JP3739254B2 - ボルト締結構造を有するブロー成形体の製造方法及びブロー成形体 - Google Patents

ボルト締結構造を有するブロー成形体の製造方法及びブロー成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ボルト締結構造を有するブロー成形体に関し、詳しくは、ボルト締結構造として、ブロー成形体の相対する壁を連結しかつ内部にボルトが貫通する貫通穴を有する筒状周壁と、該筒状周壁を補強する補強リブを有するブロー成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブロー成形体は、軽量で取り扱い易いために自動車や農業機械などの様々な分野における部品として利用価値が高い。そのような部品として利用するためには強固で安全な締結構造を有することが不可欠である。ブロー成形法ではパリソンと称する溶融樹脂の管状体を作り、この内部に圧縮空気を吹き込んで材料を膨張させ、所望の形状の金型に密着固化させて中空体を作成する。従来、中空体に締結部を形成するには、例えば、ブロー成形時にパリソンを金型内で締結部分を溶着してボルト用の穴をあけ、周囲の溶着部でボルト又はナットの締め付け座を形成する方法、または中空部の相対する壁間にパイプ状のボルト締結穴を設ける方法がとられている(図24(a)〜(c))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、金型内で溶着した場合、周囲の溶着部で締め付け座を形成している部分が1枚の板状であり肉厚がパリソンの2枚合わせ分以上に厚くならないため、大きい引抜き力がかかる場合や、ボルトが傾く力には耐えられないという問題がある。
【0004】
また、壁同士の間に筒状の貫通穴を設けた場合、締付力が大きいと貫通穴の部分が潰れ易い。そこでボルトの締付力を弱くすると、完成品のブロー成形体中空部分の潰れやへたりが発生し、締結力が低下するという問題があった。
【0005】
また、ボルトを引抜くときや、何らかの事情でボルトが傾くと、貫通穴の筒状の壁のみでは対抗力が弱く使用中に破損する可能性が大きいので、穴部分を肉厚にして強化する方法もとられる。しかし、この方法では成形品全体の重量が大きくなって取扱いが困難になるばかりか原材料の使用量が増加し、しかも製造に時間が多くかかるという問題がある。
【0006】
上記のように、従来のブロー成形法で得られる締結構造では締結部分が弱く亀裂が発生したり破損する恐れがあるために引っ張り強度の大きいボルトや太いボルトを使用することができず、多数のボルトを使用することで対処する必要があった。また、締結部分の補強を目的として肉厚にすると重量が大きくなり部品としての用途が制限されることにもなる。従って、ブロー成形体を、その軽量で取り扱いやすいという長所を活かして重要な機械の部品としても安心して効果的に使用するためには、充分な強度を有する締結構造を設ける必要がある。
【0007】
このような状況に鑑みて、本発明の目的は、樹脂原料の使用量を増量することなく、ブロー成形の長所を活かして、充分な強度のボルト締結構造を有するブロー成形体を得ることである。さらに詳しくは、ブロー成形体の相対する壁同士の間にボルトが貫通する筒状の貫通穴を設けたボルト締結構造において、様々な力に対して十分に補強された筒状の貫通穴を設けることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対向して配置された二つのブロー成形用金型の間に、ヘッドから加熱軟化した合成樹脂製の筒状パリソンを降下させ、次いで、両金型を閉じる方向に動かすとともに、ブローノズルから高圧空気を吹き込むことにより両金型の内部形状をかたどった外形状を有する成形体を製造するブロー成形体の製造方法において、少なくとも一方の金型の内壁にボルトの貫通穴形成用のピンを突出して設けると共に、その近傍の内壁に板状ピンを同一方向に突出して設け、両金型を閉じてパリソンの端を挟持したとき、前記貫通穴形成用のピンと板状ピンでパリソンを押圧して該パリソンに弛みをもたせ、続いて高圧空気を吹き込むことにより、前記貫通穴形成用のピンの周囲に前記成形体の相対する壁を連結する筒状周壁を形成すると共に、前記板状ピンの外形に対応した中空リブと、前記中空リブの端部と筒状周壁とを連結し、前記成形体の相対する壁の少なくとも一方から他方へ向けて延びる板状の溶着リブを形成することを特徴とする。
【0009】
【0010】
ボルト締結時には、ボルトは貫通穴の内壁面に沿って中空体を貫通することになる。
【0011】
本発明の締結構造は、中空体(ブロー成形体)の相対する壁を貫く貫通穴の筒状周壁を、一方の壁から他の壁に向けて延びる補強リブで補強しているので、この貫通穴にボルト等の締結具を通して締結した場合、中空体の壁面は締付力に対して充分な強度を有している。また、ボルト等を傾かせる力や引抜こうとする力に対する対応力は約1.5倍〜3倍に増大していることが示された(試験例参照)。このように、本発明の締結構造を有するブロー成形体では締結に伴う亀裂の発生や破損が回避され、引っ張り強度の大きいボルトや太いボルトを使用することが可能になる。また、それによりボルトの締結本数を減少しブロー成形体の適用範囲を拡大することができる。従って、貫通穴の補強のために多量の樹脂を用いることなく、充分な強度の締結構造を有するブロー成形体が得られるので、重要な機械部品のブロー成形法による製造が可能になる。
【0012】
本発明の締結構造の補強リブは、中空体の内壁に基部を有し、他の壁に向けて延びる。好ましくは、リブの先端はもう一方の壁に到達していると、より大きな効果がある。
【0013】
また、補強リブの数及び位置としては、補強効果が得られる限り、任意であり、外圧のかかる方向を考慮して目的に応じて適宜配することができる。筒状の貫通穴の外壁面に1〜数個、通常は1〜4個程度設けるとよい。使用目的に応じてリブの数及び位置を適宜選択することができる。
【0014】
本発明の1つの態様では、補強リブはその基部を中空体の一方の壁のみに有する。また、他の実施態様では補強リブは両方の壁に基部を有し、中間部で接近するか、一体となる。
【0015】
本発明の締結構造を有するブロー成形体としては、ブロー成型法で製造可能なあらゆるプラスチック製品及びその部品が含まれ、例えば自動車のエアースポイラー、バンパービーム、シート用フレーム、フロアパネル、浮桟橋、デスクボード、中空部のある工具箱、大型の組立中空パネル、チャイルドシート用の締結部分に強度の必要な部品などすべてに使用できるが、これらに限定されない。
【0016】
ブロー成形体の原料は熱可塑性樹脂であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ABS、およびそれらの複合体材料が用いられる。
【0017】
補強リブを含む締結構造は従来のブロー成形法の改良法で容易に製造することができる。即ち、従来のブロー成形法では、図25(a)に示すように、所定の内部形状を有し対向して配置された二つのブロー成形用金型T1、T2の間に、ヘッドHから加熱軟化した合成樹脂製の筒状パリソンPを所定量降下させ、次いで、両金型1及び2を閉じる方向に動かすとともに、ブローノズルBを上昇させ、図25(b)に示すように、両金型T1及びT2よりブローノズルB及びパリソンPの両端部を挟持し、この状態で、ブローノズルBから高圧空気を吹き込むことにより、両金型T1及びT2の内部形状(キャビティ)をかたどった外形状を有する成形体を製造するというものである。
【0018】
補強リブを含む締結構造をブロー成形体に付与するには、上記の従来法において、少なくとも一方の金型の内壁にボルト貫通穴用のピンとその近傍に板状ピンを突出して設け、該一対の金型の間に筒状パリソンPを垂下させ、金型を閉じてパリソンの端を挟持する。
板状ピンは貫通穴を形成するためのピンの近傍に任意の数設けることができるが、通常、ピンの上及び/又は下側に、縦方向に設けるとよい。長さは目的に応じて適宜選択することができる。
【0020】
また、相対する金型の互いに対照的な位置に貫通穴用のピン、あるいは該ピンと板状ピンとを設けることにより、中空体の相対する壁に基部を有し、先端が中間部で合体するか極めて近接している、中空リブ及び板状の溶着リブで補強された貫通穴を得ることができる。
【0022】
従来、内部構造そのものを補強するためにリブを設けたブロー成形体の構造は知られている(特開平6−71738、米国特許第4951986号)。しかし、これらの方法では、スライド板などを用いる方法であり複雑な金型と熟練した技術が必要であった。本発明方法は、これら従来法とは異なり、極めて簡便な方法で、充分な効果のある補強リブを有する締結構造を得ることができる。本発明以前には、このような溶着リブで補強された貫通穴を有する締結構造は存在しなかった。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態及び参考例を図面を参照して説明する。
参考例1 折皺リブで補強された貫通穴を有するブロー成形体
図1は、実施例1の締結構造の使用状態を示す縦断面図、図2は図1から90度回転した位置の矢視方向から見た締結構造の縦断面図である。実施例1の締結構造では、ブロー成形で得られた中空体1の相対する壁21、22に筒状の貫通穴23を設け、その貫通穴23の周壁の外壁面に一対の補強リブ31、32を、一方の壁21から他の壁22に向けて溶着させている。図1に示すように、中空体1は貫通穴23にボルト4及びナット5によって締結対象Sに固定的に締結されている。この例では貫通穴23は、ボルト穴として使用するように、ボルト4の形状に合わせて形成されているが、他の締結具を使用する場合は、それぞれの形状に合わせて成形することができる。また、またナット5を挿入しても良い。
【0024】
(1)図3〜6は、上記の締結構造を有するブロー成形体の製造工程を示す説明図である。図3は金型61の斜視図であり、図4は金型が開いている状態のブロー成形の側面図、図5はその平面図である。61、62は成形用キャビティを構成する一対の金型であり、その一方の金型61の内壁に貫通穴形成用のピン71が設けられている。Hはヘッド、Pは合成樹脂製のパリソン、8は吹込みノズルである。
【0025】
一連の工程を説明すると、(a)ヘッドHから加熱軟化した合成樹脂製の筒状パリソンPを降下させ、(b)両金型61及び62を閉じる方向に動かすとともに、ブローノズル8を上昇させ、プリブローする。このときの空気量は60%である。ついで両金型61及び62より吹込みノズル8及びパリソンPの両端部を挟持すると、プリブロー量が通常値(100%)の約60%なので、パリソンPに縦方向の弛みが生じる。
【0026】
(c)この状態で、吹込みノズル8から高圧空気を吹き込むことにより、両金型61及び62の内部形状(キャビティ)をかたどった形状と、ピン71に相当する位置に相対する壁面21、22を貫通する貫通穴23を有する中空体1が製造される。このとき、金型61、62が閉じることで縦方向に弛みを有するパリソンPの弛み部分に生じた折皺が、貫通穴23の外壁面縦方向に溶着し、金型61側の壁21に基部を有する補強リブ31、32が相対する壁22に向けて形成されることになる(図6)。次いで、金型61、62を開いて常法通り、成形体1を取り出して仕上げる。
【0027】
参考例2 相対する折皺リブで補強された貫通穴を有するブロー成形体
図7〜9に記載の締結構造では、中空体1の相対する壁21及び22の両方から、それぞれに基部を有する補強リブ31、32及び33,34が貫通穴23の両側外壁面に形成されている。図9はボルト4を貫通穴23に挿入して締結対象Sに締結した状態を示す図である。この折皺リブ31〜34で補強された貫通穴を有する締結構造は上記実施例1に記載の方法において、金型61、62の相対する位置に貫通穴用のピン71を設けることによって製造することができる。
【0028】
実施例1 板状リブで補強された貫通穴を有するブロー成形体
(1)図10は折皺リブ31と板状リブ35を各1個有する貫通穴23の構造を示す側面図である。即ち、貫通穴23の一方には、中空体1の相対する壁21から22に向けて折皺リブ31が、反対側には同じく相対する壁21から22に至る板状リブ35が溶着形成されている。図11はボルト4を貫通穴23に挿入して締結した状態を示す図である。
【0029】
図12〜15は、本実施例の締結構造を有するブロー成形体の製造工程を示す説明図である。図12は金型の斜視図である。金型61にはボルト穴を形成するためのピン72が上下に設けられておりその中間に板状ピン72が同一方向に向けて突出させて設けられている。
【0030】
図13は金型が開いている状態のブロー成形の側面図、図14はその平面図、図15は金型が閉じた状態である。61、62は成形用キャビティを構成する一対の金型であり、その一方の金型61の内壁に貫通穴形成用のピン71と板状ピン72が設けられている。図ではピン71を上下に2つ設けているが、その数及び位置は目的に応じて適宜調整される。また、Hはヘッド、Pは合成樹脂製のパリソン、8は吹込みノズルである。ピン71の長さ、板状ピン72の長さは任意であるが、図1のごとくボルト4の頭部が貫通穴23内に埋まった状態で締結するためには、図13〜15に示すように板状ピン72を貫通穴用ピン71よりもやや長くするとよい。
【0031】
一連の工程を説明すると、(a)ヘッドHから加熱軟化した合成樹脂製の筒状パリソンPを降下させ、(b)両金型61及び62を閉じる方向に動かすとともに、ブローノズル8を上昇させ、両金型61及び62より吹込みノズル8及びパリソンPの両端部を挟持すると、板状ピン72によってパリソンPに縦方向の弛みが生じる(図13)。(c)この状態で、吹込みノズル8から高圧空気を吹き込むことにより、両金型61及び62の内部形状(キャビティ)をかたどった形状と、ピン71に相当する位置に相対する壁面21、22を貫通する貫通穴23を有する成形体1が製造される。この貫通穴23には、板状ピン72によって縦方向の弛みが付与されているパリソンPは、金型61、62が閉じることで弛み部分に折れ皺が生じ、最終的に貫通穴23の外壁面縦方向に溶着して、金型61側の壁21に基部を有する折皺リブ31と板状リブ35が相対する壁22に向けて形成されることになる(図15)。次いで、金型61、62を開いて常法通り、成形体1を取り出して仕上げる。
成形体1には(図10参照)、成形体1の相対する壁21,22を連結し中心に貫通穴23を有する筒状周壁50が形成され、かつ補強リブとして、板状ピン72の外形に対応した中空リブ51と、中空リブ51の端部と筒状周壁50の間を連結し、前記成形体1の相対する壁の一方から他方へ向けて延びる板状の溶着リブ(板状リブ35)が形成されている。
【0032】
実施例2 一対の板状リブで補強された貫通穴を有するブロー成形体
図16は貫通穴23の対称な位置に成形体1の相対する壁21から22に至る板状リブ35及び36を有する締結構造の側面図である。この締結構造を有する成形体は、図17に示すように、貫通穴用のピン71、その両側に板状ピン72及び73を設けた金型61を用い、上記実施例1と同様にして製造することができる。
成形体1には(図16参照)、成形体1の相対する壁21,22を連結し中心に貫通穴23を有する筒状周壁50が形成され、かつ補強リブとして、板状ピン72,73の外形に対応した中空リブ51,52と、中空リブ51,52の端部と筒状周壁50の間を連結し、前記成形体1の相対する壁の一方から他方へ向けて延びる板状の溶着リブ(板状リブ35,36)が形成されている。
【0033】
実施例3 3個のリブで補強された貫通穴を有するブロー成形体
図18は貫通穴23の3個所に成形体1の相対する壁21から22に向かう補強リブ35、36、37を有する締結構造の平面図である。図19はこの締結構造を製造するための金型61の要部を示す図であって、貫通穴用のピン71と板状ピン72を有し、このピン71に、前記板状ピン72と反対側に翼状片71a及び71bを設けている。この実施態様では、翼状片の数及び位置を適宜変化させることにより、リブの数や形状を調節することができる。
成形体1には(図18参照)、成形体1の相対する壁21,22を連結し中心に貫通穴を有する筒状周壁50が形成され、かつ補強リブとして、板状ピン72の側には、該板状ピン72の外形に対応した中空リブ51、及び中空リブ51の端部と筒状周壁50を連結する溶着リブ36が形成されている。
【0034】
実施例4
4個のリブで補強された貫通穴を有するブロー成形体
図20は貫通穴23の対称な計4個所に成形体1の相対する壁21から22に至る補強リブ38〜41を有する締結構造の平面図である。なお、図21及び図22はそれぞれ90度ずらした対置から見た縦断面図である。この相対する壁21、22を連結する補強リブを4個所に有する締結構造の製造は、上記各実施例に記載の方法において、板状ピン72を金型61,62の適当な位置から突出させることにより製造することができる。
成形体1には(図20参照)、成形体1の相対する壁21,22を連結し中心に貫通穴23を有する筒状周壁50が形成され、かつ補強リブとして、各板状ピン72の外形に対応した中空リブ51〜54と、中空リブ51〜54の端部と筒状周壁50の間を連結し、前記成形体1の相対する壁の一方から他方へ向けて延びる板状の溶着リブ(板状リブ38〜41)が形成されている。
【0035】
試験例
締結構造の強度の測定本発明の締結構造を有する中空体1の貫通穴にボルトを挿入して該中空体1を支持体Sに固定し、その締結強度を測定した。図23(A)、(B)、(C)に示すように、中空体1に対し、支持体Sから剥離する方向に圧力をかけ締結部が破損される強度を測定した。(A)及び(B)は比較例として従来の締結構造(それぞれ、図24の(a)及び(c))を示す。また、(C)は本発明(実施例1)の締結構造である。
【0036】
【表1】
Figure 0003739254
上記の結果は、本発明の締結構造が従来の締結構造に比較して極めて強度が高いことを示している。
【0037】
【発明の効果】
本発明の締結構造は、内部に貫通穴を有する筒状周壁を形成すると共に、中空リブと溶着リブからなる所定の補強リブを形成しているので、この貫通穴にボルト等の締結具を通して締結した場合、中空体の壁面及び締結部は締付力に対して充分な強度を有している。実際、ボルト等を傾かせる力や引抜こうとする力に対する対応力は約1.5倍〜3倍に増大しているので、引っ張り強度の大きいボルトや太いボルトを使用することが可能になる。また、それによりボルトの締結本数を減少させることができるので、ブロー成形体の適用範囲が大いに拡大される。
【0038】
また、貫通穴の補強のために多量の樹脂を用いる必要がないので、軽量で取り扱いやすいという長所を活かして充分な強度の締結構造を有するブロー成形体を得ることができ、ブロー成形体を重要な機械部品として使用することが可能となる。これはまた省資源にも貢献すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の締結構造の使用状態を示す縦断面図である。
【図2】 図1の締結構造において矢視方向から見た縦断面図である。
【図3】 参考例1の締結構造を有するブロー成形体の製造に用いる金型の斜視図である。
【図4】 参考例1の締結構造の締結構造を有するブロー成形体の製造工程を説明するための側面図である。
【図5】 同じく平面図である。
【図6】 同じく製造工程を説明するための側面図である。
【図7】 参考例2の締結構造の縦断面図である。
【図8】 図4の締結構造における90度回転した位置の縦断面図である。
【図9】 図4の締結構造における使用状態を示す図である。
【図10】 実施例1の締結構造の縦断面図である。
【図11】 図11の締結構造における使用状態を示す図である。
【図12】 実施例1の締結構造を有するブロー成形体の製造に用いる金型の斜視図である。
【図13】 実施例1の締結構造の締結構造を有するブロー成形体の製造工程を説明するための側面図である。
【図14】 同じく平面図である。
【図15】 同じく製造工程を説明するための側面図である。
【図16】 実施例2の締結構造における使用状態を示す図である。
【図17】 実施例2の締結構造を有するブロー成形体の製造に用いる金型の要部斜視図である。
【図18】 実施例3の締結構造の平面図である。
【図19】 実施例3の締結構造を有するブロー成形体の製造に用いる金型の要部斜視図である。
【図20】 実施例4の締結構造の平面図である。
【図21】 実施例4の締結構造の縦断面図である。
【図22】 図21からさらに90度回転した方向から見た縦断面図である。
【図23】 締結強度の試験方法を示す説明図である。
【図24】 従来の締結構造を示す縦断面図である。
【図25】 従来技術によるブロー成形法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 中空体(ブロー成形体又は成形体)
21、22 壁
23 貫通穴
31〜41 補強リブ
4 ボルト
5 ナット
61、62 金型
71 貫通穴用のピン
72、73 板状ピン
8 吹込みノズル

Claims (2)

  1. 対向して配置された二つのブロー成形用金型の間に、ヘッドから加熱軟化した合成樹脂製の筒状パリソンを降下させ、次いで、両金型を閉じる方向に動かすとともに、ブローノズルから高圧空気を吹き込むことにより両金型の内部形状をかたどった外形状を有する成形体を製造するブロー成形体の製造方法において、少なくとも一方の金型の内壁にボルトの貫通穴形成用のピンを突出して設けると共に、その近傍の内壁に板状ピンを同一方向に突出して設け、両金型を閉じてパリソンの端を挟持したとき、前記貫通穴形成用のピンと板状ピンでパリソンを押圧して該パリソンに弛みをもたせ、続いて高圧空気を吹き込むことにより、前記貫通穴形成用のピンの周囲に前記成形体の相対する壁を連結する筒状周壁を形成すると共に、前記板状ピンの外形に対応した中空リブと、前記中空リブの端部と筒状周壁の間を連結し、前記成形体の相対する壁の少なくとも一方から他方へ向けて延びる板状の溶着リブを形成することを特徴とするボルト締結構造を有するブロー成形体の製造方法。
  2. 請求項1に記載された方法で製造されたボルト締結構造を有するブロー成形体。
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