JP3687393B2 - 有機elプリントヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発光ドットを備えた有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという)素子を用いてカラー画像を形成する有機ELプリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、電子注入電極をなす陰極と正孔注入電極をなす陽極との間に蛍光性有機化合物を含む薄膜の有機層を挟んだ構造を有し、有機層に電子及び正孔を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して表示を行う表示素子である。
【0003】
ところで、近年、上記有機EL素子を光源に用いた光プリンタの提案がなされている。図9は特開平9−226172号公報に開示される有機ELアレイプリントヘッドの構成図、図10は同ヘッドの平面図、図11は図10のA−A線断面図である。
【0004】
この有機ELアレイプリントヘッドは、図9に示すように、チップオンボード基板51上に、有機ELアレイ52を有する有機ELアレイ基板53と、複数個のドライバーIC54が配置されている。チップオンボード基板51とドライバーIC54との間、ドライバーIC54と有機ELアレイ基板53との間、チップオンボード基板51と有機ELアレイ基板52との間は、それぞれボンディングワイヤ55によって電気的に接続されている。そして、有機ELアレイ52からの発光は、ガラス基板裏面側に出射され、集束性ロッドレンズアレイ56を介して感光ドラム57に集光される。
【0005】
更に有機ELアレイ基板53の構成について説明すると、図10及び図11に示すように、ガラス基板61の上には所定パタンの透明電極62が形成され、この透明電極62の上には第1コンタクトホール63と第2コンタクトホール64以外の領域に絶縁膜65が形成されている。絶縁膜65の第2コンタクトホール64を含むように正孔輸送層66と発光層67が形成されており、この正孔輸送層66と発光層67を含むように電子注入電極68が形成されている。電子注入電極68の上には、第1コンタクトホール69と第2コンタクトホール70以外の領域に保護膜71が形成されている。保護膜71の上には、所定パターンの信号電極72が形成されている。また、保護膜71の第1コンタクトホール69を含むように所定パターンの共通電極73が形成されている。
【0006】
上記のように構成される有機ELアレイプリントヘッドでは、印字したい内容のデータをチップオンボード基板51上のドライバーIC54に送る。このドライバーIC54に送られたデータが「ON」のドットには、ドライバーIC54からボンディングワイヤ55を介して信号電極72に電流が供給される。データが「OFF」のドットには、ドライバーIC54からボンディングワイヤ55を介して信号電極72に電流が供給されない。
【0007】
信号電極72からの電流は絶縁膜65の第1コンタクトホール63を通り、透明電極62に流れ込み、正孔輸送層66内への正孔注入を引き起こす。また、電子注入電極68からは発光層67への電子注入が起こる。これにより、電子は、発光層67の中を正孔輸送層66へと向かって移動し、正孔輸送層66との境界面に達すると、電子親和力の差により移動がブロックされる。
【0008】
これに対し、正孔は、正孔輸送層66の中を移動して発光層67へ向かって移動し、発光層67との境界面に達すると、発光層67内に容易に注入される。この注入された正孔は発光層67で待機していた電子と再結合し、再結合エネルギーが発光層67の励起を引き起こす。そして、基底状態に戻るときに蛍光を発し、この発光はガラス基板61の裏面側へと向かって外部に放出される。その後、この放出された光は、集束性ロッドレンズアレイ56を介して感光ドラム57へ集光され、必要時間照射されることにより記録紙に所望の潜像が形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成される従来の有機ELアレイプリントヘッドを自己発色型のカラープリンタの光源として対応させるべく、発光層からの光をカラーフィルタによってR(赤色),G(緑色),B(青色)の光として取り出す構造とした場合、使用される発光層によってカラーフィルタを透過する各色の発光スペクトルの成分が異なる。各色の発光スペクトルの成分が異なると、発光効率の小さい色の発色が不十分となり、高画質な画像が得られない。
【0010】
そこで、従来は、R,G,B各色の光出力を一定にするため、カラーフィルタの各色に対向する発光層の単位面積当たりに加えるパワー(駆動電流密度)を変えて光量を補正し、メディアに対するカラーバランスを行っていた。例えば緑色成分が大きく、赤色成分が不足する場合には、緑色に対向する発光層のパワーを抑え、赤色に対向する発光層のパワーを上げていた。
【0011】
ところで、図12は輝度半減時間(寿命)を初期輝度に対してプロットしたものを示している。この図12から多くの寿命データは、初期輝度(および駆動電流密度)の2乗に反比例するという関係(図中の直線部分)にある。言い換えれば、有機EL素子の寿命は、輝度(および駆動電流密度)の2乗に比例して短くなる傾向にあることがわかった。これは有機材料がジュール熱の影響を受けて劣化するものと考えられる。
【0012】
したがって、上述したように各色に対向する発光層に加えるパワー(駆動電流密度)を変えてカラーバランスをとると、寿命が駆動電流密度の2乗に反比例するため、各色毎に劣化のスピードが変わってしまいカラーバランスがくずれる。その結果、露光された画像にムラが生じ、高画質の画像を安定して得ることができなかった。また、発光層の発光スペクトルや発光効率の違いによってパワーを変え切れない場合には、不足する色について再度露光を行うといった複数回の露光が必要であった。しかも、各色の発光層に加えるパワーを変えるため、動作電圧の共通化を図ることができなかった。
【0013】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、単位面積当たりに加えられる入力パワー(駆動電流密度)及び露光時間を一定とし発光面積を変えて光量を補正し、スジムラを出さずに高画質のフルカラー画像の形成が可能な有機ELプリントヘッドを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、少なくとも一方が透光性を有する第1の電極と第2の電極の間に発光層を含む有機層を備え、前記発光層の発光によって得られるドット状の光を透光性を有する電極を介して記録媒体に選択的に照射して画像を形成する有機ELプリントヘッドにおいて、
前記第1の電極又は前記第2電極が副走査方向と平行に所定間隔おきに形成され、
主走査方向と平行に所定間隔おきに配置されたドット状の発光部を有し、該発光部からの光を異なる発光色の光として前記記録媒体に選択的に照射する2以上の発光パターン群が前記副走査方向と平行な一方の電極上に形成され、
前記各発光パターン群の各色の発光部は、駆動電流密度および露光時間が一定で前記記録媒体に照射され、主走査方向の幅が同一で、副走査方向の幅を変化させて前記記録媒体に照射される光量がカラーバランスに合う光量比に応じた発光面積で形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の有機ELプリントヘッドにおいて、
同一の発光パターン群に属する発光部が主走査方向に沿って配置され、異なる発光パターン群は副走査方向に沿って配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2の有機ELプリントヘッドにおいて、
副走査方向を長手方向として形成された複数の第1の電極が主走査方向に沿って所定間隔をおいて互いに平行に配置され、
主走査方向を長手方向として形成された複数の第2の電極が前記第1の電極に交差するように副走査方向に沿って所定間隔をおいて互いに平行に配置され、
前記各第1の電極上に発光スペクトル分布が異なる発光部が所定の順序で副走査方向に沿って配置されるとともに前記各第2の電極に沿って発光スペクトル分布が同一である発光部がそれぞれ配置されるように、前記第1の電極と前記第2の電極の間に発光スペクトルが異なる複数種類の有機発光材料が設けられたことを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、請求項2の有機ELプリントヘッドにおいて、
前記各発光パターン群の発光部は、可視域に対して発光スペクトル幅の広い材料からなり、前記発光部からの光を異なる発光色の光として前記記録媒体側に透過させるカラーフィルタを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明は、請求項3又は4の有機ELプリントヘッドにおいて、
互いに交差する前記第1の電極と前記第2の電極の組が2組設けられ、前記記録媒体に照射される光の発光スペクトル分布が同一である各組に属する発光部が主走査方向に沿って千鳥状に配置されるように構成されたことを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの有機ELプリントヘッドにおいて、
前記2以上の発光パターン群の発光部は、主走査方向の隙間を補間して前記記録媒体の主走査方向の1ラインの領域をカバーするように配置されており、
前記発光部は、副走査方向の幅を変化させて前記記録媒体に照射される光量がカラーバランスに合う光量比に応じた発光面積で形成されていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による有機ELプリントヘッドを備えた有機ELプリンタ(光プリンタ)の概略構成図、図2は有機ELプリントヘッドの第1実施の形態を示す図であり、電極構造の概略を示す模式的な平面図、図3は同有機ELプリントヘッドの部分拡大断面図であり、図2の発光ドットの部分を主走査方向に切断して副走査方向から観察した断面図である。なお、図2では封止キャップを省略している。
【0022】
まず、各実施の形態の有機ELプリントヘッド2A,2Bの構造を説明する前に、図1に基づいて有機ELプリンタ1の概略構成について説明する。
【0023】
有機ELプリンタ1は、光源としての有機ELプリントヘッド2(2A又は2B)を備えており、この有機ELプリントヘッド2から得たR,G,B3原色の光により、例えばカラーフィルム等の記録媒体Wに書き込みを1回の走査により行ってフルカラーの画像を形成するものである。
【0024】
この有機ELプリンタ1は、例えばビデオ装置等から得られるデジタルのカラー画像信号によって駆動され、記録媒体Wに画像をフルカラーでプリントするカラービデオプリンタとして利用される。その他、電子写真方式プリンタ、銀塩方式プリンタ、ラベルプリンタ等に利用できる。
【0025】
図1に示すように、有機ELプリンタ1は、所定箇所に位置決め固定された記録媒体Wに対し、矢印Aで示す副走査方向に沿って移動する有機ELプリントヘッド2の他、有機ELプリントヘッド2の発光部3からの光を記録媒体Wの面上に結像させるためのレンズ4、反射鏡5を含む単一の光学系6が筐体12に内蔵されている。
【0026】
図1に示すように、有機ELプリントヘッド2を内蔵した筐体12は、移動手段としての移動機構7によって記録媒体Wに対して副走査方向に沿って往復移動する。移動機構7は、有機ELプリントヘッド2を内蔵した筐体12を副走査方向に移動可能に案内する図示しない案内手段と、駆動ベルト8が掛け回された一対のプーリ9,9と、プーリ9,9の一方を回転させる駆動モータ10とを有している。
【0027】
有機ELプリントヘッド2を内蔵して駆動ベルト8に固定された筐体12は、駆動モータ10を駆動して駆動ベルト8を循環させれば、不図示の案内手段に案内されて副走査方向に沿って移動することができる。記録媒体Wとしてのカラーフィルムは、複数枚が所定位置に保持されており、光による書き込みが終了すると、排出機構11によって現像が行われると同時に筐体12外に排出される。
【0028】
次に、図2及び図3に基づいて第1実施の形態の有機ELプリントヘッド2Aの構造を製造工程の手順に沿って説明する。なお、図2において、発光ドットの発光パターンとしては後述する図8(b)のパターンを採用したものを図示している。
【0029】
以下に説明する各実施の形態の有機ELプリントヘッド2A,2Bは、副走査方向に千鳥状に配置された複数の発光ドットを有する発光パターン群23A,23Bを2組備え、各発光パターン群23A,23Bの発光ドットに加えられる単位面積当たりのパワー(駆動電流密度)及び露光時間を一定として発光させている。また、発光ドットの面積階調を行うことにより光量の補正を行っている。
【0030】
有機ELプリントヘッド2Aは、ガラス等の透明性および絶縁性を有する基板21を基部としており、この基板21上に透明な第1電極としての陽極22を形成する。陽極22の材質は、ITO(酸化インジウムと錫の複合酸化物)や、IDIXO(商品名:出光透明導電材料、Idemitsu Indium X-Metal Oxide 、酸化インジウムと酸化亜鉛の複合酸化物)等のように、表面の仕事関数が4.0ev以上の透明な物質で構成する。
【0031】
陽極22は次のようなパターンに形成する。陽極22は、有機ELプリントヘッド2Aの移動方向である副走査方向に平行な帯状の電極である。図2に示すように、各陽極22の上方には、G(緑)、R(赤)、B(青)の各色でドット状に発光する3つの発光層23(23a,23b,23c)が後工程で形成される。
【0032】
陽極22は複数個からなり、この複数個の陽極22は、副走査方向と直交する主走査方向に沿って所定間隔をおいて並び、列を構成する。この列は、副走査方向の位置が異なる2か所に形成される。そして、主走査方向に並ぶこの2列は、陽極22の主走査方向の位置が陽極22の主走査方向の幅よりも小さい所定の寸法だけずれて配置されている。換言すれば、副走査方向に平行な複数の帯状の陽極22は、主走査方向に沿って千鳥状又はジグザグに配置されている。
【0033】
同一の陽極22上の副走査方向に対して各色の発光ドットが所定の間隔をおいて形成されるように、基板21上に絶縁層24を形成する。図3に示すように、絶縁層24の中で、陽極22に相当する部分には発光層23の発光ドットのパターン形状に相当する寸法形状の開口部24aを設け、陽極22を露出させる。この開口部24aが各発光部3の発光層23の発光ドットを区画する枠として機能する。前記絶縁層24は、感光性ポリイミド、或いはSiO2 、SiN等を材料としてスピンコート法、蒸着法、スパッタ法等で基板21上の全面に形成する。そして、絶縁層24の一部をフォトリソ法を用いてパターニングし、前記陽極22と略同様の千鳥のパターンの開口部24aを形成する。
【0034】
発光エリアとなる前記開口部24aの上から、開口部24aを埋めるように、図3に示す有機層としてのホール注入層25とホール輸送層26を抵抗加熱蒸着法を用いて成膜する。成膜は発光エリア(開口部24a)に対応した金属マスクを基板21に密着させて行う。
【0035】
この時、ホール注入層25、ホール輸送層26には可視域に対して透明な材料が好ましい。ホール注入層25を構成するための材料としては、化学式(化1)に示すm−MTDATA、即ち4,4',4''-tris(3-methylphenylphenylamino)triphenylamineがある。ホール輸送層26を構成するための材料としては、化学式(化2)に示すTPD、即ちN,N'-diphenyl-N,N'-bis(3-methylphenyl)-1,1'-biphenyl-4,4'-diamine や、化学式(化3)に示すα−NPD、即ちN,N'−ビス−(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニルベンジジンなどがある。
【0036】
【化1】
Figure 0003687393
【0037】
【化2】
Figure 0003687393
【0038】
【化3】
Figure 0003687393
【0039】
発光エリアとなる前記開口部24aに相当する部分に、有機層としての発光層23を形成する。図2に示すように、主走査方向について同一発光色の発光層23が並び、かつ副走査方向については3色の発光層23が所定の順序で並ぶように構成する。
【0040】
更に説明すると、図2における発光層23は、緑色に発色する発光層23a、赤色に発色する発光層23b、青色に発色する発光層23cが各陽極22の絶縁層24の開口部24aに形成された2列の発光パターン群23A,23Bで構成される。この各列の発光パターン群23A,23Bは、副走査方向に対し、上から発光層23a、発光層23b、発光層23cの順に並び、同一発光色の8つの発光層が主走査方向に沿って並ぶように矩形状に形成される。上記各色の発光ドットに対応した発光層23a,23b,23cは、発光エリアを十分カバーする領域に金属マスクを介して成膜する。
【0041】
ここで、発光パターン群23A,23Bの発光部3は、主走査方向の隙間を補間して記録媒体Wの主走査方向の1ラインの領域をカバーするように千鳥状に配置される。更に説明すると、発光パターン群23A,23Bは、副走査方向から基板21の側面を見たときに、主走査方向に対して発光パターン群23Aの隣接する発光層23の間を補間するように発光パターン群23Bの発光層23が形成される。すなわち、図2において、上列の発光パターン群23Aにおける発光層23の主走査方向の幅は、副走査方向の端部が下列の発光パターン群23Bにおける発光層23の副走査方向の端部と揃う寸法、又はオーバーラップする寸法となっている。
【0042】
前記発光層23は、記録媒体Wの感光材によってフルカラー画像が形成できるように、その発光スペクトルの中心波長が感光材の感度に一致する材料を使用して形成する。
【0043】
記録媒体W(カラーフィルム)の感光材感度特性の一例を図4に示す。この図4に示す感度特性の乳剤に対応可能な有機蛍光体材料(発光層23)の例を表(表1〜表3)に示す。表1は赤色発光系材料であり、表2は緑色発光系材料であり、表3は青色発光系材料である。
【0044】
【表1】
Figure 0003687393
【0045】
【表2】
Figure 0003687393
【0046】
【表3】
Figure 0003687393
【0047】
各有機蛍光体は、その材料に応じた最適な成膜条件が存在する。それぞれ単層膜で使用したり、適当なホスト材料にドープして使用する。
【0048】
発光層23形成後、その上に必要に応じて有機層である電子輸送層27を形成するが、これも使用する有機蛍光体材料の特性に従って決定する。
【0049】
陽極22の上に積層した有機層の上に、第2電極としての陰極28を形成する。陰極28は、発光層23又は電子輸送層27との界面で電子注入が容易に行われるよう、仕事関数の小さい材料で形成する。良好な特性が得られるものとして、Li,Na,Mg,Ca等の単体、及びその化合物、或いはAl:Li,Mg:In,Mg:Ag等の各種合金が使用できる。
【0050】
陰極28は次のようなパターンに形成する。陰極28は主走査方向を長手方向とする帯状であり、陽極22と交差する部分に発光領域(例えば後述する図8(a)〜()のいずれかのパターン)がある。陰極28は、副走査方向に沿って所定間隔をおいて互いに平行に配置されている。主走査方向に並ぶ同一発光色の発光層23(23a,23b,23c)の上には、共通の陰極28(28a,28b,28c)が配設される。即ち、1本の陰極28は複数本の陽極22と交差しているが、その両電極の間には同一発光色の発光層23がある。
【0051】
陰極28形成後、水分を十分取り除いた不活性ガス中で封止部材としての封止キャップ29を基板21の上面に封着して封止を行い、有機ELプリントヘッド2Aの作製プロセスを完了する。
【0052】
次に、図5は本発明による有機ELプリントヘッドの第2実施の形態を示す図であり、電極構造の概略を示す模式的な平面図、図6は同有機ELプリントヘッドの部分拡大断面図であり、図5の発光ドットの部分を主走査方向に切断して副走査方向から観察した断面図である。なお、図5では封止キャップを省略している。
【0053】
以下、図5及び図6に基づいて第2実施の形態による有機ELプリントヘッドの構造を製造工程に従って説明する。なお、第1実施の形態と同一の構成部品には同一番号を付して説明する。また、図5において、発光ドットの発光パターンとしては後述する図8(b)のパターンを採用したものを図示している。
【0054】
図5及び図6に示すように、有機ELプリントヘッド2Bは、基板21を基部としており、この基板21上にR,G,Bのカラーフィルタ30を形成する。カラーフィルタ30は、染色法、顔料分散法、電着法、印刷法等によって形成される。カラーフィルタ30は次のようなパターンに形成する。カラーフィルタ30は、発光層23に対向して、主走査方向に平行で副走査方向に所定間隔をおいて帯状に形成する。
【0055】
図5において、カラーフィルタ30は、各発光パターン群23A,23Bにおいて、上から緑色成分の光を透過させるGフィルタ30a、赤色成分の光を透過させるRフィルタ30b、青色成分の光を透過させるBフィルタ30cの順に基板21上の副走査方向に所定間隔をおいて形成する。
【0056】
カラーフィルタ30の分光透過率特性は、画像を形成する記録媒体(カラーフィルム)Wの感度特性(例えば図4)と、発光層23に使用する有機蛍光体材料の発光スペクトル特性に合わせて膜厚、顔料組成等を調整し、一回の露光で高品位のフルカラー画像が形成できるように合わせ込む。図7はカラーフィルタ30の分光透過率特性の一例を示している。
【0057】
カラーフィルタ30の上には、平坦性を向上させるために、アクリル樹脂等のオーバーコート層31を成膜する。そして、このオーバーコート層31の上に透明な第1電極としての陽極22を形成する。
【0058】
陽極22は次のようなパターンに形成する。陽極22は、有機ELプリントヘッド2Bの移動方向である副走査方向に平行な帯状の電極である。図5に示すように、各陽極22の上方には、ドット状に発光する3つの発光層23が後工程で形成される。
【0059】
陽極22は複数個からなり、この複数個の陽極22は、副走査方向と直交する主走査方向に沿って所定間隔をおいて並び、列を構成する。この列は、副走査方向の位置が異なる2か所に形成される。そして、副走査方向に平行な複数の帯状の陽極22は、主走査方向に沿って千鳥状又はジグザグに配置されている。
【0060】
同一の陽極22上の副走査方向に対し、G,R,B各色のフィルタ30a,30b,30cと対向して発光ドットが所定の間隔をおいて形成されるように、基板21上に絶縁層24を形成する。図6に示すように、絶縁層24の中で、陽極22に相当する部分には発光層23の発光ドットのパターン形状に相当する寸法形状の開口部24aを設け、陽極22を露出させる。この開口部24aが発光層23の各発光部3の発光ドットを区画する枠として機能する。前記絶縁層24は、感光性ポリイミド、或いはSiO2 、SiN等を材料としてスピンコート法、蒸着法、スパッタ法等で基板21上の全面に形成する。そして、絶縁層24の一部をフォトリソ法を用いてパターニングし、前記陽極22と略同様の千鳥のパターンの開口部24aを形成する。
【0061】
発光エリアとなる前記開口部24aの上から、開口部24aを埋めるように、図6に示す有機層としてのホール注入層25とホール輸送層26を抵抗加熱蒸着法を用いて成膜する。成膜は発光エリア(開口部24a)に対応した金属マスクを基板21に密着させて行う。
【0062】
この時、ホール注入層25、ホール輸送層26には可視域に対して透明な材料が好ましい。ホール注入層25を構成するための材料としては、前記化学式(化1)に示すm−MTDATAがある。ホール輸送層26を構成するための材料としては、前記化学式(化2)に示すTPDや、前記化学式(化3)に示すα−NPDなどがある。
【0063】
発光エリアとなる前記開口部24aに相当する部分に、有機層としての発光層23を形成する。この発光層23は、カラーフィルタ30との組合せにより、主走査方向について同一発光色が取り出せ、かつ副走査方向については3色の発光色が所定の順序で取り出せるように形成する。
【0064】
図5に示す例において、各発光パターン群23A,23Bの発光層23は、Gフィルタ30aに対向して発光層23aが位置し、Rフィルタ30bに対向して発光層23bが位置し、Bフィルタ30cに対向して発光層23cが位置し、発光エリアを十分カバーする領域に金属マスクを介して成膜する。
【0065】
ここで、発光パターン群23A,23Bの発光部3は、主走査方向の隙間を補間して記録媒体Wの主走査方向の1ラインの領域をカバーするように配置される。更に説明すると、発光パターン群23A,23Bは、副走査方向から基板21の側面を見たときに、主走査方向に対して発光パターン群23Aの隣接する発光層23の間を補間するように発光パターン群23Bの発光層23が形成される。すなわち、図5において、上列の発光パターン群23Aにおける発光層23の主走査方向の幅は、副走査方向の端部が下列の発光パターン群23Bにおける発光層23の副走査方向の端部と揃う寸法、又はオーバーラップする寸法に形成される。
【0066】
発光層23(23a,23b,23c)は、記録媒体Wの感光材によってフルカラー画像が形成できるように、可視域に対して十分広い発光スペクトル(少なくとも450〜650nmを含む)を有する材料が使用される。
【0067】
なお、発光層23としては、カラーフィルタ30との組合せにより、R,G,Bの3色の発光色が所定の順序で取り出せればよいので、上記Alq3 の他、ポリビニールカルバゾール(PVK)に各種色素を分散した、いわゆる色素分散型の白色発光としてもよい。また、適当なホスト材料中に色素をドープし、多層化して白色発光としてもよい。上記発光層23を形成するにあたって対応可能な有機蛍光体材料の例を表4に示す。
【0068】
【表4】
Figure 0003687393
【0069】
発光層23形成後、その上に必要に応じて有機層である電子輸送層27を形成するが、これも使用する有機蛍光体材料の特性に従って決定する。
【0070】
陽極22の上に積層した有機層の上に、第2電極としての陰極28を形成する。陰極28は、発光層23又は電子輸送層27との界面で電子注入が容易に行われるよう、仕事関数の小さい材料で形成する。良好な特性が得られるものとして、Li,Na,Mg,Ca等の単体、及びその化合物、或いはAl:Li,Mg:In,Mg:Ag等の各種合金が使用できる。
【0071】
陰極28は次のようなパターンに形成する。陰極28は主走査方向を長手方向とする帯状であり、陽極22と交差する部分に発光領域(例えば後述する図8(a)〜()のいずれかのパターン)がある。陰極28は、副走査方向に沿って所定間隔をおいて互いに平行に配置されている。主走査方向に並ぶ同一発光色の発光層23(23a,23b,23c)の上には、共通の陰極28(28a,28b,28c)が配設される。即ち、1本の陰極28は複数本の陽極22と交差しているが、その両電極の間には同一発光色の発光層23がある。
【0072】
陰極28形成後、水分を十分取り除いた不活性ガス中で封止キャップ29を基板21の上面に封着して封止を行い、有機ELプリントヘッド2Bの作製プロセスを完了する。
【0073】
ここで、図8(a)〜()は上記各実施の形態の有機ELプリントヘッド2A,2Bに適用可能な発光層23の発光ドットのパターン例を示している。
【0074】
まず、図8(a)〜(c)の発光ドットのパターンでは、主走査方向の幅が等しく、副走査方向の幅を変化させて階調をもたせている。これにより、R,G,Bの各色の輝度が一定となるように発光層23a,23b,23cの発光面積を補正している。
【0077】
図8(a)において、各発光層23a,23b,23cは、1つのパターンで構成される。各発光層23a,23b,23cは、主走査方向の幅a、副走査方向の中心間の幅Lが同一寸法である。また、発光層23a,23b,23cの各パターンの副走査方向の幅c(c1,c2,c3)が異なった寸法になっている。
【0078】
図示の例では、発光層23a,23b,23cの面積比が1:3:2となるように、副走査方向の幅c(c1,c2,c3)が設定されている。この副走査方向の幅c1,c2,c3の比率は、最適なカラーバランスを得るため、使用される記録媒体Wの感度特性、発光層23に使用される材料の発光スペクトル及び発光効率、カラーフィルタ30の分光透過率特性によって決定される。
【0079】
具体的数値を示すと、各発光層23a,23b,23cのパターンは、主走査方向の幅aが0.12mmである。緑色の発色する発光層23aは、パターンの副走査方向の幅c1が0.04mmである。赤色に発色する発光層23bは、パターンの副走査方向の幅c2が0.12mmである。青色に発色する発光層23cは、パターンの副走査方向の幅c3が0.08mmである。
【0080】
図8(b)において、各発光層23a,23b,23cは、主走査方向の幅a、副走査方向の中心間の幅Lが同一寸法であり、基準面積(幅a×aのドット面積に相当)内において、発光層23a,23b,23cの各パターンの副走査方向の幅c(c1,c2,c3)が異なった寸法となっている。
【0081】
図示の例では、発光層23bが1つのパターン、発光層23aと発光層23cが2つのパターンで構成されている。そして、発光層23a,23b,23cの面積比が1:3:2となるように、各パターンの副走査方向の幅c(c1,c2,c3)が設定されている。この副走査方向の幅c1,c2,c3の比率は、最適なカラーバランスを得るため、使用される記録媒体Wの感度特性、発光層23に使用される材料の発光スペクトル及び発光効率、カラーフィルタ30の分光透過率特性によって決定される。
【0082】
具体的数値を示すと、各発光層23a,23b,23cのパターンは、主走査方向の幅aが0.12mmである。発光層23aは、2つのパターンの副走査方向の上下端の幅が0.12mm(=a)であって、1つのパターンの副走査方向の幅c1が0.02mmである。発光層23bは、副走査方向の幅c2が0.12mm(=a)である。発光層23cは、2つのパターンの副走査方向の上下端の幅が0.12mm(=a)であって、1つのパターンの副走査方向の幅c3が0.04mmである。
【0083】
図8(c)のパターンは図8(b)の変形例であり、発光面積を補正する発光層23a,23cに関し、基準面積(幅a×aのドット面積に相当)内において、発光層23a,23cを副走査方向に更に複数のパターンに分割している。
【0084】
図示の例では、発光層23bが1つのパターン、発光層23aと発光層23cが4つのパターンで構成されている。そして、発光層23a,23b,23cの面積比が1:3:2となるように、各パターンの副走査方向の幅c(c1,c2,c3)が設定されている。この副走査方向の幅c1,c2,c3の比率は、最適なカラーバランスを得るため、使用される記録媒体Wの感度特性、発光層23に使用される材料の発光スペクトル及び発光効率、カラーフィルタ30の分光透過率特性によって決定される。
【0085】
具体的数値を示すと、各発光層23a,23b,23cのパターンは、主走査方向の幅aが0.12mmである。発光層23aは、上下端に位置する2つのパターンの副走査方向の上下端の幅が0.12mm(=a)であって、1つのパターンの副走査方向の幅c1が0.01mmである。発光層23bは、副走査方向の幅c2が0.12mm(=a)である。発光層23cは、上下端に位置する2つのパターンの副走査方向の上下端の幅が0.12mm(=a)であって、1つのパターンの副走査方向の幅c3が0.02mmである。
【0089】
上記図8(a)〜()の発光パターンにおける具体的数値は、発光層23としてAlq3 を使用し、カラーフィルタ30と組み合わせた場合の輝度比、G:B:R=1:2:3に対応した面積補正を行う場合に採用することができる。
【0090】
また、上述した発光層23の発光ドットのパターンは、記録媒体Wの露光を行った際に、スジムラ等が出にくいように、有機ELプリントヘッド2A,2Bの主走査方向の幅は変えず、主走査方向に平行な非発光部を設けて補正することが好ましい。これは、有機ELプリントヘッド2が副走査方向に移動することによって記録媒体Wを順次露光していくため、主走査方向のライン欠陥が画質に影響されにくいことによる。
【0092】
以上のようにして構成される各実施の形態の有機ELプリントヘッド2(2A又は2B)を駆動する場合には、陰極28を順次走査するとともに、これに同期して陽極22にR,G,B各色の画像信号を入力する。さらにこの有機ELプリントヘッド2の駆動タイミングに同期して、記録媒体Wの同一位置にR,G,Bの画像が重なるように有機ELプリントヘッド2を副走査方向に移動させる。この有機ELプリントヘッド2の一回の移動走査により、記録媒体Wの同一箇所にR,G,Bの各色のドット状の光を必要に応じて多重露光することができる。
【0093】
そして、上記実施の形態の有機ELプリントヘッド2A,2Bによれば、蛍光表示管を利用したプリントヘッドと比較した場合に有用な下記(1)〜(6)に示す特徴を活かした上で以下に説明するような効果を奏する。
【0094】
(1)蛍光表示管を使用したプリントヘッドに比較して、消費電力が1/3〜1/5になる。
(2)基板の材厚はデバイスの大きさに関係なく1.1mm以下にでき、デバイスとしての厚さが1/3〜1/5になる。
(3)重量が1/2以下になる。
(4)デッドスペースが少なく、小型化が可能である。
(5)発光特性の変動が少なく、補正が容易である。
(6)外部カラーフィルタ切替え方式では、フルカラーの1画面を書き込みするのに3回ヘッドを移動させる必要があるのに対し、1プロセスの露光でフルカラーの色再現が可能となる。
【0095】
本実施の形態の有機ELプリントヘッド2A,2Bは、使用される記録媒体Wの感度特性、発光層23の発光スペクトル、カラーフィルタ30の分光透過率特性に応じて各発光パターン群23A,23Bにおける発光層23の発光ドットに面積階調をもたせて補正を行うので、従来のように、各発光パターン群23A,23Bの発光層23に加えられる単位面積当たりのパワー(駆動電流密度)および露光時間を可変することなく一定に保ち、全発光層23の発光輝度が最適な光量比となるように光量の補正を行うことができる。
【0096】
また、各発光パターン群23A,23Bの発光層23に加えられる単位面積当たりのパワーが一定なので、動作電圧の共通化が図れるとともに、各発光層23の劣化スピードを均一にすることができる。その結果、カラーバランスも変化しないので、色再現性に優れた高画質の画像を安定して得ることができる。
【0097】
そして、図8(a)に示す発光パターンを各実施の形態の有機ELプリントヘッド2A,2Bの発光層23の発光ドットに採用した場合、発光パターン群23A,23Bの発光部3(発光層23)は、各色の主走査方向の寸法が同一なので、主走査方向のライン欠陥の影響が小さく、スジムラの少ない画像を得ることができる。
【0098】
特に、図8(b))のいずれかの発光パターンを各実施の形態の有機ELプリントヘッド2A,2Bの発光層23に採用した場合、発光パターン群23A,23Bの発光部3(発光層23)は、副走査方向のドット寸法が変らず、各色の主走査方向の寸法が同一であり、基準面積内で副走査方向の幅が分割される構成なので、解像度を犠牲にせず、主走査方向及び副走査方向のライン欠陥の影響が小さくなり、更にスジムラの影響が小さい高画質の画像を得ることができる。
【0099】
このように、各実施の形態の有機ELプリントヘッド2A,2Bでは、発光ドットのラインをR(赤)、G(緑)、B(青)の3系列設けることによってフルカラー化を実現し、かつ各色のラインを千鳥状に配置することによって高精細化を実現している。そして、上述した発光ドットの面積階調により各発光ドットの光量の均一化を図り、これによってヘッドを副走査方向に1回移動させるだけで良好な画質のフルカラー画像を形成することができる。
【0100】
ところで、上述した各実施の形態では、所定箇所に位置決め固定された記録媒体Wに対し、有機ELプリントヘッド2(2A又は2B)を副走査方向に往復移動させて記録媒体Wに所望の面露光を行う構成としたが、有機ELプリントヘッド2を所定箇所に位置決め固定し、この位置決め固定された有機ELプリントヘッド2に対して記録媒体Wを副走査方向に移動する構成としてもよい。すなわち、有機ELプリントヘッド2と記録媒体Wとは、副走査方向に対して相対的に移動できる構成であればよい。
【0101】
また、第2実施の形態の有機ELプリントヘッド2Bでは、カラーフィルタ30を基板21の内面側に形成した構成について説明したが、カラーフィルタ30を基板21の外側に形成してもよい。この場合、フィルム状のカラーフィルタを使用することも可能である。
【0102】
更に、上記各実施の形態では、有機ELプリントヘッド2A,2Bとして、発光ドットを千鳥状に配置した構成について説明したが、主走査方向に同一色の発光ドットが1列に並ぶように配置してもよい。また、発光ドットは、主走査方向に平行に2列形成したものに限らず、2列以上形成してもよい。
【0103】
また、各実施の形態では、第1の電極を陽極22とし、第2の電極を陰極28として説明したが、陽極22と陰極28を逆転させた構成としてもよく、その場合、有機層の積層構造を逆転した構成とし、封止部材としての封止キャップ29をガラス等の透光性材料で形成する。
【0104】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、各発光層に加えられる単位面積当たりのパワー(駆動電流密度)を一定に保ち、全発光層の発光輝度が最適な光量比となるように光量の補正を行うことができる。
【0105】
また、各発光層に加えられる単位面積当たりのパワーが一定なので、動作電圧の共通化が図れるとともに、各発光層の劣化スピードを均一にすることができる。その結果、カラーバランスも変化しないので、色再現性に優れた高画質の画像を安定して得ることができる。
【0106】
特に、請求項6の有機ELプリントヘッドによれば、発光パターン群の発光部は、主走査方向の隙間を補間するように配置されるので、主走査方向のライン欠陥の影響が小さく、スジムラの少ない画像を得ることができる。
【0108】
このように、本発明の有機ELプリントヘッドによれば、上述した発光ドットの面積階調により各発光ドットの光量の均一化を図り、これによってヘッド又は記録媒体を副走査方向に1回移動させるだけで良好な画質のフルカラー画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による有機ELプリントヘッドを備えた有機ELプリンタの概略構成図
【図2】 本発明による有機ELプリントヘッドの第1実施の形態を示す平面図
【図3】 図2において、発光ドットの部分を主走査方向に切断して副走査方向から観察した部分拡大断面図
【図4】 記録媒体の赤、緑、青の各色の感光材感度特性の一例を示す図
【図5】 本発明による有機ELプリントヘッドの第2実施の形態を示す平面図
【図6】 図5において、発光ドットの部分を主走査方向に切断して副走査方向から観察した部分拡大断面図
【図7】 図5の有機ELプリントヘッドに採用されるカラーフィルタの分光透過率特性の一例を示す図
【図8】 (a)〜()発光層の発光パターン例を示す図
【図9】 特開平9−226172号公報に開示される有機ELアレイプリントヘッドの構成図
【図10】 同ヘッドの平面図
【図11】 図10のA−A線断面図
【図12】 各研究機関から公表されている輝度半減時間(寿命)を初期輝度に対してプロットした図
【符号の説明】
2(2A,2B)…有機ELプリントヘッド、3…発光部、21…基板、22…陽極、23(23a,23b,23c)…発光層、23A,23B…発光パターン群、28(28a,28b,28c)…陰極、30…カラーフィルタ。

Claims (6)

  1. 少なくとも一方が透光性を有する第1の電極と第2の電極の間に発光層を含む有機層を備え、前記発光層の発光によって得られるドット状の光を透光性を有する電極を介して記録媒体に選択的に照射して画像を形成する有機ELプリントヘッドにおいて、
    前記第1の電極又は前記第2電極が副走査方向と平行に所定間隔おきに形成され、
    主走査方向と平行に所定間隔おきに配置されたドット状の発光部を有し、該発光部からの光を異なる発光色の光として前記記録媒体に選択的に照射する2以上の発光パターン群が前記副走査方向と平行な一方の電極上に形成され、
    前記各発光パターン群の各色の発光部は、駆動電流密度および露光時間が一定で前記記録媒体に照射され、主走査方向の幅が同一で、副走査方向の幅を変化させて前記記録媒体に照射される光量がカラーバランスに合う光量比に応じた発光面積で形成されていることを特徴とする有機ELプリントヘッド。
  2. 同一の発光パターン群に属する発光部が主走査方向に沿って配置され、異なる発光パターン群は副走査方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1記載の有機ELプリントヘッド。
  3. 副走査方向を長手方向として形成された複数の第1の電極が主走査方向に沿って所定間隔をおいて互いに平行に配置され、
    主走査方向を長手方向として形成された複数の第2の電極が前記第1の電極に交差するように副走査方向に沿って所定間隔をおいて互いに平行に配置され、
    前記各第1の電極上に発光スペクトル分布が異なる発光部が所定の順序で副走査方向に沿って配置されるとともに前記各第2の電極に沿って発光スペクトル分布が同一である発光部がそれぞれ配置されるように、前記第1の電極と前記第2の電極の間に発光スペクトルが異なる複数種類の有機発光材料が設けられたことを特徴とする請求項2記載の有機ELプリントヘッド。
  4. 前記各発光パターン群の発光部は、可視域に対して発光スペクトル幅の広い材料からなり、前記発光部からの光を異なる発光色の光として前記記録媒体側に透過させるカラーフィルタを備えたことを特徴とする請求項2記載の有機ELプリントヘッド。
  5. 互いに交差する前記第1の電極と前記第2の電極の組が2組設けられ、前記記録媒体に照射される光の発光スペクトル分布が同一である各組に属する発光部が主走査方向に沿って千鳥状に配置されるように構成されたことを特徴とする請求項3又は4記載の有機ELプリントヘッド。
  6. 前記2以上の発光パターン群の発光部は、主走査方向の隙間を補間して前記記録媒体の主走査方向の1ラインの領域をカバーするように配置されており、
    前記発光部は、副走査方向の幅を変化させて前記記録媒体に照射される光量がカラーバランスに合う光量比に応じた発光面積で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機ELプリントヘッド。
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