JP2000238318A - 有機elプリントヘッド - Google Patents

有機elプリントヘッド

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JP2000238318A
JP2000238318A JP3883599A JP3883599A JP2000238318A JP 2000238318 A JP2000238318 A JP 2000238318A JP 3883599 A JP3883599 A JP 3883599A JP 3883599 A JP3883599 A JP 3883599A JP 2000238318 A JP2000238318 A JP 2000238318A
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JP3883599A
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Yoshihisa Tsuruoka
誠久 鶴岡
Tatsuo Fukuda
辰男 福田
Yukihiko Shimizu
幸彦 清水
Yoichi Kobori
洋一 小堀
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Futaba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 劣化速度が同一の単一の有機蛍光材料を用い
ることができ、色調の変化が生じにくく、1プロセスの
露光で高品位の画像を形成する。 【解決手段】 基板21の上には、表面がオーバーコート
層31で覆われたRGBの各色のカラーフィルタ30が主走
査方向と平行で副走査方向にライン状に形成される。カ
ラーフィルタ30の上には、陽極22が主走査方向に対して
千鳥状に形成される。陽極22の上には、発光層23を含む
有機層が形成される。有機層の上には、主走査方向に平
行な陰極28が交差して形成される。陽極22と陰極28の交
点の間の発光層は絶縁層の開口部によりドット状に区画
される。カラーフィルタ30と発光層23との組み合わせか
らなるRGB各色の発光ドットは主走査方向に対して千
鳥状に並ぶ。陰極28を順次走査し、同期して陽極22に各
色の画像信号を入力し、同期してヘッドを記録媒体に対
して副走査方向に移動する。このヘッドの一回の走査に
より記録媒体の同一箇所にRGBの各色のドット光が多
重露光される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光色の異なる複
数種類の発光ドットを備えた有機エレクトロルミネッセ
ンス(以下、有機ELという)素子を用いてカラー画像
を形成する有機ELプリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、電子注入電極をなす陰
極と正孔注入電極をなす陽極との間に蛍光性有機化合物
を含む薄膜の有機層を挟んだ構造を有し、有機層に電子
及び正孔を注入して再結合させることにより励起子(エ
キシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の
光の放出(蛍光・燐光)を利用して表示を行う表示素子
である。
【0003】ところで、近年、上記有機EL素子を光源
に用いた光プリンタの提案がなされている。図16は特
開平9−226172号公報に開示される有機ELアレ
イプリントヘッドの構成図、図17は同ヘッドの平面
図、図18は図17のA−A線断面図である。
【0004】この有機ELアレイプリントヘッドは、図
16に示すように、チップオンボード基板51上に、有
機ELアレイ52を有する有機ELアレイ基板53と、
複数個のドライバーIC54が配置されている。チップ
オンボード基板51とドライバーIC54との間、ドラ
イバーIC54と有機ELアレイ基板53との間、チッ
プオンボード基板51と有機ELアレイ基板52との間
は、それぞれボンディングワイヤ55によって電気的に
接続されている。そして、有機ELアレイ52からの発
光は、ガラス基板裏面側に出射され、集束性ロッドレン
ズアレイ56を介して感光ドラム57に集光される。
【0005】更に有機ELアレイ基板53の構成につい
て説明すると、図17及び図18に示すように、ガラス
基板61の上には所定パターンの透明電極62が形成さ
れ、この透明電極62の上には第1コンタクトホール6
3と第2コンタクトホール63以外の領域に絶縁膜65
が形成されている。絶縁膜65の第2コンタクトホール
63を含むように正孔輸送層66と発光層67が形成さ
れており、この正孔輸送層66と発光層67を含むよう
に電子注入電極68が形成されている。電子注入電極6
8の上には、第1コンタクトホール69と第2コンタク
トホール70以外の領域に保護膜71が形成されてい
る。保護膜71の上には、所定パターンの信号電極72
が形成されている。また、保護膜71の第1コンタクト
ホール69を含むように所定パターンの共通電極73が
形成されている。
【0006】上記のように構成される有機ELアレイプ
リントヘッドでは、印字したい内容のデータをチップオ
ンボード基板51上のドライバーIC54に送る。この
ドライバーIC54に送られたデータが「ON」のドッ
トには、ドライバーIC54からボンディングワイヤ5
5を介して信号電極72に電流が供給される。データが
「OFF」のドットには、ドライバーIC54からボン
ディングワイヤ55を介して信号電極72に電流が供給
されない。
【0007】信号電極72からの電流は絶縁膜65の第
1コンタクトホール63を通り、透明電極62に流れ込
み、正孔輸送層66内への正孔注入を引き起こす。ま
た、電子注入電極68からは発光層67への電子注入が
起こる。これにより、電子は、発光層67の中を正孔輸
送層66へと向かって移動し、正孔輸送層66との境界
面に達すると、電子親和力の差により移動がブロックさ
れる。
【0008】これに対し、正孔は、正孔輸送層66の中
を移動して発光層67へ向かって移動し、発光層67と
の境界面に達すると、発光層67内に容易に注入され
る。この注入された正孔は発光層67で待機していた電
子と再結合し、再結合エネルギーが発光層67の励起を
引き起こす。そして、基底状態に戻るときに蛍光を発
し、この発光はガラス基板61の裏面側へと向かって外
部に放出される。その後、この放出された光は、集束性
ロッドレンズアレイ56を介して感光ドラム57へ集光
され、必要時間照射されることにより記録紙に所望の潜
像が形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に構成される従来の有機ELアレイプリントヘッドを自
己発色型のカラープリンタの光源として対応させる場
合、有機蛍光材料をR,G,B各色に塗り分けて発光層
67をドット状に形成する構成が考えられる。
【0010】しかしながら、有機蛍光材料をR,G,B
各色に塗り分ける構成では、各材料間で劣化特性が異な
るため、色調の変化が生じやすいという問題がある。し
かも、R,G,B各色の有機蛍光材料を使用する場合、
特に赤色と青色については、この種のプリントヘッドの
発光層を形成するための材料として長寿命のものがない
という問題があった。
【0011】そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてな
されたものであり、各色に発光する有機蛍光材料を塗り
分ける必要がなく、1種類の有機蛍光材料で発光層を形
成することができ、各色の色調の変化が生じにくく、更
には使用する記録媒体の感度特性、有機蛍光材料の発光
スペクトルに合わせてカラーフィルタの透過率を調整す
ることにより、1プロセスの露光で高品位の画像を形成
することができる有機ELプリントヘッドを提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、少なくとも一方が透光性を有す
る第1の電極と第2の電極の間に発光層を含む有機層が
基板上に積層形成され、前記発光層の発光によって得ら
れるドット状の光を記録媒体に選択的に照射して画像を
形成する有機EL素子を備えた有機ELプリントヘッド
において、前記発光層は、1種類の有機蛍光材料により
発光スペクトルが450nm〜650nmの範囲を含む
2以上の発光パターン群によって構成されており、前記
発光層から出射された光を波長の異なるドット状の光と
して前記記録媒体側に透過させるカラーフィルタが前記
基板の内面又は外面に配設されていることを特徴とす
る。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の有機ELプ
リントヘッドにおいて、同一の発光パターン群に属する
発光層が主走査方向に沿って配置され、異なる発光パタ
ーン群は副走査方向に沿って配置されていることを特徴
とする。
【0014】請求項3の発明は、請求項2の有機ELプ
リントヘッドにおいて、互いに交差する前記第1の電極
と前記第2の電極の組が2組設けられ、前記記録媒体に
照射される光の発光スペクトル分布が同一である各組に
属する発光層が主走査方向に沿って千鳥状に配置される
ように構成されたことを特徴とする。
【0015】請求項4の発明は、請求項1〜3いずれか
の有機ELプリントヘッドにおいて、前記有機層は、ト
リス(8−キノリノラト)アルミニウムからなる発光層
を有することを特徴とする。
【0016】請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの有機ELプリントヘッドにおいて、前記有機層は、
ホスト材料中に色素をドープしてなる発光層を複数有す
ることを特徴とする。
【0017】請求項6の発明は、請求項5の有機ELプ
リントヘッドにおいて、前記発光層は、トリス(8−キ
ノリノラト)アルミニウムにルブレンをドープした第1
の発光層と、Al2 O(OXZ)4 にTBAをドープし
た第2の発光層を有することを特徴とする。
【0018】請求項7の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの有機ELプリントヘッドにおいて、TPDからなる
発光性のホール輸送層と、p−EtTAZからなる有機
層と、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムからな
る発光性の電子輸送層と、前記トリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウムからなる電子輸送層の中間に設けられ
たナイルレッドからなる発光層とを有することを特徴と
する。
【0019】請求項8の発明は、請求項1〜3のいずれ
かの有機ELプリントヘッドにおいて、前記有機層は、
ポリマー系有機物質に色素を分散した発光層を有するこ
とを特徴とする。
【0020】請求項9の発明は、請求項8の有機ELプ
リントヘッドにおいて、前記ポリマー系有機物質がポリ
ビニールカルバゾール(PVK)であることを特徴とす
る。
【0021】請求項10の発明は、請求項1〜3のいず
れかの有機ELプリントヘッドにおいて、前記有機層
は、ZnBTZ錯体からなる発光層を有することを特徴
とする。
【0022】請求項11の発明は、請求項1〜3のいず
れかの有機ELプリントヘッドにおいて、可視光に対し
て70%以上の透過率を有する材質のホール注入輸送層
を有することを特徴とする。
【0023】請求項12の発明は、請求項1〜3のいず
れかの有機ELプリントヘッドにおいて、赤緑青の各色
の画像信号に応じて前記記録媒体の同一位置に赤緑青の
各色の画像が重なるように素子を制御し、多重露光する
ことによって前記記録媒体にフルカラー画像を形成する
ことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は本発明による有機ELプリ
ントヘッドを備えた有機ELプリンタ(光プリンタ)の
概略構成図、図2は有機ELプリントヘッドの第1の例
を示す図であり、電極構造の概略を示す模式的な平面
図、図2は同有機ELプリントヘッドの部分拡大断面図
であり、図2の発光ドットの部分を主走査方向に切断し
て副走査方向から観察した断面図である。なお、図2で
は封止キャップを省略している。
【0025】まず、有機ELプリントヘッド2の構造を
説明する前に、図1に基づいて有機ELプリンタ1の概
略構成について説明する。
【0026】有機ELプリンタ1は、後で詳述する光源
としての有機ELプリントヘッド2を備えており、この
有機ELプリントヘッド2から得たR,G,B3原色の
光により、例えばカラーフィルム等の記録媒体Wに書き
込みを1回の走査により行ってフルカラーの画像を形成
するものである。
【0027】この有機ELプリンタ1は、例えばビデオ
装置等から得られるデジタルのカラー画像信号によって
駆動され、記録媒体Wに画像をフルカラーでプリントす
るカラービデオプリンタとして利用される。その他、電
子写真方式プリンタ、銀塩方式プリンタ、ラベルプリン
タ等に利用できる。
【0028】図1に示すように、有機ELプリンタ1
は、所定箇所に位置決め固定された記録媒体Wに対し、
矢印Aで示す副走査方向に沿って移動する有機ELプリ
ントヘッド2の他、有機ELプリントヘッド2の発光部
3からの光を記録媒体Wの面上に結像させるためのレン
ズ4、反射鏡5を含む単一の光学系6が筐体12に内蔵
されている。
【0029】図1に示すように、有機ELプリントヘッ
ド2を内蔵した筐体12は、移動手段としての移動機構
7によって記録媒体Wに対して副走査方向に沿って往復
移動する。移動機構7は、有機ELプリントヘッド2を
内蔵した筐体12を副走査方向に移動可能に案内する図
示しない案内手段と、駆動ベルト8が掛け回された一対
のプーリ9,9と、プーリ9,9の一方を回転させる駆
動モータ10とを有している。
【0030】有機ELプリントヘッド2を内蔵して駆動
ベルト8に固定された筐体12は、駆動モータ10を駆
動して駆動ベルト8を循環させれば、不図示の案内手段
に案内されて副走査方向に沿って移動することができ
る。記録媒体Wとしてのカラーフィルムは、複数枚が所
定位置に保持されており、光による書き込みが終了する
と、排出機構11によって現像が行われると同時に筐体
12外に排出される。
【0031】制御手段13は、例えば内部メモリを有す
るCPUや駆動回路を備えている。制御手段13は、有
機ELプリントヘッド2の2列の発光ラインの各発光ド
ットの発光を制御するとともに、この発光に同期して移
動機構7の移動を制御している。
【0032】更に説明すると、制御手段13は、外部か
ら入力される画像データを内部メモリに格納し、発光ド
ットの2列に対応する陰極に所定の電圧を印加し、これ
に同期して内部メモリに格納された画像データに基づい
て陽極に画像信号を出力する。さらに、これに同期して
移動機構7を駆動し、有機ELプリントヘッド2を内蔵
した筐体12を副走査方向に移動させる。
【0033】次に、上記有機ELプリンタの光源として
採用される有機ELプリントヘッドの構成について説明
する。以下に説明する各例の有機EL素子を備えた有機
ELプリントヘッド2は、内部カラーフィルタとの組み
合わせにより異なる発光色(赤色、緑色、青色)のドッ
ト状の光を出射する発光部3を有している。
【0034】(1)第1の例 以下、図2及び図3に示す第1の例の有機EL素子20
(有機ELプリントヘッド2)の構造を製造工程に従っ
て説明する。
【0035】図2及び図3に示すように、有機EL素子
20は、ガラス等の透光性及び絶縁性を有する基板21
を基部としており、この基板21上にR,G,Bのカラ
ーフィルタ30を形成する。カラーフィルタ30は、染
色法、顔料分散法、電着法、印刷法等によってライン
状、或いはドット状に形成する。図2の例におけるカラ
ーフィルタ30はライン状に形成したものであり、後述
する発光層23に対向して、主走査方向に平行で副走査
方向に所定間隔をおいて形成される。
【0036】更に説明すると、図2において、カラーフ
ィルタ30は、後述する各発光パターン群23A,23
Bの上から緑色成分の光を透過させるGフィルタ30
a、赤色成分の光を透過させるRフィルタ30b、青色
成分の光を透過させるBフィルタ30cの順に基板21
上の副走査方向に所定間隔をおいてライン状に形成す
る。
【0037】カラーフィルタ30の分光透過率特性は、
画像を形成する記録媒体(カラーフィルム)Wの感度特
性(例えば図4)と、発光層23に使用する有機蛍光体
材料の発光スペクトル特性に合わせて膜厚、顔料組成等
を調整し、一回の露光で高品位のフルカラー画像が形成
できるように合わせ込む。図5はカラーフィルタ30の
分光透過率特性の一例を示している。
【0038】カラーフィルタ30の上には、平坦性を向
上させるために、アクリル樹脂等のオーバーコート層3
1を成膜する。そして、このオーバーコート層31の上
に透明な第1電極としての陽極22を形成する。
【0039】陽極22は次のようなパターンに形成す
る。陽極22は、有機ELプリントヘッド2Bの移動方
向である副走査方向に平行な帯状の電極である。図5に
示すように、各陽極22の上方には、ドット状に発光す
る3つの発光層23が後工程で形成される。
【0040】陽極22は複数個からなり、この複数個の
陽極22は、副走査方向と直交する主走査方向に沿って
所定間隔をおいて並び、列を構成する。この列は、副走
査方向の位置が異なる2か所に形成される。そして、副
走査方向に平行な複数の帯状の陽極22は、主走査方向
に沿って千鳥状に配置されている。
【0041】なお、陽極22は、発光層23の各発光ド
ットが所定の間隔で一列に並ぶように配置してもよい
が、そのようにすると陽極を電気的に分離するためのス
ペースが必要となり、実質的に発光ドットを小さくしな
ければならず、記録媒体Wを露光した場合にスジムラが
発生する。また、各陽極22は、発光ドット23の並ぶ
方向と直交する方向に引き出すために、図2に示す状態
よりも幅を細くしなければならない。これは、抵抗率の
高いITOで形成される陽極22としては好ましい構造
ではない。本例のように、各色の発光ラインを千鳥状の
配置とすれば、陽極22は配置しやすく、一列の場合の
2倍の太さにできるので、抵抗を好ましい低さに抑える
ことができる。
【0042】同一の陽極22上の副走査方向に対し、
G,R,B各色のフィルタ30a,30b,30cと対
向して発光ドットが所定の間隔をおいて形成されるよう
に、基板21上に絶縁層24を形成する。図3に示すよ
うに、絶縁層24の中で、陽極22に相当する部分には
発光層23の発光ドットのパターン形状に相当する寸法
形状の開口部24aを設け、陽極22を露出させる。こ
の開口部24aが発光層23の各発光部3の発光ドット
を区画する枠として機能する。前記絶縁層24は、感光
性ポリイミド、或いはSiO2 、SiN等を材料として
スピンコート法、蒸着法、スパッタ法等で基板21上の
全面に形成する。そして、絶縁層24の一部をフォトリ
ソ法を用いてパターニングし、前記陽極22と略同様の
千鳥のパターンの開口部24aを形成する。
【0043】発光エリアとなる前記開口部24aの上か
ら、開口部24aを埋めるように、図6に示す有機層と
してのホール注入層25とホール輸送層26を抵抗加熱
蒸着法を用いて成膜する。成膜は発光エリア(開口部2
4a)に対応した金属マスクを基板21に密着させて行
う。
【0044】この時、ホール注入層25、ホール輸送層
26には可視域に対して70%以上の透過率を有する透
明な材料が好ましい。ホール注入層25を構成するため
の材料としては、化学式(化1)に示すm−MTDATA、即
ち4,4',4''-tris(3-methylphenylphenylamino)tripheny
lamineがある。ホール輸送層26を構成するための材料
としては、化学式(化2)に示すTPD、即ちN,N'-dip
henyl-N,N'-bis(3-methylphenyl)-1,1'-biphenyl-4,4'-
diamine や、化学式(化3)に示すα−NPD、即ちN,
N'−ビス−(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニルベンジ
ジンなどがある。
【0045】
【化1】
【0046】
【化2】
【0047】
【化3】
【0048】発光エリアとなる前記開口部24aに相当
する部分に、有機層としての発光層23を形成する。こ
の発光層23は、カラーフィルタ30との組合せによ
り、主走査方向について同一発光色が取り出せ、かつ副
走査方向については3色の発光色が所定の順序で取り出
せるように形成する。
【0049】図2に示す例において、各発光パターン群
23A,23Bの発光層23は、Gフィルタ30aに対
向して発光層23aが位置し、Rフィルタ30bに対向
して発光層23bが位置し、Bフィルタ30cに対向し
て発光層23cが位置し、発光エリアを十分カバーする
領域に金属マスクを介して成膜する。
【0050】ここで、発光パターン群23A,23Bの
発光部3は、主走査方向の隙間を補間して記録媒体Wの
主走査方向の1ラインの領域をカバーするように配置さ
れる。更に説明すると、発光パターン群23A,23B
は、副走査方向から基板21の側面を見たときに、主走
査方向に対して発光パターン群23Aの隣接する発光層
23の間を補間するように発光パターン群23Bの発光
層23が形成される。すなわち、図2において、上列の
発光パターン群23Aにおける発光層23の主走査方向
の幅は、副走査方向の端部が下列の発光パターン群23
Bにおける発光層23の副走査方向の端部と揃う寸法、
又はオーバーラップする寸法に形成される。
【0051】発光層23(23a,23b,23c)
は、記録媒体Wの感光材によってフルカラー画像が形成
できるように、可視域に対して十分広い発光スペクトル
(少なくとも450〜650nmを含む)を有する材料
が使用される。このような材料としては、化学式(化
4)に示すトリス(8−キノリノト)アルミニウム(A
lq3 )がある。
【0052】
【化4】
【0053】なお、発光層23としては、カラーフィル
タ30との組合せにより、R,G,Bの3色の発光色が
所定の順序で取り出せればよいので、上記Alq3
他、ポリビニールカルバゾール(PVK)に各種色素を
分散した、いわゆる色素分散型の白色発光としてもよ
い。また、適当なホスト材料中に色素をドープし、多層
化して白色発光としてもよい。
【0054】発光層23形成後、その上に必要に応じて
有機層である電子輸送層27を形成するが、これも使用
する有機蛍光体材料の特性に従って決定する。
【0055】陽極22の上に積層した有機層の上に、第
2電極としての陰極28を形成する。陰極28は、発光
層23又は電子輸送層27との界面で電子注入が容易に
行われるよう、仕事関数の小さい材料で形成する。良好
な特性が得られるものとして、Li,Na,Mg,Ca
等の単体、及びその化合物、或いはAl:Li,Mg:
In,Mg:Ag等の各種合金が使用できる。
【0056】陰極28は次のようなパターンに形成す
る。陰極28は主走査方向を長手方向とする帯状であ
り、陽極22と交差する部分に発光領域(例えば矩形状
のドットパターン)がある。陰極28は、副走査方向に
沿って所定間隔をおいて互いに平行に配置されている。
主走査方向に並ぶ同一発光色の発光層23(23a,2
3b,23c)の上には、共通の陰極28(28a,2
8b,28c)が配設される。即ち、1本の陰極28は
複数本の陽極22と交差しているが、その両電極の間に
は同一発光色の発光層23がある。
【0057】陰極28形成後、水分を十分取り除いた不
活性ガス中で封止部材としての封止キャップ29を基板
21の上面に封着して封止を行い、有機ELプリントヘ
ッド2の有機EL素子20の作製プロセスを完了する。
【0058】以上のようにして構成される有機ELプリ
ントヘッド2を駆動する場合には、陰極28を順次走査
してダイナミック駆動するとともに、これに同期して陽
極22にR,G,B各色の画像信号を入力する。さらに
この有機ELプリントヘッド2の駆動タイミングに同期
して、記録媒体Wの同一位置にR,G,Bの画像が重な
るように有機ELプリントヘッド2を副走査方向に移動
させる。この有機ELプリントヘッド2の一回の移動走
査により、記録媒体Wの同一箇所にR,G,Bの各色の
ドット状の光を必要に応じて多重露光することができ
る。
【0059】なお、上記駆動において、陰極28を個別
に引き出して駆動回路に配線接続し、発光対象となる陰
極28をスタティック駆動するとともに、これに同期し
て陽極22にR,G,B各色の画像信号を入力して所望
の発光層23(発光部3)を発光させることも可能であ
る。
【0060】次に、上記有機ELプリントヘッド2の素
子部分の他の例(第2〜6の例)の構成について説明す
る。なお、各例の構成図において、カラーフィルタ30
の図示を省略しているが、実際には、基板21と陽極2
2との間の基板21の内面、又は基板21の外面に形成
される。
【0061】(2)第2の例 本例の有機EL素子32を図6及び図7を参照して説明
する。この有機EL素子32の発光ドットの形状や配
置、カラープリンタで構成として使用する際の構成、装
置全体としての駆動方法等は、第1の例を同様である。
【0062】本例の有機EL素子32は、前記化学式
(化4)に示すトリス(8−キノリノラト)アルミニウ
ムを用いて発光層23を形成している。
【0063】図6に示すように、ガラス等の透明な基板
21の上には、ITOからなる透明な陽極22がある。
陽極22の上には前記化学式(化2)に示すTPDから
なるホール注入輸送層33がある。ホール注入輸送層3
3の上には前記化学式(化4)に示すAlq3 からなる
発光層34がある。発光層34の上には、Al:Li合
金からなる陰極28がある。
【0064】前記有機EL素子の製造工程を説明する。
ITO付きのガラス基板21を洗浄、乾燥後、真空蒸着
装置にセットし、10 -5Torrの真空中においてTP
Dを40nm蒸着し、次にAlq3 を50nm蒸着し
た。更にAlq3 の上に上部電極28としてAl:Li
合金を100nm蒸着し、素子とした。
【0065】本例の有機EL素子32のITO(陽極2
2)側をプラス、Al:Li合金(陰極28)側をマイ
ナスとして直流電圧をかけた。図7に、その発光スペク
トルを示す。この図から分かるように、発光スペクトル
が450nm〜650nmの範囲を含んでおり、従来よ
り蛍光表示管の蛍光体層の材料として用いられているZ
nO:Znよりも発光スペクトルの幅が広く、特に赤色
領域にかけての強度がZnO:Znよりも強くなってい
る。
【0066】そして、上記有機EL素子32を有機EL
プリントヘッドとして適当なカラーフィルタと組み合わ
せ、記録媒体Wに露光した結果、良好な画像が得られ
た。
【0067】(3)第3の例 本例の有機EL素子35を図8及び図9を参照して説明
する。この有機EL素子35における発光ドットの形状
や配置、カラープリンタで光源として使用する際の構
成、装置全体としての駆動方法等は、第1の例と同様で
ある。
【0068】本例の有機EL素子35は、ホスト材料中
に色素をドープしてなる発光層を複数備えている。これ
ら各発光層からの発光によって、本例の有機EL素子3
5の発光色は、全体として白色乃至それに近い色になっ
ているか、又は少なくとも発光スペクトルが450nm
〜650nmの範囲を含んでいる。
【0069】図8に示すように、ガラス等の透明な基板
21の上には、ITOからなる透明な陽極22がある。
陽極22の上には前記化学式(化2)で示したTPDか
らなるホール注入輸送層33がある。ホール注入輸送層
33の上には青色発光層36がある。青色発光層36
は、化学式(化5)で示したAl2 O(OXZ)4 に、
化学式(化6)で示した色素であるTBAをドープした
ものである。この青色発光層36の上には、黄色発光層
37がある。黄色発光層37は、前記化学式(化4)で
示した色素であるAlq3 に、化学式(化7)で示した
色素であるルブレンをドープしたものである。黄色発光
層37の上には、Al:Liの陰極28がある。
【0070】
【化5】
【0071】
【化6】
【0072】
【化7】
【0073】前記有機EL素子35の製造工程を説明す
る。ITO付きのガラス基板21を洗浄、乾燥後、真空
蒸着装置にセットし、10 -5Torrの真空中において
TPDを40nm蒸着し、次にAl2 O(OXZ) 4
ホスト材料としてTBAを10mol%ドープし、20
nmの膜厚に共蒸着した。更に、黄色発光層37として
Alq3 をホスト材料とし、ルブレンを0.5mol%
ドープして、40nmの膜厚に共蒸着した。一旦、真空
を解除し、上部電極28としてAl:Li合金を100
nm蒸着し、素子とした。
【0074】本例の有機EL素子35のITO(陽極2
2)側をプラス、Al:Li合金(陰極28)側をマイ
ナスとして12Vの直流電圧をかけた。図9に、その発
光スペクトルを示す。この発光の色度はx=0.38
4、y=0.412であり、ほぼ白色である。
【0075】上記有機EL素子32を有機ELプリント
ヘッドとして適当なカラーフィルタと組み合わせ、記録
媒体Wに露光した結果、良好な画像が得られた。
【0076】(4)第4の例 本例の有機EL素子38を図10及び図11を参照して
説明する。この有機EL素子38における発光ドットの
形状や配置、カラープリンタで光源として使用する際の
構成、装置全体としての駆動方法等は、第1の例と同様
である。
【0077】本例の有機EL素子38では、赤、緑、青
のそれぞれの色に発光する材料を積層し、合計5層の有
機層の積層構造にして高輝度の白色発光を実現してい
る。
【0078】図10に示すように、ガラス等の透明な基
板21の上には、ITOからなる透明な陽極22があ
る。陽極22の上には前記化学式(化2)で示したTP
Dからなる発光性のホール輸送層33がある。ホール輸
送層33の上には、化学式(化8)で示したp−EtT
AZからなる有機層39がある。この有機層39の上に
は、前記化学式(化4)で示したAlq3 からなる発光
性の電子輸送層40がある。この電子輸送層40の間に
は、化学式(化9)で示した色素であるナイルレッドの
発光層41が設けられている。即ち、ナイルレッドの発
光層41は、Alq3 からなる発光性の電子輸送層40
に上下から挟まれている。そして、上側の電子輸送層4
0の上には、Al:Liの陰極28がある。
【0079】
【化8】
【0080】
【化9】
【0081】本例の有機EL素子38のITO(陽極2
2)側をプラス、Al:Li合金(陰極28)側をマイ
ナスとして直流電圧をかけると白色の高輝度の発光が得
られた。図11に、その発光スペクトルを示す。
【0082】本例では、TPDからなる発光性のホール
輸送層33と、Alq3 からなる発光性の電子輸送層4
0と、ナイルレッドの発光層41が発光する。図11の
スペクトルにおいて、波長400nm付近のピークはT
PDによるものであり、波長550nm付近のピークは
Alq3 によるものであり、波長600nm付近のピー
クはナイルレッドによるものである。これらの各色の発
光が混色して白色に観察される。
【0083】上記有機EL素子38を有機ELプリント
ヘッドとして適当なカラーフィルタと組み合わせ、記録
媒体Wに露光した結果、良好な画像が得られた。
【0084】(5)第5の例 本例の有機EL素子42の基本的な構造を図12及び図
13を参照して説明する。この有機EL素子42におけ
る発光ドットの形状や配置、カラープリンタで光源とし
て使用する際の構成、装置全体としての駆動方法等は、
第1の例と同様である。
【0085】本例の有機EL素子42は、塗布可能な液
体色素の単層膜からなる有機層、即ちポリマー系有機物
質に色素を分散した発光層を有しているものであり、本
例では一例としてポリマー系有機物質が化学式(化1
0)に示すポリビニールカルバゾール(PVK)を用い
た。
【0086】
【化10】
【0087】図12に示すように、ガラス等の透明な基
板21の上には、ITOからなる透明な陽極22があ
る。陽極22の上には前記化学式(化10)で示したポ
リビニールカルバゾール(PVK)に色素を混合した発
光層43が塗布されている。ポリマーの発光層43の上
には陰極28が形成される。
【0088】ポリマー系有機物質に色素44を分散した
発光層43を有する本例の有機EL素子42によれば、
次のような利点がある。第1に、発光色の調整は、ポリ
マーの液体に混合する色素の種類と量を調整することに
よって容易に行える。これに対して、前記実施例のよう
に蒸着で色素のドーピング量を制御する作業は相対的に
困難である。第2に、有機層がポリマーの単層膜であ
り、液体の塗布によって形成できるので、製造コストが
低い。これに対して、前記実施例のように多層膜を蒸着
するタイプでは時間と費用が相対的に多く必要となる。
第3に、この単層膜の強度は高く、蒸着によって形成さ
れた低分子色素系の有機膜に比べて耐久性がある。
【0089】本例の有機EL素子42のITO(陽極2
2)側をプラス、Al:Li合金(陰極28)側をマイ
ナスとして直流電圧をかけるとバランスのよい高輝度の
白色の発光が得られた。図13にその発光スペクトルを
示す。輝度は数千cd/m2である。
【0090】上記有機EL素子42を有機ELプリント
ヘッドとして適当なカラーフィルタと組み合わせ、記録
媒体Wに露光した結果、良好な画像が得られた。
【0091】(6)第6の例 本例の有機EL素子45を図14及び図15を参照して
説明する。この有機EL素子45における発光ドットの
形状や配置、カラープリンタで光源として使用する際の
構成、装置全体としての駆動方法等は、第1の例と同様
である。
【0092】本例の有機EL素子45は、輝度の高い錯
体材料で白色発光を実現したものであり、本例では一例
として化学式(化11)に示すZnBTZを用いた。
【0093】
【化11】
【0094】図14に示すように、ガラス等の透明な基
板21の上には、ITOからなる透明な陽極22があ
る。陽極22の上には前記化学式(化2)で示したTP
Dからなるホール輸送層33がある。ホール輸送層33
の上には、前記化学式(化11)で示したZnBTZ錯
体からなる発光層46がある。発光層46の上には陰極
28が形成される。
【0095】本例の有機EL素子45のITO(陽極2
2)側をプラス、Al:Li合金(陰極28)側をマイ
ナスとして直流電圧をかけるとバランスのよい高輝度の
白色の発光が得られた。図15にその発光スペクトルを
示す。ZnBTZ錯体は、S原紙を配位して平面性を崩
した分子構造を有しており、平面性の崩れ方によって様
々なエネルギ準位をとるため、発光スペクトルが広くな
り、白色発光するものと考えられる。
【0096】上記有機EL素子45を有機ELプリント
ヘッドとして適当なカラーフィルタと組み合わせ、記録
媒体Wに露光した結果、良好な画像が得られた。
【0097】そして、以上の各例の有機EL素子を採用
した有機ELプリントヘッド2によれば、蛍光表示管を
利用したプリントヘッドと比較した場合に有用な下記
(1)〜(6)に示す特徴を活かした上で以下に説明す
るような効果を奏する。
【0098】(1)蛍光表示管を使用したプリントヘッ
ドに比較して、消費電力が1/3〜1/5になる。 (2)基板の材厚はデバイスの大きさに関係なく1.1
mm以下にでき、デバイスとしての厚さが1/3〜1/
5になる。 (3)重量が1/2以下になる。 (4)デッドスペースが少なく、小型化が可能である。 (5)発光特性の変動が少なく、補正が容易である。 (6)外部カラーフィルタ切替え方式では、フルカラー
の1画面を書き込みするのに3回ヘッドを移動させる必
要があるのに対し、1プロセスの露光でフルカラーの色
再現が可能となる。
【0099】R,G,B各色に発光する有機蛍光材料を
塗り分ける構成では、各材料間で劣化特性が異なるため
色調の変化が生じやすいのに対し、各実施の形態の有機
ELプリントヘッドでは、劣化特性が同一の1種類の有
機蛍光材料を使用しているので、各色の劣化特性が等し
くなり、色調の変化が生じにくく、色再現性に優れた高
画質の画像を安定して得ることができる。
【0100】また、露光する記録媒体Wの感度特性、使
用する有機蛍光材料の発光スペクトルに合わせてカラー
フィルタの透過率を調整すれば、1プロセスの露光で高
品位のカラープリント画像を形成することができる。
【0101】このように、各例の有機ELプリントヘッ
ド2A〜2Fでは、複数の発光層23を1種類の有機蛍
光材料で形成し、各発光層23からの光をカラーフィル
タ30によりR(赤)、G(緑)、B(青)の異なる発
光スペクトルの光として記録媒体Wに出射することによ
りフルカラー化を実現している。そして、有機蛍光材料
の劣化によるバラツキを低減し、ヘッド又は記録媒体を
副走査方向に1回移動させるだけで良好な画質のフルカ
ラー画像を形成することができる。
【0102】ところで、上述した実施の形態では、所定
箇所に位置決め固定された記録媒体Wに対し、有機EL
プリントヘッド2(2A〜2Fのいずれか)を副走査方
向に往復移動させて記録媒体Wに所望の面露光を行う構
成としたが、有機ELプリントヘッド2を所定箇所に位
置決め固定し、この位置決め固定された有機ELプリン
トヘッド2に対して記録媒体Wを副走査方向に移動する
構成としてもよい。すなわち、有機ELプリントヘッド
2と記録媒体Wとは、副走査方向に対して相対的に移動
できる構成であればよい。
【0103】また、各例の有機ELプリントヘッド2A
〜2Fでは、カラーフィルタ30を基板21の内面側に
形成したが、カラーフィルタ30を基板21の外側に形
成してもよい。この場合、フィルム状のカラーフィルタ
を使用することも可能である。
【0104】更に、各例の有機ELプリントヘッド2A
〜2Fは、発光ドットが千鳥状に配置されるものとして
説明したが、主走査方向に同一色の発光ドットが1列に
並ぶように配置してもよい。また、発光ドットは、主走
査方向に平行に2列形成したものに限らず、2列以上形
成してもよい。
【0105】また、各例の有機ELプリントヘッド2A
〜2Fは、第1の電極を陽極22とし、第2の電極を陰
極28として説明したが、陽極22と陰極28を逆転さ
せた構成としてもよい。この場合、有機層の積層構造を
逆転した構成とし、封止部材としての封止キャップ29
をガラス等の透光性材料で形成する。
【0106】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、1種類の有機蛍光材料で発光層を形成できるの
で、各色の劣化特性が等しくなり、色調の変化が生じに
くく、色再現性に優れた高画質の画像を安定して得るこ
とができる。
【0107】また、露光する記録媒体Wの感度特性、使
用する有機蛍光材料の発光スペクトルに合わせてカラー
フィルタの透過率を調整することにより、1プロセスの
露光で高品位のカラープリント画像を形成することがで
きる。
【0108】このように、本発明の有機ELプリントヘ
ッドによれば、発光層を1種類の有機蛍光材料で形成す
ることができるので、有機蛍光材料の劣化によるバラツ
キが低減し、ヘッド又は記録媒体を副走査方向に1回移
動させるだけで良好な画質のフルカラー画像を形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機ELプリントヘッドを備えた
有機ELプリンタの概略構成図
【図2】本発明による有機ELプリントヘッドの第1の
例を示す平面図
【図3】図2において、発光ドットの部分を主走査方向
に切断して副走査方向から観察した部分拡大断面図
【図4】記録媒体の赤、緑、青の各色の感光材感度特性
の一例を示す図
【図5】カラーフィルタの分光透過率特性の一例を示す
【図6】第2の例における有機EL素子の模式的な断面
【図7】第2の例における有機EL素子の発光スペクト
ルを示す図
【図8】第3の例における有機EL素子の模式的な断面
【図9】第3の例における有機EL素子の発光スペクト
ルを示す図
【図10】第4の例における有機EL素子の模式的な断
面図
【図11】第4の例における有機EL素子の発光スペク
トルを示す図
【図12】第5の例における有機EL素子の模式的な断
面図
【図13】第5の例における有機EL素子の発光スペク
トルを示す図
【図14】第6の例における有機EL素子の模式的な断
面図
【図15】第6の例における有機EL素子の発光スペク
トルを示す図
【図16】特開平9−226172号公報に開示される
有機ELアレイプリントヘッドの構成図
【図17】同ヘッドの平面図
【図18】図17のA−A線断面図
【符号の説明】
2…有機ELプリントヘッド、3…発光部、21…基
板、22…陽極、23(23a,23b,23c)…発
光層、23A,23B…発光パターン群、28(28
a,28b,28c)…陰極、30…カラーフィルタ、
30a…Gフィルタ、30b…Rフィルタ、30c…B
フィルタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 幸彦 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内 (72)発明者 小堀 洋一 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内 Fターム(参考) 2C162 FA16 FA23 FA36 5C051 AA02 CA06 DA06 DB02 DB04 DB23 DB28 DB31 DC04 DC05 DC07 EA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透光性を有する第1の
    電極と第2の電極の間に発光層を含む有機層が基板上に
    積層形成され、前記発光層の発光によって得られるドッ
    ト状の光を記録媒体に選択的に照射して画像を形成する
    有機EL素子を備えた有機ELプリントヘッドにおい
    て、 前記発光層は、1種類の有機蛍光材料により発光スペク
    トルが450nm〜650nmの範囲を含む2以上の発
    光パターン群によって構成されており、 前記発光層から出射された光を波長の異なるドット状の
    光として前記記録媒体側に透過させるカラーフィルタが
    前記基板の内面又は外面に配設されていることを特徴と
    する有機ELプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 同一の発光パターン群に属する発光層が
    主走査方向に沿って配置され、異なる発光パターン群は
    副走査方向に沿って配置されていることを特徴とする請
    求項1記載の有機ELプリントヘッド。
  3. 【請求項3】 互いに交差する前記第1の電極と前記第
    2の電極の組が2組設けられ、前記記録媒体に照射され
    る光の発光スペクトル分布が同一である各組に属する発
    光層が主走査方向に沿って千鳥状に配置されるように構
    成されたことを特徴とする請求項2記載の有機ELプリ
    ントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記有機層は、トリス(8−キノリノラ
    ト)アルミニウムからなる発光層を有することを特徴と
    する請求項1〜3いずれかに記載の有機ELプリントヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】 前記有機層は、ホスト材料中に色素をド
    ープしてなる発光層を複数有することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の有機ELプリントヘッド。
  6. 【請求項6】 前記発光層は、トリス(8−キノリノラ
    ト)アルミニウムにルブレンをドープした第1の発光層
    と、Al2 O(OXZ)4 にTBAをドープした第2の
    発光層を有することを特徴とする請求項5記載の有機E
    Lプリントヘッド。
  7. 【請求項7】 TPDからなる発光性のホール輸送層
    と、p−EtTAZからなる有機層と、トリス(8−キ
    ノリノラト)アルミニウムからなる発光性の電子輸送層
    と、前記トリス(8−キノリノラト)アルミニウムから
    なる電子輸送層の中間に設けられたナイルレッドからな
    る発光層とを有することを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の有機ELプリントヘッド。
  8. 【請求項8】 前記有機層は、ポリマー系有機物質に色
    素を分散した発光層を有することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の有機ELプリントヘッド。
  9. 【請求項9】 前記ポリマー系有機物質がポリビニール
    カルバゾール(PVK)であることを特徴とする請求項
    8記載の有機ELプリントヘッド。
  10. 【請求項10】 前記有機層は、ZnBTZ錯体からな
    る発光層を有することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の有機ELプリントヘッド。
  11. 【請求項11】 可視光に対して70%以上の透過率を
    有する材質のホール注入輸送層を有することを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の有機ELプリントヘ
    ッド。
  12. 【請求項12】 赤緑青の各色の画像信号に応じて前記
    記録媒体の同一位置に赤緑青の各色の画像が重なるよう
    に素子を制御し、多重露光することによって前記記録媒
    体にフルカラー画像を形成することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の有機ELプリントヘッド。
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