JP3083744B2 - 排ガス処理設備 - Google Patents

排ガス処理設備

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JP3083744B2 JP07279285A JP27928595A JP3083744B2 JP 3083744 B2 JP3083744 B2 JP 3083744B2 JP 07279285 A JP07279285 A JP 07279285A JP 27928595 A JP27928595 A JP 27928595A JP 3083744 B2 JP3083744 B2 JP 3083744B2
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英明 岩崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は排ガス処理設備に
関し、さらに詳しくは、バグフィルター、流量調整弁お
よび可変速ファンを用いることを特徴とし、特に光導波
路や光ファイバー等の合成設備のように製造条件(特に
処理ガス流量に起因する圧力変動)を一定に保つ必要の
ある設備に用いるのに適した排ガス処理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】排ガス処理設備を大別すると湿式法と乾
式法に分けることができる。しかし、湿式による排ガス
処理法は、大規模な排水処理設備が必要であり、処理薬
品も高価である。その点、乾式による排ガス処理法には
これらの欠点はない。例えば、乾式による排ガス処理法
として、布袋(バグ)によってダストを捕集するバグフ
ィルターは各種プラントから排出されるガス中のダスト
を捕集する設備として広く用いられている。(例えば、
特開昭55−132617号公報、特開昭61−153
121号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、バグフィル
ターはバグにダストが付着・堆積することにより、バグ
フィルター入口側の吸引ガス圧および吸引ガス流量が変
化しやすい。しかも、ダスト付着量の増加に対応してガ
ス処理能力が徐々に低下するため、一定の周期でバグに
付着したダストを払い落とす作業が不可欠である。した
がって、排ガス処理が長時間に渡る、すなわち排ガス処
理を伴う工程が長時間に渡る場合には、工程の途中でダ
ストを払い落とす作業を行う必要がある。ダストを払い
落とす方法としては一般的に振動・パルスエア等の手段
が用いられている。これらの方法によるダスト払い落と
し作業時に処理ガス流量が変動することは避けられな
い。
【0004】処理ガス流量の変動は、排ガス処理を伴う
工程の設備において圧力変動を生じさせるが、通常は生
じる圧力変動が微小であるため殆ど問題は起きない。し
かしながら、工程によっては高精度な圧力制御を必要と
するものがあり、そのような場合には、微小な圧力変動
であっても悪影響を及ぼすことがある。
【0005】例えば、高品質な光ファイバーを製造する
には、製造条件を安定状態に保つようにすることが必要
である。しかしながら、光ファイバー母材合成時に、処
理ガス流量の変動に起因する圧力変動が生じると、光フ
ァイバーの製造条件を一定に保つことができないため、
品質の優れた光ファイバーを得ることはできない。した
がって、バグフィルターをそのまま光ファイバー合成設
備の排ガス処理設備として用いることはできない。
【0006】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、乾式
ガス処理設備としてのバグフィルターの特徴を生かし、
しかもバグフィルターの入口側ガス圧を一定に制御する
ことができる排ガス処理設備を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る排ガス処理設備は、バグフィルターの出
口側の管路に流量調整弁を配し、さらに該流量調整弁に
後続する管路に可変速ファンを配し、上記バグフィルタ
ーの入口側の管路には圧力指示調節計を設置し、該圧力
指示調節計で検知した圧力に応じて上記可変速ファンの
回転数を変化させることによって上記バグフィルターの
入口側ガス圧を一定に制御可能であることを特徴として
いる。
【0008】実際は、バグフィルター入口側ガス圧を測
定しながらその圧力が一定となるように制御することに
より、結果的に処理ガス流量が一定になるようにしてい
る。本発明の主目的は、処理ガス流量を一定にすること
により、排ガス処理設備を伴う設備内に圧力変動が生じ
ないようにすることである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例とともに説明する。図1は、本発明に係る排ガス処理
設備の全体フローを示す。図1において、符号1、2は
バグフィルターである。バグフィルター1、2の出口側
管路3、4には、それぞれ流量調整弁5、6が配設され
ている。流量調整弁5、6に後続する管路7には電圧可
変・周波数可変方式の可変速ファン8が設置され、可変
速ファン8に引き続いて洗浄塔9が設置されている。光
ファイバー合成設備の排ガス処理設備として用いる場合
には、光ファイバー合成設備(図示せず)の出口に接続
された管路10には圧力指示調節計11が設置されてお
り、該指示調節計11の指示値の増減に対応して可変速
ファン8の回転数が変化するよう構成されている。符号
12は高圧エアを送給する管路であり、符号13はCa
(OH)2 のホッパー、符号14a、14b、14c、
14dはそれぞれヒーターである。
【0010】以上のように構成される本発明の排ガス処
理設備を光ファイバー合成設備用排ガス処理設備として
用いる場合には、該光ファイバー合成設備用排ガス処理
設備の稼働形態は、予熱工程、運転工程、置換工程、停
止工程の4工程から構成される。以下に、各工程につい
て説明する。
【0011】(1) 予熱工程 光ファイバー合成設備の排ガス中には、HCl、Cl2
等の成分が含まれており、酸性になっているので、装置
内温度が酸露点以下に低下しないように加熱して設備を
保護する必要がある。そのため、ダンパー15、16な
らびに流量調整弁5、6を閉じて、光ファイバー合成設
備の排ガスを吸引しないようにした上で、ヒータ14
b、14cによりバグフィルター1、2の内部を加熱す
る。このバグフィルターとしては、各種のタイプのもの
が供給されているが、例えば、図2に示す構造のものを
使用することができる。図2を説明すると、31は袋状
の複数の濾布であり、32は含塵空気入口、33は清浄
空気出口、34は濾布31に付着したダストを除去する
ために使用する圧縮空気入口、35はダスト排出口、3
6はダスト排出用ギヤードモーターである。
【0012】バグフィルターの予熱に引き続いて、ダン
パー16、17、18および流量調整弁5、6を開き、
可変速ファン8の運転を開始する。同時にヒーター14
aもオンにしてダンパー16より導入した外気を昇温
し、設備全体を酸露点以上まで加熱する。次いで、洗浄
塔9の運転を開始する。
【0013】(2) 運転工程 図1の排ガス処理設備のバグフィルターは2台であり、
通常1台が運転され、他の1台は待機状態とされる。い
ま、バグフィルター1が運転中であり、バグフィルター
2は待機中であるとすれば、流量調整弁6は閉じられ、
流量調整弁5は開かれている。そして、ダンパー16を
閉じ、一方、ダンパー15を開き、可変速ファン8を運
転することにより、光ファイバー合成設備の排ガスが管
路10、10aを経てバグフィルター1に導入される。
【0014】上記したように、光ファイバー合成設備の
排ガスには酸性成分が含有されているので中和剤として
のアルカリが必要であり、光ファイバー合成設備からの
排ガス導入に呼応して管路12から送給される高圧エア
によってホッパー13中のCa(OH)2 が管路12a
を経て管路10に供給される。また、ガス温を酸露点よ
り十分高い温度に保つため、ヒーター14aにより管路
10を流通するガスが昇温される。なお、ヒーター14
aのオン・オフは温度指示調節計19によりコントロー
ルされる。また、待機中のバグフィルター2も酸露点以
上に保つため、ヒーター14cをオン・オフさせる。さ
らに、ヒーター14aに達するまでに結露した排ガス中
の酸性成分はドレンポット20に捕集される。
【0015】このようにして光ファイバー合成設備の排
ガス中のダストはバグフィルター1で捕集され、ダスト
捕集および一次中和された排ガスは洗浄塔9で最終的に
中和処理が施された後、洗浄塔9の頂部より外部へ放出
される。
【0016】ところが、排ガス中のダストがバグフィル
ター1の濾布に付着することにより圧損が徐々に上昇す
る。このように定常運転中においても排ガス圧力(流
量)は変動しやすい状況にあるが、光ファイバーの品質
安定化のためには排ガス圧力の変動は避けねばならな
い。そこで、圧力指示調節計11で検知した圧力に応じ
て可変速ファン8の回転数を変化させることにより、圧
力検知点11aでの排ガス圧力を一定にコントロールす
ることが可能になる。例えば、いま圧力指示調節計11
による設定が「−250mmAq」のときにその測定圧力
が「−260mmAq」に変化すれば、可変速ファン8の
回転数を下げることにより、上記検知圧力が一定になる
ように制御することができる。
【0017】やがて、濾布に付着するダスト量が増大し
てバグフィルター1のガス処理能力が一定以下に低下す
ると、バグフィルター2への切替えとバグフィルター1
の濾布に付着したダストの払い落としが行われる。しか
し、バグフィルターの切替えが即時に行われると、瞬時
にして大きな(通常、100mmAq以上の)圧力変動が
圧力検知点11aで発生する。このような圧力変動は光
ファイバーの品質安定化にとって好ましくないため、こ
れを避けるために、以下のような方法でバグフィルター
の切替えが行われる。
【0018】まず、待機しているバグフィルター2の出
口側にある流量調整弁6を徐々に開き、流量調整弁6が
全開になったことを確認した後、バグフィルター1の出
口側の流量調整弁5を徐々に閉じて全閉とする。このと
きの流量調整弁5、6の開閉の様子を模式的に示したも
のが図3で、同図において直線部はバグフィルター(B
F)が運転中であることを示す。流量調整弁5、6の開
閉の切替え動作中における圧力変動を避けるために、圧
力指示調節計11で検知した圧力に応じて可変速ファン
8の回転数を変化させることにより、圧力検知点11a
での圧力変動を抑制することができる。このような方法
を用い、より具体的には処理風量13.1m3 /min.に
おいて圧力指示調節計21で検知したバグフィルターの
入・出の圧力差が225mmAqに達したときバグフィル
ター1から2への切替えを行うと、図4(a)に示すよ
うに、バグフィルターの入・出の圧力差は切替え前後で
大きく変動し且つ切替え後にその圧力差は増加する傾向
を示したが、バグフィルター入口側の圧力検知点11a
での圧力は、図4(b)に示すように、その変動幅は2
〜3mmAq以下であり、ほとんど変化しないことが確認
できた。(図4において、横軸の1目盛りは20分であ
る)このようにしてバグフィルター1をバグフィルター
2に切替えて、以後バグフィルター1の場合と同様にし
て圧力検知点11aでの圧力が一定となるように可変速
ファン8の回転数を変化させつつ、光ファイバー合成設
備の排ガス中のダストをバグフィルター2により捕集す
る。この間に、バグフィルター1の濾布に付着したダス
トを払い落とすために、バルブ22を閉じ、バルブ2
3、24を開いてパルスエア方式により管路12の高圧
エアを用いてダストを払い落とす。このダスト払い落と
し時においても管路12bの温度を酸露点より十分高い
温度に保持するため、温度指示調節計25によりヒータ
ー14dを適宜稼働させる。なお、パルスエア方式によ
るダスト払い落とし時にも圧力検知点11aでの圧力
は、可変速ファン8の作用により、図4(b)に関して
説明したように殆ど変化しないことが分かる。
【0019】以上のようにして排ガス中のダスト捕集に
使用するバグフィルターと、濾布に付着したダストを払
い落とすバグフィルターとを交互に切替えて光ファイバ
ー合成設備の排ガス処理を行う。そして、光ファイバー
合成設備の運転が終了すると、それに対応して排ガス処
理設備の運転も停止する。そのためには、以下に説明す
る置換工程と停止工程を行う。
【0020】(3) 置換工程 ダンパー15を閉じ、光ファイバー合成設備の排ガスの
導入を停止する。また、ホッパー13の底部の供給機1
3aを停止にし、管路10へのCa(OH)2の供給を
停止する。そして、可変速ファン8を運転し、ダンパー
16を開いて外気を導入し、同時に温度指示調節計19
による各測定温度が酸露点より十分高い温度に保たれる
ようにヒーター14a、14b、14cを制御し、装置
に酸成分が結露することのないようにしつつ装置内に残
留する光ファイバー合成設備の排ガスを空気に置換す
る。同時に、バグフィルター1または2の濾布に付着し
たダストを同上方法で払い落とし、運転再開に備える。
【0021】(4) 停止工程 装置内の光ファイバー合成設備の排ガスがすべて空気に
置換された時点で、ヒーター14b、14c以外のすべ
てのヒーターによる加熱を停止し、可変速ファン8の運
転を停止する。そして、ダンパー17ならびに流量調整
弁5、6を全閉とし、洗浄塔9の運転を停止する。停止
中は、ヒーター14b、14cにてバグフィルター本体
の保温を継続するが、別方法としては、温風循環方式を
採用することも可能である。
【0022】本実施例ではバグフィルター1、2を分離
させて2台としたが、1台のバグフィルー内を2部屋に
仕切り、各部屋に濾布を設置して2台のバグフィルター
と同じ機能を持たせることも可能である。この場合で
も、バルブの操作は2台の場合と同じである。
【0023】また、本実施例ではバグフィルターを2台
用いた例を示したが、バグフィルターの数を3台以上と
し、複数台のバグフィルターが同時に稼働するようにし
てもよい。この場合には、順次待機・ダスト払い落とし
作業を施していくことができるので、例え微小の処理ガ
ス量変動が生じても、他のバグフィルターの可変速ファ
ンの調整によって直ちに相殺することができるので好ま
しい。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、定常的に圧力抵抗が変
化したり、周期的に大きく圧力抵抗が変化する排ガス処
理設備として使用した場合にも、当該排ガス処理設備入
口側の圧力を一定にコントロールすることができる。従
って、本発明の排ガス処理設備は、光ファイバー合成設
備のように、製品製造時の圧力(風量)の安定化に対す
る要求が極めて厳しい設備の排ガス処理に優れた効果を
発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガス処理設備の全体フローを示す図
である。
【図2】バグフィルターの一実施例を示す一部切欠斜視
図である。
【図3】バグフィルターの流量調整弁の切替え形態の一
実施例を示す図である。
【図4】図4(a)はバグフィルターの入・出の圧力差
の推移を示す図、図4(b)はバグフィルター入口側の
圧力の推移を示す図である。
【符号の説明】
1、2…バグフィルター 5、6…流量調整弁 8…可変速ファン 9…洗浄塔 11…圧力指示調節計 13…ホッパー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−167420(JP,A) 特開 昭62−294797(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 46/00 - 46/54

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガスをバグフィルターで処理する排ガ
    ス処理設備であって、上記バグフィルターの出口側の管
    路に流量調整弁を配し、さらに該流量調整弁に後続する
    管路に可変速ファンを配し、上記バグフィルターの入口
    側の管路には圧力指示調節計を設置し、該圧力指示調節
    計で検知した圧力に応じて上記可変速ファンの回転数を
    変化させることによって上記バグフィルターの入口側ガ
    ス圧を一定に制御可能であることを特徴とする排ガス処
    理設備。
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