JP3306040B2 - 原子炉内構造物の保全・補修装置 - Google Patents

原子炉内構造物の保全・補修装置

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JP3306040B2
JP3306040B2 JP2000067353A JP2000067353A JP3306040B2 JP 3306040 B2 JP3306040 B2 JP 3306040B2 JP 2000067353 A JP2000067353 A JP 2000067353A JP 2000067353 A JP2000067353 A JP 2000067353A JP 3306040 B2 JP3306040 B2 JP 3306040B2
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laser
laser light
light
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元比古 木村
勝彦 佐藤
光明 島村
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽水炉型原子炉に
おける原子炉圧力容器内の炉内構造物にレーザ光を照射
することにより、炉内構造物を保全および補修するため
の原子炉内構造物の保全・補修装置に関する。
【0002】
【従来の技術】軽水炉型原子炉、例えば沸騰水型原子炉
の原子炉圧力容器内の炉内構造物は、オーステナイト系
ステンレス鋼または高ニッケル合金などの十分な耐食性
と高温強度を有する材料で構成されているものの、高温
高圧環境下での長期に亘る運転および中性子照射に起因
する材料劣化の問題が懸念されている。特に、炉内構造
物の溶接部近傍は、溶接入熱による材料の鋭敏化および
引張り残留応力の影響で潜在的に応力腐食割れが発生す
る可能性を有している。
【0003】ところで、レーザピーニングは、上記の予
防保全として有効な技術であり、パルスレーザを照射し
た材料表面にプラズマを発生させ、その衝撃波の運動エ
ネルギーを利用して材料表面の引張り残留応力を圧縮応
力に変え、これにより応力腐食割れの3要因(材料、環
境、応力)の一つである応力因子(溶接時の引張り残留
応力)を除去して溶接部近傍の応力腐食割れを防止する
手段である。
【0004】図10は原子炉圧力容器内に設置されたシ
ュラウドを一部破断して示す斜視図、図11は図10の
縦断面図である。図10および図11に示すように、原
子炉圧力容器1内にはシュラウド2が設置され、このシ
ュラウド2は上部胴3,中間部胴4および下部胴5がそ
れぞれリング状部材6,7を介して溶接により固着され
ている。そして、中間部胴4は上下に2分割され、中間
上部胴4aと中間下部胴4bとが溶接により結合されて
いる。
【0005】したがって、シュラウド2内においては、
リング状部材6と中間部胴4との間に溶接線8が、中間
上部胴4aと中間下部胴4bとの間に溶接線9が、中間
部胴4とリング状部材7との間に溶接線10が、リング
状部材7と下部胴5との間に溶接線11がそれぞれ形成
される。
【0006】また、シュラウド2の下部胴5は、バッフ
ルプレート12で支持されるサポートシリンダ13に溶
接されることで、溶接線14が形成される。このサポー
トシリンダ13は、シュラウドサポートレグ15を介し
て原子炉圧力容器1の底部に支持されている。
【0007】さらに、シュラウド2内には、図示しない
燃料集合体を上下で保持するための上部格子板16およ
び炉心支持板17が取り付けられている。この炉心支持
板17には、制御棒を上下動させる制御棒案内管18の
上端が支持され、この制御棒案内管18の下端には、制
御棒駆動機構ハウジング19が配置されている。そし
て、シュラウド2の周囲には、8体あるいはそれ以上の
個数のジェットポンプ20が配置されている。
【0008】上記のようにシュラウド2内においては、
リング状部材6と中間部胴4との間に溶接線8が、中間
上部胴4aと中間下部胴4bとの間に溶接線9が、中間
部胴4とリング状部材7との間に溶接線10が、リング
状部材7と下部胴5との間に溶接線11がそれぞれ形成
され、またシュラウド2の下部胴5とサポートシリンダ
13との間には溶接線14が形成され、これらの溶接線
の近傍に沿って応力腐食割れが発生することが諸外国の
事例で報告されている。
【0009】シュラウド2の内側からこれらの溶接線に
接近するためには、原子炉上部から保全・補修装置を挿
入する必要がある。しかしながら、シュラウド2の内側
には、上部胴3と中間部胴4との間に上部格子板16が
据え付けられ、また中間部胴4と下部胴5との間には炉
心支持板17が据え付けられているため、シュラウド2
の中間部胴4の内側へは、上部格子板16の格子枠(内
法寸法約295mm×295mm)を通過し、シュラウ
ド2の下部胴5の内側へはさらに炉心支持板17の制御
棒案内管取付用開口部(φ276mm)を通過して保全
・補修装置を挿入する以外にない。
【0010】そのため、上部格子板16の格子枠および
炉心支持板17の制御棒案内管取付用開口部を通過して
シュラウド2内の溶接線に内側から接近し、レーザ光を
照射する装置としては、特開平10−216983号公
報に開示されたレーザ保全・補修装置がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−216983号公報に開示されたレーザ保全・補
修装置では、シュラウドの内側にレーザ光を照射するこ
とが可能であるものの、Xリンクの伸展アームを伸ばし
て照射ヘッドをレーザ照射位置に接近させる構造である
ため、炉心支持板17の直下に位置する下部胴5内面の
溶接線11へレーザ光を照射することが困難である。
【0012】すなわち、図12および図13に示すよう
に炉心支持板17は、リング状部材7に数十個のスタッ
ドボルト21にて固定されているため、このスタッドボ
ルト21がレーザ保全・補修装置の下部胴5内面の溶接
線11への接近を妨げ、施工を困難にしていた。
【0013】また、溶接線11は隅肉溶接であるため、
下部胴5の内面とリング状部材7との双方に亘ってレー
ザ光を照射する必要がある。この場合、リング状部材7
が内側に張り出しているため、斜め下方からレーザ光を
照射しなければならないが、上記従来のレーザ保全・補
修装置では、導光部材を水平旋回、水平伸縮、垂直旋
回、垂直伸縮動作を付与する機構が設けられているだけ
であるため、溶接線11に対して斜め下方からレーザ光
を照射することが困難である。
【0014】そこで、本発明は上記事情を考慮してなさ
れたもので、炉内構造物の施工部に対し、容易に制御可
能な照射角度でレーザ光を照射して炉内構造物の残留応
力改善、表面改質、溶接補修などを行う原子炉内構造物
の保全・補修装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、レーザ光発振装置と、この
レーザ光発振装置のレーザ光を導くように接続された導
光手段と、この導光手段からのレーザ光を集光して原子
炉圧力容器内の炉内構造物の施工部に照射する照射ヘッ
ドと、この照射ヘッドに前記導光手段からのレーザ光を
導くとともに、前記照射ヘッドを遠隔にて旋回駆動、上
下動および前後駆動させる遠隔作業装置とを有し、上記
照射ヘッドに液体噴射ノズルを設け、このノズルの内側
から施工部に向けてレーザ光を照射させるとともに水を
噴射させる構成としたものである。
【0016】請求項1記載の発明によれば、レーザ光発
振装置のレーザ光を導光手段を介して遠隔作業装置の照
射ヘッドに導き、この照射ヘッドを遠隔作業装置により
旋回駆動,上下動,前後駆動させるとともに、液体噴射
ノズルの内側から施工部に向けてレーザ光を照射させる
とともに水を噴射させたから、炉内構造物の施工部に対
して適切な距離で任意の方向からレーザ光を照射するこ
とができ、施工中に発生する金属粉や水中に浮遊するご
みなどのレーザ光散乱物質をレーザ光の光路上から除去
し、レーザ光路の妨害を未然に防ぐことができる。これ
により、炉内構造物の残留応力改善、表面改質、溶接補
修などを行うことができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。
【0031】図1は本発明に係る原子炉内構造物の保全
・補修装置の第1実施形態の全体構成を示す斜視図、図
2は図1の保全・補修装置においてオペレーションフロ
アに設置した機器からシュラウドの上部に設置した機器
までを示す斜視図である。
【0032】本実施形態の保全・補修装置は、水中下に
おいて原子炉内の構造物にパルス状のレーザ光を照射し
て材料表面に発生させたプラズマによる衝撃波で材料表
面に圧縮残留応力を生じさせることにより、材料表面の
引張り応力が要因となる応力腐食割れや疲労破壊を防止
するものである。
【0033】原子炉建屋のオペレーションフロア22の
原子炉ウェル23の近傍には、図1に示すように基台2
4が設置され、この基台24上には表面処理用のYAG
レーザ光を発振するレーザ光発振装置としてのレーザ発
振器25と、レーザ光軸を調整するためのHe−Neガ
イドレーザ発振器26と、レーザ光軸のずれを検出して
レーザ光軸の位置を調整する自動アライメント制御装置
27とが設置されるとともに、基台24の近傍には、後
述する旋回台車、遠隔作業装置および照射ヘッドなどの
駆動手段の作動を遠隔にて制御するための制御装置28
が設置されている。
【0034】一方、原子炉ウェル23の上部には、オペ
レーションフロア22上の基台24から原子炉中心まで
延びる桟橋29が設置され、この桟橋29の先端部には
レーザ光の向きを変えるミラーボックス30が設置さ
れ、このミラーボックス30は、円筒状の導光手段とし
ての遮光管31を介して自動アライメント制御装置27
およびレーザ発振器25と光路が接続されている。
【0035】原子炉内のシュラウド2には、上部フラン
ジ2aの上面をシュラウド2の中心軸回りに走行する旋
回台車32が設置され、この旋回台車32は、図2に示
すように旋回駆動機構33を駆動させ車輪34を回転駆
動させることにより上部フランジ2aの上面を周回走行
する。また、旋回台車32は、位置決め機構35が上部
格子板16のシュラウド2中央の格子枠に嵌り込むこと
で、シュラウド2中央の格子枠に固定される。一方、桟
橋29からは導光手段としての上部導光管36が懸吊さ
れ、この上部導光管36は旋回台車32の旋回中心に設
置されたミラーボックス37まで延びている。このミラ
ーボックス37の上部には、漏斗状に形成され上部導光
管36の下端部を案内するガイド部材38が取り付けら
れている。
【0036】さらに、旋回台車32上のミラーボックス
37は、伸縮可能な導光手段としての水平導光管39を
介してミラーボックス40に光路が接続され、水平導光
管39には伸縮駆動機構41が取り付けられ、この伸縮
駆動機構41は、駆動源である駆動モータ42と、この
駆動モータ42の回転軸に固着されたピニオン43と、
このピニオン43と噛合するラック44とから構成さ
れ、駆動モータ42を駆動させることにより水平導光管
39が旋回台車32上を伸縮し、シュラウド2内の任意
の位置にミラーボックス40の位置を合せることができ
る。そして、ミラーボックス40には、その鉛直下方に
導光手段としての中間導光管45が配置されている。
【0037】次に、図1の保全・補修装置においてオペ
レーションフロア22に設置した機器からシュラウド2
の上部に設置した機器までの作用を説明する。
【0038】レーザー発振器25から出射されたYAG
レーザ光は、原子炉ウェル23上部の原子炉中心まで遮
光管31を通り、ミラーボックス30で鉛直下方に反射
され、桟橋29から懸吊した上部導光管36を通り、旋
回台車32の旋回中心に設置したミラーボックス37で
水平に反射され、後述する遠隔作業装置50の設置位置
に応じて長さを変える水平導光管39を通り、この水平
導光管39の先端のミラーボックス40で再び鉛直下方
に反射し中間導光管45から遠隔作業装置50の上端に
達する。
【0039】ここで、ミラーボックス30、遠隔作業装
置50および照射ヘッド51には、それぞれレトロリフ
レクターを内蔵してあり、レーザー発振器25からのY
AGレーザ光と同時にHe−Neガイドレーザ発振器2
6から発振されたHe−Neガイドレーザ光を反射して
自動アライメント制御装置27に戻してレーザ光軸のず
れを検出し、この自動アライメント制御装置27に内蔵
された反射鏡、ミラーボックス30,37,40内に設
置された反射鏡および遠隔作業装置50に組込まれた反
射鏡の取付角度を自動修正することにより、レーザ光軸
の位置を調整する。
【0040】なお、本実施形態では、水中透過中のエネ
ルギー損失および水中浮遊物による光路障害を防ぐた
め、上部導光管36の下端および上端には平面ガラスが
取り付けられて水密構造としている。また、旋回台車3
2上に設置したミラーボックス37上部および中間導光
管45下部にも平面ガラスが取り付けられ、伸縮可能な
水平導光管39をシール構造とするとともに、ミラーボ
ックス37から中間導光管45までのレーザ光路を水密
構造としている。そして、上記のようにミラーボックス
37の上部には、漏斗状の上部導光管36のガイド部材
38が取り付けられ、このガイド部材38により上部導
光管36の据付を容易にしている。
【0041】なお、図2に示す装置は、特開平11−1
74191号公報などに開示されているようにレーザ発
振装置からシュラウド上部で旋回する旋回台車に搭載し
た導光光学機材と共通した構成である。
【0042】図3は図1の保全・補修装置において遠隔
作業装置50を上部格子板16と炉心支持板17との間
に設置した場合を示す斜視図である。そして、図3では
遠隔作業装置50がシュラウド2の中間部胴4の内面の
レーザ照射を施工する場合を示している。
【0043】図3に示すように、遠隔作業装置50は制
御棒案内管18の上部に設置されている。なお、制御棒
案内管18を徹去し遠隔作業装置50の下部部材52の
形状を変更することで、炉心支持板17の開口部に直接
遠隔作業装置50を設置することも可能となる。
【0044】遠隔作業装置50は、下部部材52が制御
棒案内管18に当接して下部が支持される一方、上部部
材53が上部格子板16の格子枠に嵌り込むように角形
状に形成され、上部部材53がその格子枠に嵌り込んで
上部が支持される。ここで、角形状の上部部材53は、
上部格子板16の格子枠に嵌り込んだ後、その格子枠に
対するがたつきをなくすため、図示しないエアシリンダ
方式の拡張機構が装備されている。この上部部材53中
には、円筒状に形成された作業装置本体54が下方から
貫通し、この作業装置本体54は自転旋回駆動機構55
を駆動することにより旋回駆動する。
【0045】すなわち、この自転旋回駆動機構55は、
駆動源である駆動モータ56と、この駆動モータ56の
駆動軸に固着された駆動ギヤ57と、この駆動ギヤ57
と噛み合い作業装置本体54の上部に固着された従動ギ
ヤ58とから構成され、駆動モータ56を駆動して駆動
ギヤ57を回転駆動することで、従動ギヤ58を介して
作業装置本体54が旋回駆動する。
【0046】図4は図1の保全・補修装置における遠隔
作業装置の伸展機構および照射ヘッドを斜め後方から見
た斜視図、図5は図4の伸展機構および照射ヘッドを示
す斜視図である。
【0047】図4に示すように、円筒状の作業装置本体
54の内部には、上下駆動機構59が収納され、この上
下駆動機構59は、作業装置本体54の内面軸方向に沿
って対向して配置されたガイドレール60と、上下駆動
体61に取り付けられたボールねじ62と、このボール
ねじ62を回転駆動させて上下駆動体61を昇降させる
上下駆動用モータ63とから構成され、この上下駆動用
モータ63を駆動してボールねじ62を回転駆動させる
ことで、上下駆動体61が作業装置本体54の内部を上
下に移動(昇降)する。
【0048】なお、この上下駆動機構59は、上記の構
成に限らず、例えば作業装置本体54の下部から上下駆
動体61をジャッキボルトで押上げる方式、あるいは作
業装置本体54の上部から上下駆動体61を引上げる方
式とすることもできる。そして、上下駆動体61には前
後駆動手段としての伸展機構64が配備され、この伸展
機構64に照射ヘッド51が取り付けられている。
【0049】作業装置本体54の上端には、図3に示す
ように平面ガラス65が、作業装置本体54の貫通孔6
6と上下駆動体61に設けられた円筒ガイド67とのス
ライド部には、図4および図5に示すようにシール用の
Oリング68が、上下駆動体61内に設置した反射鏡6
9で反射されたレーザ光が伸展機構64の先端に向かう
水平方向の出口開口部には、平面ガラス70がそれぞれ
封着されることにより、作業装置本体54から上下駆動
体61までのレーザ光路を水密構造としている。そし
て、上下駆動体61の上部には円筒ガイド67が装備さ
れ、この円筒ガイド67が作業装置本体54の貫通孔6
6に挿入され上下スライド可能な構造となっている。
【0050】次に、図3〜図5に基づいて中間導光管4
5から伸展機構64までの作用を説明する。
【0051】YAGレーザ光は旋回台車32上の水平導
光管39を通り、ミラーボックス40で鉛直下方に反射
し、このミラーボックス40に固定された中間導光管4
5から遠隔作業装置50の作業装置本体54の上部から
垂直に入射した後、このレーザ光は、作業装置本体54
の貫通孔66、上下駆動体61の円筒ガイド67内を通
り、上下駆動体61内に設置された反射鏡69で直角に
曲げられ、上下駆動体61の側面開口部に封着した平面
ガラス70を通過した後、炉水を透過して伸展機構64
における後述する左右スイング機構に向かう。
【0052】ここで、レーザ光が透過する炉水間隙は、
伸展機構64の移動位置により変化する。上下駆動体6
1内に設置した反射鏡69の下方には、図5に示すよう
にその反射鏡69と光軸が繋がったレトロリフレクター
71と、反射鏡69の反射角度を調整する角度調整機構
72とが内蔵され、反射鏡69を通過したHe−Neレ
ーザ光を自動アライメント制御装置27に戻すことで光
軸のずれが調整される。
【0053】次に、本実施形態の伸展機構64を図4〜
図6に基づいて説明する。図6は伸展機構の動作を示す
説明図である。
【0054】なお、本実施形態の伸展機構64は、遠隔
作業装置50の上下駆動体61を構成する機構の一例を
示し、遠隔作業装置50を構成する伸展機構には異なる
機構、例えば平面リンク方式の駆動機構を用いることも
可能である。
【0055】図4および図5に示すように、伸展機構6
4は、上下駆動体61の軸方向に2段に円筒部材73,
74を有し、これら円筒部材73,74の外周面にはそ
れぞれ全周に亘ってギヤ75,76が取り付けられてい
る。また、上下駆動体61の上部には駆動モータ77が
取り付けられ、この駆動モータ77の駆動軸の基端部に
は、円筒部材73のギヤ75と噛み合うピニオンギヤ7
8が取り付けられる一方、その先端部には回転機構79
に固定されたギヤ80と噛み合うギヤ81が固着されて
いる。そして、回転機構79の下端部近傍には、円筒部
材74のギヤ76と噛み合うギヤ82が取り付けられて
いる。
【0056】これにより、円筒部材73は駆動モータ7
7を駆動することで、その駆動力を駆動軸、ピニオンギ
ヤ78およびギヤ75を介して回転する一方、円筒部材
74はギヤ81、回転機構79のギヤ80、ギヤ82お
よびギヤ76を介して回転する。したがって、円筒部材
73,74は駆動モータ77を駆動することにより、複
数のギヤを介して互いに逆方向に回転することになる。
【0057】また、円筒部材73,74の外周には、そ
れぞれ回り対偶83で一端が取り付けられる一方、他端
が扇型歯車84で噛み合う2本の湾曲したクランク腕8
5,86が取り付けられ、これらのクランク腕85,8
6の扇型歯車84の回転中心には、それぞれピン87,
88が取り付けられ、これらのピン87,88を介して
クランク腕85,86に伸展機構64の伸展部材89が
取り付けられる。
【0058】次に、伸展機構64の動作を図6に基づい
て説明する。
【0059】クランク腕85に回り対偶83を介して接
続される円筒部材73を時計方向に回転させると同時
に、クランク腕86に回り対偶83を介して接続される
円筒部材74を反時計方向に同角度回転させると、伸展
部材89は元の位置から円筒部材73,74側に後退す
る。なお、伸展部材89を前進させる場合は、円筒部材
73,74をそれぞれ上記と逆方向に回転させる。
【0060】ここで、伸展部材89を最も後退させた状
態では、2体のクランク腕85,86が2段の円筒部材
73,74を包囲した状態となり、上部格子板16の格
子枠および炉心支持板17の開口部を通過することので
きる寸法となる。通常の平面リンク方式の伸展機構で
は、突き出し量が増えると撓み量が増加し、上下駆動体
61の反射鏡69で水平に反射されたレーザ光の光軸が
伸展機構64の反射鏡90の反射位置からずれる問題が
あるのに対し、本実施形態では2本のクランク腕85,
86の長さが変化せず撓み変形量が常に一定に保持する
ことができるため、レーザ光路のアライメント調整が容
易になる利点がある。
【0061】なお、図4において、伸展機構64を駆動
する回転機構79には手動回転機構91が連結され、こ
の手動回転機構91は、漏水などのために回転機構79
が動作不能になった場合、オペレーションフロア22か
ら長い操作ポールにより手動回転機構91操作して手回
しで伸展機構64を後退させるために取り付けたもので
ある。
【0062】次に、照射ヘッド51の構成を図5に基づ
いて説明する。
【0063】図5に示すように、伸展機構64の上部に
取り付けられた照射ヘッド51は、左右にスイング(首
振り)する左右スイング機構92と、この左右スイング
機構92に配置され上下にスイング(首振り)する上下
スイング機構93と、この上下スイング機構93に固定
されたノズル94と、このノズル94にレーザ光を導光
する複数の光学系とを備えて構成されている。
【0064】左右スイング機構92は、伸展部材89上
に固定され反射鏡90が内蔵された取付基台95と、こ
の取付基台95の側面に固定された駆動モータ96と、
この駆動モータ96の駆動軸に固着された駆動ギヤ97
と、この駆動ギヤ97と噛み合う従動ギヤ98と、この
従動ギヤ98が外周面に固定され円筒状に形成された左
右スイング部材99とから構成されている。したがっ
て、左右スイング機構92は、駆動モータ96を駆動し
て駆動ギヤ97を回転させることにより、従動ギヤ98
を介して左右スイング部材99が左右方向にスイングす
る。
【0065】また、上下スイング機構93は、左右スイ
ング部材99の上端に固定された箱状のケース100
と、このケース100の側面に固定された駆動モータ1
01と、この駆動モータ101の駆動軸に固着された傘
歯車102と、この傘歯車102と噛み合う傘歯車10
3およびノズル94がそれぞれ取り付けられた上下スイ
ング部材104と、ケース100内に設置され左右スイ
ング部材99の回転中心軸からレーザ光路を屈折する光
学部材105,106,107と、上下スイング部材1
04に設置されレーザ光を上下スイング部材104から
ノズル94内に向ける反射鏡108とを備えて構成され
ている。
【0066】ノズル94は、内部に焦点レンズ109が
設置されるとともに、その周面にホース110が接続さ
れ、このホース110を通してノズル94に噴射水が導
かれる。
【0067】そして、左右スイング部材99の回転中心
軸から上下スイング部材104の中心軸までレーザ光路
を屈折する光学部材105,106,107の途中に
は、レトロリフレクター111が配置され、このレトロ
リフレクター111によりHe−Neレーザ光をオペレ
ーションフロア22上に設置された自動アライメント制
御装置27に戻して光軸のずれを検知することができ
る。
【0068】次に、照射ヘッド51の作用を説明する。
【0069】遠隔作業装置50の上下駆動体61の側面
開口部に封着した平面ガラス70を通過し、伸展機構6
4に向けて照射されたレーザ光は、左右スイング機構9
2に設置された90度の反射鏡90により一旦垂直に反
射し、照射ヘッド51の左右スイング部材99の回転中
心軸に向きを変える。この左右スイング部材99の回転
中心軸からレーザ光路を屈折する光学部材105,10
6,107を経由して上下スイング部材104の水平中
心軸に向けられる。この上下スイング部材104に設け
られた反射鏡108によりレーザ光がノズル94内に向
けられ、焦点レンズ109を通して被照射部である施工
部に照射される。
【0070】したがって、上記光学機器の構成のため、
ノズル94がいかなる方向を向いてもレーザの光軸はノ
ズル94の向きと一致する機構となる。左右スイング機
構92によりノズル94の左右方向を制御するととも
に、上下スイング機構93によりノズル94の上下方向
を制御することにより、ノズル94を常に任意の方向に
向けて適切な距離だけ離れた施工部にレーザ光を照射す
ることができる。
【0071】また、ノズル94の横からはホース110
により噴射水が導かれ、この噴射水をノズル94先端か
ら噴射し、レーザ光がシュラウド2内面に照射した際に
発生するダストおよび気泡を吹き飛ばし、レーザ光の散
乱を防ぐようにしている。
【0072】さらに、本実施形態では、上下駆動体61
の側面開口部に封着した平面ガラス70の対向面に相当
する伸展機構64側には、図4に示すように開口部とこ
の開口部を封止する平面ガラス112が設けられ、この
平面ガラス112から焦点レンズ109までを水密構造
とし、レーザ光がシュラウド2内面に照射した際に発生
するダストおよび気泡の影響を受けないような構造とし
ている。
【0073】そして、本実施形態では、上下駆動体61
の側面開口部に封着した平面ガラス70と伸展機構64
の側面開口部に封着した平面ガラス112との相対距離
が変わる間隙に、図4に示すような蛇腹構造体113を
取り付けたことにより、レーザ光が水中を透過する際の
浮遊物の影響を排除することが可能である。
【0074】また、本実施形態では、伸展機構64を最
も後退させた状態とし、左右スイング機構92を正面に
向けるとともに、ノズル94を垂直姿勢とすることで、
照射ヘッド51を上部格子板16の格子枠および炉心支
持板17の開口部を通過可能な寸法となる。
【0075】さらにまた、本実施形態では、図3に示す
遠隔作業装置50の自転旋回駆動機構55と、照射ヘッ
ド51の左右スイング機構92とを制御することによ
り、ノズル94の平面投射方位を常にシュラウド2の内
面に対して常に垂直に向けることもできる。特に、炉心
支持板17直下の溶接線11については、上下スイング
部材104を制御することにより、図8に示すようにリ
ング部材7の突出部および円周方向に沿って配置された
スタッドボルト21を回避してスタッドボルト21の背
面に位置する溶接線11への施工が可能となる。
【0076】このように本実施形態によれば、レーザ光
発振器25から出射したYAGレーザ光を導光手段であ
る遮光管31、上部導光管36、水平導光管39などを
介して遠隔作業装置50の照射ヘッド51に導き、この
照射ヘッド51を遠隔作業装置50により旋回駆動,上
下動,前後駆動させるとともに、左右スイング機構92
により照射ヘッド51を垂直軸回りに揺動させたり、上
下スイング機構93により照射ヘッド51を水平軸回り
に揺動させることにより、炉内構造物の施工部に対して
適切な距離で任意の方向からレーザ光を照射することが
できる。これにより、炉内構造物の残留応力改善、表面
改質、溶接補修などを行うことができる。
【0077】また、本実施形態によれば、上下2段の円
筒部材73,74の外周に回り対偶で2本のクランク腕
85,86が取り付けられ、これらのクランク腕85,
86に照射ヘッド51が固定されていることから、炉内
構造物に対して容易に制御可能な照射距離でレーザ光を
照射することができる。
【0078】そして、本実施形態によれば、遠隔作業装
置50および照射ヘッド51は、原子炉圧力容器1内の
上部格子板16の格子枠および炉心支持板17の開口部
を通過可能な寸法としたことにより、シュラウド2の中
間部胴4および炉底部へのアクセスが可能となる。
【0079】さらに、本実施形態における遠隔作業装置
50は、上部が上部格子板16の格子枠に支持される一
方、下部が炉心支持板17の開口部およびその開口部に
設置された制御棒案内管18の上端のいずれかで支持さ
れたことにより、上部格子板16と炉心支持板17とに
挟まれたシュラウド2の中間部胴4内面全域にアクセス
してレーザ光を照射することが可能となる。
【0080】そして、本実施形態によれば、上記導光手
段,遠隔作業装置50および照射ヘッド51に反射角度
修正用自動アライメント機構を有する反射鏡を内蔵した
ことにより、振動などの外乱などによって導光手段,遠
隔作業装置50および照射ヘッド51が振動しても、反
射鏡の角度を微調整してレーザ光軸のずれを修正し、常
に照射ヘッド51にレーザ光を到達させることができ
る。
【0081】また、本実施形態によれば、照射ヘッド5
1に施工部のレーザ光散乱物質を除去する液体噴射用の
ノズル94を設けたことにより、施工中に施工部と照射
ヘッド51との間に液体を噴射させ、この液体で置換す
ることで、施工中に発生する金属粉や水中に浮遊するご
みなどのレーザ光散乱物質を除去し、レーザ光路の妨害
を未然に防ぐことができる。
【0082】図7は本発明に係る原子炉内構造物の保全
・補修装置の第2実施形態を示す斜視図である。なお、
前記第1実施形態と同一または対応する部分には、同一
の符号を用いて説明する。以下の各実施形態も同様であ
る。そして、図7では旋回台車32の図示を省略してあ
る。
【0083】本実施形態は、シュラウド2の下部胴5の
内面あるいは原子炉炉底部のレーザ照射を施工するため
に遠隔作業装置50aを炉心支持板17と制御棒駆動機
構ハウジング19の上端との間に設置した場合を示した
例である。
【0084】本実施形態では、上部格子板16から遠隔
作業装置50a上端までの水中通過の際のエネルギー損
失と水中透過時の浮遊物による光路障害を回避するた
め、上部格子板16から遠隔作業装置50aの上部ま
で、水密構造の下部導光管115が取り付けられてい
る。なお、この下部導光管115は、遠隔作業装置50
aと分離した形態であるが一体化したものでもよい。
【0085】遠隔作業装置50aの下部は、制御棒駆動
機構ハウジング19で荷重を受け、その上部は炉心支持
板17の開口部で支え、炉心支持板17上に植設された
ガイドピン17aに嵌り込む位置決め部材116により
方位を決めた上部部材117中を作業装置本体54が貫
通し、自転旋回駆動機構55により旋回駆動する。遠隔
作業装置50aは、その上下に設置した上部部材117
および下部部材118の形状の違いを除けば、図3に示
す遠隔作業装置50と同様の構造と機能を備えている。
【0086】すなわち、作業装置本体54の内部には、
上下駆動体61が収納されており、上下駆動機構(図7
では省略)により作業装置本体54の内部を上下に駆動
する。上下駆動体61には伸展機構64が配備され、さ
らにこの伸展機構64には照射ヘッド51が取り付けら
れている。そして、遠隔作業装置50aの作業装置本体
54の上部は漏斗状に形成されたガイド部材119が設
けられ、このガイド部材119により下部導光管115
の据付を容易にしている。その他の構成は、前記第1実
施形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0087】次に、本実施形態の作用を説明する。な
お、オペレーションフロア22に設置したレーザー発振
器25からシュラウド2の上部に設置した旋回台車32
までの作用は前記第1実施形態と同様であるのでその説
明を省略する。
【0088】YAGレーザ光は、旋回台車32上の水平
導光管39を通り、ミラーボックス40で鉛直下方に反
射し、このミラーボックス40に固定された中間導光管
45から下部導光管115を通過した後、遠隔作業装置
50aの作業装置本体54の上部から垂直に入光したレ
ーザ光は、上下駆動体61の中に設置した反射鏡69で
直角に曲げられ、上下駆動体61の側面開口に封着した
平面ガラス70を通過し、さらに炉水を透過して伸展機
構64の先端部に向かう。そして、前記第1実施形態と
同様の経路を経てノズル94から施工部に照射される。
【0089】このように本実施形態によれば、遠隔作業
装置50aをシュラウド2の下部胴5の内面に設置し、
遠隔作業装置50aの自転旋回駆動機構55と、照射ヘ
ッド51の左右スイング機構92を制御することによ
り、ノズル94の平面投射方位を常にシュラウド2の内
面に垂直に向けることもできる。特に、炉心支持板17
直下の溶接線11については、図8に示すようにリング
部材7の突出部および円周方向に沿って配置されたスタ
ッドボルト21を回避してスタッドボルト21の背面に
位置する溶接線11への施工が可能となる。
【0090】また、本実施形態によれば、遠隔作業装置
50aは、上部が炉心支持板17の開口部に支持される
一方、下部が制御棒駆動機構ハウジング19の上端で支
持されたことにより、シュラウド2の下部胴5内面およ
び原子炉炉底部全域にアクセスしてレーザ光を照射する
ことが可能となる。
【0091】図9は本発明に係る原子炉内構造物の保全
・補修装置の第3実施形態における照射ヘッドを示す斜
視図である。
【0092】図9では作業装置本体54内の上下駆動体
61に配備された前後駆動手段としての平面リンク方式
の伸展機構120と、この平面リンク方式の伸展機構1
20に取り付けられた照射ヘッド130との構成を示し
ている。
【0093】伸展機構120は4本の平面リンク121
を有し、この4本の平面リンク121は、上部2本の各
一端が上下駆動体61に水平軸の回り対偶122により
取り付けられるとともに、下部2本の各一端が後述する
ボールねじのすべり対偶に水平軸の回り対偶123によ
り取り付けられ、さらに上下2本の平面リンク121の
各他端が水平軸の回り対偶124により取り付けられて
構成されている。そして、4本の平面リンク121内の
一本のアームを導光アーム125とし、この導光アーム
125の内部はレーザ光が通過可能な構造になってい
る。
【0094】また、伸展機構120は、すべり対偶12
6が螺合したボールねじ127を有し、このボールねじ
127の一端が水密に保持されたサーボモータ128の
駆動軸に連結されている。したがって、このサーボモー
タ128を駆動してボールねじ127を回転させると、
すべり対偶126が垂直方向に往復動し、4本の平面リ
ンク121の回り対偶122と124との相対位置が変
化して回り対偶123の水平軸が進退可能となり、照射
ヘッド130が進退可能となる。
【0095】照射ヘッド130は、上下スイング機構1
31を有し、この上下スイング機構131は、伸展する
回り対偶124の水平軸となる上下スイング部材132
と、平面リンク121の上部2本の間に固定されたサー
ボモータ133と、このサーボモータ133と伸展する
回り対偶124との間に巻き掛けられた駆動ベルト13
4と、上下スイング部材132に固定されたノズル13
5と、導光アーム125の両端に設置された反射鏡13
6,137と、上下スイング部材132内に設置された
反射鏡138と、ノズル135内に設置された集光レン
ズ139とを備えて構成されている。
【0096】また、ノズル135の横からは、前記第1
実施形態と同様にホース140により噴射水が導かれ、
この噴射水をノズル135先端から噴射し、レーザ光が
シュラウド2内面に照射した際に発生するダストおよび
気泡を吹き飛ばしレーザ光の散乱を防ぐようにしてい
る。
【0097】さらに、上下スイング部材132に組み込
まれた反射鏡138の背面側には、レトロリフレクター
141が配置され、このレトロリフレクター141によ
りHe−Neレーザ光をオペレーションフロア22上の
自動アライメント制御装置27に戻して光軸のずれを検
知することができる。
【0098】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0099】上下駆動体61に設けた反射鏡69で反射
したレーザ光は、伸展機構120の導光アーム125内
の反射鏡136,137を経由し、照射ヘッド130の
上下スイング部材132の水平中心軸に向けられる。こ
の上下スイング部材132にはレーザ光をノズル135
内に向ける反射鏡138が配置されている。このような
光学機器の構成のため、ノズル135がいかなる方向を
向いてもレーザ光の光軸はノズル135の向きと一致す
る機構となる。
【0100】また、上述した自転旋回駆動機構55によ
りノズル135の左右方向を制御するとともに、上下ス
イング機構132によりノズル135の上下方向を制御
することにより、ノズル135を任意の方向に向けて適
切な距離だけ離れた施工部にレーザ光を照射することが
できる。
【0101】さらに、本実施形態では、作業装置本体5
4の上端に取り付けた水密用の平面ガラス65からノズ
ル135の焦点レンズ139までを水密構造とし、レー
ザ光がシュラウド2内面に照射した際に発生するダスト
および気泡の影響を受けないような構造としている。
【0102】そして、本実施形態では、伸展機構120
を最も後退させた状態とし、ノズル135を垂直姿勢と
することで、照射ヘッド130を上部格子板16の格子
枠および炉心支持板17の開口部を通過可能な寸法とな
る。
【0103】このように本実施形態によれば、遠隔作業
装置50の自転旋回駆動機構55と、照射ヘッド130
の上下スイング機構131とを制御することにより、ノ
ズル135の照射方位および位置を適切に制御すること
ができる。特に、炉心支持板17直下の溶接線11につ
いては、上下スイング機構132によりノズル135を
上下にスイングさせることで、リング部材7の突出部お
よび円周方向に沿って配置されたスタッドボルト21を
回避してスタッドボルト21の背面に位置する溶接線1
1への施工が可能となる。
【0104】また、本実施形態によれば、前後駆動手段
を平面リンク構造としたことにより、平面リンク121
を用いて光学部材を配置させることが可能となり、レー
ザ光を照射ヘッド130まで導く光学部材の構成が簡素
化されるとともに、レーザ光の光軸調整も容易になる。
【0105】そして、平面リンク121に光学部材を配
置したことにより、上下駆動体61に設けた反射鏡69
から上下スイング部材132の反射鏡138まで水密状
態となるため、レーザ光が炉水中を透過する際の浮遊物
の影響を排除することができる。
【0106】なお、本発明は上記各実施形態に限定され
ることなく種々の変更が可能である。例えば、上記各実
施形態において、レーザを照射しない場合には、同じ光
学部材により検査部位の目視観察を行うこともできるた
め、目視検査装置としても利用することができる。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る原子
炉内構造物の保全・補修装置によれば、レーザ光発振装
置のレーザ光を導光手段を介して遠隔作業装置の照射ヘ
ッドに導き、この照射ヘッドを遠隔作業装置により旋回
駆動,上下動,前後駆動させることにより、炉内構造物
の施工部に対して適切な距離で任意の方向からレーザ光
を照射することができる。これにより、炉内構造物の残
留応力改善、表面改質、溶接補修などを行い、信頼性の
高い保全・補修装置を提供することができる。
【0108】特に、本発明に係る原子炉内構造物の保全
・補修装置によれば、従来の装置では施工が不可能であ
ったリング部材の突出部および円周方向に沿って配置さ
れたスタッドボルトの背面に位置する溶接線を、上下ス
イング部材により施工を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉内構造物の保全・補修装置
の第1実施形態の全体構成を示す斜視図。
【図2】図1の保全・補修装置においてオペレーション
フロアに設置した機器からシュラウドの上部に設置した
機器までを示す斜視図。
【図3】図1の保全・補修装置において遠隔作業装置を
上部格子板と炉心支持板との間に設置した場合を示す斜
視図。
【図4】図1の保全・補修装置における遠隔作業装置の
伸展機構および照射ヘッドを斜め後方から見た斜視図。
【図5】図4の伸展機構および照射ヘッドを示す斜視
図。
【図6】図5の伸展機構の動作を示す説明図。
【図7】本発明に係る原子炉内構造物の保全・補修装置
の第2実施形態を示す斜視図。
【図8】図7の保全・補修装置をスタッドボルトの背面
に位置する溶接線への施工状態を示す斜視図。
【図9】本発明に係る原子炉内構造物の保全・補修装置
の第3実施形態における照射ヘッドを示す斜視図。
【図10】原子炉圧力容器内に設置されたシュラウドを
一部破断して示す斜視図。
【図11】図10の縦断面図。
【図12】図11においてA方向矢視図。
【図13】図11におけるB部拡大断面図。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器 2 シュラウド 3 上部胴 4 中間部胴 5 下部胴 11 溶接線 16 上部格子板 17 炉心支持板 25 レーザ発振器(レーザ光発振装置) 26 He−Neガイドレーザ発振器 27 自動アライメント制御装置 28 制御装置 31 遮光管(導光手段) 36 上部導光管(導光手段) 50 遠隔作業装置 51 照射ヘッド 54 作業装置本体 55 自転旋回駆動機構 59 上下駆動機構 61 上下駆動体 64 伸展機構(前後駆動手段) 71 レトロリフレクター 72 角度調整機構 73,74 円筒部材 85,86 クランク腕 89 伸展部材 92 左右スイング機構 93 上下スイング機構 94 ノズル 99 左右スイング部材 104 上下スイング部材 120 伸展機構(前後駆動手段) 121 平面リンク 130 照射ヘッド 131 上下スイング機構 132 上下スイング部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 勝彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 島村 光明 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 増田 陽一 東京都港区芝大門一丁目4番4号 アイ テル技術サービス株式会社内 (72)発明者 桜井 善茂 東京都港区芝大門一丁目4番4号 アイ テル技術サービス株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−206869(JP,A) 特開 平8−104949(JP,A) 特開 平11−174191(JP,A) 特開 平10−216983(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 19/02 G21D 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光発振装置と、このレーザ光発振
    装置のレーザ光を導くように接続された導光手段と、こ
    の導光手段からのレーザ光を集光して原子炉圧力容器内
    の炉内構造物の施工部に照射する照射ヘッドと、この照
    射ヘッドに前記導光手段からのレーザ光を導くととも
    に、前記照射ヘッドを遠隔にて旋回駆動、上下動および
    前後駆動させる遠隔作業装置とを有し、上記照射ヘッド
    に液体噴射ノズルを設け、このノズルの内側から施工部
    に向けてレーザ光を照射させるとともに水を噴射させる
    構成としたことを特徴とする原子炉内構造物の保全・補
    修装置。
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