JP2010226145A - 有機発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材上に透明電極、有機化合物層及び背面電極を積層してなり、該有機化合物層が、正孔輸送材を含有する正孔輸送層と、オルトメタル化錯体及び電子輸送材を含有する発光層と、を有する有機発光素子である。正孔輸送材の電子親和力(Eap)と、電子輸送材の電子親和力(Eae)とが、次式、(Eae)−(Eap)≧0.5(eV)、を満たす態様、オルトメタル化錯体がイリジウム錯体である態様、発光層がホスト化合物を含有する態様、有機化合物層が湿式成膜法で形成された態様、などが好ましい。
【選択図】なし
Description
しかしながら、このような有機発光素子の場合、無機LED素子や、蛍光管に比べ非常に発光効率が低いという大きな問題がある。現在提案されている有機発光素子の殆どは、有機発光材料の一重項励起子から得られる蛍光発光を利用したものである。単純な量子化学のメカニズムにおいては、励起子状態において、蛍光発光が得られる一重項励起子と、燐光発光が得られる三重項励起子との比は、1対3であり、前記蛍光発光を利用している限りは励起子の25%しか有効活用できず発光効率の低いものとなる。それに対し三重項励起子から得られる燐光を利用できるようになれば、発光効率を向上できることになる。
しかし、これらの有機発光素子の場合、低分子化合物を蒸着法等の乾式法で成膜しているため、低分子化合物の結晶化による劣化が避けられず、また、製造コストが高く、製造効率が悪いという重大な問題がある。
しかしながら、いずれの場合も、一重項励起子から得られる蛍光発光を利用したものであり、発光効率の低いという根本的な問題がある。
<1> 基材上に透明電極、有機化合物層及び背面電極を積層してなり、該有機化合物層が、正孔輸送材を含有する正孔輸送層と、オルトメタル化錯体及び電子輸送材を含有する発光層とを有することを特徴とする有機発光素子である。
<2> 正孔輸送材の電子親和力(Eap)と、電子輸送材の電子親和力(Eae)とが、次式、(Eae)−(Eap)≧0.5(eV)、を満たす前記<1>に記載の有機発光素子である。
<3> オルトメタル化錯体がイリジウム錯体である前記<1>又は<2>に記載の有機発光素子である。
<4> 発光層がホスト化合物を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の有機発光素子である。
<5> 有機化合物層が湿式成膜法で形成された前記<1>から<4>のいずれかに記載の有機発光素子である。
なお、これらの各層を形成するための具体的な化合物例については、例えば「月刊ディスプレイ '98 10月号別冊の『有機ELディスプレイ』(テクノタイムズ社発行)」などに記載されている。
本発明において、前記有機化合物層は、正孔輸送層と、発光層とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて正孔注入層、電子注入層等を有してなる。
前記正孔輸送層は、少なくとも正孔輸送材を含有してなり、必要に応じて適宜選択したポリマーバインダー等のその他の成分を含有してなる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
この場合、前記発光層中に電子を閉じ込めることができ、該電子と、前記正孔輸送層より注入された正孔とを、効率よく再結合させ励起子を生成させることができ、高輝度、高発光効率が得られる点で有利である。
前記正孔輸送材の含有量が30〜100重量%でない場合には、正孔輸送力が低下し、駆動電圧が上昇することがある。
前記ポリマーバインダーとしては、電気的に不活性な高分子であれば特に制限はなく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、等が挙げられる。
前記正孔輸送層が前記ポリマーバインダーを含有していると、該正孔輸送層を湿式成膜法により容易にかつ大面積に塗布形成することができる点で有利である。
なお、前記塗布液における固形分量(正孔輸送材及び必要に応じて用いられるポリマーバインダー等の量)としては、特に制限はなく、その粘度も湿式成膜法に応じて任意に選択することができる。
前記厚みが、200nmを超えると駆動電圧が上昇することがあり、10nm未満であると該有機発光素子が短絡することがある。
前記正孔注入層の材料としては、前記透明電極から正孔(ホール)を注入可能であるか、あるいは、前記背面電極から注入された電子を障壁可能であればよく、例えば、P型無機半導体などが好適に挙げられる。これらの材料は、駆動電圧がほとんど上昇させることなく、有機発光素子の膜厚(層厚)を大きくさせることができ、輝度ムラやショートを改善することができる点で有利である。
前記発光層は、オルトメタル化錯体及び電子輸送材を少なくとも含有する必要があり、ホスト化合物を含有するのが好ましく、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有する。
前記オルトメタル化錯体は、前記配位子のほかに、他の配位子を有していてもよい。
前記オルトメタル化錯体を形成する金属としては、Ir、Pd、Pt等が挙げられるが、これらの中でもイリジウム(Ir)が特に好ましい。
前記オルトメタル化錯体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記オルトメタル化錯体の含有量が0.1〜99重量%でない場合にはその含有効果が十分に発揮されないことがあり、1〜20重量%であるとその含有効果が十分であり、前記発光層の湿式成膜性が良好である点で好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
この場合、前記発光層中に電子を閉じ込めることができ、該電子と、前記正孔輸送層より注入された正孔とを、効率よく再結合させ励起子を生成させることができ、高輝度、高発光効率が得られる点で有利である。
前記電子輸送材の含有量が30〜99.9重量%でない場合には、高輝度、高発光効率が得られないことがある。
前記ホスト化合物としては、励起子エネルギーを前記オルトメタル化錯体にエネルギー移動させることができる化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物、等が挙げられる。
前記ホスト化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記発光層が前記ポリマーバインダーを含有していると、該発光層を湿式成膜法により容易にかつ大面積に塗布形成することができる点で有利である。
なお、前記塗布液における固形分量(オルトメタル化錯体、電子輸送材、必要に応じて用いられるホスト化合物やポリマーバインダー等の量)としては、特に制限はなく、その粘度も湿式成膜法に応じて任意に選択することができる。
前記厚みが、200nmを超えると駆動電圧が上昇することがあり、10nm未満であると該有機発光素子が短絡することがある。
前記電子注入層の材料としては、前記背面電極から電子を注入可能である、該電子を輸送可能である、あるいは、前記透明電極から注入された正孔(ホール)を障壁可能であればよく、例えば、酸化アルミニウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム等の無機絶縁材料、n型シリコン、二酸化チタン等のn型無機半導体、ナフタレンテトラカルボキシリックジイミド等のn型有機半導体、などが挙げられる。
前記電子注入層の厚みとしては、0.01〜10nm程度である。
前記有機化合物層の前記有機発光素子における形成位置としては、特に制限はなく、該有機発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができるが、前記透明電極上に又は前記背面電極上に形成されるのが好ましい。この場合、該有機化合物層は、前記透明電極上又は前記背面電極上の全面又は一面に形成される。
前記有機化合物層の形状、大きさ、厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
具体的な層構成としては、透明電極/正孔注入層・正孔輸送層/発光層/背面電極、透明電極/正孔注入層・正孔輸送層/発光層/電子注入層/背面電極、等が挙げられる。
いずれの構成においても、発光は、通常、前記透明電極側から取り出される。
前記導電性高分子層の表面抵抗としては、10000Ω/□以下であるのが好ましい。
前記導電性高分子層の厚みとしては、10〜l000nmが好ましく、20〜200nmがより好ましい。
前記有機化合物層は、ディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ロールコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビヤコート法等の湿式成膜法により特に好適に塗布形成することができる。
前記湿式成膜法による塗布形成の場合、前記有機化合物層を容易に大面積化することができ、高輝度で発光効率に優れた有機発光素子が低コストで効率良く得られる点で有利である。
なお、これらの湿式成膜法の種類の選択は、該有機化合物層の材料に応じて適宜行うことができる。
前記湿式成膜法により成膜した後、適宜乾燥を行うことができ、該乾燥の条件としては特に制限はないが、塗布形成した層が損傷しない範囲の温度等を採用することができる。
前記基材の材料としては、水分を透過させない材料又は水分透過率の極めて低い材料が好ましく、また、前記有機化合物層から発せられる光を散乱乃至減衰等させることのない材料が好ましく、例えば、YSZ(ジルコニア安定化イットリウム)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の合成樹脂等の有機材料、などが挙げられる。前記有機材料の場合、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、低吸湿性等に優れていることが好ましい。これらの中でも、前記透明電極の材料が該透明電極の材料として好適に使用される酸化錫インジウム(ITO)である場合には、該酸化錫インジウム(ITO)との格子定数の差が小さい材料が好ましい。これらの材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記基材は、無色透明であってもよいし、有色透明であってもよいが、前記発光層から発せられる光を散乱あるいは減衰等させることがない点で、無色透明であるのが好ましい。
前記透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に挙げられる。該透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパックリング法などにより形成することができる。
前記基材には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
前記透明電極としては、通常、前記有機化合物層に正孔を供給する陽極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機発光素子の用途、目的等に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
前記透明電極を陰極として機能させることもでき、この場合、前記背面電極を陽極として機能させるようにすればよい。
前記透明電極の抵抗値としては、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。
前記透明電極は、無色透明であってもよいし、有色透明であってもよく、該透明電極側から発光(蛍光)を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。この透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に従って測定することができる。
前記背面電極としては、通常、前記有機化合物層に電子を注入する陰極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
前記背面電極を陽極として機能させることもでき、この場合、前記透明電極を陰極として機能させるようにすればよい。
前記アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、又はアルミニウムと0.01〜10重量%のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との合金若しくは混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
なお、前記背面電極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングにより行なってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングにより行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法により行ってもよい。
また、前記背面電極と前記有機化合物層との間に前記アルカリ金属又は前記アルカリ土類金属のフッ化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。
なお、該誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
前記背面電極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な背面電極は、前記背面電極の材料を1〜10nmの厚みに薄く成膜し、更に前記ITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護層などが挙げられる。
前記保護層としては、例えば、特開平7−85974号公報、同7―192866号公報、同8―22891号公報、同10―275682号公報、同10―106746号公報等に記載のものが好適に挙げられる。
前記保護層は、前記積層体素子において、その最表面に、例えば、前記基材、前記透明電極、前記有機化合物層、及び前記背面電極がこの順に積層される場合には、該背面電極上に形成され、前記基材、前記背面電極、前記有機化合物層、及び前記透明電極がこの順に積層される場合には、該透明電極上に形成される。
前記保護層の形状、大きさ、厚み等については、適宜選択することができ、その材料としては、水分や酸素等の発光素子を劣化させ得るものを該発光素子内に侵入乃至透過させるのを抑制する機能を有していれば特に制限はなく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウム、等が挙げられる。
前記水分吸収剤としては、特に制限はないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム、等が挙げられる。
前記不活性液体としては、特に制限はないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類、などが挙げられる。
前記封止層の材料としては、例えば、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含む共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン及びジクロロジフルオロエチレンから選択される2種以上の共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Tl、NI等の金属、MgO、SiO、SiO2、A12O3、GeO、NlO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等の液状フッ素化炭素、液状フッ素化炭素に水分や酸素を吸着する吸着剤を分散させたもの、などが挙げられる。
本発明の有機発光素子の駆動については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号、米国特許5828429号、同6023308号、日本特許第2784615号、等に記載の方法を利用することができる。
前記基材として厚みが0.5mmで2.5cm角のガラス板を用い、この基材を真空チャンバー内に導入し、SnO2含有率が10重量%であるITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、透明電極としてのlTO薄膜(厚み0.2μm)を形成した。lTO薄膜の表面抵抗は、10Ω/□であった。
前記透明電極(陽極として機能する)及び前記背面電極(陰極として機能する)より、それぞれアルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を作製した。
即ち、正孔輸送材であるポリビニルカルバゾ−ルのジククロロエタン溶液を、ガラス上にスピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥した後、約100nmの厚みのポリビルカルバゾール薄膜を形成した。
また、電子輸送材であるCBPは、CBP/PMMA=80/20重量比で溶解させたトルエン溶液を、ガラス上にスピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥した後、約100nmの厚みのCBP/PMMA薄膜を形成した。
なお、前記イオン化ポテンシャルは、大気中紫外線光電子分析装置AC−1(理研計器株式会社製)を用いて、前記吸収スペクトルは、UV−2200(島津製作所製)を用いて、それぞれ測定した。結果を表1に示した。
これらの測定結果を表1に示した。
実施例1において、前記電子輸送材としてのCBPの代わりに、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[3−(2−メチルフェニル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン]を用いた以外は、実施例1と同様にして有機発光素子を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例2において、前記正孔輸送材としてのポリビニルカルバゾールの代わりに、ポリ(9−ヘキシルフェニレン)を用いた以外は、実施例2と同様にして有機発光素子を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例1において、前記電子輸送材としてのCBPの代わりに、ヒドロキシキノリンのアルミ錯体(Alq)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機発光素子を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
なお、比較例1では、Alqの電子親和性(Eae)は2.7eVであり、ポリビニルカルバゾールの電子親和性(Eap)は2.3eVであり、その差は0.4eVであって0.5eVより小さかった。その結果、発光効率及び発光輝度は共に低かった。
実施例2において、前記正孔輸送層を、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)/ポリカーボネート(PC)=80/20重量%として形成した以外は、実施例2と同様にして有機発光素子を作製し、実施例2と同じ同様の評価を行った。結果を表1に示した。
なお、比較例2では、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[3−(2−メチルフェニル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン]の電子親和性(Eae)は3.0eVであり、NPDの電子親和性(Eap)は2.6eVであり、その差は0.4eVであって0.5eVより小さかった。その結果、発光効率及び発光輝度は共に低かった。
実施例2において、前記オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体の代わりに、クマリン6を用いた以外は、実施例2と同様にして有機発光素子を作製し、実施例2と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
比較例3では、前記発光層にオルトメタル化錯体を用いていないため、発光効率及び発光輝度は共に低かった。
Claims (5)
- 基材上に透明電極、有機化合物層及び背面電極を積層してなり、該有機化合物層が、正孔輸送材を含有する正孔輸送層と、オルトメタル化錯体及び電子輸送材を含有する発光層と、を有することを特徴とする有機発光素子。
- 正孔輸送材の電子親和力(Eap)と、電子輸送材の電子親和力(Eae)とが、次式、(Eae)−(Eap)≧0.5(eV)、を満たす請求項1に記載の有機発光素子。
- オルトメタル化錯体がイリジウム錯体である請求項1又は2に記載の有機発光素子。
- 発光層がホスト化合物を含有する請求項1から3のいずれかに記載の有機発光素子。
- 有機化合物層が湿式成膜法で形成された請求項1から4のいずれかに記載の有機発光素子。
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