JP2001260910A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JP2001260910A
JP2001260910A JP2000081010A JP2000081010A JP2001260910A JP 2001260910 A JP2001260910 A JP 2001260910A JP 2000081010 A JP2000081010 A JP 2000081010A JP 2000081010 A JP2000081010 A JP 2000081010A JP 2001260910 A JP2001260910 A JP 2001260910A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動モータ25の低速回転時においても、ベ
ーン50を圧油の作用によってカムリング45の内面に
押付けできるようにして、操舵に伴って電動モータ25
の回転速度が上昇された場合に、正常なポンプ作用を速
やかに行えるようにする。 【解決手段】 電動モータ25によって駆動されるベー
ンポンプ20の吐出通路21中に、ベーンポンプ20の
低回転時においてもベーン50に油圧を作用させる圧油
を発生する圧力調整弁31を設けた。また、この圧力調
整弁31を摺動可能に嵌装した弁室72に圧力レリーフ
弁32を摺動可能に嵌装し、圧力調整弁31と圧力レリ
ーフ弁32からなる複合弁手段30の構成を簡素化し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータによっ
て駆動されるベーンポンプを油圧源として用いた動力舵
取装置に関し、特に、ベーンポンプのベーンの張り出し
性を向上した動力舵取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】動力舵取装置の油圧源として用いられる
ベーンポンプにおいては、ベーンがロータに設けられた
放射状のスリット内に摺動可能に収納され、ポンプ始動
時にはポンプ軸の回転によるベーン自身に働く遠心力に
よって張り出し、ポンプ作用が開始される。このポンプ
作用により油を吐き出し、その油圧力がベーンの内端に
作用し、ベーンをカムリングの内面に押付けるようにな
っている。
【0003】ところで、車両への搭載上の問題や、非操
舵時にベーンポンプの回転を低速にして省エネを図る等
の理由で、ベーンポンプを電動モータによって駆動する
ようにした動力舵取装置が一部の車種に採用されてい
る。ベーンポンプを電動モータによって駆動する動力舵
取装置においては、電動モータの回転速度を制御するこ
とによって、ポンプ吐出流量を自在に制御できることか
ら、ポンプをエンジンによって駆動する場合のような流
量制御弁を不要にでき、また非操舵時においてはベーン
ポンプを低速回転させて省エネを図ったり、車速に応じ
て電動モータの回転速度を制御することにより車速に感
応した操舵感覚を付与できる等の利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のベ
ーンポンプにおいては、非操舵時にベーンポンプを低速
回転させるようにすると、ベーンに作用する遠心力が小
さくなり、その遠心力ではベーンの張り出しが期待でき
なくなる。このために、ベーンがカムリングの小円弧面
によってロータスリット内に一旦押し込められると、吸
入区間や大円弧面においてもベーンが張り出しできない
ために、ポンプ作用が行われなくなる。従って、その状
態で操舵が行われ、電動モータの回転速度が上昇されて
も、ベーンが遠心力の増大によってカム内面に当接され
るまでは、正常な圧油の吐出作用が開始されず、アシス
トに遅れを生ずることになる。
【0005】この問題を解決するために、非操舵時にベ
ーンポンプが低速回転されている状態においても、ベー
ンにカム内面に押付ける油圧力を作用させるように、ポ
ンプ吐出通路中に絞り部を設けることが考えられるが、
このような構成では、操舵時に電動モータが高速回転さ
れ、ベーンポンプより大流量の圧油が吐出されると、絞
り部による圧力損失が大きくなり、エネルギロスが大き
くなる問題がある。
【0006】本発明は、電動モータの低速回転時におい
ても、圧力調整弁による圧力調整作用によってベーンを
カムリングの内面に押付けできるようにし、操舵に伴っ
て電動モータの回転速度が上昇された場合に、速やかに
ポンプ作用を行えるようにした動力舵取装置を提供する
ことを目的とするものである。さらに、本発明は、前記
圧力調整弁とポンプ圧の上限を制限する圧力レリーフ弁
をコンパクトに組み合わせた複合弁手段を備えた動力舵
取装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、電動モータによってベーンポ
ンプを駆動して圧油を吐出し、この圧油を制御弁を介し
てパワーシリンダに供給して操舵力をアシストするよう
にした動力舵取装置において、前記ベーンポンプと制御
弁とを接続する吐出通路中に背圧を発生するための絞り
部とこの絞り部をバイパスするバイパス通路を並列的に
設け、通常は前記バイパス通路を閉止し背圧が所定圧以
上になった際に移動されて前記バイパス通路を開く圧力
調整弁を弁室に摺動可能に収納し、この弁室に前記吐出
通路の圧力が所定圧以上に達した際に圧力をリザーバ側
にレリーフする圧力レリーフ弁を摺動可能に設け、この
圧力レリーフ弁をレリーフ通路を閉止する方向に付勢す
るレリーフ圧設定用スプリングを設け、前記圧力調整弁
と圧力レリーフ弁との間に圧力調整弁をバイパス通路を
閉止する方向に付勢する圧力調整用スプリングを設け、
前記絞り部によって発生した背圧をベーンポンプのベー
ンに作用させるようにしたものである。
【0008】請求項2の発明は、電動モータによってベ
ーンポンプを駆動して圧油を吐出し、この圧油を制御弁
を介してパワーシリンダに供給して操舵力をアシストす
るようにした動力舵取装置において、前記ベーンポンプ
と制御弁とを接続する吐出通路中に背圧を発生するため
の絞り部とバイパス通路を並列的に設け、通常は前記バ
イパス通路を閉止し背圧が所定圧以上になった際に移動
されて前記バイパス通路を開く圧力調整弁を弁室に摺動
可能に収納し、前記吐出通路とリザーバ側とを接続する
連通路に絞り通路と圧力レリーフ弁のパイロットバルブ
を設け、前記絞り通路の前後差圧に応じて作動するメイ
ンバルブを前記弁室に摺動可能に設け、このメインバル
ブをレリーフ通路を閉止する方向に付勢するスプリング
を設け、前記圧力調整弁と圧力レリーフ弁との間に圧力
調整弁をバイパス通路を閉止する方向に付勢する圧力調
整用スプリングを設け、前記絞り部によって発生した背
圧をベーンポンプのベーンに作用させるようにしたもの
である。
【0009】請求項3の発明は、ステアリングホイール
に加えられた操舵トルクあるいは操舵角度を検出するセ
ンサの出力に基づいて前記電動モータを制御する電子制
御装置を設け、前記センサの出力に基づいて電子制御装
置が非操舵と判断した場合は前記電動モータを低速回転
にして前記ベーンポンプより最低流量の圧油を吐出し、
操舵と判断した場合には電動モータの回転速度を上昇す
るようにしたものである。
【0010】請求項4の発明は、前記絞り部を、前記ベ
ーンポンプより最低流量の圧油が吐出されている状態に
おいて、ベーンをカムリングの内面に押付けるに必要な
背圧を発生できる絞り面積に設定したものである。
【0011】上記した請求項1に記載の発明によれば、
非操舵時においては、電動モータに加えられる電流値は
低く、ベーンポンプは低速で駆動され、最低流量の圧油
が吐出通路に吐出される。吐出通路に吐出された最低流
量の圧油は、吐出通路中に設けられた圧力調整弁の絞り
部を介してリザーバに排出されるが、この絞り部の絞り
作用によって背圧が発生する。この背圧は背圧溝よりス
リット内端部に導入され、ベーンをカムリングのカム面
に押付ける。従って、ベーンポンプが低速で駆動されて
いる状態、すなわち、ベーンに作用する遠心力が小さい
状態においても、背圧(油圧力)によりベーンがカム面
へ押付けられ、ポンプ作用を正常に行える状態に維持さ
れる。
【0012】ステアリングホイールが操作されると、電
動モータの回転速度を上昇させ、ベーンポンプより吐出
される圧油の流量が増加される。この際、ベーンポンプ
のベーンは、上記したように絞り部による背圧の作用に
よってカムリングのカム面に押付けられ、正常なポンプ
作用を維持されているため、電動モータの回転上昇に速
やかに追従して吐出流量を増加させることができ、アシ
スト作用に遅れを生じさせない。ベーンポンプより吐出
通路に大流量の圧油が吐出されると、絞り部前後の差圧
の上昇によって圧力調整弁が作動され、バイパス通路が
開放される。これにより、大流量の圧油がバイパス通路
を介して制御弁に供給されるため、圧力損失を抑制でき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1は動力舵取装置の全体構成を示
し、この動力舵取装置のギヤボックス10には、ピニオ
ン軸11が回転可能に支持されるとともに、このピニオ
ン軸11に噛合するラック軸12が摺動可能に支持さ
れ、このラック軸12の両端は所要の操縦リンク機構1
3を介して操向車輪14に連結される。ラック軸12上
にはパワーシリンダ15のピストン16が設けられてい
る。
【0014】前記ピニオン軸11には図略のトーション
バーを介してステアリング軸17が連結され、このステ
アリング軸17の一端にステアリングホイール18が取
付けられている。ステアリング軸17とピニオン軸11
との間には、両者の相対回転に応じて作動される制御弁
19が設けられ、この制御弁19の供給ポートはベーン
ポンプ20の吐出通路21に接続され、排出ポートはリ
ザーバ22に接続され、一対のシリンダポートは前記パ
ワーシリンダ15の左右室に接続されている。
【0015】また、前記ステアリング軸17上には、前
記ステアリングホイール18に加えられた操舵トルク
(トーションバーの捩れトルク)を検出するトルクセン
サ23が設けられ、このトルクセンサ23より操舵トル
クに応じた電気的出力が発生される。トルクセンサ23
の出力は電子制御装置24に入力され、この電子制御装
置24はトルクセンサ23の出力に基づいて、非操舵状
態にあるか、操舵状態にあるかを判断する。電子制御装
置24によって操舵状態にあると判断された場合には、
前記トルクセンサ23の出力に応じた電流値を前記ベー
ンポンプ20駆動用の電動モータ25に供給し、電動モ
ータ25をステアリングホイール18に加えられた操舵
トルクに応じた回転速度で駆動する。しかして、非操舵
状態にあると判断された場合には、電動モータ25に比
較的低い電流値を供給し、これによってベーンポンプ2
0の吐出流量を最低流量に確保して、省エネを達成する
ようにしている。
【0016】前記制御弁19の供給ポートに接続された
吐出通路21中には、複合弁手段30が設けられてい
る。複合弁手段30は、圧力調整弁31と圧力レリーフ
弁32からなっている。圧力調整弁31は絞り部33を
備え、この絞り部33の絞り作用によってその上流側に
絞り部33の絞り抵抗に応じた背圧を発生させるように
なっている。なお、絞り部33は、前述した非操舵時に
おいてベーンポンプ20が吐出する最低流量を通過させ
る際に、後述するベーンをカム内面に押付けるに必要な
背圧を発生できる絞り面積に設定されている。
【0017】図2は、前記複合弁手段30を組込んだベ
ーンポンプ20の具体例を示すもので、このベーンポン
プ20は電動モータ25によって駆動される。ベーンポ
ンプ20は、基本的には公知の圧力平衡形ベーンポンプ
と同様なものである。
【0018】図2において、ベーンポンプ20のフロン
トハウジング40には凹所41が形成され、この凹所4
1を閉塞するようにリヤハウジング42がフロントハウ
ジング40に固着されている。凹所41には一対のサイ
ドプレート43、44と、これらサイドプレート43、
44の間に配置されたカムリング45が収容され、この
カムリング45内にロータ46が収納されている。
【0019】前記ロータ46は、前記リヤハウジング4
2に回転可能に支持された前記電動モータ25の出力軸
48に取付けられている。前記ロータ46には、円周上
等角度間隔に複数のスリット49が放射方向に形成さ
れ、これらスリット49にベーン50がそれぞれ摺動可
能に収納されている。ベーン50はカムリング45の内
周に形成されたカム面51に、油圧力あるいは遠心力の
作用によって押付けられるようになっている。カム面5
1は周期が180度の基本的に楕円曲面よりなるカム曲
面で構成されている。
【0020】前記一対のサイドプレート43、44のロ
ータ46との摺接面には、前記スリット49の内端部に
圧油を導入するための背圧溝53、54が形成され、こ
れら背圧溝53、54よりスリット内端部に導入される
圧油の作用により、ベーン50がカム面51に押付けら
れる。しかしてカムリング45とロータ46との間にベ
ーン50によって区画された複数のポンプ室が形成され
る。
【0021】前記一対のサイドプレート43、44のロ
ータ46との摺接面には、膨張領域(吸入領域)をなす
ポンプ室に対応して吸入ポート57、58が、また圧縮
領域(吐出領域)をなすポンプ室に対応して吐出ポート
59、60が、それぞれ直径方向に対向する位置に形成
されている。前記吐出ポート59、60は圧力室61を
介して前記吐出通路21に接続され、前記吸入ポート5
7、58は吸入通路62を介して前記リザーバ22に接
続されている。しかして前記圧力室61は導入通路63
を介して前記背圧溝53、54に連通されている。な
お、図中64は圧力室61に配設されたウエーブワッシ
ャを示し、このウエーブワッシャ64のばね力により一
方のサイドプレート43を他方のサイドプレート44側
に押圧している。
【0022】前記ベーンポンプ20のフロントハウジン
グ40には、小径穴70と大径穴71を連接した弁室7
2が形成され、この弁室72の小径穴70側の一端は前
記吐出通路21に開口され、大径穴71側の端部は詰め
栓73によって閉塞されている。前記弁室72の小径穴
70には、圧力調整弁31と圧力レリーフ弁32がそれ
ぞれ摺動可能に嵌装され、これら圧力調整弁31と圧力
レリーフ弁32との間に中間室74を、圧力レリーフ弁
32と前記詰め栓73との間に端部室75を形成してい
る。しかして中間室74は、圧力調整弁31に形成した
絞り部33を介して前記吐出通路21に常時連通してい
る。
【0023】前記圧力レリーフ弁32と前記詰め栓73
との間には、レリーフ圧設定用スプリング76が介挿さ
れ、また圧力レリーフ弁32と圧力調整弁31との間に
は、圧力調整用スプリング77が介挿されている。かか
るレリーフ圧設定用スプリング76のばね力によって圧
力レリーフ弁32は、通常小径穴70と大径穴71との
段部に当接する位置に位置決めされ、また圧力調整用ス
プリング77のばね力によって圧力調整弁31は、通常
小径穴70の端部に当接する位置に位置決めされてい
る。なお、前記圧力調整用スプリング77は、レリーフ
圧設定用スプリング76に比較してきわめて小さなばね
力に設定されており、この圧力調整用スプリング77を
受ける圧力レリーフ弁32の圧力レリーフ作用にはほと
んど影響を及ぼさないものである。
【0024】前記小径穴70には、圧力調整弁31に対
応する位置に第1の環状溝80が形成され、この第1の
環状溝80は前記制御弁19の供給ポートに接続された
連通路81に接続されている。第1の環状溝80は圧力
調整弁31に形成された半径方向孔82を介して前記中
間室74に常時連通されている。また、前記第1の環状
溝80は圧力調整弁31が圧力調整用スプリング77に
抗して小径穴70の端面より離間された際、前記吐出通
路21に直接連通されるようになっている。
【0025】また、前記小径穴70には、圧力レリーフ
弁32に対応する位置に第2の環状溝83が形成され、
この第2の環状溝83は排出路84を介してリザーバ2
2に接続されている。第2の環状溝83は圧力レリーフ
弁32に形成された半径方向孔85を介して前記端部室
75に常時連通されている。しかして、前記第2の環状
溝83は、圧力レリーフ弁32がレリーフ圧設定用スプ
リング76に抗して小径穴70と大径穴71との段面よ
り離間された際、前記中間室74に直接連通されるよう
になっている。
【0026】これにより、圧力調整弁31が小径穴70
の端面に当接する摺動端に保持されている状態において
は、吐出通路21は絞り部33のみを介して連通路81
に連通され、しかるに絞り部33前後の差圧の上昇によ
り、圧力調整弁31が図4に示すように小径穴70の端
面より離間された状態においては、吐出通路21は絞り
部33と、この絞り部33に並列的な第1の環状溝80
および半径方向孔82からなるバイパス通路を介して連
通路81に連通されるようになる。
【0027】次に上記のように構成された本実施の形態
における作用を説明する。ステアリングホイール18が
操舵されておらず、トーションバーが捩じられていない
非操舵時においては、制御弁19は中立状態に保持さ
れ、パワーシリンダ15の左右室には差圧が発生しな
い。一方、前記非操舵時においては、トルクセンサ23
より電子制御装置24に出力される電気的信号も所定レ
ベル以下であるため、操舵が行われていないと判断さ
れ、電子制御装置24より電動モータ25に加えられる
電流値は低く、ベーンポンプ20は低速で駆動され、最
低流量の圧油が吐出通路21に吐出される。
【0028】前記吐出通路21に最低流量の圧油が吐出
されると、この圧油は吐出通路21中の絞り部33を介
して制御弁19に供給され、リザーバ22に排出され
る。この際、絞り部33の絞り作用により、絞り部33
の上流側に背圧が発生する。この背圧は、ベーンポンプ
20の背圧溝53、54よりスリット内端部に導入さ
れ、ベーン50を背圧によってカムリング45のカム面
51に押付ける。なお、この際の背圧では圧力調整弁3
1が作動せず、図3に示す状態に維持されている。これ
により、ベーンポンプ20が低速で駆動されている状
態、すなわち、ベーン50に作用する遠心力が小さい状
態においても、油圧(背圧)によりベーン50がカム面
51へ押付けられ、ポンプ作用を正常に行える状態に維
持される。
【0029】ステアリングホイール18が操作される
と、図略のトーションバーが捩じられる。このトーショ
ンバーの捩じれにより、トルクセンサ23より操舵トル
クに応じた電気的信号が出力され、電子制御装置24に
入力される。電子制御装置24は入力された電気的信号
に応じた電流値を電動モータ25に供給し、電動モータ
25を操舵トルクに応じた回転速度まで上昇させる。こ
れによりベーンポンプ20より吐出される圧油は、ステ
アリングホイール18に加えられた操舵トルクをアシス
トするに十分な流量まで増加される。
【0030】この際、ベーンポンプ20のベーン50
は、非操舵時において絞り部33による背圧の作用によ
ってカムリング45のカム面51に押付けられ、正常な
ポンプ作用を維持されているため、電動モータ25の回
転上昇に速やかに追従して吐出流量を増加させることが
でき、操舵トルクのアシスト作用に遅れを生じさせな
い。ベーンポンプ20よりステアリングホイール18に
加えられた操舵トルクをアシストするに十分な流量の圧
油が吐出通路21に吐出されると、吐出通路21中の絞
り部33前後の差圧が上昇し、圧力調整弁31を圧力調
整用スプリング32のばね力に抗して摺動される。これ
により、図4に示すように、ベーンポンプ20より吐出
通路21に吐出された圧油は、直接連通路81に圧送さ
れ、制御弁19に供給される。
【0031】一方、ステアリングホイール18が操作さ
れてトーションバーが捩じられると、ピニオン軸11に
対してステアリング軸17が相対回転され、制御弁19
が作動される。この制御弁19の作動により、制御弁1
9の供給ポートがステアリングホイール18の操舵方向
に応じてパワーシリンダ15の左右室に接続されたシリ
ンダポートの一方に連通され、シリンダポートの他方は
排出ポートに連通される。従って、吐出通路21より制
御弁19の供給ポートに供給された圧油は、ステアリン
グホイール18の操舵方向に応じてパワーシリンダ15
の一方室に供給され、パワーシリンダ15の他方室の油
は制御弁19の排出ポートよりリザーバ22に排出さ
れ、ステアリングホイール18の操舵方向にアシスト作
用が働く。
【0032】このように上記した実施の形態によれば、
非操舵時においては電動モータ25によって駆動される
ベーンポンプ20の回転速度を低くし、吐出流量を低減
させることにより省エネ化を達成でき、しかもベーンポ
ンプ20の低吐出流量状態、すなわち、ベーン50に作
用する遠心力が期待できない低速回転状態においても、
絞り部33によって発生される背圧を利用してベーン5
0を油圧力によりカム内面51に押圧できるので、ベー
ンポンプ20の正常なポンプ作用を常時持続できるよう
になる。
【0033】従って、操舵により電動モータ25によっ
て駆動されるベーンポンプ20の回転速度が上昇された
際に、上記のポンプ作用により速やかに吐出流量の増加
作用をもたらすことができるようになり、アシストに遅
れを生じさせない。また、ベーンポンプ20の高回転状
態においては、吐出流量を絞り部33をバイパスして制
御弁19に供給できるので、圧力損失を抑制できるよう
になる。
【0034】ところで、ステアリングホイール18の操
作により、パワーシリンダ15の圧力が予め設定された
レリーフ圧まで上昇すると、第1の環状溝80、半径方
向孔82を介して中間室74内の圧力が高くなり、圧力
レリーフ弁32がレリーフ圧設定用スプリング76のば
ね力に抗して摺動され、第2の環状溝83が開口され
る。これにより、中間室74の圧力が第2の環状溝83
および排出路84を介してリザーバ22にレリーフされ
るため、シリンダ圧力の上昇が抑制される。
【0035】図5は本発明の他の実施の形態を示すもの
で、前述した実施の形態においては、圧力レリーフ弁3
2を直動タイプにて構成したものであるのに対し、この
実施の形態においては、圧力レリーフ弁32をパイロッ
ト作動タイプにて構成した点を異にしている。しかし、
その他の構成については先の実施の形態と同様であるの
で、同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】すなわち、図5に示すように、圧力レリー
フ弁32はメインバルブ321とパイロットバルブ32
2にて構成され、メインバルブ321は前記小径穴70
に摺動可能に嵌装されている。前記パイロットバルブ3
22は前記端部室75とリザーバ22とを接続するレリ
ーフ通路323中に設けられ、このパイロットバルブ3
22はレリーフ圧設定用スプリング324によりレリー
フ通路323を閉止する方向に付勢されている。
【0037】また前記端部室75と連通路81とを接続
する接続通路325中には絞り通路326が設けられ、
この絞り通路326を介してメインバルブ321の両端
室、すなわち中間室74と端部室75が互いに連通され
ている。上記した構成によれば、通常はメインバルブ3
21の両端が同圧に保持されているが、供給通路21の
圧力が上昇すると、パイロットバルブ322が開弁さ
れ、圧油が絞り通路326を介してリザーバ22に排出
される。この絞り通路326を圧油が通過する際の圧力
降下により、メインバルブ321の両端に差圧が発生
し、メインバルブ321がスプリング327に抗して摺
動される。これにより、中間室74が第2の環状溝83
に開口されるため、中間室74より圧油が排出通路84
に排出され、圧油の圧力の上昇が防止される。
【0038】図6は本発明のさらに他の実施の形態を示
すもので、圧力レリーフ弁32をパイロット作動タイプ
にて構成した点は同じであるが、そのパイロットバルブ
322をメインバルブ321内に組込んだものである。
この実施の形態においても、等価的には図5に示した実
施の形態のものと全く同様であり、供給通路21の圧力
が上昇すると、パイロットバルブ322が開弁され、圧
油が絞り通路326を介してリザーバ22に排出され
る。この絞り通路326を圧油が通過する際の圧力降下
により、メインバルブ321の両端に差圧が発生し、メ
インバルブ321がスプリング327に抗して摺動され
る。これにより、中間室74が第2の環状溝83に連通
されるため、圧油が排出通路84に排出され、圧力の上
昇が防止される。
【0039】上記した実施の形態においては、トルクセ
ンサの出力に基づいて電動モータを制御するようにした
が、ステアリングホイールの操舵角度等に基づいて電動
モータを制御することもできるものである。
【0040】上記した実施の形態によれば、圧力調整弁
31と圧力レリーフ弁32の全部もしくは一部を複合し
た複合弁構成とすることにより、この種の電動ポンプの
構成を簡素化することができる特徴がある。
【0041】
【発明の効果】以上、述べたように本発明においては、
吐出通路中に設けた圧力調整弁による圧力調整作用によ
り、電動モータの低速回転時、すなわちベーンポンプの
低流量吐出状態においても、ベーンを圧油の作用によっ
てカムリングの内面に押付けできるようにして、操舵に
伴ってモータの回転速度が上昇された場合に、速やかに
ポンプ作用を行えることができ、アシストに遅れを生じ
させないようにできる。しかも、モータの高回転時、す
なわちベーンポンプの高流量吐出状態においても、圧力
損失を低減できる。しかも本発明においては、圧力レリ
ーフ弁を前記圧力調整弁を収納した弁室に摺動可能に嵌
装し、この圧力レリーフ弁と圧力調整弁との間に圧力調
整用スプリングを介挿した構成であるので、圧力調整弁
と圧力レリーフ弁との複合弁手段を簡単な構成で達成で
きる効果も併せて奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す動力舵取装置の全体
構成図である。
【図2】図1の動力舵取装置に使用されるベーンポンプ
を示す断面図である。
【図3】図2の一部を拡大した図である。
【図4】図3の作動状態を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示すベーンポンプの
部分図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態を示す図3に相
応する図である。
【符号の説明】
15 パワーシリンダ 19 制御弁 20 ベーンポンプ 21 吐出通路 23 トルクセンサ 24 電子制御装置 25 電動モータ 30 複合弁手段 31 圧力調整弁 32 圧力レリーフ弁 33 絞り部 45 カムリング 46 ロータ 50 ベーン 53、54 背圧溝 72 弁室 76 レリーフ圧設定用スプリング 77 圧力調整用スプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータによってベーンポンプを駆動
    して圧油を吐出し、この圧油を制御弁を介してパワーシ
    リンダに供給して操舵力をアシストするようにした動力
    舵取装置において、前記ベーンポンプと制御弁とを接続
    する吐出通路中に背圧を発生するための絞り部とこの絞
    り部をバイパスするバイパス通路を並列的に設け、通常
    は前記バイパス通路を閉止し背圧が所定圧以上になった
    際に移動されて前記バイパス通路を開く圧力調整弁を弁
    室に摺動可能に収納し、この弁室に前記吐出通路の圧力
    が所定圧以上に達した際に圧力をリザーバ側にレリーフ
    する圧力レリーフ弁を摺動可能に設け、この圧力レリー
    フ弁をレリーフ通路を閉止する方向に付勢するレリーフ
    圧設定用スプリングを設け、前記圧力調整弁と圧力レリ
    ーフ弁との間に圧力調整弁をバイパス通路を閉止する方
    向に付勢する圧力調整用スプリングを設けたことを特徴
    とする動力舵取装置。
  2. 【請求項2】 電動モータによってベーンポンプを駆動
    して圧油を吐出し、この圧油を制御弁を介してパワーシ
    リンダに供給して操舵力をアシストするようにした動力
    舵取装置において、前記ベーンポンプと制御弁とを接続
    する吐出通路中に背圧を発生するための絞り部とバイパ
    ス通路を並列的に設け、通常は前記バイパス通路を閉止
    し背圧が所定圧以上になった際に移動されて前記バイパ
    ス通路を開く圧力調整弁を弁室に摺動可能に収納し、前
    記吐出通路とリザーバ側とを接続する連通路に絞り通路
    と圧力レリーフ弁のパイロットバルブを設け、前記絞り
    通路の前後差圧に応じて作動するメインバルブを前記弁
    室に摺動可能に設け、このメインバルブをレリーフ通路
    を閉止する方向に付勢するスプリングを設け、前記圧力
    調整弁と圧力レリーフ弁との間に圧力調整弁をバイパス
    通路を閉止する方向に付勢する圧力調整用スプリングを
    設けたことを特徴とする動力舵取装置。
  3. 【請求項3】 ステアリングホイールに加えられた操舵
    トルクあるいは操舵角度を検出するセンサの出力に基づ
    いて前記電動モータを制御する電子制御装置を設け、前
    記センサの出力に基づいて電子制御装置が非操舵と判断
    した場合は前記電動モータを低速回転にして前記ベーン
    ポンプより最低流量の圧油を吐出し、操舵と判断した場
    合に電動モータの回転速度を上昇するようにしてなる請
    求項1あるいは請求項2に記載の動力舵取装置。
  4. 【請求項4】 前記絞り部を、前記ベーンポンプより最
    低流量の圧油が吐出されている状態において、ベーンを
    カムリングの内面に押付けるに必要な背圧を発生できる
    絞り面積に設定してなる請求項1、請求項2もしくは請
    求項3に記載の動力舵取装置。
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