JP3748040B2 - ダスト飛散防止機能付き集塵機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、含塵気流を吸込んでフイルターで濾過するように構成した集塵機の技術分野で利用されるものであって、具体的には、ホッパーに貯留したダストを排出回収する時に発生するダストの飛散を防止できるように工夫したダスト飛散防止機能付き集塵機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回収したダストの飛散を防止する技術に関しては、従来より、例えば実開昭58−43991号に見られるように、ダストを回収する時に発生する浮遊粉塵を集塵機の吸気ライン方向に吸引することができる配管を設けて、ダストの回収時にはこの配管に設けた手動バルブを開くことにより、浮遊する粉塵を吸込んで再び集塵機に回収させるように構成した粉体飛散防止装置が存在する。
【0003】
更に、例えば特許第2631746号公報に見られるように、ダストを回収する際に発生する浮遊粉塵を吸引する配管を袋取付カバー内に連設し、ダストを容器に収納する際に、吸引配管側の電磁弁を開いて浮遊する粉塵を再び集塵機に回収すると共に、吸引力によってビニール袋が萎んでしまわないように、電磁バルブを開いて外気を吸引させるように構成した集塵袋詰め装置が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のいずれの装置も、飛散粉塵を回収する際に、手動バルブを操作したり、電磁弁を動作させる必要があって、操作が複雑で面倒であると共に、浮遊粉塵回収用配管やそれに付随するバルブ等の諸設備を設ける必要があるため、配管作業の煩わしさと、バルブや配管等の詰りを除去するためのメンテナンスに対する煩わしさがあった。
【0005】
また、取り扱う粉塵の種類によって飛散状態も異なり、更に、ダストを回収する容器の構造や設置位置等によっても、粉塵が容器から浮遊して飛散する状態も異なるため、夫々の状態や状況に合せて吸引風量を適正に調整する必要があり、また、袋を密着させて粉塵を回収する場合には、袋が吸引力によって萎んでしまわないようにバルブを調整して吸引力を絞る必要があり、更に、バケツの様な容器に粉塵を落下させて回収する場合には、落下中に粉塵が飛散しないように、風量を増して十分な吸引力を発揮するように調整する必要があって、操作が極めて面倒であった。
【0006】
従って本発明の技術的課題は、集塵機のホッパーに貯留したダストを回収する時に発生するダスト(粉塵)の飛散を極力防止できると共に、回収時の操作を出来るだけ簡単にしたダスト飛散防止機能を備えた集塵機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記の技術的課題を解決するために、本発明では前記請求項1に記載の如く、ブロアーの吸引作用を受けてダスト室内に吸込んだ含塵気流を、フイルターを通して濾過した後、その清浄空気を清浄室を通して機外へ排出するように構成すると共に、上記フイルターに付着したダストを除塵装置によって除塵して下側のホッパーに払い落し、且つ、必要に応じてホッパーに貯留したダストを機外に排出するように構成した集塵機に於いて、通常運転時とダスト排出時のスイッチの切り換え操作に従って、上記ブロアー用モータの回転数を少くとも通常運転時の回転数と、ダスト排出時の回転数の2段階に可変可能に構成している。
【0008】
(2) また、本発明では前記請求項2に記載の如く、ブロアー用モータの回転数を、スイッチの切り換え操作に従って、通常運転時には高速回転し、ダスト排出時には低速回転するように2段階に制御することができるインバーター制御器を備えるように構成している。
【0009】
(3) また、本発明では前記請求項3に記載の如く、ダスト排出時に於けるブロアー用モータの駆動を一定時間低速に制御し、その後、時限停止するように構成している。
【0010】
(4) また、本発明では前記請求項4に記載の如く、ダスト排出時に於ける排出弁の開閉を検知する排出弁検知器を設け、この検知器が排出弁が開いたことを検知すると、ブロアー用モータの動作モードを、一定時間低速運転した後、時限停止する排出モードに切換えるように構成している。
【0011】
(5) また、本発明では前記請求項5に記載の如く、ホッパーの側面に二次空気を取り入れることができ、且つ、その開口度を調節自在に構成した調整口を設けるように構成している。
【0012】
(6) 更に本発明では、前記請求項6に記載の如く、ダスト室の側面に二次空気を取り入れることができ、且つ、その開口度を調節自在に構成した調整口を設けるように構成している。
【0013】
上記(1)で述べた手段によれば、通常運転時にはブロアー用モータを高速回転し、ダストをホッパーから排出させる時はこれを低速回転するようにスイッチ操作すれば、運転時には集塵を効率的に行い、ダストの排出回収時には吸引作用の影響を少くして飛散粉塵をソフトに回収できるため、周囲に粉塵を飛散させて環境を悪化させることなく、ダストの排出回収を衛生的に、且つ、簡単に行うことが可能となる。
【0014】
上記(2)で述べた手段によれば、インバーター制御器を使用することによって、通常運転時にはブロアー用モータを高い周波数で回転させ、ダスト排出回収時にはスイッチの切り換え操作によって上記のモータを低い周波数で回転させることができるため、ダストの排出回収作業を低い吸引作用の基で周囲に粉塵を飛散させことなく、衛生的に、且つ、簡単に行うことを可能にする。
【0015】
上記(3)で述べた手段によれば、ダストの排出回収のためにブロアー用モータを一定時間低速回転した後、ブロアー用モータの回転を止めて集塵運転を停止するため、この停止期間中にホッパーからのダスト回収袋の取外しや、排出弁の操作と言った諸作業を、吸引作用に影響されることなく極めて円滑に進めることを可能にする。
【0016】
上記(4)で述べた手段によれば、排出弁検知器がダスト排出弁が開いたことを検知すると、ダスト排出回収のためにブロアー用モータの動作モードを排出モードに切換えて、ブロアー用モータを一定時間低速回転した後、ブロアー用モータの回転を止めて集塵運転を停止するため、この停止期間中にホッパーからのダスト回収袋の取外しや、排出弁の操作と言った諸作業を、吸引作用に影響されることなく極めて円滑に進めることを可能にする。
【0017】
上記(5)で述べた手段によれば、例えばビニール袋をホッパーの排出口に取付けてダストを排出回収する場合には、ホッパーに設けた調整口を開いて二次空気を取り入れることによって、ビニール袋が吸引作用によって萎むことがなく、また、バケット等の容器にダストを排出回収する場合には、上記の調整口を閉じて二次空気の取り入れを止めることによって、ブロアーの吸引作用をホッパーの排出口に及ぼして、バケットへダストを落し込む際に発生する空気中へのダストの浮遊拡散を防止することを可能にする。
【0018】
上記(6)で述べた手段によれば、ダスト室に設けた調整口を開閉操作することによって、調整口からの二次空気の取り入れを制御して、上記(5)で述べた手段と同様の作用を発揮することを可能にする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、上述した本発明に係るダスト飛散防止機能付き集塵機の実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明を実施した集塵機の一例を示した側面図、図2は本発明の他の実施の形態を説明した側面図、図3はその正面図であって、これ等の図面に於いて夫々符号1で全体的に示したのは集塵機の本体、1Hはその内部ダスト室、2はダスト室1Hの下側に連設したダスト貯留用のホッパー、2Aはホッパー2の下端口2T(図4,図5参照)の周囲を囲むように設けたダストの排出筒、3は排出弁3Kを備えた排出レバー、1Tは本体1の全体を支持するスタンドを示す。
【0020】
4は上記ダスト室1Hの上部に蝶番5を用いて開閉自在なルーフとして取付けられた清浄室、6…はこの清浄室4をダスト室1Hの上端口を閉じた状態に締付固定する締付ボルト、4Tはダスト室1Hの上端口を塞ぐ仕切板を兼ねるフイルター取付板で、図2に示すようにフイルター12…を取付けたこの取付板4Tによって、ダスト室1Hと清浄室4が区画される仕組に成っている。
【0021】
次に、4′…は上記清浄室4の内部の天板部分に設けたブローボックスで、全体が偏平な空間を有するこれ等のブローボックス4′…は、清浄室4の天板にプレス等によって比較的大きな面積の凸部を絞り形成し、且つ、この天板の内底面に円板形状のルーフプレート板(図示省略)を密接状態に取付けることによって、図示したように極めて薄い状態に造られるものであって、これ等各ブローボックス4′…の略中央部の上面には、除塵用の圧縮エアーを圧入するためのノズル構造の供給口9A…が設けられている。
【0022】
また、上記各ブローボックス4′…の底面を構成するルーフプレートには、上記下側に位置する各フイルター12…の上端口に位置を合せた状態で、各ブローボックス4′…内に圧入された除塵用の圧縮エアーを、これ等各上端口に向けて吹込むことができるように複数の噴射孔が穿設されている。
【0023】
更に図中、1Aは上記ダスト室1Hの一側に設けた含塵気流の吸込口、4Aは上記清浄室4の一側に連設した吸引用ブロアー(図示省略)に通じる吸引ダクト管、9…は上記の各供給口9A…に取付けたダイヤフラム弁、7は圧縮エアーの供給部、8はヘッダータンク、8A…はこのヘッダータンク8と各ダイヤフラム弁9…の間を接続した圧縮エアーの供給パイプ、10はパイロット弁(図示省略)を収めたボツクスで、各フイルター12を逆洗して外側面に付着したダストを除塵する場合は、各ダイヤフラム弁9…が開いてヘッダータンク8から送られて来る圧縮エアーを各ブローボックス4′…内に圧入し、この圧入された圧縮エアーを底面の各噴射孔から下側に位置する各フイルター12…の上端口に向けて噴射して、これを各フイルター12内に吹込むことにより、付着しているダストを逆洗して下側のホッパー2に払い落す仕組に成っている。
【0024】
次に、20は本体1又はその他の部分に設けたスイッチコントロール基板で、ここにはブロアー用モータ25の運転用ON/OFFスイッチ21,22と、ダスト排出回収時に用いる排出スイッチ23が設けられている。また、図1と図2に於いて2Wはホッパー2の一側面、又は、ダスト室1Hの一側面に設けた二次空気取入用の調整口、2Xはその開口度を調節する開閉蓋、PKはダストを排出回収するビニール袋を示す。
【0025】
図4と図5は、前述した排出弁3Kがホッパー2の下端口2Tを閉じている状態と、開いている状態を説明した要部の構成図であって、図中、3Zは上記の排出弁3Kを取付けた排出レバー3の中間部を、前記排出筒2Aの外側部に設けたブラケツト3Xに上下回動(開閉回動)自在に取付ける取付軸、3Yは同じく上記のブラケット3Xに横向きに取付けたフレーム、3Sは上記排出弁3Kの開閉状態を検出する排出弁検出器、3Fは排出弁3Kを閉じた状態に係止するフックを示す。
【0026】
上記の排出弁検出器3Sは、図4に示すように排出弁3Kがホッパー2の下端口2Tを閉じている時は、排出レバー3に押されてOFFになっているが、図5に示すようにこの排出レバー3を回動することによって排出弁3Kが下端口2Tを開くと、排出レバー3による押圧が解かれてONして、排出弁3Kが開いていることを検知できる仕組に成っているが、このON/OFFスイッチ構造の検出器は実施の一例であって、排出弁検出器3Sの構造が図示したものにのみ限定されることはなく、排出弁3Kの開閉状態を検出できるものであれば、いずれの構成のものを使用してもよいことは勿論である。
【0027】
図6は本発明の電気的構成を説明したブロック図で、前述した各スイッチ21,22,23を備え、更に、上記の排出弁検知器3Sを接続したコントロール基板20に対して、インバーター制御器24を介して前記ブロアー用モータ25が接続されていて、このインバーター制御器24が上記各スイッチ21,22,23の操作に従って、ブロアー用モータ25の回転数を例えば通常運転時は120Hz、排出時には40Hzの2段階に制御したり、排出スイッチ23がONされるか、或は、排出弁検知器3Sが排出弁3Kの開放を検知した場合に、ブロアー用モータ25の動作モードを排出モードに切換えて、一定時間(例えば10分間)ブロアー用モータ25を低速回転した後、これを停止したりする制御を行う仕組に成っている。
【0028】
尚、図2に於いて11は下端部を上述したダスト室1Hに連設した複数筒で、その上端口には上蓋11Aが開閉自在に取付けられている。
【0029】
次に、上述した本発明の動作を図4に示したフローチャートに従って説明すると、始めのステップS1で運転用のOFFスイッチ22が投入されたか否かが判定され、YESの場合はステップS8に進んでインバーター制御器24に対して停止指令を発してステップS1に戻るが、NOの場合は次のステップS2に進んで排出スイッチ23、又は、排出弁検知器3SがONされたか否かが判定され、YESの場合はステップS9に進み、NOの場合はステップS3に進む。
【0030】
上記のステップS3では、運転用のONスイッチ21がONされたか否かが判定され、NOの場合は始めのステップS1に戻るが、YESの場合は次のステップS4に進んでブロアー用モータ25の電流値がスキャンされ、次いで、ステップS5に進んでデータテーブルのルックアップ処理が成された後、ステップS6に進んで推論指令周波数値(例えば120Hz)がセットされ、更にステップS7に進んでインバーター制御器24による周波数指令、即ち、速度指令をブロアー用モータ25に送るため、ブロアー用モータ25を上記120Hzで高速回転して、ブロアーによる通常の集塵運転を行うことができる。
【0031】
一方、前記のステップS2でYES(排出スイッチ23又は排出弁検知器3SがON)と判定された場合は、ステップS9に進んで運転用のONスイッチ21がONされているか否かが判定され、YESの場合は前述したステップS4に進むが、NOの場合はステップS10に進んで排出モードの停止時間のカウントが開始され、次いで、ステップS11に進んで予めセットしてある停止時間(例えば10分間)が経過した否かが判定され、YESの場合は前述したステップS8に進んでインバーター制御器24に対して停止指令を発してステップS1に戻るが、NOの場合(時間内の場合)はステップS12に進んでブロアー用モータ25の周波数を排出時の超低速(例えば40Hz)にセットした後、前記ステップS7に進むため、ブロアー用モータ25を一定時間超低速で回転することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上述べた次第で、本発明に係るダスト飛散防止機能付き集塵機によれば、スイッチ操作を行ったり、ホッパーの排出弁を開閉操作するだけで、ブロアー用モータの回転を通常運転時の高速回転と、ダスト排出時の低速回転の2段階に制御でき、然も、ダスト排出時には排出モードに切換えることによって、一定時間低速回転続けてブロアーの吸引作用による影響を少くすることが出来るため、ホッパーに貯留してあるダストの排出回収を、周囲にダストを飛散させることなく衛生的に行うことができるものであって、操作が頗る簡単である点、並びに、調整口の開口度を調節して二次空気の取り入れ量をコントロールすることによって、ビニール袋が萎まないようにしたり、バケットダストを落し込む時のダストの浮遊拡散を防止できるようにした点と相俟って、環境に配慮した優れた集塵機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダスト飛散防止機能付き集塵機の一例を示した側面図である。
【図2】本発明に係るダスト飛散防止機能付き集塵機の他の例を示した側面図である。
【図3】本発明に係るダスト飛散防止機能付き集塵機の一例を示した正面図である。
【図4】排出弁が閉じている状態を示した本発明の要部の構成図である。
【図5】排出弁が開いている状態を示した本発明の要部の構成図である。
【図6】本発明の電気的構成を説明したブロック図である。
【図7】本発明の動作を説明したフローチャートである。
【符号の説明】
1 集塵機の本体
1H ダスト室
2 ホッパー
2T ホッパー下端口
2A 排出筒
2W 調整口
2X 開閉蓋
3K 排出弁
3s 排出弁検知器
4 清浄室
4′ ブローボックス
12 フイルター
21 ONスイッチ
22 OFFスイッチ
23 排出スイッチ
24 インバーター制御器
25 ブロアー用モータ

Claims (6)

  1. ブロアーの吸引作用を受けてダスト室内に吸込んだ含塵気流を、フイルターを通して濾過した後、その清浄空気を清浄室を通して機外へ排出するように構成すると共に、上記フイルターに付着したダストを除塵装置によって除塵して下側のホッパーに払い落し、且つ、必要に応じてホッパーに貯留したダストを機外に排出するように構成した集塵機に於いて、
    通常運転時とダスト排出時のスイッチの切り換え操作に従って、上記ブロアー用モータの回転数を少くとも通常運転時の回転数と、ダスト排出時の回転数の2段階に可変可能に構成したことを特徴とするダスト飛散防止機能付き集塵機。
  2. ブロアー用モータの回転数を、スイッチの切り換え操作に従って、通常運転時には高速回転し、ダスト排出時には低速回転するように2段階に制御することができるインバーター制御器を備えて成ることを特徴とする請求項1記載のダスト飛散防止機能付き集塵機。
  3. ダスト排出時に於けるブロアー用モータの駆動を一定時間低速に制御し、その後、時限停止するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のダスト飛散防止機能付き集塵機。
  4. ダスト排出時に於ける排出弁の開閉を検知する排出弁検知器を設け、この検知器が排出弁が開いたことを検知すると、ブロアー用モータの動作モードを、一定時間低速運転した後、時限停止する排出モードに切換えるように構成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載のダスト飛散防止機能付き集塵機。
  5. ホッパーの側面に二次空気を取り入れることができ、且つ、その開口度を調節自在に構成した調整口を設けたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のダスト飛散防止機能付き集塵機。
  6. ダスト室の側面に二次空気を取り入れることができ、且つ、その開口度を調節自在に構成した調整口を設けたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のダスト飛散防止機能付き集塵機。
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