JP2002050482A - 有機発光素子 - Google Patents

有機発光素子

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JP2002050482A
JP2002050482A JP2000237154A JP2000237154A JP2002050482A JP 2002050482 A JP2002050482 A JP 2002050482A JP 2000237154 A JP2000237154 A JP 2000237154A JP 2000237154 A JP2000237154 A JP 2000237154A JP 2002050482 A JP2002050482 A JP 2002050482A
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JP2000237154A
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English (en)
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Hiroyuki Hirai
博幸 平井
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フルカラーディスプレイ、バックライト等の
面光源やプリンター等の光源アレイなどに有効に利用で
き、複数の発光が可能であり、高輝度で発光効率が高
く、大面積化が可能で消費電力を抑制でき、しかも製造
容易な有機発光素子を提供する。 【解決手段】 基材上に透明電極、有機発光層及び背面
電極を積層してなり、該有機発光層が、オルトメタル化
錯体を含有する第一発光層と、高分子発光材料を含有す
る第二発光層とを有する有機発光素子である。オルトメ
タル化錯体がイリジウム錯体である態様、オルトメタル
化錯体の第一発光層における含有量が1〜20重量%で
ある態様、第一発光層がホスト化合物を含有する態様、
第一発光層の発光スペクトルと第二発光層の発光スペク
トルとが異なる態様、第一発光層及び第二発光層が湿式
成膜法で形成された態様、などが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フルカラーディス
プレイ、バックライト等の面光源やプリンター等の光源
アレイなどに有効に利用できる有機発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機発光素子(以下「有機電界発光素
子」ということがある)は、1μm以下の厚みの有機化
合物層を二つの電極で挟持し、両電極間に電圧を印加す
ることにより、一方の電極(陰極)から電子が注入さ
れ、他方の電極(陽極)からホールが注入され、両者が
該有機化合物層中で再結合し、付近の発光材料を励起す
ることにより発光する、自発光型の素子である。近時、
この有機発光素子を、フラットパネルディスプレイ、案
内板、照明光源、書き込み光源、読み取り光源などに応
用する研究開発が盛んに行われている。しかし、前記有
機発光素子は、上述のように電荷注入型素子であるた
め、発光輝度を上げる程、該有機発光素子に流れる電流
が増大し、消費電力も大きくなり、発熱も大きくなると
いう根本的な問題がある。
【0003】ところで、M.A.Baldo他、Appl.Phys.Lett.
75巻,4頁,(1999年)には、トリス(2−フェニ
ルピリジン)イリジウム錯体を発光材料に用いた有機発
光素子が開示されており、該有機発光素子によると、非
常に高い外部量子効率が得られることが記載されてい
る。しかしながら、この有機発光素子の場合、真空蒸着
法により製造されるため、製造が煩雑で効率に劣る上、
大面積化が困難であるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
る前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、フルカラーディスプレイ、
バックライト等の面光源やプリンター等の光源アレイな
どに有効に利用でき、複数の発光が可能であり、高輝度
で発光効率が高く、大面積化が可能で消費電力を抑制で
き、しかも製造容易な有機発光素子を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 基材上に透明電極、有機発光層及び背面電極を
積層してなり、該有機発光層が、オルトメタル化錯体を
含有する第一発光層と、高分子発光材料を含有する第二
発光層とを有することを特徴とする有機発光素子であ
る。 <2> オルトメタル化錯体がイリジウム錯体である前
記<1>に記載の有機発光素子である。 <3> オルトメタル化錯体の第一発光層における含有
量が1〜20重量%である前記<1>又は<2>に記載
の有機発光素子である。 <4> 第一発光層がホスト化合物を含有する前記<1
>から<3>のいずれかに記載の有機発光素子である。 <5> 第一発光層の発光スペクトルと、第二発光層の
発光スペクトルとが異なる前記<1>から<4>のいず
れかに記載の有機発光素子である。 <6> 第一発光層及び第二発光層が湿式成膜法で形成
された前記<1>から<5>のいずれかに記載の有機発
光素子である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の有機発光素子は、基材上
に透明電極、有機発光層及び背面電極を積層してなり、
更に必要に応じて保護層等のその他の層を有してなる。
なお、これらの各層を形成するための具体的な化合物例
については、例えば「月刊ディスプレイ '98 10
月号別冊の『有機ELディスプレイ』(テクノタイムズ
社発行)」などに記載されている。
【0007】−有機発光層− 本発明において、前記有機発光層は、第一発光層と、第
二発光層とを少なくとも有する。前記有機発光層は、正
孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、等と
共に設けられるのが好ましい。
【0008】−−第一発光層−− 前記第一発光層は、オルトメタル化錯体を少なくとも含
有する必要があり、ホスト化合物を含有するのが好まし
く、高分子化合物、その他の成分等を適宜含有してな
る。なお、本発明においては該第一発光層が複数形成さ
れていてもよい。
【0009】前記オルトメタル化錯体とは、例えば、山
本明夫著「有機金属化学 −基礎と応用−」150頁、
232頁、裳華房社(1982年発行)や、H.Yer
sin著「Photochemistry and P
hotophysics of Coordinati
on Compounds」71〜77頁、135〜1
46頁、Springer−Verlag社(1987
年発行)等に記載されている化合物群の総称である。該
オルトメタル化錯体を含む前記有機発光層は、高輝度で
発光効率に優れる点で有利である。
【0010】前記オルトメタル化錯体を形成する配位子
としては、種々のものがあり、前記各文献中にも記載さ
れているが、その中でも好ましい配位子としては、2−
フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導
体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−
ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導
体等が挙げられる。これらの誘導体は、必要に応じて置
換基を有していてもよい。前記オルトメタル化錯体は、
前記配位子のほかに、他の配位子を有していてもよい。
前記オルトメタル化錯体を形成する金属としては、I
r、Pd、Pt等が挙げられるが、これらの中でもイリ
ジウム(Ir)が特に好ましい。
【0011】前記オルトメタル化錯体の中でも、三重項
励起子から発光する化合物が本発明においては発光効率
向上の観点から好適に使用することができる。前記オル
トメタル化錯体は、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0012】前記オルトメタル化錯体の前記第一発光層
における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じ
て適宜選択することができ、例えば、0.1〜99重量
%であり、1〜20重量%が好ましい。前記オルトメタ
ル化錯体の含有量が0.1〜99重量%でない場合には
その含有効果が十分に発揮されないことがあり、1〜2
0重量%であるとその含有効果が十分であり、前記第一
発光層の湿式成膜性が良好である点で好ましい。
【0013】前記ホスト化合物とは、その励起状態から
前記オルトメタル化錯体(ゲスト化合物として作用す
る)へエネルギー移動が起こり、その結果、該オルトメ
タル化錯体を発光させる機能を有する化合物のことであ
る。前記ホスト化合物としては、特に制限はなく目的に
応じて適宜選択することができるが、後述の高分子化合
物の中で該ホスト化合物の機能を有するものが好まし
く、具体的には、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導
体、ポリビニルピリジン誘導体、ポリビニルオキサジア
ゾール誘導体、ポリp−フェニレン−(p−フェニル)
イミノ−p−フェニレン誘導体などが挙げられる。前記
ホスト化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0014】前記高分子化合物としては、特に制限はな
く目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バイ
ンダーとしての機能を有する化合物などが挙げられ、具
体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、
ポリカーボネートなどが挙げられる。本発明において
は、これらの中でも、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘
導体、ポリビニルピリジン誘導体、ポリビニルオキサジ
アゾール誘導体、ポリp−フェニレン−(p−フェニ
ル)イミノ−p−フェニレン誘導体など、前記ホスト化
合物として機能し得るものが好ましい。これらは、1種
単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0015】前記高分子化合物の分子量としては、重量
平均分子量で1000〜1500000程度であり、1
0000〜500000が好ましい。前記高分子化合物
を前記第一発光層に用いると、該第一発光層を湿式成膜
法で均一に塗布形成することができる点で好ましい。な
お、本発明においては、低分子化合物どうしで又は前記
高分子化合物と一緒に使用することができる。
【0016】前記高分子化合物の前記第一発光層におけ
る含有量としては、10〜99重量%が好ましい。前記
高分子化合物の含有量が10〜99重量%でない場合に
は、前記第一発光層の塗布形成の際に低分子化合物が析
出等してしまい、均一に形成することができなくなるこ
とがある。
【0017】前記その他の成分としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低
分子ホール輸送材料(後述する正孔(ホール)輸送層の
材料の中で低分子のもの)、低分子電子輸送材料(後述
する電子輸送層の材料の中で低分子のもの)、などが挙
げられる。なお、これらの材料が前記オルトメタル化錯
体の前記ホスト化合物であってもよい。
【0018】前記第一発光層の厚みとしては、5〜20
0nmが好ましい。前記厚みが、200nmを超えると
駆動電圧が著しく上昇してしまうことがあり、5nm未
満であると十分な発光輝度が得られないことがある。
【0019】−−第二発光層−− 前記第二発光層は、高分子発光材料を少なくとも含有す
る必要があり、その他の成分等を適宜含有してなる。な
お、本発明においては該第二発光層が複数形成されてい
てもよい。
【0020】前記高分子発光材料としては、ポリ−p−
フェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポ
リフルオレン誘導体、ポリチオフェン誘導体等のπ共役
系の他、低分子色素とテトラフェニルジアミンやトリフ
ェニルアミンを主鎖や側鎖に導入したポリマー、などが
挙げられる。前記高分子発光材料の具体例としては、Bi
rgerson他、Adv.Mater.8巻(No.12)982頁(199
6年)、Halls他、Nature、376巻、498頁(19
95年8月10日)、Garten他、Adv.Mater.9巻(No.
2)127頁(1997年)、米国特許第5,514,8
78号、世界特許公開公報WO99/48160号、等
に記載された材料が挙げられる。これらは、1種単独で
使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】前記高分子発光材料の分子量としては、重
量平均分子量で1000〜1500000程度であり、
5000〜500000が好ましい。前記高分子発光材
料の前記第二発光層における含有量としては、10〜1
00重量%が好ましい。前記高分子発光材料の含有量が
10重量%未満であると、十分な発光効率や輝度が得ら
れないことがある。
【0022】前記その他の成分としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高
分子ホール輸送材料(後述する正孔(ホール)輸送層の
材料の中で高分子のもの)、高分子電子輸送材料(後述
する電子輸送層の材料の中で高分子のもの)、低分子ホ
ール輸送材料(後述する正孔(ホール)輸送層の材料の
中で低分子のもの)、低分子電子輸送材料(後述するの
材料の中で低分子のもの)、などが挙げられる。これら
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。
【0023】前記第二発光層の厚みとしては、5〜20
0nmが好ましい。前記厚みが、200nmを超えると
駆動電圧が著しく上昇してしまうことがあり、5nm未
満であると十分な発光輝度が得られないことがある。
【0024】−有機発光層の構成− 前記第一発光層及び前記第二発光層の前記有機発光層に
おける形成位置としては、特に制限はなく、該有機発光
素子の用途、目的等に応じて、あるいは湿式成膜の容易
さ、発光特性等を考慮して、適宜選択することができ、
前記第一発光層及び前記第二発光層のいずれが前記透明
電極側に位置していてもよい。
【0025】前記有機発光層の前記有機発光素子におけ
る形成位置としては、特に制限はなく、該有機発光素子
の用途、目的等に応じて適宜選択することができるが、
前記透明電極上に又は前記背面電極上に形成されるのが
好ましい。この場合、該有機発光層は、前記透明電極上
又は前記背面電極上の全面又は一面に形成される。前記
有機発光層の形状、大きさ、厚み等については、特に制
限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0026】前記有機発光層と前記透明電極(通常、陽
極として作用する)との間には、前記正孔(ホール)注
入層及び前記正孔(ホール)輸送層を形成してもよく、
また、後述する背面電極(通常、陰極として作用する)
と前記有機発光層との間に前記電子注入層及び前記電子
輸送層を形成してもよい。具体的な層構成としては、透
明電極/有機発光層/背面電極、透明電極/正孔(ホー
ル)注入層・正孔(ホール)輸送層/有機発光層/背面
電極、透明電極/有機発光層/電子注入層・電子輸送層
/背面電極、透明電極/正孔(ホール)注入層・正孔
(ホール)輸送層/有機発光層/電子注入層・電子輸送
層/背面電極、等が挙げられる。
【0027】−−正孔(ホール)注入層及び正孔(ホー
ル)輸送層−− 前記正孔(ホール)注入層の材料としては、前記透明電
極から正孔(ホール)を注入可能であるか、あるいは、
前記背面電極から注入された電子を障壁可能であればよ
く、例えば、P型無機半導体などが好適に挙げられる。
これらの材料は、駆動電圧がほとんど上昇させることな
く、有機発光素子の膜厚(層厚)を大きくさせることが
でき、輝度ムラやショートを改善することができる点で
有利である。
【0028】前記P型無機半導体としては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、
Si1-XX(0≦X≦1)、CuI、Cu2S、CuS
CN、などが好適に挙げられる。
【0029】前記正孔(ホール)注入層の厚みとして
は、5〜1000nm程度が好ましく、10〜500n
mがより好ましい。
【0030】前記正孔(ホール)輸送層の材料として
は、正孔(ホール)を輸送可能であるか、あるいは、前
記背面電極から注入された電子を障壁可能であればよ
く、例えば、トリアゾール誘導体、オキサゾ−ル誘導
体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポ
リアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾ
ロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミ
ン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアント
ラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導
体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三ア
ミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデ
ン系化合物、フタロシアニン等のポルフィリン誘導体、
ポリシラン系化合物、ポリメチルフェニルシラン誘導
体、カルバゾール誘導体、ポリ(N−ビニルカルバゾ−
ル)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマ
ー、ポリチオフェン誘導体等の導電性高分子オリゴマ
ー、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘
導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物、ポリメ
チルフェニルシラン誘導体、ポリアニリン誘導体、ブタ
ジエン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリスチレン誘導
体、トリフェエルメタン誘導体、テトラフェニルベンジ
ン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体、などが挙
げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。
【0031】なお、本発明においては、前記透明電極と
前記正孔(ホール)輸送層(該正孔(ホール)輸送層を
設けないときは前記有機発光層)との間に、前記透明電
極に接して導電性高分子層を設けるのが好ましい。この
場合、駆動電圧がほとんど上昇することなく、前記有機
発光層の厚みを大きくすることができ、輝度ムラやショ
ートが改善される点で有利である。
【0032】前記導電性高分子層の材料としては、特に
制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例
えば、WO98/05187等に記載のポリアニリン誘
導体、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体など
が好適に挙げられる。これらは、プロトン酸(例えば、
樟脳スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スチレンス
ルホン酸、ポリスチレンスルホン酸等)と混合した状態
で使用することができる。また、これらは、必要に応じ
て他の高分子(例えば、ポリメチルメタクリレート(P
MMA)、ポリ−N−ビニルカルバゾール(PVCz)
等)と混合して使用することもできる。前記導電性高分
子層の表面抵抗としては、10000Ω/□以下である
のが好ましい。前記導電性高分子層の厚みとしては、1
0〜l000nmが好ましく、20〜200nmがより
好ましい。
【0033】−−電子注入層及び電子輸送層−− 前記電子注入層及び前記電子輸送層の材料としては、前
記背面電極から電子を注入可能である、該電子を輸送可
能である、あるいは、前記透明電極から注入された正孔
(ホール)を障壁可能であればよい。
【0034】前記電子注入層の材料としては、例えば、
酸化アルミニウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム等
の無機絶縁材料、n型シリコン、二酸化チタン等のn型
無機半導体、ナフタレンテトラカルボキシリックジイミ
ド等のn型有機半導体、などが挙げられる。前記電子注
入層の厚みとしては、0.01〜10nm程度である。
【0035】前記電子輸送層の材料としては、例えば、
ポリビニルピリジン誘導体、ポリビニルオキサジアゾー
ル誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、オ
キサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フルオレ
ノン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、フレオレ
ニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、
アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレン
テトラカルボキシル誘導体、ペリノン誘導体、オキシン
誘導体、キノリン錯体誘導体、チオピランジオキサイド
誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタ
ン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリ
レン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニ
ン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタル
フタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾー
ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、
ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフ
ェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高
分子化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で
使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記電
子輸送層の厚みとしては、5〜200nm程度である。
【0036】−−有機発光層の形成−− 前記有機発光層は、ディッピング法、スピンコーティン
グ法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート
法等の湿式成膜法により特に好適に塗布形成することが
できる。また溶媒を使い分けることにより多層塗布も可
能である。前記湿式成膜法による塗布形成の場合、前記
有機発光層を容易に大面積化することができ、複数の発
光が可能で、高輝度で発光効率に優れた有機発光素子が
得られる点で有利である。なお、これらの湿式成膜法の
選択は、該有機発光層の材料に応じて適宜行うことがで
きる。
【0037】前記有機発光層を前記湿式成膜法で塗布形
成する場合、該有機発光層には、バインダ−樹脂を添加
することができる。この場合、該バインダー樹脂として
は、例えば、ポリ塩化ビニル、ビスフェノールA型ポリ
カーボネート、ビスフェノールZ型ポリカーボネート、
ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル
メタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフ
ェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニル
カルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキ
シ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、
ブチラール樹脂、アセタール樹脂、ABS樹脂、ポリウ
レタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アル
キド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、などが挙げ
られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種
以上を併用してもよい。
【0038】−基材− 前記基材の材料としては、水分を透過させない材料又は
水分透過率の極めて低い材料が好ましく、また、前記有
機発光層から発せられる光を散乱乃至減衰等させること
のない材料が好ましく、例えば、YSZ(ジルコニア安
定化イットリウム)、ガラス等の無機材料、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリア
リレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミ
ド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ
(クロロトリフルオロエチレン)等の合成樹脂等の有機
材料、などが挙げられる。前記有機材料の場合、耐熱
性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通
気性、低吸湿性等に優れていることが好ましい。これら
の中でも、前記透明電極の材料が該透明電極の材料とし
て好適に使用される酸化錫インジウム(ITO)である
場合には、該酸化錫インジウム(ITO)との格子定数
の差が小さい材料が好ましい。これらの材料は、1種単
独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0039】前記基材の形状、構造、大きさ等について
は、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて
適宜選択することができる。一般的には、前記形状とし
ては、板状である。前記構造としては、単層構造であっ
てもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材
で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されて
いてもよい。前記基材は、無色透明であってもよいし、
有色透明であってもよいが、前記発光層から発せられる
光を散乱あるいは減衰等させることがない点で、無色透
明であるのが好ましい。
【0040】前記基材には、その表面又は裏面(前記透
明電極側)に、透湿防止層(ガスバリア層)を設けるの
が好ましい。前記透湿防止層(ガスバリア層)の材料と
しては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に挙げ
られる。該透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高
周波スパックリング法などにより形成することができ
る。前記基材には、更に必要に応じて、ハードコート
層、アンダーコート層などを設けてもよい。
【0041】−透明電極− 前記透明電極としては、通常、前記有機発光層に正孔を
供給する陽極として機能し、その形状、構造、大きさ等
については特に制限はなく、有機発光素子の用途、目的
等に応じて公知の電極の中から適宜選択することができ
る。なお、前記透明電極を陰極として機能させてもよ
く、この場合、前記背面電極を陽極として機能させれば
よい。
【0042】前記透明電極の材料としては、例えば、金
属、合金、金属酸化物、有機導電性化合物、これらの混
合物等が好適に挙げられ、仕事関数が4.0eV以上の
材料が好ましい。前記材料の具体例としては、アンチモ
ンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、
酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化亜鉛インジウム(IZ
O)、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛アルミニ
ウム(AZO)等の導電性金属酸化物、金、白金、銀、
クロム、ニッケル等の金属、更にこれらの金属と導電性
金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅な
どの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、
ポリピロール等の有機導電性材料、これらとITOとの
積層物、などが挙げられる。
【0043】前記透明電極は、例えば、印刷方式、コ−
ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CV
D、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前
記材料との適性を考慮して適宜選択した方式に従って前
記基板上に形成することができる。例えば、前記透明電
極の材料としてITOを選択する場合には、該透明電極
の形成は、直流あるいは高周波スパッタ法、真空蒸着
法、イオンプレーティング等に従って行うことができ
る。また、前記透明電極の材料として有機導電性化合物
を選択する場合には、湿式成膜法に従って行うことがで
きる。
【0044】前記透明電極の前記有機発光素子における
形成位置としては、特に制限はなく、該有機発光素子の
用途、目的等に応じて適宜選択することができるが、前
記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、該透明
電極は、前記基板における一方の表面の全部に形成され
ていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
【0045】なお、前記透明電極のパターニングは、フ
ォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングにより
行なってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチン
グにより行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着
やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印
刷法により行ってもよい。
【0046】前記透明電極の厚みとしては、前記材料に
応じて適宜選択することができ、一概に規定することは
できないが、通常10nm〜50μmであり、50nm
〜20μmが好ましい。前記透明電極の抵抗値として
は、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がよ
り好ましい。前記透明電極は、無色透明であってもよい
し、有色透明であってもよく、また、該透明電極側から
発光(蛍光)を取り出すためには、その透過率として
は、60%以上が好ましく、70%以上がより好まし
い。この透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に
従って測定することができる。
【0047】なお、前記透明電極については、沢田豊監
修「透明導電膜の新展開」シーエムシー刊(1999)
に詳述があり、これらを本発明に適用することができ
る。耐熱性の低いプラスチック基板を用いる場合、IT
O又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した
透明電極が好ましい。
【0048】−−背面電極−− 前記背面電極としては、前記有機発光層に電子を注入す
る陰極として機能し、その形状、構造、大きさ等につい
ては特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて
公知の電極の中から適宜選択することができる。なお、
前記背面電極を陽極として機能させてもよく、この場
合、前記透明電極を陰極として機能させればよい。
【0049】前記背面電極の材料としては、例えば、金
属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混
合物などが挙げられ、仕事関数が4.5eV以下のもの
が好ましい。前記材料の具体例としては、アルカリ金属
(例えば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金
属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウ
ム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウ
ム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテル
ビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、
1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを
両立させる観点からは、2種以上を好適に併用すること
ができる。
【0050】これらの中でも、電子注入性の点で、アル
カリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に
優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好まし
い。前記アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニ
ウム単独、又はアルミニウミと0.01〜10重量%の
アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との合金若しく
は混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグ
ネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
【0051】なお、前記背面電極の材料については、特
開平2−15595号公報、特開平5−121172号
公報に詳述されている。
【0052】前記背面電極の形成は、特に制限はなく、
公知の方式に従って行うことができ、例えば、印刷方
式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方
式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの
中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方式に
従って行うことができる。例えば、前記背面電極の材料
として金属等を選択する場合、その1種又は2種以上を
同時にスパッタ法等に従って行うことができる。なお、
前記背面電極のパターニングは、フォトリソグラフィー
などによる化学的エッチングにより行なってもよいし、
レーザーなどによる物理的エッチングにより行ってもよ
く、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして
行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法により行っても
よい。
【0053】前記背面電極の前記有機発光素子における
形成位置としては、特に制限はなく、該有機発光素子の
用途、目的等に応じて適宜選択することができるが、前
記有機発光層上に形成されるのが好ましい。この場合、
該背面電極は、前記有機発光層上の全部又は一部に形成
される。また、前記背面電極と前記有機発光層との間に
前記アルカリ金属又は前記アルカリ土類金属のフッ化物
等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入しても
よい。なお、該誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法等により形成す
ることができる。
【0054】前記背面電極の厚みとしては、前記材料に
応じて適宜選択することができ、一概に規定することは
できないが、通常10nm〜5μmであり、50nm〜
1μmが好ましい。前記背面電極は、透明であってもよ
いし、不透明であってもよい。なお、透明な背面電極
は、前記背面電極の材料を1〜10nmの厚みに薄く成
膜し、更に前記ITOやIZO等の透明な導電性材料を
積層することにより形成することができる。
【0055】−その他の層− 前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じ
て適宜選択することができ、例えば、保護層などが挙げ
られる。前記保護層としては、例えば、特開平7−85
974号公報、同7―192866号公報、同8―22
891号公報、同10―275682号公報、同10―
106746号公報等に記載のものが好適に挙げられ
る。前記保護層は、前記積層体素子において、その最表
面に、例えば、前記基材、前記透明電極、前記有機発光
層、及び前記背面電極がこの順に積層される場合には、
該背面電極上に形成され、前記基材、前記背面電極、前
記有機発光層、及び前記透明電極がこの順に積層される
場合には、該透明電極上に形成される。前記保護層の形
状、大きさ、厚み等については、適宜選択することがで
き、その材料としては、水分や酸素等の発光素子を劣化
させ得るものを該発光素子内に侵入乃至透過させるのを
抑制する機能を有していれば特に制限はなく、例えば、
酸化珪素、二酸化珪素、酸化ゲルマニウム、二酸化ゲル
マニウム、等が挙げられる。
【0056】前記保護層の形成方法としては、特に限定
はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応
性スパッタリング法、分子線エピタキシ法、クラスター
イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重
合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD
法、コーティング法、などが挙げられる。
【0057】また、本発明においては、前記有機発光素
子における少なくとも前記有機発光層を、ガラスやポリ
(クロロトリフルオロエチレン)シート等のカバー部材
を用いて封止するのが好ましく、また、このカバー部材
の中に乾燥剤や撥水性のフッ素系不活性液体等を挿入し
てもよい。
【0058】更に、本発明においては、前記有機発光素
子における各層への水分や酸素の侵入を防止する目的
で、封止層を設けるのも好ましい。前記封止層の材料と
しては、例えば、テトラフルオロエチレンと少なくとも
1種のコモノマーとを含む共重合体、共重合主鎖に環状
構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポ
リユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロト
リフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン及びジクロロジフルオ
ロエチレンから選択される2種以上の共重合体、吸水率
1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物
質、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、T
l、NI等の金属、MgO、SiO、SiO2、A12
3、GeO、NlO、CaO、BaO、Fe23、Y2
3、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、Al
3、CaF2等の金属フッ化物、パーフルオロアルカ
ン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等の液
状フッ素化炭素、液状フッ素化炭素に水分や酸素を吸着
する吸着剤を分散させたもの、などが挙げられる。
【0059】本発明の有機発光素子は、前記透明電極と
前記背面電極との間に直流(必要に応じて交流成分を含
んでもよい)電圧(通常2ボルト〜30ボルトの範
囲)、又は直流電流を印加することにより、発光を得る
ことができる。本発明の有機発光素子の駆動について
は、特開平2−148687号、同6−301355
号、同5−29080号、同7−134558号、同8
−234685号、同8−241047号、米国特許5
828429号、同6023308号、日本特許第27
84615号、等に記載の方法を利用することができ
る。
【0060】本発明の有機発光素子は、光共振器型有機
発光素子としての用途に特に有効である。該光共振器型
有機発光素子については、例えば「月刊ディスプレイ
'98 10月号別冊の『有機ELディスプレイ』
(テクノタイムズ社発行)」の105頁、特開平9−1
80883号等に記載されている。
【0061】
【実施例】以下に、本発明の有機発光素子の実施例につ
いて説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限
定されるものではない。
【0062】(実施例1)前記基材として2.5cm角
のガラス板を用い、この基材を真空チャンバー内に導入
し、SnO2含有率が10重量%であるITOターゲッ
トを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温
度250℃、酸素圧1×10-3Pa)により、透明電極
としてのlTO薄膜(厚み200nm)をパターニング
形成した。lTO薄膜の表面抵抗は、7Ω/□であっ
た。
【0063】次に、前記透明電極を形成したガラス板を
洗浄容器に入れ、IPA洗浄した後、これに酸素プラズ
マ処理を行った。そして、該透明電極の表面に、ポリ
(エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホ
ン酸水分散物(BAYER社製、Baytron P:
固形分1.3%)をスピンコートした後、150℃、1
時間、真空乾燥して厚みが90nmの導電性高分子層を
形成した。
【0064】そして、この導電性高分子層上に、ポリ
(N−ビニルカルバゾール)160mg及びトリス(2
−フェニルピリジン)イリジウム錯体[Ir(ppy)
3]4mgを1,2−ジクロロエタン10mlに溶解し
た塗布液をスピンコートした後、これを乾燥させて厚み
が40nmの第一発光層を形成した。さらに、この第一
発光層上に、ポリ(9,9−ジ−n−オクチルフルオレ
ン−コ−ビス−N,N’−フェニル−ビス−N,N’−
フェニルベンジジン)50mg、ポリ(9,9−ジ−n
−オクチルフルオレン)50mg及び2−(4−ビフェ
ニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール25mgを、キシレン2
0mlに溶かした塗布液をスピンコートした後、100
℃で真空乾燥させて厚みが50nmの第二発光層を形成
した。
【0065】次に、この第二発光層上にマスクを用い
て、Caを厚みが50nmになるように、さらにAlを
厚みが150nmになるように、それぞれ順に真空蒸着
した。その後、窒素で満たされたグローブボックス中
で、ガラス及びUV硬化性接着剤を用いて封止をして有
機発光素子1Aを作製した。
【0066】(比較例1)実施例1において、前記第二
発光層を形成せず、ポリ(N−ビニルカルバゾール)1
60mg及びトリス(2−フェニルピリジン)イリジウ
ム錯体[Ir(ppy)3]4mgを、1,2−ジクロロ
エタン10mlに溶解した塗布液をスピンコートし、乾
燥させて厚みが40nmの有機発光層を形成した以外は
実施例1と同様にして、有機発光素子1Bを作製した。
【0067】(比較例2)実施例1において、前記第一
発光層を形成せず、ポリ(9,9−ジ−n−オクチルフ
ルオレン−コ−ビス−N,N’−フェニル−ビス−N,
N’−フェニルベンジジン)50mg、ポリ(9,9−
ジ−n−オクチルフルオレン)50mg及び2−(4−
ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール25mgを、キシレン2
0mlに溶かした塗布液をスピンコートした後、100
℃で真空乾燥させて厚みが50nmの有機発光層を形成
した以外は実施例1と同様にして、有機発光素子1Cを
作製した。
【0068】(比較例3)比較例2において、有機発光
層の厚みを150nmに変えた以外は比較例2と同様に
して、有機発光素子1Dを作製した。
【0069】(実施例2)実施例1と同様にして、ガラ
ス基板上にパターニングした透明電極としてITO薄膜
の上に、ポリ(p−フェニレンビニレン誘導体プレカー
サー)溶液(CDT社製、PPV−02)をスピンコー
トし、200℃で2時間真空乾燥させて厚みが40nm
の第二発光層を形成した。この第二発光層上に、ポリ
(N−ビニルカルバゾール)160mg、2−(4−ビ
フェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール48mg及びトリス(2
−フェニルピリジン)イリジウム錯体[Ir(ppy)
3]4mgを、1,2−ジクロロエタン10mlに溶解し
た塗布液をスピンコートし、乾燥させて厚みが40nm
の第一発光層を形成した。この第一発光層上に、マスク
を用いてLiFからなる電子注入層を厚みが1nmにな
るように、Al陰極を厚みが150nmになるように、
それぞれ順に真空蒸着した。その後、実施例1と同様に
封止をして有機発光素子2Aを作製した。
【0070】(比較例4)実施例2において、前記第一
発光層を形成せず、ポリ(p−フェニレンビニレン誘導
体プレカーサー)溶液(CDT社製、PPV−02)を
スピンコートし、200℃で2時間真空乾燥させて厚み
が40nmの有機発光層を形成した以外は実施例2と同
様にして、有機発光素子2Bを作製した。
【0071】(比較例5)実施例2において、前記第二
発光層を形成せず、ポリ(N−ビニルカルバゾール)1
60mg、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert
−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール4
8mg及びトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム
錯体[Ir(ppy)3]4mgを、1,2−ジクロロエ
タン10mlに溶解した塗布液をスピンコートし、乾燥
させて厚みが40nmの有機発光層を形成した以外は実
施例2と同様にして、有機発光素子2Cを作製した。
【0072】<有機発光素子の評価>得られた有機発光
素子を以下のように評価した。即ち、各実施例及び比較
例で作製した各有機発光素子に直流電圧を印加し、輝度
3000cd/m2を得る電圧及びそのときの外部量子
効率を測定した。その結果を表1に示した。
【0073】
【表1】
【0074】表1の結果から、本発明の有機発光素子
は、高輝度で、高い外部量子効率(発光効率)を示すこ
とが明かである。また、比較例1の有機発光素子1Bは
緑色発光を示し、比較例2の有機発光素子1Cは青色発
光を示したのに対し、本発明の有機発光素子1Aは、緑
色と青色の両方が混ざったの発光色を示した。このこと
は、本発明の有機発光素子では、前記第一発光層と前記
第二発光層とにおける発光スペクトルが異なり、高い外
部量子効率(発光効率)を示し、また、前記第一発光層
と前記第二発光層とにおいて、発光スペクトルが異なる
オルトメタル化錯体と高分子発光材料とをそれぞれ用い
たことにより、広範囲の波長領域で発光し得ることを意
味している。
【0075】(実施例3)実施例2において、トリス
(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体に代えて、ト
リス[2−(2−チエニル)ピリジン]イリジウム錯体、
トリス(7,8−ベンゾキノリン)イリジウム錯体、及
びビス[2−(4−メチルフェニル)ピリジン]−モノ
(アセチルアセトネート)イリジウム錯体を、各々同重
量用いた3種類の有機発光素子を作製したところ、これ
らの有機発光素子においても、高い外部量子効率(発光
効率)を示した。
【0076】
【発明の効果】本発明によると、従来における前記諸問
題を解決することができ、フルカラーディスプレイ、バ
ックライト等の面光源やプリンター等の光源アレイなど
に有効に利用でき、複数の発光が可能であり、高輝度で
発光効率が高く、大面積化が可能で消費電力を抑制で
き、しかも製造容易な有機発光素子を提供することがで
きる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に透明電極、有機発光層及び背面
    電極を積層してなり、該有機発光層が、オルトメタル化
    錯体を含有する第一発光層と、高分子発光材料を含有す
    る第二発光層とを有することを特徴とする有機発光素
    子。
  2. 【請求項2】 オルトメタル化錯体がイリジウム錯体で
    ある請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 【請求項3】 オルトメタル化錯体の第一発光層におけ
    る含有量が1〜20重量%である請求項1又は2に記載
    の有機発光素子。
  4. 【請求項4】 第一発光層がホスト化合物を含有する請
    求項1から3のいずれかに記載の有機発光素子。
  5. 【請求項5】 第一発光層の発光スペクトルと、第二発
    光層の発光スペクトルとが異なる請求項1から4のいず
    れかに記載の有機発光素子。
  6. 【請求項6】 第一発光層及び第二発光層が湿式成膜法
    で形成された請求項1から5のいずれかに記載の有機発
    光素子。
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