JP2010226145A - 有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】フルカラーディスプレイ、バックライト等の面光源やプリンター等の光源アレイなどに有効に利用でき、複数の発光が可能であり、高輝度で発光効率が高く、大面積化が可能であり、しかも製造容易な有機発光素子を提供する。
【解決手段】基材上に透明電極、有機化合物層及び背面電極を積層してなり、該有機化合物層が、正孔輸送材を含有する正孔輸送層と、オルトメタル化錯体及び電子輸送材を含有する発光層と、を有する有機発光素子である。正孔輸送材の電子親和力(Eap)と、電子輸送材の電子親和力(Eae)とが、次式、(Eae)−(Eap)≧0.5(eV)、を満たす態様、オルトメタル化錯体がイリジウム錯体である態様、発光層がホスト化合物を含有する態様、有機化合物層が湿式成膜法で形成された態様、などが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、フルカラーディスプレイ、バックライト等の面光源やプリンター等の光源アレイなどに有効に利用できる有機発光素子に関する。
有機物質を使用した有機発光素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子や書き込み光源アレイとしての用途が有望視され、多くの開発が行われている。この有機発光素子は、一般に発光層及び該発光層を挟んだ一対の対向電極から構成されている。この有機発光素子においては、一対の対向電極間に電界が印加されると、その内の陰極から電子が注入され、陽極から正孔が注入される。この電子と正孔とが前記発光層において再結合し、エネルギー準位が伝導体から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出され、発光が生ずる。
従来の有機発光素子においては、駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低いという問題があったが、近年これを解決する技術が種々報告されている。その一例として、有機化合物の蒸着により有機薄膜を形成した有機発光素子が提案されている(非特許文献1)。この有機発光素子の場合、電子輸送材からなる電子輸送層と、正孔輸送材からなる正孔輸送層との積層二層型の構造を有し、単層型の構造を有する従来の有機発光素子に比べて発光特性が大幅に向上している。この有機発光素子においては、前記正孔輸送材として低分子アミン化合物を用い、前記電子輸送材、兼発光材料として8−キノリノールのAl錯体(Alq)を用いており、発光は緑色である。
その後、このような蒸着により有機薄膜を形成した有機発光素子が、数多く報告されている(非特許文献2参照)。
しかしながら、このような有機発光素子の場合、無機LED素子や、蛍光管に比べ非常に発光効率が低いという大きな問題がある。現在提案されている有機発光素子の殆どは、有機発光材料の一重項励起子から得られる蛍光発光を利用したものである。単純な量子化学のメカニズムにおいては、励起子状態において、蛍光発光が得られる一重項励起子と、燐光発光が得られる三重項励起子との比は、1対3であり、前記蛍光発光を利用している限りは励起子の25%しか有効活用できず発光効率の低いものとなる。それに対し三重項励起子から得られる燐光を利用できるようになれば、発光効率を向上できることになる。
そこで、近年、イリジウムのフェニルピリジン錯体を用いた燐光利用の有機発光素子が報告されている(非特許文献3、4)。これらによると、従来の蛍光利用の有機発光素子に対して、2〜3倍の発光効率を示す旨が報告されている。
しかし、これらの有機発光素子の場合、低分子化合物を蒸着法等の乾式法で成膜しているため、低分子化合物の結晶化による劣化が避けられず、また、製造コストが高く、製造効率が悪いという重大な問題がある。
一方、製造コストの低減や、バックライト、照明光源等の大面積素子への応用の目的で、高分子化合物を湿式製膜法により成膜した有機発光素子が報告されている。該高分子化合物としては、例えば、緑色の発光を示すポリパラフェニレンビニレン(非特許文献5)、赤橙色の発光を示すポリ(3−アルキルチオフェン)(非特許文献6)、青色発光素子としてポリアルキルフルオレン(非特許文献7)などが挙げられる。また、特許文献1においては、低分子化合物をバインダー樹脂に分散させ、湿式成膜法により成膜する試みも報告されている。
しかしながら、いずれの場合も、一重項励起子から得られる蛍光発光を利用したものであり、発光効率の低いという根本的な問題がある。
三重項励起子を利用した湿式製膜型発光素子は、ほとんど報告されてなく、発光効率・発光輝度が高く、製造コストが低くて、大面積化が可能な有機発光素子は未だ提供されてなく、その提供が強く望まれているのが現状である。
アプライド フィジクスレターズ、51巻、913頁、1987年 マクロモレキュラリー シンポジウム、125巻、1頁、1997年 アプライド フィジクスレター、75巻、4頁、1999年 ジャパニーズジャーナル オブ アプライド フィジクス、38巻、L1502頁、1999年 ネイチャー、347巻、539頁、1990年 ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジクス、30巻、L1938頁、1991年 ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジクス、30巻、L1941頁、1991年
特開平2−223188号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、前記要望に応え、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、フルカラーディスプレイ、バックライト等の面光源やプリンター等の光源アレイなどに有効に利用でき、三重項励起子を有効に利用し、高輝度で発光効率が極めて高く、大面積化が可能であり、しかも低コストで容易に製造可能な有機発光素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 基材上に透明電極、有機化合物層及び背面電極を積層してなり、該有機化合物層が、正孔輸送材を含有する正孔輸送層と、オルトメタル化錯体及び電子輸送材を含有する発光層とを有することを特徴とする有機発光素子である。
<2> 正孔輸送材の電子親和力(Eap)と、電子輸送材の電子親和力(Eae)とが、次式、(Eae)−(Eap)≧0.5(eV)、を満たす前記<1>に記載の有機発光素子である。
<3> オルトメタル化錯体がイリジウム錯体である前記<1>又は<2>に記載の有機発光素子である。
<4> 発光層がホスト化合物を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の有機発光素子である。
<5> 有機化合物層が湿式成膜法で形成された前記<1>から<4>のいずれかに記載の有機発光素子である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、フルカラーディスプレイ、バックライト等の面光源やプリンター等の光源アレイなどに有効に利用でき、三重項励起子を有効に利用し、高輝度で発光効率が極めて高く、大面積化が可能であり、しかも低コストで容易に製造可能な有機発光素子を提供することができる。
本発明の有機発光素子は、基材上に透明電極、有機化合物層及び背面電極を積層してなり、更に必要に応じて保護層等のその他の層を有してなる。
なお、これらの各層を形成するための具体的な化合物例については、例えば「月刊ディスプレイ '98 10月号別冊の『有機ELディスプレイ』(テクノタイムズ社発行)」などに記載されている。
−有機化合物層−
本発明において、前記有機化合物層は、正孔輸送層と、発光層とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて正孔注入層、電子注入層等を有してなる。
−−正孔輸送層−−
前記正孔輸送層は、少なくとも正孔輸送材を含有してなり、必要に応じて適宜選択したポリマーバインダー等のその他の成分を含有してなる。
前記正孔輸送層の材料としては、正孔(ホール)を輸送可能であるか、あるいは、前記背面電極から注入された電子を障壁可能であればよく、例えば、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、フタロシアニン等のポルフィリン誘導体、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾ−ル)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物、ポリメチルフェニルシラン誘導体、ポリアニリン誘導体、ブタジエン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリスチレン誘導体、トリフェエルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送材の電子親和力(Eap)としては、前記電子輸送材の電子親和力(Eae)との関係が、次式、(Eae)−(Eap)≧0.5(eV)、を満たすのが好ましい。
この場合、前記発光層中に電子を閉じ込めることができ、該電子と、前記正孔輸送層より注入された正孔とを、効率よく再結合させ励起子を生成させることができ、高輝度、高発光効率が得られる点で有利である。
本発明においては、前記正孔輸送材は、前記電子輸送材の電子親和力(Eae)・種類等に応じて適宜選択することができる。
前記正孔輸送材の電子親和力(Eap)は、任意の方法で測定することができるが、例えば、大気中紫外線光電子分析装置AC−1(理研計器株式会社製)により、イオン化ポテンシャルを測定し、この値から吸収スペクトルの吸収端エネルギーを引くことにより算出することができる。
なお、(Eae)−(Eap)≧0.5(eV)、を満たす例としては、前記正孔輸送材として、ポリビニルカルバゾ−ル(Eap=2.3eV)を用いる場合には、前記電子輸送材として、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(Eae=3.2eV)を併用することができ、この場合には、高輝度、高発光効率が得られる。
前記正孔輸送材の前記正孔輸送層における含有量としては、30〜100重量%が好ましい。
前記正孔輸送材の含有量が30〜100重量%でない場合には、正孔輸送力が低下し、駆動電圧が上昇することがある。
前記その他の成分としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリマーバインダーなどが好適に挙げられる。
前記ポリマーバインダーとしては、電気的に不活性な高分子であれば特に制限はなく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、等が挙げられる。
前記正孔輸送層が前記ポリマーバインダーを含有していると、該正孔輸送層を湿式成膜法により容易にかつ大面積に塗布形成することができる点で有利である。
前記正孔輸送層を湿式成膜法により塗布形成する場合、該正孔輸送層の材料を溶解して塗布液を調製する際に用いる溶剤としては、特に制限はなく、前記正孔輸送材、前記ポリマーバインダー等の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、n−プロピルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン形溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、炭酸ジエチル等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、ジメチルスルホキシド、水、等が挙げられる。
なお、前記塗布液における固形分量(正孔輸送材及び必要に応じて用いられるポリマーバインダー等の量)としては、特に制限はなく、その粘度も湿式成膜法に応じて任意に選択することができる。
前記正孔輸送層の厚みとしては、10〜200nmが好ましく、20〜80nmがより好ましい。
前記厚みが、200nmを超えると駆動電圧が上昇することがあり、10nm未満であると該有機発光素子が短絡することがある。
本発明において、前記正孔輸送層は正孔注入層と共に積層形成されるのが好ましい。
前記正孔注入層の材料としては、前記透明電極から正孔(ホール)を注入可能であるか、あるいは、前記背面電極から注入された電子を障壁可能であればよく、例えば、P型無機半導体などが好適に挙げられる。これらの材料は、駆動電圧がほとんど上昇させることなく、有機発光素子の膜厚(層厚)を大きくさせることができ、輝度ムラやショートを改善することができる点で有利である。
前記P型無機半導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Si1-XX(0≦X≦1)、CuI、Cu2S、CuSCN、などが好適に挙げられる。
前記正孔注入層の厚みとしては、5〜1000nm程度が好ましく、10〜500nmがより好ましい。
−−発光層−−
前記発光層は、オルトメタル化錯体及び電子輸送材を少なくとも含有する必要があり、ホスト化合物を含有するのが好ましく、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有する。
前記オルトメタル化錯体とは、例えば、山本明夫著「有機金属化学 −基礎と応用−」150頁、232頁、裳華房社(1982年発行)や、H.Yersin著「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」71〜77頁、135〜146頁、Springer−Verlag社(1987年発行)等に記載されている化合物群の総称である。該オルトメタル化錯体を含む前記有機化合物層は、高輝度で発光効率に優れる点で有利である。
前記オルトメタル化錯体を形成する配位子としては、種々のものがあり、前記各文献中にも記載されているが、その中でも好ましい配位子としては、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は、必要に応じて置換基を有していてもよい。
前記オルトメタル化錯体は、前記配位子のほかに、他の配位子を有していてもよい。
前記オルトメタル化錯体を形成する金属としては、Ir、Pd、Pt等が挙げられるが、これらの中でもイリジウム(Ir)が特に好ましい。
前記オルトメタル化錯体の中でも、三重項励起子から発光する化合物が本発明においては発光効率向上の観点から好適に使用することができる。
前記オルトメタル化錯体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記オルトメタル化錯体の前記発光層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜99重量%であり、1〜20重量%が好ましい。
前記オルトメタル化錯体の含有量が0.1〜99重量%でない場合にはその含有効果が十分に発揮されないことがあり、1〜20重量%であるとその含有効果が十分であり、前記発光層の湿式成膜性が良好である点で好ましい。
前記電子輸送材としては、例えば、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリビニルピリジン誘導体、ポリビニルオキサジアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、ペリノン誘導体、オキシン誘導体、キノリン錯体誘導体、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電子輸送材の電子親和力(Eae)としては、前記正孔輸送材の電子親和力(Eap)との関係が、次式、(Eae)−(Eap)≧0.5(eV)、を満たすのが好ましい。
この場合、前記発光層中に電子を閉じ込めることができ、該電子と、前記正孔輸送層より注入された正孔とを、効率よく再結合させ励起子を生成させることができ、高輝度、高発光効率が得られる点で有利である。
本発明においては、前記電子輸送材は、前記正孔輸送材の電子親和力(Eap)・種類等に応じて適宜選択することができる。
前前記電子輸送材の電子親和力(Eae)は、任意の方法で測定することができるが、例えば、大気中紫外線光電子分析装置AC−1(理研計器株式会社製)により、イオン化ポテンシャルを測定し、この値から吸収スペクトルの吸収端エネルギーを引くことにより算出することができる。
前記電子輸送材の前記発光層における含有量としては、30〜99.9重量%が好ましい。
前記電子輸送材の含有量が30〜99.9重量%でない場合には、高輝度、高発光効率が得られないことがある。
前記ホスト化合物とは、その励起状態から前記オルトメタル化錯体(ゲスト化合物として作用する)へエネルギー移動が起こり、その結果、該オルトメタル化錯体を発光させる機能を有する化合物のことである。
前記ホスト化合物としては、励起子エネルギーを前記オルトメタル化錯体にエネルギー移動させることができる化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物、等が挙げられる。
前記ホスト化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記正孔輸送層におけるその他の成分として説明したポリマーバインダーと同様のポリマーバインダーなどが挙げられる。
前記発光層が前記ポリマーバインダーを含有していると、該発光層を湿式成膜法により容易にかつ大面積に塗布形成することができる点で有利である。
前記発光層を湿式成膜法により塗布形成する場合、該発光層の材料を溶解して塗布液を調製する際に用いる溶剤としては、前記正孔輸送層を溶出させることがなければ特に制限はなく、前記正孔輸送層の塗布液を調製する際に用いる溶剤と同様の溶剤が挙げられる。
なお、前記塗布液における固形分量(オルトメタル化錯体、電子輸送材、必要に応じて用いられるホスト化合物やポリマーバインダー等の量)としては、特に制限はなく、その粘度も湿式成膜法に応じて任意に選択することができる。
前記発光層の厚みとしては、10〜200nmが好ましく、20〜80nmがより好ましい。
前記厚みが、200nmを超えると駆動電圧が上昇することがあり、10nm未満であると該有機発光素子が短絡することがある。
本発明において、前記発光層は電子注入層と共に積層形成されるのが好ましい。
前記電子注入層の材料としては、前記背面電極から電子を注入可能である、該電子を輸送可能である、あるいは、前記透明電極から注入された正孔(ホール)を障壁可能であればよく、例えば、酸化アルミニウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム等の無機絶縁材料、n型シリコン、二酸化チタン等のn型無機半導体、ナフタレンテトラカルボキシリックジイミド等のn型有機半導体、などが挙げられる。
前記電子注入層の厚みとしては、0.01〜10nm程度である。
−有機化合物層の構成−
前記有機化合物層の前記有機発光素子における形成位置としては、特に制限はなく、該有機発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができるが、前記透明電極上に又は前記背面電極上に形成されるのが好ましい。この場合、該有機化合物層は、前記透明電極上又は前記背面電極上の全面又は一面に形成される。
前記有機化合物層の形状、大きさ、厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記正孔輸送層と前記透明電極との間には、前記正孔注入層を形成してもよく、また、後述する背面電極と前記発光層との間に前記電子注入層を形成してもよい。
具体的な層構成としては、透明電極/正孔注入層・正孔輸送層/発光層/背面電極、透明電極/正孔注入層・正孔輸送層/発光層/電子注入層/背面電極、等が挙げられる。
いずれの構成においても、発光は、通常、前記透明電極側から取り出される。
なお、本発明においては、前記透明電極と前記正孔輸送層との間に、前記透明電極に接して導電性高分子層を設けるのが好ましい。この場合、駆動電圧がほとんど上昇することなく、前記有機化合物層の厚みを大きくすることができ、輝度ムラやショートが改善される点で有利である。
前記導電性高分子層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、WO98/05187等に記載のポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体などが好適に挙げられる。これらは、プロトン酸(例えば、樟脳スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等)と混合した状態で使用することができる。また、これらは、必要に応じて他の高分子(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ−N−ビニルカルバゾール(PVCz)等)と混合して使用することもできる。
前記導電性高分子層の表面抵抗としては、10000Ω/□以下であるのが好ましい。
前記導電性高分子層の厚みとしては、10〜l000nmが好ましく、20〜200nmがより好ましい。
−−有機化合物層の形成−−
前記有機化合物層は、ディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ロールコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビヤコート法等の湿式成膜法により特に好適に塗布形成することができる。
前記湿式成膜法による塗布形成の場合、前記有機化合物層を容易に大面積化することができ、高輝度で発光効率に優れた有機発光素子が低コストで効率良く得られる点で有利である。
なお、これらの湿式成膜法の種類の選択は、該有機化合物層の材料に応じて適宜行うことができる。
前記湿式成膜法により成膜した後、適宜乾燥を行うことができ、該乾燥の条件としては特に制限はないが、塗布形成した層が損傷しない範囲の温度等を採用することができる。
前記有機化合物層を前記湿式成膜法で塗布形成する場合、該有機化合物層には、バインダ−樹脂を添加することができる。この場合、該バインダー樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ビスフェノールA型ポリカーボネ−ト、ビスフェノールZ型ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ブチラール樹脂、アセタール樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−基材−
前記基材の材料としては、水分を透過させない材料又は水分透過率の極めて低い材料が好ましく、また、前記有機化合物層から発せられる光を散乱乃至減衰等させることのない材料が好ましく、例えば、YSZ(ジルコニア安定化イットリウム)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の合成樹脂等の有機材料、などが挙げられる。前記有機材料の場合、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、低吸湿性等に優れていることが好ましい。これらの中でも、前記透明電極の材料が該透明電極の材料として好適に使用される酸化錫インジウム(ITO)である場合には、該酸化錫インジウム(ITO)との格子定数の差が小さい材料が好ましい。これらの材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記基材の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、前記形状としては、板状である。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
前記基材は、無色透明であってもよいし、有色透明であってもよいが、前記発光層から発せられる光を散乱あるいは減衰等させることがない点で、無色透明であるのが好ましい。
前記基材には、その表面又は裏面(前記透明電極側)に、透湿防止層(ガスバリア層)を設けるのが好ましい。
前記透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に挙げられる。該透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパックリング法などにより形成することができる。
前記基材には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
−透明電極−
前記透明電極としては、通常、前記有機化合物層に正孔を供給する陽極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機発光素子の用途、目的等に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
前記透明電極を陰極として機能させることもでき、この場合、前記背面電極を陽極として機能させるようにすればよい。
前記透明電極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、有機導電性化合物、これらの混合物等が好適に挙げられ、仕事関数が4.0eV以上の材料が好ましい。前記材料の具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化亜鉛インジウム(IZO)、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)等の導電性金属酸化物、金、白金、銀、クロム、ニッケル等の金属、更にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等の有機導電性材料、これらとITOとの積層物、などが挙げられる。
前記透明電極は、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方式に従って前記基板上に形成することができる。例えば、前記透明電極の材料としてITOを選択する場合には、該透明電極の形成は、直流あるいは高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング等に従って行うことができる。また、前記透明電極の材料として有機導電性化合物を選択する場合には、湿式成膜法に従って行うことができる。
前記透明電極の前記有機発光素子における形成位置としては、特に制限はなく、該有機発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができるが、前記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、該透明電極は、前記基板における一方の表面の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
なお、前記透明電極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングにより行なってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングにより行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法により行ってもよい。
前記透明電極の厚みとしては、前記材料に応じて適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜50μmであり、50nm〜20μmが好ましい。
前記透明電極の抵抗値としては、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がより好ましい。
前記透明電極は、無色透明であってもよいし、有色透明であってもよく、該透明電極側から発光(蛍光)を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。この透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に従って測定することができる。
なお、前記透明電極については、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、これらを本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスチック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明電極が好ましい。
−−背面電極−−
前記背面電極としては、通常、前記有機化合物層に電子を注入する陰極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて、公知の電極の中から適宜選択することができる。
前記背面電極を陽極として機能させることもでき、この場合、前記透明電極を陰極として機能させるようにすればよい。
前記背面電極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられ、仕事関数が4.5eV以下のものが好ましい。前記材料の具体例としては、アルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。
前記アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、又はアルミニウムと0.01〜10重量%のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との合金若しくは混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
なお、前記背面電極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されている。
前記背面電極の形成は、特に制限はなく、公知の方式に従って行うことができ、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方式に従って行うことができる。例えば、前記背面電極の材料として金属等を選択する場合、その1種又は2種以上を同時にスパッタ法等に従って行うことができる。
なお、前記背面電極のパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングにより行なってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングにより行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法により行ってもよい。
前記背面電極の前記有機発光素子における形成位置としては、特に制限はなく、該有機発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができるが、前記有機化合物層上に形成されるのが好ましい。この場合、該背面電極は、前記有機化合物層上の全部又は一部に形成される。
また、前記背面電極と前記有機化合物層との間に前記アルカリ金属又は前記アルカリ土類金属のフッ化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。
なお、該誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
前記背面電極の厚みとしては、前記材料に応じて適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm〜5μmであり、50nm〜1μmが好ましい。
前記背面電極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な背面電極は、前記背面電極の材料を1〜10nmの厚みに薄く成膜し、更に前記ITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
−その他の層−
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護層などが挙げられる。
前記保護層としては、例えば、特開平7−85974号公報、同7―192866号公報、同8―22891号公報、同10―275682号公報、同10―106746号公報等に記載のものが好適に挙げられる。
前記保護層は、前記積層体素子において、その最表面に、例えば、前記基材、前記透明電極、前記有機化合物層、及び前記背面電極がこの順に積層される場合には、該背面電極上に形成され、前記基材、前記背面電極、前記有機化合物層、及び前記透明電極がこの順に積層される場合には、該透明電極上に形成される。
前記保護層の形状、大きさ、厚み等については、適宜選択することができ、その材料としては、水分や酸素等の発光素子を劣化させ得るものを該発光素子内に侵入乃至透過させるのを抑制する機能を有していれば特に制限はなく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウム、等が挙げられる。
前記保護層の形成方法としては、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシ法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法、などが挙げられる。
また、本発明においては、前記有機発光素子における少なくとも前記有機化合物層を、ガラスやポリ(クロロトリフルオロエチレン)シート等のカバー部材を用いて封止するのが好ましく、また、このカバー部材の中に水分吸収剤や撥水性の不活性液体等を挿入してもよい。
前記水分吸収剤としては、特に制限はないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム、等が挙げられる。
前記不活性液体としては、特に制限はないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類、などが挙げられる。
更に、本発明においては、前記有機発光素子における各層への水分や酸素の侵入を防止する目的で、封止層を設けるのも好ましい。
前記封止層の材料としては、例えば、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含む共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン及びジクロロジフルオロエチレンから選択される2種以上の共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Tl、NI等の金属、MgO、SiO、SiO2、A123、GeO、NlO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、パーフルオロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等の液状フッ素化炭素、液状フッ素化炭素に水分や酸素を吸着する吸着剤を分散させたもの、などが挙げられる。
本発明の有機発光素子は、前記透明電極と前記背面電極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜30ボルトの範囲)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機発光素子の駆動については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号、米国特許5828429号、同6023308号、日本特許第2784615号、等に記載の方法を利用することができる。
以下に、本発明の有機発光素子の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
前記基材として厚みが0.5mmで2.5cm角のガラス板を用い、この基材を真空チャンバー内に導入し、SnO2含有率が10重量%であるITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、透明電極としてのlTO薄膜(厚み0.2μm)を形成した。lTO薄膜の表面抵抗は、10Ω/□であった。
次に、前記透明電極を形成したガラス板を洗浄容器に入れ、IPA洗浄した後、これに酸素プラズマ処理を行った。そして、該透明電極の表面に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸水分散物(BAYER社製、Baytron P:固形分1.3%)をスピンコートした後、150℃、2時間、真空乾燥して厚みが100nmの正孔注入層を形成した。
そして、この正孔注入層上に、正孔輸送材としてのポリビニルカルバゾール(Mw=63000、アルドリッチ製)をジクロロエタンに溶解して得た塗布液を、スピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥させることにより厚みが40nmの正孔輸送層を形成した。
次に、この正孔輸送層上に、ポリメチルメタクリレ−ト(PMMA、Mw=120000、アルドリッチ製)と、電子輸送材としての4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル(CBP)と、オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体とを、10:20:1の重量比で、メチルエチルケトン/トルエン混合溶液(50/50vol%)に溶解して得た塗布液を、スピンコーターを用いて塗布し、80℃で2時間真空乾燥させることにより、厚みが40nmの発光層を形成した。
更に、この発光層上に、パタ−ニングしたマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内で、マグネシウム:銀=10:1(モル比)を0.25μm蒸着し、銀を0.3μm蒸着して、背面電極を形成した。
前記透明電極(陽極として機能する)及び前記背面電極(陰極として機能する)より、それぞれアルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を作製した。
ここで、得られた積層構造体を、窒素ガスで置換したグロ−ブボックス内に入れ、ガラス製の封止容器で紫外線硬化型接着剤(長瀬チバ製、XNR5493)を用いて封止した。以上により、実施例1の有機発光素子を作製した。
実施例1において用いた正孔輸送材及び電子輸送材の電子親和力については、以下のようにして試料を調製し、以下の方法により測定した。
即ち、正孔輸送材であるポリビニルカルバゾ−ルのジククロロエタン溶液を、ガラス上にスピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥した後、約100nmの厚みのポリビルカルバゾール薄膜を形成した。
また、電子輸送材であるCBPは、CBP/PMMA=80/20重量比で溶解させたトルエン溶液を、ガラス上にスピンコーターを用いて塗布し、室温で乾燥した後、約100nmの厚みのCBP/PMMA薄膜を形成した。
これらについて、イオン化ポテンシャルを測定し、その値から吸収スペクトルの吸収端の値を引くことにより、電子親和力を算出した。
なお、前記イオン化ポテンシャルは、大気中紫外線光電子分析装置AC−1(理研計器株式会社製)を用いて、前記吸収スペクトルは、UV−2200(島津製作所製)を用いて、それぞれ測定した。結果を表1に示した。
実施例1の有機発光素子について、以下の評価を行った。該有機発光素子に、東洋テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて直流電圧を印加し、発光させた。その時の最高輝度をLmaxとし、Lmaxが得られた時の電圧をVmaxとした。さらに、200Cd/m2時の発光効率をP200(Cd/A)とし、2000Cd/m2時の発光効率をP2000(Cd/A)とした。
これらの測定結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1において、前記電子輸送材としてのCBPの代わりに、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[3−(2−メチルフェニル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン]を用いた以外は、実施例1と同様にして有機発光素子を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例2において、前記正孔輸送材としてのポリビニルカルバゾールの代わりに、ポリ(9−ヘキシルフェニレン)を用いた以外は、実施例2と同様にして有機発光素子を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、前記電子輸送材としてのCBPの代わりに、ヒドロキシキノリンのアルミ錯体(Alq)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機発光素子を作製し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
なお、比較例1では、Alqの電子親和性(Eae)は2.7eVであり、ポリビニルカルバゾールの電子親和性(Eap)は2.3eVであり、その差は0.4eVであって0.5eVより小さかった。その結果、発光効率及び発光輝度は共に低かった。
(比較例2)
実施例2において、前記正孔輸送層を、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)/ポリカーボネート(PC)=80/20重量%として形成した以外は、実施例2と同様にして有機発光素子を作製し、実施例2と同じ同様の評価を行った。結果を表1に示した。
なお、比較例2では、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス[3−(2−メチルフェニル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン]の電子親和性(Eae)は3.0eVであり、NPDの電子親和性(Eap)は2.6eVであり、その差は0.4eVであって0.5eVより小さかった。その結果、発光効率及び発光輝度は共に低かった。
(比較例3)
実施例2において、前記オルトメタル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体の代わりに、クマリン6を用いた以外は、実施例2と同様にして有機発光素子を作製し、実施例2と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
比較例3では、前記発光層にオルトメタル化錯体を用いていないため、発光効率及び発光輝度は共に低かった。
Figure 2010226145

Claims (5)

  1. 基材上に透明電極、有機化合物層及び背面電極を積層してなり、該有機化合物層が、正孔輸送材を含有する正孔輸送層と、オルトメタル化錯体及び電子輸送材を含有する発光層と、を有することを特徴とする有機発光素子。
  2. 正孔輸送材の電子親和力(Eap)と、電子輸送材の電子親和力(Eae)とが、次式、(Eae)−(Eap)≧0.5(eV)、を満たす請求項1に記載の有機発光素子。
  3. オルトメタル化錯体がイリジウム錯体である請求項1又は2に記載の有機発光素子。
  4. 発光層がホスト化合物を含有する請求項1から3のいずれかに記載の有機発光素子。
  5. 有機化合物層が湿式成膜法で形成された請求項1から4のいずれかに記載の有機発光素子。
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