JP3829043B2 - 動力舵取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータによって駆動されるベーンポンプを油圧源として用いた動力舵取装置に関し、特に、ベーンポンプのベーンの張り出し性を向上した動力舵取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
動力舵取装置の油圧源として用いられるベーンポンプにおいては、ベーンがロータに設けられた放射状のスリット内に摺動可能に収納され、ポンプ始動時にはポンプ軸の回転によるベーン自身に働く遠心力によって張り出し、ポンプ作用が開始される。このポンプ作用により油を吐き出し、その油圧力がベーンの内端に作用し、ベーンをカムリングの内面に押付けるようになっている。
【0003】
ところで、車両への搭載上の問題や、非操舵時にベーンポンプの回転を低速にして省エネを図る等の理由で、ベーンポンプを電動モータによって駆動するようにした動力舵取装置が一部の車種に採用されている。
ベーンポンプを電動モータによって駆動する動力舵取装置においては、電動モータの回転速度を制御することによって、ポンプ吐出流量を自在に制御できることから、ポンプをエンジンによって駆動する場合のような流量制御弁を不要にでき、また非操舵時においてはベーンポンプを低速回転させて省エネを図ったり、車速に応じて電動モータの回転速度を制御することにより車速に感応した操舵感覚を付与できる等の利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のベーンポンプにおいては、非操舵時にベーンポンプを低速回転させるようにすると、ベーンに作用する遠心力が小さくなり、その遠心力ではベーンの張り出しが期待できなくなる。このために、ベーンがカムリングの小円弧面によってロータスリット内に一旦押し込められると、吸入区間や大円弧面においてもベーンが張り出しできないために、ポンプ作用が行われなくなる。
従って、その状態で操舵が行われ、電動モータの回転速度が上昇されても、ベーンが遠心力の増大によってカム内面に当接されるまでは、正常な圧油の吐出作用が開始されず、アシストに遅れを生ずることになる。
【0005】
この問題を解決するために、非操舵時にベーンポンプが低速回転されている状態においても、ベーンにカム内面に押付ける油圧力を作用させるように、ポンプ吐出通路中に絞り部を設けることが考えられるが、このような構成では、操舵時に電動モータが高速回転され、ベーンポンプより大流量の圧油が吐出されると、絞り部による圧力損失が大きくなり、エネルギロスが大きくなる問題がある。
【0006】
本発明は、電動モータの低速回転時においても、圧力調整弁による圧力調整作用によってベーンをカムリングの内面に押付けできるようにし、操舵に伴って電動モータの回転速度が上昇された場合に、速やかにポンプ作用を行えるようにした動力舵取装置を提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、前記圧力調整弁とポンプ圧の上限を制限する圧力レリーフ弁をコンパクトに組み合わせた複合弁手段を備えた動力舵取装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、電動モータによってベーンポンプを駆動して圧油を吐出し、この圧油を制御弁を介してパワーシリンダに供給して操舵力をアシストするようにした動力舵取装置において、前記ベーンポンプと制御弁とを接続する吐出通路中に背圧を発生するための絞り部とこの絞り部をバイパスするバイパス通路を並列的に設け、弁室に圧力調整弁及び圧力レリーフ弁を摺動可能に設け、前記弁室の端部と圧力レリーフ弁との間にこの圧力レリーフ弁をレリーフ通路を閉止する方向に付勢するレリーフ圧設定用スプリングを設け、前記圧力調整弁と圧力レリーフ弁との間に圧力調整弁をバイパス通路を閉止する方向に付勢する圧力調整用スプリングを設け、前記圧力調整弁は、通常は前記バイパス通路を閉止し、前記絞り部前後の差圧の上昇により前記圧力調整用スプリングのばね力に抗して移動されて前記バイパス通路を開くように構成され、前記圧力レリーフ弁は、前記パワーシリンダの圧力が予め設定されたレリーフ圧以上に達した際に前記レリーフ圧設定用スプリングのばね力に抗して移動されて圧力をリザーバ側にレリーフするように構成され、前記絞り部によって発生した背圧をベーンポンプのベーンに作用させるようにしたものである。
【0008】
請求項2の発明は、電動モータによってベーンポンプを駆動して圧油を吐出し、この圧油を制御弁を介してパワーシリンダに供給して操舵力をアシストするようにした動力舵取装置において、前記ベーンポンプと制御弁とを接続する吐出通路中に背圧を発生するための絞り部とバイパス通路を並列的に設け、圧力調整弁を弁室に摺動可能に収納し、前記吐出通路とリザーバ側とを接続する連通路に絞り通路と圧力レリーフ弁のパイロットバルブを設け、前記絞り通路の前後差圧に応じて作動するメインバルブを前記弁室に摺動可能に設け、前記弁室の端部と前記メインバルブとの間にこのメインバルブをレリーフ通路を閉止する方向に付勢するスプリングを設け、前記圧力調整弁と圧力レリーフ弁との間に圧力調整弁をバイパス通路を閉止する方向に付勢する圧力調整用スプリングを設け、前記圧力調整弁は、通常は前記バイパス通路を閉止し、前記絞り部前後の差圧の上昇により前記圧力調整用スプリングのばね力に抗して移動されて前記バイパス通路を開くように構成され、前記絞り部によって発生した背圧をベーンポンプのベーンに作用させるようにしたものである。
【0009】
請求項3の発明は、ステアリングホイールに加えられた操舵トルクあるいは操舵角度を検出するセンサの出力に基づいて前記電動モータを制御する電子制御装置を設け、前記センサの出力に基づいて電子制御装置が非操舵と判断した場合は前記電動モータを低速回転にして前記ベーンポンプより最低流量の圧油を吐出し、操舵と判断した場合には電動モータの回転速度を上昇するようにしたものである。
【0010】
請求項4の発明は、前記絞り部を、前記ベーンポンプより最低流量の圧油が吐出されている状態において、ベーンをカムリングの内面に押付けるに必要な背圧を発生できる絞り面積に設定したものである。
【0011】
上記した請求項1に記載の発明によれば、非操舵時においては、電動モータに加えられる電流値は低く、ベーンポンプは低速で駆動され、最低流量の圧油が吐出通路に吐出される。
吐出通路に吐出された最低流量の圧油は、吐出通路中に設けられた圧力調整弁の絞り部を介してリザーバに排出されるが、この絞り部の絞り作用によって背圧が発生する。この背圧は背圧溝よりスリット内端部に導入され、ベーンをカムリングのカム面に押付ける。
従って、ベーンポンプが低速で駆動されている状態、すなわち、ベーンに作用する遠心力が小さい状態においても、背圧(油圧力)によりベーンがカム面へ押付けられ、ポンプ作用を正常に行える状態に維持される。
【0012】
ステアリングホイールが操作されると、電動モータの回転速度を上昇させ、ベーンポンプより吐出される圧油の流量が増加される。この際、ベーンポンプのベーンは、上記したように絞り部による背圧の作用によってカムリングのカム面に押付けられ、正常なポンプ作用を維持されているため、電動モータの回転上昇に速やかに追従して吐出流量を増加させることができ、アシスト作用に遅れを生じさせない。
ベーンポンプより吐出通路に大流量の圧油が吐出されると、絞り部前後の差圧の上昇によって圧力調整弁が作動され、バイパス通路が開放される。これにより、大流量の圧油がバイパス通路を介して制御弁に供給されるため、圧力損失を抑制できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は動力舵取装置の全体構成を示し、この動力舵取装置のギヤボックス10には、ピニオン軸11が回転可能に支持されるとともに、このピニオン軸11に噛合するラック軸12が摺動可能に支持され、このラック軸12の両端は所要の操縦リンク機構13を介して操向車輪14に連結される。ラック軸12上にはパワーシリンダ15のピストン16が設けられている。
【0014】
前記ピニオン軸11には図略のトーションバーを介してステアリング軸17が連結され、このステアリング軸17の一端にステアリングホイール18が取付けられている。ステアリング軸17とピニオン軸11との間には、両者の相対回転に応じて作動される制御弁19が設けられ、この制御弁19の供給ポートはベーンポンプ20の吐出通路21に接続され、排出ポートはリザーバ22に接続され、一対のシリンダポートは前記パワーシリンダ15の左右室に接続されている。
【0015】
また、前記ステアリング軸17上には、前記ステアリングホイール18に加えられた操舵トルク(トーションバーの捩れトルク)を検出するトルクセンサ23が設けられ、このトルクセンサ23より操舵トルクに応じた電気的出力が発生される。トルクセンサ23の出力は電子制御装置24に入力され、この電子制御装置24はトルクセンサ23の出力に基づいて、非操舵状態にあるか、操舵状態にあるかを判断する。電子制御装置24によって操舵状態にあると判断された場合には、前記トルクセンサ23の出力に応じた電流値を前記ベーンポンプ20駆動用の電動モータ25に供給し、電動モータ25をステアリングホイール18に加えられた操舵トルクに応じた回転速度で駆動する。しかして、非操舵状態にあると判断された場合には、電動モータ25に比較的低い電流値を供給し、これによってベーンポンプ20の吐出流量を最低流量に確保して、省エネを達成するようにしている。
【0016】
前記制御弁19の供給ポートに接続された吐出通路21中には、複合弁手段30が設けられている。複合弁手段30は、圧力調整弁31と圧力レリーフ弁32からなっている。圧力調整弁31は絞り部33を備え、この絞り部33の絞り作用によってその上流側に絞り部33の絞り抵抗に応じた背圧を発生させるようになっている。
なお、絞り部33は、前述した非操舵時においてベーンポンプ20が吐出する最低流量を通過させる際に、後述するベーンをカム内面に押付けるに必要な背圧を発生できる絞り面積に設定されている。
【0017】
図2は、前記複合弁手段30を組込んだベーンポンプ20の具体例を示すもので、このベーンポンプ20は電動モータ25によって駆動される。ベーンポンプ20は、基本的には公知の圧力平衡形ベーンポンプと同様なものである。
【0018】
図2において、ベーンポンプ20のフロントハウジング40には凹所41が形成され、この凹所41を閉塞するようにリヤハウジング42がフロントハウジング40に固着されている。凹所41には一対のサイドプレート43、44と、これらサイドプレート43、44の間に配置されたカムリング45が収容され、このカムリング45内にロータ46が収納されている。
【0019】
前記ロータ46は、前記リヤハウジング42に回転可能に支持された前記電動モータ25の出力軸48に取付けられている。
前記ロータ46には、円周上等角度間隔に複数のスリット49が放射方向に形成され、これらスリット49にベーン50がそれぞれ摺動可能に収納されている。ベーン50はカムリング45の内周に形成されたカム面51に、油圧力あるいは遠心力の作用によって押付けられるようになっている。カム面51は周期が180度の基本的に楕円曲面よりなるカム曲面で構成されている。
【0020】
前記一対のサイドプレート43、44のロータ46との摺接面には、前記スリット49の内端部に圧油を導入するための背圧溝53、54が形成され、これら背圧溝53、54よりスリット内端部に導入される圧油の作用により、ベーン50がカム面51に押付けられる。しかしてカムリング45とロータ46との間にベーン50によって区画された複数のポンプ室が形成される。
【0021】
前記一対のサイドプレート43、44のロータ46との摺接面には、膨張領域(吸入領域)をなすポンプ室に対応して吸入ポート57、58が、また圧縮領域(吐出領域)をなすポンプ室に対応して吐出ポート59、60が、それぞれ直径方向に対向する位置に形成されている。
前記吐出ポート59、60は圧力室61を介して前記吐出通路21に接続され、前記吸入ポート57、58は吸入通路62を介して前記リザーバ22に接続されている。しかして前記圧力室61は導入通路63を介して前記背圧溝53、54に連通されている。
なお、図中64は圧力室61に配設されたウエーブワッシャを示し、このウエーブワッシャ64のばね力により一方のサイドプレート43を他方のサイドプレート44側に押圧している。
【0022】
前記ベーンポンプ20のフロントハウジング40には、小径穴70と大径穴71を連接した弁室72が形成され、この弁室72の小径穴70側の一端は前記吐出通路21に開口され、大径穴71側の端部は詰め栓73によって閉塞されている。
前記弁室72の小径穴70には、圧力調整弁31と圧力レリーフ弁32がそれぞれ摺動可能に嵌装され、これら圧力調整弁31と圧力レリーフ弁32との間に中間室74を、圧力レリーフ弁32と前記詰め栓73との間に端部室75を形成している。しかして中間室74は、圧力調整弁31に形成した絞り部33を介して前記吐出通路21に常時連通している。
【0023】
前記圧力レリーフ弁32と前記詰め栓73との間には、レリーフ圧設定用スプリング76が介挿され、また圧力レリーフ弁32と圧力調整弁31との間には、圧力調整用スプリング77が介挿されている。かかるレリーフ圧設定用スプリング76のばね力によって圧力レリーフ弁32は、通常小径穴70と大径穴71との段部に当接する位置に位置決めされ、また圧力調整用スプリング77のばね力によって圧力調整弁31は、通常小径穴70の端部に当接する位置に位置決めされている。
なお、前記圧力調整用スプリング77は、レリーフ圧設定用スプリング76に比較してきわめて小さなばね力に設定されており、この圧力調整用スプリング77を受ける圧力レリーフ弁32の圧力レリーフ作用にはほとんど影響を及ぼさないものである。
【0024】
前記小径穴70には、圧力調整弁31に対応する位置に第1の環状溝80が形成され、この第1の環状溝80は前記制御弁19の供給ポートに接続された連通路81に接続されている。第1の環状溝80は圧力調整弁31に形成された半径方向孔82を介して前記中間室74に常時連通されている。また、前記第1の環状溝80は圧力調整弁31が圧力調整用スプリング77に抗して小径穴70の端面より離間された際、前記吐出通路21に直接連通されるようになっている。
【0025】
また、前記小径穴70には、圧力レリーフ弁32に対応する位置に第2の環状溝83が形成され、この第2の環状溝83は排出路84を介してリザーバ22に接続されている。第2の環状溝83は圧力レリーフ弁32に形成された半径方向孔85を介して前記端部室75に常時連通されている。しかして、前記第2の環状溝83は、圧力レリーフ弁32がレリーフ圧設定用スプリング76に抗して小径穴70と大径穴71との段面より離間された際、前記中間室74に直接連通されるようになっている。
【0026】
これにより、圧力調整弁31が小径穴70の端面に当接する摺動端に保持されている状態においては、吐出通路21は絞り部33のみを介して連通路81に連通され、しかるに絞り部33前後の差圧の上昇により、圧力調整弁31が図4に示すように小径穴70の端面より離間された状態においては、吐出通路21は絞り部33と、この絞り部33に並列的な第1の環状溝80および半径方向孔82からなるバイパス通路を介して連通路81に連通されるようになる。
【0027】
次に上記のように構成された本実施の形態における作用を説明する。
ステアリングホイール18が操舵されておらず、トーションバーが捩じられていない非操舵時においては、制御弁19は中立状態に保持され、パワーシリンダ15の左右室には差圧が発生しない。
一方、前記非操舵時においては、トルクセンサ23より電子制御装置24に出力される電気的信号も所定レベル以下であるため、操舵が行われていないと判断され、電子制御装置24より電動モータ25に加えられる電流値は低く、ベーンポンプ20は低速で駆動され、最低流量の圧油が吐出通路21に吐出される。
【0028】
前記吐出通路21に最低流量の圧油が吐出されると、この圧油は吐出通路21中の絞り部33を介して制御弁19に供給され、リザーバ22に排出される。この際、絞り部33の絞り作用により、絞り部33の上流側に背圧が発生する。この背圧は、ベーンポンプ20の背圧溝53、54よりスリット内端部に導入され、ベーン50を背圧によってカムリング45のカム面51に押付ける。なお、この際の背圧では圧力調整弁31が作動せず、図3に示す状態に維持されている。これにより、ベーンポンプ20が低速で駆動されている状態、すなわち、ベーン50に作用する遠心力が小さい状態においても、油圧(背圧)によりベーン50がカム面51へ押付けられ、ポンプ作用を正常に行える状態に維持される。
【0029】
ステアリングホイール18が操作されると、図略のトーションバーが捩じられる。このトーションバーの捩じれにより、トルクセンサ23より操舵トルクに応じた電気的信号が出力され、電子制御装置24に入力される。電子制御装置24は入力された電気的信号に応じた電流値を電動モータ25に供給し、電動モータ25を操舵トルクに応じた回転速度まで上昇させる。これによりベーンポンプ20より吐出される圧油は、ステアリングホイール18に加えられた操舵トルクをアシストするに十分な流量まで増加される。
【0030】
この際、ベーンポンプ20のベーン50は、非操舵時において絞り部33による背圧の作用によってカムリング45のカム面51に押付けられ、正常なポンプ作用を維持されているため、電動モータ25の回転上昇に速やかに追従して吐出流量を増加させることができ、操舵トルクのアシスト作用に遅れを生じさせない。
ベーンポンプ20よりステアリングホイール18に加えられた操舵トルクをアシストするに十分な流量の圧油が吐出通路21に吐出されると、吐出通路21中の絞り部33前後の差圧が上昇し、圧力調整弁31を圧力調整用スプリング32のばね力に抗して摺動される。これにより、図4に示すように、ベーンポンプ20より吐出通路21に吐出された圧油は、直接連通路81に圧送され、制御弁19に供給される。
【0031】
一方、ステアリングホイール18が操作されてトーションバーが捩じられると、ピニオン軸11に対してステアリング軸17が相対回転され、制御弁19が作動される。この制御弁19の作動により、制御弁19の供給ポートがステアリングホイール18の操舵方向に応じてパワーシリンダ15の左右室に接続されたシリンダポートの一方に連通され、シリンダポートの他方は排出ポートに連通される。
従って、吐出通路21より制御弁19の供給ポートに供給された圧油は、ステアリングホイール18の操舵方向に応じてパワーシリンダ15の一方室に供給され、パワーシリンダ15の他方室の油は制御弁19の排出ポートよりリザーバ22に排出され、ステアリングホイール18の操舵方向にアシスト作用が働く。
【0032】
このように上記した実施の形態によれば、非操舵時においては電動モータ25によって駆動されるベーンポンプ20の回転速度を低くし、吐出流量を低減させることにより省エネ化を達成でき、しかもベーンポンプ20の低吐出流量状態、すなわち、ベーン50に作用する遠心力が期待できない低速回転状態においても、絞り部33によって発生される背圧を利用してベーン50を油圧力によりカム内面51に押圧できるので、ベーンポンプ20の正常なポンプ作用を常時持続できるようになる。
【0033】
従って、操舵により電動モータ25によって駆動されるベーンポンプ20の回転速度が上昇された際に、上記のポンプ作用により速やかに吐出流量の増加作用をもたらすことができるようになり、アシストに遅れを生じさせない。
また、ベーンポンプ20の高回転状態においては、吐出流量を絞り部33をバイパスして制御弁19に供給できるので、圧力損失を抑制できるようになる。
【0034】
ところで、ステアリングホイール18の操作により、パワーシリンダ15の圧力が予め設定されたレリーフ圧まで上昇すると、第1の環状溝80、半径方向孔82を介して中間室74内の圧力が高くなり、圧力レリーフ弁32がレリーフ圧設定用スプリング76のばね力に抗して摺動され、第2の環状溝83が開口される。
これにより、中間室74の圧力が第2の環状溝83および排出路84を介してリザーバ22にレリーフされるため、シリンダ圧力の上昇が抑制される。
【0035】
図5は本発明の他の実施の形態を示すもので、前述した実施の形態においては、圧力レリーフ弁32を直動タイプにて構成したものであるのに対し、この実施の形態においては、圧力レリーフ弁32をパイロット作動タイプにて構成した点を異にしている。しかし、その他の構成については先の実施の形態と同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】
すなわち、図5に示すように、圧力レリーフ弁32はメインバルブ321とパイロットバルブ322にて構成され、メインバルブ321は前記小径穴70に摺動可能に嵌装されている。前記パイロットバルブ322は前記端部室75とリザーバ22とを接続するレリーフ通路323中に設けられ、このパイロットバルブ322はレリーフ圧設定用スプリング324によりレリーフ通路323を閉止する方向に付勢されている。
【0037】
また前記端部室75と連通路81とを接続する接続通路325中には絞り通路326が設けられ、この絞り通路326を介してメインバルブ321の両端室、すなわち中間室74と端部室75が互いに連通されている。
上記した構成によれば、通常はメインバルブ321の両端が同圧に保持されているが、供給通路21の圧力が上昇すると、パイロットバルブ322が開弁され、圧油が絞り通路326を介してリザーバ22に排出される。この絞り通路326を圧油が通過する際の圧力降下により、メインバルブ321の両端に差圧が発生し、メインバルブ321がスプリング327に抗して摺動される。これにより、中間室74が第2の環状溝83に開口されるため、中間室74より圧油が排出通路84に排出され、圧油の圧力の上昇が防止される。
【0038】
図6は本発明のさらに他の実施の形態を示すもので、圧力レリーフ弁32をパイロット作動タイプにて構成した点は同じであるが、そのパイロットバルブ322をメインバルブ321内に組込んだものである。
この実施の形態においても、等価的には図5に示した実施の形態のものと全く同様であり、供給通路21の圧力が上昇すると、パイロットバルブ322が開弁され、圧油が絞り通路326を介してリザーバ22に排出される。この絞り通路326を圧油が通過する際の圧力降下により、メインバルブ321の両端に差圧が発生し、メインバルブ321がスプリング327に抗して摺動される。これにより、中間室74が第2の環状溝83に連通されるため、圧油が排出通路84に排出され、圧力の上昇が防止される。
【0039】
上記した実施の形態においては、トルクセンサの出力に基づいて電動モータを制御するようにしたが、ステアリングホイールの操舵角度等に基づいて電動モータを制御することもできるものである。
【0040】
上記した実施の形態によれば、圧力調整弁31と圧力レリーフ弁32の全部もしくは一部を複合した複合弁構成とすることにより、この種の電動ポンプの構成を簡素化することができる特徴がある。
【0041】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明においては、吐出通路中に設けた圧力調整弁による圧力調整作用により、電動モータの低速回転時、すなわちベーンポンプの低流量吐出状態においても、ベーンを圧油の作用によってカムリングの内面に押付けできるようにして、操舵に伴ってモータの回転速度が上昇された場合に、速やかにポンプ作用を行えることができ、アシストに遅れを生じさせないようにできる。しかも、モータの高回転時、すなわちベーンポンプの高流量吐出状態においても、圧力損失を低減できる。
しかも本発明においては、圧力レリーフ弁を前記圧力調整弁を収納した弁室に摺動可能に嵌装し、この圧力レリーフ弁と圧力調整弁との間に圧力調整用スプリングを介挿した構成であるので、圧力調整弁と圧力レリーフ弁との複合弁手段を簡単な構成で達成できる効果も併せて奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す動力舵取装置の全体構成図である。
【図2】図1の動力舵取装置に使用されるベーンポンプを示す断面図である。
【図3】図2の一部を拡大した図である。
【図4】図3の作動状態を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示すベーンポンプの部分図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態を示す図3に相応する図である。
【符号の説明】
15 パワーシリンダ
19 制御弁
20 ベーンポンプ
21 吐出通路
23 トルクセンサ
24 電子制御装置
25 電動モータ
30 複合弁手段
31 圧力調整弁
32 圧力レリーフ弁
33 絞り部
45 カムリング
46 ロータ
50 ベーン
53、54 背圧溝
72 弁室
76 レリーフ圧設定用スプリング
77 圧力調整用スプリング

Claims (4)

  1. 電動モータによってベーンポンプを駆動して圧油を吐出し、この圧油を制御弁を介してパワーシリンダに供給して操舵力をアシストするようにした動力舵取装置において、前記ベーンポンプと制御弁とを接続する吐出通路中に背圧を発生するための絞り部とこの絞り部をバイパスするバイパス通路を並列的に設け、弁室に圧力調整弁及び圧力レリーフ弁を摺動可能に設け、前記弁室の端部と圧力レリーフ弁との間にこの圧力レリーフ弁をレリーフ通路を閉止する方向に付勢するレリーフ圧設定用スプリングを設け、前記圧力調整弁と圧力レリーフ弁との間に圧力調整弁をバイパス通路を閉止する方向に付勢する圧力調整用スプリングを設け、前記圧力調整弁は、通常は前記バイパス通路を閉止し、前記絞り部前後の差圧の上昇により前記圧力調整用スプリングのばね力に抗して移動されて前記バイパス通路を開くように構成され、前記圧力レリーフ弁は、前記パワーシリンダの圧力が予め設定されたレリーフ圧以上に達した際に前記レリーフ圧設定用スプリングのばね力に抗して移動されて圧力をリザーバ側にレリーフするように構成されたことを特徴とする動力舵取装置。
  2. 電動モータによってベーンポンプを駆動して圧油を吐出し、この圧油を制御弁を介してパワーシリンダに供給して操舵力をアシストするようにした動力舵取装置において、前記ベーンポンプと制御弁とを接続する吐出通路中に背圧を発生するための絞り部とバイパス通路を並列的に設け、圧力調整弁を弁室に摺動可能に収納し、前記吐出通路とリザーバ側とを接続する連通路に絞り通路と圧力レリーフ弁のパイロットバルブを設け、前記絞り通路の前後差圧に応じて作動するメインバルブを前記弁室に摺動可能に設け、前記弁室の端部と前記メインバルブとの間にこのメインバルブをレリーフ通路を閉止する方向に付勢するスプリングを設け、前記圧力調整弁と圧力レリーフ弁との間に圧力調整弁をバイパス通路を閉止する方向に付勢する圧力調整用スプリングを設け、前記圧力調整弁は、通常は前記バイパス通路を閉止し、前記絞り部前後の差圧の上昇により前記圧力調整用スプリングのばね力に抗して移動されて前記バイパス通路を開くように構成された
  3. ステアリングホイールに加えられた操舵トルクあるいは操舵角度を検出するセンサの出力に基づいて前記電動モータを制御する電子制御装置を設け、前記センサの出力に基づいて電子制御装置が非操舵と判断した場合は前記電動モータを低速回転にして前記ベーンポンプより最低流量の圧油を吐出し、操舵と判断した場合に電動モータの回転速度を上昇するようにしてなる請求項1あるいは請求項2に記載の動力舵取装置。
  4. 前記絞り部を、前記ベーンポンプより最低流量の圧油が吐出されている状態において、ベーンをカムリングの内面に押付けるに必要な背圧を発生できる絞り面積に設定してなる請求項1、請求項2もしくは請求項3に記載の動力舵取装置。
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