JP2002110348A - 有機発光素子、並びに、その製造方法及び製造装置 - Google Patents

有機発光素子、並びに、その製造方法及び製造装置

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JP2002110348A
JP2002110348A JP2000300819A JP2000300819A JP2002110348A JP 2002110348 A JP2002110348 A JP 2002110348A JP 2000300819 A JP2000300819 A JP 2000300819A JP 2000300819 A JP2000300819 A JP 2000300819A JP 2002110348 A JP2002110348 A JP 2002110348A
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emitting device
organic light
coating
layer
manufacturing
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JP2000300819A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Hirai
博幸 平井
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高輝度で保存耐久性に優れ、大面積化可能
で、大型基板上に有機化合物層を複数形成可能な有機発
光素子、それを所望の形状・大きさに低コストでしかも
容易に製造可能な有機発光素子の製造方法及び製造装置
を提供する。 【解決手段】 基板上に設けた1対の電極の間に、溶質
濃度が0.01〜10重量%である塗布液及び粒径1μ
m以下の粒子が分散された塗布液の少なくとも一方を厚
みが0.1〜100μmとなるように塗布し乾燥して有
機化合物層を形成する有機発光素子の製造方法である。
該有機発光素子の製造方法により製造されることを特徴
とする有機発光素子である。基板上に設けた1対の電極
の間に少なくとも1層の有機化合物層を有する有機発光
素子の製造装置であって、有機化合物層用の塗布液を厚
みが0.1〜100μmとなるように塗布する塗布手段
を少なくとも備えたことを特徴とする有機発光素子の製
造装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フルカラーディス
プレイ、バックライト等の面光源、プリンター等の光源
アレイなどに好適な有機発光素子、並びに、その製造方
法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機発光素子(「有機電界発光素子」と
いうことがある)は、一般に、1μm以下の有機化合物
層及び該有機化合物層を挟む一対の対向電極から構成さ
れている。この有機発光素子においては、一対の対向電
極間に電界が印加されると、その内の陰極から電子が注
入され、陽極から正孔が注入される。この電子と正孔と
が発光層において再結合し、エネルギー準位が伝導体か
ら価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出され、
発光が生ずる。この有機発光素子は、自発光型の素子で
あるので、フラットパネルディスプレイ、案内板、照明
光源、書込光源、読取光源、などの種々の利用が研究・
開発されてきている。
【0003】前記有機発光素子における有機化合物層
は、水分や酸素に劣化する材料を用いて形成される。こ
のため、前記有機発光素子には、該有機化合物層を水分
や酸素による劣化を防ぐ目的で、封止材が基板上に一般
に接着される。ところが、該封止材と基板との間に前記
有機化合物層が存在すると、該封止材の接着強度が不十
分となり、封止効果が低下してしまうという問題があ
る。また、外部へ導通するリード線の接続部に前記有機
化合物層が存在すると、電気抵抗が上昇してしまうとい
う問題がある。前記有機化合物層を真空蒸着法で形成す
る場合、前記封止材の接着部や前記リード線の接続部を
マスクすることにより、前記問題を解消することができ
るものの、大面積の有機発光素子が容易に得られないと
いう問題がある。
【0004】そこで、前記有機化合物層を塗布形成する
塗布法が、前記問題を解消する手法として提案されてい
る。前記塗布法としては、スピンコート法、ディッピン
グ法、バーコート法などが一般的であるが、これらの場
合、有機化合物層用の塗布液が基板の全面に塗布される
ため、前記封止材の接着部や前記リード線の接続部にお
いては、該塗布液を拭き取る等の作業が必要になるとい
う問題がある。また、特開平11−307246号公報
には、前記封止材の接着部や前記リード線の接続部を予
め剥離可能な樹脂組成物の層で被覆した後、有機化合物
層を基板全面に製膜した後、該樹脂組成物の層を剥離す
る方法が開示されている。しかし、この場合、製造が煩
雑である上、前記樹脂組成物の層と基板との間に段差が
生じるため、有機化合物層を塗布すると、その端部(前
記樹脂組成物の層との近接部)が厚くなり、発光ムラを
生じ易いという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
る前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、バックライト等の面光源、
プリンター等の光源アレイなどに好適であり、高輝度で
保存耐久性に優れ、大面積化可能であり、大型基板上に
有機化合物層を複数形成可能な有機発光素子、並びに、
該有機発光素子を所望の形状・大きさに低コストでしか
も容易に製造可能な有機発光素子の製造方法及び製造装
置、を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 基板上に設けた1対の電極の間に、溶質濃度が
0.01〜10重量%である塗布液、及び、粒径1μm
以下の粒子が分散された塗布液の少なくとも一方を厚み
が0.1〜100μmとなるように塗布し乾燥して有機
化合物層を形成することを特徴とする有機発光素子の製
造方法である。 <2> 塗布液の粘度が0.5〜500mPa・sであ
る前記<1>に記載の有機発光素子の製造方法である。 <3> 塗布液が高分子化合物を含有する前記<1>又
は<2>に記載の有機発光素子の製造方法である。 <4> 親水性塗布液を含む2種以上の塗布液の内、該
親水性塗布液を基板に最も近い位置に塗布し乾燥して有
機化合物層の少なくとも1層を形成する前記<1>から
<3>のいずれかに記載の有機発光素子の製造方法であ
る。 <5> 塗布が吐出型コーターを用いて行われる前記<
1>から<4>のいずれかに記載の有機発光素子の製造
方法である。 <6> 塗布が任意の形状に行われる前記<5>に記載
の有機発光素子の製造方法である。 <7> 基板上に設けた電極がストライプ状であり、塗
布液が該ストライプ方向に塗布される前記<1>から<
6>のいずれかに記載の有機発光素子の製造方法であ
る。 <8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の有機
発光素子の製造方法により製造されることを特徴とする
有機発光素子である。 <9> 基板上に設けた1対の電極の間に少なくとも1
層の有機化合物層を有する有機発光素子の製造装置であ
って、有機化合物層用の塗布液を厚みが0.1〜100
μmとなるように塗布する塗布手段を少なくとも備えた
ことを特徴とする有機発光素子の製造装置である。 <10> 塗布手段が吐出型コーターである前記<9>
に記載の有機発光素子の製造装置である。 <11> 塗布手段が精密ダイヤフラムポンプを備えて
なり、該精密ダイヤフラムポンプの駆動により塗布液が
吐出される前記<9>又は<10>に記載の有機発光素
子の製造装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の有機発光素子は、本発明
の有機発光素子の製造方法により製造される。以下、本
発明の有機発光素子の製造方法を説明すると共に、その
説明を通じて本発明の有機発光素子についても説明し、
更に本発明の有機発光素子の製造装置についても説明す
る。
【0008】本発明の有機発光素子の製造方法において
は、基板上に設けた1対の電極の間に、塗布液を塗布し
乾燥して有機化合物層を形成する。
【0009】−塗布− 前記塗布液は、前記有機化合物層の材料を含有してな
り、高分子化合物を含有するのが好ましい。前記塗布液
が前記高分子化合物を含有すると、該有機化合物層を大
面積にかつ容易に、しかも所望の形状に安定に形成する
ことができる点で好ましい。
【0010】前記塗布液は、適宜選択した該有機化合物
層の材料を溶媒(分散媒として機能する場合も含む)に
溶解乃至分散させることにより調製される。なお、該有
機化合物層の材料及び溶媒の組合せとしては、該有機化
合物層の種類に応じて異なり、後述の材料及び溶媒が挙
げられる。
【0011】前記塗布液として、本発明においては、溶
質濃度が0.01〜10重量%である液、及び、粒径1
μm以下の粒子が分散された液の少なくとも一方が使用
される。なお、例えば、径1μmの篩に前記有機化合物
層の材料又はその分散液を通す、あるいは溶媒を選択し
て溶液にする、等により、溶質濃度が0.01〜10重
量%である塗布液、又は、粒径1μm以下の粒子が分散
された塗布液を調製することができる。
【0012】前記塗布液の粘度としては、0.5〜50
0mPa・sが好ましく、1〜100mPa・sがより
好ましい。前記塗布液の粘度が、0.5mPa・s未満
であると、乾燥時ムラを生じ易く、500mPa・sを
超えると、乾燥膜厚が厚くなり過ぎることがある。な
お、前記塗布液の粘度は、前記塗布の際の温度、圧力等
を調節することにより適宜所望の範囲に調整することが
できる。
【0013】前記塗布液の種類は、前記有機化合物層の
層構成に応じて適宜選択することができ、親水性塗布液
であってもよいし、親油性塗布液であってもよいが、該
塗布液として、前記親水性塗布液を含む2種以上の塗布
液を使用する場合には、該親水性塗布液を前記基板に最
も近い位置に塗布し乾燥して有機化合物層の少なくとも
1層を形成するのが好ましい。この場合、前記有機化合
物層を容易に積層化できる点で有利である。
【0014】前記有機化合物層の層構成としては、発光
層を含み、単層構成であってもよいし、正孔注入層、正
孔輸送層、発光層、電子注入層、電子輸送層等を有する
積層構成であってもよい。
【0015】前記塗布液の塗布の厚みとしては、0.1
〜100μmである必要があり、1〜50μmが好まし
い。前記塗布液の塗布の厚みが、0.1μm未満である
と塗布面に濃度ムラを生じ易く、100μmを超えると
乾燥し難い。
【0016】−−正孔輸送層−− 前記有機化合物層が正孔輸送層を有する場合、該正孔輸
送層用の塗布液としては、少なくとも正孔輸送材を含有
し、必要に応じて適宜選択した高分子化合物等のその他
の成分を含有する。
【0017】前記正孔輸送材としては、正孔(ホール)
を輸送可能であるか、あるいは、前記背面電極から注入
された電子を障壁可能であればよく、例えば、カルバゾ
ール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導
体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポ
リアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾ
ロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミ
ン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアント
ラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導
体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三ア
ミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデ
ン系化合物、フタロシアニン等のポルフィリン誘導体、
ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾ−ル)
誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、
ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオ
フェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレン
ビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合
物、ポリメチルフェニルシラン誘導体、ポリアニリン誘
導体、ブタジエン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリスチ
レン誘導体、トリフェエルメタン誘導体、テトラフェニ
ルベンゼン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体、
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を併用してもよい。
【0018】前記正孔輸送層用の塗布液を塗布し乾燥し
て正孔輸送層を形成した場合、該正孔輸送層における前
記正孔輸送材の含有量としては、30〜100重量%が
好ましい。前記正孔輸送材の含有量が30〜100重量
%でない場合には、正孔輸送力が低下し、駆動電圧が上
昇することがある。
【0019】前記その他の成分としては、特に制限はな
く目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高分
子化合物などが好適に挙げられる。前記高分子化合物と
しては、電気的に不活性な高分子であれば特に制限はな
く、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリ
スチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタ
クリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニ
レンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロー
ス、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン
樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹
脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニル
アセタール、等が挙げられる。前記正孔輸送層が前記高
分子化合物を含有していると、容易にかつ大面積に塗布
形成することができる点で有利である。
【0020】前記正孔輸送層用の塗布液に用いる溶媒と
しては、特に制限はなく、前記正孔輸送材、前記高分子
化合物等の種類等に応じて適宜選択することができ、例
えば、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、ジクロロ
ヘキサノン等のハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
n−プロピルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケト
ン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系
溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチ
ル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブ
チロラクトン、炭酸ジエチル等のエステル系溶媒、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系
溶媒、メタノール、1−ブタノール、エチレングリコー
ル等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、水、
これらの混合溶媒、等が挙げられる。なお、これらの中
でも前記溶媒として、水、メタノール、1−ブタノー
ル、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶
媒、これらの混合溶媒、等を使用すると、親水性塗布液
が得られる。
【0021】前記溶媒の沸点としては、60〜200℃
が好ましく、80〜180℃がより好ましい。前記溶媒
の沸点が、60℃未満であると、前記塗布液の乾燥前に
固化等が生ずることがり、200℃を超えると、前記乾
燥に高温を要し、時間がかかることがある。
【0022】前記正孔輸送層用の塗布液における固形分
量(正孔輸送材及び必要に応じて用いられる高分子化合
物等の量)としては、特に制限はなく、適宜選択するこ
とができる。
【0023】前記正孔輸送層用の塗布液を用いて形成さ
れる前記正孔輸送層の厚みとしては、10〜200nm
が好ましく、20〜80nmがより好ましい。前記厚み
が、200nmを超えると駆動電圧が上昇することがあ
り、10nm未満であると該有機発光素子が短絡するこ
とがある。
【0024】−−発光層−− 前記発光層に用いる発光材料としては、励起されて蛍光
を発することのできるものであれば特に制限はなく、例
えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン
化合物、アザクマリン化合物、オキサゾ−ル化合物、オ
キサジアゾ−ル化合物、ペリノン化合物、ピロロピロー
ル化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フ
ルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化
合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物
及びアザキノロン化合物、ピラゾリン化合物及びピラゾ
ロン化合物、ロ−ダミン化合物、クリセン化合物、フェ
ナントレン化合物、シクロぺンタジエン化合物、スチル
ベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合
物、ジスチリルベンゼン化合物、ブタジエン化合物、ジ
シアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピ
ラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合
物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、
テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、
オリゴフェニレン化合物、キサンテン化合物及びチオキ
サンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、
アクリドン化合物、キノリン化合物、8−ビドロキシキ
ノリン化合物の金属錯体、べンゾキノリノールベリリウ
ム錯体、2,2’−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ
塩基とIII族金属との錯体、オキサジアゾ−ル化合物の
金属錯体、希土類錯体、などが挙げられる。これらは、
1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよ
い。また、電子輸送材料やホール輸送材料中にドープし
て発光層としてもよい。また、前記発光材料として高分
子発光材料を用いてもよい。前記高分子発光材料として
は、例えば、ポリ−p−フェニレンビニレン誘導体、ポ
リフルオレン誘導体、ポリチオフェン誘導体等のπ共役
系高分子や、低分子色素とテトラフェニルジアミン、ト
リフェニルアミン等を主鎖や側鎖に導入した高分子、な
どが挙げられる。該高分子発光材料は、これに低分子発
光材料を混合して使用してもよい。
【0025】前記有機化合物層が発光層を有する場合、
該発光層用の塗布液としては、オルトメタル化錯体を含
有するのが好ましく、更に必要に応じて適宜選択したホ
スト化合物等のその他の成分を含有するのが好ましい。
【0026】前記オルトメタル化錯体とは、例えば、山
本明夫著「有機金属化学 −基礎と応用−」150頁、
232頁、裳華房社(1982年発行)や、H.Yer
sin著「Photochemistry and P
hotophysics of Coordinati
on Compounds」71〜77頁、135〜1
46頁、Springer−Verlag社(1987
年発行)等に記載されている化合物群の総称である。該
オルトメタル化錯体を含む前記有機化合物層は、高輝度
で発光効率に優れる点で有利である。
【0027】前記オルトメタル化錯体を形成する配位子
としては、種々のものがあり、前記各文献中にも記載さ
れているが、その中でも好ましい配位子としては、2−
フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導
体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−
ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導
体等が挙げられる。これらの誘導体は、必要に応じて置
換基を有していてもよい。前記オルトメタル化錯体は、
前記配位子のほかに、他の配位子を有していてもよい。
前記オルトメタル化錯体を形成する金属としては、I
r、Pd、Pt等が挙げられるが、これらの中でもイリ
ジウム(Ir)が特に好ましい。
【0028】前記オルトメタル化錯体の中でも、三重項
励起子から発光する化合物が本発明においては発光効率
向上の観点から好適に使用することができる。前記オル
トメタル化錯体は、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0029】前記オルトメタル化錯体の前記発光層にお
ける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適
宜選択することができ、例えば、0.1〜99重量%で
あり、1〜20重量%が好ましい。前記オルトメタル化
錯体の含有量が0.1〜99重量%でない場合にはその
含有効果が十分に発揮されないことがあり、1〜20重
量%であるとその含有効果が十分であり、前記発光層の
湿式成膜性が良好である点で好ましい。
【0030】前記ホスト化合物とは、その励起状態から
前記オルトメタル化錯体(ゲスト化合物として作用す
る)へエネルギー移動が起こり、その結果、該オルトメ
タル化錯体を発光させる機能を有する化合物のことであ
る。前記ホスト化合物としては、励起子エネルギーを前
記オルトメタル化錯体にエネルギー移動させることがで
きる化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜
選択することができ、具体的には、カルバゾール誘導
体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサ
ジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリール
アルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導
体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導
体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン
誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチ
ルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合
物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合
物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導
体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオ
ピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フル
オレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導
体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無
水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体
の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾー
ルやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表さ
れる各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニ
ルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフ
ェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリ
ゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導
体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘
導体等の高分子化合物、等が挙げられる。前記ホスト化
合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
【0031】前記その他の成分としては、特に制限はな
く目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記
正孔輸送層におけるその他の成分として説明した高分子
化合物と同様の高分子化合物などが挙げられる。前記発
光層が前記高分子化合物を含有していると、該発光層を
湿式成膜法により容易にかつ大面積に塗布形成すること
ができる点で有利である。
【0032】前記発光層用の塗布液に用いる溶媒として
は、前記正孔輸送層を溶出させることがなければ特に制
限はなく、前記正孔輸送層用の塗布液を調製する際に用
いる溶媒と同様のものが挙げられる。なお、前記発光層
用の塗布液における固形分量としては、特に制限はな
く、適宜選択することができる。
【0033】前記発光層用の塗布液に用いて形成した発
光層の厚みとしては、10〜200nmが好ましく、2
0〜80nmがより好ましい。前記厚みが、200nm
を超えると駆動電圧が上昇することがあり、10nm未
満であると該有機発光素子がショートしてしまうことが
ある。
【0034】−−電子注入層−− 前記有機化合物層が電子注入層を有する場合、該電子注
入層用の塗布液としては、例えば、酸化アルミニウム、
フッ化リチウム、フッ化セシウム等の無機絶縁材料、n
型シリコン、二酸化チタン等のn型無機半導体、ナフタ
レンテトラカルボキシリックジイミド等のn型有機半導
体、などを含有する。前記電子注入層用の塗布液を用い
て形成した前記電子注入層の厚みとしては、0.01〜
10nm程度である。なお、前記電子注入層は、真空蒸
着法やスパッタ法で形成してもよい。
【0035】−−電子輸送層−− 前記有機化合物層が電子輸送層を有する場合、該電子輸
送層用の塗布液としては、少なくとも電子輸送材を含有
し、必要に応じて適宜選択した高分子化合物等のその他
の成分を含有する。
【0036】前記電子輸送材としては、例えば、トリア
ゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール
誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘
導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チ
オピランジオキサイド誘導体、カルボジイミド誘導体、
フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘
導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸
無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導
体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾ
ールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表
される各種金属錯体、ポリシラン系化合物、ポリ(N−
ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チ
オフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子
オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘
導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリビニルピリ
ジン誘導体、ポリビニルオキサジアゾール誘導体、トリ
アジン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、フレオ
レニリデンメタン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル
誘導体、ペリノン誘導体、オキシン誘導体、キノリン錯
体誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使
用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】前記その他の成分としては、特に制限はな
く目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記
正孔輸送層におけるその他の成分として説明した高分子
化合物と同様の高分子化合物などが挙げられる。前記電
子輸送層用の塗布液が、前記高分子化合物を含有してい
ると、該電子輸送層を容易にかつ大面積に塗布形成でき
る点で有利である。前記電子輸送層用の塗布液を用いて
形成した前記電子輸送層の厚みとしては、5〜200n
m程度である。
【0038】−有機化合物層の構成− 前記有機化合物層の前記有機発光素子における形成位置
としては、特に制限はなく、該有機発光素子の用途、目
的等に応じて適宜選択することができるが、前記透明電
極上又は前記背面電極上に形成されるのが好ましい。こ
の場合、該有機化合物層は、前記透明電極上又は前記背
面電極上の全面又は一面に形成される。
【0039】−有機発光素子の構成− 本発明の有機発光素子の具体的な層構成としては、透明
電極(通常陽極として用いる)/発光層/背面電極、透
明電極/正孔輸送層/発光層/背面電極、透明電極/発
光層/電子注入層・電子輸送層/背面電極、透明電極/
正孔輸送層/発光層/電子注入層・電子輸送層/背面電
極、等が挙げられる。いずれの構成においても、発光
は、通常、前記透明電極側から取り出される。なお、前
記各層を形成するための具体的な化合物例については、
例えば「月刊ディスプレイ '98 10月号別冊の
『有機ELディスプレイ』(テクノタイムズ社発行)」
などを参考にすることができる。
【0040】前記有機化合物層用の塗布液の塗布は、デ
ィッピング法、スピンコーティング法、キャスティング
法、ダイコート法、ロールコート法、ブレードコート
法、バーコート法、グラビヤコート法等の湿式塗布法に
より特に好適に行うことができる。これらの中でも、塗
布手段としてコーターを用いて行うのが好ましく、吐出
型コーターを用いて行うのが特に好ましい。この場合、
前記塗布液の吐出量を容易に制御することができ、大面
積に塗布可能であり、精密にかつ薄層に、しかも任意の
形状に塗布することができ、高輝度で発光効率に優れた
有機発光素子が低コストで効率良く得られる点で有利で
ある。
【0041】前記塗布液の塗布形状としては、特に制限
はなく、本発明においては任意の形状に塗布することが
できる。この場合、前記有機化合物層を形成した後に該
有機化合物層を、スパッタリング処理、溶解処理、剥離
処理等を行う必要がない点で作業が煩雑でない点で有利
である。
【0042】−乾燥− 前記乾燥の条件としては、特に制限はないが、塗布形成
した層が損傷しない範囲の温度、圧力等を採用すること
ができる。
【0043】ここで、前記有機発光素子における、基
材、透明電極、背面電極、封止材、等の前記有機化合物
層以外の層等について説明する。
【0044】−基材− 前記基材の材料としては、水分を透過させない材料又は
水分透過率の極めて低い材料が好ましく、また、前記有
機化合物層から発せられる光を散乱乃至減衰等させるこ
とのない材料が好ましく、例えば、YSZ(ジルコニア
安定化イットリウム)、ガラス等の無機材料、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリア
リレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミ
ド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ
(クロロトリフルオロエチレン)等の合成樹脂等の有機
材料、などが挙げられる。前記有機材料の場合、耐熱
性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通
気性、低吸湿性等に優れていることが好ましい。これら
の材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。
【0045】前記基材の形状、構造、大きさ等について
は、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて
適宜選択することができる。一般的には、前記形状とし
ては、板状である。前記構造としては、単層構造であっ
てもよいし、積層構造であってもよく、また、プラスチ
ック基材等のように単一部材で形成されていてもよい
し、プラスチックと薄厚(200μm以下)ガラスとの
積層基材(GB2335884A明細書に記載のも
の)、等のように2以上の部材で形成されていてもよ
い。
【0046】前記基材は、無色透明であってもよいし、
有色透明であってもよいが、前記発光層から発せられる
光を散乱あるいは減衰等させることがない点で、無色透
明であるのが好ましい。
【0047】前記基材には、その表面又は裏面(前記透
明電極側)に、透湿防止層(ガスバリア層)を設けるの
が好ましい。前記透湿防止層(ガスバリア層)の材料と
しては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に挙げ
られる。該透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高
周波スパックリング法、LPD法(液相沈着法)などに
より形成することができる。前記基材には、更に必要に
応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設け
てもよい。
【0048】−透明電極− 前記透明電極としては、通常、前記有機発光層に正孔を
供給する陽極として機能し、その形状、構造、大きさ等
については特に制限はなく、有機発光素子の用途、目的
等に応じて公知の電極の中から適宜選択することができ
る。なお、前記透明電極を陰極として機能させてもよ
く、この場合、前記背面電極を陽極として機能させれば
よい。
【0049】前記透明電極の材料としては、例えば、金
属、合金、金属酸化物、有機導電性化合物、これらの混
合物等が好適に挙げられ、仕事関数が4.0eV以上の
材料が好ましい。前記材料の具体例としては、アンチモ
ンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、
酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化亜鉛インジウム(IZ
O)、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛アルミニ
ウム(AZO)等の導電性金属酸化物、金、白金、銀、
クロム、ニッケル等の金属、更にこれらの金属と導電性
金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅な
どの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、
ポリピロール等の有機導電性材料、これらとITOとの
積層物、などが挙げられる。
【0050】前記透明電極は、例えば、印刷方式、コ−
ティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレ−ティング法等の物理的方式、CV
D、プラズマCVD法等の化学的方式、などの中から前
記材料との適性を考慮して適宜選択した方式に従って前
記基板上に形成することができる。例えば、前記透明電
極の材料としてITOを選択する場合には、該透明電極
の形成は、直流あるいは高周波スパッタ法、真空蒸着
法、イオンプレーティング等に従って行うことができ
る。また、前記透明電極の材料として有機導電性化合物
を選択する場合には、湿式成膜法に従って行うことがで
きる。
【0051】前記透明電極の前記有機発光素子における
形成位置としては、特に制限はなく、該有機発光素子の
用途、目的等に応じて適宜選択することができるが、前
記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、該透明
電極は、前記基板における一方の表面の全部に形成され
ていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
【0052】なお、前記透明電極のパターニングは、フ
ォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングにより
行なってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチン
グにより行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着
やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印
刷法により行ってもよい。
【0053】前記透明電極の厚みとしては、前記材料に
応じて適宜選択することができ、一概に規定することは
できないが、通常10nm〜50μmであり、50nm
〜20μmが好ましい。前記透明電極の抵抗値として
は、103Ω/□以下が好ましく、102Ω/□以下がよ
り好ましい。前記透明電極は、無色透明であってもよい
し、有色透明であってもよく、また、該透明電極側から
発光(蛍光)を取り出すためには、その透過率として
は、60%以上が好ましく、70%以上がより好まし
い。この透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に
従って測定することができる。また、大面積の有機発光
素子を得るために、低抵抗の金属材料からなるバスライ
ンを併用してもよい。
【0054】なお、前記透明電極については、沢田豊監
修「透明導電膜の新展開」シーエムシー刊(1999)
に詳述があり、これらを本発明に適用することができ
る。耐熱性の低いプラスチック基板を用いる場合、IT
O又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した
透明電極が好ましい。
【0055】−−背面電極−− 前記背面電極としては、前記有機化合物層に電子を注入
する陰極としての機能を有していればよく、その形状、
構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の
用途、目的等に応じて、公知の電極の中から適宜選択す
ることができる。
【0056】前記背面電極の材料としては、例えば、金
属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混
合物などが挙げられ、仕事関数が4.5eV以下のもの
が好ましい。前記材料の具体例としては、アルカリ金属
(例えば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金
属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウ
ム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウ
ム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテル
ビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、
1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを
両立させる観点からは、2種以上を好適に併用すること
ができる。
【0057】これらの中でも、電子注入性の点で、アル
カリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に
優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好まし
い。前記アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニ
ウム単独、又はアルミニウムと0.01〜10重量%の
アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との合金若しく
は混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグ
ネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
【0058】なお、前記背面電極の材料については、特
開平2−15595号公報、特開平5−121172号
公報に詳述されている。
【0059】前記背面電極の形成は、特に制限はなく、
公知の方式に従って行うことができ、例えば、印刷方
式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方
式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの
中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方式に
従って行うことができる。例えば、前記背面電極の材料
として金属等を選択する場合、その1種又は2種以上を
同時に直流スパッタ法等に従って行うことができる。な
お、前記背面電極のパターニングは、マスクを重ねて真
空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ
法や印刷法により行ってもよく、また、レーザーなどに
よる物理的エッチングで行ってもよい。
【0060】前記背面電極の厚みとしては、前記材料に
応じて適宜選択することができ、一概に規定することは
できないが、通常10nm〜5μmであり、50nm〜
1μmが好ましい。前記背面電極は、透明であってもよ
いし、不透明であってもよい。なお、透明な背面電極
は、前記背面電極の材料を1〜10nmの厚みに薄く成
膜し、更に前記ITOやIZO等の透明な導電性材料を
積層することにより形成することができる。
【0061】−その他の層− 前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じ
て適宜選択することができ、例えば、保護層などが挙げ
られる。前記保護層としては、例えば、特開平7−85
974号公報、同7―192866号公報、同8―22
891号公報、同10―275682号公報、同10―
106746号公報等に記載のものが好適に挙げられ
る。前記保護層は、前記有機発光素子において、その最
表面に、例えば、前記基材、前記透明電極、前記有機化
合物層、及び前記背面電極がこの順に積層される場合に
は、該背面電極上に形成され、前記基材、前記背面電
極、前記有機化合物層、及び前記透明電極がこの順に積
層される場合には、該透明電極上に形成される。前記保
護層の形状、大きさ、厚み等については、適宜選択する
ことができ、その材料としては、水分や酸素等の発光素
子を劣化させ得るものを該発光素子内に侵入乃至透過さ
せるのを抑制する機能を有していれば特に制限はなく、
例えば、酸化珪素、二酸化珪素、酸化ゲルマニウム、二
酸化ゲルマニウム、等が挙げられる。
【0062】前記保護層の形成方法としては、特に限定
はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応
性スパッタリング法、分子線エピタキシ法、クラスター
イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重
合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD
法、コーティング法、などが挙げられる。
【0063】また、本発明においては、前記有機発光素
子における少なくとも前記有機化合物層を、ガラスやポ
リ(クロロトリフルオロエチレン)シート等のカバー部
材を用いて封止するのが好ましく、また、このカバー部
材の中に水分吸収剤や撥水性の不活性液体等を挿入して
もよい。前記水分吸収剤としては、特に制限はないが、
例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウ
ム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩
化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオ
ブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシ
ーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム、等が挙げられ
る。前記不活性液体としては、特に制限はないが、例え
ば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロア
ルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等
のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類、な
どが挙げられる。
【0064】更に、本発明においては、前記有機発光素
子における各層への水分や酸素の侵入を防止する目的
で、封止層を設けるのも好ましい。前記封止層の材料と
しては、例えば、テトラフルオロエチレンと少なくとも
1種のコモノマーとを含む共重合体、共重合主鎖に環状
構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポ
リユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロト
リフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン及びジクロロジフルオ
ロエチレンから選択される2種以上の共重合体、吸水率
1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物
質、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、T
l、NI等の金属、MgO、SiO、SiO2、A12
3、GeO、NlO、CaO、BaO、Fe23、Y2
3、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、Al
3、CaF2等の金属フッ化物、パーフルオロアルカ
ン、パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等の液
状フッ素化炭素、液状フッ素化炭素に水分や酸素を吸着
する吸着剤を分散させたもの、などが挙げられる。
【0065】本発明の有機発光素子は、前記透明電極と
前記背面電極との間に直流(必要に応じて交流成分を含
んでもよい)電圧(通常2ボルト〜30ボルトの範
囲)、又は直流電流を印加することにより、発光を得る
ことができる。本発明の有機発光素子の駆動について
は、特開平2−148687号、同6−301355
号、同5−29080号、同7−134558号、同8
−234685号、同8−241047号、米国特許5
828429号、同6023308号、日本特許第27
84615号、等に記載の方法を利用することができ
る。
【0066】本発明の有機発光素子の製造装置は、基板
上に設けた1対の電極の間に少なくとも1層の有機化合
物層を有する有機発光素子を製造する装置であり、有機
化合物層用の塗布液を厚みが0.1〜100μmとなる
ように塗布する塗布手段を少なくとも備えてなる。本発
明の有機発光素子の製造装置は、前記塗布手段を備えて
いること以外は特に制限はなく、公知の装置構成を採用
することができる。
【0067】前記塗布手段としては、吐出型コーターが
好ましく、精密吐出ポンプの駆動により塗布液が吐出さ
れる吐出型コーターがより好ましい。なお、前記吐出型
コーターにおける吐出口の数としては、1つであっても
よいし、2以上であってもよい。後者の場合は、複数の
層を同時に重層塗布することができる。
【0068】前記精密吐出ポンプとしては、ダイヤフラ
ムポンプ、プランジャーポンプ、などが好適に挙げら
れ、これらの中でも吐出量がコンピュータ等の制御手段
により制御されたものが好ましく、コンピュータ制御ダ
イヤフラムポンプが特に好ましい。なお、前記ダイヤフ
ラムポンプを用いる場合、前記塗布手段における前記塗
布液の吐出口を2つ設け、第1の吐出口から第1のダイ
ヤフラムポンプを用いて前記塗布液を吐出させ、これを
第2のダイヤフラムポンプを用いて第2の吐出口から吐
出させる態様も好ましい。
【0069】前記塗布手段による塗布液の塗布速度とし
ては、0.1〜1000mm/秒が好ましく、1〜10
0mm/秒がより好ましい。前記塗布速度が、0.1m
m/秒未満であると、塗布効率に劣ることがあり、10
00mm/秒を超えると、塗布ムラ等を生ずることがあ
る。
【0070】本発明の有機発光素子の製造装置による
と、前記有機化合物層を任意の所望形状に塗布形成する
ことができ、有機発光素子に関する特有の問題、即ち従
来における前記諸問題を解消することができ、高輝度、
高耐久性、高品質な有機発光素子を容易に効率良く製造
することができ、量産も可能である。
【0071】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する
が、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるもの
ではない。
【0072】(実施例1)前記基材として厚みが0.5
mmで25cm角のガラス板を用い、この基材を真空チ
ャンバー内に導入し、SnO2含有率が10重量%であ
るITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル
比))を用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基
材温度250℃、酸素圧1×10-3Pa・s)により、
透明電極としてのlTO薄膜(厚み0.2μm)を形成
した。lTO薄膜の表面抵抗は、10Ω/□であった。
これを、図1に示すように、ストライプ状(4.5mm
幅、0.5mm幅にエッチング)にパターニングした。
【0073】次に、前記透明電極を形成したガラス板を
洗浄容器に入れ、IPA・S洗浄した後、これに酸素プ
ラズマ処理を行った。そして、該透明電極の表面に、ポ
リ(エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスル
ホン酸水分散物(BAYER社製、Baytron
P:固形分1.3%)を吐出型コーターを用いて、前記
透明電極のストライプ方向に塗布した。前記基板として
のガラス板の周囲2cmは未塗布部分とした。その後、
150℃、30分間、真空乾燥して厚みが100nmの
正孔注入層を形成した。
【0074】そして、この正孔注入層上に、正孔輸送材
としてのポリビニルカルバゾール(Mw=63000、
アルドリッチ製)をジクロロエタンに溶解して得た正孔
輸送層用の塗布液を、前記正孔注入層と同様の形状に吐
出型コーターを用いて塗布し、室温で乾燥させることに
より厚みが40nmの正孔輸送層を形成した。
【0075】次に、この正孔輸送層上に、ポリメチルメ
タクリレ−ト(PMMA、Mw=120000、アルド
リッチ製)と、電子輸送材としての4,4’−N,N’
−ジカルバゾールビフェニル(CBP)と、オルトメタ
ル化錯体としてのトリス(2−フェニルピリジン)イリ
ジウム錯体とを、10:20:1の重量比で、メチルエ
チルケトン/トルエン混合溶液(50/50vol%)
に溶解して得た発光層用の塗布液(粘度5mPa・s、
溶質濃度2重量%の溶液)を、前記正孔注入層と同様の
形状に吐出型コーターを用いて塗布し、80℃で30分
間真空乾燥させることにより、厚みが40nmの発光層
を形成した。
【0076】更に、この発光層上に、発光部が22cm
×20cmとなるように額縁状のマスクを設置し、蒸着
装置内で、マグネシウム:銀=10:1(モル比)を
0.25μm蒸着し、銀を0.3μm蒸着して、背面電
極を形成した。前記透明電極(陽極として機能する)及
び前記背面電極(陰極として機能する)より、それぞれ
アルミニウムのリード線を結線し、積層構造体を作製し
た。
【0077】ここで、得られた積層構造体を、窒素ガス
で置換したグロ−ブボックス内に入れ、セラミック製の
封止容器で紫外線硬化型接着剤(長瀬チバ製、XNR5
493)を用いて外周部を封止した。以上により、実施
例1の有機発光素子を作製した。
【0078】実施例1の有機発光素子について、以下の
評価を行った。該有機発光素子の透明電極の各ライン
と、陰極として機能する前記背面電極との間に、直流電
圧を印加させたところ、100Cd/m2の発光輝度が
得られた。次に、該有機発光素子を40℃、90%RH
条件下で1週間保存したところ、保存耐久性は良好であ
り、同電圧で100Cd/m2の発光輝度を再現するこ
とができた。実施例1では、前記有機化合物層を額縁状
に、かつ大面積に、容易にしかも効率良く塗布形成する
ことができた。なお、前記透明電極の各ラインを電気的
に結線して、前記背面電極(陰極)との間に直流電圧を
印加してみると、22cm×20cmの大面積の発光体
(有機発光素子)が得られた。
【0079】(比較例1)実施例1において、発光層用
の塗布液を100倍に稀釈し、塗布液の塗布厚みを10
0倍(約200μm)とした以外は、実施例1と同様に
して有機発光素子を作製したところ、未塗布部まで塗布
液が流動し、封止が不完全なものとなった。この有機発
光素子は、保存耐久性が全く不十分であった。
【0080】
【発明の効果】本発明によると、従来における前記諸問
題を解決することができ、バックライト等の面光源、プ
リンター等の光源アレイなどに好適であり、高輝度で保
存耐久性に優れ、大面積化可能であり、大型基板上に有
機化合物層を複数形成可能な有機発光素子、並びに、該
有機発光素子を所望の形状・大きさに低コストでしかも
容易に製造可能な有機発光素子の製造方法及び製造装
置、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1の有機発光素子における積層
及び塗布の概要を説明するための平面図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けた1対の電極の間に、溶質
    濃度が0.01〜10重量%である塗布液、及び、粒径
    1μm以下の粒子が分散された塗布液の少なくとも一方
    を厚みが0.1〜100μmとなるように塗布し乾燥し
    て有機化合物層を形成することを特徴とする有機発光素
    子の製造方法。
  2. 【請求項2】 塗布液の粘度が0.5〜500mPa・
    sである請求項1に記載の有機発光素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 塗布液が高分子化合物を含有する請求項
    1又は2に記載の有機発光素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 親水性塗布液を含む2種以上の塗布液の
    内、該親水性塗布液を基板に最も近い位置に塗布し乾燥
    して有機化合物層の少なくとも1層を形成する請求項1
    から3のいずれかに記載の有機発光素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 塗布が吐出型コーターを用いて行われる
    請求項1から4のいずれかに記載の有機発光素子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 塗布が任意の形状に行われる請求項5に
    記載の有機発光素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 基板上に設けた電極がストライプ状であ
    り、塗布液が該ストライプ方向に塗布される請求項1か
    ら6のいずれかに記載の有機発光素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の有機
    発光素子の製造方法により製造されることを特徴とする
    有機発光素子。
  9. 【請求項9】 基板上に設けた1対の電極の間に少なく
    とも1層の有機化合物層を有する有機発光素子の製造装
    置であって、有機化合物層用の塗布液を厚みが0.1〜
    100μmとなるように塗布する塗布手段を少なくとも
    備えたことを特徴とする有機発光素子の製造装置。
  10. 【請求項10】 塗布手段が吐出型コーターである請求
    項9に記載の有機発光素子の製造装置。
  11. 【請求項11】 塗布手段が精密ダイヤフラムポンプを
    備えてなり、該精密ダイヤフラムポンプの駆動により塗
    布液が吐出される請求項9又は10に記載の有機発光素
    子の製造装置。
JP2000300819A 2000-09-29 2000-09-29 有機発光素子、並びに、その製造方法及び製造装置 Pending JP2002110348A (ja)

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