JP2005228737A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光効率に優れた有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】 一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有し、電圧印加時に蛍光発光する化合物と、電圧印加時に生成する一重項励起子の数を増幅させ、蛍光剤の発光強度を増幅させる機能を有する化合物と、をそれぞれ少なくとも一種含有する有機電界発光素子であって、該発光層中に、電圧印加時に蛍光発光する化合物、及び、電圧印加時に生成する一重項励起子の数を増幅させ、蛍光剤の発光強度を増幅させる機能を有する化合物に加えて、前記各化合物以外の、2種以上の材料を含有することを特徴とする。ここで、発光層は、蛍光剤を含有する層と、増幅剤を含有する層と、の積層構造を有することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる発光素子、特に、有機電界発光素子(以下、適宜、有機EL素子又は単に発光素子と称する)に関する。
有機電界発光(EL)素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。この有機電界発光素子の重要な特性値として、外部量子効率がある。外部量子効率は下記式により算出され、この値が大きいほど、即ち、素子に注入された電子に対して、放出されるフォトンが多いほど、消費電力の点で有利な素子と言える。
外部量子効率φ=素子から放出されたフォトン数/素子に注入された電子数
有機電界発光素子の外部量子効率は具体的には下記式により決定される。
外部量子効率φ=内部量子効率×光取り出し効率
有機化合物からの蛍光発光を利用する有機EL素子においては、内部量子効率の限界値が25%であり、光取り出し効率が約20%であることから、外部量子効率の限界値は約5%とされている。
有機電界発光素子の内部量子効率を向上させて、素子の外部量子効率を向上する方法として、三重項発光材料(りん光発光材料)を用いる素子が報告されている(例えば、特許文献1参照)。この素子は従来の蛍光発光を利用した素子(一重項発光素子)に比べて外部量子効率を向上させることが可能であり、外部量子効率の最大値は8%(100cd/m2時の外部量子効率は7.5%)を達しているが、重原子金属錯体からのりん光発光を用いていることから発光のレスポンスが遅く、また、耐久性の点で改良が望まれていた。
この問題を改良する方法として、三重項励起子から一重項励起子へのエネルギー移動を用いた一重項発光素子が報告されている(例えば、特許文献2参照)。このような素子の構成の例を挙げれば、例えば、図1に示すように、蛍光剤を含む層と増幅剤を含む層との2層構造を有し、且つ、それぞれの層にホスト材料としての4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を含有するものなどが挙げられる。しかしながら、この文献に記載の素子、即ち、図1で表されるような構造を有する素子は、その外部量子効率の最大値は3.3%であり、従来の一重項発光素子の外部量子効率(φ=5%)を超えておらず、発光効率の向上という観点からは、さらなる改良が求められていた。
国際公開第2000/070655号パンフレット 国際公開第2001/008230号パンフレット
本発明の目的は、発光効率が良好な発光素子を提供することにある。
この課題は下記手段によって達成された。
〔1〕一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有し、電圧印加時に蛍光発光する化合物(以下、適宜、蛍光剤と称する)と、電圧印加時に生成する一重項励起子の数を増幅させ、蛍光剤の発光強度を増幅させる機能を有する化合物(以下、適宜、増幅剤と称する)と、をそれぞれ少なくとも一種含有する有機電界発光素子であって、該発光層中に、電圧印加時に蛍光発光する化合物、及び、電圧印加時に生成する一重項励起子の数を増幅させ、蛍光剤の発光強度を増幅させる機能を有する化合物に加えて、前記各化合物以外の、2種以上の材料を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
〔2〕発光層が、蛍光剤を含有する層と増幅剤を含有する層との交互積層構造を少なくとも一つ有することを特徴とする〔1〕に記載の有機電界発光素子。
〔3〕発光層において、蛍光剤を含有する層と増幅剤を含有する層のそれぞれに少なくとも1種のホスト材料を含有し、且つ、異なる層に含有されるホスト材料の少なくとも1種が互いに異なる材料であることを特徴とする〔2〕に記載の有機電界発光素子。
〔4〕発光層において、蛍光剤を含有する層と増幅剤を含有する層のいずれかまたは両方に、2種以上のホスト材料を含有することを特徴とする〔2〕に記載の有機電界発光素子。
以下は、本発明の好ましい態様である。
〔5〕蛍光剤が芳香族縮環化合物であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
〔6〕増幅剤が遷移金属錯体であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
本発明の有機電界発光素子は、発光効率が高く、高輝度発光を達成することができる。
本発明は、一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有する有機電界発光素子において、電圧を印加した時に蛍光発光する化合物(蛍光剤)を含有し、電圧印加時の発光が主に蛍光化合物からの発光に由来することを特徴とする有機電界発光素子に関する。
本発明の有機電界発光素子は、電圧印加時の発光が主に蛍光発光化合物からの発光に由来することを特徴とするが、電圧印加時の発光が主に蛍光発光化合物からの発光に由来するとは、言い換えれば、素子から得られる発光成分のうち、51%以上が一重項励起子からの発光(蛍光)であり、残り49%以下が三重項励起子からの発光(りん光)であることを意味するが、本発明においては、素子から得られる発光成分のうち、70%以上が蛍光、30%以下がりん光であることが好ましく、素子から得られる発光成分のうち、80%以上が蛍光、20%以下がりん光であることがさらに好ましく、最も好ましくは90%以上が蛍光、10%以下がりん光の場合である。発光が主に蛍光発光であると、発光のレスポンス、耐久性が向上し、また、高輝度時(例えば1000cd/m2以上)の効率低下が少ない点で好ましい。
本発明の発光素子は、電圧印加時に生成する一重項励起子の数を増幅させ、電圧印加時に蛍光を発する化合物の発光強度を増幅させる機能を有する化合物(増幅剤)を含有することを特徴とする。本発明に用いうる増幅剤としては、電圧印加時に生成する一重項励起子の数を増幅させる化合物であれは特に限定されないが、例えば、例えば、発光素子中で生成した三重項励起子を、蛍光剤もしくはホスト材料の一重項励起子にエネルギー移動させる機能を有する化合物が挙げられる。これらの機能を満たす化合物としては、20℃でりん光を発する化合物が挙げられ、そのような化合物のりん光の量子収率としては50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。このような化合物としては、具体的には、例えば、遷移金属錯体などが挙げられる。
遷移金属錯体としては、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、ルテニウム錯体、パラジウム錯体、ロジウム錯体、銅錯体、または、希土類錯体がより好ましく、イリジウム錯体、白金錯体がさらに好ましい。
本発明の増幅剤として用いられる遷移金属錯体としては、例えばUS 6303231 B1、US6097147、WO 00/57676、WO 00/70655、WO 01/08230、WO 01/39234 A2、WO 01/41512 A1、WO 02/02714 A2、WO 02/15645 A1、特開2001−247859、特願2000−33561、特願2001−189539、特願2001−248165、特願2001−33684、特願2001−239281、特願2001−219909、EP 1211257、特開2002−226495、特開2002−234894、特開2001−247859、特開2001−298470、特開2002−173674、特開2002−203678、特開2002−203679等の特許文献や、Nature、395巻、151頁(1998年)、Applied Physics Letters、75巻、4頁(1999年)、Polymer Preprints、41巻、770頁(2000年)、Jounal of American Chemical Society、123巻、4304頁(2001年)、Applied Physics Letters、79巻、2082頁(1999年)等の非特許文献に記載されているものが好適に利用できる。
増幅剤の有機化合物層中における濃度は特に限定されないが、0.1質量%以上9質量%以下が好ましく、1質量%以上8質量%以下がより好ましく、2質量%以上質量7%以下がさらに好ましく、3質量%以上6質量%以下が特に好ましい。濃度がこれらの値にあることは、素子の効率、耐久性を向上できる点で好ましい。
本発明の蛍光剤の蛍光量子収率は、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが特に好ましい。蛍光量子収率は、固体膜中、もしくは、溶液中、20℃で常法により測定したときの値を用いることができる。
本発明に用いられる蛍光剤には特に制限はないが、縮環芳香族化合物であることが好ましい。縮環芳香族化合物としては例えば、縮環芳香族炭化水素環を有する化合物(例えばナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、アセナフチレン、ピレン、ペリレン、フルオランテン、テトラセン、クリセン、ペンタセン、コロネン、及び、これらの誘導体(テトラ−t−ブチルピレン、ビナフチル、ルブレン、ベンゾピレン、ベンゾアントラセンなど)、縮環芳香族ヘテロ環を有する化合物(キノリン、キノキサリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、イミダゾピリジン、アザインドール、及び、これらの誘導体(例えば、ビスベンゾオキサゾリルベンゼン、ベンゾキノリンなど)など)などが挙げられ、なかでも縮環芳香族炭化水素環を有する化合物が好ましい。
本発明の発光素子は、ホール輸送層、発光層、電子輸送層を少なくとも有し、電圧印加時に蛍光を発する化合物を発光層中に少なくとも一つ有し、かつ、発光層中に含まれる蛍光剤からの発光が、素子から得られる総発光の80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。素子から得られる発光は、発光層中含まれる蛍光剤以外に、増幅剤からの発光、ホスト材料からの発光、電子輸送層からの発光、ホール輸送層からの発光などがある。
増幅剤の発光割合を少なくすることは、発光のレスポンスを向上できる点で好ましい。また、ホスト材料、電子輸送層、ホール輸送層からの発光を少なくすることは、増幅されていない発光を少なくすることに相当し、素子の効率を向上させることができる点で好ましい。
本発明の発光素子は、発光層に蛍光剤と増幅剤(sensitizer)の他に、これら以外の2種以上の材料を含有することを特徴とするものであり、該2種以上の材料はCBP(4,4’−N,N’−dicarbazole−biphenyl:4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル)を除くホスト材料であることが好ましい。ここで、ホスト材料とは、発光層を形成する材料のうち、蛍光剤、増幅剤以外の材料であって、蛍光剤や増幅剤を分散して層中に保持する機能、陽極や正孔輸送層等から正孔を受け取る機能、陰極や電子輸送層等から電子を受け取る機能、正孔または電子を輸送する機能、正孔と電子の再結合の場を提供する機能、再結合により生成した励起子のエネルギーを発光材料に移動させる機能、正孔または電子を発光材料に輸送する機能のうち少なくとも一種の機能を有する材料を包含する。
ホスト材料は、その機能上、カチオンラジカル及び/又はアニオンラジカルが生じることから、電気化学的な酸化または還元(好ましくは酸化及び還元)に対して安定であるものが好ましい。また、ホスト材料上で再結合が起こる場合には、ホスト材料の一重項及び三重項励起状態が生じることから、一重項及び三重項励起状態からの分解が起こり難いものが好ましい。さらに、駆動時の発熱による材料の分解や薄膜の破壊が、素子の大きな劣化要因の一つであることから、ホスト材料もまた熱に対して安定であり、高温までアモルファス性を保持できる材料であることが好ましい。
ホスト材料としては特に限定されないが、特開2003−27048公報に記載の化合物(1−1)〜(1−34)、特開2002−100476公報に記載の化合物(A−1)〜(A−33)、(B−1)〜(B−62)、(C−1)〜(C−72)、(D−1)〜(D−75)、(E−1)〜(E−5)、特開2002−193952公報に記載の例示化合物1〜60、特開2002−319491公報に記載の化合物1〜381、特開2000−119644公報に記載の化合物1〜37、特開2003−217856公報に記載の化合物1〜58、特願2002−241663に記載の化合物(I−1)〜(I−12)、特願2002−241662に記載の化合物(I−1)〜(I−16)、(II−1)〜(II−9)、特願2002−252803に記載の化合物1〜26、特開2002−38141公報に記載の化合物1〜82、特開2001−24758公報に記載の化合物1〜47、特開2001−192653公報に記載の化合物1〜99、特開2001−284051公報に記載の化合物(HT−1)〜(HT−20)、特願2002−140589に記載の化合物(H−1)〜(H−24)、特願2002−140590に記載の化合物(H−1)〜(H−26)、特開2002−338579公報に記載の化合物(E−1)〜(E−66)、特開2002−356489公報に記載の化合物(E−1)〜(E−53)、特開2001−192651公報に記載の化合物(1−1)〜(1−44)、特開平12−351966号公報に記載の化合物(1−1)〜(1−30)、(2−1)〜(2−22)、(3−1)〜(3−13)、(4−1)〜(4−35)、(5−1)〜(5−8)、特開2001−192652公報に記載の化合物(1−1)〜(1−26)、特開2002−305084公報に記載の化合物(H−1)〜(H−38)及び特願2003−285755に記載の錯体系ホスト材料などが好適に用いられる。
本発明の発光素子の発光層は、蛍光剤を含有する層(F層と呼ぶことがある)と増幅剤を含有する層(S層と呼ぶことがある)との積層構造を少なくとも一つ有することが好ましい。積層構造を2以上有する場合には、蛍光剤を含有する層と増幅剤を含有する層とが交互になるように積層される。本発明においては、発光層が12層以上50層以下の交互積層構造、言い換えれば、6組以上25組以下の前記積層構造、で構成されていることが好ましく、発光層が16層以上30層以下の交互積層構造で構成されていることがさらに好ましい。
蛍光剤を含有する層には少なくとも1種の蛍光剤が含まれ、増幅剤を含有する層には少なくとも1種の増幅剤が含まれていればよく、前記したホスト材料は、これらの層の少なくとも一方に含まれていればよく、双方に含まれていてもよい。
発光層が前記積層構造を有し、且つ、蛍光剤を含有する層と増幅剤を含有する層の双方にホスト材料を含む場合、含まれるホスト材料は互いに同一でも異なっていてもよいが、発光層全体に含有されるホスト材料は2種以上であることを要する。
蛍光剤を含有する層と増幅剤を含有する層との積層構造を有する発光層の構成としては、下記の二つの場合が考えられる。
(1) 蛍光剤を含有する層にホスト材料が一種、増幅剤を含有する層にホスト材料が一種含まれ、それぞれの層に含まれるホスト材料が互いに異なる場合。
(2) 蛍光剤を含有する層または増幅剤を含有する層のいずれかまたは両方に、互いに異なる二種以上のホスト材料を含む場合。
(2) の場合においては、蛍光剤を含有する層と増幅剤を含有する層のそれぞれに、1種以上の同一のホスト材料が含まれていてもよいが、発光層全体において、その層構成中に2種以上のホスト材料を含むことが必須である。発光層全体には、3種以上の互いに異なるホスト材料を含んでいてもよい。
本発明に係る積層構造を有する発光層の態様を、図を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
図2は、増幅剤を含有するS層と蛍光層を含有するF層の各々に少なくとも1種のホスト材料を含有する、本発明の有機電界発光素子の発光層の構成を示す概略図である。例えば、前記(1) の態様は、図2(A)で表される。即ち、増幅剤を含有するS層にホスト材料としてAなる化合物が、蛍光層を含有するF層には、ホスト材料としてAとは異なるBなる化合物を含有する態様である。また、図2(B)は、S層にホスト材料として化合物Aを含有し、F層には、S層に含まれるホスト材料と同じ化合物A及び異なる化合物Bを含有する態様を示す。
図3は、増幅剤を含有するS層と蛍光層を含有するF層のうち少なくとも1層に、少なくとも2種のホスト材料を含有する、本発明の有機電界発光素子の発光層の構成を示す概略図である。例えば、図3(A)は、増幅剤を含有するS層と蛍光層を含有するF層の各々に、ホスト材料として化合物Aと化合物Bを含有する態様である。この態様では、S層とF層に含まれる化合物同士は同一であるが、発光層全体では、互いに異なる2種のホスト材料を含むことになる。図3(B)は、増幅剤を含有するS層にホスト材料として化合物Aと化合物Bを、蛍光層を含有するF層にホスト材料として化合物Aと化合物Cを含有する態様である。この態様では、S層とF層には同一の化合物と互いに異なる化合物が含まれ、発光層全体では、互いに異なる3種のホスト材料を含むことになる。図3(C)は、S層にホスト材料として化合物Aと化合物Bとを含有し、F層には、S層に含まれるホスト材料と異なる化合物Cを含有する態様を示す。この態様では、S層とF層に含まれる化合物同士は互いに異なり、発光層全体では、互いに異なる3種のホスト材料を含むことになる。
本発明の発光素子は、発光層の中央部で発光することが好ましい。発光層の中央部で発光するということは、隣接する層〔ホール輸送層、励起子ブロック層(もしくはホールブロック層)、電子輸送層〕に三重項励起子をクエンチする化合物が存在しても、発光が該化合物の影響を受けにくいことから、クエンチする化合物が存在しない場合に比較した外部量子効率の低下が少ない点で好ましい。具体的には、例えば、外部量子効率の低下を20%以内とすることができるため好ましい。逆に、この外部量子効率の低下の程度により発光の位置を推定することができる。この場合、両者(三重項励起子をクエンチする化合物の存在する状態/存在しない状態)の比較は、発光素子の外部量子効率を測定することにより行うことができる。
本発明の発光層に含まれるホスト材料のガラス転移点は90℃以上400℃以下であることが好ましく、100℃以上380℃以下であることがより好ましく、120℃以上370℃以下であることがさらに好ましく、140℃以上360℃以下であることが特に好ましい。
次に、本発明の化合物を含有する発光素子に関して説明する。本発明の発光素子は、システム、駆動方法、利用形態など特に問わない。代表的な発光素子として有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を挙げることができる。
本発明の化合物を含有する発光素子の有機層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スプレーコート法、ディップコート法、含浸法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スピンコート法、フローコート法、バーコート法、マイクログラビアコート法、エアードクターコート、ブレードコート法、スクイズコート法、トランスファーロールコート法、キスコート法、キャストコート法、エクストルージョンコート法、ワイヤーバーコート法、スクリーンコート法等)、インクジェット法、印刷法、転写法などの方法が用いられ、特性面、製造面で抵抗加熱蒸着、コーティング法、転写法が好ましい。
本発明の発光素子は陽極、陰極の一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物膜を形成した素子であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給する機能を有するものであり、陽極の形成には、金属(単体)、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、または、これらの混合物、積層物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料により構成される。
陽極の具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
陽極は通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。
陽極に洗浄その他の処理を行うことにより、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。このような処理としては、例えばITOを材料とする場合には、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的なものとして挙げられる。
陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。
陰極の材料としては金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)及びそのフッ化物または酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物または酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金またはそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられる。なかでも、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属等である。
陰極は、上記化合物及び混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及び混合物を含む積層構造を取ることもできる。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウム の積層構造が好ましい。陰極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。
陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法、転写法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
発光層に含まれる他の材料としては、電界印加時に陽極または正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができると共に陰極または電子注入層、電子輸送層から電子を注入することができる機能や、注入された電荷を移動させる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層を形成することができるものであれば特に制限なく用いることができる。本発明に係る前記化合物、即ち、蛍光剤、増幅剤及び2種以上のホスト材料のほかに発光層に用いうる材料としては、例えば、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、(重複化合物除去)、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノールの金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、イリジウムトリスフェニルピリジン錯体、及び、白金ポルフィリン錯体に代表される遷移金属錯体、及び、それらの誘導体等が挙げられる。
本発明の発光素子における発光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
発光層の形成方法は、単層構造あるいは前記積層構造など、形成される所望の構造により適宜選択され、特に限定されるものではないが、例えば、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法、LB法、転写法などの方法が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法である。
発光素子に存在する発光層は一つであっても複数であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光して、例えば、白色を発光しても良い。単一の発光層から白色を発光しても良い。
正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、カルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、及び、それらの誘導体等が挙げられる。
正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送材料を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法が用いられる。
コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有している材料であればよい。その具体例としては、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノールの金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン、及び、それらの誘導体等が挙げられる。
電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送材料を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
保護層の材料としては水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、SiNx、SiOxy などの窒化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
本発明の発光素子は、種々の公知の工夫により、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、基板表面形状を加工する(例えば微細な凹凸パターンを形成する)、基板・ITO層・有機層の屈折率を制御する、基板・ITO層・有機層の膜厚を制御すること等により、光の取り出し効率を向上させ、外部量子効率を向上させることが可能である。
本発明の発光素子は、陽極側から発光を取り出す、いわゆる、トップエミッション方式であっても良い。
本発明の発光素子で用いられる基材は、特に限定されないが、ジルコニア安定化イットリウム、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、テフロン(登録商標)(商品名:ポリテトラフルオロエチレン)、ポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等の高分子量材料であっても良い。
以下に、本発明の具体的実施例を挙げて説明するが、本発明の実施の態様はこれらに限定されない。
(比較例1)
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)−ベンジジン)を50nm蒸着した。この上に、化合物A(下記構造)とルブレン(下記構造)を99:1の比率で1nm蒸着し、この上に化合物AとIr(ppy)3(下記構造)を17対1の比率で1nm蒸着し、このプロセスを18回繰り返し、計36nmの薄膜を形成した。その際、化合物Aとルブレンを入れた坩堝、及び、化合物AとIr(ppy)3を入れた坩堝は常時蒸着できる温度に加熱し、坩堝付近に設置したシャッターの切り替えで繰り返し蒸着を行った。
このようにして、ホスト材料として化合物Aの1種のみを含有する交互積層構造の発光層を形成した。この発光層は、蛍光剤を含む層と、増幅剤を含む層との双方にホスト材料として化合物A 1種のみを含む態様である。
この上に化合物G(下記構造)を36nm蒸着した。この有機薄膜上にパターニングしたマスク(発光面積が4mm×5mmとなる開口部を有するマスク)を設置し、フッ化リチウムを3nm蒸着し、この上に、アルミニウムを200nm蒸着して陰極を作製し、その後、マスクを除去した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧を有機EL素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8を用いて測定した。その結果、λmax=565nm色度(x,y)=(0.44,0.54)の黄色発光が得られ、200cd/m2での外部量子効率は11.1%であった。
Figure 2005228737
(実施例1)
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)−ベンジジン)を50nm蒸着した。この上に、化合物Aとルブレンを99:1の比率で1nm蒸着し、この上に化合物B(下記構造)とIr(ppy)3を17対1の比率で1nm蒸着し、このプロセスを18回繰り返し、計36nmの薄膜を形成した。その際、化合物Aとルブレンを入れた坩堝、及び、化合物BとIr(ppy)3を入れた坩堝は常時蒸着できる温度に加熱し、坩堝付近に設置したシャッターの切り替えで繰り返し蒸着を行った。
このようにして、ホスト材料として化合物A及び化合物Bの2種の化合物を含有する交互積層構造の発光層を形成した。この発光層は、蛍光剤を含む層と増幅剤を含む層に、それぞれ異なる1種類のホスト材料を含む態様である。
この上に化合物Gを36nm蒸着した。この有機薄膜上に比較例1と同様に陰極を敷設して実施例1の有機EL素子を作製した。比較例1と同様に評価したところ、λmax=566nm色度(x,y)=(0.45,0.54)の黄色発光が得られ、200cd/m2での外部量子効率は13.2%であった。
なお、以下に、本発明の実施例1〜実施例8で用いたホスト化合物B〜化合物Hの構造を示す。
Figure 2005228737
(実施例2)
化合物Bの代わりに化合物Cを用いた以外は実施例1と同様にして、化合物A及び化合物Cの2種のホスト材料を含有する発光層を有する実施例2の有機EL素子を作製した。比較例1と同様に評価したところ、λmax=565nm色度(x,y)=(0.44,0.53)の黄色発光が得られ、200cd/m2での外部量子効率は17.6%であった。
なお、この発光層は、実施例1と同様に、蛍光剤を含む層と増幅剤を含む層に、それぞれ異なる1種類のホスト材料を含む態様である。
(実施例3)
化合物Aの代わりに化合物B、化合物Bの代わりに化合物Dを用いた以外は実施例1と同様にして化合物B及び化合物Dの2種のホスト材料を含有する発光層を有する実施例3の有機EL素子を作製した。比較例1と同様に評価したところ、λmax=563nm色度(x,y)=(0.46,0.52)の黄色発光が得られ、200cd/m2での外部量子効率は13.7%であった。
この発光層は、実施例1と同様に、蛍光剤を含む層と増幅剤を含む層に、それぞれ異なる1種類のホスト材料を含む態様である。
(実施例4)
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)−ベンジジン)を50nm蒸着した。この上に、化合物Bと化合物Eとルブレンを50:50:1の比率で1nm蒸着し、この上に化合物DとIr(ppy)3を17:1の比率で1nm蒸着し、このプロセスを18回繰り返し、計36nmの薄膜を形成した。その際、化合物Bと化合物Eとルブレンを入れた坩堝、及び、化合物DとIr(ppy)3を入れた坩堝は常時蒸着できる温度に加熱し、坩堝付近に設置したシャッターの切り替えで繰り返し蒸着を行った。この上に化合物Gを36nm蒸着した。
この有機薄膜上に比較例1と同様に陰極を敷設し、化合物B、化合物E及び化合物Dの3種のホスト材料を含有する発光層を有する実施例4の有機EL素子を作製した。比較例1と同様に評価したところ、λmax=566nm色度(x,y)=(0.45,0.55)の黄色発光が得られ、200cd/m2での外部量子効率は14.1%であった。
この発光層は、蛍光剤を含む層に互いに異なる2種のホスト材料、増幅剤を含む層に前記と異なる1種類のホスト材料を含む態様である。
(実施例5)
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)−ベンジジン)を50nm蒸着した。この上に、化合物Fと化合物Gとルブレンを50:50:1の比率で1nm蒸着し、この上に化合物Cと化合物HとIr(ppy)3を9:8:1の比率で1nm蒸着し、このプロセスを18回繰り返し、計36nmの薄膜を形成した。その際、化合物Fと化合物Gとルブレンを入れた坩堝、及び、化合物Cと化合物HとIr(ppy)3を入れた坩堝は常時蒸着できる温度に加熱し、坩堝付近に設置したシャッターの切り替えで繰り返し蒸着を行った。この上に化合物Gを36nm蒸着した。
この有機薄膜上に比較例1と同様に陰極を敷設して、化合物F、化合物G、化合物C及び化合物Hの4種のホスト材料を含有する発光層を有する実施例5の有機EL素子を作製した。比較例1と同様に評価したところ、λmax=563nm色度(x,y)=(0.42,0.55)の黄色発光が得られ、200cd/m2での外部量子効率は14.6%であった。
この発光層は、蛍光剤を含む層に2種のホスト材料を含有し、増幅剤を含む層に前記2種とは異なる2種類のホスト材料を含む態様である。
(実施例6)
洗浄したITO基板を蒸着装置に入れ、TPD〔N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)−ベンジジン〕を50nm蒸着した。この上に、化合物Cとルブレンを99:1の比率で1nm蒸着し、この上に化合物Fと化合物GとIr(ppy)3を10:7:1の比率で1nm蒸着し、このプロセスを18回繰り返し、計36nmの薄膜を形成した。その際、化合物Cとルブレンを入れた坩堝、及び、化合物Fと化合物GとIr(ppy)3を入れた坩堝は常時蒸着できる温度に加熱し、坩堝付近に設置したシャッターの切り替えで繰り返し蒸着を行った。この上に化合物Gを36nm蒸着した。
この有機薄膜上に比較例1と同様に陰極を敷設して、化合物C、化合物F及び化合物Gの3種のホスト材料を含有する発光層を有する実施例5の有機EL素子を作製した。比較例1と同様に評価したところ、λmax=564nm色度(x,y)=(0.43,0.54)の黄色発光が得られ、200cd/m2での外部量子効率は13.0%であった。
この発光層は、蛍光剤を含む層に1種のホスト材料を含有し、増幅剤を含む層に前記とは異なる2種類のホスト材料を含む態様である。
(実施例7)
化合物Cの代わりに化合物Fを用いた以外は実施例5と同様にして、化合物F、化合物G及び化合物Hの3種のホスト材料を含有する発光層を有する実施例7の有機EL素子を作製した。比較例1と同様に評価したところ、λmax=563nm色度(x,y)=(0.43,0.55)の黄色発光が得られ、200cd/m2での外部量子効率は12.6%であった。
この発光層は、蛍光剤を含む層に2種のホスト材料を含有し、増幅剤を含む層に、前記蛍光増に含まれるホスト材料と同じ化合物と異なる化合物の2種のホスト材料を含有する態様である。
〔耐久性の評価〕
前記のようにして得られた比較例1、実施例1乃至実施例7の発光素子について、それぞれ初期輝度を合わせて輝度の半減時間を測定したところ、比較例1は6時間、実施例1乃至実施例7はそれぞれ10時間、9時間、13時間、16時間、15時間、18時間、28時間であった。
前記比較例1及び実施例1乃至実施例8の評価結果より、ホスト材料を2種以上含む発光層を有する本発明の発光素子は、発光効率に優れ、且つ、半減時間が長いことから、耐久性に優れていることがわかった。他方、ホスト材料を1種のみ含有する比較例1の発光素子は、発光効率、耐久性ともに実施例よりも劣ることが確認された。
本発明の発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等の分野に好適に使用できる。
国際公開第2001/008230号パンフレットに記載の発光層の構成を示す概略図である。 (A)及び(B)は、それぞれ、増幅剤を含有する層と蛍光層を含有する層の各々に少なくとも1種のホスト材料を含有する、本発明の有機電界発光素子の発光層の一態様を示す概略図である。 (A)乃至(C)は、それぞれ、増幅剤を含有する層と蛍光層を含有する層のうち少なくとも1層に、少なくとも2種のホスト材料を含有する、本発明の有機電界発光素子の発光層の一態様を示す概略図である。

Claims (4)

  1. 一対の電極間に発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有し、電圧印加時に蛍光発光する化合物と、電圧印加時に生成する一重項励起子の数を増幅させ、蛍光剤の発光強度を増幅させる機能を有する化合物と、をそれぞれ少なくとも一種含有する有機電界発光素子であって、
    該発光層中に、電圧印加時に蛍光発光する化合物、及び、電圧印加時に生成する一重項励起子の数を増幅させ、蛍光剤の発光強度を増幅させる機能を有する化合物に加えて、前記各化合物以外の、2種以上の材料を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記発光層が、電圧印加時に蛍光発光する化合物を含有する層と、電圧印加時に生成する一重項励起子の数を増幅させ、蛍光剤の発光強度を増幅させる機能を有する化合物を含有する層と、の積層構造を少なくとも一つ有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記発光層において、電圧印加時に蛍光発光する化合物を含有する層と、電圧印加時に生成する一重項励起子の数を増幅させ、蛍光剤の発光強度を増幅させる機能を有する化合物を含有する層のそれぞれに少なくとも1種のホスト材料を含有し、且つ、異なる層に含有されるホスト材料の少なくとも1種が互いに異なる材料であることを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記発光層において、電圧印加時に蛍光発光する化合物を含有する層と、電圧印加時に生成する一重項励起子の数を増幅させ、蛍光剤の発光強度を増幅させる機能を有する化合物を含有する層のいずれかまたは両方に、2種以上のホスト材料を含有することを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光素子。
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