JP3746616B2 - 外装材の支持金物および建物の外壁構造 - Google Patents

外装材の支持金物および建物の外壁構造 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、外装材の支持金物および建物の外壁構造に関するものであり、詳しくは、極めて簡単に施工でき、しかも、軽量で且つ耐震性に優れ、特に、外断熱工法に好適な外装材の支持金物、および、当該支持金物を使用した外断熱工法による建物の外壁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
躯体壁がコンクリートの建物においては、アングル材(L型鋼)を利用した支持構造により外装パネル等の外装材が取り付けられる。図8は、従来の外装材の支持構造を示す断面図である。図8に示す支持構造は、躯体壁(4)の表面に対して縦横の胴縁状に配置された下地用アングル材(8a,8b)により外装パネル(6)を支持する構造である。すなわち、アンカーボルト(9a)によってアングル材(8a)を躯体壁(4)に固定し、躯体壁(4)から突出したアングル材(8a)の一片に他のアングル材(8b)を重ねて溶接した後、外側のアングル材(8b)の鉛直な一片に外装パネル(6)をテックス等のネジ(9b)によって固定した構造である。上記の様な外装材の支持構造は、特開平9−41554号公報などに開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図示した外装材の支持構造は、外装パネル(6)を取り付けるまでの施工、すなわち、支持具としてのアングル材(8a,8b)の施工に極めて手間を要する。また、アングル材(8b)の一片によって外装パネル(6)の取付レベルを設定する構造であるため、躯体壁(4)表面の平面度(平坦度)や平滑性(微小な凹凸の度合い)によっては、アングル材(8b)の組み付けや外装パネル(6)の取り付けに熟練した調整が必要である。
【0004】
更に、躯体壁の外側に断熱材を配置する外断熱工法によって施工せんとした場合、上記の支持構造では、躯体壁(4)表面からパネル取付レベルとしてのアングル材(8b)の一片までの間隔が小さいため、断熱材を十分な厚さで設けることが難しく、また、仮に、断熱材の厚さを厚くするため、大きな幅のアングル材(8a,8b)を使用し、壁面から外装材までの離間距離を大きく設定した場合は、胴縁状の配置による荷重負荷に加え、アングル材(8a,8b)及び外装パネル(6)による水平および鉛直荷重が大きくなるため、十分な耐震性を確保するのが難しくなる。
【0005】
従って、また、アングル材(8a,8b)及び外装パネル(6)による躯体に対する荷重負荷ならびにアングル材(8a,8b)の配置形態の問題から、上記の支持構造によっては、外断熱工法によるコンクリート造やALC造の建物において断熱材の厚さを厚くすることは勿論、通気層を設けることは甚だ困難である。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑み、外装材の支持構造において、施工性を高めること、軽量性を確保すること、断熱材の厚さに拘らず施工可能なこと、ならびに、通気層を確保すること等を主眼に種々検討の結果なされたものである。本発明の目的は、簡単に施工でき、しかも、軽量で且つ耐震性に優れた外装材の支持金物を提供することにある。また、本発明の目的は、上記の支持金物を使用した外断熱工法による建物の外壁構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る外装材の支持金物は、コンクリート造またはALC造の建物の外装材を支持するために躯体壁面に設置される支持金物であって、基端が壁面に略垂直に取り付けられる支持ボルトと、当該支持ボルトを補強するための補強部材とから成り、前記補強部材は、前記支持ボルトを相対的に挿通させる装着部と、当該装着部から張出された複数の支持板とから構成され、前記各支持板は、その底辺先端の壁面接触部分から支持ボルト先端側に向けられた略直線的な筋交構造を備えていることを特徴とする。
【0008】
上記の支持金物は、躯体壁面に支持ボルトを締結して設置され、外装材は、支持ボルトに補強部材を装着した後、補強部材の装着部から突出した支持ボルトの先端側に取り付けられる。また、外装材を固定する場合、補強部材において装着部から張出された少なくとも1つの支持板は、支持ボルトから水平方向に張出す状態か、または、支持ボルトから鉛直方向に張出す状態に位置させられる。そして、斯かる支持金物においては、補強部材の支持板が上記の特定の筋交構造を備えており、水平方向に張出された支持板は、横方向のモーメント荷重を補強的に支持し、また、鉛直方向に張出された支持板は、支持ボルト先端に生ずる上下方向のモーメント荷重を補強的に支持する。
【0009】
また、上記の支持金物における好ましい態様において、補強部材の各支持板は、壁面側の底辺と装着部側の一辺とのなす角が直角の略直角三角形に形成されている。斯かる形状の支持板は、最も少ない面積で最大の筋交強度を発揮する。
【0010】
また、支持金物の上記の各態様においては、壁面の仕上げ精度に影響されることなく筋交機能を発揮させるため、壁面側の支持板の底辺は、装着部側の基端および装着部から離間した先端が壁面に接触し、中央が壁面との間に隙間を形成するブリッジ構造を備えているのが好ましい。
【0011】
更に、上記の各支持金物において、補強部材には支持板が2枚設けられ、各支持板は、平面視した場合、装着部を中心として180°の開き角で張出されていることにより、水平方向または上下方向のモーメント荷重を選択的に支持する場合に適用できる。また、補強部材には支持板が4枚設けられ、各支持板は、平面視した場合、装着部を中心として90°の開き角で張出されていることにより、水平方向および上下方向の両方のモーメント荷重を支持する場合に適用できる。
【0012】
また、上記の課題を解決するため、本発明に係る建物の外壁構造は、上記の支持金物を使用したコンクリート造またはALC造の建物の外壁構造であって、躯体壁と、当該躯体壁の室外側に設けられた断熱材と、当該断熱材の室外側に設けられた外装材とから成り、前記支持金物の支持ボルトの基端が前記躯体壁に埋設され、補強部材の装着部から突出した前記支持ボルトの先端側に前記外装材が取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
上記の外壁構造においては、壁面と外装材との離間距離の大きさに拘らず、躯体壁に取り付けられた支持金物が外装材を上述の様に支持するため、外断熱工法において、断熱材の厚さを所望の厚さに設定し得る。更に、上記の外壁構造において、通気層工法を適用する場合には、断熱材と外装材の間に通気層が設けられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る外装材の支持金物および建物の外壁構造の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、2方向の補強部材が設けられた支持金物を示す斜視図である。図2は、2方向の補強部材が設けられた支持金物の他の形態を示す斜視図である。図3は、4方向の補強部材が設けられた支持金物を示す斜視図である。図4は、4方向の補強部材が設けられた支持金物の他の形態を示す斜視図である。図5は、図1及び図2における支持金物の使用態様を示す躯体壁の正面図である。図6は、図3及び図4における支持金物の使用態様を示す躯体壁の正面図である。図7は、図1における支持金物の設置状態を示す図であり、外壁構造の縦断面図である。
【0015】
先ず、本発明に係る外装材の支持金物について説明する。本発明の支持金物は、図中に符号(1)で示されている。斯かる支持金物(1)は、図7に示す様に、外装パネル等の建物の外装材(6)を支持するために躯体壁(4)の壁面に設置される金物である。
【0016】
支持金物(1)を適用する建物としては、鉄骨コンクリート造、鉄筋コンクリート造、鉄骨軽量コンクリート造、ALC造(気泡発泡養生コンクリート造)等の建物が挙げられる。外装材(6)としては、上記の建物に適用可能な窯業系、鉄板系、アルミ板系、複合材料系などの適宜の外装材を使用し得る。図示した外装材(6)は、躯体壁(4)に係止するための係止片が四周囲に設けられた扁平な箱状の外装パネルである。
【0017】
支持金物(1)の各種の形態が図1〜図4に示されており、各図に示す支持金物(1)は、基端が壁面に略垂直に取り付けられる支持ボルト(1B)と、当該支持ボルトを補強するための補強部材(1C)とから成り、補強部材(1C)は、支持ボルト(1B)を相対的に挿通させる装着部(2)と、当該装着部から張出された複数の支持板(3)とから構成される。
【0018】
各図に示す支持金物(1)において、支持ボルト(1B)としては、長さを適宜に設定し得るいわゆる寸切りボルトが使用される。実際的な建物の外壁構造や支持力を考慮すると、通常、支持ボルト(1B)の直径は8〜16φ程度であり、支持ボルト(1B)の長さは75〜300mm程度である。
【0019】
図1〜図4は、装着部(2)の構造および支持板(3)の枚数の異なる態様を例示したものであり、図1及び図2は、支持板(3)が2枚設けられた形態を示し、図3及び図4は、支持板(3)が4枚設けられた形態を示す。また、図1と図2、および、図3と図は、各々、装着部(2)の違いならびにその違いによる補強部材(1C)の組立構造の相違を示す。
【0020】
図1に示す支持金物(1)について説明すると、補強部材(1C)の装着部(2)は、支持ボルト(1B)に対して後述の支持板(3)を力学的に一体化するための結合部であり、通常、支持ボルト(1B)が緩く嵌り込む程度の内寸の管状体によって構成される。装着部(2)の高さ(長さ)は、躯体壁(4)の表面から外装材(6)の底部までの離間距離に応じて75〜300mm程度の範囲で設定される。図中に例示した装着部(2)は円形パイプ状の部材で構成されたものあるが、装着部(2)の形状は適宜に設計できる。
【0021】
補強部材(1C)の支持板(3)は、支持ボルト(1B)に加えられる荷重の一部を支えるための平板状の部材である。図1に示す支持金物(1)においては、2枚の支持板(3)が設けられており、これらの支持板(3)の構成材料としては、鋼板なども使用し得るが、自重、変形強度および耐蝕性を考慮し、一般的には約1〜4mmの厚さのステンレス板が使用される。
【0022】
本発明においては、支持ボルト(1B)を効果的に補強するため、補強部材(1C)の各支持板(3)は、その底辺(31)の先端(31d)の壁面接触部分から支持ボルト(1B)先端側に向けられた略直線的な筋交構造(筋違い構造)を備えている。具体的には、各支持板(3)の形状は、側面視した場合、壁面側の底辺(31)と装着部(2)側の一辺(32)とのなす角が直角の略直角三角形になされている。そして、直角三角形の斜辺に相当する部位によって筋交構造が構成される。図1中、鎖線の矢印が筋交構造における荷重および抗力の作用方向を示す。
【0023】
また、支持板(3)は、軽量化を図るために板面の中央が肉抜きされている。しかも、図7に示す様に、筋交構造を構成する上記の斜辺部分の強度を高めるため、装着部(2)の先端(2d)側に相当する支持板(3)角部の角度、すなわち、支持板(3)の一辺(32)と上記の斜辺のなす角度(α)は、30〜60°、好ましくは約45°に設定される。
【0024】
更に、図1に示す様に、各支持板(3)においては、躯体壁(4)の壁面の平坦度や微小な凹凸に対して不陸調整するため、壁面側の底辺(31)は、装着部(2)側の基端(31c)及び装着部(2)から離間した先端(31d)が壁面に接触し、中央が壁面との間に隙間を形成するブリッジ構造を備えている。底辺(31)中央の壁面との隙間は、3〜10mm程度に設定される。
【0025】
また、図2に示す支持金物(1)について説明すると、図示する様に、支持金物(1)において、補強部材(1C)は、1枚の金属板から一体的に構成されていてもよい。すなわち、図2に示す支持金物(1)は、壁面に取り付けられる支持ボルト(1B)と、当該支持ボルトを補強する補強部材(1C)とから成り、補強部材(1C)は、支持ボルト(1B)に装着される装着部(2)と、当該装着部から張出され且つそれぞれに上記と同様の筋交構造を備えた2枚の支持板(3)とから構成される。しかも、補強部材(1C)の2枚の支持板(3)は、一体に成形され、装着部(2)は、一体的な2つの支持板(3)の共通の頂部および中央底部に曲げ加工にて形成された穴明きの上下一対の張出し片により構成される。
【0026】
更に、支持板(3)の底辺(31)の先端には、上記の張出し片と同様に側方への曲げ加工によって固定片(31f)が設けられてもよい。上記の支持金物(1)において、補強部材(1C)の固定片(31f)は、これを利用して施工時に躯体壁(4)にネジ止めすることにより、支持ボルト(1B)を中心とした補強部材(1C)の回動を防止できるため、外装材(6)の取り付け作業が一層容易になる。図2に示す支持金物(1)は、打ち抜き成形などによって補強部材(1C)を簡単に加工できるため、工業的に一層有利である。
【0027】
上述の様に、図1及び図2に示す支持金物(1)においては、補強部材(1C)の支持板(3)が2枚設けられており、各支持板(3)は、平面視した場合、装着部(2)を中心として180°の開き角で張出されている。斯かる支持金物(1)は、図5に示す様に、装着部(2)に対して対称な2枚の支持板(3)が支持ボルト(1B)から水平方向に張出した状態、または、支持ボルト(1B)から鉛直方向に張出した状態となる様に、例えば、躯体壁(4)の壁面に対して交互に多数設置される。
【0028】
上記の支持金物(1)は、図7に示す様に、支持ボルト(1B)をアンカーによって締結することにより躯体壁(4)の壁面に設置される。そして、外装材(6)は、支持ボルト(1B)に装着部(2)を相対的に挿通することにより、補強部材(1C)を装着した後、装着部(2)から突出した支持ボルト(1B)の先端側に固定される。通常、支持ボルト(1B)の先端には、角パイプ等から成る縦胴縁(6e)が取り付けられ、外装材(6)は、縦胴縁(6e)に沿ってネジ止めされる。
【0029】
上記の様に施工された場合、支持金物(1)において、補強部材(1C)の支持板(3)は、上述の特定の筋交構造を備えており、水平方向に張出された支持板(3)は、外装材(6)の揺れ等によって支持ボルト(1B)の先端側に生ずる横方向のモーメント荷重を補強的に支持し、また、鉛直方向に張出された支持板(3)は、外装材(6)を支持することによって支持ボルト(1B)の先端側に生ずる上下方向のモーメント荷重を補強的に支持する。
【0030】
更に、本発明の支持金物(1)において、殊に、側面形状が略直角三角形になされた補強部材(1C)の支持板(3)は、最も少ない面積で最大の筋交強度を発揮する。しかも、底辺(31)の中央が壁面との間に隙間を形成するブリッジ構造になされた支持板(3)は、壁面の仕上げ精度に影響されることなく筋交機能を発揮することが出来る。そして、本発明の支持金物(1)は、水平方向または上下方向のモーメント荷重を選択的に支持させる場合に適用できる。
【0031】
次に、図3に示す支持金物(1)について説明すると、斯かる支持金物(1)は、図1に示す支持金物(1)の構造において、4枚の支持板(3)が設けられた金物である。すなわち、図3に示す支持金物(1)は、壁面に取り付けられる支持ボルト(1B)と、当該支持ボルトを補強する補強部材(1C)とから成り、補強部材(1C)は、支持ボルト(1B)に装着される装着部(2)と、当該装着部から張出され且つそれぞれに上記と同様の筋交構造を備えた4枚の支持板(3)とから構成される。支持ボルト(1B)、装着部(2)および各支持板(3)の構成は、図1に示す支持金物(1)におけるのと同様である。
【0032】
また、図4に示す支持金物(1)について説明すると、斯かる支持金物(1)は、図2に示す支持金物(1)の構造において、4枚の支持板(3)が設けられた金物である。すなわち、図4に示す支持金物(1)は、支持ボルト(1B)と、当該支持ボルトを補強する補強部材(1C)とから成り、補強部材(1C)は、支持ボルト(1B)に装着される装着部(2)と、当該装着部から張出され且つそれぞれに上記と同様の筋交構造を備えた4枚の支持板(3)とから構成される。
【0033】
図4に示す支持金物(1)において、補強部材(1C)は、2枚の支持板(3)が一体に成形された図2の支持板と同様の板状の本体部材と、1枚の支持板(3h)から成り且つ本体部材の一面側に配置される板状の側方部材と、1枚の支持板(3g)から成り且つ本体部材の他面側に配置される板状の第2の側方部材との3つの板状部材から構成される。
【0034】
しかも、各板状部材の装着部(2)は、各部材の頂部および底部に曲げ加工にて形成された穴明きの上下一対の張出し片により構成されており、各板状部材は、これら張出し片が入れ子状に重畳する状態で組み合わされる。図4に示す支持金物(1)は、打ち抜き成形などによって3つの板状部材を作製することにより、簡単に補強部材(1C)を構成できる。なお、支持ボルト(1B)、各装着部(2)及び各支持板(3)の構成は、図2に示す支持金物(1)におけるのと同様である。
【0035】
上述の様に、図3及び図4に示す支持金物(1)においては、補強部材(1C)の支持板(3)が4枚設けられており、各支持板(3)は、平面視した場合、装着部(2)を中心として90°の開き角で張出されている。斯かる支持金物(1)は、図6に示す様に、装着部(2)に対して対称な2枚の支持板(3)が支持ボルト(1B)から水平方向に張出し且つ他の2枚の支持板(3)が支持ボルト(1B)から鉛直方向に張出した状態となる様に、躯体壁(4)の壁面に対して多数設置される。また、図示する様に、壁面における支持金物(1)の配列は、支持する荷重に応じた適宜のパターンで設定でき、更に、各支持金物(1)の間には、取付レベル調整用の寸切りボルトを適当な間隔で配置することも出来る。
【0036】
上記の支持金物(1)は、図1の態様と同様に、躯体壁(4)に設置され、そして、外装材(6)は、装着部(2)から突出した支持ボルト(1B)の先端側に固定される。上記の様に施工された支持金物(1)において、補強部材(1C)の支持板(3)は、上述の機能と同様の筋交機能を発揮し、支持ボルト(1B)の先端側に生ずる横方向および上下方向のモーメント荷重を補強的に支持する。更に、略直角三角形になされた補強部材(1C)の支持板(3)は、少ない面積で最大の筋交強度を発揮し、しかも、支持板(3)のブリッジ構造は、壁面の仕上げ精度に影響されることなく筋交機能を発揮する。補強部材(1C)に支持板(3)が4枚設けられた本発明の支持金物(1)は、水平方向および上下方向の両方のモーメント荷重を支持させる場合に適用できる。
【0037】
換言すれば、図1〜図4に示す本発明の支持金物(1)は、支持ボルト(1B)を躯体壁(4)に取り付けるだけで簡単に施工できる。更に、1本の支持ボルト(1B)及び平板状の支持板(3)を有する補強部材(1C)から主に構成されているため、極めて軽量であり、しかも、支持ボルト(1B)の先端側を躯体壁(4)に支持させる補強部材(1C)の筋交構造により、優れた耐震性を発揮できる。従って、本発明の支持金物(1)は、躯体壁(4)から外装材(6)までの隙間距離を大きく設定し、十分な厚さの断熱材を設ける外断熱工法に好適であり、また、断熱材の内側に通気層を設ける通気層工法に好適である。
【0038】
次に、本発明に係る建物の外壁構造について説明する。本発明の外壁構造は、上述の支持金物(1)を使用した外断熱工法による建物の外壁構造であり、図7に示す様に、躯体壁(4)と、当該躯体壁の室外側に設けられた断熱材(5)と、当該断熱材の室外側に設けられた外装材(6)とから成り、支持金物(1)の支持ボルト(1B)の基端が躯体壁(4)に埋設され、補強部材(1C)の装着部(2)から突出した支持ボルト(1B)の先端側に外装材(6)が取り付けられる。外装材(6)は、上述の様に、支持ボルト(1B)の先端に取り付けられた縦胴縁(6e)に固定される。
【0039】
上記の外壁構造においては、躯体壁(4)の壁面と外装材(6)との離間距離の大きさに拘らず、躯体壁(4)に取り付けられた支持金物(1)が外装材(6)を上述の様に強固に支持するため、外断熱工法において、断熱材(5)の厚さを例えば75〜300mmと言った十分な厚さに設定し得る。従って、本発明の外壁構造によれば、コンクリート造の建物において、躯体壁(4)を室内温度に準じた蓄熱体とする断熱性に一層優れた高断熱化構造が実現される。
【0040】
更に、上記の外壁構造において、通気層工法を適用する場合には、断熱材(5)と外装材(6)の間に通気層(7)が設けられる。斯かる通気層(7)は、大気と通気可能になされており、断熱材(5)の湿潤化を防止する。従って、通気層(7)が設けられた本発明の外壁構造によれば、外壁の耐久性を一層向上させることが出来る。
【0041】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明に係る外装材の支持金物によれば、支持ボルトを躯体壁に取り付けるだけで簡単に施工でき、また、支持ボルト及び平板状の補強部材から主に構成されているために極めて軽量であり、しかも、特定の筋交構造により優れた耐震性を発揮する。従って、本発明の支持金物は、躯体壁から外装材までの隙間に十分な厚さの断熱材を設ける外断熱工法に好適である。
【0042】
また、本発明に係る建物の外壁構造によれば、躯体壁に取り付けられた支持金物が外装材を強固に支持するため、外断熱工法において、断熱材の厚さを所望の厚さに設定し得る。従って、本発明の外壁構造によれば、コンクリート造の建物において、躯体壁を室内温度に準じた蓄熱体とする断熱性に一層優れた高断熱化構造が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】2方向の補強部材が設けられた支持金物を示す斜視図
【図2】2方向の補強部材が設けられた支持金物の他の形態を示す斜視図
【図3】4方向の補強部材が設けられた支持金物を示す斜視図
【図4】4方向の補強部材が設けられた支持金物の他の形態を示す斜視図
【図5】図1及び図2における支持金物の使用態様を示す躯体壁の正面図
【図6】図3及び図4における支持金物の使用態様を示す躯体壁の正面図
【図7】図1における支持金物の設置状態ならびに外壁構造を示す縦断面図
【図8】従来の外装材の支持構造を示す断面図
【符号の説明】
1 :支持金物
1B :支持ボルト
1C :補強部材
2 :装着部
2d :装着部の先端
3 :支持板
31 :支持板の底辺
31d:底辺の先端
4 :躯体壁
5 :断熱材
6 :外装材
7 :通気層

Claims (7)

  1. コンクリート造またはALC造の建物の外装材を支持するために躯体壁面に設置される支持金物であって、基端が壁面に略垂直に取り付けられる支持ボルトと、当該支持ボルトを補強するための補強部材とから成り、前記補強部材は、前記支持ボルトを相対的に挿通させる装着部と、当該装着部から張出された複数の支持板とから構成され、前記各支持板は、その底辺先端の壁面接触部分から支持ボルト先端側に向けられた略直線的な筋交構造を備えていることを特徴とする外装材の支持金物。
  2. 補強部材の各支持板は、壁面側の底辺と装着部側の一辺とのなす角が直角の略直角三角形に形成されている請求項1に記載の支持金物。
  3. 壁面側の支持板の底辺は、装着部側の基端および装着部から離間した先端が壁面に接触し、中央が壁面との間に隙間を形成するブリッジ構造を備えている請求項1又は2に記載の支持金物。
  4. 補強部材には支持板が2枚設けられ、各支持板は、平面視した場合、装着部を中心として180°の開き角で張出されている請求項1〜3の何れかに記載の支持金物。
  5. 補強部材には支持板が4枚設けられ、各支持板は、平面視した場合、装着部を中心として90°の開き角で張出されている請求項1〜3の何れかに記載の支持金物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の支持金物を使用したコンクリート造またはALC造の建物の外壁構造であって、躯体壁と、当該躯体壁の室外側に設けられた断熱材と、当該断熱材の室外側に設けられた外装材とから成り、前記支持金物の支持ボルトの基端が前記躯体壁に埋設され、補強部材の装着部から突出した前記支持ボルトの先端側に前記外装材が取り付けられていることを特徴とする建物の外壁構造。
  7. 断熱材と外装材の間に通気層が設けられている請求項6に記載の建物の外壁構造。
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