JP3744103B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子注入輸送層と有機発光層と正孔注入輸送層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と呼ぶ)に関する。特に本発明は、ある種の物質を有機発光層にドープすることによって電子注入輸送層も発光させて全体としてブロードな発光スペクトルを実現した有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、蛍光性有機化合物を含む薄膜を陰極と陽極の間に挟んだ構造を有し、前記薄膜に電子および正孔を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して表示を行う表示素子である。
【0003】
前記有機EL素子の基本構成の一つを図12に示した。この有機EL素子は、基板100上のアノード101にITO、ホール輸送層102としてトリフェニルアミン誘導体、有機発光層103としてトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III) 、カソード104としてマグネシウムと銀の合金を使用している。有機の各層の厚みは50nm程度である。各層の成膜は真空蒸着で行っている。この有機EL素子に直流10Vを加えると1000cd/m2 程度の緑色の発光が得られる。この発光はITO側から取り出す。この有機EL素子の耐久性は低く、輝度半減は100時間程度であった。
【0004】
図12に示した有機EL素子よりも以前に開発された有機EL素子では、数十ボルト程度の駆動電圧で得られる発光輝度が数cd/m2 程度であった。図12に示す前記有機EL素子が高い輝度を達成し得たのは、次の各点に原因があると考えられる。
1)キャリアの移動度が10-3〜10-5cm2 /Vs程度の絶縁物に近い有機物を使用するため、有機層の厚みを100nmと薄くしたこと。
2)ホール輸送層を設け、機能を分離し、発光層内での再結合を高くしたこと。
【0005】
図12に示す有機EL素子の耐久性は前述したように低かった。その原因としては、次の各点が考えられる。
1)有機薄膜の物理的変化
有機薄膜特にホール輸送層102に結晶粒界が発生し、素子の短絡が発生する。
2)カソード104の酸化・剥離
仕事関数に低いマグネシウムを使用しているので、素子内の水分、酸素、空気中の水分、酸素により反応し酸化物となり電子注入の効率が落ちる。また有機層からの剥離を生じる。
【0006】
その後、前記有機EL素子を多色化するために、前記有機発光層にクマリンやDCM等の色素を数モル%ドーピングし、これらの色素からEL発光を得る手法が開発された。これらの色素は蛍光の量子収率が高いので外部量子収率も向上した。このようなドーピングから色素の発光を得るためには、次のような場合が効率が良いと考えられる。
【0007】
1)バンドモデル、即ちエネルギーダイアグラムでホスト材料Alq3 のHOMOレベルとLUMOレベルの間にドーパントのHOMOレベルとLUMOレベルがあること。このモデルは有機の場合にもある程度適応できるので便宜上使用している。
2)ホスト材料の発光のスペクトルとドーバントの励起スペクトルの重なりが大きいこと。
【0008】
上述したような、有機発光層に色素をドーピングして発光色の多様化を図った有機EL素子においては、Alq3 の蛍光の量子収率があまり高くないため、蛍光の量子収率の高い蛍光色素を数モル%Alq3 にドーピングすることで効率の向上が図られている。ここでドーパントとしては有機色素や顔料が用いられており、例えばクマリンやDCMが使用されていた。クマリンからは青緑色の発光が得られ、DCMからはオレンジ色の発光が得られる。この有機EL素子によれば、発光効率が向上し、発光色の多色化が可能であり、濃度消光を起こす材料でも使用できるという効果がある。
【0009】
最近では、表示画面のフルカラー化を目指して、又は液晶表示装置のバックライト等に用いる光源として、白色発光の有機EL素子の研究も行われている。例えば、現在提案されている白色発光の有機EL素子としては、図13に示すように赤青緑の各色に発光する3つの発光層110,111,112を積層させた発光層積層型のものが知られている。これら3つの各発光層が発光すれば、有機EL素子全体としては混色によって白色の発光が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述した発光層積層型の有機EL素子によれば、白色の輝度が十分でなく、例えば最高輝度が電圧が12Vの場合に770cd/m2 しか得られなかった。またフィルタで3原色に分解した場合の輝度では、青色の輝度が7.3cd/m2 しかなかった。
【0011】
本発明は、フィルタ等を用いることによってマルチカラー化が可能な白色またはそれに近いブロードな発光スペクトルを有する有機EL素子を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも一方が透光性を有する一対の電極の間に設けられ、積層された電子注入輸送層と有機発光層と正孔注入輸送層を有し、前記有機発光層がベンゾオキサゾール骨格を持つ配位子を有するアルミニウム錯体を含み、前記アルミニウム錯体がμ−オキソ−ジ[ビス(2−(2ベンゾオキサゾリル)−フェノラト)アルミニウム (III) ]とその誘導体からなる群から選択された物質である有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記アルミニウム錯体に、トリ(ビフェニル−4−イル)アミン(TBA)がドープされている
【0013】
請求項2に記載された有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも一方が透光性を有する一対の電極の間に設けられ、積層された電子注入輸送層と有機発光層と正孔注入輸送層を有し、前記有機発光層がベンゾオキサゾール骨格を持つ配位子を有するアルミニウム錯体を含み、前記アルミニウム錯体がμ−オキソ−ジ[ビス(2−(2ベンゾオキサゾリル)−フェノラト)アルミニウム (III) ]とその誘導体からなる群から選択された物質である有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記アルミニウム錯体に、テトラフェニルブタジエン(TPB)がドープされている
【0015】
請求項に記載された有機エレクトロルミネッセンス素子は、請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記電子注入輸送層が、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III) (Alq3 )であることを特徴としている。
【0016】
請求項に記載された有機エレクトロルミネッセンス素子は、請求項1又は2又は3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記電子注入輸送層に、第2のドープ材料を0.1wt%から10wt%の濃度で含有させたことを特徴としている。
【0017】
請求項に記載された有機エレクトロルミネッセンス素子は、請求項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記第2のドープ材料が、ルブレンと4−ジシアノメチレン−6−(P−ジメチルアミノスチリル)−2−メチル−4H−ピランからなる群から選択された物質であることを特徴としている。
【0018】
【実施例】
(1)実施例1
図1に実施例1の有機EL素子1の構造を示す。
ガラス基板2の上には、アノード3としてITO(Indium Tin Oxide)膜が形成されている。アノード3の上には正孔注入輸送層4としてTPDが設けられている。TPDの構造式を化学式(化1)に示す。TPDのイオン化ポテンシャルIp は5.28eV、LUMOレベルは2.18eVである。
【0019】
【化1】
Figure 0003744103
【0020】
正孔注入輸送層4の上には、有機発光層5が設けられている。本例の有機発光層5は青色に発光する青色発光層である。有機発光層5は、ホスト材料に発光中心となる物質をドープしたものである。まず、ホスト材料は、ベンゾオキサゾール骨格を持つ配位子を有するアルミニウム錯体であるAl2 O(OXZ)4 、即ちμ−オキソ−ジ[ビス(2−(2ベンゾオキサゾリル)−フェノラト)アルミニウム(III) ]か、その誘導体である。Al2 O(OXZ)4 の構造式を化学式(化2)に示す。Al2 O(OXZ)4 のイオン化ポテンシャルIp は6.00eV、LUMOレベルは2.87eVである。
【0021】
【化2】
Figure 0003744103
【0022】
ドープ物質は、そのイオン化ポテンシャルの値が、有機発光層5のホスト材料であるAl2 O(OXZ)4 のイオン化ポテンシャルの値以上であって、かつ後述する電子注入輸送層6のホスト材料であるAlq3 のイオン化ポテンシャルの値以下であることが必要である。本例における有機発光層5のドープ物質は、TBA、即ちトリ(ビフェニール−4−イル)アミンである。TBAはAl2 O(OXZ)4 に10mol%ドープされる。TBAの構造式を化学式(化3)に示す。TBAのイオン化ポテンシャルIp は5.43eV、LUMOレベルは2.37eVである。
【0023】
【化3】
Figure 0003744103
【0024】
有機発光層5の上には、電子注入輸送層6としてのAlq3 、即ちトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)が設けられている。Alq3 の構造式を化学式(化4)に示す。Alq3 のイオン化ポテンシャルIp は5.64eV、LUMOレベルは2.85eVである。
【0025】
【化4】
Figure 0003744103
【0026】
電子注入輸送層6の上にはカソード7が設けられている。カソード7は、Al:Li合金である。
【0027】
前述した構造の有機EL素子1の作成方法を説明する。
アノード3であるITO膜付きのガラス基板2を洗浄、乾燥後、真空蒸着装置にセットし、10-5torrの真空にした後、TPDを40nm蒸着する。次に、Al2 O(OXZ)4 をホスト材料としてTBAを10mol%ドープして20nmの膜厚に共蒸着する。更に電子注入輸送層6としてAlq3 を40nm蒸着する。一旦、真空を解除し、カソード7としてAl:Li合金を200nm蒸着する。
【0028】
このように構成された有機EL素子1のアノード3であるITO側にプラス、カソード7であるAl:Li合金側にマイナスの直流電圧をかけたところ、青色発光に比べればスペクトルがブロードな水色の発光を示した。図2に、本実施例の有機EL素子1の発光スペクトルを示す。また、図3は、本例の有機EL素子1においてアノード3とカソード7の間に印加する電圧Vと、得られる輝度Lとの関係を示すグラフであり、例えば前述した従来の白色発光の有機EL素子の12Vで770cd/m2 の輝度に比べてもはるかに高い輝度を達成していることが分かる。
【0029】
本例によれば、少なくとも一方が透光性を有する一対の電極の間に設けられ、積層された電子注入輸送層6と有機発光層5と正孔注入輸送層4を有する有機エレクトロルミネッセンス素子1において、有機発光層5にTBAをドープすることにより電子注入輸送層6にホールを注入して電子注入輸送層6をも発光させることができるので、青色に発光する有機発光層5とともに全体としてよりブロードなスペクトルの発光を得ることができた。
【0030】
次に、実施例1の変形例について説明する。この変形例は、実施例1の有機発光層5のホスト材料であるAl2 O(OXZ)4 に、ドープ物質としてTBAの代わりにTPB、即ちテトラフェニルブタジエンを3mol%ドープしたものである。TPBの構造式を化学式(化5)に示す。TPBのイオン化ポテンシャルIp は5.53eV、LUMOレベルは2.43eVである。
【0031】
【化5】
Figure 0003744103
【0032】
図4に、本変形例の有機EL素子の発光スペクトルを示す。印加電圧は7Vである。波長477nmにピークを有するが、全体としてブロードなスペクトルの発光を示した。
【0033】
また、図5は、本変形例の有機EL素子においてアノード3とカソード7の間に印加する電圧Vと、得られる輝度Lとの関係を示すグラフであり、例えば前述した従来の白色発光の有機EL素子の12Vで770cd/m2 の輝度に比べてもはるかに高い輝度を達成していることが分かる。
【0034】
(2)実施例2
図6に示す実施例2の有機EL素子11は、実施例1の有機EL素子1とは電子注入輸送層の構成が異なる。図6において、実施例1と同一の部分については図1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
本例の電子注入輸送層16は、Alq3 に、赤色発光材料の4−ジシアノメチレン−6−(P−ジメチルアミノスチリル)−2−メチル−4H−ピラン、即ちDCM1を、1mol%ドープしたものであり、赤色発光層としても機能する。DCM1の構造式を化学式(化6)に示す。DCM1のイオン化ポテンシャルIp は5.13eV、LUMOレベルは3.07eVである。
【0036】
【化6】
Figure 0003744103
【0037】
本例の有機EL素子11の作成方法を説明する。ITO付きガラス基板2を洗浄、乾燥し、これを真空蒸着装置にセットして10-5torrの真空にした後、正孔注入輸送層としてTPDを40nm蒸着し、次に青色発光層としてAl2 O(OXZ)4 をホスト材料としてTBAを10mol%ドープし20nmの膜厚に共蒸着した。更に赤色発光層となる電子注入輸送層16のホスト材料Alq3 にDCM1を1mol%ドープして40nmの膜厚で共蒸着した。一旦、真空を解除し、カソード7としてAl:Li合金を200nm蒸着し素子とした。このように構成された有機EL素子11のアノード2であるITO側にプラス、カソード7であるAl:Li合金側にマイナスの直流電圧をかけたところ、青色発光に比べればスペクトルがブロードな白みがかったオレンジ色の発光を示した。
【0038】
図7に、本実施例の有機EL素子11の発光スペクトルを示す。波長461nm付近の青色の領域と、波長600nm付近の赤乃至橙色の領域にそれぞれピークを有し、全体としてブロードなスペクトルの発光を示した。
【0039】
また、図8は、本例の有機EL素子11においてアノード3とカソード7の間に印加する電圧Vと、得られる輝度Lとの関係を示すグラフであり、17Vを印加して最高輝度1491cd/m2 が得られ、その時の効率は0.321m/Wを得た。
【0040】
(3)実施例3
図9に示す実施例3の有機EL素子21は、実施例1の有機EL素子1とは電子注入輸送層の構成が異なる。図9において、実施例1と同一の部分については図1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
本例の電子注入輸送層26は、Alq3 に青色発光材料のルブレンを0.5mol%ドープしたものであり、黄色発光層としても機能する。ルブレンの構造式を化学式(化7)に示す。ルブレンのイオン化ポテンシャルIp は5.25eV、LUMOレベルは2.85eVである。
【0042】
【化7】
Figure 0003744103
【0043】
本例の有機EL素子21の作成方法を説明する。ITO付きガラス基板2を洗浄、乾燥し、これを真空蒸着装置にセットして10-5torrの真空にした後、正孔注入輸送層としてTPDを40nm蒸着する。次にAl2 O(OXZ)4 をホスト材料としてTBAを10mol%ドープして20nmの膜厚で共蒸着し、青色発光層として機能する有機発光層5を形成する。更に、Alq3 をホスト材料とし、ルブレンを0.5mol%ドープして40nm共蒸着し、黄色発光層として機能する電子注入輸送層26を形成する。一旦、真空を解除し、カソード7としてAl:Li合金を200nm蒸着し素子とした。このように構成された有機EL素子21のアノード3であるITO側にプラス、カソード7であるAl:Li合金側にマイナスの直流電圧をかけたところ、白色の発光を示した。
【0044】
図10に、本実施例の有機EL素子21の発光スペクトルを示す。波長463nm付近の青色の領域と、波長534nm付近の黄色の領域にそれぞれピークを有しているが、全体としては白色の発光を示した。
【0045】
また、図11は、本例の有機EL素子21においてアノード3とカソード7の間に印加する電圧Vと、得られる輝度Lとの関係を示すグラフであり、17Vを印加して最高輝度5974cd/m2 が得られ、その時の効率は0.561m/Wを得た。
【0046】
以上説明した各実施例において、代替して使用可能な他の材料について説明する。
【0047】
正孔注入輸送層4には、例えば芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体を用いることができる。
【0048】
正孔注入輸送層4を正孔注入層と正孔輸送層に分けて設置する場合には、正孔注入輸送層用の化合物のなかから好ましい組み合わせを選択して用いることができる。この時、アノード(ITO等)側からイオン化ポテンシャルの小さい化合物の層の順に積層することが好ましい。
【0049】
具体的には、正孔注入輸送層4にはスターバーストアミンと呼ばれるトリフェニルアミン誘導体(m−MTDATA等)や銅フタロシアニン等が用いられる。正孔輸送材料にはトリフェニルアミンの2量体であるTPD等を用いることができる。
【0050】
電子注入輸送層6,16,26には、アルミキノリノールなどの有機金属錯体誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ベリレン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体を使用できる。
【0051】
青色発光層ともなる有機発光層5のドープ材料としては、TBA以外のドープ材料を使用することもできる。他のドープ材料としては、青色発光材料のテトラフェニルブタジエン(TPB)やTPDやDiamineなどのジフェニルアミン誘導体等を用いることができる。この場合の組合わせとしては、次の条件▲1▼又は▲2▼の少なくとも一つに適合することが必要である。
【0052】
▲1▼ 有機発光層(青色発光層)のホスト材料のイオン化ポテンシャルIp≦有機発光層(青色発光層)のドープ材料のイオン化ポテンシャルIp≦赤や黄色の発光層となる電子注入輸送層のホスト材料のイオン化ポテンシャルIp
【0053】
▲2▼ 有機発光層(青色発光層)のホスト材料のLUMOレベル≦有機発光層(青色発光層)のドープ材料のLUMOレベル≦赤や黄色の発光層となる電子注入輸送層のホスト材料のLUMOレベル
【0054】
また、有機発光層5のホスト材料に対するドーパント濃度は0.01wt%から50wt%以下が望ましい。
【0055】
赤色発光層としての電子注入輸送層16には、Alq3 以外のホスト材料を用いることができる。他のホスト材料としては、例えばビス(8−キノリノラト)マグネシウム(II)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)、トリス(8−キノリノラト)インジウム(III )、トリス(8−キノリノラト)ガリウム(III )、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)マグネシウム(II)、8−キノリノラトリチウム(I )、トリス(5−クロロ−8−キノリノラト)アルミニウム(III )、ビス(5−クロロ−8−キノリノラト)カルシウム、等のキノリン系の金属錯体、μ−オキソ−ジ[ビス(8−キノリノラト)]アルミニウム(III )、μ−オキソ−ジ[ビス(2−メチル−8−キノリノラト)]アルミニウム(III )等の酸素架橋型のキレート錯体、さらにビス[ベンゾキノリノラト]ベリリウム[II]Bebq2やオキサジアゾール誘導体、その2量体、トリアゾール誘導体および2量体等が用いられる。しかしこれらのみに限定するものではない。
【0056】
赤色発光層としての電子注入輸送層16にドープするドープ材料には、DCM1以外の物質を使用することもできる。他のドープ材料としては赤色発光材料のDCM2、ビススチルアントラセン誘導体、9−ジエチルアミノ−5H−ベンゾ[a]フェノキサジン−5−オン、3,3−ジベンゾアントロニル、ピリド[1’,2’:1,2]イミダゾ[4,5−b]キノキサリン、N,N’−ジ(1’,5’−ジターシャリーフェニル)−3,4,9,10−ベリレンテトラカルボキシリックジイミドやEu(DBM)3(Phen)等の希土類錯体、亜鉛アクリジン錯体、ボルフィリン系キレート錯体等を用いることができる。
【0057】
電子注入輸送層16のホスト材料に対するドーパント濃度は0.01wt%から10wt%以下が望ましい。
【0058】
黄色発光層としての電子注入輸送層26には、Alq3 以外のホスト材料を用いることができる。他のホスト材料としては、例えばビス(8−キノリノラト)マグネシウム(II)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)、トリス(8−キノリノラト)インジウム(III )、トリス(8−キノリノラト)ガリウム(III )、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)マグネシウム(II)、8−キノリノラトリチウム(I)、トリス(5−クロロ−8−キノリノラト)アルミニウム(III )、ビス(5−クロロ−8−キノリノラト)カルシウム、等のキノリン系の金属錯体、μ−オキソ−ジ[ビス(8−キノリノラト)]アルミニウム(III )、μ−オキソ−ジ[ビス(2−メチル−8−キノリノラト)〕アルミニウム(III )等の酸素架橋型のキレート錯体、さらにビス[ベンゾキノリノラト]ベリリウム[II]Bebq2やオキサジアゾール誘導体、その2量体、トリアゾール誘導体および2量体等が用いられる。しかしこれらのみに限定されるものではない。
【0059】
黄色発光層としての電子注入輸送層26にドープするドープ材料には、ルブレン以外のドープ材料を使用することもできる。他のドープ材料としては黄色発光材料の亜鉛キノリノール錯体等のキノリノール錯体、デカシクレン、キナクリドン、テトラ−ジフェニルアミノ−ピリミドピリジン等の有機顔料や色素等を用いることができる。
【0060】
電子注入輸送層26のホスト材料に対するドーパント濃度は、0.01wt%から10wt%以下が望ましい。
【0061】
また有機発光層5には一重項酸素クエンチャーを含有することができる。このようなクエンチャーとしてはニッケル錯体、ルブレン、ジフェニルイソベンゾフラン、三級アミン等が使用できる。クエンチャーの含有量は、発光材料であるAl2 O(OXZ)4 あるいはAlq3 の10モル%以下が望ましい。
【0062】
有機発光層5の厚さ、正孔注入輸送層4の厚さおよび電子注入輸送層6,16,26の厚さは特に限定されず、形成方法によっても異なるが、通常5〜1000nm程度、特に8〜200nmとすることが好ましい。
【0063】
カソード7には仕事関数の小さい材料、例えばLi,Na,Mg,Al,Ag,Inあるいはこれらの1種以上を含む合金を用いることが好ましい。
【0064】
有機EL素子の面発光を取り出すためには、少なくとも一方の電極が透明ないし半透明である必要がある。具体的には前述したITOの他、SnO2 ,Ni,Au,Pt,Pd,ポリピロール等の導電性ポリマー等を使用できる。また、その抵抗値は10〜30Ω/□が好ましい。
【0065】
基板側から発光を取り出すためには、基板材料にガラスや樹脂等の透明ないし半透明材料を用いる。また基板上に色フィルター膜や誘電体反射膜を用いて発光色をコントロールしても良い。
【0066】
なお、前述した有機EL素子の製造工程においては、カソードおよびアノードの作成には蒸着法やスッパタ法等が使用される。また、正孔注入輸送層、有機発光層、電子注入輸送層の作成には、真空蒸着法を用いることが好ましい。
【0067】
【発明の効果】
▲1▼ 青色に発光する有機EL素子(有機3層タイプ)の有機発光層にTBAやIPB等のドープ材料をドーピングすることで電子注入輸送層にホールを注入することができ、有機発光層の青色発光だけでなく、電子注入層間の発光も得られた。
【0068】
▲2▼ さらに、電子注入輸送層に発光材料をドーピングすることで、有機発光層の青色発光+ドーパントの発光が得られた。
【0069】
▲3▼ 例えばルブレン等の黄色の発光材料を電子注入輸送層側にドーピングすることで、6000cd/m2 程度の白色発光が得られた。
【0070】
▲4▼ 有機EL素子の白色発光にカラーフィルターを組み合わせれば、有機EL素子の多色化が可能になる。
【0071】
▲5▼ 電極やカラーフィルターの微細加工により、マルチカラーディスプレイのファイン化が可能になった。
【0072】
▲6▼ 液晶のバックライトなどの光源にも利用できる。
【0073】
▲7▼ 有機発光層にドープするドーパントと、電子注入輸送層にドープするドーパントを適当に選ぶことにより、青〜オレンジの色調を再現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の断面図である。
【図2】実施例1の発光スペクトルを示す図である。
【図3】実施例1における印加電圧と発光輝度との関係を示す図である。
【図4】実施例1の変形例の発光スペクトルを示す図である。
【図5】実施例1の変形例における印加電圧と発光輝度との関係を示す図である。
【図6】実施例2の断面図である。
【図7】実施例2の発光スペクトルを示す図である。
【図8】実施例2における印加電圧と発光輝度との関係を示す図である。
【図9】実施例3の断面図である。
【図10】実施例3の発光スペクトルを示す図である。
【図11】実施例3における印加電圧と発光輝度との関係を示す図である。
【図12】従来の有機EL素子の模式的構造図である。
【図13】従来の有機EL素子の模式的構造図である。
【符号の説明】
1,11,21 有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)
3 電極としてのアノード
4 正孔注入輸送層
5 有機発光層
6,16,26 電子注入輸送層
7 電極としてのカソード

Claims (5)

  1. 少なくとも一方が透光性を有する一対の電極の間に設けられ、積層された電子注入輸送層と有機発光層と正孔注入輸送層を有し、前記有機発光層がベンゾオキサゾール骨格を持つ配位子を有するアルミニウム錯体を含み、前記アルミニウム錯体がμ−オキソ−ジ[ビス(2−(2ベンゾオキサゾリル)−フェノラト)アルミニウム (III) ]とその誘導体からなる群から選択された物質である有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記アルミニウム錯体に、トリ(ビフェニル−4−イル)アミン(TBA)がドープされている有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 少なくとも一方が透光性を有する一対の電極の間に設けられ、積層された電子注入輸送層と有機発光層と正孔注入輸送層を有し、前記有機発光層がベンゾオキサゾール骨格を持つ配位子を有するアルミニウム錯体を含み、前記アルミニウム錯体がμ−オキソ−ジ[ビス(2−(2ベンゾオキサゾリル)−フェノラト)アルミニウム (III) ]とその誘導体からなる群から選択された物質である有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記アルミニウム錯体に、テトラフェニルブタジエン(TPB)がドープされている有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記電子注入輸送層が、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III) (Alq3 )である請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記電子注入輸送層に、第2のドープ材料を0.1wt%から10wt%の濃度で含有させた請求項1又は2又は3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記第2のドープ材料が、ルブレンと4−ジシアノメチレン−6−(P−ジメチルアミノスチリル)−2−メチル−4H−ピランからなる群から選択された物質である請求項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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