JPH1187062A - 電界発光素子 - Google Patents

電界発光素子

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JPH1187062A
JPH1187062A JP23632797A JP23632797A JPH1187062A JP H1187062 A JPH1187062 A JP H1187062A JP 23632797 A JP23632797 A JP 23632797A JP 23632797 A JP23632797 A JP 23632797A JP H1187062 A JPH1187062 A JP H1187062A
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JP
Japan
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bank
electroluminescent device
liquid phase
surface tension
critical surface
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Pending
Application number
JP23632797A
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English (en)
Inventor
Hidekazu Kobayashi
英和 小林
Hiroshi Kiguchi
浩史 木口
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電界発光素子において、画素間漏電の無い製造
しやすい鮮やかなカラー電界発光素子を提供する。 【解決手段】電極間に、有機層製膜時の液相よりも臨界
表面張力の小さなバンク4を形成し、湿式製膜法と組み
合わせる。 【効果】画素間における漏電が無くなり発光効率が向上
した。また駆動時におけるクロストークが無くなった。
またインクジェット法と組み合わせることにより、カラ
ー化する際の有機層のパターニングが極めて簡単にな
り、ローコスト化できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばラップトッ
プコンピュータ、テレビジョン、移動通信用のディスプ
レイ等に利用できる発光薄膜を用いた電界発光素子の構
造および構成に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化合物の電界発光を利用した発光素
子は、自己発光のため視認性が高く、かつ完全固体素子
であるため耐衝撃性に優れる、また低駆動電圧などの特
徴を有することから、各種表示装置における発光素子と
しての利用が注目されている。
【0003】ディスプレイ素子として、上記有機EL素
子の用途を広げるためには、ブラウン管(CRT)や液
晶表示装置(LCD)の例でみられるように、多色化が
必要なことは明白である。
【0004】従来、EL素子を用いて多色表示装置を作
製する方法としては、例えば(1)赤(R),緑
(G),青(B)の三原色で発光するEL材料をマトリ
ックス状に配置する方法(特開昭57−157487号
公報,特開昭58−147989号公報,特開平3−2
14593号公報など)、(2)白色で発光するEL素
子とカラーフィルターを組み合わせRGBの三原色を取
り出す方法(特開平1−315988号公報,特開平2
−273496号公報,特開平3−194895号公報
など)、(3)青色で発光するEL素子と蛍光変換膜と
を組み合わせRGBの三原色に変換する方法(特開平3
−152897号公報)などが知られている。
【0005】しかしながら、上記(1)の方法は、三種
類の発光材料を高精細にマトリックス状に配置しなけれ
ばならないために、技術的に困難で、安価に製造するこ
とができない上、三種の発光材料の寿命が一般に異なる
ことが多いために、時間とともに色度がずれてしまうな
どの欠点を有している。また、(2)の方法は、白色で
発光するEL素子の出力光の一部分をカラーフィルター
で取り出して利用するものであるから、EL光の利用効
率、すなわち変換効率が低いという欠点がある。例え
ば、白色EL光が単純に強度の等しいRGB三原色から
なっていて、これから赤色をカラーフィルターを用いて
取り出すものとすると、最高で33%の変換効率しか得
られない。実際には、発光スペクトルや視感度などを考
慮すると、これよりもかなり低い変換効率しか得られな
い。これらに対し、(3)の方法においては、RGBの
三原色がそれぞれ33%以上の変換効率で得られれば、
上記(2)の方法よりも優れた方法となる。
【0006】また、正孔注入輸送層として、導電性化合
物を用いると発光効率が著しく向上する事が知られてい
る(特開平8−031573公報、アメリカ特許第43
56429号など)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(2)、
(3)いずれの方法もカラーフィルターまたは蛍光変換
フィルターを形成しなければならず、従来の液晶表示装
置向けカラーフィルターと同様にコストアップが避けら
れない。このように、コストを安く抑えた上でフルカラ
ー表示を行う方法についてはしばらく満足できる方法は
提示されていなかった。
【0008】また、正孔注入層として導電性化合物を用
いると、表示容量を大きくするために電極をパターニン
グした際に、電極間で漏電が生じて各画素を独立して駆
動することが難しくなる課題を有していた。
【0009】本発明は、このような従来技術がもつ欠点
を克服するものであり、その目的は、電界発光素子のカ
ラー化を行うための(1)、(2)、(3)いずれの方
法においても安価に、しかも画素間の漏電の無い、極め
て鮮やかなカラー電界発光素子を提供するところに有
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の電界発光素子
は、透明基板上に形成された陽極をパターニングして陽
極群とした後に、前記陽極群間にバンクを形成して、前
記バンク間に電荷注入輸送層そして/または発光層を液
相にて形成して、その上に陰極を形成した構造の電界発
光素子において、前記バンクの構成材料表面の臨界表面
張力が、前記液相の臨界表面張力よりも小さいことを特
徴とする、さらに前記バンクの構成材料として、臨界表
面張力が30dyne/cm以下の材料を用いたことを
特徴とする。この構成によれば、バンク間に電荷注入輸
送層そして/または発光層を液相(大抵の展開溶媒は臨
界表面張力が30dyne/cm以上)にて形成する際
に、バンクが用いる液相に対して撥水撥油性であるため
に、これらの層を形成する物質が画素間にまたがること
が無く、画素間における漏電を防止できる。またインク
ジェットヘッドを用いてこれらの層を形成する物質を吐
出しても、大抵のインク溶媒は臨界表面張力が30dy
ne/cm以上であるので必ず画素内に収まることにな
り、決して隣の画素を汚染することがない。そのため各
画素は、用いた蛍光物質の発光色を忠実に発光すること
ができ、極めて鮮やかなカラー表示が可能となるのであ
る。
【0011】さらに前記バンクが、フォトレジスト工程
を用いてパターニングできる高分子前駆体と、臨界表面
張力が20dyne/cm以下の低分子または高分子材
料の混合材料から成ることを特徴とする。この構成によ
れば、バンク形成材料として様々な材料を用いることが
でき、選んだ材料に表面張力の低い材料を混合すること
により、先に示したものと同様の効果を生むことができ
る。
【0012】またさらに前記低分子材料が、50℃以上
の加熱により高分子化することを特徴とする。この構成
により、バンク形成材料をフォト工程にてパターニング
した後のエッチング工程にて前記低分子材料がエッチン
グ時には低分子のままなのでエッチングがスムーズに進
み、エッチング後において50℃以上に加熱することに
よりバンク内低分子材料が高分子化することにより、バ
ンク内から低分子材料が溶け出すことが無くなり、素子
としての寿命に影響を与えなくなるのである。
【0013】また前記電界発光素子において、映像を形
成する画素群が、異なる色に発光する発光材料を少なく
とも2種類以上発光層としてマトリックス状に配置して
なり、前記発光層をインクジェットヘッドを用いて形成
することを特徴とする。これにより、従来の、異なる色
に発光する発光材料を少なくとも2種類以上発光層とし
てマトリックス状に配置してなる電界発光素子におい
て、上記撥水撥油性バンクの効果を生かすことができ、
低コストで色鮮やかなカラー電界発光素子を提供でき
る。
【0014】また前記電界発光素子において、カラーフ
ィルターまたは蛍光変換層を具備していることを特徴と
する。この構成によれば、正孔注入輸送層の形成におい
ては、陽極上に通常の全面印刷を施しても、バンクの有
する撥水撥油性により、バンク上には正孔注入輸送層は
はじかれて形成されず、電極間の絶縁性は保たれる。発
光層に白色発光する物質を用いてカラーフィルターと組
み合わせることにより、または発光層に青色発光する物
質を用いて蛍光変換層と組み合わせることにより、クロ
ストークの無い鮮やかなカラー表示を行うことができる
のである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施例1)本実施例では、透明基板上に形成された陽
極をパターニングして陽極群とした後に、前記陽極群間
にバンクを形成して、前記バンク間に電荷注入輸送層そ
して/または発光層を液相にて形成して、その上に陰極
を形成した構造の電界発光素子において、前記バンクの
構成材料として、臨界表面張力が30dyne/cm以
下の材料を用いた例を示す。図1に本実施例の電界発光
素子の簡単な断面図を示す。
【0016】まず清浄なガラス基板に透明電極としてI
TO(Indium Tin Oxide)をEB蒸着
し、次にこの電極をパターニングし、さらに図1に示す
ように感光性樹脂としてパーフロロオクチルエチルメタ
クリレートを用いてバンクを形成した。このバンク表面
の臨界表面張力は15dyne/cmであった。次に全
面に正孔注入物質として銅フタロシアニンおよびエポキ
シプロピルトリエトキシシランの1:1混合エトキシエ
タノール分散溶液を印刷して10分放置し、バンク上に
塗布された液を撥かせた。次に200℃で5分間焼成し
て膜厚10nmとした。この上に水溶性PPV前駆体の
水溶液を印刷し、10分放置した後に150℃4時間焼
成し膜厚100nmとした。
【0017】次に陰極としてMg:Ag(10:1)合
金をマスク越しにEB蒸着し、さらにエポキシ樹脂でモ
ールドした。この他の熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂、
ポリシラザンを含むシリコン樹脂など、空気や湿気を遮
断でき、かつ有機膜を侵さない樹脂であれば同様に用い
ることができる。
【0018】バンク形成材料としては、ここに示したも
のでなくとも、臨界表面張力が30dyne/cm以下
で光でパターニングできる材料であれば同様に用いるこ
とができる。例えば、フッ素化アルキル基のついたメタ
クリレートやフッ素化したポリスチレンなどである。
【0019】正孔注入物質としては銅フタロシアニンを
用いたが、ポルフィン化合物、TPD
【0020】
【化1】
【0021】、m−MTDATA
【0022】
【化2】
【0023】、NPD
【0024】
【化3】
【0025】、ポリビニルカルバゾール、TAD
【0026】
【化4】
【0027】、ポリアニリン、カーボンなど、正孔注入
能を有するものであれば同様に用いることができるし、
この中でも導電性を有するポルフィン化合物、ポリアニ
リン、カーボンなどを用いた場合には撥水性バンクの効
果がよく現れる。これらの化合物の混合または積層構造
としてもよい。
【0028】発光層としてはこの他、PPV
【0029】
【化5】
【0030】およびその誘導体、金属のキノリノール誘
導体またはアゾメチン誘導体による錯体、DPVBi
【0031】
【化6】
【0032】、テトラフェニルブタジエン、オキサジア
ゾール誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体等を用い
ることができるし、これらの化合物に、ペリレン、クマ
リン誘導体、DCM1
【0033】
【化7】
【0034】、キナクリドン、ルブレン、DCJT
【0035】
【化8】
【0036】、ナイルレッドなどを添加してもよい。
【0037】発光層の形成方法はここに示した方法のほ
か、スクリーン印刷法、スピンコート法など溶液状態で
製膜する方法等、発光層中に第2の化合物が拡散する方
法を用いることができる。
【0038】陽極の形成にあたっては、TFT素子のよ
うなアクティブ素子を形成しておいても同様の効果を発
揮できる上に大容量表示することが可能となる。
【0039】(実施例2)本実施例では、実施例1の構
成におけるバンクが、フォトレジスト工程を用いてパタ
ーニングできるポジ型高分子または高分子前駆体と、臨
界表面張力が20dyne/cm以下の高分子または低
分子材料の混合材料から成る例を示す。
【0040】用いたバンク用材料は、ポリメタクリル酸
メチルをホストとして、3−パーフロロデシル−1,2
−エポキシプロパンをゲストとして10%添加したもの
を用い、実施例1と同様にバンクを形成した後、200
℃で5分焼成してゲスト剤を硬化した。その後は実施例
1と同様に素子を完成させた。
【0041】バンク材料のホストとしてはここに示した
材料のほか、ポリメタクリル酸誘導体、ポリ(ブテン−
1−スルホン)、ポリエチレングリコールグリシジルエ
ーテル、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリクロロ
アルリル酸トリフルオロエチル、ポリメチルペンテンス
ルホン+ノボラック樹脂など、ポジ型レジストであれば
同様に用いることができる。
【0042】またバンク材料のゲストとしては、信越化
学社製KBM7103(臨界表面張力20dyne/c
m)、7803(同15dyne/cm)、KP801
M(同8dyne/cm)など、臨界表面張力が20d
yne/cm以下のものであれば同様に用いることがで
きる。さらに望ましくは本実施例に示したような熱硬化
性を有するものであればよい。ゲスト剤硬化温度は用い
る材料により最適化するとよい。
【0043】(実施例3)本実施例では、実施例1の構
成におけるバンクが、フォトレジスト工程を用いてパタ
ーニングできるネガ型高分子または高分子前駆体と、臨
界表面張力が20dyne/cm以下の高分子または低
分子材料の混合材料から成る例を示す。
【0044】用いたバンク用材料は、ポリスチレンをホ
ストとして、3−パーフロロウンデシル−1,2−エポ
キシプロパンと1H,1Hペンタデカフロロオクチルア
ミンの1:1混合物をゲストとして10%添加したもの
を用い、実施例1と同様にバンクを形成した後、150
℃で5分焼成してゲスト剤を硬化した。その後は実施例
1と同様に素子を完成させた。
【0045】バンク材料のホスト材料としては、この他
エポキシ化ポリブタジエン、ポリメタクリル酸グリシジ
ル誘導体、ポリアクリル酸誘導体、ポリスチレン誘導
体、クロロメチル化ポリジフェニルシロキサン、クロロ
メチル化ポリイソプロペニルナフタレン等、ネガ型レジ
ストであれば同様に用いることができる。
【0046】またゲスト剤は実施例2に示したものを同
様に用いることができる。
【0047】(実施例4)本実施例では、映像を形成す
る画素群が、異なる色に発光する発光材料を少なくとも
2種類以上発光層としてマトリックス状に配置してな
り、前記発光層をインクジェットヘッドを用いて形成し
た例を示す。図2に本実施例の電界発光素子の簡単な断
面図を示す。まず清浄なガラス基板に透明電極としてI
TOをEB蒸着し、次にこの電極をパターニングし、さ
らに実施例2に示した感光性材料を用いてバンクを形成
した。次にこの基板の表面を波長174nmの紫外線で
処理した後、この電極表面に正孔注入物質として、ポリ
アニリンのDMF溶液を印刷して5分放置した後に15
0℃で30分焼成した。その後青色発光物質としてポリ
ビニルカルバゾールのDMF溶液をインクジェットヘッ
ドで吐出して乾燥し、膜厚100nmとした。次に前記
青色発光層の隣に、緑色の発光物質として水溶性PPV
前駆体の水溶液をインクジェットヘッドにて吐出して乾
燥し、膜厚100nmとした。次に青色と緑色の発光層
の間の画素に赤色の発光物質としてポリビニルカルバゾ
ールにDCM1(0.2mol%)添加したDMF溶液
をインクジェットヘッドで吐出して加熱乾燥し、膜厚1
00nmとした。
【0048】こうして3色に発光する発光層をそれぞれ
形成した後に、陰極としてMg:Ag(10:1)合金
をマスク越しにEB蒸着し、さらにエポキシ樹脂でモー
ルドした。
【0049】バンク材料としては、実施例1から3に示
したものをそのまま用いることができる。
【0050】正孔注入材料としてはポリアニリンを用い
たが、ポルフィン化合物、TPD、m−MTDATA、
NPD、ポリビニルカルバゾール、TAD、ポリアニリ
ン、カーボンなど、正孔注入能を有するものであれば同
様に用いることができるし、この中でも導電性を有する
ポルフィン化合物、ポリアニリン、カーボンなどを用い
た場合には撥水性バンクの効果がよく現れる。これらの
化合物の混合または積層構造としてもよい。
【0051】発光材料としてはこの他、PPV誘導体、
金属のキノリノール誘導体またはアゾメチン誘導体によ
る錯体、DPVBi、テトラフェニルブタジエン、オキ
サジアゾール誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体等
を用いることができるし、これらの化合物に、ペリレ
ン、クマリン誘導体、DCM1、キナクリドン、ルブレ
ン、DCJT、ナイルレッドなどを添加して所望の発光
色とすることができる。
【0052】陽極の形成にあたっては、TFT素子のよ
うなアクティブ素子を形成しておいても同様の効果を発
揮できる上に大容量表示することが可能となる。
【0053】(実施例5)本実施例では、実施例1の電
界発光素子において、カラーフィルターを具備している
ことを例を示した。図3に本実施例の電界発光素子の簡
単な断面図を示した。
【0054】まず清浄なガラス基板に赤青緑の3原色の
画素群のマトリックスからなるカラーフィルターを形成
して、その上に透明電極としてITOをEB蒸着し、パ
ターニングした。さらに図1に示すように感光性樹脂と
して1H,1H,11Hアイコサフルオロウンデシルメ
タクリレートを用いてバンクを形成した。次に全面に正
孔注入物質として銅フタロシアニンおよびエポキシプロ
ピルトリエトキシシランの1:1混合エトキシエタノー
ル分散溶液を印刷して10分放置し、バンク上に塗布さ
れた液を撥かせた。次に200℃で5分間焼成して膜厚
10nmとした。この上にポリビニルカルバゾールにテ
トラフェニルブタジエン(5mol%)クマリン6
(0.3mol%)とDCM1(0.2mol%)を添
加したDMF溶液を印刷し、10分放置した後に150
℃4時間焼成し膜厚100nmとした。
【0055】次に陰極としてMg:Ag(10:1)合
金をマスク越しにEB蒸着し、さらにエポキシ樹脂でモ
ールドした。この他の熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂、
ポリシラザンを含むシリコン樹脂など、空気や湿気を遮
断でき、かつ有機膜を侵さない樹脂であれば同様に用い
ることができる。
【0056】こうして作成した電界発光素子を図4に示
したようにドライバー及びコントローラと接続して図5
に示した駆動波形を入力して画像表示を行った。この駆
動波形において、選択した画素には発光するに十分な電
圧Vsで、かつ表示する階調に合わせたパルス幅の波形
を印加している。選択しない画素には発光しきい電圧以
下の電圧Vnが印加される。図5においてTfは1走査
時間を示す。ここでは1/100デューティで駆動し
た。そうしたところ、鮮やかなカラー表示を行うことが
できた。
【0057】発光材料としてはここに示した材料のほか
に、単成分で白色発光できるものや、多成分系で白色発
光できるものであれば同様に用いることができる。
【0058】陽極の形成にあたっては、TFT素子のよ
うなアクティブ素子を形成しておいても同様の効果を発
揮できる上に大容量表示することが可能となる。ただし
駆動波形はここに示したものとは異なる。
【0059】(実施例6)本実施例では前記電界発光素
子において、蛍光変換層を具備した例を示す。図6に本
実施例の電界発光素子の簡単な断面図を示した。
【0060】まず清浄なガラス基板に紫外〜青色発光を
赤緑青の3原色に変換できる蛍光変換物質をマトリック
ス状に形成して、その上に保護層としてPMMA層を形
成した。その上に透明電極としてITOをEB蒸着し、
パターニングした。さらに図1に示すように感光性樹脂
として1H,1H,11Hアイコサフルオロウンデシル
メタクリレートを用いてバンクを形成した。次に全面に
正孔注入物質として銅フタロシアニンおよびエポキシプ
ロピルトリエトキシシランの1:1混合エトキシエタノ
ール分散溶液を印刷して10分放置し、バンク上に塗布
された液を撥かせた。次に200℃で5分間焼成して膜
厚10nmとした。この上にポリビニルカルバゾールに
テトラフェニルブタジエン(5mol%)を添加したD
MF溶液を印刷し、10分放置した後に150℃4時間
焼成し膜厚100nmとした。
【0061】次に陰極としてMg:Ag(10:1)合
金をマスク越しにEB蒸着し、さらにエポキシ樹脂でモ
ールドした。この他の熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂、
ポリシラザンを含むシリコン樹脂など、空気や湿気を遮
断でき、かつ有機膜を侵さない樹脂であれば同様に用い
ることができる。
【0062】電界発光素子を製造する際に、陽極及び陰
極を短冊状の陽極群(100本)および陰極群(320
本)とし、図4に示したように接続した。陽極及び陰極
に印加する駆動波形は図5に示した。この駆動波形にお
いて、選択した画素には発光するに十分な電圧Vsで、
かつ表示する階調に合わせたパルス幅の波形を印加して
いる。選択しない画素には発光しきい電圧以下の電圧V
nが印加される。図5においてTfは1走査時間を示
す。ここでは1/100デューティで駆動した。こうし
て作成した電界発光素子を用いて画像表示を行ったとこ
ろ、鮮やかなカラー表示を行うことができた。
【0063】陽極の形成にあたっては、TFT素子のよ
うなアクティブ素子を形成しておいても同様の効果を発
揮できる上に大容量表示することが可能となる。ただし
駆動波形はここに示したものとは異なる。
【0064】発光材料としてはここに示した材料のほか
に、単成分で紫外〜青色発光できるものや、多成分系で
紫外〜青色発光できるものであれば同様に用いることが
できる。
【0065】蛍光変換物質としては、青色材料にはクマ
リン450など、緑色材料にはクマリン153など、ま
た赤色材料にはローダミンBなどを用いることができ
る。
【0066】
【発明の効果】以上本発明によれば、電界発光素子にお
いて、電極間に液相製膜時の臨界表面張力よりも臨界表
面張力の低い材料でバンクを形成することにより、電極
間における漏電の無い、色鮮やかな電界発光素子を実現
できる。また非常に簡単なプロセスにより、安価に高性
能な電界発光素子を製造できるようになった。このため
低価格の携帯型端末、車載用等のディスプレイに応用で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜3における電界発光素子の
簡単な断面図。
【図2】本発明の実施例4における電界発光素子の簡単
な断面図。
【図3】本発明の実施例5における電界発光素子の簡単
な断面図。
【図4】本発明の実施例5および実施例6における電界
発光素子の簡単な電気接続図。
【図5】本発明の実施例5および実施例6における電界
発光素子の簡単な駆動波形図。
【図6】本発明の実施例6における電界発光素子の簡単
な断面図。
【符号の説明】
1…陰極、2…発光層、4…バンク、5…正孔注入輸送
層、6…陽極、7…透明基板、8…カラーフィルター、
9…蛍光変換層、12…電界発光素子、13…走査電極
ドライバー、14…信号電極ドライバー、15…コント
ローラ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に形成された陽極をパターニン
    グして陽極群とした後に、前記陽極群間にバンクを形成
    して、前記バンク間に電荷注入輸送層そして/または発
    光層を液相にて形成して、その上に陰極を形成した構造
    の電界発光素子において、前記バンクの構成材料表面の
    臨界表面張力が、前記液相の臨界表面張力よりも小さい
    ことを特徴とする電界発光素子。
  2. 【請求項2】前記バンクの構成材料として、臨界表面張
    力が30dyne/cm以下の材料を用いたことを特徴
    とする請求項1記載の電界発光素子。
  3. 【請求項3】前記バンクが、フォトレジスト工程を用い
    てパターニングできる高分子または高分子前駆体と、臨
    界表面張力が20dyne/cm以下の高分子または低
    分子材料の混合材料から成ることを特徴とする請求項1
    記載の電界発光素子。
  4. 【請求項4】前記低分子材料が、50℃以上の加熱によ
    り高分子化することを特徴とする請求項3記載の電界発
    光素子。
  5. 【請求項5】前記電界発光素子において、映像を形成す
    る画素群が、異なる色に発光する発光材料を少なくとも
    2種類以上発光層としてマトリックス状に配置してな
    り、前記発光層をインクジェットヘッドを用いて形成す
    ることを特徴とする請求項1記載の電界発光素子。
  6. 【請求項6】前記電界発光素子において、カラーフィル
    ターを具備していることを特徴とする請求項1記載の電
    界発光素子。
  7. 【請求項7】前記電界発光素子において、蛍光変換層を
    具備していることを特徴とする請求項1記載の電界発光
    素子。
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