JP3743588B2 - 誘電体材料成形用バインダー - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、積層コンデンサ等を製造するため、誘電体材料を含むグリーンシートを脱脂、焼成してセラミックシートを作る場合に使用する誘電体材料成形用バインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミックコンデンサは、表面に電極を印刷したセラミックグリーンシートを積み重ねて焼成することにより製造される。コンデンサの各端縁部に交互に露出するように形成された内部電極は、露出端部の導電物質にて被覆されて全ての層の内部電極が接続される。これによってコンデンサの並列接続群が形成される。
グリーンシートは、セラミック粒子に対し、有機溶剤と有機ポリマーでなるバインダーを加え、さらに必要に応じて可塑剤を加え混合して作られるスラリーをポリエステルフィルムまたはステンホィール等の支持体に塗布して得られる。
【0003】
前記グリーンシートの厚みは従来のドクターブレード方式であれば、ブレードの隙間並びに支持体への塗布速さによって調整される。従来、グリーンシートのバインダーとして、特許第2500808等にも記載のように、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、アクリレートとメタクリレートのコポリマー等が使用されている。
【0004】
このようなポリマーからなるバインダーを混合して作られるスラリーの粘度は、グリーンシートの成形装置の技術的理由から、40〜3000cps(ブルックフィールド粘度計:NO.1スピンドル/NO.2スピンドル、100rpm/50rpm、25℃)の範囲にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
スラリーはその粘度が上記粘度範囲内におさまるように、最も高い含有量のセラミックと、最も低い含有量のバインダーであることが、脱バインダー処理を容易にする等の点で好ましい。
【0006】
また、バインダーは、グリーンシートとして成形された際に、薄いグリーンシートでありながら、複数枚積層し、加熱下で加圧接着が良好であること、その際に、グリーンシートが圧壊しないこと、グリーンシートの引張強度が高いこと、乾燥後支持体からのグリーンシートの剥離性が良好であることなどが要求される。
【0007】
従来のバインダーのそのままでは、これらの要求を十分に満たすことができず、高強度のグリーンシートを得るには分子量を高くせざるを得ず、粘度が高過ぎたり、加熱加圧接着性が劣る等の問題が生じる。また、適当な粘度にするには、分子量を低くせざるを得ないが、非常に脆いグリーンシートになってしまう。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、グリーンシートの接着性が良好であって、加圧接着時のグリーンシートが圧壊せず、引張強度も高いものが得られるバインダーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セラミック粒子に対し、有機溶媒と共に混合してグリーンシート形成用のスラリーを作る誘電体材料成形用バインダーであって、
単量体が、55重量%以上〜90重量%未満のメチルメタクリレートと、10重量%以上〜45重量%未満のブチルアクリレートと、残部のアクリル酸とからなり、
数平均分子量MNが15000〜220000、重量平均分子量MWが75000〜800000であり、かつ
数平均分子量MNに対する重量平均分子量MWの比MW/MNが2.0〜6.7のコポリマーである
ことを特徴とする(請求項1)。
【0010】
本発明において、数平均分子量が15000未満となるか、あるいは重量平均分子量が75000未満であると、グリーンシートの引張強度が低下し、グリーンシートが壊れやすくなる。一方、数平均分子量が220000を超えるかあるいは重量平均分子量が800000を超えると、引張強度は増大するものの、グリーンシートの接着性が悪くなる。
【0011】
また、数平均分子量MNに対する重量平均分子量MWの比MW/MNが2.0未満であると、引張強度が弱くなり、また、この比MW/MNが6.7が以下であれば引張強度や圧破壊強度が確保できる。
【0012】
また、前記バインダーとして、単量体が、55重量%以上〜90重量%未満のメチルメタクリレートと、10重量%以上〜45重量%未満のブチルアクリレートと、残部のアクリル酸とからなるものとしたので、常温程度でしかも比較的低圧で加圧した場合であっても、グリーンシート間の接着性が良好となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
表1に示す成分からなる塗料をボールミル容器に入れ、ジルコニアボールと共に12時間混合してグリーンシート作製用のセラミック入り組成物を製造した。この場合の有機ポリマーの単量体組成の割合は表2に示す通りとした。(以下余白)
【0014】
【表1】
Figure 0003743588
【0015】
【表2】
Figure 0003743588
【0016】
このセラミック組成物から、厚さ30μmのグリーンシートを作製して90℃で3分乾燥後、50mm×50mmの基板に切り出し、25℃、40℃において、それぞれ25kg/cm2、50kg/cm2と圧力を変えて加熱加圧成形して積層物を得た。
【0017】
表2において、試料1〜3、5、6が比較例であり、試料4、7が本発明による実施例である。表2において、○印は接着性良好で完全に一体化した積層体が得られることを示し、△印は接着性がほぼ良好で各シートがほぼ完全に接着することを示し、×印は接着不良で積層体とならないことを示す。
【0018】
また、比較例に相当する試料NO.1、2の組成は、アルキルメタクリレート単独(ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート)ではあまり良好な接着性が得られない。
【0019】
また、試料NO.3、5の比較例と、本発明の実施例である試料NO.4、7との対比から分かるように、ブチルアクリレートとメチルメタクリレートとだけでコポリマーを作るよりも、これらに脂肪酸であるアクリル酸を加えることにより、さらに良好な接着性が得られることが分かる。
【0020】
また、メチルメタクリレート55重量%以上〜90重量%未満、ブチルアクリレート10重量%以上〜45重量%未満と残部アクリル酸からなるコポリマーが接着性が良好であることが分かる。
【0021】
次に、ポリマー組成を試料NO.4、すなわちブチルアクリレート14重量%、アクリル酸1重量%、メチルメタクリレート85重量%の組成とし、分子量を表3の試料NO.8〜14に示すように変えた有機ポリマーを使用して、表1の成分塗料を作製した。そのグリーンシートの加熱加圧接着性を表3に示す。
【0022】
また、試料NO.8〜14のグリーンシートを10mm×10mmの基板に切り出し、グリーンシートの引張強度および圧破壊強度を測定した。なお、圧破壊強度は、積層物作製のための加熱加圧成形時にグリーンシートが圧破壊するかどうかにより調べた。この結果も表3に示す。
【0023】
【表3】
Figure 0003743588
【0024】
表3から分かるように、数平均分子量MNが小さい程引張強度が低下する傾向があり、試料NO.8〜14に示す15000以上の数平均分子量MNであれば、9.8kgf/cm2以上の引張強度が得れれる。一方、試料NO.14に示すように、数平均分子量MNが240000になると、積層における接着性が悪化するので、数平均分子量MNは220000以下とすることが好ましい。
【0025】
また、試料NO.8、9の対比から分かるように、重量平均分子量MWが75000MW以上であると、圧破壊強度が確保され、グリーンシートが壊れないが、重量平均分子量MWが75000未満になると、圧破壊強度が小さくなる。一方、試料NO.13、14から分かるように、重量平均分子量MWが800000を超えると、引張強度は増大するものの、グリーンシートの接着性が悪くなる。
【0026】
また、試料NO.9に示すように、数平均分子量MNに対する重量平均分子量MWの比MW/MNが2.0未満であると、引張強度が弱くなり、また、試料NO.11に示すように、比MW /MNが最大6.7であっても引張強度が確保できることが確かめられた。
【0027】
【発明の効果】
本発明のバインダーによれば、複数枚グリーンシートを積層する場合、常温程度でしかも比較的低圧で加圧した場合であっても、グリーンシート間の接着性が良好となる。しかも加圧接着時にグリーンシートが圧壊せず、また、引張強度も高いことから、高い品質のコンデンサを高い歩留で生産することができる。

Claims (1)

  1. セラミック粒子に対し、有機溶媒と共に混合してグリーンシート形成用のスラリーを作る誘電体材料成形用バインダーであって、
    単量体が、55重量%以上〜90重量%未満のメチルメタクリレートと、10重量%以上〜45重量%未満のブチルアクリレートと、残部のアクリル酸とからなり、
    数平均分子量MNが15000〜220000、重量平均分子量MWが75000〜800000であり、かつ
    数平均分子量MNに対する重量平均分子量MWの比MW/MNが2.0〜6.7のコポリマーである
    ことを特徴とする誘電体材料成形用バインダー。
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