JP3740190B2 - 電界放出表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は平板表示装置、超高周波増幅器センサ、電子ビーム応用機器のソースとして使用できる電界放出表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、テレビジョン受像機のCRT(cathode ray tube)に代わることのできる画像表示装置として平面形画像表示装置の開発が活発に検討されており、今後壁掛けテレビジョンおよびHDTV用画像表示装置の適用を目標として開発が進行しつつある。このような平面形画像表示装置としては液晶表示素子、プラズマ表示装置、そして電界放出素子などがあり、そのうちで画面の明るさおよび低消費電力において電界放出素子が非常に注目を浴びている。
【0003】
電界放出表示素子は画像表示に必要な単位ピクセル当たりに電子発生源である陰極チップを104 〜105 tips/mm2 程度に高集積化させ得るために、低消費電力でも極めて高い輝度や高い光効率を得ることができる。また、電界放出表示素子は消費電力が少なくて、今後壁掛けテレビジョンおよびHDTV(高鮮明テレビジョン)に適用できると期待されている。
【0004】
ここで、従来の電界放出表示素子の製造方法を図4 (A) 〜図4 (D) を参照して説明する。
【0005】
同図 (A) に示したように、ガラス基板1上に陰極2がストライプ状に形成され、一定の直径のホール8を有する絶縁層3が形成された後、この絶縁層3上に開口7を有するゲート4が形成される。
【0006】
その後、同図 (B) に示したように、グレージング角度蒸着法によって分離層5が蒸着される。
【0007】
次に、同図 (C) に示したように、陰極のような物質からなる電界放出用のマイクロ・チップ(micro-tip)6を前記ホール内の陰極上にアレー状に蒸着された後、同図 (D) に示したように、分離層5をエッチングして素子を完成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来、このような製造方法において最も核心となる部分は数十nmのマイクロ・チップアレーを形成する部分である。この時、分離層5としては金属を使用したもので、同図 (B) に示したように、グレージング角度蒸着法は工程の上特殊に製作された装置を使用しなければならないという煩わしさがある。また、分離層5の厚さが定型化されているので、チップの高さなど素子の幾何学的な形において変化を与えることができなくて放出電界の均一性が低下するという短所がある。そして、金属分離層5の除去方法において電気化学的なエッチングが使用されることにより、残余メタル物質が汚染をもたらして漏洩電流が生じることがあるので装置の信頼性が低下する。
【0009】
本発明は前記のような問題点を解決するために創案されたものであり、本発明の目的は、分離層として金属層を使用することなく、別の蒸着方法を使用する煩わしさなく製造工程中の汚染による漏洩電流が防止できる電界放出表示装置の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を達成するための手段】
前記のような目的を達成するために、請求項1記載の第1の発明による電界放出表示素子の製造方法は、基板上にストライプ状の陰極を形成する段階と、前記ストライプ状の陰極の形成された基板上に絶縁層を形成する段階と、前記絶縁層上にゲート電極層を蒸着し、所定のパターンに蝕刻して前記陰極と交叉する方向のストライプ状にゲート電極を形成する段階と、前記ゲート電極の形成された前記絶縁層上にポリイミド層を形成する段階と、前記ポリイミド層上に金属を蒸着して金属層を形成する段階と、前記金属層を所定直径の開口を形成するために蝕刻する段階と、前記ポリイミド層を前記金属層蝕刻段階で形成された開口と整列されたホールを形成するために蝕刻する段階と、前記ゲート電極を前記ポリイミド蝕刻段階で形成されたホールと整列された開口を形成するために蝕刻する段階と、前記ゲート電極蝕刻段階で形成された開口と整列されたホールを形成するために前記絶縁層を蝕刻する段階と、前記絶縁層蝕刻段階で形成されたホール内部の陰極上に電界放出用マイクロ・チップを形成する段階と、前記ポリイミド層をリフト・オフさせる段階とを含むことを要旨とする。従って、分離層として金属層を使用することなく、別の蒸着方法を使用する煩わしさなく製造工程中の汚染による漏洩電流が防止できる。
【0011】
請求項2記載の第2の発明の望ましい実施例によると、前記絶縁層はSiO2 またはAl2 3 を1μm厚さに形成することを要旨とする。従って、陰極と交叉する方向のストライプ状にパターニングしてゲート電極を形成できる。
【0012】
請求項3記載の第3の発明は、前記ゲート層はMoまたはCrを3000〜6000Å厚さに形成することを要旨とする。従って、陰極と交叉する方向のストライプ状にパターニングしてゲート電極を形成できる。
【0013】
請求項4記載の第4の発明は、前記ポリイミド層を形成する段階は、ポリイミドを2〜3μm厚さにスピンコーティングする段階と、前記コーティングされたポリイミド層を所定の温度でプリ・ベーキングして硬化させる段階とを含むことを要旨とする。従って、絶縁層13上にスピンコーティングした後に硬化させることができる。
【0014】
請求項5記載の第5の発明は、前記金属はAlを2000Å厚さに蒸着することを要旨とする。従って、下部層およびゲート電極に電界放出用マイクロチップを形成できる。
【0015】
請求項6記載の第6の発明は、前記金属層を蝕刻する段階はリアクチブイオンエッチング法で蝕刻することを要旨とする。従って、下部層およびゲート電極に電界放出用マイクロチップを形成できる。
【0016】
請求項7記載の第7の発明は、前記ポリイミド層を蝕刻する段階はO2 プラズマを利用して蝕刻することを要旨とする。従って、下部層およびゲート電極に電界放出用マイクロチップを形成できる。
【0017】
請求項8記載の第8の発明は、前記ゲート電極を蝕刻する段階はCF4 /O2 或いはCCl3 F/O2 プラズマで蝕刻することを要旨とする。従って、下部層およびゲート電極に電界放出用マイクロチップを形成できる。
【0018】
請求項9記載の第9の発明は、前記絶縁層を蝕刻する段階はCHF4 /O2 プラズマで蝕刻することを要旨とする。従って、下部層およびゲート電極に電界放出用マイクロチップを形成できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づき本発明よる電界放出表示素子の製造方法を説明する。
【0020】
本発明による電界放出表示素子は、ガラス基板11、該ガラス基板11上にストライプ状に形成された陰極、該陰極上にアレー構造で多数形成された電界放出用のマイクロ・チップ12′、該マイクロ・チップ12′を取り囲むように形成された絶縁体層13、マイクロ・チップ12′の上部に電界放出を可能にする開口17を有するように絶縁体層13上に形成されたゲート電極14からなる。
【0021】
このように構成された電界放出表示装置の製造方法について図1 (A) 〜図3 (C) を参照して説明する。
【0022】
先ず、図1 (A) に示したように、ガラス基板11上に透明な低抵抗膜が蒸着法やスパッタ法で容易に得られ、ホト加工も容易なITO膜を適当な厚さに積層した後、ストライプ状に蝕刻して陰極12を形成した後、SiO2 を1μm程度の厚さに蒸着して絶縁層13を形成し、これにさらにMoを3000〜6000Åの厚さに蒸着し前記陰極12と交叉する方向のストライプ状にパターニングしてゲート電極14を形成する。
【0023】
次に、図1 (B) に示したように、アセトンや他のソルベントに溶解されるポリイミドをゲート電極14の形成された絶縁層13上にスピンコーティングした後に硬化させるために、適切な温度でプリ・ベーキングしてポリイミド層15を形成する。
【0024】
次に、図1 (C) に示したように、Al金属16を2000Å程度の厚さに蒸着した後、図2 (A) に示したように、下部層およびゲート電極に電界放出用マイクロチップを形成するためのホールを形成するためにRIE(Reactive Ion Etching)法で蝕刻する。次に、図2 (B) に示したように、O2 プラズマを利用してポリイミド層15をエッチングし、図2 (C) に示したように、CF4 /O2 プラズマを利用してMoゲート電極14をエッチングして開口17を形成した後、図3 (A) に示したように、CHF4 /O2 プラズマを利用してSiO2 絶縁層13を蝕刻してホール18を完成させる。ここで、電極がCrの場合はCCl3 F/O2 プラズマで蝕刻する。
【0025】
次に、図3 (B) に示したように、Moを蒸着させてマイクロ・チップ12′を前記ホール18に形成する。
【0026】
更に、図3 (C) に示したように、マイクロ・チップ形成時に蒸着されたAl層16および残余Mo層12″はアセトンなどのソルベントでポリイミド層15と共にリフト・オフさせて素子を完成させる。
【0027】
以上のように製作された電界放出表示素子は陰極12を接地し、ゲート電極14を+電位にして約20〜100V程度を印加すればマイクロチップ12′から電界効果による電子が放出される。このように放出された電子は真空(10-6〜10-7torr)を通過するが、これらの電子を加速させ蛍光物質に衝突させると光を放出するようになり、所望の画像が表示される。
【0028】
このような電界放出表示素子のゲートにrfバイアス電圧を印加すると超高周波増幅器として動作し、電子ビームを制御する制御グリッドを別に取り付けると、電子ビーム応用システム、すなわちセンサ、SEM(Scanning Electron Microscope)、e−ビームリソグラフィカルツール(electron-beam lithographicaltool )などに応用することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上で説明したように、第1の発明による電界放出表示素子の製造方法は、分離層として金属層を用いるグレージング角度蒸着を利用せずポリイミドを利用して分離層を形成し、その上部に金属マスクを形成しホールを蝕刻して直ちにマイクロ・チップを形成することにより、マイクロ・チップの高さが調整しやすい。また、ポリイミド自体がソルベントに容易に溶解されるので、蝕刻工程中に汚染が発生せず素子を信頼性を向上させ得る効果がある。
【0030】
第2の発明は、前記絶縁層はSiO2 またはAl2 3 を1μm厚さに形成するので、陰極と交叉する方向のストライプ状にパターニングしてゲート電極を形成できる。
【0031】
第3の発明は、前記ゲート層はMoまたはCrを3000〜6000Å厚さに形成するので、陰極と交叉する方向のストライプ状にパターニングしてゲート電極を形成できる。
【0032】
第4の発明は、前記ポリイミド層を形成する段階は、ポリイミドを2〜3μm厚さにスピンコーティングする段階と、前記コーティングされたポリイミド層を所定の温度でプリ・ベーキングして硬化させる段階とを含むので、絶縁層上にスピンコーティングした後に硬化させることができる。
【0033】
第5の発明は、前記金属はAlを2000Å厚さに蒸着するので、下部層およびゲート電極に電界放出用マイクロチップを形成できる。
【0034】
第6の発明は、前記金属層を蝕刻する段階はリアクチブイオンエッチング法で蝕刻するので、下部層およびゲート電極に電界放出用マイクロチップを形成できる。
【0035】
第7の発明は、前記ポリイミド層を蝕刻する段階はO2 プラズマを利用して蝕刻するので、下部層およびゲート電極に電界放出用マイクロチップを形成できる。
【0036】
第8の発明は、前記ゲート電極を蝕刻する段階はCF4 /O2 或いはCCl3 F/O2 プラズマで蝕刻するので、下部層およびゲート電極に電界放出用マイクロチップを形成できる。
【0037】
第9の発明は、前記絶縁層を蝕刻する段階はCHF4 /O2 プラズマで蝕刻するので、下部層およびゲート電極に電界放出用マイクロチップを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電界放出表示素子の製造工程段階別の垂直断面図であり、(A)はゲート電極層形成後の垂直断面図、(B)はポリイミド層形成後の垂直断面図、(C)はAl層形成後の垂直断面図である。
【図2】本発明による電界放出表示素子の製造工程段階別の垂直断面図であり、(A)はAlマスク形成後の垂直断面図、(B)はAlマスクによるポリイミド層蝕刻後の垂直断面図、(C)はゲート電極層蝕刻後の垂直断面図である。
【図3】本発明による電界放出表示素子の製造工程段階別の垂直断面図であり、(A)は絶縁層蝕刻後の垂直断面図、(B)はマイクロ・チップ形成後の垂直断面図、(C)は本発明による電界放出表示素子の完成後の垂直断面図である。
【図4】従来の電界放出表示素子の製造工程段階別の垂直断面図であり、(A)はホール形成後の垂直断面図、(B)はグレージング角度蒸着時の垂直断面図、(C)はマイクロ・チップ蒸着工程時の垂直断面図、(D)は従来の電界放出表示素子の完成後の垂直断面図である。
【符号の説明】
11 ガラス基板
12 陰極
12′ マイクロチップ
12″ 残余Mo層
13 絶縁層
14 ゲート電極
15 ポリイミド層
16 Al金属
17 開口
18 ホール

Claims (8)

  1. 基板上にストライプ状の陰極を形成する段階と、
    前記ストライプ状の陰極の形成された基板上に絶縁層を形成する段階と、
    前記絶縁層上にゲート電極層を蒸着し、所定のパターンに蝕刻して前記陰極と交叉する方向のストライプ状にゲート電極を形成する段階と、
    前記ゲート電極の形成された前記絶縁層上にポリイミド層を形成する段階と、
    前記ポリイミド層上に金属を蒸着して金属層を形成する段階と、
    前記金属層を所定直径の開口を形成するために蝕刻する段階と、
    前記ポリイミド層を前記金属層蝕刻段階で形成された開口と整列されたホールを形成するために蝕刻する段階と、
    前記ゲート電極を前記ポリイミド蝕刻段階で形成されたホールと整列された開口を形成するために蝕刻する段階と、
    前記ゲート電極蝕刻段階で形成された開口と整列されたホールを形成するために前記絶縁層を蝕刻する段階と、
    前記絶縁層蝕刻段階で形成されたホール内部の陰極上に電界放出用マイクロ・チップを形成する段階と、
    前記金属層およびポリイミド層をリフト・オフさせる段階とを含むことを特徴とする電界放出表示素子の製造方法。
  2. 前記絶縁層はSiOまたはAlを所定の厚さに形成することを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示素子の製造方法。
  3. 前記ゲート層はMoまたはCrを3000〜6000Å厚さに形成することを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示素子の製造方法。
  4. 前記ポリイミド層を形成する段階は、
    ポリイミドをスピンコーティングする段階と、
    前記コーティングされたポリイミド層を所定の温度でプリ・ベーキングして硬化させる段階とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示素子の製造方法。
  5. 前記金属を蒸着する段階は、Alを所定の厚さに蒸着することを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示素子の製造方法。
  6. 前記金属層を蝕刻する段階はリアクチブイオンエッチング法で蝕刻することを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示素子の製造方法。
  7. 前記ポリイミド層を蝕刻する段階はOプラズマを利用して蝕刻することを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示素子の製造方法。
  8. 前記ゲート電極を蝕刻する段階はCF/OまたはCClF/Oプラズマで蝕刻することを特徴とする請求項1に記載の電界放出表示素子の製造方法。
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