JP2002151249A - 有機発光装置 - Google Patents

有機発光装置

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JP2002151249A
JP2002151249A JP2000338424A JP2000338424A JP2002151249A JP 2002151249 A JP2002151249 A JP 2002151249A JP 2000338424 A JP2000338424 A JP 2000338424A JP 2000338424 A JP2000338424 A JP 2000338424A JP 2002151249 A JP2002151249 A JP 2002151249A
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和則 上野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定められた受光面を照らす有機発光装置にお
いて、与えられた画像データに忠実な照度分布を受光面
に与えることのできる有機発光装置を提供すること。 【解決手段】 透光性基板10上に、有機エレクトロル
ミネセンス素子が複数個形成され、定められた受光面を
照らす有機発光装置において、前記有機発光装置が照ら
す受光面に対して個々の前記有機エレクトロルミネセン
ス素子が一定信号入力時に与える放射照度で規定される
素子照度のばらつきを抑制するよう前記透光性基板を構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
等の電子写真方式の画像形成装置における露光装置、あ
るいはディスプレイにおける発光装置、またあるいは画
像読み取り装置の原稿照明光源、等に利用される有機発
光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、微小な発光素子を複数配列し、各
素子の発光を個別に制御可能な発光装置は、ディスプレ
イ等の表示機器のパネルやバックライトとして、あるい
は複写機、プリンタ等の画像形成装置の内部の書き込み
ヘッドとして、あるいは画像読み取り装置の原稿照明光
源として用いられている。
【0003】このような発光装置として、GaAsやA
lInGaPのような無機半導体結晶からなるLED
(ライト・エミッティング・ダイオード)を一次元的、
又は二次元的に配列したり、基板上にZnS等の無機材
料の薄膜を成膜し、それをパターニングして発光素子を
形成する等の手段で作られたものが広く用いられてい
る。
【0004】LEDを用いたディスプレイ装置として
は、個々のLEDを二次元的に配列して構成する数メー
トル角ほどの屋外大型ディスプレイ装置が実用化されて
いる。
【0005】また、一つのLED上に微小な発光部を多
数設けたものを一次元的に並べて構成された複写機、プ
リンタ等の画像形成装置の内部の書き込みヘッドも実用
化されている。
【0006】しかしながら、個々のLEDを配列する方
法は、装置の小型化が困難であったり、配列精度を上げ
ることが困難であったりという問題を有している。基板
上にZnS等の無機材料の薄膜を成膜し、それをパター
ニングして発光素子を形成する方法は、フォトリソグラ
フィ等の方法で高精度にパターニングが可能なため装置
の小型化に適し、上述の問題は少ないが、電子機器の設
計に都合のよい低電圧の直流で駆動できない等の問題が
ある。
【0007】一方、近年、大面積の基板上に薄膜で形成
でき、かつ直流駆動可能な有機EL素子(有機エレクト
ロルミネセンス素子)が開発されてきている。そして上
述の問題を解決するため、有機EL素子を一次元的、又
は二次元的に配列した有機発光装置を前記発光装置とし
て用いることが提案されてきている。
【0008】図7に典型的な有機EL素子の構成を示
す。10は透光性基板、11は第1電極、12発光層、
15は第2電極である。一般に発光層12には単層、多
層構造のいずれも用いられているが、図7では二層構造
の例を示している。この場合、発光層12は正孔輸送層
と電子輸送層からなるが、13が正孔輸送層で14が電
子輸送層の場合、第1電極11は陽極で第2電極15は
陰極である。13が電子輸送層で14が正孔輸送層の場
合には電極も逆となる。
【0009】有機EL素子の陽極と陰極に電圧が印加さ
れると、陽極から正孔輸送層に注入された正孔と、陰極
から電子輸送層に注入された電子とが再結合し、発光を
生じる。
【0010】このような有機EL素子で形成した微小な
発光部である画素を複数配列し、各画素の発光を個別に
制御可能な有機発光装置は、ディスプレイ等の表示機器
のパネルやバックライトとして、あるいは複写機、プリ
ンタ等の画像形成装置の内部の書き込みヘッドとして、
あるいは画像読み取り装置の原稿照明光源としてすでに
いろいろ提案されている。
【0011】図8にこのような装置の一例として、有機
発光装置を用いたプリンタの概略構成図を示す。111
は像担持体であり、一般に回転ドラム型の電子写真感光
体が広く用いられている。112は帯電装置、113は
現像装置、114は転写装置、115は定着装置、11
6はクリーニング装置である。117はプリンタヘッド
であり、118の有機発光装置と119のロッドレンズ
アレイを含む。120は転写体であり、多くの場合に紙
が用いられる。また、S1は定着装置115の電源回
路、S2は現像装置113の電源回路、S3は転写装置1
14の電源回路である。
【0012】像担持体111上を帯電装置112により
一様に帯電する。出力される画像情報の時系列電気デジ
タル画像信号の入力が、プリンタヘッド117によって
像担持体111に露光され、像担持体111上に目的の
画像情報に対応した静電潜像が形成される。その静電潜
像は絶縁トナーを用いた現像装置113によりトナー画
像として現像される。
【0013】その後、像担持体111と、これに所定の
圧力で当接させた転写装置114との圧接ニップ部(転
写部)に、不図示の給紙部から記録媒体としての転写体
120が所定のタイミングにて導入され、所定の転写バ
イアス電圧を印加されトナー画像の転写をうける。トナ
ー画像の転写をうけた転写体120は熱定着方式等の定
着装置115へ導入されてトナー画像の定着をうけ、画
像形成物(印刷物)として装置外へ排出される。
【0014】転写体120に対するトナー画像転写後の
像担持体111は、クリーニング装置116により残留
トナー等の付着汚染物を除去され、繰り返して作業に供
される。
【0015】図9にプリンタヘッド117のより詳細な
構造を示す。202は発光部、203は駆動回路であ
る。また、210はロッドレンズアレイ119を構成す
るロッドレンズである。
【0016】有機発光装置118は、透光性基板10上
に複数の有機EL素子を一列に配置して形成された発光
部202と、これら発光部202を駆動する複数の駆動
用薄膜トランジスタよりなる駆動回路203からなる。
駆動回路203から入力された所定の駆動信号に応じて
有機発光装置の発光部202は発光し、発生光はロッド
レンズアレイ119を経て像担持体の表面を照らし、静
電潜像を形成する。
【0017】有機発光装置は、ガラス等の透光性基板上
に、蒸着やスパッタ等の真空プロセスや、スピンコート
やディップコートのような塗布プロセス等を用いて、電
極となる金属やインジウム/スズ酸化物、有機発光層と
なる有機電子輸送材料や有機正孔輸送材料等を成膜、パ
ターニングすることによって得られる。充分大きな基板
を用いれば、有機発光装置全体を一枚の基板で作ること
が可能であり、従来のLEDアレイのように切り出した
チップを並べるようなことは必要ない。従って、有機発
光装置をプリンタヘッドとして用いれば、レーザビーム
方式のようなポリゴンミラー等は不要で、LEDアレイ
方式のようなチップ間段差の問題も解決され、小型化、
高精細化及び低価格化が可能となる。
【0018】なお、前記有機発光層とは、一種類以上の
有機物質を積層させ、そこに電流を流すと再結合による
発光を起こす構成をとった発光層を指す。
【0019】図10は有機発光装置118の駆動回路の
概念図である。204は第1薄膜トランジスタ(アドレ
ストランジスタ)、205はコンデンサ、206は第2
薄膜トランジスタ(駆動トランジスタ)である。
【0020】BLK1及びBLK2は各第1薄膜トラン
ジスタ204のソース部に接続された共通電極とその引
き出し線、MTX1、MTX2及びMTX3は各第1薄
膜トランジスタ204のゲート部に接続されたマトリク
ス電極である。
【0021】図11は、図10に示した有機発光装置の
A−A'に沿う断面を示す図である。
【0022】各有機EL素子の第1電極11及び第2電
極15を用いて有機発光層12に電流を流すと、正孔と
電子の再結合によって、各有機EL素子がそれぞれ発光
する。この発生光は、透光性基板10を通して外部に取
り出される。
【0023】このとき各有機EL素子の発光強度は、基
本的には各有機EL素子の陽極と陰極に印加する電圧に
応じて、あるいは陽極から陰極に流す電流に応じて変化
する。これらの電圧や電流を、所望の画像データに応じ
て変化させれば、それに応じて各有機EL素子の発光強
度が変化し、その発生光がロッドレンズアレイを経て像
担持体の表面に照射され、所望の画像の静電潜像を像担
持体表面上に形成する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところが、形成される
画像の高品位化を求めると、形成したい画像のデータに
いかに忠実な静電潜像が得られるかが問題となってく
る。
【0025】各有機EL素子の発光強度は、基本的には
上述のように画像データに基づいて個別に制御が可能で
あるが、各有機EL素子の有機発光層の各層の厚さや各
層間の界面の出来具合、あるいは、有機EL素子を駆動
するために設けられた駆動回路の特性等の、様々な要因
によって影響をうける。
【0026】つまり、複数の有機EL素子のそれぞれを
全て発光強度が等しくなるように作成したつもりでも、
それぞれの有機EL素子の実際の発光強度が予想よりも
微妙に異なっている場合がある。
【0027】その場合、そのような微妙な差異が原因と
なり、例えば均一な白なら白、黒なら黒、灰色なら灰
色、の画像を得ようとして均一な画像データによって駆
動しても、必ずしも均一な画像が得られない。すると例
えば電子写真式の画像形成装置であれば、紙や透明フィ
ルム等の上に表現される像(文字を含む)、あるいはデ
ィスプレイ等の画像形成装置であれば、表示画面に表現
される像(文字を含む)が表現したい像とは違ってくる
ことがある。
【0028】このことは、単に文字や記号を出力するだ
けでなく、中間調を有した画像を高品位に出力しようと
する場合に特に問題になる。特に天然色画像を形成しよ
うとする場合は、画像データと実際に得られる画像の違
いが、イエロー、マゼンタ、シアン、クロ等の各色の濃
度の違いとなり、それが重ね合わされて天然色となる際
に色むらとなって現れる。これは非常に人間の目に付き
やすく、画像品位を落とす大きな要因となる。このよう
な場合に要求される忠実度は、一説には±3%以内とも
いわれている。
【0029】このようなことは上述のプリンタ装置に限
らず、複写機等に使われる電子写真方式の画像形成装置
における露光装置、あるいはディスプレイにおける発光
装置、またあるいは画像読み取り装置の原稿照明光源等
の、有機発光装置を用いた装置に対しても生じる問題で
ある。
【0030】本発明は、かかる課題に鑑みてなされたも
のであり、透光性基板と、透光性基板の一方の面に積層
して設けられた複数の有機EL素子とを有する有機発光
装置において、複数の有機EL素子の形成時には制御が
非常に困難なそれぞれの有機EL素子の発光強度のばら
つきを補い、高性能な有機発光装置を提供することを目
的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1に記載の発明は、透光性基板と、前記透光性
基板の一方の面に積層して設けられた複数の有機エレク
トロルミネセンス素子とを有し、定められた受光面を照
らす有機発光装置において、前記有機発光装置が照らす
前記受光面に対して個々の前記有機エレクトロルミネセ
ンス素子が一定信号入力時に与える放射照度で規定され
る素子照度のばらつきを補整する素子照度補整手段を有
すること、を特徴とする。
【0032】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の有機発光装置において、前記素子照度補整手段は、前
記有機エレクトロルミネセンス素子から発せられる光で
規定される発生光に対する吸収の大きさが位置によって
異なる吸収制御層を構成要素として含む前記透光性基板
であること、を好ましい態様として含むものである。
【0033】このような構成によれば、前記透光性基板
を前記素子照度補整手段として用いるため、少ない部品
点数で本発明の前記有機発光装置を作成する事ができ
る。
【0034】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の有機発光装置において、前記吸収制御層の前記発生光
に対する吸収の大きさの位置による違いが、個々の前記
有機エレクトロルミネセンス素子が一定信号入力時に生
じる発光の強度の測定値に依らず、定まったパターンで
与えられていること、を好ましい態様として含むもので
ある。
【0035】このような構成によれば、後述のようなあ
る一定のパターンで生じる前記有機エレクトロルミネセ
ンス素子の発光強度のばらつきに起因する素子照度のば
らつきを補整することができる前記透光性基板が、低コ
ストで作製可能となる。
【0036】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の有機発光装置において、前記吸収制御層の前記発生光
に対する吸収の大きさの位置による違いが、個々の前記
有機エレクトロルミネセンス素子が一定信号入力時に生
じる発光の強度の測定値に応じて与えられていること、
を好ましい態様として含むものである。
【0037】このような構成によれば、後述のような製
作する前記有機発光装置毎にランダムに様子が異なる発
光強度のばらつきに起因する前記素子照度のばらつきを
補整することができる、前記透光性基板が作製可能とな
る。
【0038】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の有機発光装置において、前記吸収制御層は、前記透光
性基板の前記有機エレクトロルミネセンス素子が形成さ
れた面と反対側の面に、スクリーン印刷により吸収物質
を位置によって濃淡をつけて印刷することで形成されて
いること、を好ましい態様として含むものである。
【0039】前記吸収物質とは、受光面に到達する前記
発生光のエネルギーを吸収や散乱などによって減衰させ
る物質を指す。
【0040】このような構成によれば、前記有機エレク
トロルミネセンス素子からの前記発生光は、前記吸収制
御層に印刷された前記吸収物質の濃度に応じたエネルギ
ーの減衰を受けるため、前記素子照度のばらつきを補整
することができる、前記透光性基板が作製可能となる。
さらに、このような構成によれば、前記吸収制御層を容
易に、短時間で、低コストで形成することができる。
【0041】請求項6に記載の発明は、請求項3に記載
の有機発光装置において、前記吸収制御層は、前記透光
性基板の前記有機エレクトロルミネセンス素子が形成さ
れた面と反対側の面に、荒さが位置によって異なる凹凸
をつけて形成されていること、を好ましい態様として含
むものである。
【0042】このような構成によれば、前記吸収制御層
の散乱係数が位置によって異なることになり、所定の方
向に通過する光の強度が調節され、前記透光性基板から
所定方向に出射する光の強度によって影響を受ける前記
素子照度のばらつきを補整する事ができる。
【0043】請求項7に記載の発明は、請求項3に記載
の有機発光装置において、前記吸収制御層は、前記吸収
制御層の内部に、前記吸収制御部を位置によって異なる
密度で分散させていること、を好ましい態様として含む
ものであり、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の有機発光装置において、前記吸収制御部は、不透明粉
体又は金属イオン又は屈折率変化部分又は微小クラック
のうちの少なくともいずれか1つであること、を好まし
い態様として含むものである。
【0044】前記吸収制御部とは、前記発生光のエネル
ギーを吸収や散乱などによって減衰させる部分を指す。
【0045】前記屈折率変化部分とは、レーザの集光点
などを用いて故意に形成した、周囲の屈折率とは異なる
屈折率をもつ微小領域を指す。
【0046】このような構成によれば、前記有機エレク
トロルミネセンス素子からの前記発生光は、前記吸収制
御層の内部に、位置によって異なる密度で分散している
前記吸収制御部によって、前記吸収制御部の密度に応じ
たエネルギーの減衰を受けるため、前記素子照度のばら
つきを補整することができる、前記透光性基板が作製可
能となる。
【0047】請求項9に記載の発明は、請求項3に記載
の有機発光装置において、前記吸収制御層は、前記透光
性基板の前記有機エレクトロルミネセンス素子が形成さ
れた面と反対側の面に、インクジェット装置を用いてイ
ンク滴を位置によって濃淡をつけて付着することにより
形成されていること、を好ましい態様として含むもので
ある。
【0048】このような構成によれば、前記有機エレク
トロルミネセンス素子からの前記発生光は、前記吸収制
御層にインクジェット装置を用いて位置によって濃淡を
つけて付着されたインク滴の濃度に応じたエネルギーの
減衰を受けるため、前記素子照度のばらつきを補整する
ことができる、前記透光性基板が作製可能となる。
【0049】請求項10に記載の発明は、請求項4に記
載の有機発光装置において、前記吸収制御層は、前記透
光性基板の前記有機エレクトロルミネセンス素子が形成
された面と反対側の面に、インクジェット装置を用いて
インク滴を位置によって濃淡をつけて付着することによ
り形成され、該濃淡は、それぞれの前記有機エレクトロ
ルミネセンス素子に対向する位置において前記有機エレ
クトロルミネセンス素子の発光の強度に比例した濃さを
与えていること、を好ましい態様として含むものであ
る。
【0050】このような構成によれば、製作する前記有
機発光装置毎にランダムに有機エレクトロルミネセンス
素子の発光強度のばらつきが異なっていても、夫々の前
記有機発光装置に対して最適な吸収係数の分布をもつ前
記吸収制御層を容易に形成することができる。
【0051】上記課題を解決するための請求項11に記
載の発明は、透光性基板と、前記透光性基板の一方の面
に積層して設けられた複数の有機エレクトロルミネセン
ス素子とを有する有機発光装置において、個々の前記有
機エレクトロルミネセンス素子が一定信号入力時に発す
る光のうち、前記透光性基板の前記有機エレクトロルミ
ネセンス素子が形成された面と反対側の面から外部へ出
射する光の強度で規定される出射光強度のばらつきを補
整する光量分布均一手段を有することを特徴とする。
【0052】請求項12に記載の発明は、請求項11に
記載の有機発光装置において、前記光量分布均一手段
は、前記有機エレクトロルミネセンス素子から発せられ
る光で規定される発生光に対する吸収の大きさが位置に
よって異なる吸収制御層を構成要素として含む前記透光
性基板であること、を好ましい態様として含むものであ
る。
【0053】このような構成によれば、前記透光性基板
を前記光量分布均一手段として用いるため、少ない部品
点数で本発明の前記有機発光装置を作成する事ができ
る。
【0054】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載の有機発光装置において、前記吸収制御層の前記発
生光に対する吸収の大きさの位置による違いが、個々の
前記有機エレクトロルミネセンス素子が一定信号入力時
に生じる発光の強度の測定値に依らず、定まったパター
ンで与えられていること、を好ましい態様として含むも
のである。
【0055】このような構成によれば、後述のようなあ
る一定のパターンで生じる前記有機エレクトロルミネセ
ンス素子の発光強度のばらつきに起因する前記出射光強
度のばらつきを補整することができる前記透光性基板
が、低コストで作製可能となる。
【0056】請求項14に記載の発明は、請求項12に
記載の有機発光装置において、前記吸収制御層の前記発
生光に対する吸収の大きさの位置による違いが、個々の
前記有機エレクトロルミネセンス素子が一定信号入力時
に生じる発光の強度の測定値に応じて与えられているこ
と、を好ましい態様として含むものである。
【0057】このような構成によれば、後述のような製
作する前記有機発光装置毎にランダムに様子が異なる発
光強度のばらつきに起因する前記素子照度のばらつきを
補整することができる、前記透光性基板が作製可能とな
る。
【0058】請求項15に記載の発明は、請求項13に
記載の有機発光装置において、前記吸収制御層は、前記
透光性基板の前記有機エレクトロルミネセンス素子が形
成された面と反対側の面に、スクリーン印刷により吸収
物質を位置によって濃淡をつけて印刷することで形成さ
れていること、を好ましい態様として含むものである。
【0059】このような構成によれば、前記有機エレク
トロルミネセンス素子からの前記発生光は、前記吸収制
御層に印刷された吸収物質の濃度に応じたエネルギーの
減衰を受けるため、前記出射光強度のばらつきを補整す
ることができる、前記透光性基板が作製可能となる。さ
らに、このような構成によれば、前記吸収制御層を容易
に、短時間で、低コストで形成することができる。
【0060】請求項16に記載の発明は、請求項13に
記載の有機発光装置において、前記吸収制御層は、前記
吸収制御層の内部に、吸収制御部を位置によって異なる
密度で分散させていること、を好ましい態様として含む
ものであり、請求項17に記載の発明は、請求項16に
記載の有機発光装置において、前記吸収制御部は、不透
明粉体又は金属イオン又は屈折率変化部分又は微小クラ
ックのうちの少なくともいずれか1つであること、を好
ましい態様として含むものである。
【0061】このような構成によれば、前記有機エレク
トロルミネセンス素子からの前記発生光は、前記吸収制
御層の内部に、位置によって異なる密度で分散している
前記吸収制御部によって、前記吸収制御部の密度に応じ
たエネルギーの減衰を受けるため、前記出射光強度のば
らつきを補整することができる、前記透光性基板が作製
可能となる。
【0062】請求項18に記載の発明は、請求項13に
記載の有機発光装置において、前記吸収制御層は、前記
透光性基板の前記有機エレクトロルミネセンス素子が形
成された面と反対側の面に、インクジェット装置を用い
てインク滴を位置によって濃淡をつけて付着することに
より形成されていること、を好ましい態様として含むも
のである。
【0063】このような構成によれば、前記有機エレク
トロルミネセンス素子からの前記発生光は、前記吸収制
御層にインクジェット装置を用いて位置によって濃淡を
つけて付着されたインク滴の濃度に応じたエネルギーの
減衰を受けるため、前記出射光強度のばらつきを補整す
ることができる、前記透光性基板が作製可能となる。
【0064】請求項19に記載の発明は、請求項14に
記載の有機発光装置において、前記吸収制御層は、前記
透光性基板の前記有機エレクトロルミネセンス素子が形
成された面と反対側の面に、インクジェット装置を用い
てインク滴を位置によって濃淡をつけて付着することに
より形成され、該濃淡は、それぞれの前記有機エレクト
ロルミネセンス素子に対向する位置において前記有機エ
レクトロルミネセンス素子の発光の強度に比例した濃さ
を与えていること、を好ましい態様として含むものであ
る。
【0065】このような構成によれば、製作する前記有
機発光装置毎にランダムに有機エレクトロルミネセンス
素子の発光強度のばらつきが異なっていても、夫々の前
記有機発光装置に対して最適な吸収係数の分布をもつ前
記吸収制御層を容易に形成することができる。
【0066】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0067】(実施の形態1)第1の実施の形態を説明
する。図1に本実施の形態の有機発光装置の概念図を示
す。10は透光性基板、11は第1電極、12は有機発
光層、15は第2電極である。また、20は吸収物質な
どを故意に添加していない、透光性を持つ基板である透
明基板、21は素子照度補正手段及び光量分布均一手段
の具体例である吸収制御層である。
【0068】本実施の形態においては、透明基板20の
有機EL素子が形成された面とは反対側に、吸収制御層
21がスクリーン印刷により形成されている。該吸収制
御層21には、吸収物質が基板中央部では濃度が低く、
基板周辺部では濃度が高く印刷してある。
【0069】有機発光層を構成する、正孔輸送層や電子
輸送層等は、それぞれ真空蒸着により形成されている。
その際、真空装置内の蒸着斑により、各層の厚さは定ま
ったパターンの斑を有している。そのため例えば、基板
中央部近くに位置する有機EL素子では各層が比較的厚
く、基板周辺部近くに位置する有機EL素子では各層が
比較的薄く形成される傾向を示す場合がある。
【0070】このような場合、各有機EL素子に同一電
圧がかかるように駆動した場合、基板中央部近くに位置
する有機EL素子では電流が流れにくいためにやや発光
強度が低くなり、基板周辺部近くに位置する有機EL素
子では電流が流れやすいためにやや発光強度が高くな
る。
【0071】このような有機EL素子の発光強度のばら
つきが生じていても、本実施の形態のような構成で吸収
制御層を設けることによって、各有機EL素子からの発
生光は吸収制御層に印刷された吸収物質の濃度に応じた
エネルギーの減衰を受けるため、素子照度や出射光強度
のばらつきが補整され、画像データにより忠実な出力が
得られる。また、スクリーン印刷により吸収物質を濃淡
をつけて印刷する方法を用いることで、このような吸収
制御層を容易に、短時間で、低コストで形成することが
できることも長所の1つである。
【0072】本実施の形態を含む、吸収制御層の前記発
生光に対する吸収の大きさの位置による違いを、個々の
前記有機EL素子が一定信号入力時に生じる発光の強度
の測定値に依らず、定まったパターンで与える形態にお
いても、実際に吸収制御層を形成する際には、まず有機
発光装置の生産に用いる条件下においてサンプルを生産
し、そのサンプルの発光強度の分布を測定し、それに応
じて吸収制御層に印刷する吸収物質の濃淡パターンや吸
収制御層に設ける凹凸のパターン等を決定するのが好ま
しい。以後の生産においては、そのパターンによって有
機発光装置の吸収制御層を形成すれば良い。また、量産
時に生産条件が経時変化を起こし、製品である有機発光
装置の発光強度の分布もそれに応じて変化する場合に
は、一定時間ごとに製品のサンプルを抽出し、そのサン
プルの発光強度の分布の測定値に応じてパターンを変化
させれば良い。
【0073】なお、本発明においては、透光性基板側か
ら発生光を取り出す構成であるため、少なくとも第1電
極11は発生光に対して透明であることが好ましい。
【0074】本実施の形態において吸収制御層は、発光
強度の大きな有機EL素子に対向する位置や、発光強度
の小さな有機EL素子に対向する位置に応じて濃淡をつ
けて全面にわたって設けられている。しかし、この他に
も例えば、発光強度が大きな有機EL素子と対向する位
置だけに選択的に吸収制御層を設ける形態でも良い。
【0075】(実施の形態2)次に第2の実施の形態を
説明する。図2に本実施の形態の有機発光装置の概念図
を示す。
【0076】第1の実施の形態とは逆に、本実施の形態
においては、吸収制御層21には吸収物質が基板中央部
では濃度が高く、基板周辺部では濃度が低く印刷されて
いる。
【0077】真空装置内の蒸着むらによる発光強度のば
らつきは、必ずしも基板中央部近くに位置する有機EL
素子で発光強度が高く、基板周辺部近くに位置する有機
EL素子で発光強度が低くなるとは限らない。真空装置
内の蒸発源の位置や基板の位置、蒸着中に蒸発源や基板
が固定であるか相対的に移動させながら均一化を図る
か、等の要因により異なる。また、正孔輸送層や電子輸
送層を成膜する方法は真空蒸着に限らず、スピンコート
やディップコート等の塗布法などが考えられるが、これ
ら成膜法の違いによっても発光強度のばらつきの様子は
異なってくる。
【0078】このような様々な要因によって、第1の実
施の形態に述べた傾向とは逆に、基板中央部近くに位置
する有機EL素子で発光強度が低く、基板周辺部近くに
位置する有機EL素子で発光強度が高くなり、素子照度
や出射光強度にばらつきを生ずる場合がある。
【0079】本実施の形態のように構成することで、こ
のような場合の素子照度や出射光強度のばらつきも補整
することが可能となる。
【0080】(実施の形態3)次に第3の実施の形態を
説明する。図3に本実施の形態の有機発光装置の概念図
を示す。
【0081】本実施の形態においては、吸収制御層21
の表面には基板中央部では比較的平滑に、基板周辺部で
は比較的荒れた形で凹凸が形成されている。
【0082】このような吸収制御層は、例えば基板表面
に塗布した有機層に紫外線を照射し、その紫外線強度や
照射時間、あるいは照射パターンを基板中央部と基板周
辺部とで変え、それによって有機層内の分子の結合状態
を変える方法で実現することができる。あるいは中央部
は平滑に、周辺部は荒れた状態に形成された表面を持つ
型によるスタンピングによっても形成可能である。その
他、各種の方法によって形成可能である。
【0083】本実施の形態のように、表面に凹凸を付け
て形成された吸収制御層を用いれば、吸収制御層の散乱
係数が位置によって異なることになり、所定の方向に通
過する光の強度が調節され、透光性基板から所定方向に
出射する光の強度によって影響を受ける素子照度のばら
つきを補整する事ができ、与えられた画像データに忠実
な照度分布を受光面に与えることのできる有機発光装置
を提供することができる。また本実施形態のように凹凸
からなる吸収制御層を透光性基板に設ける形態の他に後
述の第5の実施の形態のように、透光性基板自体がその
面を凹凸形状にする形態でも良い。
【0084】また凹凸は、本実施の形態のように発光強
度の大きな有機EL素子に対向する位置や、発光強度の
小さな有機EL素子に対向する位置に応じて荒さを変え
て全面にわたって設けてあっても良いが、発光強度の大
きな有機EL素子と対向する位置だけに設けられても良
い。
【0085】またあるいは、凹凸は光の散乱を利用する
ものであり、発光強度の大きな有機EL素子と対向する
位置において、光の強度を散乱によって減らすだけでな
く、散乱させた光が、発光強度の小さい有機EL素子の
光とともに、発光強度の小さい有機EL素子と対向する
透光性基板の面から出射する形態にして、発光強度の小
さな有機EL素子と対向する透光性基板の面から出射す
る光の強度不足を補うようにしても良い。
【0086】(実施の形態4)次に第4の実施の形態を
説明する。図4に本実施の形態の有機発光装置の概念図
を示す。30は吸収制御部である。
【0087】本実施の形態においては、受光面に到達す
る発生光のエネルギーを吸収や散乱等によって減衰させ
るような吸収制御部30を、透光性基板10の内部に、
上記の実施の形態で説明した濃淡のパターンと同様なパ
ターンで、密度を変えて分散させている。
【0088】吸収制御部30としては、例えば炭素粉の
ような粉体や、金属イオン等の光の吸収中心となるよう
な不純物を用いても良い。このような吸収制御層は例え
ば、透光性基盤10がガラスやプラスチックであれば、
その溶融成形時に炭素紛を投入したり、金属イオンを含
む塩類を投入したりして形成することができる。また、
レーザーなどを用いて部分的に屈折率を変えたり微小ク
ラックを入れたりした散乱領域等を吸収制御部30とし
て用いても良い。
【0089】本実施形態においても、吸収制御部30を
発光強度の大きな有機EL素子に対向する位置や、発光
強度の小さな有機EL素子に対向する位置に応じて密度
を変えて全面にわたって分散させてあっても良いが、発
光強度の大きな有機EL素子と対向する位置だけに分散
させても良い。
【0090】本実施の形態のような構成によれば、各有
機EL素子からの発生光は、吸収制御層の内部に、位置
によって異なる密度で分散している吸収制御部によっ
て、吸収制御部の密度に応じたエネルギーの減衰を受け
るため、素子照度や出射光強度のばらつきを補整するこ
とができる、透光性基板が作製可能となる。
【0091】(実施の形態5)次に第5の実施の形態を
説明する。図5に本実施の形態の有機発光装置の概念図
を示す。
【0092】本実施の形態においては、透光性基板10
の、有機EL素子が形成された面とは反対側の表面に、
上記の実施の形態3と同様に、基板中央部では比較的平
滑に、基板周辺部では比較的荒れた形で凹凸が形成して
ある。
【0093】このため、所定方向に取り出される光の強
度によって影響を受ける素子照度は、ばらつきが補整さ
れる。
【0094】第4及び第5の実施の形態においては、透
光性基板10が吸収制御層のみからなるような単層構造
となっている。
【0095】以上の実施の形態において説明したよう
な、有機発光装置を製作する工程上の様々な原因によっ
て結果的に生じる発光強度のばらつきは、製作する有機
発光装置毎にランダムにその様子が異なるわけではな
く、ある一定のパターンのばらつきを生ずることが多
い。このような場合には吸収制御層の吸収係数の分布は
製作する有機発光装置毎に異ならせる必要がないため、
吸収制御層の発生光に対する吸収の大きさの位置による
違いを、個々の有機EL素子が一定信号入力時に生じる
発光の強度の測定値に依らない定まったパターンで与え
ることで、低コストでの本発明の有機発光装置の作製が
可能となる。
【0096】(実施の形態6)次に第6の実施の形態を
説明する。図6に本実施の形態の有機発光装置の概念図
を示す。40はインクジェット装置、41はインクジェ
ット装置から吐出されるインク滴である。
【0097】本実施の形態においては、インクジェット
装置40を用いてインク滴41を透明基板20に吹き付
けることにより吸収制御層21を形成している。
【0098】有機発光装置上の各有機EL素子の発光強
度のばらつきは、上記のようにある一定のパターンで生
ずるものばかりではない。例えば、各有機EL素子の発
光部の大きさが、電極をフォトリソグラフィの手法で形
成する際の微妙なエッチングのばらつきでばらついた
り、あるいは工程上でランダムに付着するゴミの影響で
ばらついたり、ということが考えられる。更に、電極
や、正孔輸送層、電子輸送層等の、有機EL素子を構成
する各層の界面状態が、基板毎の取り扱いの微妙な違い
でばらついたりすることも考えられる。
【0099】このような原因で、ある一定のパターンで
生ずるのではない、製作する有機発光装置毎にランダム
にその様子が異なる、有機EL素子の発光のばらつきが
生ずる場合がある。このような場合には、第5の実施の
形態までで述べたような方法では、素子照度や出射光強
度のばらつきを補整することは困難である。
【0100】本実施の形態のインクジェット装置を用い
てインク滴を透明基板に付着することで吸収制御層を形
成する方法に依れば、個々の有機EL素子が一定信号入
力時に生じる発光の強度の測定値を実測しながらそれに
応じて細かくインク滴の吹き付け量をコントロールする
ことが可能であるため、製作する有機発光装置毎にラン
ダムに有機EL素子の発光強度のばらつきが異なってい
ても、夫々の有機発光装置に対して最適な吸収係数の分
布をもつ吸収制御層を形成することができる。その結果
として、素子照度や出射光強度のばらつきを補整して、
与えられた画像データに忠実な出力が得られる有機発光
装置を提供することができる。
【0101】このような方法で実際に吸収制御層を形成
する際には、個々の有機EL素子が一定信号入力時に生
じる発光の強度の測定値を実測しながらそれに応じて吸
収制御層を形成するため、吸収制御層を形成する時間は
スクリーン印刷等による方法よりは長くなるが、実施の
形態1において説明したような、サンプルの発光強度の
分布を測定して印刷の原版等を作るといった作業は必要
なくなる。
【0102】また、本実施の形態の吸収制御層の形成方
法を用いれば、前述のような定まったパターンの吸収係
数の分布を与えることも容易であることは言うまでもな
い。さらに実施の形態1において説明したような、生産
条件の経時変化による有機発光装置の発光強度の分布の
変化が生じても、柔軟に対応することが容易である。例
えば、本実施の形態のように全ての有機発光装置の発光
強度を測定せずに、一定時間ごとに選んだサンプルに対
してのみ発光強度の測定値を実測しながら吸収制御層を
形成し、次のサンプル選択まではそれと同じパターンで
吸収制御層を形成するといったことが可能である。
【0103】本実施の形態において具体例を示したよう
に、吸収制御層の発生光に対する吸収の大きさの位置に
よる違いを、個々の有機EL素子が一定信号入力時に生
じる発光の強度の測定値に応じて与えることで、製作す
る有機発光装置毎にランダムに有機EL素子の発光強度
のばらつきが異なっていても、夫々の有機発光装置に対
して最適な吸収係数の分布をもつ吸収制御層を形成する
ことができ、素子照度や出射光強度のばらつきを補整し
て、与えられた画像データに忠実な出力が得られる有機
発光装置を提供することができる。
【0104】以上で実施の形態において述べてきたよう
に、発生光に対する吸収の大きさが位置によって異なる
吸収制御層を構成要素として含む透光性基板を用いるこ
とによって、複数の有機EL素子の形成時には制御が非
常に困難なそれぞれの有機EL素子の発光強度のばらつ
きを補い、高性能な有機発光装置を提供することができ
る。
【0105】本発明において使われる有機EL素子を構
成する材料としては、以下のような材料が使用できる
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0106】陽極はITO(インジウム・チン・オキサ
イド)等の透明電極材料の他に、Au、Ag、Pd、P
t等の金属、金属酸化物、及び導電性高分子等も使用可
能である。
【0107】正孔輸送層の材料としては、芳香族ジアミ
ンや、その他の芳香族アミン系化合物、ヒドラゾン化合
物、シラザン化合物であっても、PPV(ポリ−p−フ
ェニレンビニレン)やPTV(ポリ−2,5−チエニレ
ンビニレン)、ポリシラザン等の高分子であっても、そ
の他の有機物であっても、正孔輸送性を示すものであれ
ばよい。あるいはこれらの材料の中に、各種の蛍光材料
をドープしたものであってもよい。以下に、芳香族ジア
ミン、PPV、PTVの化学式を示す。
【0108】
【化1】芳香族ジアミン
【0109】
【化2】ポリ−p−フェニレンビニレン
【0110】
【化3】ポリ−2,5−チエニレンビニレン
【0111】電子輸送層の材料としては、トリス−8キ
ノリノラト−アルミニウム錯体や、その他の有機金属錯
体、テトラフェニルブタジエン等の芳香族化合物、オキ
サジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体等の有機物で
あっても、電子輸送性を示すものであればよい。あるい
はこれらの材料の中に、各種の蛍光材料をドープしたも
のであってもよい。ドープされる蛍光材料としては、ル
ブレン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等、
各種材料が利用可能である。以下に、トリス−8キノリ
ノラト−アルミニウム錯体、ルブレン、ナイルレッド、
クマリン6、キナクリドンの化学式を示す。
【0112】
【化4】トリス−8キノリノラト−アルミニウム錯体
【0113】
【化5】ルブレン
【0114】
【化6】ナイルレッド
【0115】
【化7】クマリン6
【0116】
【化8】キナクリドン
【0117】陰極はITO等の透明電極材料の他に、A
lや、MgとAgの合金以外にも、AlとLiの合金
や、Sn、Mg、In、Al、Ca等、仕事関数の低い
金属が利用できる。
【0118】有機EL素子の有機発光層の構成も、従来
の技術に述べた構成に限らない。
【0119】正孔輸送層と電子輸送層との積層という構
造をとらず、有機層を一層のみ設けたものも可能であ
る。この場合は例えば、PPVや、PTV等のπ共役高
分子を用いたり、母材となる高分子中に各種有機分子を
分散したものが考えられる。
【0120】逆に、有機EL素子を更に多層の構成とし
て、特性の向上を図ることも可能である。たとえば、陽
極と正孔輸送層の間に、銅フタロシアニンのようなポル
フィリン系化合物、あるいはスターバーストアミンと称
されるm−MTDATA等の化合物、その他の物質より
なる正孔注入層を設けてもよい。あるいは、陰極と電子
輸送層の間に、フッ化リチウムやリチウムアルミニウム
合金などよりなる電子注入層を設けてもよい。あるい
は、正孔輸送層と電子輸送層の間に更に発光層、再結合
層を別に設ける構成であってもよい。以下に、銅フタロ
シアニンとm−MTDATAの化学式を示す。
【0121】
【化9】銅フタロシアニン
【0122】
【化10】m-MTDATA
【0123】また有機EL素子の発光波長は可視域に限
らない。赤外光であっても紫外光であってもかまわな
い。
【0124】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明によれ
ば、透光性基板と、透光性基板の一方の面に積層して設
けられた複数の有機EL素子とを有する有機発光装置に
おいて、複数の有機EL素子の形成時には制御が非常に
困難なそれぞれの有機EL素子の発光強度のばらつきを
補い、高性能な有機発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の有機発光装置の概
念図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の有機発光装置の概
念図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の有機発光装置の概
念図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態の有機発光装置の概
念図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態の有機発光装置の概
念図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態の有機発光装置の概
念図である。
【図7】典型的な有機EL素子の構成を示す図である。
【図8】有機発光装置を用いたプリンタの概略構成図で
ある。
【図9】有機発光装置を用いたプリンタヘッドの詳細な
構造を示す図である。
【図10】従来の有機発光装置の駆動回路の概念図であ
る。
【図11】従来の有機発光装置の概念図である。
【符号の説明】
10 透光性基板 11 第1電極 12 有機発光層 15 第2電極 20 透明基板 21 吸収制御層 30 吸収制御部 40 インクジェット装置 41 インク滴 111 像担持体 112 帯電装置 113 現像装置 114 転写装置 115 定着装置 116 クリーニング装置 117 プリンタヘッド 118 有機発光装置 119 ロッドレンズアレイ 120 転写材 202 発光部 203 駆動回路 204 第1薄膜トランジスタ 205 コンデンサ 206 第2薄膜トランジスタ 210 ロッドレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 1/12 B41J 3/04 101Z 3/00 3/21 L G09F 9/00 313 H05B 33/14 Fターム(参考) 2C056 FB01 2C162 AE28 AE47 FA04 FA16 FA23 2H113 AA01 AA06 BA09 BA27 BB22 CA15 CA21 FA10 3K007 AB02 AB17 AB18 BA06 CA01 CB01 CB03 DA01 DB03 EB00 5G435 AA00 AA17 BB05 CC09 FF06 FF14 HH01 KK05 KK07 LL12

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板と、前記透光性基板の一方の
    面に積層して設けられた複数の有機エレクトロルミネセ
    ンス素子とを有し、定められた受光面を照らす有機発光
    装置において、前記有機発光装置が照らす前記受光面に
    対して個々の前記有機エレクトロルミネセンス素子が一
    定信号入力時に与える放射照度で規定される素子照度の
    ばらつきを補整する素子照度補整手段を有すること、を
    特徴とする有機発光装置。
  2. 【請求項2】 前記素子照度補整手段は、前記有機エレ
    クトロルミネセンス素子から発せられる光で規定される
    発生光に対する吸収の大きさが位置によって異なる吸収
    制御層を構成要素として含む前記透光性基板であること
    を特徴とする請求項1に記載の有機発光装置。
  3. 【請求項3】 前記吸収制御層の前記発生光に対する吸
    収の大きさの位置による違いが、個々の前記有機エレク
    トロルミネセンス素子が一定信号入力時に生じる発光の
    強度の測定値に依らず、定まったパターンで与えられて
    いることを特徴とする請求項2に記載の有機発光装置。
  4. 【請求項4】 前記吸収制御層の前記発生光に対する吸
    収の大きさの位置による違いが、個々の前記有機エレク
    トロルミネセンス素子が一定信号入力時に生じる発光の
    強度の測定値に応じて与えられていることを特徴とする
    請求項2に記載の有機発光装置。
  5. 【請求項5】 前記吸収制御層は、前記透光性基板の前
    記有機エレクトロルミネセンス素子が形成された面と反
    対側の面に、スクリーン印刷により吸収物質を位置によ
    って濃淡をつけて印刷することで形成されていることを
    特徴とする請求項3に記載の有機発光装置。
  6. 【請求項6】 前記吸収制御層は、前記透光性基板の前
    記有機エレクトロルミネセンス素子が形成された面と反
    対側の面に、荒さが位置によって異なる凹凸をつけて形
    成されていることを特徴とする請求項3に記載の有機発
    光装置。
  7. 【請求項7】 前記吸収制御層は、前記吸収制御層の内
    部に、吸収制御部を位置によって異なる密度で分散させ
    ていることを特徴とする請求項3に記載の有機発光装
    置。
  8. 【請求項8】 前記吸収制御部は、不透明粉体又は金属
    イオン又は屈折率変化部分又は微小クラックのうちの少
    なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項7
    に記載の有機発光装置。
  9. 【請求項9】 前記吸収制御層は、前記透光性基板の前
    記有機エレクトロルミネセンス素子が形成された面と反
    対側の面に、インクジェット装置を用いてインク滴を位
    置によって濃淡をつけて付着することにより形成されて
    いることを特徴とする請求項3に記載の有機発光装置。
  10. 【請求項10】 前記吸収制御層は、前記透光性基板の
    前記有機エレクトロルミネセンス素子が形成された面と
    反対側の面に、インクジェット装置を用いてインク滴を
    位置によって濃淡をつけて付着することにより形成さ
    れ、該濃淡は、それぞれの前記有機エレクトロルミネセ
    ンス素子に対向する位置において前記有機エレクトロル
    ミネセンス素子の発光の強度に比例した濃さを与えてい
    ることを特徴とする請求項4に記載の有機発光装置。
  11. 【請求項11】 透光性基板と、前記透光性基板の一方
    の面に積層して設けられた複数の有機エレクトロルミネ
    センス素子とを有する有機発光装置において、個々の前
    記有機エレクトロルミネセンス素子が一定信号入力時に
    発する光のうち、前記透光性基板の前記有機エレクトロ
    ルミネセンス素子が形成された面と反対側の面から外部
    へ出射する光の強度で規定される出射光強度のばらつき
    を補整する光量分布均一手段を有することを特徴とする
    有機発光装置。
  12. 【請求項12】 前記光量分布均一手段は、前記有機エ
    レクトロルミネセンス素子から発せられる光で規定され
    る発生光に対する吸収の大きさが位置によって異なる吸
    収制御層を構成要素として含む前記透光性基板であるこ
    とを特徴とする請求項11に記載の有機発光装置。
  13. 【請求項13】 前記吸収制御層の前記発生光に対する
    吸収の大きさの位置による違いが、個々の前記有機エレ
    クトロルミネセンス素子が一定信号入力時に生じる発光
    の強度の測定値に依らず、定まったパターンで与えられ
    ていることを特徴とする請求項12に記載の有機発光装
    置。
  14. 【請求項14】 前記吸収制御層の前記発生光に対する
    吸収の大きさの位置による違いが、個々の前記有機エレ
    クトロルミネセンス素子が一定信号入力時に生じる発光
    の強度の測定値に応じて与えられていることを特徴とす
    る請求項12に記載の有機発光装置。
  15. 【請求項15】 前記吸収制御層は、前記透光性基板の
    前記有機エレクトロルミネセンス素子が形成された面と
    反対側の面に、スクリーン印刷により吸収物質を位置に
    よって濃淡をつけて印刷することで形成されていること
    を特徴とする請求項13に記載の有機発光装置。
  16. 【請求項16】 前記吸収制御層は、前記吸収制御層の
    内部に、吸収制御部を位置によって異なる密度で分散さ
    せていることを特徴とする請求項13に記載の有機発光
    装置。
  17. 【請求項17】 前記吸収制御部は、不透明粉体又は金
    属イオン又は屈折率変化部分又は微小クラックのうちの
    少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項
    16に記載の有機発光装置。
  18. 【請求項18】 前記吸収制御層は、前記透光性基板の
    前記有機エレクトロルミネセンス素子が形成された面と
    反対側の面に、インクジェット装置を用いてインク滴を
    位置によって濃淡をつけて付着することにより形成され
    ていることを特徴とする請求項13に記載の有機発光装
    置。
  19. 【請求項19】 前記吸収制御層は、前記透光性基板の
    前記有機エレクトロルミネセンス素子が形成された面と
    反対側の面に、インクジェット装置を用いてインク滴を
    位置によって濃淡をつけて付着することにより形成さ
    れ、該濃淡は、それぞれの前記有機エレクトロルミネセ
    ンス素子に対向する位置において前記有機エレクトロル
    ミネセンス素子の発光の強度に比例した濃さを与えてい
    ることを特徴とする請求項14に記載の有機発光装置。
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