JP2001167874A - 有機el発光素子及びその製造方法 - Google Patents

有機el発光素子及びその製造方法

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JP2001167874A
JP2001167874A JP2000269551A JP2000269551A JP2001167874A JP 2001167874 A JP2001167874 A JP 2001167874A JP 2000269551 A JP2000269551 A JP 2000269551A JP 2000269551 A JP2000269551 A JP 2000269551A JP 2001167874 A JP2001167874 A JP 2001167874A
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organic
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filter
light emitting
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Yoshihisa Tsuruoka
誠久 鶴岡
Yukihiko Shimizu
幸彦 清水
Toshio Miyauchi
寿男 宮内
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Futaba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機層に影響がなく、全体的な歩留りが良く、
製造コストが安価で、光プリンタの光源として高品位の
画像を形成できる有機EL素子を提供する。 【解決手段】フィルム等の透光性基材2の一方の面に、
R(赤),G(緑),B(青)の各色のカラーフィルタ
3を有機EL発光素子1の発光ドットR,G,Bの配設
パターンに合わせて形成する。前記カラーフィルタ3以
外の部分に遮光性部材を形成する。有機EL発光素子1
は、基板4の上に、透明な陽極5、絶縁層6、ホール注
入層7、ホール輸送層8、発光層9、陰極10を有す
る。カラーフィルタ3側が基板4の外面に接するよう
に、フィルタ基板20を有機EL発光素子1に貼り付け
る。有機EL層の上に直接カラーフィルタを形成してE
L層を損傷することがない。有機EL層側とフィルタ側
を別々に製造するので、トータルな歩留りが向上して製
造コストが大幅に低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光プリントヘッド
の光源として応用可能な有機EL発光素子とその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、電子注入電極をなす陰
極と正孔注入電極をなす陽極との間に蛍光性有機化合物
を含む薄膜の有機層を挟んだ構造を有し、有機層に電子
及び正孔を注入して再結合させることにより励起子(エ
キシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の
光の放出(蛍光・燐光)を利用して表示を行う表示素子
である。
【0003】ところで、近年、上記有機EL素子を光源
に用いたELプリンタの提案がなされている。光源とし
て有機EL素子を使用したカラーの光プリントヘッド
が、特開平7−22649号や、特開平7−12874
8号に開示されている。特開平7−128748号は、
白色光を発するドット状の有機EL素子と、各ドットの
光路中に配置されたR,G,Bのカラーフィルタを有す
る光書き込みユニットに関するものである。また、特開
平7−22649号に開示された発明は、R,G,Bの
各色に発光するドット状の発光層を備えた有機EL素子
と、各ドットからの光をフィルム上に結像させる等倍結
像レンズを有する光書き込みユニットに関するものであ
る。
【0004】特開平7−128748号に記載された有
機EL素子の構造を図10に示す。基板100の上面に
所定パターンで陰極101が形成されている。陰極10
1を覆って基板100の上に有機層102が形成されて
いる。有機層102は一般に複数層の積層構造からな
り、その中の発光層は白色に発光する。この有機層10
2の上に、ITO等の透光性の陽極103が形成されて
いる。陽極103の上には陰極101のパターンに合わ
せて各色のカラーフィルタ104(例えばR,G,B)
が形成されている。陽極103と陰極101で挟まれた
有機層102の中の発光層が発光し、その白色の光は陽
極103を透過した後、カラーフィルタ104を通過し
て前方に照射され、各色のドット状の光として図示しな
い記録媒体に到達する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の有機EL発光素子においては、次のような問題
点がある。
【0006】前述した特開平7−128748号に記載
された有機EL素子では、白色発光する有機層の上に、
ITO等からなる陽極を形成し、さらにその上にカラー
フィルタを直接形成している。ところが、有機EL素子
は大気中の水分の影響を受けやすく、電極の酸化、有機
層の化学的変化等によりその特性が大きく劣化すること
が知られている。
【0007】フィルタの製造方法としては一般的な印刷
法の他、フォトリソ法なども知られているが、いずれの
方法をとるにしても、上述したような構造では、カラー
フィルタを形成する際に有機層に損傷を与えることが確
実であり、特性劣化は避けられない。現実的には有機E
L素子の製造において有機層の上にカラーフィルタを直
接形成することは不可能と考えられる。また、有機EL
素子の製造において、有機層を形成した後、その上にカ
ラーフィルタを形成する工程をとるということは、全体
的な歩留りを悪化させ、コストを大幅に高くするという
問題も生じさせる。
【0008】また、前述した特開平7−128748号
等に記載された有機EL素子では、全く記載されていな
いが、実用上は、基板100の上面に積層形成した陰極
101、有機層102、陽極103、各色のカラーフィ
ルタ104(例えばR,G,B)を覆うように、更に透
光性の封止部材(カバー部材)を設ける必要がある。
【0009】この封止部材を設けた場合、有機層の発光
層から発光された白色光の一部であって、各色のカラー
フィルタ104を通過しない光(例えば、各色のカラー
フィルタ104の間の間隙から漏れた光 等)が、封止
部材に入射して、封止部材と(有機EL素子の外部の)
外気との界面で反射を起こす。
【0010】この反射光の一部は、封止部材の内部で多
数回反射を繰り返しながら減衰してしまうため、問題と
はならない。同様にして、この反射光の一部は、封止部
材の内部で小数回反射を繰り返したのみで十分に減衰さ
れずに有機EL素子から出射されるが、等倍結像素子の
有効な入射角から外れた角度で入射するため、問題とは
ならない。
【0011】しかし、この反射光の残りの一部は、反射
の経路によっては、封止部材の内部で小数回反射を繰り
返したのみで十分に減衰される前に有機EL発光素子か
ら出射され、等倍結像素子の有効な入射角から入射し
て、記録媒体へと出射されてしまう。そして、これらの
反射の光がプリントされてしまい、プリント品位を低下
させるという問題を生じさせる。
【0012】本発明は以上説明した問題点に鑑みて成さ
れたものであり、有機層に全く影響がなく、全体的な歩
留りが良く、製造コストが安価であり、光プリンタの光
源として使用すれば高い品位の画像を形成できる有機E
L素子を提供することを目的としている。
【0013】また、有機EL発光素子の構成部材の内部
で反射を繰り返した反射光等によるプリント品位の低下
を低減し、製造コストをほとんど増やさず、更に高品位
のフルカラー画像を形成できる有機EL素子を提供する
ことを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された有
機EL発光素子(1,21,31,41)は、基板
(4,FAP24)の内面側に保護容器(容器部11)
が取り付けられてなる外囲器と、前記外囲器内で前記基
板の内面に設けられた第1電極(陽極5又は陰極10)
と、前記外囲器内で前記第1電極の上に形成された有機
層(ホール注入層7、ホール輸送層8、発光層9)と、
前記外囲器内で前記有機層の上に形成された第2電極
(陰極10又は陽極5)と、表面にフィルタ(3)が予
め形成されるとともに前記有機層の発光が観察される前
記外囲器の表示面側に設けられた透光性基材(2)とを
有している。
【0015】請求項2に記載された有機EL発光素子
は、請求項1記載の有機EL発光素子において、前記有
機層(発光層9)の発光が前記基板(4,FAP24)
を通して観察されるように構成され、前記透光性基材
(2)が前記基板の外面に設けられたことを特徴として
いる。
【0016】請求項3に記載された有機EL発光素子
は、請求項1記載の有機EL発光素子において、前記有
機層(発光層9)の発光が前記保護容器(容器部11)
を通して観察されるように構成され、前記透光性基材
(2)が前記保護容器に設けられたことを特徴としてい
る。
【0017】請求項4に記載された有機EL発光素子
は、請求項3記載の有機EL発光素子において、前記透
光性基材(2)が前記保護容器(容器部11)の内面に
設けられたことを特徴としている。
【0018】請求項5に記載された有機EL発光素子
は、請求項3記載の有機EL発光素子において、前記透
光性基材(2)が前記保護容器(容器部11)の外面に
設けられたことを特徴としている。
【0019】請求項6に記載された有機EL発光素子
は、請求項1記載の有機EL発光素子において、等倍結
像素子(15)からドット状の光を記録媒体に照射して
画像を形成するために、所定のパターンに分割された複
数の発光領域である発光ドット(R,G,B)を前記有
機層が有しており、前記発光ドットから出て前記フィル
タ(3)に到達したドット状の光の拡散状態(発光の広
がりd)に応じて、前記フィルタの形状が設定されてい
ることを特徴としている。
【0020】請求項7に記載された有機EL発光素子
は、請求項1記載の有機EL発光素子において、等倍結
像素子(15)から複数色のドット状の光を記録媒体に
照射してカラー画像を形成するために、所定のパターン
に分割された複数の発光領域である発光ドット(R,
G,B)を前記有機層が有しており、前記フィルタ
(3)の分光透過率特性が、前記発光ドットから出る光
のスペクトルと前記記録媒体の感度特性に合わせて設定
されていることを特徴としている。
【0021】請求項8に記載された有機EL発光素子
は、請求項1又は2記載の有機EL発光素子において、
前記基板が、複数の光学ファイバの光軸を互いに平行と
なるように光軸に直交する面内に集積してなるイメージ
伝送部材基板(FAP24)であることを特徴としてい
る。
【0022】 請求項9に記載された有機EL発光素子
は、請求項1に記載の有機EL発光素子において、前記
透光性基材(2)の表面に形成された前記フィルタ
(3)の領域以外の部分に遮光性部材(26)が設けら
れたことを特徴としている。
【0023】 請求項10に記載された有機EL発光素
子は、請求項9に記載の有機EL発光素子において、前
記遮光性部材(26)が、前記透光性基材(2)の前記
フィルタ(3)が形成された側か、又は前記フィルタ
(3)が形成された反対側に設けられたことを特徴とし
ている。
【0024】 請求項11に記載された有機EL発光素
子は、請求項9又は10に記載の有機EL発光素子にお
いて、前記フィルタ(3)が、R,G,Bの各色のフィ
ルタ(3(R),3(G),3(B))からなり、前記
遮光性部材(26)が、前記R,G,Bのフィルタを積
層して形成されたことを特徴としている。
【0025】 請求項12に記載された有機EL発光素
子の製造方法は、基板(4、又はFAP24)の内面側
に保護容器(容器部11)が取り付けられてなる外囲器
と、前記外囲器内で前記基板の内面に設けられた第1電
極(陽極5又は陰極10)と、前記外囲器内で前記第1
電極の上に形成された有機層(ホール注入層7、ホール
輸送層8、発光層9)と、前記外囲器内で前記有機層の
上に形成された第2電極(陰極10又は陽極5)とを有
する有機EL発光素子本体を形成した後、表面にフィル
タ(3)が形成された透光性基材(2)を、前記有機層
の発光が観察される前記外囲器の表示面側に設けること
を特徴としている。
【0026】 請求項13に記載された有機EL発光素
子の製造方法は、請求項12に記載の有機EL発光素子
の製造方法において、前記透光性基材(2)の前記フィ
ルタ(3)が形成された領域以外の部分に遮光性部材
(26)が予め設けられたことを特徴としている。
【0027】 請求項14に記載された有機EL発光素
子の製造方法は、請求項13に記載の有機EL発光素子
の製造方法において、前記遮光性部材(26)が、前記
透光性基材(2)の前記フィルタ(3)が形成された側
か、又は反対側の表面に予め設けられたことを特徴とし
ている。
【0028】 請求項15に記載された有機EL発光素
子の製造方法は、請求項13又は14に記載の有機EL
発光素子の製造方法において、前記フィルタ(3)が、
R,G,Bの各色のフィルタ(3(R),3(G),3
(B))からなり、前記遮光性部材(26)が、前記
R,G,Bのフィルタと同時に被着積層して形成された
ことを特徴としている。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態における有機
EL発光素子1は、有機ELプリンタの光源である有機
ELプリントヘッドとして使用することができる。本発
明の各例の有機EL発光素子1は、素子本体を組み立
て、これとは別に透光性基材にフィルタを形成したもの
を用意し、この透光性基材を素子本体に取り付けること
によって製造する。有機EL発光素子1は、有機層の発
光を有機層が積層された基板を通して観察するタイプ
と、その反対側の容器部の側から観察するタイプの2つ
の種類がある。以下に説明する第1,第2,第5乃至第
7の例は前者であり、第3,第4の例は後者である。
【0030】図1から図5を参照して第1の例を説明す
る。図1は本例の有機EL発光素子1の概略平面図であ
る。図2は本例の有機EL発光素子1の部分拡大断面図
であり、図1中の副走査方向に並んだRGBの3個の発
光ドット近傍を副走査方向に切断して主走査方向から観
察した断面図である。図3は本例の有機EL発光素子1
を用いた有機ELプリントヘッドにおけるカラーフィル
タ近辺での光路図である。図4は本例の有機EL発光素
子1を用いて良好な特性が得られるインスタントフィル
ム感光剤の感度特性を示す図である。図5は本例の有機
EL発光素子1に用いられるカラーフィルタの分光透過
率特性を示す図である。
【0031】1.フィルタ基板20の製造 ガラス板、フィルム等の透光性基材2の一方の面に、R
(赤),G(緑),B(青)の各色のカラーフィルタ3
を例えば一列状又は千鳥状に配置したドット形状や、又
はライン状(線ないし帯状)等のように、後述する有機
EL発光素子1における発光ドットR,G,Bの配設パ
ターンに合わせた所定のパターンで形成する。形成方法
は任意であるが、例えば染色法、顔料分散法、電着法、
印刷法等がある。本例ではカラーフィルタ3には特に機
械的強度が要求されないので、その材質は特に限定しな
い。
【0032】図3に示すように、カラーフィルタ3の各
色のドット寸法、線幅、ピッチ等は、後述する有機EL
発光素子1の発光ドットR,G,Bのドット寸法、ドッ
トピッチに対応させ、さらに有機EL発光素子1の基板
4の厚さ、屈折率等を考慮し、等倍結像素子15(SL
A、セルフォックレンズアレイ)の有効な入射角から決
定される発光の広がりdを含んだ寸法で形成される。こ
の発光の広がりdを考慮しないと、等倍結像素子15に
隣接する発光ドットから色の異なるドット光が入射して
しまい、良好な色再現性が得られないことになる。
【0033】例えば、0.1mm角の正方形状の発光ド
ットの場合、厚さ1.0mmのソーダライムガラス製の
基板を透過してくると、発光の広がりはd=0.07m
mとなることがわかっている。このため、このような条
件でクロストークを生じさせないようにするためには、
カラーフィルタ3のサイズは、0.1+0.07×2=
0.24(mm)から0.24mm角の正方形状のカラ
ーフィルタ3、又は0.24mm以上の線幅を必要とす
ることとなる。
【0034】また、図4に例示したカラーフィルタの分
光透過率特性は、記録媒体であるインスタントフィルム
の図5に例示するような感度特性と、後述する有機EL
発光素子1の発光ドットR,G,Bで使用される蛍光体
の発光スペクトル特性に合わせて、カラーフィルタ材料
の顔料組成等や形成する膜厚等を適宜に調整し、一回の
露光で高品位のフルカラー画像が形成できるように設定
したものである。
【0035】2.有機EL発光素子1の製造 次に、図1及び図2を参照して本例の有機EL発光素子
1の構造を説明する。まず、本例の有機EL発光素子1
の発光ドットの配設パターンを説明する。本例の有機E
L発光素子1は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色
の光をそれぞれ出射する多数個の発光ドットR,G,B
を有している。発光ドットR,G,Bの配設パターンは
図1に示す通りである。即ち、主走査方向について必要
とされるドットピッチの二倍の間隔で同色の発光ドット
が列を形成しており、これらの3色の発光ドットの主走
査方向の各列が、副走査方向について所定の間隔で並ん
でいる。これと同一のパターン構成の発光ドットの3列
が、副走査方向について隣接し、かつ主走査方向につい
て前記ドットピッチだけずれて配設されている。従っ
て、全体としては、G(緑)、R(赤)、B(青)の順
序で副走査方向に並んだ3つの発光ドットR,G,Bの
組が、主走査方向について千鳥状に並んだパターンとな
っている。
【0036】次に、上述のような発光ドットパターンを
有する有機EL発光素子1の電極等の積層構造を説明す
る。ガラス板、フィルム等の透明な基板4の上に、IT
O(酸化インジウムと錫の複合酸化物)、IDIXO
(酸化インジウムと酸化亜鉛の複合酸化物、出光興産株
式会社の商標)等の表面の仕事関数が4.O eV以上の
透明導電膜からなる第1の電極としての陽極5を形成す
る。陰極10は、主走査方向を長手方向とする帯状であ
り、副走査方向に沿って所定間隔で並んだ3本を1組と
し、これが副走査方向に2組並んでいる。
【0037】各組の3本の陰極10の上に副走査方向に
沿って絶縁層6を形成する。前述した所定形状の各色の
発光ドットR,G,Bが所定の間隔をおいて配置される
ように、絶縁層6には所定形状の窓抜きパターンを形成
する。
【0038】絶縁層6は、感光性ポリイミド、Si
、SiN等をスピンコート法、蒸着法、スパッタ法
等で薄膜に形成する。前述した発光ドットパターンが得
られるように、絶縁層6の一部をフォトリソ法を用いて
パターニングする。
【0039】発光ドットとなる部分を含む発光エリアの
全体にホール注入層7、ホール輸送層8を抵抗加熱蒸着
法を用いて成膜する。成膜は、発光エリアに対応した抜
きパターンを有する金属マスクを基板4に密着させて行
なう。
【0040】ホール注入層7、ホール輸送層8には、可
視域に対して透明な材料が好ましく、例えば、ホール注
入層7を構成する物質としてはm−MTDATAや1−
TNATA等がある。ホール輸送層8を構成する物質と
してはTPDやα−NPD等がある。
【0041】発光層9は、発光ドットR,G,Bの形状
を区画する絶縁層6のパターンを十分に覆える広さとな
るように、金属マスクを介して抵抗加熱蒸着法を用いて
成膜する。発光層9は、本例の記録媒体であるカラーフ
ィルムの感光剤によってフルカラー画像が形成できるよ
うに、可視域の光の波長について十分に広い発光スペク
トル(少なくとも450〜650nm)を有する材料を
使用する。このような材料としてはAlqがある。
【0042】発光層9は、上記物質に限らず、R,G,
Bのカラーフィルタ3と組み合わせて赤緑青の発光色が
取り出せればよいので、ポリビニールカルバゾール(P
VK)に各種色素を分散してなる、いわゆる色素分散型
の白色発光の有機材料でもよい。または、適当なホスト
材料中に色素をドープし、多層化して白色発光を得ても
よい。
【0043】又、前述したように、各色の発光ドット
R,G,Bにおける各発光層9を、発光色がそれぞれ赤
緑青である3種類の異なる物質で構成してもよい。
【0044】発光層9の上に、必要に応じて電子輸送層
を形成する。その材料は、発光層9を構成する物質の特
性に従って決定する。
【0045】発光層9の上に、第2の電極としての陰極
10を形成する。陰極10は、発光層9又は電子輸送層
との界面で電子注入が容易に行われるように仕事関数の
小さい材料で形成する。良好な特性が得られるものとし
ては、Li,Na,Mg,Ca等の単体及びその化合
物、あるいはAl:Li,Mg:In,Mg:Ag等の
各種合金が使用できる。
【0046】陰極10を形成した後、水分を十分に除去
した不活性ガス中において、封止を行い、有機EL発光
素子1を完成する。即ち、下面側が開放された箱型の容
器部11を前記雰囲気中にて基板4の上面側に封着して
有機EL構造を覆う。
【0047】3.フィルタ基板と有機EL発光素子1の
組み立て(貼り付け) 図2中に示すように、フィルタ基板の透光性基材2と有
機EL発光素子1には予め位置決めマーク12,13を
形成しておく。両者を位置決めマークによって位置決め
し、固着する。
【0048】本例では、図2に示すようにフィルタ基板
20のカラーフィルタ3側が基板4の外面に接するよう
に、フィルタ基板20を有機EL発光素子1に貼り付け
る。このようにすれば、カラーフィルタ3側が外側にな
るようにフィルタ基板20を有機EL発光素子1に貼り
付ける場合に比べ、発光の広がりからくる各色のクロス
トークを防止する効果がより高い。
【0049】フィルタ基板20を有機EL発光素子1に
固着するためには、各種透明接着剤14、例えば熱硬化
型エポキシ樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂などが使用
できる。
【0050】上述したドットパターンの本例の有機EL
発光素子1によれば、有機EL発光素子1とカラーフィ
ルム(記録媒体W)を副走査方向について相対移動し、
この移動に同期して各発光ドットR,G,Bを発光させ
れば、カラーフィルム上の主走査方向に沿って各色のド
ット光を前記ドットピッチで連続させて照射することが
できる。よって、カラーの画像データによって各色の発
光ドットを適宜に駆動すれば、カラーフィルム上の同一
ヶ所にR,G,Bの各色が多重露光され、カラーフィル
ムに画像データに対応したカラー画像を形成することが
できる。即ち、この有機EL発光素子1を光源とする光
プリントヘッドであれば、カラーフィルムに対する相対
的な1回の移動によって良好な画質のフルカラー画像を
形成できる。
【0051】図6及び図7を参照して第2の例を説明す
る。本例は、有機EL発光素子21の基板がファイバア
レイプレート24(以下、FAP24と略称する)から
なる。FAP24は、ステップインデックス型の多成分
系光学ガラスファイバを多数本集束したマルチファイバ
をさらに多段に配列し、ガラス板とガラス板の間に挟み
込んで一体に構成したイメージ伝送部材である。各々の
ファイバが、コアとクラッドの二重構造からなるタイプ
と、クラッドの外周に光吸収層を形成してファイバ間の
クロストークを防いだタイプのものがあり、プリントヘ
ッドとして必要な機能のものを選択できる。
【0052】図6において、FAP24は主走査方向を
長手方向としており、その中央には集束されたガラスフ
ァイバの領域25がある。方ラスファイバの光軸は図6
の紙面に対して垂直である。有機EL発光部は、ガラス
ファイバの領域25の上に形成される。その他の構成は
第1の例と同一である。
【0053】このように、FAP24と組み合わせるこ
とにより、第1の例のように等倍結像素子15と組み合
わせて使用する場合と比較して、光の利用効率が大幅に
よくなるため、消費電力を小さくすることができる。
【0054】図8を参照して第3の例を説明する。第1
及び第2の例の有機EL発光素子1、21は、発光層9
の発光を、基板4、FAP24を通して観察するタイプ
であった。本例の有機EL発光素子31及び第4の例の
有機EL発光素子は、発光層9の発光を基板4とは反対
側の容器部11の側から観察するタイプ(リバース構
造)である。
【0055】図8に示すように、基板4の内面側には一
方の電極としての陰極10が形成されている。陰極10
はアルミニウム薄膜からなり、所望のパターンで形成さ
れている。陰極10の上には、発光ドットを区画するた
めの絶縁層6が所定のパターンで形成されている。その
上には発光層9、ホール輸送層8、ホール注入層7が形
成され、ホール注入層7の上には、他方の電極としての
陽極5が所定のパターンで形成されている。陽極5は透
光性導電膜であるITOによって形成されている。
【0056】有機EL発光素子構造が積層形成された基
板4の内面側には、これら有機EL発光素子構造を覆う
容器部11が封着されている。容器部11は下面が開口
された箱型の部材である。有機EL発光素子構造に対面
する容器部11の内面には、透光性基材2を有機EL発
光素子構造に対面させてフィルタ基板20が固定されて
いる。
【0057】リバース構造である本例の有機EL発光素
子31によれば、基板透過型構造である第1及び第2の
例に比べ、次のような優位性がある。 1)フォトリソプロセスを用いた微細パターンの形成は
有機層上ではできず、ガラス基板4上の電極にしか適用
できない。このため、基板透過型構造ではITOからな
る陽極5を微細化し、リバース構造ではアルミニウム薄
膜からなる陰極10を微細化する。しかしながら、IT
Oは微細化すると配線抵抗が大きくなり、低電圧、大電
流密度の有機EL発光素子1では大きな電圧ドロップが
生じ、輝度ムラが発生してしまう。一方、リバース構造
ではアルミニウム電極であるため配線抵抗が低く、電圧
ドロップによる輝度ムラを抑えることができる。
【0058】2)容器部11の内面側にフィルタ基板2
0を固定する構造であるため、基板4側と容器部11側
を別々に加工して最後に組み立てることができる。
【0059】3)有機EL発光素子構造の冷却を基板4
側から効率よく行うことができる。
【0060】4)陰極10は活性であり、ITOは酸化
物で安定である。また、下層との付着力も弱い。このた
め、ダークスポットが生じにくい。
【0061】図9を参照して第4の例を説明する。本例
の有機EL発光素子41もリバース構造である。
【0062】図9に示すように、有機EL発光素子構造
は第3の例と同一である。容器部11の外面には、透光
性基材2を外側にして(カラーフィルタ3を内側にし
て)フィルタ基板20が固定されている。本例によって
も第3の例と同様の効果が得られる。
【0063】図10は、図2に示す第1の例の有機EL
発光素子の有機層の発光の状態を示す図である。図中の
各種矢印は、有機EL発光素子1の各発光ドットR,
G,Bから出射された各色のドット光の内、主要な光の
経路を示すものである。
【0064】図中の細い実線の矢印で示すように、有機
EL発光素子1の各発光ドットR,G,Bから出射され
た各色のドット光は、所定の拡がりを有しながら、その
大部分が基板4及びカラーフィルタ3を通過して透光性
基材2から有機EL発光素子1の外部へ出射される。
【0065】 ここで、各色のドット光の内、カラー
フィルタ3を通過した光、即ちカラーフィルタ3で十分
に減衰された光は、これ以降、有機EL発光素子1の内
部で反射を繰り返しながら有機EL発光素子1の外部に
出射された場合でも、プリント品位等にほとんど影響を
及ぼすことはなく、特に問題とはならない。
【0066】 また、図中の細い点線の矢印で示すよ
うに、各色のドット光の一部であって、且つカラーフィ
ルタ3を通過しない光、即ちカラーフィルタ3で十分に
減衰されていない光は、(a)基板4とカラーフィルタ
3又は各種透明接着剤14との界面で反射する。また、
(b)カラーフィルタ3又は各種透明接着剤14と透光
性基材2との界面で反射する。同様にして、(c)透光
性基材2と(有機EL発光素子1の外部の)外気との界
面で反射することとなる。
【0067】 これらの反射光の一部は、基板4の内
部や各種透明接着剤14の内部若しくは透光性基材2の
内部でそれぞれ多数回反射を繰り返しながら減衰してし
まう。即ち多数回反射を繰り返した反射光は、カラーフ
ィルタ3で十分に減衰された光と同様に、ほとんど問題
とはならない。
【0068】 同様にして、これらの反射光の一部、
即ち図中の太い実線の矢印で示したものの一部は、基板
4の内部や各種透明接着剤14の内部若しくは透光性基
材2の内部でそれぞれ少数回反射を繰り返したのみで十
分に減衰されていなくとも、等倍結像素子15の有効な
入射角から外れてしまい、問題とはならない。
【0069】 しかし、これらの反射光の残りの一
部、即ち図中の太い実線の矢印で示したものの他の一部
は、反射の経路によっては、十分に減衰される前に、カ
ラーフィルタ3を透過しないで有機EL発光素子1から
出射され、且つ等倍結像素子15の有効な入射角から入
射して、カラーフィルム(記録媒体W)へと出射されて
しまう。そして、これらの反射の光がプリントされてし
まい、プリント品位が低下する可能性がある。
【0070】この問題点については、図8及び図9に示
す第3及び第4の例の有機EL発光素子についても、同
様である。
【0071】また、図7に示す第2の例の有機EL発光
素子は、FAP24を用いている。通常の基板4を用い
た場合に比べて、FAP24を用いた場合には、入射し
た光は光はほとんど拡散することなくフィルタ3側に出
射されるため、FAP24の内部で繰り返し反射した反
射光をほとんど考慮する必要がない。しかし、(b)カ
ラーフィルタ3又は各種透明接着剤14と透光性基材2
との界面で反射する点、及び(c)透光性基材2と(有
機EL発光素子1の外部の)外気との界面で反射する点
については、同様である。
【0072】そこで、図11から図13を参照して、有
機EL発光素子の内部(基板4の内部や各種透明接着剤
14の内部若しくは透光性基材2の内部で反射を繰り返
した反射光などによるプリント品位の低下を低減し、よ
り高品位のフルカラー画像を形成するための有機EL発
光素子構造を説明する。
【0073】まず、図11を参照して第5の例を説明す
る。図11に示すように、有機EL発光素子構造は第1
の例と同一である。本例は、有機EL発光素子51の透
光性基材2の一方の面に形成したR(赤),G(緑),
B(青)の各色のカラーフィルタ3が形成された領域以
外の領域(各色のカラーフィルタ3の間(透光性基材2
の表面)の領域。各色のカラーフィルタ3に一部重なる
ことを含む)に、ブラックマトリクス等の遮光性フィル
タからなる遮光性部材26が形成されている。
【0074】遮光性部材26は、光透過率の低い膜なら
材質は問わないが、低反射である黒色系の黒鉛膜や酸化
クロム膜などが好ましい。この場合、第1の例のフィル
タ基板20の製造において、R(赤),G(緑),B
(青)の各色のカラーフィルタ3を形成する工程に加
え、遮光性フィルタを形成する工程が必要となる。尚、
遮光性部材26は、基板4上の所定領域のみに設けても
良いが、基板4上の全面に設けることが好ましい。
【0075】また、遮光性部材26を、R(赤),G
(緑),B(青)の各色のカラーフィルタ3を重ねるこ
とで形成すれば、別途必要となる遮光部材の形成プロセ
スが省略できて、製造工程上も効果的である。この場
合、第1の例のフィルタ基板20の製造において、R
(赤),G(緑),B(青)の各色のカラーフィルタ3
を形成する各々の工程で、各色のカラーフィルタ3を形
成する部分に加え、遮光性フィルタを形成する部分にも
同時に各色のカラーフィルタ3を形成しておく。そうす
ることで、遮光性フィルタを形成する領域には、各色の
カラーフィルタ3が3層積層されることになり、遮光作
用を生じる。
【0076】この遮光性部材26を設けることで、本例
は第1の例に比べて、特に基板4の内部及び透光性基材
2の内部(勿論、各種透明接着剤14が存在しないた
め、各種透明接着剤14の内部での反射光の問題はなく
なる)で反射を繰り返した反射光によるプリント品位の
低下をより低減することが可能である。
【0077】図12を参照して第6の例を説明する。図
12に示すように、有機EL発光素子構造は第1の例及
び第5の例と同一である。また、有機EL発光素子の透
光性基材2の一方の面に形成したR(赤),G(緑),
B(青)の各色のカラーフィルタ3が形成された領域以
外の領域に、ブラックマトリクス等の遮光性フィルタか
らなる遮光性部材26が形成した構造は第5の例と同一
である。
【0078】本例は、有機EL発光素子52の透光性基
材2の一方の面に形成したR(赤),G(緑),B
(青)の各色のカラーフィルタ3が形成された領域以外
の領域に、ブラックマトリクス等の遮光性フィルタから
なる第1の遮光性部材26(1)が形成されており、そ
の配設位置に対応した透光性基材2の他方の面に、更に
第2の遮光性部材26(2)を形成している。
【0079】ここで、第2の遮光性部材26(2)の形
状は、第1の遮光性部材26(1)と透光性基材2の断
面長手方向を軸として対称形状としたが、有機層からの
発光の拡がり及び等倍結像素子15の入射角を考慮し
て、適宜変更可能である。尚、遮光性部材26は、基板
4上の所定領域のみに設けても良いが、基板4上の全面
に設けることが好ましい。
【0080】第5の例と同様にして、遮光性部材26
(1)及び26(2)は、光透過率の低い膜なら材質は
問わないが、低反射である黒色系の黒鉛膜や酸化クロム
膜などが好ましい。この場合、第1の例のフィルタ基板
20の製造において、R(赤),G(緑),B(青)の
各色のカラーフィルタ3を形成する工程に加え、第1及
び第2の遮光性フィルタ26(1)及び26(2)を形
成する2つの工程が必要となる。ここで、第1の遮光性
部材26(1)を形成する工程は、第5の例と同様にし
て、遮光性部材26を、R(赤),G(緑),B(青)
の各色のカラーフィルタ3を重ねることで形成すれば、
省略可能である。また、第2の遮光性部材26(2)を
形成する工程は、1種類の遮光性フィルタで形成すれ
ば、最小限の工程の追加で済ますことができる。
【0081】2つの遮光性部材26(1),26(2)
を設けることで、本例は第5の例に比べて、遮光性部材
26(1)で遮光できなかった反射光、即ち基板4の内
部及び透光性基材2の内部で反射を繰り返した反射光に
よるプリント品位の低下をほぼ完全になくすことが可能
である。
【0082】尚、第5の例及び第6の例に示す遮光性部
材の構造については、リバース構造である本例の有機E
L発光素子の第3の例及び第4の例にそのまま適用可能
である。
【0083】図13を参照して第7の例を説明する。図
13に示すように、有機EL発光素子構造は第2の例と
同一である。本例は、有機EL発光素子61の透光性基
材2の一方の面に形成したR(赤),G(緑),B
(青)の各色のカラーフィルタ3が形成された領域以外
の領域に対応する透光性基材2の他方の面に、ブラック
マトリクス等の遮光性フィルタからなる遮光性部材26
を形成している。
【0084】ここで、遮光性部材26の形状は、有機層
からの発光の拡がり及び等倍結像素子15の入射角を考
慮して、適宜変更可能である。尚、遮光性部材26は、
基板4上の所定領域のみに設けても良いが、基板4上の
全面に設けることが好ましい。
【0085】この遮光性部材26を設けることで、本例
は第2の例に比べて、特に透光性基材2の内部で反射を
繰り返した反射光によるプリント品位の低下をより低減
することが可能である。
【0086】尚、通常の基板4を用いた場合に比べて、
FAP24を用いた場合には、FAP24内部での反射
による反射光をほとんど考慮する必要がない。このた
め、カラーフィルタ3と同一面側に、遮光性部材26を
設けなくとも特に問題はない。但し、必要に応じて、有
機EL発光素子61の透光性基材2の一方の面に形成し
たR(赤),G(緑),B(青)の各色のカラーフィル
タ3が形成された領域以外の領域に対応した領域に、ブ
ラックマトリクス等の遮光性フィルタからなる遮光性部
材26を形成しても良い。
【0087】以上説明した有機EL発光素子1,21,
31,41は光プリンタの書き込みヘッドの光源として
使用することができる。この光プリンタは、例えばビデ
オ装置等から得られるデジタルのカラー画像信号によっ
て駆動され、記録媒体Wに画像をフルカラーでプリント
するカラービデオプリンタとして利用できる。その他、
電子写真方式プリンタ、銀塩方式プリンタ、ラベルプリ
ンタ等に利用できる。
【0088】
【発明の効果】本発明の有機EL発光素子によれば、表
面にフィルタが設けられた透光性基材を、有機EL発光
素子の外囲器の表示面側に設けたので、次のような効果
が得られる。
【0089】1)有機EL層の上に直接カラーフィルタ
を形成しようとする場合、印刷法にしろ、フォトリソ法
にしろ、EL層に与える損傷が大きく、極めて大きな特
性劣化(輝度低下、ダークスポット、発光ムラ等)を招
いてしまった。これに対し、本発明では、有機EL、フ
ィルタ基板共にそれぞれ個別に製造できるので、EL素
子部分に全く影響を与えることなくフルカラーの有機E
L発光素子が実現できた。
【0090】2)有機EL層側とフィルタ側をそれぞれ
別々に製造できるので、トータルな歩留りを上げること
ができ、製造コストを大幅に下げることができる。
【0091】3)インスタントフィルム等の記録媒体の
感度特性と、有機EL発光素子の蛍光体の発光スペクト
ル特性に合わせて、カラーフィルタの分光透過率特性を
調整できるので、光プリンタの光源として使用した場合
には一回の露光で高品位のフルカラー画像を形成でき
る。
【0092】更に、遮光性部材を形成した本発明の有機
EL発光素子によれば、次のような効果が得られる。
【0093】4)遮光性部材を1層形成すると、有機E
L発光素子の構成部材である基板の内部や各種透明接着
剤の内部若しくは透光性基材の内部で反射を繰り返した
反射光などによるプリント品位の低下をより低減できる
ので、更に高品位のフルカラー画像を形成できる。
【0094】5)遮光性部材を2層形成すると、有機E
L発光素子の構成部材である基板の内部や各種透明接着
剤の内部若しくは透光性基材の内部で反射を繰り返した
反射光などによるプリント品位の低下をほぼ完全になく
すことができるので、更に高品位のフルカラー画像を形
成できる。
【0095】6)遮光性部材を、R,G,Bの各色のフ
ィルタを積層して形成できるので、更なる製造工程の追
加をすることなく、且つ製造コストをほとんど増やさず
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL発光素子の第1の例における
電極構造の概略を示す模式的な平面図である。
【図2】図1中の副走査方向に並んだRGBの3個の発
光ドット近傍を副走査方向に切断して主走査方向から観
察した断面図である。
【図3】本例の有機EL発光素子における発光ドットと
カラーフィルタと等倍結像素子の光学的関係を模式的に
示す図である。
【図4】本例の有機EL発光素子を用いて良好な特性が
得られるインスタントフィルム感光剤の感度特性を示す
図である。
【図5】本例の有機EL発光素子に用いられるカラーフ
ィルタ3の分光透過率特性を示す図である。
【図6】本発明の有機EL発光素子の第2の例における
電極構造の概略を示す模式的な平面図である。
【図7】図6中の副走査方向に並んだRGBの3個の発
光ドット近傍を副走査方向に切断して主走査方向から観
察した断面図である。
【図8】本発明の有機EL発光素子の第3の例において
副走査方向に並んだRGBの3個の発光ドット近傍を副
走査方向に切断して主走査方向から観察した断面図であ
る。
【図9】本発明の有機EL発光素子の第4の例において
副走査方向に並んだRGBの3個の発光ドット近傍を副
走査方向に切断して主走査方向から観察した断面図であ
る。
【図10】図2に示す本発明の有機EL発光素子の第1
の例の有機層の発光の状態を示す図である。
【図11】本発明の有機EL発光素子の第5の例におい
て副走査方向に並んだRGBの3個の発光ドット近傍を
副走査方向に切断して主走査方向から観察した断面図で
ある。
【図12】本発明の有機EL発光素子の第6の例におい
て副走査方向に並んだRGBの3個の発光ドット近傍を
副走査方向に切断して主走査方向から観察した断面図で
ある。
【図13】本発明の有機EL発光素子の第7の例におい
て副走査方向に並んだRGBの3個の発光ドット近傍を
副走査方向に切断して主走査方向から観察した断面図で
ある。
【図14】従来の有機EL発光素子の断面図である。
【符号の説明】
1,21,31,41…有機EL発光素子、2…透光性
基材、3…フィルタ、4…基板、5…陽極、7…有機層
としてのホール注入層、8…有機層としてのホール輸送
層、9…有機層としての発光層、10…陰極、11…保
護容器としての容器部、15…等倍結像素子、20…フ
ィルタ基板、24…基板としてのファイバアレイプレー
ト(FAP)、26…遮光性部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB03 AB04 AB05 AB18 BB01 BB06 CA01 CA06 CB01 CB03 DA00 DB03 EB00 FA01 FA02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の内面側に保護容器が取り付けられ
    てなる外囲器と、前記外囲器内で前記基板の内面に設け
    られた第1電極と、前記外囲器内で前記第1電極の上に
    形成された有機層と、前記外囲器内で前記有機層の上に
    形成された第2電極と、表面にフィルタが予め形成され
    るとともに前記有機層の発光が観察される前記外囲器の
    表示面側に設けられた透光性基材とを有する有機EL発
    光素子。
  2. 【請求項2】 前記有機層の発光が前記基板を通して観
    察されるように構成され、前記透光性基材が前記基板の
    外面に設けられたことを特徴とする請求項1記載の有機
    EL発光素子。
  3. 【請求項3】 前記有機層の発光が前記保護容器を通し
    て観察されるように構成され、前記透光性基材が前記保
    護容器に設けられたことを特徴とする請求項1記載の有
    機EL発光素子。
  4. 【請求項4】 前記透光性基材が前記保護容器の内面に
    設けられたことを特徴とする請求項3記載の有機EL発
    光素子。
  5. 【請求項5】 前記透光性基材が前記保護容器の外面に
    設けられたことを特徴とする請求項3記載の有機EL発
    光素子。
  6. 【請求項6】 等倍結像素子からドット状の光を記録媒
    体に照射して画像を形成するために、所定のパターンに
    分割された複数の発光領域である発光ドットを前記有機
    層が有しており、 前記発光ドットから出て前記フィルタに到達したドット
    状の光の拡散状態に応じて、前記フィルタの形状が設定
    されていることを特徴とする請求項1記載の有機EL発
    光素子。
  7. 【請求項7】 等倍結像素子から複数色のドット状の光
    を記録媒体に照射してカラー画像を形成するために、所
    定のパターンに分割された複数の発光領域である発光ド
    ットを前記有機層が有しており、 前記フィルタの分光透過率特性が、前記発光ドットから
    出る光のスペクトルと前記記録媒体の感度特性に合わせ
    て設定されていることを特徴とする請求項1記載の有機
    EL発光素子。
  8. 【請求項8】 前記基板が、複数の光学ファイバの光軸
    を互いに平行となるように光軸に直交する面内に集積し
    てなるイメージ伝送部材基板であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の有機EL発光素子。
  9. 【請求項9】 前記透光性基材の表面に形成された前記
    フィルタの領域以外の部分に遮光性部材が設けられたこ
    とを特徴とする請求項1記載の有機EL発光素子。
  10. 【請求項10】 前記遮光性部材が、前記透光性基材の
    前記フィルタが形成された側か、又は前記フィルタが形
    成された反対側に設けられたことを特徴とする請求項9
    記載の有機EL発光素子。
  11. 【請求項11】 前記フィルタが、R,G,Bの各色の
    フィルタからなり、前記遮光性部材が、前記R,G,B
    のフィルタを積層して形成されたことを特徴とする請求
    項9又は10記載の有機EL発光素子。
  12. 【請求項12】 基板の内面側に保護容器が取り付けら
    れてなる外囲器と、前記外囲器内で前記基板の内面に設
    けられた第1電極と、前記外囲器内で前記第1電極の上
    に形成された有機層と、前記外囲器内で前記有機層の上
    に形成された第2電極とを有する有機EL発光素子本体
    を形成した後、 表面にフィルタが形成された透光性基材を、前記有機層
    の発光が観察される前記外囲器の表示面側に設けること
    を特徴とする有機EL発光素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記透光性基材の前記フィルタが形成
    された領域以外の部分に遮光性部材が予め設けられたこ
    とを特徴とする請求項12記載の有機EL発光素子の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 前記遮光性部材が、前記透光性基材の
    前記フィルタが形成された側か、又は反対側の表面に予
    め設けられたことを特徴とする請求項13記載の有機E
    L発光素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記フィルタが、R,G,Bの各色の
    フィルタからなり、前記遮光性部材が、前記R,G,B
    のフィルタと同時に被着積層して形成されたことを特徴
    とする請求項13又は14記載の有機EL発光素子の製
    造方法。
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