JP3746140B2 - レーザ保全・補修装置 - Google Patents

レーザ保全・補修装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光により材料の加工、施工物表面の残留応力改善、表面改質、溶接補修等を行うレーザー保全・補修装置に係り、特にレーザー発振器によって発生させたレーザー光を所定距離導いて施工部に集光させて照射する構成のレーザー保全・補修装置において、高エネルギー密度のレーザー光を効率よく照射することができるレーザー保全・補修装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザー光は波長が非常に短い可干渉性の単色光であって、位相がよく揃い、かつ、収束性が非常に高いので、狭い面積に高密度の光りエネルギーを集中させることができるため、通信、計測、医療、金属加工などの広い分野で利用されている。
【0003】
金属加工の分野では、高いエネルギー密度のレーザー光を利用して溶接、切断、穿孔、表面改質等の様々な加工が行われている。レーザー光を用いた加工は、非接触加工であるため、光が届く場所であればどのような場所でも加工が可能であり、レーザー光を集光させて施工部に照射する照射ヘッドも小型にすることができる。また、材料への入熱が少ないため、精密な加工が可能等の長所を有している。これらの長所を活かして、原子力発電プラント等の原子圧力容器及び炉内構造物の保全と補修にレーザー光を用いた加工が利用されている。
【0004】
例えば、沸騰水型原子炉の炉内構造物は、高温高圧環境下において十分な耐食性と高温強度を有する材料、例えばオーステナイトステンレス鋼またはニッケル基合金等によって構成されている。これらの部材は、プラントの長期に及ぶ運転により、厳しい環境に長時間曝され、また中性子照射の影響もあるため、材料劣化の問題を考慮しなければならない。特に、炉内構造物の溶接部近傍は溶接入熱による材料の鋭敏化および引張り残留応力のため、潜在的な応力腐食割れの危険性を有している。
【0005】
最近、原子力発電プラントの安全運転のため、予防保全対策として種々の材料の表面改良技術が開発されている。その中にレーザー光を材料表面に照射し表面改質を行う技術が例えば特開平7−246483号公報および特開平8−206869号公報に開示されている。
【0006】
前者は、パルスレーザ装置からレーザー光を反射ミラーを通して被加工物の表面(施工面)に照射し、その施工面での照射位置を変えながらレーザー光を照射して施工面に圧縮応力を残留させる方法である。
【0007】
後者は、冷却水に浸漬された施工面に可視波長を持つ高出力、短パルスのレーザー光を照射して、施工面の残留応力改善、亀裂除去またはクラッドの除去を行う方法である。
【0008】
これらの方法および装置においては、レーザー光を発振器から施工面箇所まで導く導光手段として光ファイバを使用している。光ファイバは柔軟で狭域部まで導光できるという利点を有している。
【0009】
また、レーザー光の照射ヘッドにおいては、光ファイバによって導光されたレーザー光は、レンズ等の集光光学系により任意の面積に集光され、さらにミラー等により光路を変え、加工対象の任意の場所に照射される。
【0010】
このように、レーザー発振器と施工面が離れている場合における従来のレーザー加工装置は、レーザー発振器で発生させたレーザー光を光ファイバ等の導光手段によって転送し、光導波路(レーザー光の転送経路)の末端でレンズと反射ミラーによってレーザー光を集光させて施工部に照射するようにしていた。
【0011】
図20は、上記レーザー発振器と施工面が離れている場合の従来のレーザー加工装置の構成図である。
【0012】
図20に示すように、液中に設置されたレーザー加工装置の照射ヘッド51は、図には示されていないレーザー光源(レーザー発振器)から導光手段(光ファイバ)により伝送されたレーザー光52を収束するための集光レンズ53と、集光されたレーザー光52を反射して施工部54に照射するための反射ミラー55と、液中作業が可能なように集光レンズ53および反射ミラー55を空気中(液密構造の導光手段の内部)に保持するために液体をシールするための光学窓56により構成されている。
【0013】
施工に用いるレーザー光は高エネルギー密度であり、施工部54と照射ヘッド51が近接している場合、光学窓56や反射ミラー55の表面においてもレーザー光は高エネルギー密度となる。伝送されるレーザー光のパルスエネルギーを200mJ、材料表面での照射面積を1mmとすると、エネルギー密度は20J/cmに達する。施工部54と光学窓56が密接している場合は、光学窓56表面では20J/cm、反射ミラー55表面ではビーム径が5mmとすると4J/cm以上の光学的強度が必要となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の従来のレーザー加工装置では、導光する光ファイバと、レーザー光を集光あるいは反射するレンズや反射ミラーの制約により、高エネルギー密度のレーザー光を照射するには限界があった。また、光ファイバと上記構造のレンズや反射ミラーを使用することを原因とする加工の困難さもあった。以下、このことを説明する。
【0015】
上述したように、従来のレーザー加工の方法および装置は、レーザー光を発振器から施工面箇所まで導くのに光ファイバを使用しているが、光ファイバで導光可能なパワーまたはエネルギーには限界があった。この光ファイバの材料的な限界が、レーザー加工装置のレーザー光のエネルギー密度を制限し、加工性能の限界となっていた。
【0016】
また、前述のような表面改質を目的とした場合に、必要な施工面での光パワーおよびエネルギー密度を得るには、光ファイバから出射した光をできるだけ小さく集光する必要がある。ところが、光ファイバから出射される光は、本質的に光ファイバのコアを光源とした拡散光と同等であり、光ファイバ構成材料の屈折率によって決まるNA数(Numerical Aperture)で広がって出射する性質がある。一般にパワーレーザ用の光ファイバではNA数が0.2程度であり、この光ファイバから出射した光は概ね46度(=2sin-1(0.2))の角度を持って拡散する。
【0017】
このような光ファイバからの光を施工面に照射するためにはレンズを用いて光ファイバのコアの像を材料に結像させる必要がある。この場合、施工面での像の大きさは拡大率に光ファイバコアの大きさを乗じたものとなる。このような性質から光ファイバから出射した光をできるだけ小さく集光するには拡大率を小さくする必要がある。
【0018】
ところが、拡大率を小さくした場合、レンズから出射する収束ビームのNA数は大きくなる。すなわち、拡大率をMとし、光ファイバのNA数をA、結像側のNA数をBとしたとき、M=A/Bの関係がある。例えば、光ファイバ(A=0.2)を用いて光ファイバのコアと同じ大きさにした場合、B=0.2となり、46度の角度をもって収束する。
【0019】
このように深い角度で収束させる場合、焦点深度が非常に浅くなるので、複雑な形状を持った施工面を対象とした場合には、光ファイバおよびレンズを含む照射光学系の精密に位置決めしなければならなかった。
【0020】
上記課題はレーザー光を光ファイバにより伝送する場合に必ず付随するもので、空間を伝送させてNA数の低いレンズで集光させたときには当てはまらない。
【0021】
一方、施工部に照射するためにレーザー光を集光反射させる照射ヘッドにも、高エネルギー密度のレーザー光照射に対する制約があった。
【0022】
上述したように、レーザー光源から施工部に近い照射ヘッド部に伝送されたレーザー光は、レンズ等の集光光学系により任意の面積に集光され、さらに反射ミラー等により光路を変え、加工対象の任意の場所に照射して施工されるが、高エネルギーのレーザー光を照射する場合は、集光用レンズや反射ミラー等の光学系は損傷を防ぐためレーザー光のパワーに対し十分耐えるだけの光学的強度を持つ必要がある。
【0023】
特に、集光後にレーザー光が反射される反射ミラーや、水中施工等の理由によりこれらの光学系を内蔵した照射ヘッドを液密にする必要がある場合に、レーザー光を照射ヘッド内部から外部へ射出させるための光学窓は、非常に高いエネルギー密度のレーザー光に耐えなければならない。
【0024】
しかし、通常反射ミラー表面に形成される誘電体等の反射膜は、高反射率で高価であるが、光学的強度は劣っていると言わざるを得ない。連続光のレーザーの場合、レーザー光のエネルギー密度はこれらの光学部品がダメージを受けるほどのレベルには通常達しないが、非常に短パルスのレーザー光の場合はピークエネルギーがこのレベル以上に達する場合があり、加工に用いることのできるレーザー光のエネルギーを制限する要因となっていた。
【0025】
また、反射ミラーがダメージを受け易いため、例えば図Xのレーザー加工装置において、反射ミラー5への入射角度は、損傷を防ぐため0゜あるいは45゜等の決められた角度に制限されていた。このため、ミラーを駆動して任意の角度にレーザー光を照射することはできなかった。これにより、加工時の微調整が制限されていた。
【0026】
さらに、レーザー光の反射ミラー5表面でのビーム径を大きくするために集光レンズ7と反射ミラ一5を接近させた場合、集光レンズ7は焦点距離が短い物を使用せねばならなかった。この反射ミラー上のビーム径を大きくしなければならない問題は、上述した光ファイバによる拡大率を小さくしなければならない問題と相まってレンズの焦点距離を一層短くせざるを得ず、これが照射部表面での照射面積に誤差を大きく発生する要因となっていた。
【0027】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、高エネルギー密度のレーザー光の利用を可能にし、さらにレーザー光による加工を容易化あるいは適用範囲の拡大が可能なレーザー保全・補修装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に係るレーザー保全・補修装置は、
液体の外部に設置したレーザー電源と、液体中に設置したレーザー照射装置とを有し、
前記レーザー照射装置は、前記レーザー電源に接続したレーザー発振器と、このレーザー発振器を収納したレーザー透過窓を有する水密容器と、前記水密容器のレーザー透過窓に前記レーザー発振器のレーザー光を導くように接続された導光手段と、前記導光手段からのレーザー光を集光して施工部に照射する照射ヘッドとからなり、
前記導光手段は、液密に構成された管状の導光部材を有し、この導光部材の内部に反射部材を設け、前記導光部材に水平旋回、水平伸縮、垂直旋回、垂直伸縮動作を付与する機構のうち少なくとも一つの機構を設けたことを特徴とするものである。
【0029】
本発明によれば、光ファイバに代えて管状の導光部材によってレーザー光を導くようにしているので、レーザー光は概ね気中を通過し、光ファイバに比較して高エネルギー密度でレーザー光を伝送することができる。
【0030】
また、レーザー光を空間伝送する場合は平行光が得やすいため、拡大率を小さくしなければならない要求が緩和され、焦点深度を深くとれるので、位置決め精度の要求が緩和される。
【0031】
また、導光手段に旋回伸縮機構を設けているため、照射ヘッドを施工面に近づけて対向させることが容易であり、一方離れた広い場所で大型のレーザー発振器から高エネルギー密度のレーザー光を照射ヘッドに送ることができる。原子炉容器等にこのレーザー保全・補修装置を用いれば、炉内構造物またはノズル部を含む原子炉圧力容器内の施工面にレーザピーニング、溶融、クラッディング、溶接等の予防保全、補修作業を行うことができる。
【0032】
本願請求項2に係るレーザー保全・補修装置は、
原子炉圧力容器外に設置したレーザー電源と、このレーザー電源に接続した原子炉圧力容器内に設置したレーザー照射装置とを有し、
前記レーザー照射装置は、前記レーザー電源に接続したレーザー発振器と、このレーザー発振器を収納しレーザー透過窓を有する水密容器と、前記水密容器のレーザー透過窓に接続した導光手段と、前記導光手段からのレーザー光を集光して施工部に照射する照射ヘッドとを具備し、
前記導光手段は、前記水密容器に直列的に複数本接続された液密構造の管状の導光部材を有し、これらの導光部材の内部に反射部材を設け、前記導光部材に水平旋回、水平伸縮、垂直旋回、垂直伸縮動作を付与する機構のうち少なくとも一つの機構を設けたことを特徴とするものである。
【0033】
本発明によれば、レーザー発振器と施工面との距離を短くできるため、レーザー光の伝送損失を減らすことができる。また、位置決め精度を高めることが容易で、相対位置精度が要求される導光部材を短縮でき、よって据付時の作業が容易となる。
【0034】
本願請求項3に係るレーザー保全・補修装置は、上記請求項2のレーザー保全・補修装置において、
原子炉圧力容器内のシュラウド胴上部の上部格子板にセンターポストを立設し、このセンターポストに水平旋回自在に旋回装置を設け、この旋回装置に水平方向に移動自在に移動台車を設け、この移動台車に前記レーザー照射装置を搭載してなることを特徴とするものである。
【0035】
本発明によれば、上部格子板にセンターポストを介して遠隔駆動される旋回駆動装置とレーザー照射装置の旋回機構および伸縮機構により照射ヘッドが旋回、水平伸展および昇降の3自由度を有するため、レーザー光を施工面に確実に照射でき、これにより原子炉圧力容器および炉内構造物のレーザピーニング、溶融、クラッディング、溶接等の予防保全、補修作業を行うことができる。
【0036】
本願請求項4に係るレーザー保全・補修装置は、上記請求項3のレーザー保全・補修装置において、
前記旋回装置の先端部に前記シュラウド胴上縁部に接する垂直方向車輪と水平方向車輪とを取着してなることを特徴とするものである。
【0037】
本発明によれば、シュラウド胴上縁部を走行する垂直方向車輪と水平方向車輪により旋回装置を円滑に旋回駆動させることができるため、原子炉内の保全、補修作業を容易に行うことができる。
【0038】
本願請求項5に係るレーザー保全・補修装置は、上記請求項2に係るレーザー保全・補修装置において、
前記原子炉圧力容器内のシュラウド胴上部の上部格子板に水平旋回、水平伸展および上下昇降機構を有する遠隔駆動装置を設け、この遠隔駆動装置に前記レーザー照射装置を設けてなることを特徴とするものである。
【0039】
本発明によれば、水平旋回、水平伸展および昇降の3自由度を有する遠隔駆動装置によりシュラウド胴内壁全域をカバーできる動作範囲を有し、照射ヘッドを原子炉圧力容器内の施工面に移動させることが容易になり、検査、補修など一連の保全、補修作業を連続的に効率よく実施することができる。
【0040】
また、遠隔駆動装置が設置されている上部格子板の格子穴とは別の格子穴から照射ヘッドを挿入し、照射ヘッドと遠隔駆動装置の寸法制約(炉心支持板通過条件)の緩和を図ることができ、炉心支持板より下部のシュラウド内作業を行うことができる。
【0041】
本願請求項6に係るレーザー保全・補修装置は、上記請求項1ないし5のいずれかのレーザー保全・補修装置において、
前記旋回動作を付与する回転機構は、前記導光部材の外面に設けたベアリングおよびOリングと、回転駆動用のモータと、このモータの回転軸に取り付けたギヤと噛合する前記導光部材の外面に設けたギヤとからなることを特徴とするものである。
【0042】
本発明によれば、一方の導光部材と他方の部材とが回転自在に取り付けられてモータ(アクチュエータ)により相対的に回転できる。また、一方の部材と他方の部材とが伸縮自在に取り付けられ、伸縮機構(アクチュエータ)により相対的に伸縮できる。また、導光部材は液密であると同時に、回転自在に取り付けられているので、導光部材は液密を保ちながら回転でき、さらに伸縮自在に取り付けられた導光部材は互いに液密を保ちながら伸縮できる。
【0043】
本願請求項7に係るレーザー保全・補修装置は、上記請求項1ないし6のいずれかのレーザー保全・補修装置において、
前記導光部材中の反射部材には第1および第2のモータにより相互に直交する軸回りに回転自在の位置合わせ機構を設けてなることを特徴とするものである。
【0044】
本発明によれば、第1および第2のモータにより反射部材を調心しながら反射部材の角度を変えることができる。したがって、導光部材のたわみ等により位置ずれが生じたとしても、遠隔で位置合わせができ、作業を中断することなく短時間に施工を終了させることができる。
【0045】
本願請求項8に係るレーザー保全・補修装置は、
液体の外部に設置したレーザー電源と、液体中に設置したレーザー照射装置とを有し、
前記レーザー照射装置は、前記レーザー電源に接続したレーザー発振器と、このレーザー発振器を収納したレーザー透過窓を有する水密容器と、前記水密容器のレーザー透過窓に前記レーザー発振器のレーザー光を導くように接続された導光手段と、前記導光手段からのレーザー光を集光して施工部に照射する照射ヘッドとからなり、
前記照射ヘッドは、前記導光手段の光導波路の末端にあって前記導光手段を密閉する要素をなすとともにレーザー光を透過させる光学窓と、前記光学窓の導光手段内側または導光手段外側に配置されてレーザー光を集光する集光部材と、前記集光部材により集光されたレーザー光を反射して施工部に照射する反射ミラーにより構成され、
前記反射ミラーは、透明体と、前記透明体の背面に設けられた真空層からなる反射層とを有し、前記透明体背面と前記反射層の境界における全反射によりレーザー光を反射することを特徴とするものである。
【0046】
本発明によれば、光学窓を導光手段の密閉要素とすることによって集光部材の近くに配置し、光学窓へのレーザー光の照射面積を大きくしている。このため、光学窓に対するレーザー光のエネルギー密度を小さくなり、その分導光手段によって転送可能なレーザー光のエネルギーを高くしている。
【0047】
また、本発明による反射ミラーは、ミラー背面に真空あるいは所定の流体からなる反射層を設け、ミラー背面とこの反射層の境界における全反射によりレーザー光を反射するようにしているので、反射ミラー表面の反射膜の工学的強度の制限を排し、これによって高エネルギー密度のレーザー光を使用することを可能としている。
【0048】
本願請求項9に係るレーザー保全・補修装置は、
液体の外部に設置したレーザー電源と、液体中に設置したレーザー照射装置とを有し、
前記レーザー照射装置は、前記レーザー電源に接続したレーザー発振器と、このレーザー発振器を収納したレーザー透過窓を有する水密容器と、前記水密容器のレーザー透過窓に前記レーザー発振器のレーザー光を導くように接続された導光手段と、前記導光手段からのレーザー光を集光して施工部に照射する照射ヘッドとからなり、
前記照射ヘッドは、前記導光手段の光導波路の末端にあって前記導光手段を密閉する要素をなすとともにレーザー光を集光する集光部材と、前記集光部材により集光されたレーザー光を反射して施工部に照射する反射ミラーにより構成され、
前記反射ミラーは、透明体と、前記透明体の背面に設けられた真空層からなる反射層とを有し、前記透明体背面と前記反射層の境界における全反射によりレーザー光を反射することを特徴とするものである。
【0049】
本発明によれば、集光部材が導光手段の密閉要素にもなっているので、光学窓が不要とすることができる。即ち、構造を簡素化するとともに、光学窓の光学強度による制限を完全に排除することができる。
【0050】
本願請求項10に係るレーザー保全・補修装置は、上記請求項8または9のレーザー保全・補修装置において、
前記照射ヘッドは、施工部のレーザー光散乱原因物質を除去する液体噴射ノズルを有することを特徴とするものである。
【0051】
本発明によれば、照射ヘッドにレーザー光散乱原因物質を除去する液体噴射ノズルを設けているので、施工部で発生する気泡あるいはゴミを除去することができ、レーザー光を効率よく施工部に照射することができる。
【0052】
本願請求項11に係るレーザー保全・補修装置は、上記請求項8または9のレーザー保全・補修装置において、
前記照射ヘッドは、レーザー照射部表面に液層を形成する液体噴射ノズルを有することを特徴とするものである。
【0053】
本発明によれば、照射ヘッドにレーザー照射部表面に液層を形成する液体噴射ノズルを設けているので、空気中でも液中と同様の加工が可能となる。
【0054】
本願請求項12に係るレーザー保全・補修装置は、上記請求項8ないし11のいずれかのレーザー保全・補修装置において、
前記照射ヘッドは前記導光手段の先端部と円筒状に一体的に形成され、前記導光手段は周方向の回転と軸方向の伸縮動作を付与する機構を備え、筒状施工物の内面を加工可能に構成されたことを特徴とするものである。
【0055】
本発明によれば、導光手段の先端部と照射ヘッドとを円筒状に一体化し、回転と伸縮動作を付与する機構により、導光手段の先端部および照射ヘッドを周方向に回転あるいは軸方向に移動させながら加工することができ、特に筒状の施工部の内面を容易に加工することが可能となる。
【0056】
本願請求項13に係るレーザー保全・補修装置は、上記請求項8ないし12のいずれかのレーザー保全・補修装置において、
前記照射ヘッドの反射ミラーには、第1および第2のモータにより相互に直交する軸回りに回転自在の位置合わせ機構を設けてなることを特徴とするものである。
【0057】
本発明によれば、反射ミラーに、第1および第2のモータにより相互に直交する軸回りに回転自在の位置合わせ機構を設けていることにより、レーザー光の反射ミラーヘの入射角が全反射の臨界角よりも大きい角度範囲で駆動し、レーザー光を任意の方向に反射して加工することができる。これにより、照射ヘッドを移動せずに広い範囲の施工部を連続的に加工することが可能となる。
【0058】
本願請求項14に係るレーザー保全・補修装置は、上記請求項8ないし13のいずれかのレーザー保全・補修装置において、
前記導光手段は光ファイバからなり、前記照射ヘッドは水平旋回、水平伸縮、垂直旋回、垂直伸縮動作を付与する機構のうち少なくとも一つの機構を有する支持駆動装置によって支持されていることを特徴とするものである。
【0059】
本発明によれば、照射ヘッドを支持駆動装置によって支持駆動し、導光手段は柔軟な光ファイバによって構成しているので、直接見通すことのできない複雑な形状の光導波路でも施工部までレーザー光を容易に伝送することが可能となる。
【0060】
【発明の実施の形態】
次に、本発明によるレーザー保全・補修装置の実施の形態について添付の図面を用いて以下に説明する。なお、上記説明から明らかなように、本発明によるレーザー保全・補修装置は、高エネルギー密度のレーザー光の利用を可能にすること等のために、レーザー光を転送する導光手段、レーザー光を集光して照射する照射ヘッド、照射ヘッドを遠隔操作する装置等に改良を加えたものであるが、これらは組み合わせた場合はもちろん、単独でも十分効果があるものである。そこで、下記各実施形態は導光手段、照射ヘッド等の改良について別々に説明するが、これらの実施形態は互いに組み合わせて使用可能なものである。
【0061】
最初に、図1および図2により本発明に係るレーザ保全・補修装置の第1参考例を説明する。
【0062】
図1において、符号1は原子炉圧力容器であって上蓋を取り外した状態を示している。原子炉圧力容器1内には炉内構造物としての円筒状シュラウド胴2が設置されており、シュラウド胴2の下端は原子炉圧力容器1の底部に溶接されている。シュラウド胴2の上部には格子状の上部格子板3が、中間部には円形の穴が等ピッチで設けられた炉心支持板4がそれぞれボルトによって固定されている。
【0063】
燃料集合体は、通常は上部格子板3と炉心支持板4の間に設置されているが、シュラウド胴2の内部の点検、検査など一連の予防保全作業や補修作業の際には燃料交換機を用いて燃料集合体を取り除き、上部格子板3の格子から作業機器を挿入する必要がある。この作業機器を挿入する格子の内寸法は約290mmである。
【0064】
また、原子炉圧力容器1内部の保全作業は作業員の放射線被曝を防止するため、炉内構造物を水没させて遠隔水中において行われる。シュラウド胴2の最下部までの水深は約25mである。
【0065】
符号5は原子炉圧力容器1の上方に設置されているオペレーションフロアで、このオペレーションフロア5上にレーザー電源6と、レーザー電源6に接続したレーザー発振器7が設置されている。レーザー発振器7にはオペレーションフロア5からシュラウド胴2内下部まで昇降し、水平旋回、水平伸縮する機能を有する導光手段8が接続されている。
【0066】
導光手段8は図2(a)に示したようにレーザー発振器7に第1の導光部材9aが水平方向に接続し、第1の導光部材9aの先端部に垂直方向に第1の回転機構10aを有する第2の導光部材9bが接続している。第2の導光部材9bには大径の第3の導光部材9cが垂直方向に接続し、この第3の導光部材9c内に挿入される小径の第4の導光部材9dが設けられている。
【0067】
第3の導光部材9cと第4の導光部材9dには第1の伸縮機構11aが取着されて、この第1の伸縮機構11aの作動によって第4の導光部材9dは第3の導光部材9内に挿入または引き抜きされて垂直方向に伸縮自在となっている。
【0068】
第4の導光部材9dの先端部には水平方向に、その側面を示す図2(b)に示すように、第5の導光部材9eおよび第6の導光部材9fが接続されている。第6の導光部材9fの先端部には、図2(a)に示すように第7の導光部材9gおよび第8の導光部材9hが接続されている。第5の導光部材9eには第2の回転機構10bが設けられており、大径の第7の導光部材9gと小径の第8の導光部材9hには水平方向に伸縮する第2の伸縮機構11bが設けられている。
【0069】
第8の導光部材9hの先端部には照射ヘッド12が取着されている。また、第1の導光部材9a内の先端部には第1の反射部材13a(ミラー)が挿着され、第4の導光部材9d内の下部には第2の反射部材13b(ミラー)が挿着され、照射ヘッド12には集光部材14(レンズ)が挿着されている。
【0070】
このような構成において、オペレーションフロア5上に設置したレーザー電源6を作動しレーザー発振器7に電圧を印加してレーザー光15(図1参照)を照射させる。レーザー発振器7から照射されたレーザー光15は導光手段8の第1の導光部材9a内の第1の反射部材13aで反射して第2〜第4の導光部材9b〜9d内を通過し、第2の反射部材13bで反射し第5〜第8の導光部材9e〜9hを通して集光部材14により施工面16に適正な口径のスポットを形成するように絞られる。
【0071】
導光手段8の第1,第2の回転機構10a,10bや第1,第2の伸縮機構11a,11bを動作させることにより、照射ヘッド12を炉内構造物またはノズル部を含む原子炉圧力容器1内の施工面16近傍に走査させて施工面16にレーザー光15を照射し、予防保全または補修作業を行う。
【0072】
本参考例によれば、導光手段8はその内部に形成された光導波路(レーザー光の転送経路)によってレーザー光15を転送するとともに、照射ヘッド12を駆動して施工面16にレーザー光を照射できるように回転機能および伸縮機能を有している。したがって、照射ヘッド12を施工面16に近づけて対向させることが容易である。
【0073】
また、レーザー発振器7が空間的に余裕があるオペレーションフロア5上に配置されているので、大型のレーザー発振器7から高エネルギー密度のレーザー光15を照射することができる。この照射により、炉内構造物またはノズル部を含む原子炉圧力容器1内の施工面16にレーザピーニング、溶融、クラッディング、溶接等の予防保全、補修作業を行うことができる。
【0074】
つぎに、図3および図4により本発明に係るレーザ保全・補修装置の第1の実施の形態を説明する。
【0075】
なお、図3および図4中、図1および図2と同一部分または同一機能を有する部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0076】
本実施の形態が第1参考例と異なる点は、オペレーションフロア上にレーザー電源6のみ設置し、このレーザー電源6にケーブル線17を介してレーザー発振器7を接続し、このレーザー発振器7をレーザー照射装置18(後述する液密構造体と導光手段8と照射ヘッド12とからなる)とともに原子炉圧力容器1内に設置している。この構成により、レーザー発振器7と施工面16との距離が短くなることにより、レーザー光照射の際の位置決め精度を高めることができる。また、導光手段8の導光部材が短くなることにより、レーザー照射装置18の据付けを容易にすることができる。
【0077】
レーザー照射装置18は、第1参考例で示したレーザー発振器7と、水密容器19と、導光手段8と、照射ヘッド12とによって構成されている。水密容器19には図4(a)に示したようにレーザー発振器7から照射するレーザー光15を通過させるレーザー透過窓20を有している。この水密容器19のレーザー透過窓20を覆うようにして第1の導光部材9aが接続されている。その他の部分の構成は、基本的には前記第1参考例と同様なので、それらの部分の説明は省略する。
【0078】
このような構成において、レーザー発振器7からのレーザー光15は水密容器19のレーザー透過窓20から第1の導光部材9aに入り、第1の反射部材13aにより反射しながら第1参考例と同様に照射ヘッド12の集光部材14を介して施工面16に集光し、炉内構造物またはノズル部を含む原子炉圧力容器1内の施工面16にレーザピーニング、溶融、溶接の予防保全、補修作業を行う。
【0079】
導光手段8の第1,第2の回転機構10a,10bや第1,第2の伸縮機構11a,11bを動作させることによって照射ヘッド12を施工面16に走査できるため、目的とする範囲を隅なく施工できる。
【0080】
本実施の形態によれば、レーザー発振器7と施工面16の距離を短くできるため、レーザー照射のための位置決めの精度を高めることが容易である。また、据え付け時に相対位置精度を高い状態で据え付けなければならない導光部材を短縮できるので、据え付け時の作業が容易となる。
【0081】
つぎに、図5および図6により本発明に係るレーザ保全・補修装置の第2の実施の形態を説明する。
【0082】
なお、図5および図6中、図1から図4と同一部分または同一機能を有する部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0083】
本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、上部格子板3にセンターポスト21を設置し、このセンターポスト21を中心にして水平方向に旋回する旋回装置22を設け、この旋回装置22上にレール23を敷設し、レール23を走行する移動台車24を設け、この移動台車24に水密容器19と導光手段8等からなるレーザー照射装置18を設けたことにある。
【0084】
図6は図5中A部を拡大して示すもので、旋回装置22の先端部下面には、垂直方向車輪25が取着され、この垂直方向車輪25はシュラウド上縁部2aの上端面に沿って走行する。また、シュラウド上縁部2aの上部内面に沿って走行する水平方向車輪26が旋回装置22の下面に設けられた水平方向車輪取付部材27を介して取着されている。
【0085】
本実施の形態では上部格子3に設置されたセンターポスト21を中心にして旋回装置22が水平方向に旋回する。旋回装置22上に設置された移動台車24にはレーザー発振器7を内蔵した水密容器19が設置されているので、レーザー照射装置18は水平方向に移動自在になっている。また、レーザ装置18の照射ヘッド12は導光部材に取着した伸縮機構により垂直方向に移動自在になっている。導光部材内には反射部材13(ミラー)が設けられており、照射ヘッド12には集光部材14(レンズ)が組み込まれている。
【0086】
本実施の形態によれば、炉心部の上部格子板3にセンターポスト21を介して遠隔駆動される旋回装置を設け、この旋回装置22に移動台車24およびレーザー照射装置18を設けている。照射ヘッド12にシュラウド2内の内面を施工面16とした場合の施工面16に対して水平旋回、水平伸展および昇降の3自由度を付与できるため、レーザピーニング、溶融、クラッディング、溶接等の予防保全、補修作業を行うことが容易となる。
【0087】
また、シュラウド胴2の上縁部2aを走行する垂直方向車輪25と水平方向車輪26により旋回装置22を円滑に旋回駆動させることができるため、原子炉内予防保全作業がさらに容易となる。
【0088】
図7は図6の実施形態の他の変形例を示したもので、図6と同一部分には同一符号を付している。図7においてはシュラウド上縁部2aの下面を施工面16として、この施工面16の予防保全、補修作業を行う場合である。
【0089】
この変形例では、照射ヘッド12の先端と集光部材14との間に、第3の反射部材13cを設けて、第2の反射部材13bから集光部材14を通して照射された水平方向のレーザー光15を直角方向上方に反射させ、そのレーザー光15をシュラウド上縁部2aの下面の施工面16に照射する。このようにすることにより、シュラウド上縁部2aの下面の下向き部分に存在する施工面16に対しても確実にレーザー光15を照射することができる。
【0090】
つぎに、図8および図9により本発明に係るレーザ保全・補修装置の第3の実施の形態を説明する。
【0091】
図8はシュラウド上縁部の溶接部近傍を補修しているのに対して図9はシュラウド下部の溶接部を補修する状態を示しており、図1から図7と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。
【0092】
本実施の形態は炉心部の上部格子板3に旋回、伸展、上下昇降機構を有する遠隔駆動装置28を設け、この遠隔駆動装置28にレーザー発振器7を内蔵する液密容器19を設ける。この液密容器19を原子炉圧力容器1内の炉水中に設置し、液密容器19の透明なレーザー透過窓20に合わせて複数の導光部材を組み合わせた導光手段8からなるレーザー照射装置18により構成されている。
【0093】
レーザー照射装置18は遠隔駆動装置28を炉心部の上部格子板3に据え付けたのち、上部格子板3の格子よりも断面形状を小さくした状態で遠隔駆動装置28の上下駆動部に取り付けられる。
【0094】
つぎに遠隔駆動装置28の上下、旋回、伸展の自由度により施工位置に位置決めされた後、レーザー照射装置18の回転機構10、伸縮機構11を使用して照射ヘッド12を施工面16に走査し、作業を行う。
【0095】
遠隔駆動装置28は外径270mm、全長5,400mmの円筒状ケース29にXリンクの伸展アーム30と本体31を収納した構造となっている。本体31にはレーザ照射位置18の照射ヘッド12の昇降機構(図示せず)を有し、本体31が有する自由度は水平旋回、水平伸展および昇降の3自由度である。動作ストロークは旋回±180度、伸展約2,000mm、昇降約2,000mmで炉心中心設置時にシュラウド胴2の内壁全域をカバーできる動作範囲を有している。
【0096】
伸展アーム30と本体31に設けた昇降機構は伸展アーム30を縮めると本体31とともにケース29に収まる。このため、炉心支持板4の穴も通過可能で、炉心支持板4より下部のシュラウド胴2内の作業にも適用できる。
【0097】
図9はシュラウド胴2の下部溶接部を施工面16とし、導光部材9を垂直に伸展し、照射ヘッド12を施工面16に対向させた状態を示しており、図8とその他の構成は本質的に変わるものではないので、その説明は省略する。
【0098】
つぎに図10により本発明に係るレーザ保全・補修装置の第2参考例を説明する。
【0099】
本参考例が第1参考例と異なる点は第1〜第4の導光部材9a〜9dが十分な液密構造で、回転自在に取り付けられた導光部材9b,9cは相互に回転可能な構造であり、伸展自在に取りつけられた導光部材9c,9dは相互に液密を保ちながら伸展可能な構造に形成したことにある。
【0100】
すなわち、第2の導光部材9bの外周面に上下一対のベアリング32が設けられて回転可能となっており、Oリング33が設けられて第3の導光部材9cの上部外面との間が液密構造になっている。第2の導光部材9bの外側には回転駆動用のモータ34が設けられ、モータ34の回転軸に第1のギヤ35aが設けられ、この第1のギヤ35aと噛合して回転する第2のギヤ35bが第3の導光部材9cの上部外周面に設けられている。
【0101】
また、第3の導光部材9c内に挿入する第2の反射部材13bを内蔵した第4の導光部材9dの上端部にはフランジ36が設けられ、フランジ36の外面にOリング37を嵌着して、さらに第3の導光部材9cの下端部内面に内側環状体38を形成し、この環状体38にOリング37を嵌着して、この上下一対のOリング37により第3の導光部材9cと第4の導光部材9dとの間の液密性を保っている。
【0102】
本参考例ではベアリング32およびOリング33により液密性を保ちながら、モータ34およびギヤ35a,35bから構成される回転機構10aにより相互に回転可能な第2の導光部材9bと第3の導光部材9c、及びOリング37により内部を液密に保ちながら伸縮機構11aにより相互に伸縮可能な第3の導光部材9cと第4の導光部材9dからなっている。
【0103】
したがって、本参考例によればレーザー光15は水中よりも損失の少ない気中を進行するので、さらに損失を少なくでき、レーザー発振器7の出力を低下させることができる。あるいは、照射ヘッド12の光学系の光学強度が許す限り、レーザー発振器7の出力を高くすることができる。
【0104】
つぎに図11(a),(b)により本発明に係るレーザ保全・補修装置の第4の実施の形態を説明する。
【0105】
本実施の形態は導光部材9内に設ける反射部材を遠隔操作で回転可能に位置合わせできるように導光部材9内に第1のモータ39と第2のモータ40を2個設けたことにある。
【0106】
本実施の形態によれば、反射部材13の角度を遠隔で位置合わせ可能なように、反射部材13のアクチュエータと調心測定装置となる第1および第2のモータ39,40を設け、これらにより相互に直行する軸回りに回転自在の位置合わせ機構としている。この位置合わせ機構により、導光部材9のたわみ等により位置ずれが生じたとしても、遠隔で位置合わせが可能であり、作業が中断することなく短時間で予防保全、補修作業を行うことができる。なお、反射部材13の代りにプリズムを使用することもできる。
【0107】
以上の実施形態と参考例は、導光手段として光ファイバの代わりに管状の導光部材を使用したものである。これにより、気中でレーザー光を転送でき、光ファイバに比べて高エネルギー密度のレーザー光を転送することができる。また、導光部材内部で導光されるレーザー光はほぼ平行な光になるので、照射ヘッド部での集光の要求が緩和される。
【0108】
次に、照射ヘッドの各構成要素の光学強度を高めて、高エネルギー密度のレーザー光を照射できるようにした実施形態と参考例について説明する。
【0109】
図12は、本発明に係るレーザー保全・補修装置の第5実施形態を示す構成図である。図12に示すように、液中に設置されたレーザー保全・補修装置の照射ヘッド12は、図には示されていないレーザー発振器から導光手段により伝送されたレーザー光15を収束するための集光部材14と、集光部材14を空気中(導光部材内側)に保持するために液体をシールするための光学窓41と、集光されたレーザー光15を反射して施工面16に照射するための反射ミラー42により構成されている。
【0110】
本実施形態のレーザー保全・補修装置によれば、図12に示すように、液中に設置されたレーザー保全・補修装置の照射ヘッド12は、反射ミラー42を液中に設置して光学窓41を集光部材14の近傍に設置したため、光学窓41に照射されるレーザー光の照射面積が大きくなり、光学窓41の耐力を損傷を受けるエネルギー密度以下に軽減することが可能である。
【0111】
また、反射ミラー42は、表面の反射膜による反射ではなく、背面での全反射によりレーザ一光を反射する構造となっている。
【0112】
図13にこの反射ミラー42の構造を示す。反射ミラー42は、例えば石英ガラスからなる透明体43と、透明体43の背面に設けられた反射層44により構成されている。
【0113】
レーザー光15は、透明体43と反射層44の境界における全反射の臨界角よりも大きな角度で透明体43の背面に入射するように反射ミラー5の角度を調整しておくと、透明体表面での若干のフレネル反射を除けばレーザー光のほとんどはこの全反射により反射される。その際の光学的強度はYAGレーザーの第2高長波に対し15J/cm2程度となり、施工に必要なエネルギーを十分反射することができる。
【0114】
反射層44を設けずに石英ガラス等の透明体のみとした場合や、この反射ミラー42を空気中に設置した場合は、全反射は起こることなくレーザー光のほとんどは石英ガラス等の透明体を透過してしまい、反射ミラーとして使用することはできない。
【0115】
反射層44は透明体43の屈折率、石英ガラスの場合は屈折率1.4程度よりも十分小さな屈折率を持つ物質であれば良い。もちろん屈折率1.0の真空層であってもかまわない。
【0116】
さらに、この反射ミラー42の利点は、エネルギー耐力が増すのみではなく、反射膜では反射するレーザー光の波長は一つに決められているが、この反射ミラー42によれば、ミラー媒質の屈折率が波長により変化するため臨界角が変化するものの、全反射を維持するようレーザー光15の入射角を考慮すれば、波長に制限されることがなく、レーザー光15の入射角が全反射の臨界角よりも大きい範囲であれば任意の角度に反射ミラー42を設置することができる点である。したがって、この反射ミラー42によれば、従来反射ミラーが入射するレーザー光に対して特定の角度のみに保持するようにしていたのに対し、一定の範囲内で保持角度を変化させることにより、レーザー光の照射部位を変化させて広い範囲を施工することができる。
【0117】
また、本発明による反射ミラー42は、高価な誘電体多層膜等の反射膜を使用しないため安価に製造できるという利点もある。
【0118】
このように本実施形態によれば、これまで光学部品のレーザー光に対する光学的強度の限界により不可能であった高エネルギー密度のレーザー光を使用して水中での構造材の表面改質の施工を行うことが可能となる。
【0119】
図14は、本発明に係るレーザー保全・補修装置の第6実施形態を示す構成図である。なお、以降の各実施形態と参考例では前記第5実施形態と同一または対応する部分には図12と同一の符号を付して説明する。
【0120】
図14に示すように、液中に設置されたレーザー保全・補修装置の照射ヘッド12は、図には示されていないレーザー発振器から導光手段を介して伝送されたレーザー光15を収束するとともに、導光手段を液密に密閉する要素を構成する集光部材14と、集光されたレーザー光15を反射して施工面16に照射するための反射ミラー42により構成されている。
【0121】
それぞれの構成要素は前述した第5実施形態と同様であるが、第5実施形態と異なり本実施形態では光学窓を用いずに集光部材14により導光手段を液密にシールしている。空気中と異なり集光部材14の片面を液体に接した場合、液体の屈折率は空気よりも大きく、レンズの焦点距離も空気中に比べ長くなる。液体が水であった場合、焦点距離は約1.3倍になる。この場合、あらかじめ液体による焦点距離の変化を予想し、集光部材14の位置を調整しておけば、液体をシールするための光学窓を必要とせず装置の簡略化が可能となる。
【0122】
図15は、本発明に係るレーザー保全・補修装置の第7実施形態を示す構成図である。
【0123】
図15に示すように、液中に設置されたレーザー保全・補修装置の照射ヘッド12は、図には示されていないレーザー発振器から導光手段を介して伝送されたレーザー光15を収束するとともに、導光手段を液密に密閉する要素を構成する集光部材14と、集光されたレーザー光15を反射して施工面16に照射するための反射ミラー42と、レーザー光散乱原因物質を除去する液体を施工面16に噴射するための噴射ノズル9により構成されている。即ち、本実施形態では、第6実施形態に対し液体噴射ノズル45が付加された構造となっている。
【0124】
高エネルギー密度のレーザー光15を施工面16に照射した場合、施工部表面はプラズマ化するが、その際高温のプラズマにより気泡が発生する。また、施工部表面に付着したクラッド等が除去され液体中を浮遊する。これらの気泡やクラッド等はレーザー光散乱原因物質と称され、レーザー光15の光路上にあった場合、レーザー光15を散乱させ、施工面16に十分なエネルギーが照射されなくなる原因となる。
【0125】
そこで、不純物をフィルターにより濾過したきれいな液体を施工中の施工面16に向かって噴射し、施工面16の気泡や光路上のクラッド等を除去する液体噴射ノズル45を設けることにより、気泡やクラッド等のレーザー光散乱原因物質を照射部やレーザー光路上から除去して常に十分なエネルギーのレーザー光15を照射することができるようになる。
【0126】
また、照射ヘッド12は、集光部材14付近に気泡やゴミが滞留しないよう噴射の流れが集光部材14の表面の泡等を除去し、かつ、気泡抜きのための穴を設ける等の工夫を施すのが好ましい。
【0127】
図16は、本発明に係るレーザー保全・補修装置の第8実施形態を示す構成図である。
【0128】
図16に示すように、空気中に設置されたレーザー保全・補修装置の照射ヘッド12は、図には示されていないレーザー発振器から導光手段を介して伝送されたレーザー光15を収束杜とともに、導光手段を液密に密閉する要素を構成する集光部材14と、集光されたレーザー光15を反射して空気中の施工面16に照射するための反射ミラー42と、レーザー照射部表面に液層を形成する液体噴射ノズル46により構成されている。
【0129】
構造材の表面残留応力改善の施工では、プラズマの圧力を閉じこめるための液体が必要であり、このような施工では液中でレーザー光15を施工面16に照射することが必要であるが、本実施形態では施工面16に噴射ノズル46により液体を噴射し、照射面に液層47を形成する構造となっている。このようにすることにより、空気中においても施工を実施することが可能となる。本実施形態によれば、他の施工のため液体を除去した場合や、設置工事中で液体がまだ満たされていない場合でも施工が可能となる。
【0130】
図17は、本発明に係るレーザー保全・補修装置の第9実施形態を示す構成図である。
【0131】
図17に示すように、液中に設置されたレーザー保全・補修装置の照射ヘッド12は導光手段8の先端部分と円筒状に一体的に構成されている。また、これを駆動機構により周方向に回転あるいは軸方向に移動可能な構造となっている。
【0132】
図には示されていないレーザー発振器からのレーザー光は、導光手段8を通って照射ヘッド12から横方向に照射される。このような構造によれば、パイプ等の筒状施工物の内面(施工面16)を施工する場合、導光手段8の先端部分と照射ヘッド12をパイプ内径よりも細い円筒とすることで従来は施工が困難であった部位への施工が可能となる。
【0133】
図18は、本発明に係るレーザー保全・補修装置の第10実施形態を示す構成図である。
【0134】
図18に示すように、液中に設置されたレーザー保全・補修装置の照射ヘッド12は、図には示されていないレーザー発振器から導光手段を介して伝送されたレーザー光15を収束とともに、導光手段を液密に密閉する要素を構成する集光部材14と、集光されたレーザー光15を反射して施工面16に照射するための反射ミラー42と、反射ミラー42を駆動するための位置合わせ機構48により構成されている。
【0135】
この位置合わせ機構48により、反射ミラー42は任意の方向にレーザー光15を反射して照射することが可能となる。このような構造とすることで線上あるいは面状の施工面16に対し施工する場合、位置合わせ機構48を照射ヘッド12に内蔵することで照射ヘッド12は大型化するが、照射ヘッド12を駆動する機構は照射中は停止しておくことができるため、遠隔で連続駆動することに起因する照射位置の誤差の発生を防止することができ、さらに、斜め方向等の任意の角度に光軸を設定して照射することが可能となる。
【0136】
本実施形態によれば、従来の一定の角度にしか反射することができない反射ミラーの欠点を克服し、高エネルギー密度のレーザー光15に対し臨界角よりも大きな角度であれば、任意の角度に反射ミラーを調整駆動することが可能となり、反射ミラーの角度の変更によってレーザー光の照射部位を変えることが可能となり、精密なレーザー光による加工が容易となる。
【0137】
図19は、本発明に係るレーザー保全・補修装置の第3参考例を示す構成図である。
【0138】
図19に示すように、本参考例はレーザー光の導光手段と照射ヘッドの支持駆動装置とを分離したものである。
【0139】
本参考例によれば、レーザー保全・補修装置の照射ヘッド12は液中に設置され、導光手段として光ファイバ49を用いてレーザー発振器7からレーザー光を転送して施工面16に照射する。
【0140】
一方、照射ヘッド12は支持駆動装置50により上下左右に駆動され、線状あるいは面状の施工面16に順次レーザー光を照射して加工する構造となっている。
【0141】
このような構造とすることで、直接見通すことのできない複雑な光導波路となる施工部に対し、柔軟な光ファイバ49によりレーザー光を伝送することができので、複雑な形状に湾曲する光導波路を通してレーザー光を送ることができ、そのような光導波路の先の施工部に対しても施工が可能となる。
【0142】
【発明の効果】
本願請求項1に係るレーザー保全・補修装置によれば、光ファイバに代えて管状の導光部材によってレーザー光を導くようにしているので、レーザー光は概ね気中を通過し、光ファイバに比較して高エネルギー密度でレーザー光を伝送することができる。
【0143】
また、レーザー光を空間伝送する場合は平行光が得やすいため、拡大率を小さくしなければならない要求が緩和され、焦点深度を深くとれるので、位置決め精度の要求が緩和される。
【0144】
また、導光手段に旋回伸縮機構を設けているため、照射ヘッドを施工面に近づけて対向させることが容易であり、一方離れた広い場所で大型のレーザー発振器から高エネルギー密度のレーザー光を照射ヘッドに送ることができる。
【0145】
従って、本発明のレーザー保全・補修装置によれば、原子炉容器等にこのレーザー保全・補修装置を用いれば、炉内構造物またはノズル部を含む原子炉圧力容器内の施工面にレーザピーニング、溶融、クラッディング、溶接等の予防保全、補修作業を行うことができる。
【0146】
本願請求項2に係るレーザー保全・補修装置によれば、レーザー発振器を水密容器の内部に収納していることにより、水中作業においてレーザー発振器と施工面との距離を短くでき、レーザー光の伝送損失を減らすことができる。また、レーザー発振器と施行面の距離が短いため、位置決め精度を高めることが容易で、相対位置精度が要求される導光部材を短縮でき、よって据付時の作業が容易となる。
【0147】
本願請求項3に係るレーザー保全・補修装置は、原子炉圧力容器内のシュラウド胴上部の上部格子板にセンターポストを立設し、このセンターポストの旋回装置と移動台車によってレーザー照射装置を駆動するので、照射ヘッドが旋回、水平伸展および昇降の3自由度を有し、レーザー光を施工面に確実に照射でき、これにより原子炉圧力容器および炉内構造物のレーザピーニング、溶融、クラッディング、溶接等の予防保全、補修作業を行うことができる。
【0148】
本願請求項4に係るレーザー保全・補修装置は、上記センターポストの旋回装置の先端部にシュラウド胴上縁部に接する垂直方向車輪と水平方向車輪とを取着している。
【0149】
このレーザー保全・補修装置によれば、シュラウド胴上縁部を走行する垂直方向車輪と水平方向車輪により旋回装置を円滑に旋回駆動させることができ、照射ヘッドの位置決めが容易になるので、原子炉内の保全、補修作業を容易に行うことができる。
【0150】
本願請求項5に係るレーザー保全・補修装置は、原子炉圧力容器内のシュラウド胴上部の上部格子板に遠隔駆動装置を設け、この遠隔駆動装置にレーザー照射装置を設けている。
【0151】
本発明によれば、水平旋回、水平伸展および昇降の3自由度を有する遠隔駆動装置により、照射ヘッドをシュラウド胴内壁全域に移動させることが容易であり、検査、補修など一連の保全、補修作業を連続的に効率よく実施することができる。
【0152】
また、遠隔駆動装置の寸法を炉心支持板の穴から挿入できる寸法とすることにより、炉心支持板より下部のシュラウド内作業を行うことができる。
【0153】
本願請求項6に係るレーザー保全・補修装置は、導光部材の外面にベアリング、Oリング、回転駆動用のモータ、モータの回転軸に取り付けたギヤ、及び導光部材の外面に設けたギヤを設けることにより、一方の導光部材と他方の部材とが回転伸縮自在となり、かつ、これらの回転伸縮動作中に導光部材を液密に保つことができる。これにより、液中において施工可能なレーザー保全・補修装置を得ることができる。
【0154】
本願請求項7に係るレーザー保全・補修装置は、導光部材中の反射部材には第1および第2のモータにより相互に直交する軸回りに回転自在の位置合わせ機構を設けている。
【0155】
本発明によれば、上記位置合わせ機構により、反射部材の角度を変えることができので、導光部材のたわみ等により位置ずれが生じたとしても、反射部材の調整により、作業を中断することなく短時間に施工を終了させることができる。
【0156】
本願請求項8に係るレーザー保全・補修装置は、その照射ヘッドにおいて、光学窓を導光手段の液密構造の一要素とし、その光学窓の導光手段内側または導光手段外側に集光部材を配置し、集光部材により集光されたレーザー光を反射する反射ミラーを設けている。さらに、反射ミラーは、透明体と、透明体の背面に設けた反射層とを有し、透明体背面と反射層の境界における全反射によりレーザー光を反射するようにしている。
【0157】
本発明によれば、光学窓が集光部材の近くに配置され、光学窓へのレーザー光の照射面積を大きくなってレーザー光のエネルギー密度を小さくすることができる。即ち、その分導光手段によって転送可能なレーザー光のエネルギーを高くすることができる。
【0158】
また、本発明による反射ミラーは、透明体背面と反射層の境界における全反射によりレーザー光を反射するようにしているので、反射ミラー表面の反射膜の工学的強度の制限を排し、これによって高エネルギー密度のレーザー光を使用することができる。
【0159】
本願請求項9に係るレーザー保全・補修装置は、集光部材が前記光学窓を兼ねるので、光学窓が不要とすることができる。即ち、構造を簡素化するとともに、光学窓の光学強度による制限を完全に排除することができ、高エネルギー密度のレーザー光を転送可能なレーザー保全・補修装置を得ることができる。
【0160】
本願請求項10に係るレーザー保全・補修装置は、照射ヘッドに施工部のレーザー光散乱原因物質を除去する液体噴射ノズルを設けているので、施工部で発生する気泡あるいはゴミを除去することができ、レーザー光を効率よく施工部に照射することができる。
【0161】
本願請求項11に係るレーザー保全・補修装置は、照射ヘッドにレーザー照射部表面に液層を形成する液体噴射ノズルを設けているので、空気中でも液中と同様の加工が可能となる。
【0162】
本願請求項12に係るレーザー保全・補修装置は、照射ヘッドを導光手段の先端部と円筒状に一体的に形成し、導光手段に周方向の回転と軸方向の伸縮動作を付与する機構を設けているので、照射ヘッドを周方向に回転あるいは軸方向に移動させながら加工することができ、特に筒状の施工部の内面を容易に加工することが可能となる。
【0163】
本願請求項13に係るレーザー保全・補修装置は、照射ヘッドの反射ミラーに第1および第2のモータにより相互に直交する軸回りに回転自在の位置合わせ機構を設けているので、レーザー光の反射ミラーヘの入射角が全反射の臨界角よりも大きい角度範囲で駆動し、レーザー光を任意の方向に反射して加工することができる。これにより、照射ヘッドを移動せずに広い範囲の施工部を連続的に加工することが可能なレーザー保全・補修装置を得ることができる。
【0164】
本願請求項14に係るレーザー保全・補修装置は、導光手段は光ファイバからなり、照射ヘッドは水平旋回、水平伸縮、垂直旋回、垂直伸縮動作を付与する支持駆動装置によって支持されているので、直接見通すことのできない複雑な形状の光導波路でも施工部までレーザー光を容易に伝送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレーザー保全・補修装置の第1参考例の全体の構成と設置例を示した縦断面図。
【図2】 本発明のレーザー保全・補修装置の第1参考例の構成を示した図。
【図3】 本発明のレーザー保全・補修装置の第1実施形態の全体の構成と設置例を示した縦断面図。
【図4】 本発明のレーザー保全・補修装置の第1実施形態の構成を示した図。
【図5】 本発明のレーザー保全・補修装置の第2実施形態の全体の構成と設置例を示した縦断面図。
【図6】 本発明のレーザー保全・補修装置の第2実施形態のセンターポスト旋回装置の先端部の構成を拡大して示した断面図。
【図7】 本発明のレーザー保全・補修装置の第2実施形態の変形例を示した縦断面図。
【図8】 本発明のレーザー保全・補修装置の第3実施形態の全体の構成と設置例を示した縦断面図。
【図9】 シュラウド胴の下部の溶接部を施工中の本発明の第3実施形態のレーザー保全・補修装置を示した縦断面図。
【図10】本発明のレーザー保全・補修装置の第2参考例の構成を示した縦断面図。
【図11】 本発明に係るレーザ保全・補修装置の第4の実施の形態における反射部材の位置合わせ機構を示した図。
【図12】 本発明のレーザー保全・補修装置の第5実施形態の構成を示した縦断面図。
【図13】 本発明のレーザー保全・補修装置の第5実施形態の反射ミラーの構成を示した縦断面図。
【図14】 本発明のレーザー保全・補修装置の第6実施形態の構成を示した縦断面図。
【図15】 本発明のレーザー保全・補修装置の第7実施形態の構成を示した縦断面図。
【図16】 本発明のレーザー保全・補修装置の第8実施形態の構成を示した縦断面図。
【図17】 本発明のレーザー保全・補修装置の第9実施形態の構成を示した縦断面図。
【図18】 本発明のレーザー保全・補修装置の第10実施形態の構成を示した縦断面図。
【図19】 本発明のレーザー保全・補修装置の第3参考例の構成を示した縦断面図。
【図20】 従来のレーザー加工装置の構成を示した縦断面図。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器
2 シュラウド胴
2a シュラウド上縁部
3 上部格子板
4 炉心支持板
5 オペレーションフロア
6 レーザー電源
7 レーザー発振器
8 導光手段
9a 第1の導光部材
9b 第2の導光部材
9c 第3の導光部材
9d 第4の導光部材
9e 第5の導光部材
9f 第6の導光部材
9g 第7の導光部材
9h 第8の導光部材
10a 第1の回転機構
10b 第2の回転機構
11a 第1の伸縮機構
11b 第2の伸縮機構
12 照射ヘッド
13a 第1の反射部材
13b 第2の反射部材
13c 第3の反射部材
14 集光部材
15 レーザー光
16 施工面
17 ケーブル線
18 レーザー照射装置
19 水密容器
20 レーザー透過窓
21 センターポスト
22 旋回装置
23 レール
24 移動台車
25 垂直方向車輪
26 水平方向車輪
27 水平方向車輪取付部材
28 遠隔駆動装置
29 円筒状ケース
30 伸展アーム
31 本体
32 ベアリング
33 Oリング
34 モータ
35a 第1のギヤ
35b 第2のギヤ3
36 フランジ
37 Oリング
38 内側環状体
39 第1のモータ
40 第2のモータ
41 光学窓
42 反射ミラー
43 透明体
44 反射層
45 液体噴射ノズル
46 液体噴射ノズル
47 液層
48 位置合わせ機構
49 光ファイバ
50 支持駆動装置

Claims (14)

  1. 液体の外部に設置したレーザー電源と、液体中に設置したレーザー照射装置とを有し、
    前記レーザー照射装置は、前記レーザー電源に接続したレーザー発振器と、このレーザー発振器を収納したレーザー透過窓を有する水密容器と、前記水密容器のレーザー透過窓に前記レーザー発振器のレーザー光を導くように接続された導光手段と、前記導光手段からのレーザー光を集光して施工部に照射する照射ヘッドとからなり、
    前記導光手段は、液密に構成された管状の導光部材を有し、この導光部材の内部に反射部材を設け、前記導光部材に水平旋回、水平伸縮、垂直旋回、垂直伸縮動作を付与する機構のうち少なくとも一つの機構を設けたことを特徴とするレーザ保全・補修装置。
  2. 原子炉圧力容器外に設置したレーザー電源と、このレーザー電源に接続した原子炉圧力容器内に設置したレーザー照射装置とを有し、
    前記レーザー照射装置は、前記レーザー電源に接続したレーザー発振器と、このレーザー発振器を収納しレーザー透過窓を有する水密容器と、前記水密容器のレーザー透過窓に接続した導光手段と、前記導光手段からのレーザー光を集光して施工部に照射する照射ヘッドとを具備し、
    前記導光手段は、前記水密容器に直列的に複数本接続された液密構造の管状の導光部材を有し、これらの導光部材の内部に反射部材を設け、前記導光部材に水平旋回、水平伸縮、垂直旋回、垂直伸縮動作を付与する機構のうち少なくとも一つの機構を設けたことを特徴とするレーザ保全・補修装置。
  3. 原子炉圧力容器内のシュラウド胴上部の上部格子板にセンターポストを立設し、このセンターポストに水平旋回自在に旋回装置を設け、この旋回装置に水平方向に移動自在に移動台車を設け、この移動台車に前記レーザー照射装置を搭載してなることを特徴とする請求項2記載のレーザ保全・補修装置。
  4. 前記旋回装置の先端部に前記シュラウド胴上縁部に接する垂直方向車輪と水平方向車輪とを取着してなることを特徴とする請求項3記載のレーザ保全・補修装置。
  5. 前記原子炉圧力容器内のシュラウド胴上部の上部格子板に水平旋回、水平伸展および上下昇降機構を有する遠隔駆動装置を設け、この遠隔駆動装置に前記レーザー照射装置を設けてなることを特徴とする請求項2記載のレーザ保全・補修装置。
  6. 前記旋回動作を付与する回転機構は、前記導光部材の外面に設けたベアリングおよびOリングと、回転駆動用のモータと、このモータの回転軸に取り付けたギヤと噛合する前記導光部材の外面に設けたギヤとからなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレーザ保全・補修装置。
  7. 前記導光部材中の反射部材には第1および第2のモータにより相互に直交する軸回りに回転自在の位置合わせ機構を設けてなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のレーザ保全・補修装置。
  8. 液体の外部に設置したレーザー電源と、液体中に設置したレーザー照射装置とを有し、
    前記レーザー照射装置は、前記レーザー電源に接続したレーザー発振器と、このレーザー発振器を収納したレーザー透過窓を有する水密容器と、前記水密容器のレーザー透過窓に前記レーザー発振器のレーザー光を導くように接続された導光手段と、前記導光手段からのレーザー光を集光して施工部に照射する照射ヘッドとからなり、
    前記照射ヘッドは、前記導光手段の光導波路の末端にあって前記導光手段を密閉する要素をなすとともにレーザー光を透過させる光学窓と、前記光学窓の導光手段内側または導光手段外側に配置されてレーザー光を集光する集光部材と、前記集光部材により集光されたレーザー光を反射して施工部に照射する反射ミラーにより構成され、
    前記反射ミラーは、透明体と、前記透明体の背面に設けられた真空層からなる反射層とを有し、前記透明体背面と前記反射層の境界における全反射によりレーザー光を反射することを特徴とするレーザー保全・ 補修装置。
  9. 液体の外部に設置したレーザー電源と、液体中に設置したレーザー照射装置とを有し、
    前記レーザー照射装置は、前記レーザー電源に接続したレーザー発振器と、このレーザー発振器を収納したレーザー透過窓を有する水密容器と、前記水密容器のレーザー透過窓に前記レーザー発振器のレーザー光を導くように接続された導光手段と、前記導光手段からのレーザー光を集光して施工部に照射する照射ヘッドとからなり、
    前記照射ヘッドは、前記導光手段の光導波路の末端にあって前記導光手段を密閉する要素をなすとともにレーザー光を集光する集光部材と、前記集光部材により集光されたレーザー光を反射して施工部に照射する反射ミラーにより構成され、
    前記反射ミラーは、透明体と、前記透明体の背面に設けられた真空層からなる反射層とを有し、前記透明体背面と前記反射層の境界における全反射によりレーザー光を反射することを特徴とするレーザー保全・補修装置。
  10. 前記照射ヘッドは、施工部のレーザー光散乱原因物質を除去する液体噴射ノズルを有することを特徴とする請求項8または9に記載のレーザー保全・補修装置。
  11. 前記照射ヘッドは、レーザー照射部表面に液層を形成する液体噴射ノズルを有することを特徴とする請求項8または9に記載のレーザー保全・補修装置。
  12. 前記照射ヘッドは前記導光手段の先端部と円筒状に一体的に形成され、前記導光手段は周方向の回転と軸方向の伸縮動作を付与する機構を備え、筒状施工物の内面を加工可能に構成されたことを特徴とする請求項8ないし11のいずれかに記載のレーザー保全・補修装置。
  13. 前記照射ヘッドの反射ミラーには、第1および第2のモータにより相互に直交する軸回りに回転自在の位置合わせ機構を設けてなることを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載のレーザ保全・補修装置。
  14. 前記導光手段は光ファイバからなり、前記照射ヘッドは水平旋回、水平伸縮、垂直旋回、垂直伸縮動作を付与する機構のうち少なくとも一つの機構を有する支持駆動装置によって支持されていることを特徴とする請求項8ないし13のいずれかに記載のレーザ保全・補修装置。
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