４）を螺合締着せしめ、且つ好ましくは前記螺子面（４）と螺子部（２′）との相互の螺合部、前記押圧座面（３）と受圧座面（２）との相互の係合部、前記本管レール（１）とナット（６）との逆螺子面（４′）との螺着部、又は前記ナット（６）と本管レール（１）との係圧部のうち少くとも１つをロー熔着（５）することによって強固かつ確実に接続する構造により、接続部での別途囲繞する継手金具を一切不要となして製品を極度に軽量となすことができ、また押圧座面（３″）のなす端部附近の機械的強度を著しく高めると共に、燃料の流過抵抗を増大させる等の憂いをなくすことができ、さらに長期に亘って相互の当接係合部での緩みによる洩れをなくして確実にして安定した接続を得ることができる等、極めて有用なコモンレールにおける分岐接続体の接続構造である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例を示すコモンレールにおける分岐接続体の接続構造の一部切欠きによる接続状態の拡大断面図である。
【図２】他の実施例を示す図１相当図である。
【図３】従来例を示すコモンレールにおける分岐接続体の接続構造の一部切欠きによる拡大断面図である。
【符号の説明】
１ 本管レール
１″ 貫孔
２ 受圧座面
２′ 螺子部
３ 分岐接続体
３″ 押圧座面
４ 螺子面
５ ロー熔着
Claims (3)
- 軸芯内部に流通路を有する本管レールの軸方向の周壁部に間隔を保持して複数の貫孔を設け、且つ該貫孔の周面部にそれぞれ前記流通路に通ずる流路を有する分岐接続体を連設するための外方に開口する受圧座面を形成して該分岐接続体の先細円錐状の押圧座面を当接係合せしめて接続してなる接続構造において、前記本管レール（１）の貫孔（１″）のなす受圧座面（２）に連る流通路側孔部に螺子部（２′）を設け、一方分岐接続体（３）側の押圧座面（３″）に連って先端部に設けた螺子面（４）での前記螺子部（２′）との螺合による当接係合状態をもって接続構成したことを特徴とするコモンレールにおける分岐接続体の接続構造。
- 前記分岐接続体（３）の押圧座面（３″）の外側上部に逆螺子面（４′）を有するナット（６）を螺着して本管レール（１）を係圧して回り止め機能をもたせたことを特徴とする請求項１記載のコモンレールにおける分岐接続体の接続構造。
- 前記螺子面（４）と螺子部（２′）との相互の螺合部、前記押圧座面（３）と受圧座面（２）との相互の係合部、前記本管レール（１）とナット（６）との逆螺子面（４′）との螺着部、又は前記ナット（６）と本管レール（１）との係圧部のうち少くとも１つをロー熔着（５）せしめて構成したことを特徴とする請求項１又は２記載のコモンレールにおける分岐接続体の接続構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11959296A JP3748943B2 (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | コモンレールにおける分岐接続体の接続構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11959296A JP3748943B2 (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | コモンレールにおける分岐接続体の接続構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09280458A JPH09280458A (ja) | 1997-10-31 |
| JP3748943B2 true JP3748943B2 (ja) | 2006-02-22 |
Family
ID=14765203
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11959296A Expired - Fee Related JP3748943B2 (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | コモンレールにおける分岐接続体の接続構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3748943B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6929288B2 (en) | 2001-12-20 | 2005-08-16 | Usui Kokusai Sangyo Kaisha Limited | Connecting structure of branch connector in fuel pressure accumulating container |
-
1996
- 1996-04-17 JP JP11959296A patent/JP3748943B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09280458A (ja) | 1997-10-31 |
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