JP3738611B2 - 動力舵取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータによって駆動されるベーンポンプを油圧源として用いた動力舵取装置に関し、特に、ベーンポンプのベーンの張り出し性を向上した動力舵取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
動力舵取装置の油圧源として用いられるベーンポンプにおいては、ベーンがロータに設けられた放射状のスリット内に摺動可能に収納され、ポンプ始動時にはポンプ軸の回転によるベーン自身に働く遠心力によって張り出し、ポンプ作用が開始される。このポンプ作用により油を吐き出し、その油圧力がベーンの内端に作用し、ベーンをカムリングの内面に押付けるようになっている。
【0003】
ところで、車両への搭載上の問題や、非操舵時にベーンポンプの回転を低速にして省エネを図る等の理由で、ベーンポンプを電動モータによって駆動するようにした動力舵取装置が一部の車種に採用されている。
ベーンポンプを電動モータによって駆動する動力舵取装置においては、ポンプをエンジンによって駆動する場合のような流量制御弁を不要にでき、また非操舵時においてはベーンポンプを低速回転させて省エネを図ったり、車速に応じて電動モータの回転速度を制御することにより車速に感応した操舵感覚を付与できる等の利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種のベーンポンプにおいては、操舵時に電動モータの高速回転によりベーンポンプより大流量の圧油が吐出されている状態においても、圧力損失が大きくならないように吐出通路の通路面積が広くとられ、圧力損失によるエネルギロスを少なくするようにしている。
【0005】
このために、非操舵時のように電動モータの低速回転状態においては、ベーンに作用する遠心力が小さくなり、ベーンがカムリングの小円弧面によってロータスリット内に押し込められた後は、吸入区間や大円弧面においても遠心力および油圧力による張り出しができなくなり、ポンプ作用が行われなくなる。その状態で操舵が行われて電動モータの回転速度が上昇されても、正常な圧油の吐出作用が速やかに行えず、アシストに遅れを生ずることになる。
【0006】
本発明は、電動モータの低速回転時においても、ベーンを圧油の作用によってカムリングの内面に押付けできるようにして、操舵に伴って電動モータの回転速度が上昇された場合に、速やかにポンプ作用を行えるようにすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、電動モータによってベーンポンプを駆動して圧油を吐出し、この圧油を制御弁を介してパワーシリンダに供給して操舵力をアシストするようにした動力舵取装置において、前記ベーンポンプの吐出通路中に背圧を発生するための背圧発生手段と、この背圧が所定圧以上になった際に前記吐出通路中の圧油が背圧発生手段をバイパスして前記制御弁に供給されるように作動するバイパス手段とを設け、前記背圧発生手段によって発生した背圧を前記ベーンポンプのベーンに作用させるようにしたものである。
【0008】
請求項2の発明は、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサと、このトルクセンサの出力に基づいて前記電動モータを制御する電子制御装置を設け、前記トルクセンサの出力に基づいて電子制御装置が非操舵と判断した場合は前記電動モータを低速回転にして前記ベーンポンプより最低流量の圧油を吐出し、操舵と判断した場合には電動モータの回転速度を上昇するようにしたものである。
【0009】
請求項3の発明は、前記背圧手段が、前記吐出通路中に配置された絞り部からなり、また前記バイパス手段が、前記絞り部と並列的に前記吐出通路に接続され前記絞り部の前後差圧に応動して開閉作動されるバイパス弁からなるものである。
請求項4の発明は、前記背圧発生手段の絞り部を、前記ベーンポンプより最低流量の圧油が吐出されている状態において、ベーンをカムリングの内面に押付けるに必要な背圧を発生できる絞り面積に設定したものである。
請求項5の発明は、前記絞り部を前記バイパス弁に形成したものである。
請求項6の発明は、前記背圧発生手段およびバイパス手段を、吐出通路の一端に取付けられるユニオンに組込んだものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は動力舵取装置の全体構成を示し、この動力舵取装置のギヤボックス10には、ピニオン軸11が回転可能に支持されるとともに、このピニオン軸11に噛合するラック軸12が摺動可能に支持され、このラック軸12の両端は所要の操縦リンク機構13を介して操向車輪14に連結される。ラック軸12上にはパワーシリンダ15のピストン16が設けられている。
【0011】
前記ピニオン軸11には図略のトーションバーを介してステアリング軸17が連結され、このステアリング軸17の一端にステアリングホイール18が取付けられている。ステアリング軸17とピニオン軸11との間には、両者の相対回転に応じて作動される制御弁19が設けられ、この制御弁19の供給ポートはベーンポンプ20の吐出通路21に接続され、排出ポートはリザーバ22に接続され、一対のシリンダポートは前記パワーシリンダ15の左右室に接続されている。
【0012】
また、前記ステアリング軸17上には、前記ステアリングホイール18に加えられた操舵トルク(トーションバーの捩れトルク)を検出するトルクセンサ23が設けられ、このトルクセンサ23より操舵トルクに応じた電気的出力が発生される。トルクセンサ23の出力は電子制御装置24に入力され、この電子制御装置24はトルクセンサ23の出力に基づいて、非操舵状態にあるか、操舵状態にあるかを判断する。電子制御装置24によって操舵状態にあると判断された場合には、前記トルクセンサ23の出力に応じた電流値を前記ベーンポンプ20駆動用の電動モータ25に供給し、電動モータ25をステアリングホイール18に加えられた操舵トルクに応じた回転速度で駆動する。しかして、非操舵状態にあると判断された場合には、電動モータ25に比較的低い電流値を供給し、これによってベーンポンプ20の吐出流量を最低流量に確保して、省エネを達成するようになっている。
【0013】
前記制御弁19の供給ポートに接続された吐出通路21中には、背圧発生手段27が設けられている。背圧発生手段27は絞り部28からなり、この絞り部28の絞り作用によってその上流側に絞り部28の絞り抵抗に応じた背圧を発生させるようになっている。ここで、前記絞り部28は、前述した非操舵時においてベーンポンプ20が吐出する最低流量を通過させる際に、後述するベーンをカム内面に押付けるに必要な背圧を発生できる絞り面積に設定されている。
【0014】
前記吐出通路21には、前記背圧発生手段27と並列的にバイパス手段29が接続されている。このバイパス手段29は、前記絞り部28と並列的に吐出通路21に接続されたバイパス通路30と、このバイパス通路30中に設けられ絞り部28の前後の差圧に応じてバイパス通路30を開閉可能なバイパス弁31と、このバイパス弁31をバイパス通路30を閉止する方向に付勢するスプリング32とによって構成されている。
【0015】
しかして、前記バイパス通路30は、絞り部28前後の差圧が小さい通常時においては、バイパス弁31に作用するスプリング32のばね力により閉止されているが、絞り部28を通過する流量の増加により、絞り部28前後の差圧がスプリング32のバイアス以上になると、バイパス弁31が作動してバイパス通路30を開放し、吐出通路21に吐出された圧油をバイパス通路30を介して制御弁19に供給するようになっている。
【0016】
図2は、前記背圧発生手段27およびバイパス手段29を組込んだベーンポンプ20の具体例を示すもので、このベーンポンプ20は電動モータ25によって駆動される。ベーンポンプ20は、前記背圧発生手段27およびバイパス手段29を除き、基本的には公知の圧力平衡形ベーンポンプからなっている。
【0017】
図2において、ベーンポンプ20のフロントハウジング40には凹所41が形成され、この凹所41を閉塞するようにリヤハウジング42がフロントハウジング40に固着されている。凹所41には一対のサイドプレート43、44と、これらサイドプレート43、44の間に配置されたカムリング45が収容され、このカムリング45内にロータ46が収納されている。
【0018】
前記ロータ46は、前記リヤハウジング42に回転可能に支持された前記電動モータ25の出力軸48に取付けられている。
前記ロータ46には、円周上等角度間隔に複数のスリット49が放射方向に形成され、これらスリット49にベーン50がそれぞれ摺動可能に収納されている。ベーン50はカムリング45の内周に形成されたカム面51に、油圧力あるいは遠心力の作用によって押付けられるようになっている。カム面51は周期が180度の基本的に楕円曲面よりなるカム曲面で構成されている。
【0019】
前記一対のサイドプレート43、44のロータ46との摺接面には、前記スリット49の内端部に圧油を導入するための背圧溝53、54が形成され、これら背圧溝53、54よりスリット内端部に導入される圧油の作用により、ベーン50がカム面51に押付けられる。しかしてカムリング45とロータ46との間にベーン50によって区画された複数のポンプ室が形成される。
【0020】
前記一対のサイドプレート43、44のロータ46との摺接面には、膨張領域(吸入領域)をなすポンプ室に対応して吸入ポート57、58が、また圧縮領域(吐出領域)をなすポンプ室に対応して吐出ポート59、60が、それぞれ直径方向に対向する位置に形成されている。
前記吐出ポート59、60は圧力室61を介して前記吐出通路21に接続され、前記吸入ポート57、58は吸入通路62を介して前記リザーバ22に接続されている。しかして前記圧力室61は導入通路63を介して前記背圧溝53、54に連通されている。
なお、図中64は圧力室61に配設されたウエーブワッシャを示し、このウエーブワッシャ64のばね力により一方のサイドプレート43を他方のサイドプレート44側に押圧している。
【0021】
前記ベーンポンプ20のフロントハウジング40に形成された吐出通路21の一端には、吐出通路21よりも大径の弁室65が形成され、この弁室65の一端はフロントハウジング40の端面に開口されている。弁室65の一端にはリヤハウジング42に形成された送出口66が接続され、この送出口66は図略の管路を介して前記制御弁19の供給ポートに接続される。
【0022】
弁室65には、図3にも示すように、前記バイパス手段29のバイパス弁31が摺動可能に収納され、このバイパス弁31はスプリング32の付勢力により、通常は弁室65の端面段部に当接する摺動端に保持され、吐出通路21を閉塞するようにしている。しかして、バイパス弁31には中心部に背圧発生手段27の絞り部28が形成され、この絞り部28を介して吐出通路21は常時送出口66に連通されている。前記バイパス弁31の両端には絞り部28前後の差圧が作用し、この差圧に応じてバイパス弁31が作動されるようになっている。弁室65には環状溝67が形成され、この環状溝67は前記バイパス弁31に形成された半径方向孔68を介して常時前記送出口66に連通されている。また、前記環状溝67はバイパス弁31が弁室65の端面段部より離間された際、前記吐出通路21に連通されるようになっている。
【0023】
これにより、バイパス弁31が弁室65の端面段部に当接する摺動端に保持されている状態においては、吐出通路21は絞り部28のみを介して送出口66に連通され、しかるに絞り部28前後の差圧の上昇により、バイパス弁31が図4に示すように弁室65の端面段部より離間された状態においては、吐出通路21は絞り部28と、この絞り部28に並列的な環状溝67および半径方向孔68からなるバイパス通路30を介して送出口66に連通されようになる。
【0024】
次に上記のように構成された本実施の形態における作用を説明する。
ステアリングホイール18が操舵されておらず、トーションバーが捩じられていない非操舵時においては、制御弁19は中立状態に保持され、パワーシリンダ15の左右室には差圧が発生しない。
一方、前記非操舵時においては、トルクセンサ23より電子制御装置24に出力される電気的信号も所定レベル以下であるため、操舵が行われていないと判断され、電子制御装置24より電動モータ25に加えられる電流値は低く、ベーンポンプ20は低速で駆動され、最低流量の圧油が吐出通路21に吐出される。
【0025】
前記吐出通路21に最低流量の圧油が吐出されると、この圧油は吐出通路21中の絞り部28(背圧発生手段27)を介して制御弁19に供給され、リザーバ22に排出される。この際、絞り部28の絞り作用により、絞り部28の上流側に背圧が発生する。この背圧は、ベーンポンプ20の背圧溝53、54よりスリット内端部に導入され、ベーン50を背圧によってカムリング45のカム面51に押付ける。なお、この際の背圧ではバイパス手段29を構成するバイパス弁31が作動せず、バイパス通路30は閉止された状態にある。
これにより、ベーンポンプ20が低速で駆動されている状態、すなわち、ベーン50に作用する遠心力が小さい状態においても、油圧(背圧)によりベーン50がカム面51へ押付けられ、ポンプ作用を正常に行える状態に維持される。
【0026】
ステアリングホイール18が操作されると、図略のトーションバーが捩じられる。このトーションバーの捩じれにより、トルクセンサ23より操舵トルクに応じた電気的信号が出力され、電子制御装置24に入力される。電子制御装置24は入力された電気的信号に応じた電流値を電動モータ25に供給し、電動モータ25を操舵トルクに応じた回転速度まで上昇させる。これによりベーンポンプ20より吐出される圧油は、ステアリングホイール18に加えられた操舵トルクをアシストするに十分な流量まで増加される。
【0027】
この際、ベーンポンプ20のベーン50は、非操舵時において絞り部28による背圧の作用によってカムリング45のカム面51に押付けられ、正常なポンプ作用を維持されているため、電動モータ25の回転上昇に速やかに追従して吐出流量を増加させることができ、操舵トルクのアシスト作用に遅れを生じさせない。
ベーンポンプ20よりステアリングホイール18に加えられた操舵トルクをアシストするに十分な流量の圧油が吐出通路21に吐出されると、吐出通路21中の絞り部28前後の差圧が上昇し、バイパス弁31をスプリング32のばね力に抗して摺動し、バイパス通路30を開放する。これにより、ベーンポンプ20より吐出通路21に吐出された圧油は、バイパス通路30を介して制御弁19に供給される。
【0028】
一方、ステアリングホイール18が操作されてトーションバーが捩じられると、ピニオン軸11に対してステアリング軸17が相対回転され、制御弁19が作動される。この制御弁19の作動により、制御弁19の供給ポートがステアリングホイール18の操舵方向に応じてパワーシリンダ15の左右室に接続されたシリンダポートの一方に連通され、、シリンダポートの他方は排出ポートに連通される。
従って、吐出通路21より制御弁19の供給ポートに供給された圧油は、ステアリングホイール18の操舵方向に応じてパワーシリンダ15の一方室に供給され、パワーシリンダ15の他方室の油は制御弁19の排出ポートよりリザーバ22に排出され、ステアリングホイール18の操舵方向にアシスト作用が働く。
【0029】
このように上記した実施の形態によれば、非操舵時においては電動モータ25によって駆動されるベーンポンプ20の回転速度を低くし、吐出流量を低減させることにより省エネ化を達成でき、しかもベーンポンプ20の低吐出流量状態、すなわち、ベーン50に作用する遠心力が期待できない低速回転状態においても、背圧発生手段27によって発生される背圧を利用してベーン50を油圧力によりカム内面51に押圧できるので、ベーンポンプ20の正常なポンプ作用を常時持続できるようになる。
【0030】
従って、操舵により電動モータ25によって駆動されるベーンポンプ20の回転速度が上昇された際に、上記のポンプ作用により速やかに吐出流量の増加作用をもたらすことができるようになり、アシストに遅れを生じさせない。
また、ベーンポンプ20の高回転状態においては、吐出流量をバイパス手段29によって背圧発生手段27をバイパスできるので、圧力損失を抑制できるようになる。
【0031】
図5は本発明の他の実施の形態を示すもので、前述した背圧発生手段27およびバイパス手段29をポンプハウジング70に取付けられるユニオン71内に組込んだものである。
すなわち、ポンプハウジング70には一端に送出口72を開口したユニオン71が螺着されている。ユニオン71内には送出口72に開口する弁室73が形成され、この弁室73はユニオン71の先端に形成された貫通穴74を介して吐出通路21に連通されている。
【0032】
前記弁室73には中心部に絞り部28を形成したバイパス弁31が摺動可能に収納され、このバイパス弁31はスプリング32の付勢力により、通常はユニオン71の先端部に当接する摺動端に保持されている。また、弁室73には環状溝75が形成され、この環状溝75は前記バイパス弁31に形成された半径方向孔76を介して常時送出口72に連通されている。また、前記環状溝75はバイパス弁31がスプリング力に抗してユニオン71の先端部より離間されると、前記貫通穴74を介して吐出通路21に連通されるようになっている。
【0033】
上記した実施の形態においても、先に述べた実施の形態と同様に、ベーンポンプ20の低吐出流量状態、すなわち、ベーン50に作用する遠心力が期待できない低速回転状態においても、背圧発生手段27によって発生される背圧を利用してベーン50を油圧によりカム内面51に押圧できるようになる。
この実施の形態によれば、予め背圧発生手段27およびバイパス手段29を組込んだユニオン71をポンプハウジング70に取付けるのみでよいので、ベーンポンプ20の製造工程を簡単にできるとともに、既存のベーンポンプ20にも容易に適用できる利点がある。
【0034】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明においては、吐出通路中に設けた背圧発生手段により、電動モータの低速回転時、すなわちベーンポンプの低流量吐出状態においても、ベーンを圧油の作用によってカムリングの内面に押付けできるようにして、操舵に伴ってモータの回転速度が上昇された場合に、、速やかにポンプ作用を行えることができ、アシストに遅れを生じさせない効果がある。
しかも本発明によれば、モータの高回転時、すなわちベーンポンプの高流量吐出状態においては、ベーンポンプの吐出流量をバイパス手段によって背圧発生手段をバイパスできるようにしたので、圧力損失を低減できる効果も併せて奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す動力舵取装置の全体構成図である。
【図2】図1の動力舵取装置に使用されるベーンポンプを示す断面図である。
【図3】図2の一部を拡大した図である。
【図4】図3の作動状態を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示すベーンポンプの部分図である。
【符号の説明】
15 パワーシリンダ
19 制御弁
20 ベーンポンプ
21 吐出通路
23 トルクセンサ
24 電子制御装置
25 電動モータ
27 背圧発生手段
28 絞り部
29 バイパス手段
30 バイパス通路
31 バイパス弁
53、54 背圧溝
50 ベーン

Claims (6)

  1. 電動モータによってベーンポンプを駆動して圧油を吐出し、この圧油を制御弁を介してパワーシリンダに供給して操舵力をアシストするようにした動力舵取装置において、前記ベーンポンプの吐出通路中に背圧を発生するための背圧発生手段と、この背圧が所定圧以上になった際に前記吐出通路中の圧油が背圧発生手段をバイパスして前記制御弁に供給されるように作動するバイパス手段とを設け、前記背圧発生手段によって発生した背圧を前記ベーンポンプのベーンに作用させるようにしたことを特徴とする動力舵取装置。
  2. ステアリングホイールに加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサと、このトルクセンサの出力に基づいて前記電動モータを制御する電子制御装置を設け、前記トルクセンサの出力に基づいて電子制御装置が非操舵と判断した場合は前記電動モータを低速回転にして前記ベーンポンプより最低流量の圧油を吐出し、操舵と判断した場合に電動モータの回転速度を上昇するようにしてなる請求項1に記載の動力舵取装置。
  3. 前記背圧手段が、前記吐出通路中に配置された絞り部からなり、また前記バイパス手段が、前記絞り部と並列的に前記吐出通路に接続され前記絞り部の前後差圧に応動して開閉作動されるバイパス弁からなっている請求項1に記載の動力舵取装置。
  4. 前記背圧発生手段の絞り部を、前記ベーンポンプより最低流量の圧油が吐出されている状態において、ベーンをカムリングの内面に押付けるに必要な背圧を発生できる絞り面積に設定してなる請求項2もしくは請求項3に記載の動力舵取装置。
  5. 前記絞り部を前記バイパス弁に形成してなる請求項4に記載の動力舵取装置。
  6. 前記背圧発生手段およびバイパス手段を、吐出通路の一端に取付けられるユニオンに組込んでなる請求項4に記載の動力舵取装置。
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