JP2007200905A - 有機el装置の製造方法、有機el装置、電子機器 - Google Patents

有機el装置の製造方法、有機el装置、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】材料の有効利用により製造コストを下げることのできる有機EL装置の製造方法を提供する。
【解決手段】白色発光層18とカラーフィルタ14R,14G,14Bとを備えた有機EL装置100の製造方法において、白色発光層18を液滴吐出法により形成する。また、白色発光層18だけでなくカラーフィルタ14R,14G,14Bも液滴吐出法により形成することで、更に材料の無駄が少なくなり、工程時間も短縮される。
【選択図】図3

Description

本発明は、有機EL装置の製造方法、有機EL装置、並びにこの有機EL装置を備えた電子機器に関するものである。
従来、フルカラー表示を可能とした有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置という)として、白色発光層とカラーフィルタとを組み合わせたものが知られている(例えば特許文献1参照)。このような有機EL装置ではR,G,Bの各画素の寿命が均一化されるため、長期間使用した場合でも色バランスを良好に保つことができる。
特開平10−125474号公報
しかしながら、上記従来の白色発光層は低分子発光材料からなり、従って、その成膜には蒸着法が用いられていた。このため、材料の有効利用がしにくかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、材料の有効利用により製造コストを下げることのできる有機EL装置の製造方法、及びその有機EL装置、並びにこの有機EL装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の有機EL装置の製造方法は、白色発光層とカラーフィルタとを備えた有機EL装置の製造方法であって、上記白色発光層を液滴吐出法により形成することを特徴とする。
本方法では、液滴吐出法により発光材料を所定の領域にのみ選択的に配置するため、高価な発光材料を有効に使うことができる。この方法では液滴吐出法を可能とするために、白色発光層は高分子材料からなることが望ましい。なお、「高分子」とは、例えば分子量が数百程度の所謂「低分子」よりも分子量の大きい重合体を意味し、上述の高分子材料には、一般に高分子と呼ばれる分子量10000以上の重合体の他に、分子量が10000以下のオリゴマーと呼ばれる低重合体も含まれるものとする。
ところで、上記方法では、白色発光層だけでなく上記カラーフィルタも液滴吐出法により形成することが好ましい。この場合、白色発光層やカラーフィルタの形成方法は、有機EL装置がボトムエミッション構造であるかトップエミッション構造であるかによって決められるが、その方法としては例えば以下のものが考えられる。
(1)1枚の基板上に液滴吐出法により上記カラーフィルタを形成する工程と、同一基板上の上記カラーフィルタの上方に液滴吐出法により上記白色発光層を形成する工程とを有する方法。
(2)1枚の基板上に液滴吐出法により上記白色発光層を形成する工程と、同一基板上の上記白色発光層の上方に液滴吐出法により上記カラーフィルタを形成する工程とを有する方法。
(3)1枚の基板上に液滴吐出法により上記白色発光層を形成する工程と、上記基板とは異なる基板上に液滴吐出法により上記カラーフィルタを形成する工程と、双方の基板を貼り合わせる工程とを有する方法。
上記(1)は有機EL装置がボトムエミッション構造を有する場合の方法であり、上記(2),(3)は有機EL装置がトップエミッション構造を有する場合の方法である。
上記(1),(2)では白色発光層とカラーフィルタとを同一基板上に順次形成していくため、上記(3)のようにそれぞれを異なる基板上に形成して両基板を貼り合わせる方法と違って、位置合わせを行なう必要がない。このため、高精細化が可能となる。逆に(3)の方法では、高精細化の点では上記(1),(2)に比べて若干劣るものの、白色発光層とカラーフィルタとを異なる基板に別々に作り込むので、歩留まりの面では有利となる。
なお、上記(2)のように白色発光層の上にカラーフィルタを作り込む場合には、このカラーフィルタの形成工程によって下地の白色発光層が劣化しないように、上記白色発光層とカラーフィルタとの間に保護膜を形成することが好ましい。
また、上記(2)の方法では、上記カラーフィルタの形成工程前に上記保護膜の表面に撥液部をパターン形成し、上記カラーフィルタの形成工程において、液滴吐出法により上記撥液部以外の領域に上記カラーフィルタの形成材料を含む液体材料を配置することが好ましい。この際、撥液部の形成工程は、例えば上記保護膜の表面にフッ素含有ガスを処理ガスとするプラズマ処理を施す工程と、上記プラズマ処理の施された保護膜に対して上記カラーフィルタの形成される領域に選択的に紫外線を照射する工程とを含む工程により行なうことができる。一般に、カラーフィルタを形成する場合には、まず、フォトリソグラフィ技術によりバンク層を形成し、このバンク層に囲まれた領域にカラーフィルタの形成材料を配置する。しかし、この方法を上記(2)に適用すると、バンク層を形成する際のウェットプロセスにより下地の白色発光層が劣化してしまう。このため、ウェットプロセスを使用しない本方法を採用することで、信頼性の高い有機EL装置を製造することが可能となる。尚、ここで陰極上に形成する保護膜に紫外線吸収剤を混入しておくことにより、画素領域に親液性を付与するための紫外線から発光層を保護することができる。
また、本発明の有機EL装置の製造方法は、白色光を発する白色発光層と、白色光以外の色光を発する色発光層と、カラーフィルタとを備えた有機EL装置の製造方法であって、前記白色発光層と前記色発光層とを液滴吐出法により形成することを特徴とする。本方法においては、前記カラーフィルタを前記白色発光層に対応して形成するものとすることができる。或いは、前記カラーフィルタを前記白色発光層と前記色発光層の双方に対応して形成するものとすることができる。
本方法によれば、液滴吐出法により発光材料を所定の領域にのみ選択的に配置するため、高価な発光材料を有効に使うことができる。
本発明の有機EL装置の製造方法においては、前記カラーフィルタを液滴吐出法により形成することが好ましい。
本方法によれば、カラーフィルタ材料の無駄を省くことができ、更にデバイスコストの低減を図ることができる。
本発明の有機EL装置の製造方法においては、前記色発光層のサイズと前記白色発光層のサイズが、前記色発光層の発光光の輝度及び前記カラーフィルタを透過した前記白色発光層の発光光の輝度に基づいて決定されるものとすることができる。
本方法によれば、カラーフィルタを透過した色光と色発光層から発した色光との色バランスを良好に保つことができる。
本発明の有機EL装置は、白色発光層とカラーフィルタとを備えた有機EL装置であって、上記白色発光層がバンク層に区画された領域内に液滴吐出法により形成されてなることを特徴とする。これにより、表示品質の高い有機EL装置を安価に提供することができる。この場合、液滴吐出法を可能とするために、上記白色発光層は高分子発光材料からなることが望ましい。
また、上記構成において上記カラーフィルタは、液滴吐出法により形成されてなることが好ましい。具体的には、上記カラーフィルタは、白色発光層を区画するためのバンク層とは異なるバンク層に区画された領域内に液滴吐出法により形成されてなるものとすることができる。或いは、上記カラーフィルタは、撥液パターンが形成された基板上の該撥液パターンが形成されない領域(相対的に親液性を有する領域)に液滴吐出法により形成されてなるものとすることができる。このようにカラーフィルタも液滴吐出法により形成することで、有機EL装置をより安価に提供することができる。
また、本発明の有機EL装置は、白色光を発する白色発光層と、白色光以外の色光を発する色発光層と、カラーフィルタとを備えた有機EL装置であって、前記白色発光層と前記色発光層とがバンク層に区画された領域内に液滴吐出法により形成されてなることを特徴とする。本構成においては、前記カラーフィルタが前記白色発光層に対応して設けられているものとすることができる。或いは、前記カラーフィルタが前記白色発光層と前記色発光層の双方に対応して設けられているものとすることができる。本構成においては、液滴吐出法を可能とするために、前記白色発光層と前記色発光層とは高分子発光材料からなることが望ましい。
本構成によれば、表示品質の高い有機EL装置を安価に提供することができる。
本発明の有機EL装置においては、前記カラーフィルタが液滴吐出法により形成されてなることが好ましい。具体的には、前記カラーフィルタは、白色発光層や色発光層を区画するためのバンク層とは異なるバンク層に区画された領域内に液滴吐出法により形成されてなるものとすることができる。或いは、前記カラーフィルタは、撥液パターンが形成された基板上の該撥液パターンが形成されない領域(相対的に親液性を有する領域)に液滴吐出法により形成されてなるものとすることができる。
本構成によれば、表示品質の高い有機EL装置を更に安価に提供することができる。
本発明の電子機器は、上述した本発明の有機EL装置を備えたことを特徴とする。これにより、表示品質の高い表示部を備えた電子機器を安価に提供することができる。
[第1の実施の形態]
まず、図1〜図3を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る有機EL装置及びその製造方法について説明する。図1〜図3はそれぞれ本実施形態の有機EL装置の製造方法を説明するための工程図であり、各図にはR(赤),G(緑),B(青)の3つの画素領域の断面構造が示されている。なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
本実施形態の有機EL装置は、R(赤),G(緑),B(青)の3種類の画素を有するフルカラー有機EL表示装置である。図3(c)に示すように、本実施形態の有機EL表示装置100には、陽極(画素電極)15が設けられた素子基板10の上に各画素を区画するためのバンク層16が設けられており、このバンク層16に区画された領域内に白色発光材料を含む電気光学層(発光機能層)Eが形成されている。バンク層16には各画素に対応する位置に開口部が設けられており、この開口部内において陽極15が露出された位置に上述の電気光学層Eが設けられている。そして、これらバンク層16及び発光機能層Eを覆うように陰極(対向電極)19が設けられている。
陽極15及び陰極19はITOその他の導電材料からなる。例えば電気光学層Eから発した光を陽極側から取り出すボトムエミッション型の構造では、陽極15にはITO等の透光性導電材料が用いられる。また、陰極側に発した光を陽極側から取り出せるように、陰極19にはAlやAg等の高反射率の金属材料や、Al/ITO等の透光性材料と高反射率金属材料との積層構造を好適に採用することができる。逆に、発光光を陰極側から取り出すトップエミッション型の構造では、陰極19に透光性導電材料が用いられ、陽極15には高反射率の導電材料が用いられる。この場合、陰極19には、例えばバソクプロイン(BCP)とセシウム(Cs)の共蒸着膜を用い、さらに導電性を付与するためにITOを積層するといった構造が好適に採用される。なお、陰極19はバンク層16及び電気光学層Eの露出面を覆うように配置されており、各画素に共通の共通電極として機能する。
本実施形態では、電気光学層Eから発した光を基板本体10A側(即ち、カラーフィルタ層13を透過させて)取り出すボトムエミッション構造を採用しており、陽極15にはITO等の透光性導電材料を用いている。
素子基板10には、ガラスや樹脂等からなる透光性の基板本体10Aの上に、回路素子部11,層間絶縁膜12,カラーフィルタ層13が順に積層され、このカラーフィルタ層13の上に、上述の陽極15が各画素に対応してマトリクス状に形成されている。回路素子部11には、走査線や信号線等の各種配線や、画像信号を保持するための保持容量(いずれも図示略)、画素スイッチング素子としてのTFT11a等の回路が設けられている。
カラーフィルタ層13には、R,G,Bの3種類のカラーフィルタ14R,14G,14Bがバンク層141に区画される形でマトリクス状に設けられている。バンク層141には上記バンク層16の開口部と平面的に重なる位置に開口部が設けられており、各カラーフィルタ14R,14G,14Bはバンク層141に区画された領域内に設けられている。なお、本明細書においては、これらカラーフィルタ14R,14G,14Bとバンク層141とを含めた層をカラーフィルタ層13とする。
電気光学層Eは、例えば正孔注入/輸送層17と、白色発光材料を含む白色発光層18とが下層側から順に積層された構成をなす。
正孔注入/輸送層17の形成材料としては、ポリチオフェン、ポリスチレンスルホン酸、ポリピロール、ポリアニリン及びこの誘導体などの高分子材料を好適に用いることができる。白色発光層18の形成材料(発光材料)としては、高分子発光体や低分子の有機発光色素、すなわち各種の蛍光物質や燐光物質などの発光物質が使用可能である。発光物質となる共役系高分子の中ではアリーレンビニレン又はポリフルオレン構造を含むものなどが特に好ましい。本実施形態ではこの白色発光層18をインクジェット法(液滴吐出法)により形成するため、この発光材料としては高分子材料を用いることが望ましく、例えばポリジオクチルフルオレン(PFO)とMEH−PPVとを9:1の割合で混合したものを好適に用いることができる。なお、本実施形態では電気光学層Eを上記2層の積層構造としたが、発光層18の上には必要に応じて電子輸送層や電子注入層等を設けることもできる。
このように構成された基板は封止材20によって封止されている。この封止材20としてはガスバリア性を有するものが好ましく、例えばSiO2等の珪素酸化物や、SiN等の珪素窒化物、或いはSiOxy等の珪素酸窒化物を好適に用いることができる。なお、陰極19と封止材20との間には必要に応じて保護膜を設けてもよい。また、陽極15の下層側に配された層間絶縁膜32をこのよう珪素酸化物,珪素窒化物,珪素酸窒化物により構成した場合、陽極15,電気光学層E,陰極19からなるEL素子がガスバリア性の膜(即ち、層間絶縁膜12及び封止材20)によって包みこまれることとなり、より信頼性の高い有機EL装置を構成することができる。
次に、本実施形態の有機EL装置の製造方法について説明する。
本実施形態の有機EL表示装置100の製造方法は、例えば、(1)カラーフィルタ形成工程、(2)陽極(画素電極)形成工程、(3)電気光学層(発光機能層)形成工程、(4)陰極(対向電極)形成工程、封止工程を備えている。なお、この製造方法は、本実施形態に限られるものではなく、必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。以下、それぞれの工程について説明する。
(1)カラーフィルタ形成工程
ここではまず前段階として、図1(a)に示すような回路素子部11及び層間絶縁膜12の形成された基板本体10Aを用意する。これら回路素子部11,層間絶縁膜12の形成工程には公知の手法を用いることができる。
次に、図1(b)に示すように、感光性材料等からなるバンク層141を各画素を取り囲む位置(非画素領域)に格子状に形成する。具体的には、基板上にアクリル樹脂やポリイミド樹脂等の耐熱性,耐溶剤性を有する感光性材料を塗布し、フォトリソグラフィ技術により各画素に対応する位置に開口部H1を形成する。この際、バンク層141及び層間絶縁膜12に、TFT11aに通じる開口部(コンタクトホール)H2を形成する。
次に、液滴吐出法によりバンク層141の各開口H1にそれぞれ対応する色のカラーフィルタを形成する。この工程では、液滴吐出装置として例えばインクジェット装置を用い、インクジェットヘッド51と基板とを相対移動させながら、バンク開口部H1内にカラーフィルタの形成材料を含有する液体材料を吐出する。具体的には、インクジェットヘッド51に、各色(図1(c)では青(B))の顔料又は色素を分散媒中に分散させて調製した着色インク(液体材料)を充填し、吐出ノズルからこの着色インクを、1滴当たりの液量が制御された着色インク滴L1として開口部H1内に着弾させる(液滴吐出工程)。そして、このようにして開口部H1内に着色インクを充填した後、乾燥し、液体材料中の溶媒を除去する(乾燥工程)。この乾燥工程は、真空乾燥、加熱乾燥、その他の既知の乾燥方法を単独または併用することにより行なうことができる。この処理により、インクに含まれる溶媒が蒸発して、最終的にインクに含まれる固形分(顔料や色素等)のみが残留して膜化し、図1(d)に示すようなカラーフィルタ14Bとなる。なお、カラーフィルタ形成用のインクには、顔料や色素の他に樹脂成分等を添加することもできる。この場合、樹脂中に顔料が分散されたカラーフィルタや、色素により染色されたカラーフィルタが形成される。樹脂を分散させずに色素のみを用いた場合には、カラーフィルタは非常に薄くなるので、カラーフィルタ上に配置される保護膜等の膜は非常に平坦性のよいものとなる。
なお、液滴吐出工程においてインクL1がバンク層141の上面に配置されないようにするために、フッ素含有ガスを処理ガスとするプラズマ処理等により、バンク層141の表面を予め撥液化しておくことが望ましい。このようにすることで、仮にインクの着弾位置がずれても、バンク上面にかかったインクははじかれてバンク開口部H1内に転がり込むようにして充填されることとなる。
続いて、図1(e)に示すように、前述した青色(B)カラーフィルタ14Bの場合と同様の工程を用いて、赤色(R)カラーフィルタ14R,緑色(G)カラーフィルタ14Gを順に形成する。なお、カラーフィルタ14R,14G,14Bの形成順序は、前述の順序に限られるものではなく、どのような順番で形成してもよい。
(2)陽極(画素電極)形成工程
ここでは、図2(a)に示すように、スパッタ法やCVD法等により基板全面に導電材料を成膜し、パターニングにより各画素領域に陽極15を形成する。この陽極15には、ITO等の透光性導電材料を用いるのが一般的である。なお、陽極15とカラーフィルタ層13との間には必要に応じて保護膜を形成してもよい。この保護膜の形成に当たっては、スピンコート法,ロールコート法,ディッピング法等の方法を採用することができるが、カラーフィルタの場合と同様に液滴吐出装置を用いて行なうことも可能である。
(3)電気光学層(発光機能層)形成工程
ここではまず、図2(b)に示すように、各画素を区画するためのバンク層16を各画素を取り囲む位置(非画素領域)に格子状に形成する。具体的には、基板上にアクリル樹脂やポリイミド樹脂等の耐熱性,耐溶剤性を有する感光性材料を塗布し、フォトリソグラフィ技術により陽極15の配置された領域に開口部H3を形成する。
次に、図2(c)に示すように、液滴吐出法によりバンク層16の各開口部H3に正孔注入/輸送層を形成する。この工程では、まず、インクジェットヘッド52と基板とを相対移動させながら、バンク開口部H3内に正孔注入/輸送層の形成材料を含有する液体材料L2を吐出する(液滴吐出工程)。そして、このように開口部H3内に液体材料L2を充填した後、図2(d)に示すように、液体材料中の溶媒を乾燥,除去し、液体材料L2中に含まれる正孔注入/輸送層形成材料を膜化する(乾燥工程)。これにより、陽極15の露出面に正孔注入/輸送層17が形成される。なお、液体材料L2としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の混合物(正孔注入/輸送層形成材料)を極性溶媒に溶解させたものを用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブチルアルコール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコール類等を挙げることができる。そして、上記の材料をインクジェットプロセスに適した組成で混合する。
なお、液滴吐出工程においてインクL2がバンク層16の上面にかからないようにするために、フッ素含有ガスを処理ガスとするプラズマ処理等により、バンク層16の表面を予め撥液化しておくことが望ましい。また、この正孔注入/輸送層形成工程を含めこれ以降の工程は、水、酸素の無い雰囲気とする事が好ましく、例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
次に、図3(a)に示すように、液滴吐出法により正孔注入/輸送層17の上に発光層を形成する。この工程では、まず、インクジェットヘッド53と基板とを相対移動させながら、バンク開口部H3内に発光層の形成材料(発光材料)を含有する液体材料L3を吐出する(液滴吐出工程)。そして、このように開口部H3内に液体材料L3を充填した後、図3(b)に示すように、液体材料中の溶媒を乾燥,除去し、液体材料L2中に含まれる発光材料を膜化する(乾燥工程)。これにより、正孔注入/輸送層17の露出面に発光層18が形成される。なお、液体材料L3としては、ポリジオクチルフルオレン(PFO)とMEH−PPVとを9:1の割合で混合したもの(発光材料)を溶媒に溶解させたものを用いることができる。この溶媒としては、正孔注入/輸送層17に対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の非極性溶媒を用いることができる。このような非極性溶媒を発光材料の溶媒に用いることで、正孔注入/輸送層17を再溶解させることなく液体材料L3を塗布することが可能となる。
以上により、陽極15上に電気光学層Eが形成される。
(4)陰極(対向電極)形成工程、封止工程
ここでは、図3(c)に示すように、スパッタ法やCVD法等により基板全面にAlやAg等の導電材料を成膜し、単層の導電層からなる陰極19を形成する。陰極19はAl等の単層膜としてもよいが、EL素子を効率よく発光させるために、電子注入層と導電層のような積層構造を採用してもよい。この場合、発光層に近い側にCa、Ba等の仕事関数が小さい材料からなる電子注入層を形成した構成とすることが好ましい。また、発光材料によっては、CaやBaの発光層側にLiF等からなる薄層を形成してもよい。電子注入層および導電層の成膜方法は、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法など、既知の成膜方法から適切な方法を選択すればよい。この陰極19の厚さは、例えば100〜1000nmの範囲が好ましく、特に200〜500nm程度がよい。この陰極19の形成では、前記正孔注入/輸送層17や発光層18の形成とは異なり、蒸着法やスパッタ法等で行うため、画素領域にのみ選択的に導電材料を配するのでなく、基板のほぼ全面に導電材料が設けられることになる。
次に、陰極19や電気光学層Eが水分や酸素等により劣化しないように、陰極19を覆うように基板全面に封止材20を形成する。この封止材20としてはガスバリア性を有するものが好ましく、例えばSiO2等の珪素酸化物や、SiN等の珪素窒化物、或いはSiOxy等の珪素酸窒化物を好適に用いることができる。さらに効果的には、これら無機酸化物層の上にアクリルやポリエステル、エポキシなどの樹脂層を積層すると良い。
以上説明したように、本実施形態では液滴吐出法により発光材料を所定の領域にのみ選択的に配置するため、高価な発光材料を有効に使うことができる。また、本実施形態では、白色発光層18とカラーフィルタ14R〜14Bとを同一基板上に順次形成していくため、例えば基板本体10Aとは異なる基板にカラーフィルタを形成して両基板を貼り合わせる場合に比べて位置合わせの必要がなくなる。このため、高精細化が可能となる。
以上、図1〜図3を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。例えば、本実施形態では素子基板10の形成工程を、便宜上、回路素子部11の形成工程、層間絶縁膜12の形成工程、バンク層141の形成工程、開口部H1,H2の形成工程、カラーフィルタ14の形成工程、画素電極の形成工程を順に行なう工程としたが、この順番はこれに限定されず、仕様に合わせて種々変更することができる。
図4は、コンタクトホールH2をカラーフィルタ14の形成後に行なう例を示している。この例においては、まず、図1(a)と同様の方法を用いて基板本体10A上に回路素子部11と層間絶縁膜12とバンク層141とを順に形成する。次に、図4(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術により、各画素に対応する位置に開口部H1を形成し、TFT11aに対応する位置に開口部H7を形成する。次に、図4(b)に示すように、液滴吐出法により、開口部H1にカラーフィルタ14を形成する。次に、図4(c)に示すように、バンク層141とカラーフィルタ14の表面及びバンク層141の開口部H7の内面を覆うようにSiO2等の無機絶縁膜142を形成する。この無機絶縁膜142は、層間絶縁膜12にコンタクトホールを形成する際に、バンク層141やカラーフィルタ14がエッチング材によってダメージを受けないようにし、更に、エッチング用に形成したレジストマスクを剥離するときに、同じ有機膜によって形成されたバンク層141等がレジストと一緒に剥離されてしまわないように保護する機能を有する。次に、図4(d)に示すように、無機絶縁膜142及び層間絶縁膜12をエッチングして、開口部H7の内側にTFT11aに通じる開口部(コンタクトホール)H8を形成する。次に、図4(e)に示すように、スパッタ法やCVD法等により基板全面に導電材料を成膜し、パターニングにより各画素領域に陽極15を形成する。以上により、素子基板10が形成される。
[第2実施形態]
次に、図5〜図7を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る有機EL装置及びその製造方法について説明する。
本実施形態の有機EL装置は、図7(e)に示すように、EL素子が形成された素子基板30とR(赤),G(緑),B(青)の3種類のカラーフィルタ42(42R,42G,42B)が形成された対向基板40とが接着層43を介して貼り合わされたトップエミッション型のフルカラー有機EL表示装置である。本実施形態の有機EL表示装置200には、陽極(画素電極)33が設けられた素子基板30の上に各画素を区画するためのバンク層34が設けられており、このバンク層34に区画された領域内に白色発光材料を含む電気光学層(発光機能層)Eが形成されている。バンク層34には各画素に対応する位置に開口部が設けられており、この開口部内において陽極33が露出された位置に上述の電気光学層Eが設けられている。そして、これらバンク層34及び電気光学層Eを覆うように陰極(対向電極)37が設けられている。
本実施形態では電気光学層Eから発した光を陰極側から取り出すトップエミッション構造を採用しているため、陰極37にはバソクプロイン(BCP)とセシウム(Cs)の共蒸着膜を用い、さらに導電性を付与するためにITOを積層するといった構造が採用されている。また、陽極33側に発した光を陰極側から取り出せるように、陽極33にはAlやAg等の高反射率の金属材料や、Al/ITO等の透光性材料と高反射率金属材料との積層構造が採用されている。なお、陰極37がバンク層34及び電気光学層Eの露出面を覆うように配置され、各画素に共通の共通電極として機能することは上記第1実施形態と同様である。この場合の陰極としては、本構成の他、電子注入層としての仕事関数の低い薄膜の金属層(例えばCa、Mg、Ba、Srなど)と電極本体としての厚膜の金属層(Al、Ag、Auなど)とを、合計で50nm以下の厚みで製膜したものも同様に用いることができる。
素子基板30には、ガラスや樹脂等からなる基板本体30Aの上に、回路素子部31,層間絶縁膜32が順に積層され、この層間絶縁膜32の上に、上述の陽極33が各画素に対応してマトリクス状に形成されている。回路素子部31には、走査線や信号線等の各種配線や、画像信号を保持するための保持容量(いずれも図示略)、画素スイッチング素子としてのTFT31a等の回路が設けられている。本実施形態ではトップエミッション構造を採用しているため、基板本体30Aは必ずしも透明である必要はない。このため、基板本体30Aにはガラス等の透光性基板の他、半導体基板等の半透明或いは不透明な基板を用いることもできる。
電気光学層Eは、例えば正孔注入/輸送層35と、白色発光材料を含む白色発光層36とが下層側から順に積層された構成をなす。これらの形成材料については上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
このように構成された基板は封止材38によって封止されている。この封止材38としてはガスバリア性を有するものが好ましく、例えば珪素酸化物や珪素窒化物、或いは珪素酸窒化物を好適に用いることができる。さらに効果的には、これら無機酸化物層の上にアクリルやポリエステル、エポキシなどの樹脂層を積層すると良い。なお、陰極37と封止材38との間には必要に応じて保護膜を設けてもよい。
一方、対向基板40には、ガラスや樹脂等からなる透光性の基板本体40Aの上にカラーフィルタ層41が設けられている。カラーフィルタ層41には、R,G,Bの3種類のカラーフィルタ42R,42G,42Bがバンク層421に区画される形でマトリクス状に設けられている。バンク層421には上記バンク層34の開口部と平面的に重なる位置に開口部が設けられており、各カラーフィルタ42R,42G,42Bはバンク層421に区画された領域内に設けられている。
次に、本実施形態の有機EL装置の製造方法について説明する。
本実施形態の有機EL表示装置200の製造方法は、例えば、(1)電気光学層(発光機能層)形成工程、(2)陰極(対向電極)形成工程、封止工程、(3)カラーフィルタ形成工程、(4)貼り合わせ工程を備えている。なお、この製造方法は、本実施形態に限られるものではなく、必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。以下、それぞれの工程について説明する。
(1)電気光学層(発光機能層)形成工程
ここではまず前段階として、図5(a)に示すような回路素子部31,層間絶縁膜32,陽極(画素電極)33の形成された基板本体30Aを用意する。これら回路素子部31,層間絶縁膜32,陽極33の形成工程には公知の手法を用いることができる。
次に、図5(b)に示すように、感光性材料等からなるバンク層34を各画素を取り囲む位置(非画素領域)に格子状に形成する。具体的には、基板上にアクリル樹脂やポリイミド樹脂等の耐熱性,耐溶剤性を有する感光性材料を塗布し、フォトリソグラフィ技術により陽極33の配置された領域に開口部H4を形成する。
次に、図5(c)に示すように、液滴吐出法によりバンク層34の各開口部H4に正孔注入/輸送層を形成する。この工程では、まず、インクジェットヘッド54と基板とを相対移動させながら、バンク開口部H4内に正孔注入/輸送層の形成材料を含有する液体材料L4を吐出する(液滴吐出工程)。そして、このように開口部H4内に液体材料L4を充填した後、図5(d)に示すように、液体材料中の溶媒を乾燥,除去し、液体材料L4中に含まれる正孔注入/輸送層形成材料を膜化する(乾燥工程)。これにより、陽極33の露出面に正孔注入/輸送層35が形成される。なお、液体材料L4は上記第1実施形態の液体材料L2と同様のものを用いることができる。
なお、液滴吐出工程においてインクL4がバンク層34の上面にかからないようにするために、フッ素含有ガスを処理ガスとするプラズマ処理等により、バンク層34の表面を予め撥液化しておくことが望ましい。また、この正孔注入/輸送層形成工程を含めこれ以降の工程は、水、酸素の無い雰囲気とする事が好ましく、例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
次に、図6(a)に示すように、液滴吐出法により正孔注入/輸送層35の上に発光層を形成する。この工程では、まず、インクジェットヘッド55と基板とを相対移動させながら、バンク開口部H4内に発光層の形成材料(発光材料)を含有する液体材料L5を吐出する(液滴吐出工程)。そして、このように開口部H4内に液体材料L5を充填した後、図6(b)に示すように、液体材料中の溶媒を乾燥,除去し、液体材料L5中に含まれる発光材料を膜化する(乾燥工程)。これにより、正孔注入/輸送層35の露出面に発光層36が形成される。なお、液体材料L5は上記第1実施形態の液体材料L3と同様のものを用いることができる。
以上により、陽極33上に電気光学層Eが形成される。
(2)陰極(対向電極)形成工程、封止工程
ここではまず、電気光学層E及びバンク層34の露出面に対してBCPとCsの共蒸着膜を成膜し、更に導電性を付与するためにスパッタ法やCVD法等により基板全面にITO等の透光性導電材料を成膜する。これにより、基板上に陰極37が形成される(図6(c))。なお、陰極37にはCa/ITO等のような電子注入層と透光性導電層の積層構造を採用することも可能である。この場合、発光層に近い側にCa、Ba等の仕事関数が小さい材料からなる電子注入層を形成した構成とすることが好ましい。また、発光材料によっては、CaやBaの発光層側にLiF等からなる薄層を形成してもよい。電子注入層および導電層の成膜方法は、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法など、既知の成膜方法から適切な方法を選択すればよい。この陰極37の厚さは、例えば100〜1000nmの範囲が好ましく、特に200〜500nm程度がよい。この陰極37の形成では、前記正孔注入/輸送層35や発光層36の形成とは異なり、蒸着法やスパッタ法等で行うため、画素領域にのみ選択的に導電材料を配するのでなく、基板のほぼ全面に導電材料が設けられることになる。
次に、陰極37や電気光学層Eが水分や酸素等により劣化しないように、陰極37を覆うように基板全面に封止材38を形成する。この封止材38としてはガスバリア性を有するものが好ましく、例えばSiO2等の珪素酸化物や、SiN等の珪素窒化物、或いはSiOxy等の珪素酸窒化物を好適に用いることができる。さらに効果的には、これら無機酸化物層の上にアクリルやポリエステル、エポキシなどの樹脂層を積層すると良い。
(3)カラーフィルタ形成工程
ここではまず、ガラスや樹脂等の透光性の基板本体40Aを用意する。そして、この基板本体40Aの上に、図7(a)に示すように、感光性材料等からなるバンク層421を各画素を取り囲む位置、即ち、素子基板30の非画素領域に対応して格子状に形成する。具体的には、基板上にアクリル樹脂やポリイミド樹脂等の耐熱性,耐溶剤性を有する感光性材料を塗布し、フォトリソグラフィ技術により各画素に対応する位置に開口部H5を形成する。
次に、液滴吐出法によりバンク層421の各開口H5にそれぞれ対応する色のカラーフィルタを形成する。この工程では、液滴吐出装置として例えばインクジェット装置を用い、インクジェットヘッド56と基板とを相対移動させながら、バンク開口部H5内にカラーフィルタの形成材料を含有する液体材料を吐出する。具体的には、インクジェットヘッド56に、各色(図7(b)では青(B))の顔料又は色素を分散媒中に分散させて調製した着色インク(液体材料)を充填し、吐出ノズルからこの着色インクを、1滴当たりの液量が制御された着色インク滴L6として開口部H5内に着弾させる(液滴吐出工程)。そして、このようにして開口部H5内に着色インクを充填した後、液体材料中の溶媒を乾燥,除去する(乾燥工程)。この乾燥工程は、真空乾燥、加熱乾燥、その他の既知の乾燥方法を単独または併用することにより行なうことができる。この処理により、インクに含まれる溶媒が蒸発して、最終的にインクに含まれる固形分(顔料や色素等)のみが残留して膜化し、図7(c)に示すようなカラーフィルタ42Bとなる。なお、液滴吐出工程においてインクL6がバンク層421の上面にかからないようにするために、フッ素含有ガスを処理ガスとするプラズマ処理等により、バンク層421の表面を予め撥液化しておくことが望ましい。このようにすることで、仮にインクの着弾位置がずれても、バンク上面にかかったインクははじかれてバンク開口部H5内に転がり込むようにして充填されることとなる。
続いて、図7(d)に示すように、前述した青色(B)カラーフィルタ42Bの場合と同様の工程を用いて、赤色(R)カラーフィルタ42R,緑色(G)カラーフィルタ42Gを順に形成する。なお、カラーフィルタ42R,42G,42Bの形成順序は、前述の順序に限られるものではなく、どのような順番で形成してもよい。
(4)貼り合わせ工程
ここでは、素子基板30側の画素と対向基板40側のカラーフィルタ42の位置合わせをしながら、接着層43を介して両基板30,40を貼り合わせる。この工程は、例えば対向基板40の全面に透明な接着剤を塗布して素子基板30に貼り合わせる、所謂ベタ封止の形で行なわれる。
以上説明したように、本実施形態でも液滴吐出法により発光材料を所定の領域にのみ選択的に配置するため、高価な発光材料を有効に使うことができる。また、本実施形態では、白色発光層36とカラーフィルタ42R〜42Bとを別々の基板上に形成した後、両基板を貼り合わせる方法を採用しているため、上記第1実施形態のようにこれらを同一基板上に作り込む場合に比べて歩留まりの面で有利となる。
なお、本実施形態ではカラーフィルタ層41を液滴吐出法で形成したが、これ以外の方法、例えばフォトリソグラフィ技術を用いて形成することも可能である。
[第3実施形態]
次に、図8,図9を参照しながら、本発明の第3実施形態に係る有機EL装置及びその製造方法について説明する。なお、本実施形態において上記第2実施形態と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の有機EL装置は、上記第2実施形態においてカラーフィルタを素子基板上に直接積層形成したトップエミッション型のフルカラー有機EL表示装置である。すなわち、本実施形態の有機EL表示装置では、図9(c)に示すように、基板本体30A上に、陽極(画素電極)33,電気光学層(発光機能層)E,陰極37が順に積層されてなるEL素子が複数設けられ、このEL素子の上に保護膜44を介してR(赤),G(緑),B(青)の3種類のカラーフィルタ45(45R,45G,45B)が島状に設けられている。そして、このように構成された基板は封止材46によって封止されている。この封止材46としては、上記第2実施形態の封止材38と同様にガスバリア性の高い材料が好適に採用される。
なお、陰極37以下の構成については上記第2実施形態のものと同様であるため、ここではその説明を省略する。
次に、本実施形態の有機EL装置の製造方法について説明する。
本実施形態では、陰極37の形成工程までは上記第2実施形態と同様であるため、それ以降の工程についてのみ説明を行なう。
図4(a)〜図6(c)までの工程により素子基板上に電気光学層E,陰極37を形成した後、本実施形態では陰極37上に保護膜44を形成する。この保護膜44は無機酸化物層と有機層との2層構造を用いることができる。無機酸化物層は、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により形成する。さらに、この無機酸化物層の上に紫外線吸収剤を混入した熱硬化型エポキシ樹脂を積層し、50℃で硬化することによって有機層を形成する。
次に、図8(a)に示すように、この保護膜44の形成された基板の表面にフッ素含有ガス(例えばCF4)を処理ガスとするプラズマ処理を施して保護膜表面を撥液化する。
続いて、図8(b)に示すように、マスク露光により各画素領域(即ち、図9においてカラーフィルタ45R,45G,45Bの形成される領域)に対して選択的に紫外線を照射し、各画素領域における保護膜44の表面を親液化する。図8(b)では撥液部を一点鎖線で示し、親液部を実線で示している。なお、「親液部」とは、後述の液滴吐出工程で用いられる液体材料に対して撥液部よりも相対的に親和性が高い領域をいう。また、図8(b)において、符号Mはマスクを示している。
本工程により、保護膜40の表面には撥液部がパターン形成される。
次に、図8(c)に示すように、保護膜表面に形成された親液部の上にそれぞれ対応する色のカラーフィルタを形成する。この工程では、液滴吐出装置として例えばインクジェット装置を用い、インクジェットヘッド57と基板とを相対移動させながら、親液部に対してカラーフィルタの形成材料を含有する液体材料を吐出する。具体的には、インクジェットヘッド57に、各色(図8(c)では青(B))の顔料又は色素を分散媒中に分散させて調製した着色インク(液体材料)を充填し、吐出ノズルからこの着色インクを、1滴当たりの液量が制御された着色インク滴L7として親液部に着弾させる(液滴吐出工程)。そして、このようにして親液部に着色インクを吐出した後、液体材料中の溶媒を乾燥,除去する(乾燥工程)。この乾燥工程は、真空乾燥、加熱乾燥、その他の既知の乾燥方法を単独または併用することにより行なうことができる。この処理により、インクに含まれる溶媒が蒸発して、最終的にインクに含まれる固形分(顔料や色素等)のみが残留して膜化し、図9(a)に示すようなカラーフィルタ45Bとなる。なお、本工程では、画素領域以外の領域(非画素領域)が撥液化されているため、吐出されたインクは画素領域を越えて濡れ広がることはなく、インクは親液部(即ち、画素領域)のみに確実に配置されることとなる。
続いて、図9(b)に示すように、前述した青色(B)カラーフィルタ45Bの場合と同様の工程を用いて、赤色(R)カラーフィルタ45R,緑色(G)カラーフィルタ45Gを順に形成する。なお、カラーフィルタ45R,45G,45Bの形成順序は、前述の順序に限られるものではなく、どのような順番で形成してもよい。
次に、陰極37や電気光学層Eが水分や酸素等により劣化しないように、陰極37を覆うように基板全面に封止材46を形成する。この封止材46としては上記第2実施形態における封止材38と同様のものを用いることができる。
したがって、本実施形態でも液滴吐出法により発光材料を所定の領域にのみ選択的に配置するため、高価な発光材料を有効に使うことができる。また、本実施形態では、電気光学層Eとカラーフィルタ45とを下層側から順に形成するため、上記第2実施形態のように貼合わせを行なう場合と比較すると、位置合わせの必要がなくなる分、高精細化が可能となる。また、本実施形態ではバンク層を設けずにカラーフィルタ45を形成している。このため、バンク層を形成する際のウェットプロセスによって下地の陰極37や電気光学層Eが劣化するようなことがなく、より信頼性の高い有機EL装置が得られる。
なお、本実施形態では、保護膜として、無機酸化物膜上にエポキシ樹脂を積層したものを用いたが、エポキシ樹脂の他にアクリルやポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリイミドなどの樹脂層を積層しても良い。またこの保護膜表面をプラズマ処理することで撥液部を形成したが、この代わりに、一般式RnSiX(4-n)で表わされる自己組織化膜(FAS膜)を形成してもよい。ここで、nは1以上3以下の整数を表わし、Xはメトキシ基,エトキシ基,ハロゲン原子等の加水分解基である。また、Rはフルオロアルキル基である。Xで表される加水分解基は加水分解によりシラノールを形成して、基板(ガラス、シリコン)等の下地のヒドロキシル基と反応してシロキサン結合で基板と結合する。一方、Rは表面に(CF3)等のフルオロ基を有するため、基板等の下地表面を濡れない(表面エネルギーが低い)表面に改質する。このようなFAS膜は紫外線照射により分解される。このため、マスク露光により画素領域に配置されたFAS膜に紫外線を照射することで、保護膜表面を部分的に親液化する、即ち、保護膜表面に撥液部をパターン形成することができる。これらの撥液部(撥水パターン)の形成方法は、カラーフィルタの形成に限らず、他の工程においても利用可能である。また、本実施形態では、バンク層を用いずにカラーフィルタ45を形成したが、これは必ずしもバンク層を用いて形成する方法を除外する趣旨ではない。例えば蒸着マスクを用いた真空蒸着法によって撥水性の樹脂を成膜し、この樹脂をバンク層としてカラーフィルタを形成することも可能である。この場合、形成したバンク層の開口部分に液滴吐出法を用いて着色インクを配置することによってカラーフィルタを形成することができる。
[第4実施形態]
次に、図10〜図13を参照しながら、本発明の第4実施形態に係る有機EL装置について説明する。本実施形態の有機EL装置400は、有機EL素子を画素として基体上に配列してなる有機EL装置であり、特に発光層から発した光を基板側に取り出して表示させるボトムエミッション型の有機EL表示装置である。本実施形態の有機EL装置400の基本構造は、前述した第1の実施形態に係る有機EL装置と同様であるため、図10〜図13において図1〜図3と同様の部材又は部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図10は、本実施形態の有機EL装置の回路構成図、図11は本有機EL装置の平面構成図、図12はその画素構造を拡大して示す平面模式図、図13は図12のA−A'断面を示す模式図であり、図3(c)に対応する図である。
図10に示すように、有機EL装置400は、基板上に複数の走査線131と、これら走査線131に対して交差する方向に延びる複数の信号線132と、これら信号線132と並列に延びる複数の電源線133とがそれぞれ配線されたもので、走査線131及び信号線132の各交点毎に画素領域71が設けられた構成を備えている。
信号線132に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、及びアナログスイッチ等を備えるデータ側駆動回路72が設けられている。一方、走査線131に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタ等を備える走査側駆動回路73が設けられている。また、画素領域71の各々には、走査線131を介して走査信号が供給されるゲート電極を含むスイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)11bと、このスイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)11bを介して信号線132から供給される画像信号(電力)を保持する保持容量capと、保持容量capによって保持された画像信号が供給されるゲート電極を含む駆動用TFT11aと、この駆動用TFT11aを介して電源線133に電気的に接続したときに電源線133から駆動電流が流れ込む陽極(画素電極)15と、この陽極15と陰極(共通電極)19との間に挟み込まれる発光機能層Eと、が設けられている。そして、前記陽極15と陰極19と、発光機能層Eとによって構成される素子が有機EL素子である。
この構成のもと、走査線131が駆動されてスイッチング用TFT11bがオンとなると、そのときの信号線132の電位が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、駆動用TFT11aのオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT11aのチャネルを介して電源線133から陽極15に電流が流れ、さらに発光機能層Eを通じて陰極19に電流が流れることにより、発光機能層Eは、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。
図10に示す回路構成を具備した有機EL装置400は、図11に示すように、電気絶縁性および透光性を有する基板本体10A上に、スイッチング用TFT(図示せず)に接続された陽極が基板本体10A上にマトリクス状に配置されてなる平面視略矩形の画素部3(図11中の一点鎖線枠内)を具備して構成される。画素部3は、中央部分の表示領域4(画素部3内の一点鎖線枠内)と、表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5とに区画されている。表示領域4には、それぞれ陽極を有する3色の表示ドットR、G、Bが、紙面の縦方向および横方向にそれぞれ離間してマトリクス状に配置されている。本実施形態の場合、前記各表示ドットに対応して画素領域71が設けられている。
また、図11における表示領域4の左右には走査線駆動回路73が配置される一方、図11における表示領域4の上下にはデータ線駆動回路72が配置されている。これら走査線駆動回路73、データ線駆動回路72はダミー領域5の周縁部に配置されている。さらに、図11におけるデータ線駆動回路72の上側には、検査回路90が配設されている。この検査回路90は、有機EL装置400の作動状況を検査する回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(図示せず)を備え、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥を検査できるようになっている。なお、この検査回路90も、ダミー領域5の下層側に配置されている。また、基板本体10Aには、フレキシブルプリント基板等からなる駆動用外部基板51が接続され、駆動用外部基板51上に外部駆動回路50が搭載されている。
次に、図12に基づいて、本実施形態の有機EL装置400の画素構成について説明する。図12に示すように、本実施形態の有機EL装置400には、図示左右方向に延びる複数の走査線131と、これらの走査線131と直交する向きに互いに平行に延びる複数の信号線132と電源線133とが配置されている。互いに平行に延在する走査線131と、これら走査線131に交差して延在する信号線132、電源線133とに囲まれた平面視矩形状の領域が画素領域71とされ、各画素領域内に陽極15が設けられている。陽極15を含む基板の表面には、各陽極15の中央部に対応する位置に開口部を有するバンク層が設けられており、このバンク層に区画される形で、画素領域71の中央部に、有機発光層を含む発光機能層Eが設けられている。また、陽極15の下層側(観察側)には、1つの画素領域71に対応して3原色のうち1色のカラーフィルタ14(14R,14G,14B)が配置されている。カラーフィルタ14は、発光機能層Eと同様にバンク層によってそれぞれ区画された状態となっている。すなわち、カラーフィルタ14を区画するバンク層(カラーフィルタ用バンク層)には、各陽極15に対応する位置に開口部が設けられており、このバンク層に区画される形で、画素領域71の中央部に各色のカラーフィルタ14が設けられている。カラーフィルタ用バンク層の開口部は、発光機能層Eを区画するバンク層(発光機能層用バンク層)の開口部よりも広く形成されており、発光機能層用バンク層の開口領域は平面視したときにカラーフィルタ用バンク層の開口領域の内側に配置された状態となっている。すなわち、本実施形態の有機EL装置400においては、色の異なる3つの画素領域によって1つのカラー画素が形成されており、これらのカラー画素によってカラー表示が可能となっている。
陽極15と走査線131、信号線132、電源線133との間には、スイッチング用TFT11bと駆動用TFT11aとが介挿されている。TFT11bは、ゲート電極部131aと、このゲート電極部131aを平面視で跨ぐように配置された半導体層(図示略)と、該半導体層の両端側の一方に設けられたソース電極部132aと、前記半導体層の他方側に設けられたドレイン電極部135とを備えて構成されている。半導体層のゲート電極部131aと対向する領域にTFT11bのチャネル領域(図12において斜めにハッチングされている部分)が形成されており、その両側の半導体層には、ソース電極部132aに接続されるソース領域と、ドレイン電極部135に接続されるドレイン領域とが形成されている。ゲート電極部131aは、走査線131の一部を信号線132の延在方向に分岐して形成されており、その先端側で半導体層と図示略の絶縁膜を介して対向している。ソース電極部132aは、走査線132の一部を走査線131の延在方向に分岐して形成されており、直接又は図示略のコンタクトホールを介して半導体層のソース領域と電気的に接続されている。
一方、TFT11aは、ゲート電極部135aと、このゲート電極部135aを平面視で跨ぐように配置された半導体層(図示略)と、該半導体層の両端側の一方に設けられたソース電極部133aと、前記半導体層の他方側に設けられたドレイン電極部136とを備えて構成されている。半導体層のゲート電極部135aと対向する領域にTFT11aのチャネル領域(図12において斜めにハッチングされている部分)が形成されており、その両側の半導体層には、ソース電極部133aに接続されるソース領域と、ドレイン電極部136に接続されるドレイン領域とが形成されている。ゲート電極部135aは、TFT11bのドレイン電極部135の一部を電源線133の延在方向に分岐して形成されており、その先端側で半導体層と図示略の絶縁膜を介して対向している。ソース電極部133aは、電源線133の一部を走査線131(ドレイン電極部135)の延在方向に分岐して形成されており、直接又は図示略のコンタクトホールを介して半導体層のソース領域と電気的に接続されている。TFT11aのドレイン電極部136の一端側は、直接又は図示略のコンタクトホールを介して前記ドレイン領域と電気的に接続されており、ドレイン電極部136の他端側は、直接又は図示略のコンタクトホールを介して陽極15と電気的に接続されている。そして、TFT11bは、走査線131を介して入力されるゲート信号により所定期間だけオン状態とされることで、信号線132を介して供給される信号を所定のタイミングでTFT11aのゲート信号として出力し、TFT11aは、TFT11bのドレイン電極部135を介して入力される前記ゲート信号により所定期間だけオン状態とされることで、電源線133を介して供給される駆動電流を所定のタイミングで発光機能層Eに対して注入できるようになっている。
次に、図13を用いて有機EL装置400の断面構造について説明する。
図13は、図12のA−A'断面図(図11の表示領域4に設けられた画素領域71の断面構成図)である。有機EL装置400の画素領域71には、ガラス等の透光性を有する基板本体10A上に、TFT11a,11bや走査線131,信号線132,電源線133等の各種配線を含む回路素子部11が設けられており、更にこの回路素子部11を覆って形成された層間絶縁膜12を介した基板本体10A上にカラーフィルタ層13が形成されている。カラーフィルタ層13は、互いに色の異なる複数種類のカラーフィルタ(赤色カラーフィルタ14R,緑色カラーフィルタ14G,青色カラーフィルタ14B)からなり、これらのカラーフィルタ14R〜14Bの間には必要に応じて黒色樹脂等からなる遮光層(ブラックマトリクス)が配置される。カラーフィルタとカラーフィルタとの間にはバンク層141(カラーフィルタ用バンク層)が配置されており、このバンク層141に区画される形で、それぞれの画素領域71に所定の色のカラーフィルタ14が配置されている。
カラーフィルタ層13の上には、有機EL素子Pが形成されている。有機EL素子Pは、基板本体10A上に立設されたバンク層16(発光機能層用バンク層)に囲まれる区画領域内に設けられた発光機能層Eを主体としてなり、この発光機能層Eを陽極15と陰極19との間に挟持した構成を備える。この有機EL素子Pは、陽極15の平面領域のうち、平坦面を成して形成された領域に、発光層18を含む複数の機能層(発光機能層E)を積層し、さらにバンク層16を覆う陰極19を前記機能層上に形成することで構成されている。これら複数の機能層を含む発光機能層Eは、陽極15を覆い、バンク16の内側に形成されている。
本実施形態の有機EL装置400は、基板本体10A側から光を取り出すボトムエミッション型であるので、陽極15はITO(インジウム錫酸化物)等の透光性導電材料によって形成されている。陽極15は、層間絶縁膜15に形成された図示略のコンタクトホールを介して回路素子部11のTFT11a(ドレイン電極部136)と電気的に接続されている。陰極19は、発光機能層Eとバンク層16の上面を覆った状態で基板本体10A上に形成されている。この陰極19としては、AlやAg等の高反射率の金属材料を用いることができる。或いは、Al/ITO等の透光性材料と高反射率金属材料との積層構造を採用しても良い。
発光機能層Eは、正孔注入/輸送層(電荷輸送層)17と発光層18とを主体とし、必要に応じて、発光層18の上に電子注入層や電子輸送層等を備える。正孔注入/輸送層17の形成材料(正孔注入材料)としては、ポリチオフェン、ポリスチレンスルホン酸、ポリピロール、ポリアニリン及びこの誘導体などの高分子材料を使用することができる。発光層18の形成材料(発光材料)としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料を用いることができる。具体的には、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体等の高分子発光体や、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素等の低分子の有機発光色素が好適に使用される。発光物質となる共役系高分子の中ではアリーレンビニレン又はポリフルオレン構造を含むものなどが特に好ましい。また、これらの材料にルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の材料をドープして用いることもできる。赤色(R)画素領域、緑色(G)画素領域、青色(B)画素領域の各画素領域の発光層18には、それぞれ発光色の異なる発光材料を用いることができる。特に、本実施形態では、これらの発光層を液滴吐出法によって形成するため、蒸着等を用いる場合に比べて発光材料の打ち分けを容易に行なうことができる。しかし、発光材料を変えると、色毎に寿命が変わるため、長時間使用すると、R,G,Bの色バランスが次第に崩れていってしまうという問題が生じる。例えば、現状では赤色発光材料の寿命が青色発光材料や緑色発光材料に比べて長く、長時間使用すると、表示が赤味を帯びてくるようになる。そこで、本実施形態では、R,G,Bの各画素領域の発光層18を共通の発光材料によって形成し、各色の寿命を均一化するようにしている。すなわち、本実施形態で、R,G,Bの各画素領域の発光層18を白色光を発する白色発光材料によって形成し、これらの発光層(白色発光層)18から発した光をカラーフィルタ14に通すことで、カラー化を実現している。この場合、発光材料となる共役系高分子の中ではアリーレンビニレン又はポリフルオレン構造を含むものなどが特に好ましい。さらにこの発光層18をインクジェット法等の液滴吐出法によって形成する場合には、この発光材料としては高分子材料を用いることが望ましく、例えばポリジオクチルフルオレン(PFO)とMEH−PPVとを9:1の割合で混合したもの等が好適である。このような白色発光材料は、現在得られている青色発光材料や緑色発光材料に比べて寿命が長く、表示デバイスとして十分に利用可能なものである。
陰極19の上層側には、封止材20が形成されている。封止材20としては、無機化合物、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン窒酸化物等のシリコン化合物を用いることができる。このように陰極19を無機化合物からなる封止材20で覆うことにより、無機酸化物からなる陰極19への酸素等の侵入を良好に防止することができる。この封止材20は、平面的には、図11に示した基板本体10Aの外周部まで延設され、その厚みは例えば10nmから300nm程度とされる。陰極19と封止材20との間には必要に応じて保護膜を設けてもよい。
本実施形態の有機EL装置400は、第1の実施形態に示した方法と同様の方法によって製造することができる。すなわち、有機EL表示装置400の製造方法は、例えば、(1)カラーフィルタ形成工程、(2)陽極形成工程、(3)発光機能層形成工程、(4)陰極形成工程、封止工程を備えており、カラーフィルタ14の形成工程と発光機能層の形成工程は、液滴吐出ヘッドから所定の液体材料を吐出して基板上に選択的に配置する液滴吐出法(インクジェット法等)を用いて行なわれる。これら(1)〜(4)の工程の詳細については第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を割愛する。なお、液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子(ピエゾ素子)を用いたものを用いることができる。この液滴吐出ヘッドは、キャビティに取り付けた圧電素子(ピエゾ素子)を駆動し、キャビティ内の圧力を変化させることによって、キャビティに収容されたインク(発光材料や正孔注入材料等を含む液体材料)を、該キャビティに連通する吐出ノズルから吐出させるものである。勿論、吐出ヘッドの吐出手段としては、前記の圧電素子を用いた電気機械変換体以外でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、さらにはレーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液体材料を吐出させる方式を採用することもできる。
以上説明したように、本実施形態でも各画素領域の発光層18を全て共通の材料によって形成しているため、各色について寿命が均一化され、長時間使用しても色バランスを良好に保つことができる。また、発光材料を液滴吐出法によって所定の領域にのみ選択的に配置するため、高価な発光材料を有効に使うことができる。
以上、図10〜図13を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。例えば、本実施形態では有機EL装置400をボトムエミッション型の構造としたが、第2実施形態若しくは第3実施形態のようにカラーフィルタ14を発光層18の上層側(基板本体10Aと反対側)に配置し、更に陰極19等の材料を変更することによって、トップエミッション型の構造とすることもできる。図14は、トップエミッション型の構造の一例を示す断面模式図であって、図13に対応する図である。図14の有機EL装置400'では、陰極19としてITO等の透光性の導電材料が用いられる。また、基板本体10A側に発した光を陰極19側から取り出せるように、陽極15としてはAl等の高反射率の金属材料が好適に用いられる。勿論、陽極15をITO等の透光性導電材料によって形成し、陽極15の下層側(基板本体10A)側にAl等からなる光反射膜を別体で形成することもできる。これ以外の構成については、図13と同じである。
[第5実施形態]
次に、図15、図16を参照しながら、本発明の第5実施形態に係る有機EL装置について説明する。図15は本実施形態の有機EL装置の画素構造を拡大して示す平面模式図、図16は図15のA−A'断面を示す模式図であり、図13若しくは図14に対応する図である。本実施形態の有機EL装置500の基本構成は第4の実施形態と同様であり、異なる点は、主に、赤色画素領域の発光層を赤色発光材料によって形成し、該赤色画素領域のカラーフィルタ14Rを設けていない点である。したがって、図15、図16において図10〜図14と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図15に示すように、本実施形態の有機EL装置500において、陽極15を含む基板の表面には、各陽極15の中央部に対応する位置に開口部を有するバンク層が設けられており、このバンク層に区画される形で、画素領域71の中央部に、有機発光層を含む発光機能層E若しくは発光機能層ERが設けられている。本実施形態において、赤色画素領域の発光層ERは色発光層であり、色光である赤色光を発する赤色発光材料によって形成されており、緑色画素領域と青色画素領域の発光層Eは白色光を発する白色発光材料によって形成されている。また、陽極15の下層側(観察側)には、緑色画素領域と青色画素領域に対応して、それぞれ緑色カラーフィルタ14Gと青色カラーフィルタ14Bとが配置されている。カラーフィルタ14(14G,14B)は、発光機能層E,ERと同様にバンク層によってそれぞれ区画された状態となっている。すなわち、カラーフィルタ14を区画するバンク層(カラーフィルタ用バンク層)には、緑色画素領域及び青色画素領域の陽極15の中央部に対応する位置に開口部が設けられており、このバンク層に区画される形で、緑色画素領域と青色画素領域の中央部に、それぞれ緑色カラーフィルタ14Gと青色カラーフィルタ14Bが設けられている。カラーフィルタ用バンク層の開口部は、発光機能層E,ERを区画するバンク層(発光機能層用バンク層)の開口部よりも広く形成されており、発光機能層用バンク層の開口領域は平面視したときにカラーフィルタ用バンク層の開口領域の内側に配置された状態となっている。すなわち、本実施形態の有機EL装置500においては、色の異なる3つの画素領域によって1つのカラー画素が形成されており、これらのカラー画素によってカラー表示が可能となっている。
次に、図16を用いて有機EL装置500の断面構造について説明する。
図16は、図15のA−A'断面図(図11の表示領域4に設けられた画素領域71の断面構成図)である。有機EL装置500の画素領域71には、ガラス等の透光性を有する基板本体10A上に、TFT11a,11bや走査線131,信号線132,電源線133等の各種配線を含む回路素子部11が設けられており、更にこの回路素子部11を覆って形成された層間絶縁膜12を介した基板本体10A上にカラーフィルタ層13が形成されている。カラーフィルタ層13は、互いに色の異なる複数種類のカラーフィルタ(緑色カラーフィルタ14G,青色カラーフィルタ14B)からなり、これらのカラーフィルタ14G,14Bの間には必要に応じて黒色樹脂等からなる遮光層(ブラックマトリクス)が配置される。カラーフィルタとカラーフィルタとの間にはバンク層141(カラーフィルタ用バンク層)が配置されており、このバンク層141に区画される形で、それぞれの画素領域71に所定の色のカラーフィルタ14が配置されている。
カラーフィルタ14の上には、有機EL素子Pが形成されている。有機EL素子Pは、基板本体10A上に立設されたバンク層16(発光機能層用バンク層)に囲まれる区画領域内に設けられた発光機能層E若しくは発光機能層ERを主体としてなり、この発光機能層E若しくは発光機能層ERを陽極15と陰極19との間に挟持した構成を備える。この有機EL素子Pは、陽極15の平面領域のうち、平坦面を成して形成された領域に、発光層18若しくは発光層18Rを含む複数の機能層(発光機能層E若しくは発光機能層ER)を積層し、さらにバンク層16を覆う陰極19を前記機能層上に形成することで構成されている。これら複数の機能層を含む発光機能層E,ERは、陽極15を覆い、バンク16の内側に形成されている。
本実施形態の有機EL装置500は、基板本体10A側から光を取り出すボトムエミッション型であるので、陽極15はITO(インジウム錫酸化物)等の透光性導電材料によって形成されている。陽極15は、層間絶縁膜15に形成された図示略のコンタクトホールを介して回路素子部11のTFT11a(ドレイン電極部136)と電気的に接続されている。陰極19は、発光機能層E,ERとバンク層16の上面を覆った状態で基板本体10A上に形成されている。この陰極19としては、AlやAg等の高反射率の金属材料を用いることができる。或いは、Al/ITO等の透光性材料と高反射率金属材料との積層構造を採用しても良い。
発光機能層Eは、正孔注入/輸送層(電荷輸送層)17と発光層18とを主体とし、必要に応じて、発光層18の上に電子注入層や電子輸送層等を備える。同様に、発光機能層ERは、正孔注入/輸送層(電荷輸送層)17と発光層18Rとを主体とし、必要に応じて、発光層18Rの上に電子注入層や電子輸送層等を備える。本実施形態では、赤色画素領域の発光層(赤色発光層)18Rは赤色発光材料によって形成されており、それ以外の青色画素領域と緑色画素領域の発光層(白色発光層)18は、白色発光材料によって形成されている。前述のように、現状では赤色発光材、青色発光材料、緑色発光材料の寿命にはばらつきがあり、特に青色発光材料と緑色発光材料については十分な寿命特性を有するものが得られていない。そこで、前述した第1〜第4の実施形態では、赤色画素領域,緑色画素領域,青色画素領域の各発光層を全て同じ白色発光材料によって形成し、各色の寿命を均一化した。しかし、赤色発光材料については良好な寿命特性を有するものが得られており、必ずしもR,G,Bの全ての画素領域の発光材料を共通化する必要はない。本実施形態では、十分な寿命特性が得られない青色と緑色については、白色発光層18とカラーフィルタ14とを併用し、十分な寿命特性が得られる赤色については、赤色発光層18Rのみを使ってカラー化を実現するようにしている。こうすることによって、R,G,Bの各色について良好な寿命特性が得られるようにしている。なお、正孔注入/輸送層17を形成するための材料及び発光層18,18Rを形成するための材料については、前述した公知の材料を用いることができる。
陰極19の上層側には、封止材20が形成されている。封止材20の材料、形状、大きさ、形成範囲等については、第4の実施形態と同様である。
本実施形態の有機EL装置500は、第4の実施形態に示した方法と同様の方法によって製造することができる。すなわち、有機EL表示装置500の製造方法は、例えば、(1)カラーフィルタ形成工程、(2)陽極形成工程、(3)発光機能層形成工程、(4)陰極形成工程、封止工程を備えており、カラーフィルタ14の形成工程と発光機能層の形成工程は液滴吐出法により行なわれる。工程の詳細については第4実施形態と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
以上説明したように、本実施形態では、十分な寿命特性が得られない青色と緑色については白色発光層とカラーフィルタとを併用し、十分な寿命特性が得られる赤色についてはカラーフィルタを省略し、赤色発光層のみを使用することによってカラー表示を実現している。このため、いずれの色においても良好な寿命特性が得られる。また、赤色に関しては、カラーフィルタで吸収される光成分がないので、光利用効率が向上し、駆動電流の低減を図ることができる。
以上、図15,図16を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。例えば、本実施形態では有機EL装置500をボトムエミッション型の構造としたが、図14のようにカラーフィルタ14を発光層18の上層側(基板本体10Aと反対側)に配置し、更に陰極19等の材料を変更することによって、トップエミッション型の構造とすることもできる。また本実施形態では、赤色画素領域のカラーフィルタを省略したが、カラーフィルタは必ずしも省略する必要はなく、赤色光を発する赤色発光層18Rと重複して赤色カラーフィルタ14Rを設けることも可能である。この場合、赤色において若干の光吸収を生じるが、その分色純度が増すため、色再現性は良くなる。
[第6実施形態]
次に、図17、図18を参照しながら、本発明の第6実施形態に係る有機EL装置について説明する。図17は本実施形態の有機EL装置の画素構造を拡大して示す平面模式図、図18は図17のA−A'断面を示す模式図であり、図13若しくは図14に対応する図である。本実施形態の有機EL装置600の基本構成は第4の実施形態と同様であり、異なる点は、主に、赤色画素領域と緑色画素領域の発光層をそれぞれ赤色発光材料と緑色発光材料によって形成し、該赤色画素領域と緑色画素領域のカラーフィルタ14R,14Gを設けていない点と、赤色発光層,緑色発光層,青色発光層のサイズを各色の発光輝度等に応じて調整した点である。したがって、図17、図18において図10〜図14と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図17に示すように、本実施形態の有機EL装置600において、陽極15を含む基板の表面には、各陽極15の中央部に対応する位置に開口部を有するバンク層が設けられており、このバンク層に区画される形で、画素領域71の中央部に、有機発光層を含む発光機能層E若しくは発光機能層ER若しくは発光機能層EGが設けられている。本実施形態において、赤色画素領域の発光層ERは色発光層であり、色光である赤色光を発する赤色発光材料によって形成されている。また、緑色画素領域の発光層EGは色発光層であり、色光である緑色光を発する緑色発光材料によって形成されている。一方、青色画素領域の発光層Eは白色発光層であり、白色光を発する白色発光材料によって形成されている。また、陽極15の下層側(観察側)には、青色画素領域に対応して、青色カラーフィルタ14Bが配置されている。カラーフィルタ14(14B)は、発光機能層E,ER,EGと同様にバンク層によってそれぞれ区画された状態となっている。すなわち、カラーフィルタ14を区画するバンク層(カラーフィルタ用バンク層)には、青色画素領域の陽極15の中央部に対応する位置に開口部が設けられており、このバンク層に区画される形で、青色画素領域の中央部に青色カラーフィルタ14Bが設けられている。カラーフィルタ用バンク層の開口部は、発光機能層E,ER,EGを区画するバンク層(発光機能層用バンク層)の開口部よりも広く形成されており、発光機能層用バンク層の開口領域は平面視したときにカラーフィルタ用バンク層の開口領域の内側に配置された状態となっている。すなわち、本実施形態の有機EL装置600においては、色の異なる3つの画素領域によって1つのカラー画素が形成されており、これらのカラー画素によってカラー表示が可能となっている。
次に、図18を用いて有機EL装置600の断面構造について説明する。
図18は、図17のA−A'断面図(図11の表示領域4に設けられた画素領域71の断面構成図)である。有機EL装置600の画素領域71には、ガラス等の透光性を有する基板本体10A上に、TFT11a,11bや走査線131,信号線132,電源線133等の各種配線を含む回路素子部11が設けられており、更にこの回路素子部11を覆って形成された層間絶縁膜12を介した基板本体10A上にカラーフィルタ層13が形成されている。カラーフィルタ層13は、青色カラーフィルタ14Bからなり、これらのカラーフィルタ14Bの間には必要に応じて黒色樹脂等からなる遮光層(ブラックマトリクス)が配置される。カラーフィルタとカラーフィルタとの間にはバンク層141(カラーフィルタ用バンク層)が配置されており、このバンク層141に区画される形で、それぞれの画素領域71にカラーフィルタ14が配置されている。
カラーフィルタ14の上には、有機EL素子Pが形成されている。有機EL素子Pは、基板本体10A上に立設されたバンク層16(発光機能層用バンク層)に囲まれる区画領域内に設けられた発光機能層E若しくは発光機能層ER若しくは発光機能層EGを主体としてなり、この発光機能層E若しくは発光機能層ER若しくは発光機能層EGを陽極15と陰極19との間に挟持した構成を備える。この有機EL素子Pは、陽極15の平面領域のうち、平坦面を成して形成された領域に、発光層18若しくは発光層18R,18Gを含む複数の機能層(発光機能層E若しくは発光機能層ER若しくは発光機能層EG)を積層し、さらにバンク層16を覆う陰極19を前記機能層上に形成することで構成されている。これら複数の機能層を含む発光機能層E,ER,EGは、陽極15を覆い、バンク16の内側に形成されている。
本実施形態の有機EL装置600は、基板本体10A側から光を取り出すボトムエミッション型であるので、陽極15はITO(インジウム錫酸化物)等の透光性導電材料によって形成されている。陽極15は、層間絶縁膜15に形成された図示略のコンタクトホールを介して回路素子部11のTFT11a(ドレイン電極部136)と電気的に接続されている。陰極19は、発光機能層E,ER,EGとバンク層16の上面を覆った状態で基板本体10A上に形成されている。この陰極19としては、AlやAg等の高反射率の金属材料を用いることができる。或いは、Al/ITO等の透光性材料と高反射率金属材料との積層構造を採用しても良い。
発光機能層Eは、正孔注入/輸送層(電荷輸送層)17と発光層18とを主体とし、必要に応じて、発光層18の上に電子注入層や電子輸送層等を備える。同様に、発光機能層ERは、正孔注入/輸送層(電荷輸送層)17と発光層18Rとを主体とし、必要に応じて、発光層18Rの上に電子注入層や電子輸送層等を備える。発光機能層EGは、正孔注入/輸送層(電荷輸送層)17と発光層18Gとを主体とし、必要に応じて、発光層18Gの上に電子注入層や電子輸送層等を備える。本実施形態では、赤色画素領域の発光層(赤色発光層)18Rは赤色発光材料によって形成され、緑色画素領域の発光層(緑色発光層)18Gは緑色発光材料によって形成されており、それ以外の青色画素領域の発光層(白色発光層)18は、白色発光材料によって形成されている。前述した第5の実施形態では、十分な寿命特性が得られる赤色については、赤色発光材料を用いた赤色発光層のみで色を表示し、それ以外の緑色と青色については、白色発光層とカラーフィルタとを併用する構造とした。本実施形態では、青色と緑色のうち、より良好な寿命特性が得られる緑色についても、赤色と同様の構成を採用している。すなわち、十分な寿命特性が得られない青色については、白色発光層18とカラーフィルタ14とを併用し、十分な寿命特性が得られる赤色と、ある程度良好な寿命特性が得られる緑色については、それぞれ赤色発光層18Rと緑色発光層18Gのみを使ってカラー化を実現するようにしている。ただし、この構成では、赤色画素領域に形成した赤色発光層18Rと、緑色画素領域に形成した緑色発光層18Gと、青色画素領域に形成した白色発光層18との間で、発光輝度(青色画素領域については、カラーフィルタ14Bを透過した後の発光輝度)や寿命等が異なる場合があるため、本実施形態では、これらの要素を考慮して、発光層18R,18G,18のサイズが最適に調節されている。具体的には、発光輝度の大きい赤色発光層18Rのサイズが最も小さく形成され、次に発光輝度の大きい緑色発光層18Gのサイズがその次に小さく形成され、最も発光輝度の小さい白色発光層(カラーフィルタ14Bを透過した後のもの)のサイズが最も大きく形成されている。こうすることで、R,G,Bの色バランスを良好に保つことができる。なお、正孔注入/輸送層17を形成するための材料及び発光層18,18Rを形成するための材料については、前述した公知の材料を用いることができる。
陰極19の上層側には、封止材20が形成されている。封止材20の材料、形状、大きさ、形成範囲等については、第4の実施形態と同様である。
本実施形態の有機EL装置600は、第4の実施形態に示した方法と同様の方法によって製造することができる。すなわち、有機EL表示装置600の製造方法は、例えば、(1)カラーフィルタ形成工程、(2)陽極形成工程、(3)発光機能層形成工程、(4)陰極形成工程、封止工程を備えており、カラーフィルタ14の形成工程と発光機能層の形成工程はインクジェット法等の液滴吐出法を用いて行なわれる。工程の詳細については第4実施形態と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
以上説明したように、本実施形態では、十分な寿命特性が得られない青色については白色発光層とカラーフィルタとを併用し、比較的良好な寿命特性が得られる赤色と緑色についてはカラーフィルタを省略し、赤色発光層若しくは緑色発光層のみを使用することによってカラー表示を実現している。このため、いずれの色においても良好な寿命特性が得られる。また、赤色や緑色に関しては、カラーフィルタで吸収される光成分がないので、光利用効率が向上し、駆動電流の低減を図ることができる。
以上、図17,図18を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。例えば、本実施形態では有機EL装置600をボトムエミッション型の構造としたが、図14のようにカラーフィルタ14を発光層18の上層側(基板本体10Aと反対側)に配置し、更に陰極19等の材料を変更することによって、トップエミッション型の構造とすることもできる。また本実施形態では、赤色画素領域と緑色画素領域のカラーフィルタを省略したが、カラーフィルタは必ずしも省略する必要はなく、赤色光を発する赤色発光層18Rと重複して赤色カラーフィルタ14Rを設けたり、緑色光を発する緑色発光層18Gと重複して緑色カラーフィルタ14Gを設けたりすることも可能である。この場合、赤色や緑色において若干の光吸収を生じるが、その分色純度が増すため、色再現性は良くなる。
また本実施形態では、各色の発光層の寿命等を考慮して発光層のサイズを調節したが、このような考え方は第5の実施形態にも適用することができる。すなわち、第5の実施形態の構成では、赤色画素領域に形成した赤色発光層18Rと、青色画素領域及び緑色画素領域に形成した白色発光層18との間で、発光輝度(青色画素領域や緑色画素領域については、カラーフィルタ14G,14Bを透過した後の発光輝度)や寿命等が異なる場合があるため、これらの発光層18R,18のサイズを最適に調節することが望ましい。例えば、発光輝度の大きい赤色発光層18Rのサイズを白色発光層18のサイズよりも小さくすることによって、R,G,Bの色バランスを良好に保つことができるようになる。
また本実施形態では、R,G,Bの画素領域の面積を変えずに、各画素領域内に占める発光層の占有面積の比率を変えることによって、色バランスを調節しているが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば図19に示すように、発光層の占有面積の比率を変えずに、R,G,Bの画素領域の大きさ(例えばピッチ)を変えることによって、色バランスを調節しても良い。図19に示す有機EL装置600'は、画素領域内における発光層の占有面積の割合がR,G,Bの各画素について等しく、画素領域のピッチ(走査線131の延在方向における幅)がR,G,Bの順で大きくなるように構成されている。これ以外の構成については、前述の有機EL装置600と同様である。この構成によれば、R,G,Bの輝度バランスを良好に保ちながら、発光に寄与しない(即ち発光層が配置されない)無駄な領域を極力少なくすることができる。
[電子機器]
以下、上述の有機EL装置を備えた電子機器の具体例について説明する。
図20は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図20において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記有機EL装置を用いた表示部を示している。このように電子機器の表示部に上記実施の形態の有機EL装置を用いることで、高性能な表示部を備えた電子機器を安価に提供することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上記実施形態に示した素子基板等の構造はほんの一例であり、これ以外の構成を採用することも可能である。また、上記実施形態では、本発明の有機EL装置を表示装置とした例を示したが、本発明はそれ以外の用途、例えば、液晶表示装置の光源用の有機EL装置や、光書き込み型のレーザープリンタ及び光通信に用いる光源等にも適用可能である。
本発明の第1実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明するための工程図。 図1に続く工程図。 図2に続く工程図。 素子基板の他の形成方法を示す工程図。 本発明の第2実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明するための工程図。 図4に続く工程図。 図5に続く工程図。 本発明の第3実施形態に係る有機EL装置の製造方法を説明するための工程図。 図6に続く工程図。 本発明の第4実施形態に係る有機EL装置の回路構成図。 同、平面構成図。 同、画素構造を示す平面模式図。 図11のA−A'断面を示す模式図。 同、他の構成例を示す断面模式図。 本発明の第5実施形態に係る有機EL装置の画素構造を示す平面模式図。 図14のA−A'断面を示す模式図。 本発明の第6実施形態に係る有機EL装置の画素構造を示す平面模式図。 図16のA−A'断面を示す模式図。 同、有機EL装置の他の構成例を示す平面模式図。 本発明の電子機器の一例を示す斜視図である。
符号の説明
10A,30A,40A…基板、14,14R,14G,14B,42,42R,42,42B,45,45R,45G,45B…カラーフィルタ、18,36…白色発光層、18R,18G…色発光層、44…保護膜、100,200,300,400,500,600…有機EL装置、1000…電子機器、L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7…液体材料。

Claims (23)

  1. 白色発光層とカラーフィルタとを備えた有機EL装置の製造方法であって、
    上記白色発光層を液滴吐出法により形成することを特徴とする、有機EL装置の製造方法。
  2. 上記カラーフィルタを液滴吐出法により形成することを特徴とする、請求項1記載の有機EL装置の製造方法。
  3. 1枚の基板上に液滴吐出法により上記カラーフィルタを形成する工程と、同一基板上の上記カラーフィルタの上方に液滴吐出法により上記白色発光層を形成する工程とを有することを特徴とする、請求項2記載の有機EL装置の製造方法。
  4. 1枚の基板上に液滴吐出法により上記白色発光層を形成する工程と、同一基板上の上記白色発光層の上方に液滴吐出法により上記カラーフィルタを形成する工程とを有することを特徴とする、請求項2記載の有機EL装置の製造方法。
  5. 上記白色発光層とカラーフィルタとの間に保護膜を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項4記載の有機EL装置の製造方法。
  6. 上記保護膜の表面に撥液部をパターン形成する工程を含み、
    上記カラーフィルタの形成工程では、液滴吐出法により上記撥液部以外の領域に上記カラーフィルタの形成材料を含む液体材料を配置することを特徴とする、請求項5記載の有機EL装置の製造方法。
  7. 上記撥液部の形成工程が、上記保護膜の表面にフッ素含有ガスを処理ガスとするプラズマ処理を施す工程と、上記プラズマ処理の施された保護膜に対して上記カラーフィルタの形成される領域に選択的に紫外線を照射する工程とを含むことを特徴とする、請求項6記載の有機EL装置の製造方法。
  8. 1枚の基板上に液滴吐出法により上記白色発光層を形成する工程と、上記基板とは異なる基板上に液滴吐出法により上記カラーフィルタを形成する工程と、双方の基板を貼り合わせる工程とを有することを特徴とする、請求項2記載の有機EL装置の製造方法。
  9. 上記白色発光層が高分子発光材料からなることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかの項に記載の有機EL装置の製造方法。
  10. 白色光を発する白色発光層と、白色光以外の色光を発する色発光層と、カラーフィルタとを備えた有機EL装置の製造方法であって、
    前記白色発光層と前記色発光層とを液滴吐出法により形成することを特徴とする、有機EL装置の製造方法。
  11. 前記カラーフィルタを前記白色発光層に対応して形成することを特徴とする、請求項10記載の有機EL装置の製造方法。
  12. 前記カラーフィルタを前記白色発光層と前記色発光層の双方に対応して形成することを特徴とする、請求項11記載の有機EL装置の製造方法。
  13. 前記カラーフィルタを液滴吐出法により形成することを特徴とする、請求項10〜12のいずれかの項に記載の有機EL装置の製造方法。
  14. 前記色発光層のサイズと前記白色発光層のサイズが、前記色発光層の発光光の輝度及び前記カラーフィルタを透過した前記白色発光層の発光光の輝度に基づいて決定されることを特徴とする、請求項10〜13のいずれかの項に記載の有機EL装置の製造方法。
  15. 白色発光層とカラーフィルタとを備えた有機EL装置であって、
    上記白色発光層がバンク層に区画された領域内に液滴吐出法により形成されてなることを特徴とする、有機EL装置。
  16. 上記カラーフィルタが液滴吐出法により形成されてなることを特徴とする、請求項15記載の有機EL装置。
  17. 上記白色発光層が高分子発光材料からなることを特徴とする、請求項15又は16記載の有機EL装置。
  18. 白色光を発する白色発光層と、白色光以外の色光を発する色発光層と、カラーフィルタとを備えた有機EL装置であって、
    前記白色発光層と前記色発光層とがバンク層に区画された領域内に液滴吐出法により形成されてなることを特徴とする、有機EL装置。
  19. 前記カラーフィルタが前記白色発光層に対応して設けられていることを特徴とする、請求項18記載の有機EL装置。
  20. 前記カラーフィルタが前記白色発光層と前記色発光層の双方に対応して設けられていることを特徴とする、請求項19記載の有機EL装置。
  21. 前記カラーフィルタが液滴吐出法により形成されてなることを特徴とする、請求項18〜20のいずれかの項に記載の有機EL装置。
  22. 前記白色発光層と前記色発光層とが高分子発光材料からなることを特徴とする、請求項18〜21のいずれかの項に記載の有機EL装置。
  23. 請求項15〜22のいずれかの項に記載の有機EL装置を備えたことを特徴とする、電子機器。
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