JP2002093242A - 透明導電材及び発光素子 - Google Patents

透明導電材及び発光素子

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JP2002093242A
JP2002093242A JP2000279867A JP2000279867A JP2002093242A JP 2002093242 A JP2002093242 A JP 2002093242A JP 2000279867 A JP2000279867 A JP 2000279867A JP 2000279867 A JP2000279867 A JP 2000279867A JP 2002093242 A JP2002093242 A JP 2002093242A
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JP
Japan
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transparent conductive
conductive material
organic
light emitting
compound
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Application number
JP2000279867A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Hirai
博幸 平井
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積化可能で安価易製造な透明導電材、そ
れを含む発光素子の提供。 【解決手段】 有機導電性高分子化合物(以下「高分
子」)及びP型無機半導体(以下「半導体」)の含液を
塗布してなる透明導電材。高分子含液を塗布後、半導体
含液を塗布する態様、半導体含液を塗布後、高分子含液
を塗布する態様、P半導体含液をポリ塩化ビニリデン共
重合体上に塗布する態様、半導体含液がイソシアナト化
合物を含む態様、高分子及び半導体の粒径が1μm以下
の態様、半導体塗量が1〜1000mg/m2の態様、
半導体が銅化合物それがCuIの態様、CuI含液が沸
点70〜200℃のニトリル化合物を含みそれがアセト
ニトリルの態様、高分子がポリチオフェン、ポリアニリ
ン、ポリピロール、ポリフラン及びポリp−フェニレン
誘導体から選ばれる態様、前記透明導電材を含む発光素
子。透明電極が透明導電材である態様、有機化合物層が
湿式成膜された態様等がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子、有
機発光素子、無機電界発光素子、太陽電池、窓ガラス、
複写機、電磁波シールド、光ディスク等をはじめ各種分
野において好適な透明導電材、及び、フルカラーディス
プレイ、バックライト等の面光源やプリンター等の光源
アレイなどに有効に利用できる発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】可視領域に対して高い透明性をもつ透明
導電材は、フラットパネルディスプレイ用の液晶表示素
子、有機発光素子、無機電界発光素子等の透明電極、太
陽電池の内部電極、自動車・航空機・建築物等の赤外線
(熱線)反射窓ガラス、複写機関連の帯電ローラ・感光
ドラム等、CRTなどの埃付着(静電)防止・電磁波シ
ールド、光ディスク等の記録媒体、などをはじめとする
各種分野において広く利用されてきている。
【0003】前記透明導電材の材料としては、従来、錫
や亜鉛をドープした酸化インジウム(ITO、IZ
O)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、
アンチモンやフッ素をドープした酸化錫(ATO、FT
O)などが知られている。これらの中でも特にITO
は、導電率が高く、可視領域の光透過率も高く、エッチ
ングによるパターニングも容易なことから、液晶表示素
子や発光素子などの透明導電材(膜)に広く使用されて
いる。
【0004】しかしながら、これらの材料を使用して前
記透明導電材を形成する場合、通常、スパッタリング法
等によらねばならず、製造コストが高いという問題があ
る。また、これらの材料を、バインダー中に分散して塗
布し、あるいは金属アルコキシド溶液等として塗布した
後、高温で焼成することにより、有機成分を分解除去し
て、前記透明導電材を形成することもできるが、この場
合、製造が容易でなく効率に劣るという問題がある。
【0005】近時、プラスチックフィルム基板に有機導
電性高分子化合物であるポリエチレンジオキシチオフェ
ンを塗布した透明導電膜フィルム「ORGACON F
ILM」がAGFA社から提供されている。この透明導
電膜フィルムは、ロール・ツー・ロールで形成すること
ができ、安価でしかも大面積対応が可能であることから
注目されているが、この透明導電膜フィルムの場合、抵
抗が2000Ω/□以上と大きく、以下の発光素子等の
電極には不向きであり、用途が限られるという問題があ
る。
【0006】前記発光素子は、自発光型の素子であり、
一般に、1μm以下の有機化合物層及び該有機化合物層
を挟む一対の対向電極から構成されている。この発光素
子においては、一対の対向電極間に電界が印加される
と、その内の陰極から電子が注入され、陽極から正孔が
注入される。この電子と正孔とが前記発光層において再
結合し、エネルギー準位が伝導体から価電子帯に戻る際
にエネルギーを光として放出され、発光が生ずる。該発
光素子は、近年、大画面化の要請があり、大画面の有機
発光素子の場合には、スパッタリング法等の蒸着法より
も、塗布法で形成できれば、製造コスト、製造効率等の
点で有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
る前記諸問題を解決し、前記要望に応え、以下の目的を
達成することを課題とする。即ち、本発明は、液晶表示
素子、有機発光素子、無機電界発光素子、太陽電池、窓
ガラス、複写機、電磁波シールド、光ディスク等をはじ
め各種分野において好適であり、大面積化が可能で、し
かも低コストで容易に製造可能な透明導電材、及び、フ
ルカラーディスプレイ、バックライト等の面光源やプリ
ンター等の光源アレイなどに有効に利用でき、高輝度で
あり、大面積化が可能で、しかも低コストで容易に製造
可能な発光素子、を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 有機導電性高分子化合物及びP型無機半導体を
含有する液を塗布してなることを特徴とする透明導電材
である。 <2> 有機導電性高分子化合物を含有する液を塗布し
た後、P型無機半導体を含有する液を塗布してなること
を特徴とする透明導電材である。 <3> P型無機半導体を含有する液を塗布した後、有
機導電性高分子化合物を含有する液を塗布してなること
を特徴とする透明導電材である。 <4> P型無機半導体を含有する液をポリ塩化ビニリ
デン共重合体上に塗布する前記<3>に記載の透明導電
材である。 <5> P型無機半導体を含有する液がイソシアナト化
合物を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載
の透明導電材である。 <6> 有機導電性高分子化合物及びP型無機半導体の
粒子径が1μm以下である前記<1>から<5>のいず
れかに記載の透明導電材である。 <7> P型無機半導体の塗布量が1〜1000mg/
2である前記<1>から<6>のいずれかに記載の透
明導電材である。 <8> P型無機半導体が銅化合物である前記<1>か
ら<7>のいずれかに記載の透明導電材である。 <9> 銅化合物がCuIである前記<8>に記載の透
明導電材である。 <10> CuIを含有する液が沸点が70〜200℃
のニトリル化合物を溶媒として含む前記<9>に記載の
透明導電材である。 <11> ニトリル化合物がアセトニトリルである前記
<10>に記載の透明導電材である。 <12> 有機導電性高分子化合物が、ポリチオフェ
ン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリフラン及びポリ
p−フェニレン誘導体から選択される少なくとも1種で
ある前記<1>から<11>のいずれかに記載の透明導
電材である。 <13> 有機導電性高分子化合物が、ポリチオフェン
及びポリアニリンの少なくとも一方、並びに、ポリチオ
フェン及びポリアニリンの少なくとも一方とアニオン性
化合物との混合物、のいずれかである前記<1>から<
12>のいずれかに記載の透明導電材である。 <14> 有機導電性高分子化合物が、ポリエチレンジ
オキシチオフェン、及び、ポリエチレンジオキシチオフ
ェンとポリスチレンスルホネートとの混合物、のいずれ
かである前記<1>から<13>のいずれかに記載の透
明導電材である。 <15> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の
透明導電材を有することを特徴とする発光素子である。 <16> 透明電極を有し、該透明電極が透明導電材で
形成された前記<15>に記載の発光素子である。 <17> 有機発光素子である前記<15>又は<16
>に記載の発光素子である。 <18> 発光層を有し、該発光層がオルトメタル化錯
体を含有する前記<17>に記載の発光素子である。 <19> 発光層を含む有機化合物層を有し、該有機化
合物層が湿式成膜法で形成された前記<17>又は<1
8>に記載の発光素子である。 <20> 基材を有し、該基材が、有機基材及び有機材
料と薄厚ガラスとの積層基材のいずれか一方である前記
<15>から<19>のいずれかに記載の発光素子であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】(透明導電材)本発明の透明導電
材は、有機導電性高分子化合物及びP型無機半導体を含
有する液を塗布してなる。
【0010】本発明において、前記有機導電性高分子化
合物及び前記P型無機半導体を含有する液は、単一の混
合液であってもよいし、前記有機導電性高分子化合物を
含有する液と、前記P型無機半導体を含有する液との別
個の液であってもよい。前者の場合、前記透明導電材
は、組成が同一の材料による単層又は積層構造に形成さ
れ、後者の場合、前記透明導電材は、組成が異なる材料
が積層された積層構造に形成される。
【0011】これらの中でも、前記液の安定性の点で、
前記有機導電性高分子化合物及び前記P型無機半導体を
含有する液が、前記有機導電性高分子化合物を含有する
液と、前記P型無機半導体を含有する液との別個の液で
あるのが好ましい。この場合、前記有機導電性高分子化
合物を含有する液を塗布した後、前記P型無機半導体を
含有する液を塗布してもよいし、逆に、前記P型無機半
導体を含有する液を塗布した後、前記有機導電性高分子
化合物を含有する液を塗布してもよい。
【0012】なお、後者の場合、前記P型無機半導体を
含有する液は、塩化ビニリデンを主体とするポリ塩化ビ
ニリデン共重合体上に塗布されると、該ポリ塩化ビニリ
デン共重合体との間で強い密着性が得られ、層間剥離等
が生じない点で好ましい。前記塩化ビニリデンを主体と
するポリ塩化ビニリデン共重合体は、塩化ビニリデンを
50モル%以上含有する共重合体を意味し、その好まし
いモノマー単位としては、アクリロニトリル、クロトン
ニトリル等のエチレン性不飽和二トリルやアクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン
酸、などが挙げられる。
【0013】前記有機導電性高分子化合物としては、前
記透明導電材の用途等に応じて適宜選択することができ
るが、該透明導電材を発光素子等に適用する場合には、
例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロー
ル、ポリフラン及びポリp−フェニレン誘導体から選択
される少なくとも1種が好適に挙げられ、EP−A22
57 573号、WO−A90/04256号、EP−
A0 589 529号、DE−A2262 743
号、などに記載されている。これらの中でも、ポリチオ
フェン及びポリアニリンの少なくとも一方、並びに、ポ
リチオフェン及びポリアニリンの少なくとも一方とアニ
オン性化合物との混合物、のいずれかが、該透明導電材
の安定性の点でより好ましく、ポリエチレンジオキシチ
オフェン、及び、ポリエチレンジオキシチオフェンとポ
リスチレンスルホネートとの混合物、のいずれかが、高
い導電率を示す点で特に好ましい。
【0014】前記有機導電性高分子化合物の粒子径とし
ては、目的に応じて適宜選択することができるが、該透
明導電材を発光素子等に適用する場合、その厚みとして
は、例えば、1μm以下が好ましく、0.5μm以下が
より好ましい。前記粒子径が、1μmを超えると、該透
明導電材を発光素子に適用した場合、該発光素子がショ
ートしたり、絶縁破壊することがある。なお、前記有機
導電性高分子化合物の粒子径を1μm以下にする方法と
しては、例えば、径1μmの篩に前記有機導電性高分子
化合物又はその分散液を通す方法、溶媒を選択して溶液
にする方法、などが挙げられる。
【0015】前記有機導電性高分子化合物の塗布量とし
ては、目的に応じて適宜選択することができるが、10
〜100,000mg/m2が好ましく、100〜1
0,000mg/m2がより好ましい。前記有機導電性
高分子化合物の塗布量が、10mg/m2未満である
と、該透明導電材の抵抗値が上昇してしまうことがあ
り、100,000mg/m2を超えると、該透明導電
材の強度が十分でないことがある。
【0016】前記有機導電性高分子化合物及び前記P型
無機半導体を含有する液、又は、前記有機導電性高分子
化合物を含有する液に含まれる溶媒としては、前記有機
導電性高分子化合物の溶解性等に応じて適宜選択するこ
とができるが、前者の場合には、前記P型無機半導体の
中でも好ましい1価の銅化合物(特にCuI)の溶解性
に優れる点で、沸点が70〜200℃のニトリル化合物
が好適に挙げられ、具体的には、アセトニトリル、プロ
ピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、カプ
ロニトリル、エナントニトリル、アクリロニトリル、ク
ロトンニトリル、マロンニトリル、ベンゾニトリル、メ
トキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、な
どが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、乾燥
の際の負荷を低減する観点からは、アセトニトリル、プ
ロピオニトリル、アクリロニトリル等の沸点が160℃
以下のものが好ましい。
【0017】前記有機導電性高分子化合物及び前記P型
無機半導体を含有する液、又は、前記有機導電性高分子
化合物を含有する液には、前記有機導電性高分子化合物
以外の成分として、ポリスチレンスルホン酸(塩)、p
−トルエンスルホン酸(塩)、カンファースルホン酸
(塩)、ポリスチレン−コ−マレイン酸(塩)、などが
含まれていてもよい。
【0018】前記P型無機半導体としては、例えば、C
uI、CuS、Cu2S、Cu2O、CuSCN、Cu
F、CuCl、CuBr、CuInSe2、CuAlS
2、CuGaSe2、CuGaS2等の銅化合物の外、
Si1-XX(0≦X≦1)、GaP、NiO、CoO、
FeO、Bi23、MoO2、Cr23、などが挙げら
れる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。これらの中でも、前記銅化合物が
好ましく、その中でも、調製が容易な点で、1価の銅化
合物が好ましく、溶液として用いることができる点で、
CuIが特に好ましい。
【0019】前記P型無機半導体の粒子径としては、1
μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。
前記粒子径が、1μmを超えると、該透明導電材を発光
素子に適用した場合、該発光素子がショートしたり、絶
縁破壊してしまうことがある。なお、前記P型無機半導
体の粒子径を1μm以下にする方法としては、例えば、
径1μmの篩に前記P型無機半導体又はその分散液を通
すこと、溶媒を選択して溶液にする方法、などが挙げら
れる。
【0020】前記P型無機半導体の塗布量としては、1
〜1000mg/m2が好ましく、10〜500mg/
2がより好ましい。前記P型無機半導体の塗布量が、
1mg/m2未満であると、本発明の効果が奏されない
ことがあり、1000mg/m2を超えると、該透明導
電材を発光素子に適用した場合、該発光素子がショート
してしまうことがある。
【0021】前記有機導電性高分子化合物及び前記P型
無機半導体を含有する液、又は、前記P型無機半導体を
含有する液に含まれる溶媒としては、該P型無機半導体
の分散性、溶解性等に応じて、前記有機導電性高分子化
合物上に積層する場合には、該有機導電性高分子化合物
を溶解させないものを、適宜選択することができ、前記
P型無機半導体が1価の銅化合物である場合には、沸点
が70〜200℃の前記ニトリル化合物が好適に挙げら
れ、具体的には、アセトニトリル、プロピオニトリル、
ブチロニトリル、バレロニトリル、カプロニトリル、エ
ナントニトリル、アクリロニトリル、クロトンニトリ
ル、マロンニトリル、ベンゾニトリル、メトキシアセト
ニトリル、メトキシプロピオニトリル、などが挙げられ
る。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。これらの中でも、前記1価の銅化合
物の溶解性に優れ、特にCuIの溶解性に優れる点で、
アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル
などが好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
【0022】前記P型無機半導体を含有する液には、前
記有機導電性高分子化合物以外の成分として、界面活性
剤等の塗布助剤、イソシアナト化合物、などが含まれて
いてもよい。
【0023】前記イソシアナト化合物としては、例え
ば、下記〜で表されるイソシアナト化合物などが挙
げられる。前記P型無機半導体を含有する液に前記イソ
シアナト化合物が含まれていると、乾燥時の結晶化を効
果的に防止することができる点で好ましい。
【0024】
【化1】
【0025】前記透明導電材の形成は、例えば、公知の
湿式成膜法に従って好適に行うことができる。前記湿式
成膜法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択
することができ、例えば、ディッピング法、スピンコー
ティング法、キャスティング法、ダイコート法、ロール
コート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビヤ
コート法、等が挙げられる。
【0026】前記透明導電材の厚みとしては、該透明導
電材の用途等に応じて適宜選択することができ、一概に
規定することはできないが、例えば、0.01〜100
μmが好ましく、0.1〜50μmがより好ましい。前
記透明導電材の厚みが、0.01μm未満であると、該
透明導電材の抵抗値が高くなることがあり、100μm
を超えると、該透明導電材の強度が十分でないことがあ
る。
【0027】前記透明導電材は、例えば、液晶表示素
子、有機発光素子、無機電界発光素子、太陽電池、窓ガ
ラス、複写機、電磁波シールド、光ディスク等をはじめ
各種分野において好適に使用することができ、以下の本
発明の発光素子に特に好適に使用することができる。
【0028】(発光素子)本発明の発光素子は、前記本
発明の透明導電材を有していること以外は、特に制限は
なく、公知の発光素子の構成を採用することができる
が、有機発光素子である態様が好ましい。本発明の発光
素子は、例えば、基材上に透明電極、有機化合物層及び
背面電極を積層してなり、更に必要に応じて、正孔注入
層、保護層等のその他の層を有してなり、前記正孔注入
層が前記本発明の透明導電材で形成されていてもよいが
(この場合、前記透明電極はITO透明電極等であ
る)、前記透明電極が、前記本発明の透明導電材で形成
されているのが特に好ましい。
【0029】なお、前記各層を形成するための具体的な
化合物例については、例えば「月刊ディスプレイ '9
8 10月号別冊の『有機ELディスプレイ』(テクノ
タイムズ社発行)」などに記載されている。
【0030】−有機化合物層− 前記有機化合物層は、目的に応じて適宜選択した層構成
を採用することができ、例えば、正孔注入層、正孔輸送
層、発光層、電子注入層、電子輸送層、等を有する積層
構造であってもよいし、これら各層の機能を有する単層
構造であってもよい。
【0031】−−正孔輸送層−− 前記正孔輸送層は、少なくとも正孔輸送材を含有してな
り、必要に応じて適宜選択したポリマーバインダー等の
その他の成分を含有してなる。
【0032】前記正孔輸送材としては、正孔(ホール)
を輸送可能であるか、あるいは、前記背面電極から注入
された電子を障壁可能であればよく、例えば、カルバゾ
ール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導
体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポ
リアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾ
ロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミ
ン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアント
ラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導
体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三ア
ミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデ
ン系化合物、フタロシアニン等のポルフィリン誘導体、
ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾ−ル)
誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、
ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオ
フェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレン
ビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合
物、ポリメチルフェニルシラン誘導体、ポリアニリン誘
導体、ブタジエン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリスチ
レン誘導体、トリフェエルメタン誘導体、テトラフェニ
ルベンゼン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体、
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を併用してもよい。
【0033】前記正孔輸送材の前記正孔輸送層における
含有量としては、30〜100重量%が好ましい。前記
正孔輸送材の含有量が30〜100重量%でない場合に
は、正孔輸送力が低下し、駆動電圧が上昇することがあ
る。
【0034】前記その他の成分としては、特に制限はな
く目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ
マーバインダーなどが好適に挙げられる。前記ポリマー
バインダーとしては、電気的に不活性な高分子であれば
特に制限はなく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポ
リブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホ
ン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水
素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エ
チルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタ
ン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹
脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアセタール、等が挙げられる。前記正孔
輸送層が前記ポリマーバインダーを含有していると、該
正孔輸送層を湿式成膜法により容易にかつ大面積に塗布
形成することができる点で有利である。
【0035】前記正孔輸送層を湿式成膜法により塗布形
成する場合、前記正孔輸送材を溶解して塗布液を調製す
る際に用いる溶剤としては、特に制限はなく、前記正孔
輸送材、前記ポリマーバインダー等の種類等に応じて適
宜選択することができ、例えば、クロロホルム、四塩化
炭素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロ
ロベンゼン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルケトン、n−プロピルメチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン形溶剤、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸
n−プロピル、酢酸n−ブチル、プロピオン酸メチル、
プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、炭酸ジエチ
ル等のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド等のアミド系溶剤、ジメチルスルホキシ
ド、水、等が挙げられる。なお、前記塗布液における固
形分量(正孔輸送材及び必要に応じて用いられるポリマ
ーバインダー等の量)としては、特に制限はなく、その
粘度も湿式成膜法に応じて任意に選択することができ
る。
【0036】前記正孔輸送層の厚みとしては、10〜2
00nmが好ましく、20〜80nmがより好ましい。
前記厚みが、200nmを超えると駆動電圧が上昇する
ことがあり、10nm未満であると該発光素子が短絡す
ることがある。
【0037】−−発光層−− 前記発光層としては、特に制限はなく、目的に応じて適
宜選択することができ、該発光層は、オルトメタル化錯
体を含有するのが好ましく、更に必要に応じて適宜選択
したホスト化合物等のその他の成分を含有する。
【0038】前記オルトメタル化錯体とは、例えば、山
本明夫著「有機金属化学 −基礎と応用−」150頁、
232頁、裳華房社(1982年発行)や、H.Yer
sin著「Photochemistry and P
hotophysics of Coordinati
on Compounds」71〜77頁、135〜1
46頁、Springer−Verlag社(1987
年発行)等に記載されている化合物群の総称である。該
オルトメタル化錯体を含む前記有機化合物層は、高輝度
で発光効率に優れる点で有利である。
【0039】前記オルトメタル化錯体を形成する配位子
としては、種々のものがあり、前記各文献中にも記載さ
れているが、その中でも好ましい配位子としては、2−
フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導
体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−
ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導
体等が挙げられる。これらの誘導体は、必要に応じて置
換基を有していてもよい。前記オルトメタル化錯体は、
前記配位子のほかに、他の配位子を有していてもよい。
前記オルトメタル化錯体を形成する金属としては、I
r、Pd、Pt等が挙げられるが、これらの中でもイリ
ジウム(Ir)が特に好ましい。
【0040】前記オルトメタル化錯体の中でも、三重項
励起子から発光する化合物が本発明においては発光効率
向上の観点から好適に使用することができる。前記オル
トメタル化錯体は、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0041】前記オルトメタル化錯体の前記発光層にお
ける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適
宜選択することができ、例えば、0.1〜99重量%で
あり、1〜20重量%が好ましい。前記オルトメタル化
錯体の含有量が0.1〜99重量%でない場合にはその
含有効果が十分に発揮されないことがあり、1〜20重
量%であるとその含有効果が十分であり、前記発光層の
湿式成膜性が良好である点で好ましい。
【0042】前記ホスト化合物とは、その励起状態から
前記オルトメタル化錯体(ゲスト化合物として作用す
る)へエネルギー移動が起こり、その結果、該オルトメ
タル化錯体を発光させる機能を有する化合物のことであ
る。前記ホスト化合物としては、励起子エネルギーを前
記オルトメタル化錯体にエネルギー移動させることがで
きる化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜
選択することができ、具体的には、カルバゾール誘導
体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサ
ジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリール
アルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導
体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導
体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン
誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチ
ルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合
物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合
物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導
体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオ
ピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フル
オレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導
体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無
水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体
の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾー
ルやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表さ
れる各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニ
ルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフ
ェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリ
ゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導
体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘
導体等の高分子化合物、等が挙げられる。前記ホスト化
合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
【0043】前記その他の成分としては、特に制限はな
く目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記
正孔輸送層におけるその他の成分として説明したポリマ
ーバインダーと同様のポリマーバインダーなどが挙げら
れる。前記発光層が前記ポリマーバインダーを含有して
いると、該発光層を湿式成膜法により容易にかつ大面積
に塗布形成することができる点で有利である。
【0044】前記発光層を湿式成膜法により塗布形成す
る場合、該発光層の材料を溶解して塗布液を調製する際
に用いる溶剤としては、前記正孔輸送層を溶出させるこ
とがなければ特に制限はなく、前記正孔輸送層の塗布液
を調製する際に用いる溶剤と同様の溶剤が挙げられる。
なお、前記塗布液における固形分量としては、特に制限
はなく、その粘度も湿式成膜法に応じて任意に選択する
ことができる。
【0045】前記発光層の厚みとしては、10〜200
nmが好ましく、20〜80nmがより好ましい。前記
厚みが、200nmを超えると駆動電圧が上昇すること
があり、10nm未満であると該発光素子がショートし
てしまうことがある。
【0046】−−電子注入層−− 前記電子注入層の材料としては、通常陰極として機能す
る前記背面電極から電子を注入可能である、該電子を輸
送可能である、あるいは、通常陽極として機能する、本
発明の透明電極やITO等の前記透明電極から注入され
た正孔(ホール)を障壁可能であればよく、例えば、酸
化アルミニウム、フッ化リチウム、フッ化セシウム等の
無機絶縁材料、n型シリコン、二酸化チタン等のn型無
機半導体、ナフタレンテトラカルボキシリックジイミド
等のn型有機半導体、などが挙げられる。前記電子注入
層の厚みとしては、0.01〜10nm程度である。
【0047】−−電子輸送層−− 前記電子輸送層は、少なくとも電子輸送材を含有してな
り、必要に応じて適宜選択したポリマーバインダー等の
その他の成分を含有してなる。
【0048】前記電子輸送層の材料としては、例えば、
トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジア
ゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメ
タン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導
体、チオピランジオキサイド誘導体、カルボジイミド誘
導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラ
ジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカル
ボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノー
ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオ
キサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体
に代表される各種金属錯体、ポリシラン系化合物、ポリ
(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合
体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性
高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニ
レン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリビニ
ルピリジン誘導体、ポリビニルオキサジアゾール誘導
体、トリアジン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導
体、フレオレニリデンメタン誘導体、ペリレンテトラカ
ルボキシル誘導体、ペリノン誘導体、オキシン誘導体、
キノリン錯体誘導体、などが挙げられる。これらは、1
種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。
【0049】前記その他の成分としては、特に制限はな
く目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記
正孔輸送層におけるその他の成分として説明したポリマ
ーバインダーと同様のポリマーバインダーなどが挙げら
れる。前記得電子輸送層が前記ポリマーバインダーを含
有していると、該電子輸送層を湿式成膜法により容易に
かつ大面積に塗布形成することができる点で有利であ
る。前記電子輸送層の厚みとしては、5〜200nm程
度である。
【0050】−有機化合物層の構成− 前記有機化合物層の前記発光素子における形成位置とし
ては、特に制限はなく、該発光素子の用途、目的等に応
じて適宜選択することができるが、前記透明電極上又は
前記背面電極上に形成されるのが好ましい。この場合、
該有機化合物層は、前記透明電極上又は前記背面電極上
の全面又は一面に形成される。前記有機化合物層の形
状、大きさ、厚み等については、特に制限はなく、目的
に応じて適宜選択することができる。
【0051】本発明の発光素子の具体的な層構成として
は、透明電極(本発明の透明導電材)/発光層/背面電
極、透明電極(本発明の透明導電材)/正孔輸送層/発
光層/背面電極、透明電極(本発明の透明導電材)/発
光層/電子注入層・電子輸送層/背面電極、透明電極
(本発明の透明導電材)/正孔輸送層/発光層/電子注
入層・電子輸送層/背面電極、等が挙げられる。なお、
これらの各態様において、基材と前記透明電極との間に
ITO等の無機透明電極を配置してもよく、この場合、
本発明の透明導電材は正孔注入層として機能する。いず
れの構成においても、発光は、通常、前記透明電極(本
発明の透明導電材)側から取り出される。
【0052】−−有機化合物層の形成−− 前記有機化合物層は、真空蒸着法、スパッタ法等で成膜
することができるが、大面積の発光素子を作製する場合
には、ディッピング法、スピンコーティング法、キャス
ティング法、ダイコート法、ロールコート法、ブレード
コート法、バーコート法、グラビヤコート法等の湿式成
膜法により特に好適に塗布形成することができる。前記
湿式成膜法による塗布形成の場合、前記有機化合物層を
容易に大面積化することができ、高輝度で発光効率に優
れた有機発光素子が低コストで効率良く得られる点で有
利である。なお、これらの湿式成膜法の種類の選択は、
該有機化合物層の材料、層構成等に応じて適宜行うこと
ができる。前記湿式成膜法により成膜した後、適宜乾燥
を行うことができ、該乾燥の条件としては特に制限はな
いが、塗布形成した層が損傷しない範囲の温度等を採用
することができる。
【0053】前記有機化合物層を前記湿式成膜法で塗布
形成する場合、該有機化合物層、特に前記発光層には、
バインダ−樹脂を添加することができる。この場合、該
バインダー樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ビ
スフェノールA型ポリカーボネ−ト、ビスフェノールZ
型ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタク
リレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、
ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエ
ン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、
ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセル
ロース、酢酸ビニル、ブチラール樹脂、アセタール樹
脂、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリ
コン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使
用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0054】−基材− 前記基材の材料としては、水分を透過させない材料又は
水分透過率の極めて低い材料が好ましく、また、前記有
機化合物層から発せられる光を散乱乃至減衰等させるこ
とのない材料が好ましく、例えば、YSZ(ジルコニア
安定化イットリウム)、ガラス等の無機材料、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリア
リレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミ
ド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ
(クロロトリフルオロエチレン)等の合成樹脂等の有機
材料、などが挙げられる。前記有機材料の場合、耐熱
性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通
気性、低吸湿性等に優れていることが好ましい。これら
の材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。
【0055】前記基材の形状、構造、大きさ等について
は、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて
適宜選択することができる。一般的には、前記形状とし
ては、板状である。前記構造としては、単層構造であっ
てもよいし、積層構造であってもよく、また、プラスチ
ック基材等のように単一部材で形成されていてもよい
し、プラスチック(好ましくはGB2335884A明
細書に記載の有機材料)と薄厚(200μm以下)ガラ
スとの積層基材、等のように2以上の部材で形成されて
いてもよい。前記基材は、無色透明であってもよいし、
有色透明であってもよいが、前記発光層から発せられる
光を散乱あるいは減衰等させることがない点で、無色透
明であるのが好ましい。
【0056】前記基材には、その表面又は裏面(前記透
明電極側)に、透湿防止層(ガスバリア層)を設けるの
が好ましい。前記透湿防止層(ガスバリア層)の材料と
しては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に挙げ
られる。該透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高
周波スパックリング法、LPD(液相沈着法)などによ
り形成することができる。前記基材には、更に必要に応
じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けて
もよい。
【0057】−透明電極− 前記透明電極としては、本発明の透明導電材で形成され
ているのが特に好ましく、その形状、構造、大きさ等に
ついては特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応
じて適宜選択することができる。なお、前記透明電極を
本発明の透明導電材を用いて形成した場合、更に公知の
無機透明導電材を併用してもよい。
【0058】前記無機透明導電材としては、例えば、金
属、合金、金属酸化物、等が好適に挙げられ、仕事関数
が4.0eV以上の材料が好ましい。前記材料の具体例
としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫
(ATO、FTO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化
亜鉛インジウム(IZO)、酸化錫インジウム(IT
O)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)等の導電性金属
酸化物、金、白金、銀、クロム、ニッケル等の金属、更
にこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層
物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、などが挙
げられる。
【0059】前記無機透明導電材を併用する場合、該無
機透明導電材は、例えば、印刷方式、コーティング方式
等の湿式方式(製膜後、焼成するのが好ましい)、真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等
の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方
式、などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択
した方式に従って前記基材上に形成することができる。
【0060】前記透明電極のパターニングは、フォトリ
ソグラフィーなどによる化学的エッチングにより行なっ
てもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによ
り行ってもよく、また、リフトオフ法や印刷法により行
ってもよく、前記無機透明導電材を併用する場合には、
マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等を行ってもよい。
【0061】前記透明電極の厚みとしては、前記材料に
応じて適宜選択することができ、一概に規定することは
できないが、通常10nm〜100μmであり、100
nm〜50μmが好ましい。前記透明電極の抵抗値とし
ては、104Ω/□以下が好ましく、103Ω/□以下
がより好ましい。前記透明電極は、無色透明であっても
よいし、有色透明であってもよく、該透明電極側から発
光(蛍光)を取り出すためには、その透過率としては、
60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。こ
の透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に従って
測定することができる。
【0062】−−背面電極−− 前記背面電極としては、前記有機化合物層に電子を注入
する陰極としての機能を有していればよく、その形状、
構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の
用途、目的等に応じて、公知の電極の中から適宜選択す
ることができる。
【0063】前記背面電極の材料としては、例えば、金
属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混
合物などが挙げられ、仕事関数が4.5eV以下のもの
が好ましい。前記材料の具体例としては、アルカリ金属
(例えば、Li、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金
属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウ
ム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウ
ム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、イッテル
ビウム等の希土類金属、などが挙げられる。これらは、
1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを
両立させる観点からは、2種以上を好適に併用すること
ができる。
【0064】これらの中でも、電子注入性の点で、アル
カリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に
優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好まし
い。前記アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニ
ウム単独、又はアルミニウムと0.01〜10重量%の
アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属との合金若しく
は混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグ
ネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
【0065】なお、前記背面電極の材料については、特
開平2−15595号公報、特開平5−121172号
公報に詳述されている。
【0066】前記背面電極の形成は、特に制限はなく、
公知の方式に従って行うことができ、例えば、印刷方
式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方
式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式、などの
中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した方式に
従って行うことができる。例えば、前記背面電極の材料
として金属等を選択する場合、その1種又は2種以上を
同時に直流スパッタ法等に従って行うことができる。な
お、前記背面電極のパターニングは、マスクを重ねて真
空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ
法や印刷法により行ってもよく、また、レーザーなどに
よる物理的エッチングで行ってもよい。
【0067】前記背面電極の厚みとしては、前記材料に
応じて適宜選択することができ、一概に規定することは
できないが、通常10nm〜5μmであり、50nm〜
1μmが好ましい。前記背面電極は、透明であってもよ
いし、不透明であってもよい。なお、透明な背面電極
は、前記背面電極の材料を1〜10nmの厚みに薄く成
膜し、更に前記ITOやIZO等の透明な導電性材料を
積層することにより形成することができる。
【0068】−その他の層− 前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じ
て適宜選択することができ、例えば、保護層などが挙げ
られる。前記保護層としては、例えば、特開平7−85
974号公報、同7―192866号公報、同8―22
891号公報、同10―275682号公報、同10―
106746号公報等に記載のものが好適に挙げられ
る。前記保護層は、前記発光素子において、その最表面
に、例えば、前記基材、前記透明電極、前記有機化合物
層、及び前記背面電極がこの順に積層される場合には、
該背面電極上に形成され、前記基材、前記背面電極、前
記有機化合物層、及び前記透明電極がこの順に積層され
る場合には、該透明電極上に形成される。前記保護層の
形状、大きさ、厚み等については、適宜選択することが
でき、その材料としては、水分や酸素等の発光素子を劣
化させ得るものを該発光素子内に侵入乃至透過させるの
を抑制する機能を有していれば特に制限はなく、例え
ば、酸化珪素、二酸化珪素、酸化ゲルマニウム、二酸化
ゲルマニウム、等が挙げられる。
【0069】前記保護層の形成方法としては、特に限定
はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応
性スパッタリング法、分子線エピタキシ法、クラスター
イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重
合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD
法、コーティング法、などが挙げられる。
【0070】また、本発明においては、前記発光素子に
おける少なくとも前記有機化合物層を、ガラスやポリ
(クロロトリフルオロエチレン)シート等のカバー部材
を用いて封止するのが好ましく、また、このカバー部材
の中に水分吸収剤や撥水性の不活性液体等を挿入しても
よい。前記水分吸収剤としては、特に制限はないが、例
えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、
酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫
酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグ
ネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭
化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、
ゼオライト、酸化マグネシウム、等が挙げられる。前記
不活性液体としては、特に制限はないが、例えば、パラ
フィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンや
パーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素
系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類、などが挙げ
られる。
【0071】更に、本発明においては、前記発光素子に
おける各層への水分や酸素の侵入を防止する目的で、封
止層を設けるのも好ましい。前記封止層の材料として
は、例えば、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種
のコモノマーとを含む共重合体、共重合主鎖に環状構造
を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユ
リア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフ
ルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、ク
ロロトリフルオロエチレン及びジクロロジフルオロエチ
レンから選択される2種以上の共重合体、吸水率1%以
上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質、I
n、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Tl、NI
等の金属、MgO、SiO、SiO2、A123、Ge
O、NlO、CaO、BaO、Fe23、Y23、Ti
2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、Ca
2等の金属フッ化物、パーフルオロアルカン、パーフ
ルオロアミン、パーフルオロエーテル等の液状フッ素化
炭素、液状フッ素化炭素に水分や酸素を吸着する吸着剤
を分散させたもの、などが挙げられる。
【0072】本発明の発光素子は、前記透明電極と前記
背面電極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んで
もよい)電圧(通常2ボルト〜30ボルトの範囲)、又
は直流電流を印加することにより、発光を得ることがで
きる。本発明の発光素子の駆動については、特開平2−
148687号、同6−301355号、同5−290
80号、同7−134558号、同8−234685
号、同8−241047号、米国特許5828429
号、同6023308号、日本特許第2784615
号、等に記載の方法を利用することができる。
【0073】
【実施例】以下に、本発明の透明導電材及び発光素子の
実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に
より何ら限定されるものではない。
【0074】(実施例1及び比較例1〜2)厚み180
μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基板の表
面に、塩化ビニリデン−アクリロニトリル−アクリル酸
共重合体(モル%比=73:24:3)の1%溶液(メ
チルエチルケトン(MEK)−シクロヘキサノンの重量
%比=70:30の混合溶媒)を塗布し、乾燥させて、
厚み0.3μmの層を形成した。この層上に、CuI3
重量%及び下記式で表されるポリ(イソシアナトフェニ
レンメチレン)0.3重量%含有アセトニトリル溶液を
塗布し、乾燥させて、厚み0.1μmの層を形成して、
基板A1を作製した。
【0075】
【化2】
【0076】基板A1の上にさらに、WO95/240
56号明細書の実施例1に従って、ポリアニリン−カン
ファースルホン酸のメタ−クレゾール液を塗布し、乾燥
させて厚み80nmの層を形成して基板A2(本発明の
透明導電材)を作製した。
【0077】一方、塩化ビニリデン−アクリロニトリル
−アクリル酸共重合体膜の上に直接上記ポリアニリン−
カンファー(camphor)スルホン酸(PANI−CA
S)の層を形成して、基板A3を作製した。
【0078】前記各基板A1〜A3の抵抗値は、A1=
1500Ω/□、A2=450Ω/□、A3=500Ω
/□であった。
【0079】前記各基板A1〜A3に、ポリ(N−ビニ
ルカルバゾール)(PVK)160mg、2−(4−ビ
フェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール(PBD)48mg及び
トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(p
py)3)4mgを、1,2−ジクロロエタン10ml
に溶解した液を塗布し、乾燥させて、厚み70nmの発
光層を形成した。
【0080】この発光層の上に、20mm2の発光面積
となるようにマスクを介してLiFを厚みが1nmとな
るように、及びAlを厚みが100nmとなるようにし
て、順に真空蒸着して、有機発光素子1A(比較例
1)、2A(実施例1=本発明の発光素子)、3A(比
較例2)を形成した。得られた各有機発光素子1A〜3
Aに、直流電圧を印加し、輝度100cd/m2を得る
電圧、及び最高輝度を測定した。その結果を表1に示し
た。
【0081】
【表1】
【0082】表1の結果から、P型無機半導体であるC
uI及び有機導電性高分子であるポリアニリン(エメラ
ルディン(emeraldine)塩)を積層した本発明の透明導
電材を用いた有機発光素子は、低電圧で高輝度の発光が
得られることが明らかである。
【0083】(比較例3)実施例1において、塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル−アクリル酸共重合体の層を
設けず、PET上に直接CuIを塗布して、基板A4を
作製した以外は、実施例1と同様にした。その結果、P
ETとCuIとの密着が悪かった。また、実施例1にお
いて、ポリ(イソシアナトフェニレンメチレン)を除い
た以外は、実施例1と同様にして、基板A5を作製した
ところ、その表面にCuIの析出が観られた。
【0084】(実施例2)実施例1において、塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル−アクリル酸共重合体の代わ
りに以下の〜で表されるポリマーをそれぞれ用いた
(塗布液の濃度は同じ)以外は、実施例1と同様にし
た。その結果、いずれの場合も、CuIとの密着性が良
好であった。 塩化ビニリデン−アクリロニトリル−アクリル酸共
重合体(モル%比=74:20:6) 塩化ビニリデン−アクリロニトリル−イタコン酸共
重合体(モル%比=74:24:2) 塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体(モル
%比=85:15) 塩化ビニリデン−クロトンニトリル−アクリル酸共
重合体(モル%比=72:22:6) 塩化ビニリデン−アクリロニトリル−マレイン酸−
イタコン酸共重合体(モル%比=75:11:10:
4)
【0085】(実施例3)実施例1において、ポリ(イ
ソシアナトフェニレンメチレン)の代わりに以下の〜
で表されるイソシアナト化合物を用いた(塗布液の濃
度は同じ)以外は、実施例1と同様にした。その結果、
いずれの場合も、CuIの析出は見られなかった。
【0086】
【化3】
【0087】(実施例4及び比較例4〜5)厚みが0.
5mmのPC樹脂基板に対し、SPIE Vol.1519 Int
ernationalConference on Thin Film Physics and Appl
ications (1991), 109-114 に記載の方法に従って、シ
ランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン)で前処理した後、液相析出(LPD)法でSi
2を100nmの厚みに成膜した。UV−オゾン処理
により親水化した後、その上にポリ(エチレンジオキシ
チオフェン)・ポリスチレンスルホン酸水分散物(PE
DOT−PSS)(BAYER社製「Baytron P」)を
塗布し、150℃で2時間真空乾燥して、厚みが1μm
の層を形成して、基板B1を作製した。
【0088】前記基板B1の上に、CuI3重量%及び
ポリ(イソシアナトフェニレンメチレン)0.3重量%
含有アセトニトリル溶液を塗布し、乾燥させて、表面に
CuIを多く含有する(CuIの塗布量:280mg)
層を形成して、基板B2(本発明の透明導電材)を作製
した。
【0089】一方、前記UV−オゾン処理したSiO2
の上に、CuI3重量%及びポリ(イソシアナトフェニ
レンメチレン)0.3重量%含有アセトニトリル溶液を
塗布し、乾燥させて、CuIの塗布量が280mgであ
る層を形成して、基板B3を作製した。
【0090】得られた各基板B1〜B3の抵抗値は、B
1=3000Ω/□、B2=2500Ω/□、B3=3
000Ω/□であった。
【0091】得られた各基板B1〜B3上に、4,4’
−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]
ビフェニル(NPD)からなる正孔輸送層(厚み40n
m)、4,4’−ビス(N−カルバゾール)ビフェニル
(CBP)中にトリス(2−フェニルピリジン)イリジ
ウム(Ir(ppy)3)を6重量%共蒸着させた有機
発光層(厚み24nm)、2,2’,2’’−(1,
3,5−ベンゼントリイル)トリス[3−(2−メチル
フェニル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン]
からなる電子輸送層(厚み24nm)、及びLiFから
なる電子注入層(厚み1nm)を、それぞれ順に真空蒸
着した。さらにマスクを用いて20mm2の発光面積と
なるようにAlを100nmの厚みに真空蒸着して、有
機発光素子1B(比較例4)、2B(実施例4=本発明
の有機発光素子)、3B(比較例5)をそれぞれ作製し
た。
【0092】得られた各発光素子1B〜3Bに、直流電
圧を印加し、輝度100cd/m2を得る電圧、及び最
高輝度を測定した。その結果を表2に示した。
【0093】
【表2】
【0094】表2の結果から、P型無機半導体であるC
uI及び有機導電性高分子であるポリ(エチレンジオキ
シチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)塩を含有した
本発明の透明導電材を有する有機発光素子は、低電圧で
高輝度の発光が得られることが明らかである。
【0095】(実施例5及び比較例6)実施例4におい
て、ポリ(イソシアナトフェニレンメチレン)を除いた
以外は、実施例4と同様にして、基板B4を作製したと
ころ、その表面にCuIの析出が観られた(比較例
6)。また、実施例4において、ポリ(イソシアナトフ
ェニレンメチレン)の代わりに、実施例3のイソシアナ
ト化合物〜をそれぞれ用いた(塗布液の濃度は同
じ)ところ、いずれもCuIの析出は観られなかった
(実施例5)。
【0096】以上の実施例及び比較例から、有機導電性
高分子化合物とCuIに代表されるP型無機半導体とを
塗布して形成された本発明の透明導電材は、発光素子に
適用した場合に陽極として作用し、有機導電性高分子化
合物とP型無機半導体との併用により、低い駆動電圧で
高い輝度が得られることが明らかである。また、P型無
機半導体を含有する液は、塩化ビニリデンを主体とする
ポリ塩化ビニリデン共重合体の上に塗布することにより
強い密着性が得られ、また、P型無機半導体を含有する
液にイソシアナト化合物を添加することにより、乾燥時
の結晶化が防止できることが明らかである。
【0097】
【発明の効果】本発明によると、従来における前記諸問
題を解決することができ、液晶表示素子、有機発光素
子、無機電界素子、太陽電池、窓ガラス、複写機、電磁
波シールド、光ディスク等をはじめ各種分野において好
適であり、大面積化が可能で、しかも低コストで容易に
製造可能な透明導電材、及び、フルカラーディスプレ
イ、バックライト等の面光源やプリンター等の光源アレ
イなどに有効に利用でき、高輝度であり、大面積化が可
能で、しかも低コストで容易に製造可能な発光素子、を
提供することができる。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機導電性高分子化合物及びP型無機半
    導体を含有する液を塗布してなることを特徴とする透明
    導電材。
  2. 【請求項2】 有機導電性高分子化合物を含有する液を
    塗布した後、P型無機半導体を含有する液を塗布してな
    ることを特徴とする透明導電材。
  3. 【請求項3】 P型無機半導体を含有する液を塗布した
    後、有機導電性高分子化合物を含有する液を塗布してな
    ることを特徴とする透明導電材。
  4. 【請求項4】 P型無機半導体を含有する液をポリ塩化
    ビニリデン共重合体上に塗布する請求項3に記載の透明
    導電材。
  5. 【請求項5】 P型無機半導体を含有する液がイソシア
    ナト化合物を含有する請求項1から4のいずれかに記載
    の透明導電材。
  6. 【請求項6】 有機導電性高分子化合物及びP型無機半
    導体の粒子径が1μm以下である請求項1から5のいず
    れかに記載の透明導電材。
  7. 【請求項7】 P型無機半導体の塗布量が1〜1000
    mg/m2である請求項1から6のいずれかに記載の透
    明導電材。
  8. 【請求項8】 P型無機半導体が銅化合物である請求項
    1から7のいずれかに記載の透明導電材。
  9. 【請求項9】 銅化合物がCuIである請求項8に記載
    の透明導電材。
  10. 【請求項10】 CuIを含有する液が沸点が70〜2
    00℃のニトリル化合物を溶媒として含む請求項9に記
    載の透明導電材。
  11. 【請求項11】 ニトリル化合物がアセトニトリルであ
    る請求項10に記載の透明導電材。
  12. 【請求項12】 有機導電性高分子化合物が、ポリチオ
    フェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリフラン及び
    ポリp−フェニレン誘導体から選択される少なくとも1
    種である請求項1から11のいずれかに記載の透明導電
    材。
  13. 【請求項13】 有機導電性高分子化合物が、ポリチオ
    フェン及びポリアニリンの少なくとも一方、並びに、ポ
    リチオフェン及びポリアニリンの少なくとも一方とアニ
    オン性化合物との混合物、のいずれかである請求項1か
    ら12のいずれかに記載の透明導電材。
  14. 【請求項14】 有機導電性高分子化合物が、ポリエチ
    レンジオキシチオフェン、及び、ポリエチレンジオキシ
    チオフェンとポリスチレンスルホネートとの混合物、の
    いずれかである請求項1から13のいずれかに記載の透
    明導電材。
  15. 【請求項15】 請求項1から14のいずれかに記載の
    透明導電材を有することを特徴とする発光素子。
  16. 【請求項16】 透明電極を有し、該透明電極が透明導
    電材で形成された請求項15に記載の発光素子。
  17. 【請求項17】 有機発光素子である請求項15又は1
    6に記載の発光素子。
  18. 【請求項18】 発光層を有し、該発光層がオルトメタ
    ル化錯体を含有する請求項17に記載の発光素子。
  19. 【請求項19】 発光層を含む有機化合物層を有し、該
    有機化合物層が湿式成膜法で形成された請求項17又は
    18に記載の発光素子。
  20. 【請求項20】 基材を有し、該基材が、有機基材及び
    有機材料と薄厚ガラスとの積層基材のいずれか一方であ
    る請求項15から19のいずれかに記載の発光素子。
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