JP3745952B2 - 入賞装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、遊技領域に遊技球を打ち出して入賞口への遊技球の入賞により賞を獲得する入賞装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機などの遊技機では、遊技盤上を乱舞する遊技球の入賞口への入賞度合に変化を与えるため、左右一対の可動翼片(変位部材)からなるいわゆるチューリップ式の入賞装置が知られている。
図12に従来の入賞装置の一例を示す。図12に示す入賞装置は、回動中心の軸孔1bが図示しない遊技盤などに支持された一対の可動翼片1、1と、該可動翼片1、1を軸孔1bを中心に回動(以下、開閉という)駆動するための例えば直動ソレノイド3(駆動手段)と、該直動ソレノイド3の可動部材3aの動きを該可動翼片1、1に開閉運動として伝達する連結機構4とから構成されている。
【0003】
上記連結機構4は、直動ソレノイド3の可動部材3aを一端で保持(リンク)したパワーアーム5と、該パワーアーム5の他端を保持した基端6aを有し該基端6aから可動翼片1、1に対して二股に分かれて先端部6b、6bを延ばしたクランク部材6と、該クランク部材6の先端部6b、6bに遊び状態に(遊技盤側から見て左右方向に移動自在に)係合されかつ可動翼片1、1の回動中心を若干外れた位置で該可動翼片1、1を保持した各作動用ピン2、2とから構成されている。パワーアーム5は、中間に支軸5aをもつ揺動する部材である。クランク部材6は、基端部6aと先端部6b、6bとの間に支軸6cをもつ揺動する部材である。
【0004】
上記入賞装置は次のように作動する。ソレノイド3の作動によってパワーアーム5が支軸5aを中心に揺動することによってクランク部材6の基端部6aが上下に駆動される。クランク部材6の先端部6bは支軸6cを介して基端部6aと相似の上下動を行う。作動用ピン2は先端部6bに対して左右方向に遊びをもち、かつ、作動用ピン2は可動翼片1の回動中心より外れた位置で該可動翼片1と係合しているので、先端部6bの上下動に対応して左右方向にも移動する結果、可動翼片1の開閉中心周りに円弧運動する。したがって、クランク部材6の先端部6bの運動は、一対の可動翼片1、1の開閉運動を創成することとなる。一対の可動翼片1、1が開いた状態(軸孔1bと反対側の自由端1c間の距離が遠くなる状態)では遊技盤などに配設される実質的な入賞口としての受入口(可動翼片1、1の下位置に設けられる開口をもつ部材の当該開口)に遊技球を入賞し易くする状態となり、閉じた状態(自由端1c間の距離が受入口の開度程度に近くなる状態)では受入口に遊技球を入賞し難くする状態となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の一対の可動翼片1、1を用いた入賞装置は、一対の可動翼片1、1が開いた状態で遊技球を受入口へ受け入れ易くするように受入口に向けて下り勾配をなす相対向する面1aをもつが、この面1aは、閉じた状態ではほぼ受入口と同じ開度となるように垂直の勾配をなすだけなので、視覚的な変位に乏しく、開いた状態で入賞が多くなる期待を遊技者に抱かせる効果が少ないものであった。
【0006】
また、上記従来の入賞装置は、直動ソレノイド3における可動部材3aの運動を可動翼片1に伝達する連結機構4の構成が複雑で組み立てに時間を要しコストが嵩むという問題がある。
すなわち、第1に一対の可動翼片1、1を左右対称に開閉させるため、直動ソレノイド3の可動部材3aの運動を一対の可動翼片1、1に伝達するクランク部材6が、先端部6bを二股に延ばした複雑形状の部材である。第2に、このクランプ部材6の先端部6bだけの運動では、一対の可動翼片1、1を開閉させることができないため、間に先端部6bの上下動に対応して左右方向にも移動する作動用ピン2を配設して、先端部6bの運動を可動翼片1の開閉中心周りの円弧運動に変換している。このように従来の入賞装置は、構成が複雑で動作も複雑になっている。
そこで本発明は、入賞し易い状態と入賞し難い状態との視覚的変位が大きく入賞に大きな期待を抱かせる入賞装置を実現することを目的とする。
本発明の他の目的は、駆動手段と一対の変位部材との連結機構が簡素化でき、安定に動作する入賞装置を実現する。
【0007】
【課題を解決するための手段・作用および効果】
上記課題を解決した本発明の請求項1に記載の発明は、遊技盤に取付けられた装飾ブラケットと、上面開口の受入口と、この受入口を区画するボックス部と、このボックス部の前面上側を遊技盤と平行な方向で左右に突出した突片とを有し、前記装飾ブラケットの前面において上下に移動可能に設けられた受入部材と、この受入部材の両側に設けられた一対の変位部材とを備えており変位部材は、遊技者側の正面から見て直角三角形であるとともに、その斜辺を縁線とする面には、落下する遊技球を前記受入口に誘導するための面がそれぞれ形成されており、前記受入部材の左側に設けられた変位部材の一方の鋭角部分は、前記突片のうち左方に突出した部分に軸止されており、かつ、他方の鋭角部分は、前記装飾ブラケットに偏心可能に軸止されており、前記受入部材の右側に設けられた変位部材の一方の鋭角部分は、前記突片のうち右方に突出した部分に軸止されており、かつ、他方の鋭角部分は、前記装飾ブラケットに偏心可能に軸止されており、各変位部材の各面は、前記受入部材が移動範囲の下端に移動したことに伴って前記受入口に対してそれぞれ下り勾配に変位し、前記受入部材が移動範囲の上端に移動したことに伴って前記受入口の外域に向けて下り勾配に変位し、前記受入口は、遊技盤に左右に配置された2本の釘により形成された入賞口の直下に設けられており、前記受入口は、前記受入部材が移動範囲の上端に移動したときに前記入賞口に最も近づき、前記受入部材が移動範囲の下端に移動したときに前記入賞口から最も遠ざかることを特徴とする。
上記請求項1に記載の発明を採用した入賞装置では、一対の変位部材における面は、遊技球を受入口へ入賞し(受け入れ)易くするとき受入口に向けて下り勾配をなし遊技球を受入口に誘導する機能を果たす。この面は、受入口に遊技球を入賞し難くする状態のときに受入口から外域に向けて下り勾配となるので、遊技球を受入口へ受け入れ易くするときとの視覚的な変位が大きく、入賞に大きな期待を抱かせる効果が期待できる。
つまり、受入口に遊技球を入賞し易くする状態のときの受入口に対する前記面の勾配と、受入口に遊技球を入賞し難くする状態のときの受入口に対する該面の勾配とは、逆勾配になる変化であり、遊技者に遊技球が入賞し易い状態と遊技球が入賞し難い状態との差を視覚的に強く与え、遊技に集中させる効果を期待できる。
また、受入口を形成する受入部材が移動すると、変位部材が連動して動作し、その面が受入口に遊技球を入賞し易くする状態のときに、例えば該受入口に向けて下り勾配をなし、該受入口に遊技球を入賞し難くする状態のとき該受入口から外域に向けて下り勾配をなすように変位する。
したがって、受入部材も変位し、一度に二つの部材が変位することで、遊技球を受入口へ入賞し難くするときと入賞し易くするときとの視覚的な変位が一層大きくなる。
さらに、受入部材を移動するだけで変位部材の上記変位ができるので、受入部材をソレノイドなどの駆動手段によって移動駆動すればよい。受入部材の移動運動は、例えばソレノイドなどの駆動手段における可動部材の運動と1対1の対応が可能であり、駆動手段と受入部材との連結機構を簡潔に構成することができる(実施形態参照)。
さらに、請求項1に記載の発明を採用した入賞装置では、二つの形態がある。第1の形態は、受入部材が上位置に移動したとき変位部材が入賞し難くなる形態であり、第2の形態は、受入部材が下位置に移動したとき変位部材が入賞し易くなる形態である。第2の形態では、釘などによる遊技球の誘導によって下位置ほどこの入賞装置に遊技球が集まるので、下位置で入賞し易い状態となった変位部材での入賞確率を高くでき、遊技機人気を高める効果がある。第1の形態では、上位置で入賞し難い状態となった変位部材に突発的に飛び込む遊技球を期待でき、遊技の面白さを倍加する効果がある。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記2本の釘に代えて前記受入口を閉塞可能な部材が設けられており、前記受入口は、前記受入部材が移動範囲の上端に移動したときに前記部材によって閉塞され、前記受入部材が移動範囲の下端に移動したときに前記部材から離れることによって開口することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1は本発明の請求項1を実現した第1実施形態の入賞装置を採用した遊技機の遊技盤上の構成を示す説明図である。なお、以下に記載する各実施形態では、本発明の入賞装置を使用した遊技機として第1種始動口をもつパチンコ機を例に挙げて説明する。また、本発明を適用できる普通入賞装置は、第1種始動口の下位置に配設されるので、第1種始動口を入賞口として説明する。
遊技盤15は、その前面側に、ガイドレール(外レール21及び内レール22)で区画される円形の遊技領域内に風車23、23やゲート24、24など各種遊技部材が設けられると共に、前記ガイドレール21、22の外側にはコーナー飾り25、25が設けられている。
前記遊技盤15の遊技領域には、その中央に天入賞口26、普通図柄表示器27、特別図柄表示器28および振分装置29が一体的に形成されたセンターケース30が設けられている。センターケース30の下方には、釘による入賞口37a(いわゆる第1種始動口)をもつ普通入賞装置31(普通電動役物)と、大入賞口32をもつ大入賞装置33が設けられている。また、前記センターケース30の左斜め下方向と右斜め下方向には、左袖入賞装置34および右袖入賞装置35が設けられている。
【0012】
一方、前記遊技盤15の裏面側には、各種入賞口から送られる遊技球(入賞球)やアウト口36から流下する遊技球(アウト球)を回収して裏機構盤の球経路へ排出する集合経路(図示省略)が形成されている。
本発明の入賞装置は、上記普通入賞装置31、大入賞装置33または左袖入賞装置34および右袖入賞装置35などに適用できるが、以下の説明では普通入賞装置31を例にして説明する。
【0013】
上記普通入賞装置31は、図2〜図5および図6に示すように構成されている。図2〜図5は開状態の普通入賞装置31を示し、図2は遊技盤の斜め右側から見た普通入賞装置31を示す斜視図、図3は普通入賞装置31が遊技盤に装着された状態の図2のA−A線で破断した断面図、図4は駆動手段を含めた普通入賞装置31を示す斜視図、図5は上方からみた入賞装置の上面図である。図6は組み立て分解斜視図である。
普通入賞装置31は、例えば図2に示すように、縦方向に延びたガイド孔39が形成され、該ガイド孔39を図3に示すように遊技盤15の穿孔15aに一致させてビス(図示略)などにより該遊技盤15に取り付けられた装飾ブラケット38と、該装飾ブラケット38の前記ガイド孔39に拘束され該ガイド孔39に沿って移動可能でかつ実質的な入賞口を構成する上面開口の受入口37をもつ受入部材40と、該受入部材40に係合され該受入部材40の前記受入口37を挟む両側で各上方に向く面41、41を有した一対の変位部材42、42と、受入部材40から遊技盤15側へ延びた作動用桿401(図3参照)に一端を係合したパワーアーム43(図4)と、該パワーアーム43の他端を可動部材44aで保持した直動ソレノイド44(図4)とを主要素として構成されている。
【0014】
また、本実施形態において装飾ブラケット38には、例えば図6に示すように、その背面に接着(ねじ止めでもよい)などの固着手段によって裏部材45が一体化されている。裏部材45は、受入口37に入賞した遊技球Pの遊技盤裏側の通路を形成するものであり、図3に示すように、遊技盤15の穿孔15aと連通して裏機構盤の前記集合経路へ排出する球経路451が形成されている。
上記装飾ブラケット38は、ガイド孔39の周囲に所定の装飾(好ましくは後述する受入部材40および変位部材42の動きに合った図柄)が施された樹脂あるいは金属製の板状部品である。装飾ブラケット38には、図6に示すように、遊技盤15への取付け用ビス孔382と、図5、図6に示すように、変位部材42を保持するためのピン47を立設する小穴383がそれぞれ形成されている。また、装飾ブラケット38には遊技盤15面に沿った下延片381が設けられている。
【0015】
上記受入部材40は、図6に示すように、受入口37を区画するボックス部402と、該ボックス部402の前面上側を遊技盤15と平行な方向で左右に突出した突片403と、該ボックス部402の底から装飾ブラケット38の下延片381に沿って延びた舌状の隠し板部404とを備え、前記作動用桿401は、例えば図3に示すように、ボックス部402の底から遊技盤15側に延び遊技盤15における穿孔15aの下端面上を通り、さらに前記裏部材45を貫通している。裏部材45にはこのためのスリット452(図3)が形成されている。スリット452の長さは、受入部材40の移動量と対応している。スリット452から貫通した前記作動用桿401の先端部分は、図4に示すように、前記パワーアーム43の一端を挟持した係合端401aとなっている。なお、裏部材45の球経路451中の前記作動用桿401は、リング状に拡大されており、この拡大部分に遊技球Pが通過可能な通孔401bが形成されている。
【0016】
ところで、図7(A)には、開状態の普通入賞装置31を遊技者側から見た正面図が示されている。図7(A)から分かるように、遊技者側から見た変位部材42は、上向きの前記面41、41のほぼ縁線を斜辺とする直角三角形の部材であり、その一方の鋭角部分42a(以下、被係止端という)は、図5に示すように、突片403と装飾ブラケット38との間に係止され、他方の鋭角部分42b(以下、自由端という)は、前記小穴383に立設された前記ピン47に保持されている。
具体的に、前記突片403の内側には、図6に示すように、ボス403aが遊技盤15側に向けて突出しており、対面する被係止端42aには、同方向に孔421が形成されている。この孔421には前記ボス403aが嵌合することにより、変位部材42の被係止端42aは受入部材40に係止される。
また、変位部材42の前記自由端42b側には、例えば図7(A)に示すように、遊技盤15と垂直な方向に貫通され、かつ被係止端42aに向かって延び下方に凸となる弧状の円弧溝46が設けられている。前記ピン47は、この円弧溝46に遊挿された状態で該自由端42bを保持している。この円弧溝46により、後述するように、受入部材40がガイド39を上方に移動するとき、ピン47と被係止端42aとの相対距離を短くして、変位部材42の変位を許容することができる。
【0017】
一方、本普通入賞装置31では、直動ソレノイド44と変位部材42との連結機構は、図4からも分かるように、受入部材40(作動用桿401)とパワーアーム43となる。そして、パワーアーム43と直動ソレノイド44の可動部材44aとがリンクされ、パワーアーム43と作動用桿401とがリンクされている。
直動ソレノイド44の可動部材44aとパワーアーム43とのリンクおよびパワーアーム43と作動用桿401とのリンクは、図4に示すように、一方を扁平端とし他方をクリップ状の端部とした機構である。図4では、可動部材44aの先端円盤部をクリップ状のパワーアーム43の他端で厚み方向に挟持するとともに、パワーアーム43の扁平状をなす扁平端43aは、作動用桿401のクリップ状の前記係合端401aに挟持されている。また、パワーアーム43は、図4に示すように、可動部材44a側に寄って遊技盤15または装飾ブラケット38(ここでは遊技盤15)に保持された支軸43bをもち、パワーアーム43は、該支軸43bを中心に揺動可能にされている。このパワーアーム43の揺動により以下に説明するように、受入部材40をガイド孔39に沿って移動させることができる。
【0018】
(動作説明)
普通入賞装置31は、直動ソレノイド44に通電して図7(A)および(B)に示すように、受入部材40を装飾ブラケット38のガイド孔39に沿って移動させることにより、変位部材42の面41が、受入口37に向けて下り勾配をなす状態と(図7(A))、受入口37の外域に向けて下り勾配をなす状態と(図7(B))に変位するものである。図7(A)は、遊技球Pが受入口37に入賞し易い状態であり、図7(B)は遊技球Pが受入口37に入賞し難い状態である。
本実施形態では、図1で示したように、普通入賞装置31は、釘による入賞口37aの直下に設けられるものである。したがって、例えば普通入賞装置31が遊技球Pを受入口37に入賞し難い閉状態(図7(B))のときに、入賞口37aを通過した遊技球が受入口37に入って入賞したり、普通図柄表示器27の抽選が当たりになったり、ゲート24を遊技球Pが通過したりするなどの所定の遊技状態を契機に、所定の時間条件で、遊技球Pが受入口37に入賞し易い開状態とすることができる。
【0019】
先ず、図7(B)の閉状態においては、図8〜図10に示すように、各部材が作動している。図8は図2に対応した斜視図であり、図9は図4に対応した斜視図であり、図10は図3に対応した断面図である。閉状態においては、図9に示すように、直動ソレノイド44が非通電状態であり、その可動部材44aは、直動ソレノイド44の本体ケース44b側に吸引されている。これにより、パワーアーム43は、支軸43bを介して扁平端43a側を上動させて、該扁平端43aに係合した作動用桿401の係合端401aが上方に駆動されている。このため、受入部材40は、図8および図9に示すように、ガイド孔39の上端に位置される。
【0020】
受入部材40がガイド孔39の上端に位置するときは、図7(B)に示すように、変位部材42の被係止端42aは、突片403のボス403aに保持されて自由端42bより上方に位置する。また、ピン47は、相対的に自由端42bに最も近い円弧溝46の端に位置している。つまり、面41は受入口37より外域に向かって下り勾配となっている。この状態の面41では、遊技球Pは、大半が面41に当たって弾かれ、受入口37に入賞する度合は小さい(入賞し難い)。なお、図7(B)および図10に示すように、閉状態において、隠し板部404は遊技者に対しガイド孔39を隠しており、遊技球Pが遊技盤15より飛び出ることはない。
【0021】
次に上記所定の遊技状態が成立すると、それを契機に、直動ソレノイド44が所定の時間条件で通電される。直動ソレノイド44が通電されると、その可動部材44aは、図4に示すように、本体ケース44b側から突出する。これにより、パワーアーム43は、支軸43bを介して扁平端43a側を下動させて、作動用桿401の係合端401aを下方に駆動する。このため、受入部材40には該受入部材40をガイド孔39に沿って下方に移動する駆動力が作用する。
前記受入部材40が下方に移動すると、突片403のボス403aに引っ張られて変位部材42がピン47を偏心軸として揺動形態の開閉運動を行う。
すなわち、受入部材40がガイド孔39の中間より上側を下動するときは、ピン47と被係止端42aとの距離が相対的に徐々に近づき、中間位置で最も近くなる。このとき、ピン47は被係止端42aに最も近い円弧溝46の端に退避する。受入部材40がガイド孔39の中間より下側を下動するときは、ピン47と被係止端42aとの距離が相対的に徐々に遠のき、ガイド孔39の下端位置で最も遠くなる。このとき、ピン47は自由端42bに最も近い円弧溝46の端に戻る(図7(A))。こうして、変位部材42は、揺動形態で開閉運動を行うことができる。
変位部材42が図7(A)に示す状態となると、変位部材42の面41は、受入口37に向けて下り勾配となり、落下する遊技球Pを受入口37に誘導する機能を果たす。換言すれば、受入口37の間口を広げることとなって、入賞度合いは、数倍跳ね上がる。
【0022】
このように本実施形態の普通入賞装置31においては、受入部材40の上下移動に連動して、遊技球Pを受入口37に誘導する面41が、受入口37に遊技球Pを入賞し易くするときの勾配と、受入口37に遊技球Pを入賞し難くするときの勾配を、正から負、負から正になる変化を呈するものであり、遊技者に遊技球Pが入賞し易い状態と遊技球が入賞し難い状態との差を視覚的に強く与え、遊技を面白くさせ遊技に集中させる効果を期待できるのである。
【0023】
(組立て手順)
上記普通入賞装置31は、以下のようにして遊技盤15に組み付けることができる。すなわち、裏部材45を装飾ブラケット38に固着手段で固着する前に、変位部材42を係止した状態の受入部材40を装飾ブラケット38のガイド孔39に嵌合させる。そして、作動用桿401の先端を裏部材45のスリット452に挿通させた後に裏部材45を装飾ブラケット38に固着する。この後、遊技盤15に予め装着されている直動ソレノイド44およびパワーアーム43に対し作動用桿401の係合端401aを組付ける。
また、普通入賞装置31は、別部品として準備することもできる。この場合は以下の組み立て手順が考えられる。
(1)別部品として、装飾ブラケット38、受入部材40、変位部材42、裏部材45、直動ソレノイド44およびパワーアーム43からなる装置全体を部品化し、遊技盤15の組み付けには、装飾ブラケット38を遊技盤15に取り付けるだけで遊技盤15へ普通入賞装置31を装着することができる。この場合、直動ソレノイド44およびパワーアーム43は、装飾ブラケット38や裏部材45に搭載することが部品点数の削減の観点より好ましい。
(2)裏部材45と直動ソレノイド44およびパワーアーム43を、遊技盤15に予め組み付けておき、装飾ブラケット38、受入部材40および変位部材42だけを一体部品として準備するものでもよい。この場合は、遊技店での本普通入賞装置31の補修作業や交換が容易となる。
【0024】
[第1実施形態の効果]
上記構成の普通入賞装置31では、上記変位部材42の変位が大きく遊技に惹きつけるという効果のほかにも以下の効果がある。
(1)受入部材40を移動するだけで変位部材42の揺動形態の開閉動作ができるので、変位部材42と直動ソレノイド44との連結機構が簡潔な構成となる。すなわち、受入部材40を直動ソレノイド44によって移動駆動すればよい。受入部材40の移動運動は、直動ソレノイド44における可動部材44aの運動と1対1に対応しているので、直動ソレノイド44と受入部材40との連結機構(パワーアーム43および作動用桿401)をパワーアーム43と作動用桿401とのリンクだけで簡潔に構成することができ、従来の作動用ピン2(図12)のような、パワーアーム43の扁平端43aの上下動を開閉中心周りの円弧運動に変換する部材が介在しない。
(2)組み立て手順の項で説明したように、受入部材40の移動をガイドするガイド孔39を有するガイド板としての装飾ブラケット38に受入部材40と変位部材42とを一体的に組み付けることができ、遊技盤への普通入賞装置31の装着が容易になる。
(3)組み立て手順の項で説明したように、装飾ブラケット38(ガイド板)に直動ソレノイド44も組み付けることができ、直動ソレノイド44、受入部材40および変位部材42を組み込んだ一体部品として入賞装置を構成でき、遊技盤への装着が一層容易になる。
(4)本実施形態では、受入部材40が下動して下位置となるとき、開状態となるので、これと反対の場合より、落下する遊技球の入賞度合いが高くなる。このことは遊技者は直感的に理解し、遊技のおもしろさに惹かれ、遊技機人気を高める効果を期待できる。
【0025】
[第2実施形態]
本普通入賞装置31の構成を、大入賞装置33に適用した実施形態を図11(A)、(B)に示す。図11(A)は閉状態の大入賞装置33を示し、図11(B)は開状態の大入賞装置33を示す。
図11(A)、(B)の入賞装置33は、第1実施形態の装飾ブラケット38に相当する装飾ガイド板331と、大入賞受入部材332と、該大入賞受入部材332に係合された一対の変位部材333、333と、大入賞受入部材332の受入口334を通常時に閉塞するための装飾傘部材335とを示す。上記以外の遊技盤15の裏側に装置される直動ソレノイドなどは省略している。
本実施形態でも、大入賞受入部材332の上下移動に連動して変位部材333を揺動形態に開閉動作させる機構は、第1実施形態と同様であり、装飾ガイド板331に立設されるピン336が、変位部材333の自由端側に形成された弧状の円弧溝337に遊挿され、大入賞受入部材332の突片332aにおけるボス(図示略)に変位部材333の被係止端側が係止されている。
大入賞装置33では、閉状態において、受入口334が装飾傘部材335によって閉塞されており、このとき、変位部材333の面41は、閉塞された受入口334の外域に向けて下り勾配となっている。開状態に変わると、大入賞受入部材332の下動に伴って受入口334から装飾傘部材335が相対的に離れ、受入口334の上面側が装飾傘部材335で干渉されても、変位部材333の面41の上側には装飾傘部材335は干渉しない。これにより、面41に落下した遊技球Pは次々と受入口334に入賞することになる。
このような大入賞装置33では、比較的大型の大入賞受入部材332が上下に動き、それに連動して左右の変位部材333が揺動開閉することにより、遊技者は驚き、遊技に熱中することを期待できる。
【0026】
[第3実施形態]
本実施形態としては、変位部材42、333だけを第1実施形態と同様に揺動形態に開閉させて、面41が受入口に向けて下り勾配と受入口から外域に向けて下り勾配となるように変化させても、同様に、遊技球を受入口に導く面41が、受入口に遊技球Pを入賞し易くするときの勾配と、受入口に遊技球Pを入賞し難くするときの勾配とを、正から負、負から正になる変化を呈するものであり、遊技者に遊技球Pが入賞し易い状態と遊技球が入賞し難い状態との差を視覚的に強く与え、遊技を面白くさせ遊技に集中させる効果を期待できる。この場合の駆動手段は、自由端42bを上下させるものでよいし、図12に示す構成を採用してもよい。
また、第1実施形態では、受入部材40に本発明による動作を行わせるために、受入部材40に形成した円弧溝46という遊び孔の手段を用いているが、この遊び孔に相当する別の構成としは、装飾ブラケット38に形成してもよいし、必ずしも円弧でなく、例えば図7(A)において、被係止端42a側から直角部分R側に直線状に形成してもよい。
【0027】
[第4実施形態]
第1実施形態の普通入賞装置31および大入賞装置33では、遊技機への装着性を考慮して装飾ブラケット38や装飾ガイド板331なるブラケット類を用いているが、本発明の必須の構成要件は、受入部材40と変位部材42であるので、受入部材40と変位部材42を直接に遊技盤15に装置してもよい。
また、受入部材40の底から遊技盤15側に延びる作動用桿401は、単純な棒体でもよい。この場合の作動用桿は、図6に示すボックス部402の一方の側部から遊技盤15側へ延ばせばよい。なお、実施形態で説明した作動用桿401によれば、受入部材40を片持ち上げするおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態および第2実施形態の入賞装置を採用した遊技機の遊技盤上の構成を示す説明図である。
【図2】遊技盤の斜め右側から見た本発明に係る普通入賞装置31を示す斜視図である。
【図3】上記普通入賞装置31が遊技盤に装着された状態の図2のA−A線で破断した断面図である。
【図4】駆動手段を含めた普通入賞装置31を示す斜視図である。
【図5】上方からみた普通入賞装置31を示す上面図である。
【図6】上記普通入賞装置31の組み立て分解斜視図である。
【図7】(A)は開状態の普通入賞装置31を遊技者側から見た正面図、(B)は閉状態の普通入賞装置31を遊技者側から見た正面図である。
【図8】本普通入賞装置31が閉状態ときの図2に対応した斜視図である。
【図9】 本普通入賞装置31が閉状態ときの図4に対応した斜視図である。
【図10】本普通入賞装置31が閉状態ときの図3のA−A線で破断した断面図である。
【図11】本発明を大入賞装置に適用した第2実施形態を示し、(A)は閉状態斜視図、(B)は開状態の斜視図である。
【図12】 従来の入賞装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
37…受入口
40…受入部材
41…面
42…変位部材

Claims (2)

  1. 遊技盤に取付けられた装飾ブラケットと、
    上面開口の受入口と、この受入口を区画するボックス部と、このボックス部の前面上側を遊技盤と平行な方向で左右に突出した突片とを有し、前記装飾ブラケットの前面において上下に移動可能に設けられた受入部材と、
    この受入部材の両側に設けられた一対の変位部材とを備えており
    変位部材は、遊技者側の正面から見て直角三角形であるとともに、その斜辺を縁線とする面には、落下する遊技球を前記受入口に誘導するための面がそれぞれ形成されており、
    前記受入部材の左側に設けられた変位部材の一方の鋭角部分は、前記突片のうち左方に突出した部分に軸止されており、かつ、他方の鋭角部分は、前記装飾ブラケットに偏心可能に軸止されており、
    前記受入部材の右側に設けられた変位部材の一方の鋭角部分は、前記突片のうち右方に突出した部分に軸止されており、かつ、他方の鋭角部分は、前記装飾ブラケットに偏心可能に軸止されており、
    各変位部材の各面は、前記受入部材が移動範囲の下端に移動したことに伴って前記受入口に対してそれぞれ下り勾配に変位し、前記受入部材が移動範囲の上端に移動したことに伴って前記受入口の外域に向けて下り勾配に変位し、
    前記受入口は、遊技盤に左右に配置された2本の釘により形成された入賞口の直下に設けられており、
    前記受入口は、前記受入部材が移動範囲の上端に移動したときに前記入賞口に最も近づき、前記受入部材が移動範囲の下端に移動したときに前記入賞口から最も遠ざかることを特徴とする入賞装置。
  2. 前記2本の釘に代えて前記受入口を閉塞可能な部材が設けられており、
    前記受入口は、前記受入部材が移動範囲の上端に移動したときに前記部材によって閉塞され、前記受入部材が移動範囲の下端に移動したときに前記部材から離れることによって開口することを特徴とする請求項1記載の入賞装置。
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