JP2001260416A - 有機elプリントヘッド - Google Patents

有機elプリントヘッド

Info

Publication number
JP2001260416A
JP2001260416A JP2000080279A JP2000080279A JP2001260416A JP 2001260416 A JP2001260416 A JP 2001260416A JP 2000080279 A JP2000080279 A JP 2000080279A JP 2000080279 A JP2000080279 A JP 2000080279A JP 2001260416 A JP2001260416 A JP 2001260416A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
organic
color
light emitting
green
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000080279A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Tsuruoka
誠久 鶴岡
Yukihiko Shimizu
幸彦 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Futaba Corp
Original Assignee
Futaba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Futaba Corp filed Critical Futaba Corp
Priority to JP2000080279A priority Critical patent/JP2001260416A/ja
Publication of JP2001260416A publication Critical patent/JP2001260416A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント枚数に応じたホワイトバランスのズ
レを低減し、高画質なフルカラープリントを得る。 【解決手段】 有機ELプリントヘッドの光源をなす有
機EL素子は、赤色、緑色、青色の各色成分を有する同
一材料からなる発光層を含む有機層が陽極と陰極との間
に積層されて複数の発光ドットを形成しており、各発光
ドットは同一条件により一定輝度で発光駆動される。有
機EL素子の発光ドットからの光を赤色、緑色、青色の
各色成分のドット状の光として透過させるカラーフィル
タは、赤色、緑色、青色の各色について有機EL素子の
発光スペクトル強度とカラーフィルタの分光透過率と記
録媒体の分光感度を掛け合わせたものを波長で積分した
値が略一定となる値である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の発光ドット
を備えた有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機E
Lという)素子を用いてカラー画像を形成する有機EL
プリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、電子注入電極をなす陰
極と正孔注入電極をなす陽極との間に蛍光性有機化合物
を含む薄膜の有機層を挟んだ構造を有し、有機層に電子
及び正孔を注入して再結合させることにより励起子(エ
キシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の
光の放出(蛍光・燐光)を利用して表示を行う表示素子
である。
【0003】ところで、近年、上記有機EL素子を光源
に用いた光プリンタの提案がなされている。図8は特開
平7−128748号公報に開示される有機EL素子を
用いた有機ELプリントヘッドの断面図である。
【0004】図8に示す有機ELプリントヘッド51
は、基板52の上に陰極53が形成され、この陰極53
の上に白色発光材料を用いた有機層54が積層形成さ
れ、有機層54の上に陽極55が積層形成され、更に陽
極55の上にカラーフィルタ56が積層形成されたもの
である。
【0005】図8に示す有機ELプリントヘッド51で
は、有機層54に白色発光材料を用い、有機層54から
出射される光をカラーフィルタ56によってR(赤
色),G(緑色),B(青色)の各色の発光色を取り出
し、この取り出したR,G,Bの発光色を記録媒体に光
記録することにより所望のフルカラー画像を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な有機ELプリントヘッドでは、使用される記録媒体に
よってR,G,B各色の露光濃度が異なり、カラーフィ
ルタの分光透過率もR,G,Bの各色で異なる。
【0007】また、有機EL素子の光量劣化は、輝度の
2乗に反比例して大きくなることが一般的に知られてい
る。このため、記録媒体の感光感度にあったカラーフィ
ルタを用いたとしても、R,G,Bの各部分に対応した
発光ドットの輝度を変えてホワイトバランスを取る必要
があった。例えばホワイトバランスが取れるように各発
光ドットの駆動電圧、駆動電流、階調数を制御し、R,
G,Bの各部分に対応した発光ドットの輝度補正を行っ
ていた。
【0008】しかしながら、必要なホワイトバランスを
得るため、R,G,Bに対応する発光ドットの輝度比を
大きく変えてしまうと、経過時間に伴って劣化の大きさ
が変化してしまう(図9)。その結果、ホワイトバラン
スにも変化が生じてしまい、良好な画質の画像が得られ
なくなってしまう問題があった。
【0009】また、経時的に各色の輝度を補正する場合
でも、R,G,Bごとに補正の大きさが異なってしま
い、補正方法が複雑になる問題があった。
【0010】ここで、図9は初期輝度と輝度残存率特
性、図10は階調数を変化させたときのR濃度、G濃
度、B濃度、人間が観察する条件に一致させた視覚濃度
の濃度特性をそれぞれ示している。
【0011】図9において、光量残存率90%までの時
間は、5000cd/m2 :10時間、10000cd
/m2 :2.5時間、15000cd/m2 :1.0時
間であり、光量寿命が輝度の2乗にほぼ反比例している
ことが判る。
【0012】また、実使用上の限界である、10時間後
(プリント可能枚数10000枚に相当)の輝度がほぼ
±10%異なっており、良好なホワイトバランスを得る
為の限度に近い。これは、図10に示すように256階
調で評価した時の各色濃度と階調数の関係からも判る。
すなわち、各色濃度(Dr,Dg,Db)のバラツキの
限界は±10%以内が必要とされるため、輝度の変化を
±10%におさえることが重要である。
【0013】そこで、本件発明者等は、初期光量の違い
を±50%以下と規定し、初期光量の違いがこの範囲で
あれば、実使用上、ホワイトバランスの補正なしで良好
な画質のプリントが得られることが実験から判った。
【0014】そこで、本発明は、上述した見地に基づい
て従来の問題点に鑑みてなされたものであり、プリント
枚数に応じたホワイトバランスのズレを低減し、高画質
なフルカラープリントを得ることができる有機ELプリ
ントヘッドを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、少なくとも一方が透光性を有す
る第1電極と第2電極の間に発光層を含む有機層が基板
上に積層形成され、前記発光層の発光によって得られる
ドット状の光を記録媒体に選択的に照射してフルカラー
画像を形成する有機EL素子を用いた有機ELプリント
ヘッドにおいて、赤色、緑色、青色の各色成分を有する
同一材料からなる発光層を含む有機層が一対の電極間に
積層されて複数の発光ドットが形成され、前記各発光ド
ットが同一条件により一定光量で発光駆動される有機E
L素子と、前記複数の発光ドットからの光を赤色、緑
色、青色の各色成分のドット状の光として透過させるカ
ラーフィルタとを備え、前記カラーフィルタの赤色、緑
色、青色の各色の透過率は、赤色、緑色、青色の各色に
ついて前記有機EL素子の発光スペクトル強度と前記カ
ラーフィルタの分光透過率と前記記録媒体の分光感度を
掛け合わせたものを波長で積分した値が略一定となる値
であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明による有機ELプリ
ントヘッドを搭載した有機ELプリンタ(光プリンタ)
の概略構成図、図2は本発明による有機ELプリントヘ
ッドの実施の形態を示す図であり、電極構造の概略を示
す模式的な平面図、図3は同有機ELプリントヘッドの
部分拡大断面図であり、図2の発光ドットの部分を主走
査方向に切断して副走査方向から観察した断面図であ
る。なお、図2では封止キャップを省略している。
【0017】まず、有機ELプリントヘッド2の構造を
説明する前に、図1に基づいて有機ELプリンタ1の概
略構成について説明する。
【0018】図1に示す有機ELプリンタ1は、後で詳
述する有機EL素子を光源とする有機ELプリントヘッ
ド2を備えており、この有機ELプリントヘッド2から
得たR,G,B3原色の光により、例えばカラーフィル
ム等の記録媒体Wに書き込みを1回の走査により行って
フルカラーの画像を形成するものである。
【0019】この有機ELプリンタ1は、例えばビデオ
装置等から得られるデジタルのカラー画像信号によって
駆動され、記録媒体Wに画像をフルカラーでプリントす
るカラービデオプリンタとして利用される。その他、電
子写真方式プリンタ、銀塩方式プリンタ、ラベルプリン
タ等に利用できる。
【0020】図1に示すように、有機ELプリンタ1
は、所定箇所に位置決め固定された記録媒体Wに対し、
矢印Aで示す副走査方向に沿って移動する有機ELプリ
ントヘッド2の他、有機ELプリントヘッド2の発光部
3からの光を記録媒体Wの面上に結像させるためのレン
ズ4、反射鏡5を含む単一の光学系6が筐体12に内蔵
されている。
【0021】図1に示すように、有機ELプリントヘッ
ド2を内蔵した筐体12は、移動手段としての移動機構
7によって記録媒体Wに対して副走査方向に沿って往復
移動する。移動機構7は、有機ELプリントヘッド2を
内蔵した筐体12を副走査方向に移動可能に案内する図
示しない案内手段と、駆動ベルト8が掛け回された一対
のプーリ9,9と、プーリ9,9の一方を回転させる駆
動モータ10とを有している。
【0022】有機ELプリントヘッド2を内蔵して駆動
ベルト8に固定された筐体12は、駆動モータ10を駆
動して駆動ベルト8を循環させれば、不図示の案内手段
に案内されて副走査方向に沿って移動することができ
る。記録媒体Wとしてのカラーフィルムは、複数枚が所
定位置に保持されており、光による書き込みが終了する
と、排出機構11によって現像が行われると同時に有機
ELプリンタ1外に排出される。
【0023】制御手段13は、例えば内部メモリを有す
るCPUや駆動回路を備えている。制御手段13は、有
機ELプリントヘッド2の2列の発光ラインの各発光ド
ットの発光を制御するとともに、この発光に同期して移
動機構7の移動を制御している。
【0024】更に説明すると、制御手段13は、外部か
ら入力される画像データを内部メモリに格納し、発光ド
ットの2列に対応する陰極28に所定の同一電圧を印加
し、これに同期して内部メモリに格納された画像データ
に基づいて陽極22に画像信号を出力する。さらに、こ
れに同期して移動機構7を駆動し、有機ELプリントヘ
ッド2を内蔵した筐体12を副走査方向に移動させる。
【0025】次に、上記有機ELプリンタ1の光源とし
て採用される有機ELプリントヘッド2の構成を製造工
程に従って説明する。
【0026】本例の有機ELプリントヘッド2は、R
(赤色),G(緑色),B(青色)の各カラーフィルタ
30の透過率を調整し、R,G,Bに対応する白色(こ
こでは、R,G,Bの各波長成分を有することを意味す
る)発光光量を概略同一とし、経時的に劣化の大きさが
変化することなく、ホワイトバランスを維持することが
できるものである。
【0027】なお、以下の例で説明するカラーフィルタ
30とR,G,B各成分を有した発光層23との組み合
わせにおいて、その配置は各種考えられるが、何れの配
置でも同様の効果が得られるので、ここでは基板21の
内面にカラーフィルタ30を形成する場合を例にとって
説明する。
【0028】本例の有機ELプリントヘッド2は、副走
査方向に千鳥状に配置された複数の発光ドットを有する
2組の発光パターン群23A,23Bを備え、各発光パ
ターン群23A,23Bの発光ドットに加えられる単位
面積当たりのパワー(駆動電流密度)及び露光時間を一
定として発光させている。すなわち、各発光ドットを同
一条件により一定光量(=輝度(更に厳密には発光強
度)×発光時間)で発光駆動させている。
【0029】図2及び図3に示すように、有機EL素子
20は、ガラスや透明フィルム等の透光性及び絶縁性を
有する基板21を基部としており、この基板21上に
R,G,Bのカラーフィルタ30を形成する。カラーフ
ィルタ30は、染色法、顔料分散法、電着法、印刷法等
によってライン状、或いはドット状に形成する。
【0030】カラーフィルタ30のR,G,B各色のド
ット寸法、或いは線幅、ピッチ等は、後述する発光層2
3のドット寸法、ピッチに対応させて形成される。図2
の例におけるカラーフィルタ30はライン状に形成した
ものであり、後述する発光層23に対向して、主走査方
向に平行で副走査方向に所定間隔をおいて形成される。
【0031】更に説明すると、図2において、カラーフ
ィルタ30は、後述する各発光パターン群23A,23
Bの上から緑色成分の光を透過させるGフィルタ30
a、赤色成分の光を透過させるRフィルタ30b、青色
成分の光を透過させるBフィルタ30cの順に基板21
上の副走査方向に所定間隔をおいてライン状に形成す
る。
【0032】カラーフィルタ30の分光透過率特性は、
画像を形成する記録媒体(カラーフィルム)Wの赤、
緑、青の各色の感度特性(例えば図4)と、発光層23
に使用する有機蛍光体材料の発光スペクトル特性に合わ
せて膜厚、顔料組成等を調整し、一回の露光で高品位の
フルカラー画像が形成できるように合わせ込む。図5は
カラーフィルタ30の分光透過率特性の一例を示してい
る。
【0033】さらに、一定の光量で、概略同一のR,
G,B露光濃度(有効発色比として±50%以内)が得
られるように膜厚、顔料組成等を再調整して、カラーフ
ィルタ30の作製を完了する。
【0034】ここで、カラーフィルタ30の透過率調整
方法について説明する。使用する記録媒体(例えばイン
スタントフィルム、印画紙等)WにR,G,Bの光を露
光し、最適なカラーバランスでフルカラー画像を形成す
るためには、カラーフィルタ30を透過した後のR,
G,B光の光量を、使用する記録媒体Wに応じて各色濃
度(Dr,Dg,Db)のバラツキが極力小さくなるよ
うに調整する必要がある。
【0035】各色の濃度は、下記式(1)で定まる光量
に依存する。また、これは有効発色としても定義でき
る。
【0036】各色濃度(Dr,Dg,Db)=光源(有
機EL素子の発光層)の発光スペクトル強度×カラーフ
ィルタの分光透過率×記録媒体の分光感度…式(1)
【0037】つまり、各色について掛け合わせたものを
波長で積分すれば、有効発色として定量化することがで
きる。有効発色の特性の一例として、例えば図4に示す
インスタントフィルム感光材の感度特性、図5に示すカ
ラーフィルタの分光透過率特性、図6に示す発光層(A
lq3 )の発光スペクトルを掛け合わせた有効発色の特
性を図7に示す。
【0038】図7の有効発色を積分すると、R:3.8
3,G:4.64,B:4.26となり、平均は4.2
4となる。平均に対しては、R:G:B=0.9:1.
09:1であり、ほぼ±10%に入っている。
【0039】有効発色が±50%に入れば、初期輝度を
±50%で調整することにより実使用上の寿命時点にお
いてもホワイトバランスを±10%におさえることがで
きる。光源の発光スペクトル分布は一定であり、強度
(輝度)も一定とすれば、濃度の制御はカラーフィルタ
30の分光透過率で行うことができる。
【0040】カラーフィルタ30の分光透過率は、使用
する材料、形成方法によって異なる。図5に示した例
は、ポリエステル系樹脂と有機顔料を混合したペースト
を用いて印刷法によりカラーフィルタ30を形成したも
のである。なお、有機顔料としては、赤にジアントラキ
ノン系、緑にハロゲン化フタロシアニン系、青にフタロ
シアニン系を用いた。
【0041】分光透過率は、カラーフィルタ30の材
料、形成方法を定めれば、あとは膜厚を変えることによ
って調整できる。例えば図5に示すカラーフィルタ30
を2倍の膜厚にすれば、各波長の分光透過率を掛け合わ
せた特性のものとなる。これにより、バラツキが±10
%以内に入るように各色の有効発色を合わせこむことが
できる。
【0042】カラーフィルタ30の上には、平坦性を向
上させるために、アクリル樹脂等のオーバーコート層3
1を成膜する。そして、このオーバーコート層31の上
に透明な第1電極としての陽極22を形成する。
【0043】陽極22は次のようなパターンに形成す
る。陽極22は、有機ELプリントヘッド2の移動方向
である副走査方向に平行な帯状の電極である。図2に示
すように、各陽極22の上方には、ドット状に発光する
3つの発光層23が後工程で形成される。
【0044】陽極22は複数個からなり、この複数個の
陽極22は、副走査方向と直交する主走査方向に沿って
所定間隔をおいて並び、列を構成する。この列は、副走
査方向の位置が異なる2か所に形成される。そして、副
走査方向に平行な複数の帯状の陽極22は、主走査方向
に沿って千鳥状に配置されている。
【0045】なお、陽極22は、発光層23の各発光ド
ットが所定の間隔で一列に並ぶように配置してもよい
が、そのようにすると陽極を電気的に分離するためのス
ペースが必要となり、実質的に発光ドットを小さくしな
ければならず、記録媒体Wを露光した場合にスジムラと
呼ばれる露光ムラが発生する。また、各陽極22は、発
光ドット23の並ぶ方向と直交する方向に引き出すため
に、図2に示す状態よりも幅を細くしなければならな
い。これは、抵抗率の高いITOで形成される陽極22
としては好ましい構造ではない。本例のように、各色の
発光ラインを千鳥状の配置とすれば、陽極22は配置し
やすく、一列の場合の2倍の太さにできるので、抵抗を
好ましい低さに抑えることができる。
【0046】同一の陽極22上の副走査方向に対し、
G,R,B各色のフィルタ30a,30b,30cと対
向して発光ドットが所定の間隔をおいて形成されるよう
に、基板21上に絶縁層24を形成する。図3に示すよ
うに、絶縁層24の中で、陽極22に相当する部分には
発光層23の発光ドットのパターン形状に相当する寸法
形状の開口部24aを設け、陽極22を露出させる。こ
の開口部24aが発光層23の各発光部3の発光ドット
を区画する枠として機能する。前記絶縁層24は、感光
性ポリイミド、或いはSiO2 、SiN等を材料として
スピンコート法、蒸着法、スパッタ法等で基板21上の
全面に形成する。そして、絶縁層24の一部をフォトリ
ソ法を用いてパターニングし、前記陽極22と略同様の
千鳥のパターンの開口部24aを形成する。
【0047】発光エリアとなる前記開口部24aの上か
ら、開口部24aを埋めるように、図3に示す有機層と
してのホール注入層25とホール輸送層26を抵抗加熱
蒸着法を用いて成膜する。成膜は発光エリア(開口部2
4a)に対応した金属マスクを基板21に密着させて行
う。
【0048】この時、ホール注入層25、ホール輸送層
26には可視域に対して透明な材料が好ましい。ホール
注入層25を構成するための材料としては、m−MTDATA
や1-TNATA がある。ホール輸送層26を構成するための
材料としては、TPDやα−NPDなどがある。
【0049】発光エリアとなる前記開口部24aに相当
する部分に、有機層としての発光層23を形成する。こ
の発光層23は、カラーフィルタ30との組合せによ
り、主走査方向について同一発光色が取り出せ、かつ副
走査方向については3色の発光色が所定の順序で取り出
せるように形成する。
【0050】図2に示す例において、各発光パターン群
23A,23Bの発光層23は、Gフィルタ30aに対
向して発光層23aが位置し、Rフィルタ30bに対向
して発光層23bが位置し、Bフィルタ30cに対向し
て発光層23cが位置し、発光エリアを十分カバーする
領域に金属マスクを介して成膜する。
【0051】ここで、発光パターン群23A,23Bの
発光部3は、主走査方向の隙間を補間して記録媒体Wの
主走査方向の1ラインの領域をカバーするように配置さ
れる。更に説明すると、発光パターン群23A,23B
は、副走査方向から基板21の側面を見たときに、主走
査方向に対して発光パターン群23Aの隣接する発光層
23の間を補間するように発光パターン群23Bの発光
層23が形成される。すなわち、図2において、上列の
発光パターン群23Aにおける発光層23の主走査方向
の幅は、副走査方向の端部が下列の発光パターン群23
Bにおける発光層23の副走査方向の端部と揃う寸法、
又はオーバーラップする寸法に形成される。
【0052】発光層23(23a,23b,23c)
は、記録媒体Wの感光材によってフルカラー画像が形成
できるように、可視域に対して十分広い発光スペクトル
(少なくとも450〜650nmを含む)を有する材料
が使用される。このような材料としては、図6に示すよ
うな発光スペクトルを有するAlq3 がある。
【0053】なお、発光層23としては、カラーフィル
タ30との組合せにより、R,G,Bの3色の発光色が
所定の順序で取り出せればよいので、上記Alq3
他、ポリビニールカルバゾール(PVK)に各種色素を
分散した、いわゆる色素分散型の白色発光としてもよ
い。また、適当なホスト材料中に色素をドープし、多層
化して白色発光としてもよい。
【0054】発光層23形成後、その上に必要に応じて
有機層である電子輸送層27を形成するが、これも使用
する有機蛍光体材料の特性に従って決定する。
【0055】陽極22の上に積層した有機層の上に、第
2電極としての陰極28を形成する。陰極28は、発光
層23又は電子輸送層27との界面で電子注入が容易に
行われるよう、仕事関数の小さい材料で形成する。良好
な特性が得られるものとして、Li,Na,Mg,Ca
等の単体、及びその化合物、或いはAl:Li,Mg:
In,Mg:Ag等の各種合金が使用できる。
【0056】陰極28は次のようなパターンに形成す
る。陰極28は主走査方向を長手方向とする帯状であ
り、陽極22と交差する部分に発光領域(例えば矩形状
のドットパターン)がある。陰極28は、副走査方向に
沿って所定間隔をおいて互いに平行に配置されている。
主走査方向に並ぶ同一発光色の発光層23(23a,2
3b,23c)の上には、共通の陰極28(28a,2
8b,28c)が配設される。即ち、1本の陰極28は
複数本の陽極22と交差しているが、その両電極の間に
は同一発光色の発光層23がある。
【0057】陰極28形成後、水分を十分取り除いた不
活性ガス中で封止部材としての封止キャップ29を基板
21の上面に封着して封止を行い、有機ELプリントヘ
ッド2の有機EL素子20の作製プロセスを完了する。
【0058】以上のようにして構成される有機ELプリ
ントヘッド2を駆動する場合には、陰極28を順次走査
してダイナミック駆動するとともに、これに同期して陽
極22にR,G,B各色の画像信号を入力する。その
際、発光部3の各発光ドットは、同一条件により一定光
量で発光駆動される。さらにこの有機ELプリントヘッ
ド2の駆動タイミングに同期して、記録媒体Wの同一位
置にR,G,Bの画像が重なるように有機ELプリント
ヘッド2を副走査方向に移動させる。この有機ELプリ
ントヘッド2の一回の移動走査により、記録媒体Wの同
一箇所にR,G,Bの各色のドット状の光を必要に応じ
て多重露光することができる。
【0059】なお、上記駆動において、陰極28を個別
に引き出して駆動回路に配線接続し、発光対象となる陰
極28を同一条件でスタティック駆動するとともに、こ
れに同期して陽極22にR,G,B各色の画像信号を入
力して所望の発光層23(発光部3)を発光させること
も可能である。この際にも、発光部3の各発光ドット
は、同一条件により一定光量で発光駆動される。
【0060】このように、本例の有機ELプリントヘッ
ド2では、R,G,Bの各色のカラーフィルタ30a,
30b,30cに対応する発光層23a,23b,23
cの各発光ドットの元光量は概略一定(±50%)と
し、すなわち、各発光ドットを同一条件により一定光量
で発光駆動し、R,G,Bの各色のカラーフィルタ30
a,30b,30cの分光透過率を調整してホワイトバ
ランスをとっている。これにより、経時的に劣化の大き
さが変化することなく最適なホワイトバランスが維持で
き、高画質なフルカラープリントが得られる。
【0061】しかも、R,G,Bの各色のカラーフィル
タ30a,30b,30cに対応する発光層23a,2
3b,23cの各発光ドットは同一条件により一定光量
で発光駆動されるので、各発光ドットには概略同一のパ
ワーが加わり、全体光量が低下してもR,G,B各色の
光量低下が同様のモードで起こることになる。従って、
プリント枚数に応じた光量補正を行う場合でも、プリン
ト枚数によってホワイトバランスが崩れる度合いが低
く、光量がR,G,B各色ほぼ同じように低下するの
で、素子駆動に関する負担を軽減できる。すなわち、
R,G,B各色の設定を変える必要がなく、R,G,B
の輝度を一律に補正して各色の光量を上げることがで
き、輝度補正回路のコストアップを避けることができる
といった相乗効果を奏する。これにより、経時変化の少
ない高画質の画像を常に安定して得ることができる。
【0062】ところで、図2及び図3に示す例では、カ
ラーフィルタ30(30a,30b30c)を基板21
の内面に形成したが、基板21の外側に交換可能に設け
ることも可能である。この構成によれば、記録媒体Wの
種類に応じて最適な分光透過率特性を有するカラーフィ
ルタ30を複数容易しておけば、交換によって対応する
ことができる。
【0063】また、本例の有機ELプリンタ1は、所定
箇所に位置決め固定された記録媒体Wに対し、有機EL
プリントヘッド2を副走査方向に往復移動させて記録媒
体Wに所望の面露光を行う構成としたが、有機ELプリ
ントヘッド2を所定箇所に位置決め固定し、この位置決
め固定された有機ELプリントヘッド2に対して記録媒
体Wを副走査方向に移動する構成としてもよい。すなわ
ち、有機ELプリントヘッド2と記録媒体Wとは、副走
査方向に対して相対的に移動できる構成であればよい。
【0064】更に、本例の有機ELプリントヘッド2と
しては、発光ドットを千鳥状に配置した構成に限らず、
主走査方向に同一色の発光ドットが1列に並ぶように配
置してもよい。また、発光ドットは、主走査方向に平行
に2列形成したものに限らず、2列以上形成してもよ
い。
【0065】また、本例の有機EL素子20は、第1の
電極を陽極22とし、第2の電極を陰極28として説明
したが、陽極22と陰極28を逆転させた構成としても
よく、その場合、有機層の積層構造を逆転した構成と
し、封止部材としての封止キャップ29をガラス等の透
光性材料で形成する。
【0066】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、カラーフィルタのR,G,B各色に対応する発
光層の各発光ドットが同一条件により一定光量で発光駆
動され、各発光ドットの元光量を概略一定とし、カラー
フィルタのR,G,Bの分光透過率を調整してホワイト
バランスをとるので、経時的に劣化の大きさが変化する
ことなく最適なホワイトバランスが維持でき、高画質な
フルカラープリントを得ることができる。
【0067】また、R,G,Bの各色のカラーフィルタ
に対応する発光ドットが同一条件により一定光量で発光
駆動されるので、全体光量が低下してもR,G,B各色
の光量低下が同様のモードで起こり、プリント枚数に応
じた光量補正を行う場合でも、プリント枚数によってホ
ワイトバランスが崩れる度合いが低く、光量がR,G,
B各色ほぼ同じように低下するので、素子駆動に関する
負担を軽減できる。これにより、R,G,Bの輝度を一
律に補正して各色の光量を上げることができ、輝度補正
回路のコストアップを避けることができるという相乗効
果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機ELプリントヘッドを搭載し
た有機ELプリンタの概略構成図
【図2】本発明による有機ELプリントヘッドの実施の
形態を示す図であり、電極構造の概略を示す模式的な平
面図
【図3】同有機ELプリントヘッドの部分拡大断面図で
あり、図2の発光ドットの部分を主走査方向に切断して
副走査方向から観察した断面図
【図4】画像を形成する記録媒体(カラーフィルム)W
の赤、緑、青の各色の感度特性の一例を示す図
【図5】カラーフィルタの分光透過率特性の一例を示す
【図6】発光層(Alq3 )の発光スペクトルを示す図
【図7】図4の記録媒体の感度特性、図5のカラーフィ
ルタの分光透過率特性及び図6の発光層の発光スペクト
ルを掛け合わせた有効発色の特性を示す図
【図8】従来の有機EL素子を用いた有機ELプリント
ヘッドの一例を示す断面図
【図9】初期輝度と輝度残存率特性を示す図
【図10】階調数を変化させたときの赤色濃度、緑色濃
度、青色濃度、人間が観察する条件に一致させた視覚濃
度の濃度特性を示す図
【符号の説明】
2…有機ELプリントヘッド、3…発光部、20…有機
EL素子、22…陽極(第1電極)、23(23a,2
3b,23c)…発光層、28…陰極(第2電極)、3
0(30a,30b,30c)…カラーフィルタ、W…
記録媒体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/12 33/14 Fターム(参考) 2C162 AE07 AE12 FA04 FA16 FA34 FA36 2H048 BA02 BA29 BA45 BA57 BA64 BB02 BB14 BB15 BB41 3K007 AB00 AB04 AB18 BA06 BB01 BB06 CA01 CA06 DA00 DB03 EB00 FA01 FA02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透光性を有する第1電
    極と第2電極の間に発光層を含む有機層が基板上に積層
    形成され、前記発光層の発光によって得られるドット状
    の光を記録媒体に選択的に照射してフルカラー画像を形
    成する有機EL素子を用いた有機ELプリントヘッドに
    おいて、 赤色、緑色、青色の各色成分を有する同一材料からなる
    発光層を含む有機層が一対の電極間に積層されて複数の
    発光ドットが形成され、前記各発光ドットが同一条件に
    より一定光量で発光駆動される有機EL素子と、 前記複数の発光ドットからの光を赤色、緑色、青色の各
    色成分のドット状の光として透過させるカラーフィルタ
    とを備え、 前記カラーフィルタの赤色、緑色、青色の各色の透過率
    は、赤色、緑色、青色の各色について前記有機EL素子
    の発光スペクトル強度と前記カラーフィルタの分光透過
    率と前記記録媒体の分光感度を掛け合わせたものを波長
    で積分した値が略一定となる値であることを特徴とする
    有機ELプリントヘッド。
JP2000080279A 2000-03-22 2000-03-22 有機elプリントヘッド Pending JP2001260416A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000080279A JP2001260416A (ja) 2000-03-22 2000-03-22 有機elプリントヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000080279A JP2001260416A (ja) 2000-03-22 2000-03-22 有機elプリントヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001260416A true JP2001260416A (ja) 2001-09-25

Family

ID=18597409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000080279A Pending JP2001260416A (ja) 2000-03-22 2000-03-22 有機elプリントヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001260416A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007260907A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Casio Comput Co Ltd 印刷装置
US7699482B2 (en) 2002-09-25 2010-04-20 Fujifilm Corporation Light-emitting element
JP2018144432A (ja) * 2017-03-08 2018-09-20 株式会社東芝 発光基板、プリントヘッドおよび画像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7699482B2 (en) 2002-09-25 2010-04-20 Fujifilm Corporation Light-emitting element
JP2007260907A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Casio Comput Co Ltd 印刷装置
JP2018144432A (ja) * 2017-03-08 2018-09-20 株式会社東芝 発光基板、プリントヘッドおよび画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4094919B2 (ja) 有機発光表示装置
JP2001071558A (ja) Elプリンタ及びel素子
TWI278254B (en) Light-emitting device, electronic equipment, projection-type display device, line head, and image forming apparatus
US6816181B2 (en) Image forming device
US7199769B2 (en) Exposure apparatus
US6836076B2 (en) Exposure device
JP2001260416A (ja) 有機elプリントヘッド
US20060017800A1 (en) Exposure system
JP3613998B2 (ja) 有機elプリントヘッド
JP3687393B2 (ja) 有機elプリントヘッド
JP2000052591A (ja) 有機elプリントヘッド
JP2001167874A (ja) 有機el発光素子及びその製造方法
JP2000343752A (ja) 有機elプリントヘッド
JP2000177155A (ja) 照明装置
JPH05165108A (ja) カラープリンタ及び蛍光書き込み装置
JP2000353590A (ja) 有機el発光素子
JP2001171175A (ja) 有機elプリントヘッド及び有機elプリンタ
JP2000238325A (ja) 有機elプリントヘッド
JP3230450B2 (ja) プリンタヘッド及びプリンタヘッドの駆動方法、光プリンタ及び光プリンタの駆動方法
JP2000238318A (ja) 有機elプリントヘッド
US6191805B1 (en) Optical printer head and optical printer
JP3159099B2 (ja) プリンタヘッド及びプリンタヘッドの駆動方法、光プリンタ及び光プリンタの駆動方法
JP2000052592A (ja) 有機elプリントヘッド及びその駆動方法
JP2005181529A (ja) 露光装置
KR100311063B1 (ko) 광프린터 및 광프린터의 구동방법