JP3744052B2 - 食器洗浄機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は洗浄水の噴射により洗浄を行う食器洗浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に従来の食器洗浄機について、図5に基づいて説明する。食器を洗浄槽21の食器かご22に収納し、洗剤を投入して運転を開始する。運転が開始されると、まず所定量の洗浄水を洗浄槽21に供給する給水工程が実行される。
【0003】
続いて、洗浄ポンプ23によって加圧され且つヒータ24によって加熱された洗浄水が洗剤と共に洗浄ノズル25から噴射される本洗工程が行われる。洗浄水は洗浄ノズル25の噴射孔26から鉛直方向または斜め上方向に噴射される。
【0004】
また洗浄ノズル25はこの噴射反力によって略水平に回転する。したがって、洗浄水の多くは洗浄ノズル25の回転方向とは逆方向に傾斜して噴射されて、食器に衝突する。この洗浄水の衝突力・洗剤・熱等の作用によって、食器は洗浄されるものである。
【0005】
所定時間の本洗工程を経ると、次に食器等から洗い落とされた汚れを含む洗浄水を排水ポンプ27によって機外に排出する排水工程に入る。この排水工程は排水ポンプを一時停止させる断続運転を行うことにより、排水ポンプや排水経路内にたまった空気を抜き去ることによって排水能力の回復を図りながら所定の排水能力を得るものである。さらに新たに洗浄水を供給する給水工程と、洗剤や残菜(食器に付着した汚れを残菜ともいう)で汚れた食器をすすぐために洗浄水を洗浄ノズル25から噴射するすすぎ工程と、前記排水工程とが連続して4回繰り返されて、洗浄工程の運転を終了するものである。なお28は、洗浄ポンプ23・ヒータ24等の運転を制御する制御装置である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の構成の食器洗浄機は以下に示す課題を有している。食器洗浄機の実使用状態を考えると、残菜が過度にフィルタに堆積して排水ポンプへの洗浄水の供給が減少したり、経年変化により排水経路内の内壁に異物が付着あるいは異物が詰まるなど排水経路が狭くなったり、あるいは機外での排水ホ−スが長く接続されたり、高所に立ち上げて設置されたり、ル−プ状に巻かれた状態で設置されるなどいろいろな状況が発生し、食器洗浄機の排水能力は低下する傾向にある。結果、食器に付着した汚れや洗剤分を十分にすすぐことができないまま運転が終了したり、排水不良で運転が途中で停止する場合もある。
【0007】
さらに、排水能力が極端に低下した状態で給水弁が動作不良を起こした場合、洗浄漕から洗浄水が機外にあふれ出して床面が浸水してしまうこともある。
【0008】
つまり、従来の食器洗浄機は一定の排水能力を持つ排水ポンプで、予め設定された時間と回数の排水動作を行うだけであり、常に十分な排水性能を得られないという課題があった。
【0009】
よって本発明は以上のような従来の構成が有している課題を解決するもので、安定的な洗浄、すすぎ性能および排水性能を得ることができるとともに、安全性を向上させた食器洗浄機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の食器洗浄機は、回転数を可変できるモ−タによって駆動する排水ポンプを備え、排水動作終了時の水位が基準残水位より高い場合にモ−タの回転数を上げて再び排水動作をさせるものである。
【0011】
この構成により、排水不良時に排水能力を上げて再び排水を行うため、排水不良がなくなり、安定的に排水能力と洗浄性能を維持することができる。
【0012】
ここで基準残水位とは、工場出荷時の状態において製造業者の定める使用方法により得られた食器洗浄機の排水後の残水位のことである。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記の課題を解決するために本発明の請求項1記載の発明は、洗浄槽と、食器を収納する食器かごと、洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、洗浄水の水位を検知する検知手段と、洗浄水をモ−タの回転により加圧する洗浄ポンプと、回転数を可変できるモ−タによって駆動する排水ポンプを備え、前記排水ポンプは、排水動作終了時の水位が基準残水位より高い場合にモ−タの回転数を上げて再び排水動作を行うものである。
【0014】
このようにポンプ能力の可変可能な排水ポンプを搭載し、残水の水位に応じて排水能力を可変できるようにしたことにより、排水不良を防ぐとともに安定的に排水能力と洗浄性能を得るものである。
【0015】
また本発明の請求項2記載の発明は、洗浄槽と、食器を収納する食器かごと、洗浄槽に洗浄水を給水する給水手段と洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、洗浄水の水位を検知する検知手段と、洗浄水をモ−タの回転により加圧する洗浄ポンプと、回転数を可変できるモ−タによって駆動する排水ポンプを備え、前記排水ポンプは、排水動作時の排水量が給水手段より供給される給水流量よりも小さい場合に、モ−タの回転数を上げて排水動作を行うものである。
【0016】
このようにポンプ能力が可変可能な排水ポンプを搭載し、排水動作時の排水量に応じて排水能力を可変できるようにしたことにより、排水不良を防ぎ、安定的に排水能力と洗浄性能を維持できるとともに、機外への溢水による床面の浸水を防ぐことができる。
【0017】
また本発明の請求項3記載の発明は、請求項1、2記載の発明に加えて、モ−タの回転数を上げる排水動作は初期にのみ行い、後は通常回転数に戻して排水を継続するよう動作させるものであり、排水ホ−スからの不要な洗浄水の飛び散りを防ぐものである。
【0018】
また本発明のの請求項4記載の発明は、請求項1、2、及び3記載の発明に加えて前記排水ポンプ用モ−タはDCブラシレスモ−タを用いたものである。
【0019】
【実施例】
以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0020】
(第1の実施例)
図1は食器洗浄機の断面を示し、1は洗浄槽、2は食器を収納する食器かごで洗浄槽1内に設けている。3は洗浄水を加圧する洗浄ポンプ、4は洗浄水及び食器を加熱するヒータ、5は洗浄水を噴射する噴射口6を有す洗浄ノズルである。また7は残菜を分離するフィルターである。8は洗浄水を機外に排出するための排水ポンプであり、駆動用モ−タ9にはDCブラシレスモ−タを用いる。10は洗浄水を機外に排水するための排水経路である。11は排水ホ−スである。12は洗浄ポンプ3・排水ポンプ8・ヒータ4等を制御する制御装置である。また13は洗浄水の水位を検知する水位検知手段である。
【0021】
以下第1の実施例の動作を図1、図2を用いて説明する。
まず、食器を食器かご2に収納し、洗浄槽1の所定の位置に装着して図示していないスイッチをオンしたとする。スイッチがオンされて運転を開始すると、制御装置12は先ず所定量の洗浄水を洗浄槽1に供給する給水工程を実行する。この時水位検知手段13が有効に作用して所定の水量が洗浄槽1に投入される。そして水位検知手段13からの給水終了信号を制御装置12が受け、給水行程を終了する。続いて、洗浄ポンプ3によって加圧した洗浄水を洗剤と共に洗浄ノズル5に設けた噴射口6から噴射する本洗工程を実行する。所定時間の本洗工程を経ると、次に食器等から洗い落とされた汚れを含む洗浄水は、排水経路10を通り機外に排水される排水行程が行われる。引き続き、新たに洗浄水を供給する給水工程と、洗剤や残菜で汚れた食器をすすぐすすぎ工程と、排水工程とが連続し、これらを4回繰り返して洗浄工程が終了する。
【0022】
上記排水ポンプ8の排水工程での動作について詳細に述べる。通常の排水行程が終了した時に水位検知手段13は再び洗浄槽1内の洗浄水位を検知する。この時検知した残水位が、通常終了の残水位と残菜フィルタ7の下面との間にきたとき、制御装置12は排水ポンプ8の能力を通常運転時の1.5倍になるように制御して再び一定時間の排水動作を行う。ここで排水ポンプ8の排水能力の向上に関しては、排水ポンプ8用モ−タとしてDCブラシレスモ−タ9を用いているため容易にモ−タ回転数を高くすることができ、結果として排水能力を向上させることができる。さらに耐久性についても十分仕様を満足する。
【0023】
そして上記動作により、例えば残菜が過度に残菜フィルタ7に堆積して排水ポンプ8への洗浄水の供給が減少したり、経年変化により排水経路10内の内壁に異物が付着して排水経路10が狭くなったり、あるいは機外での排水ホ−ス11が長く接続されたり、高所に立ち上げて設置されたり、ル−プ状に巻かれた状態で設置されるなど食器洗浄機の排水能力が低下している場合でも、本発明の構成によれば十分な排水能力を得られるために排水不良を起こすことがない。よって常に安定したすすぎ性能を得ることができ、結果食器への残菜の再付着や洗剤のこりのない高い洗浄性能を得ることができる。
【0024】
なお第1の実施例の構成では排水ポンプ単品で排水作用を行う例について述べたが、洗浄と排水という2つの機能、あるいは洗浄、排水、乾燥という3つの機能を1つのポンプで行う構成についても同様の効果が得られるということは容易に想像できる。また排水能力の上昇分に関しては本発明の効果を十分得られるようにすためには1.3〜1.8倍の間に設定すると良い。
【0025】
(第2の実施例)
本発明の構成は第1の実施例に示した構成と同じであるが、排水ポンプの制御方法が異なる。
【0026】
また本発明の実施例の構成および基本動作は第1の実施例と同じであり省略する。
【0027】
次に第2の実施例の動作を図1,図3を用いて詳細に述べる。水位検知手段15は制御手段の働きにより通常の排水行程中における排水流量や給水行程における給水流量を常に検知しており、排水流量がその排水行程の直前に行われた給水行程での給水流量以下になった場合に、制御装置14は排水ポンプ8の能力を通常運転時の1.5倍になるように制御して排水動作を継続して行う。あるいは通常数回に分けて行われる排水行程の内、最後の排水動作でない場合、次の排水動作時に排水能力を上げて動作させても同様の効果が得られる。この水位検知手段に関しては、水位検知手段により得られた水位と水位変化時間をもとに制御手段が流量を得る方法を示したが、排水流量検出に関しては流量検出手段を排水経路内に設置することも考えられるし、給水流量に関しては給水経路内に流量検出手段を設置してもよい。
【0028】
さらに排水ポンプ8の排水能力の向上に関しては、排水ポンプ8用モ−タとしてDCブラシレスモ−タ9を用いているため、容易にモ−タ回転数を高くすることができ、結果として排水能力を向上させることができる。この動作により、例えば残菜が過度に残菜フィルタ7に堆積して排水ポンプ8への洗浄水の供給が減少したり、経年変化により排水経路10内の内壁に異物が付着して排水経路10が狭くなったり、あるいは機外での排水ホ−ス11が長く接続されたり、高所に立ち上げて設置されたり、ル−プ状に巻かれた状態で設置されるなど食器洗浄機の排水能力が低下している場合でも、本発明の構成によれば十分な排水能力を得られるために排水不良を起こすことがない。よって常に安定したすすぎ性能を得ることができ、結果食器への残菜の再付着や洗剤のこりのない高い洗浄性能を得ることができる。
【0029】
さらに従来の食器洗浄機の中には、給水弁の故障や給水位を検知する検知装置が動作しない場合等に発生する溢水異常に備えるために、溢水水位を検知する検知装置を設けるとともに、溢水異常を検知すると排水ポンプが動作して洗浄槽から機外に洗浄水を排水する制御を行っている。よって排水ポンプの排水能力は給水能力より高く設定される。
【0030】
つまり本発明によれば、このような溢水異常が起こった場合においても確実に洗浄水を機外に排水することができるため、機外への溢水による床面の浸水を防ぐことができる。
【0031】
さらに給水弁の給水流量を常時検出するため、給水異常を直ちに検出できるとともに、設置場所の違いで発生する水道圧力差に起因する給水流量の変化に対しても確実に対応した制御が可能である。
【0032】
なお本実施例の構成では排水ポンプ単品で排水作用を行う例について述べたが、洗浄と排水という2つの機能、あるいは洗浄、排水、乾燥という3つの機能を1つのポンプで行う構成についても同様の効果が得られるということは容易に想像できる。また排水能力の上昇分に関しては本発明の効果を十分得られるようにすためには1.3〜1.8倍の間に設定すると良い。
【0033】
(第3の実施例)
本発明の構成は第1の実施例に示した構成と同じであるが、排水ポンプの制御方法が異なる。
【0034】
また本発明の実施例の基本動作は第1の実施例と同じであり省略する。
次に第3の実施例の動作を図1、図4を用いて詳細に述べる。数回の一時停止と排水動作を行う排水行程において、水位検知手段が残水位や排水流量を検知して排水不良と判断した場合、排水動作に初期のみ排水能力を上げ、後に通常の排水能力まで減少させる動作をする。そして一時停止後の次の排水動作時に依然として排水不良状態が発生した場合にのみ、排水能力を上げる動作を繰り返す。これは例えば排水ホ−ス内に貯まっていた異物が排水圧力の向上により排水途中で排除されると、通常より排水ホ−スからの排出速度が速くなり、特に排水ホ−スを流し台のシンク内に設置する卓上型食器洗浄機の場合、排水ホ−スからの洗浄水の周辺への飛散ということに対しても対応することができる。
【0035】
つまり本発明によれば、特に卓上型食器洗浄機において排水ホ−スからの行きすぎた洗浄水の周囲への飛散を防止することができるとともに不必要な排水能力の向上による消費電力の上昇を防止することができる
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1記載の発明によれば、食器への残菜の再付着や洗剤のこりのない高い洗浄性能、すすぎ性能および排水性能を安定的に得ることができるとともに、安全性を向上させた食器洗浄機を提供することができる。
【0037】
また本発明の請求項2記載の発明によれば、溢水異常が起こった場合においても確実に洗浄水を機外に排水して、機外への溢水による床面への浸水を防ぐ食器洗浄機を提供することができる。
【0038】
さらに本発明の請求項3記載の発明によれば、排水ホ−スからの洗浄水の周辺への飛散を防止することができるとともに、不必要な排水能力の向上による消費電力の上昇を防止した食器洗浄機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食器洗浄機の構成図
【図2】本発明の第1の実施例の排水ポンプの動作を示す図
【図3】本発明の第2の実施例の排水ポンプの動作を示す図
【図4】本発明の第3の実施例の排水ポンプの動作を示す図
【図5】従来の食器洗浄機の断面図
【符号の説明】
1 洗浄槽
2 食器かご
3 洗浄ポンプ
4 ヒータ
5 洗浄ノズル
8 排水ポンプ
12 制御装置
13 水位検知手段
Claims (4)
- 洗浄槽と、食器を収納する食器かごと、洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、洗浄水の水位を検知する検知手段と、洗浄水をモ−タの回転により加圧する洗浄ポンプと、回転数を可変できるモ−タによって駆動する排水ポンプを備え、前記排水ポンプは、排水動作終了時の水位が基準残水位より高い場合に、モ−タの回転数を上げて再び排水動作を行う食器洗浄機。
- 洗浄槽と、食器を収納する食器かごと、洗浄槽に洗浄水を給水する給水手段と洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、洗浄水の水位を検知する検知手段と、洗浄水をモ−タの回転により加圧する洗浄ポンプと、回転数を可変できるモ−タによって駆動する排水ポンプを備え、前記排水ポンプは、排水動作時の排水量が給水手段より供給される給水流量よりも小さい場合に、モ−タの回転数を上げて排水動作を行う食器洗浄機。
- モ−タの回転数を上げる排水動作は排水初期に所定時間行い、後は通常回転数に戻して排水を継続する請求項1または2記載の食器洗浄機。
- 排水ポンプ用モ−タはDCブラシレスモ−タを用いた請求項1〜3いづれか1項記載の食器洗浄機。
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- 1996-04-12 JP JP09088896A patent/JP3744052B2/ja not_active Expired - Fee Related
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