JP3738156B2 - 水素吸蔵合金電極の製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケル−水素アルカリ蓄電池に用いられる水素吸蔵合金電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水素を可逆的に吸蔵,放出することができる水素吸蔵合金の開発が盛んに行われており、斯かる水素吸蔵合金を負極材料として用いるニッケル−水素アルカリ蓄電池が、従来汎用されている鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池などに比べて、軽量で、且つ、高容量化が可能であるなどの理由から、次世代のアルカリ蓄電池の主流を占めるものとして有望視されている。
【0003】
ここで、上記ニッケル−水素アルカリ蓄電池においては、高率放電特性や内圧特性に劣るという課題がある。そこで、特開平5−190174号公報、或いは特開平9−320576号公報等に示されるように、水素吸蔵合金を主体とする電極本体の表面に炭素粉末を含む反応層を形成する方法、又は、特開平3−102776号公報に示されるように、水素吸蔵合金電極内に炭素粉末を混合するような方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、上記の方法では、炭素粉末は嵩密度が非常に小さく、水溶液中に分散させることが困難である。特に、水素吸蔵合金を主体とする電極本体の表面に塗布する場合や水素吸蔵合金電極の内部に添加する際には、結着力を付与するために結着剤等を混合する必要があり、その結果粘性が高くなって、水溶液中に均一に分散させることが尚更困難となる。このことから、高率放電特性や内圧特性を十分に改善することができないという課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題を考慮してなされたものであって、炭素粉末を均一に拡散することによって、ニッケル−水素アルカリ蓄電池の高率放電特性や内圧特性を飛躍的に向上させることができる水素吸蔵合金電極の製造方法を提供することを目的としている。この目的の下に開発された一連の本発明関連技術は下記のように構成されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明第1関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法は、少なくとも炭素粉末を含む反応助剤を、増粘剤を含む溶液中に分散して、炭素粉末分散液を作製する分散液作製工程と、上記炭素粉末分散液に、結着剤、増粘剤、及び水のうち少なくとも1以上を添加し、更に攪拌することにより、所定粘度に調整した表面塗布液を作製する塗布液作製工程と、上記表面塗布液を、水素吸蔵合金を主体とする電極本体の表面に塗布した後、乾燥させる塗布乾燥工程とを有することを特徴とする。
上記の方法であれば、水素吸蔵合金を主体とする電極本体の表面に塗布する表面塗布液作製前に、炭素粉末を予備的に粘度調整する分散液作製工程を有するので、炭素粉末の分散性が高まる。したがって、電池内圧特性が向上する。
【0007】
また、本発明第2関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法は、上記第1関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法において、前記炭素粉末分散液の粘度が10〜200mPa・sであり、前記表面塗布液の粘度が50〜500mPa・sであることを特徴とする。
上記のように規制すれば、炭素粉末の分散性をより高めることができる。
【0008】
また、本発明第3関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法は、少なくとも炭素粉末を含む反応助剤を、増粘剤を含む溶液中に分散して、炭素粉末分散液を作製する分散液作製工程と、上記炭素粉末分散液と水素吸蔵合金との混合物に、結着剤、増粘剤、及び水のうち少なくとも1以上を添加し、更に攪拌することにより、所定粘度に調整したスラリーを作製するスラリー作製工程と、上記スラリーを2次元多孔集電体に塗布又は3次元多孔集電体に充填した後、スラリーを乾燥させる電極作製工程とを有することを特徴とする。
上記方法であれば、スラリー作製工程前に、炭素粉末を予備的に粘度調整する分散液作製工程を有するので、スラリー内における炭素粉末の分散性が高まる。したがって、高率放電特性と電池内圧特性とが向上する。
【0009】
また、本発明第4関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法は、少なくとも炭素粉末を含む反応助剤を、増粘剤を含む溶液中に分散して、炭素粉末分散液を作製する分散液作製工程と、上記炭素粉末分散液と水素吸蔵合金との混合物に、結着剤、増粘剤、及び水のうち少なくとも1以上を添加し、更に攪拌することにより、所定粘度に調整したスラリーを作製するスラリー作製工程と、上記スラリーを2次元多孔集電体に塗布又は3次元多孔集電体に充填した後、スラリーを乾燥させて電極本体を作製する電極本体作製工程と、上記分散液作製工程で作製した炭素粉末分散液を上記電極本体の表面に塗布した後、乾燥させる塗布乾燥工程とを有することを特徴とする。
上記方法であれば、スラリー作製工程前に炭素粉末を予備的に粘度調整する分散液作製工程を有し、且つ水素吸蔵合金を主体とする電極本体の表面に塗布する炭素粉末分散液の粘度調整を行っているので、炭素粉末分散液及びスラリー内における炭素粉末の分散性が高まる。したがって、高率放電特性と電池内圧特性とが向上する。
【0010】
また、本発明第5関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法は、上記第3または第4関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法において、前記炭素粉末分散液の粘度が10〜200mPa・sであり、前記スラリーの粘度が5000〜200000mPa・sであることを特徴とする。
上記のように規制すれば、炭素粉末の分散性をより高めることができる。
【0011】
また、本発明第6関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法は、少なくとも炭素粉末を含む反応助剤を、増粘剤を含む溶液中に分散して、炭素粉末分散液を作製する分散液作製工程と、上記炭素粉末分散液と水素吸蔵合金との混合物に、結着剤、増粘剤、及び水のうち少なくとも1以上を添加し、更に攪拌することにより、所定粘度に調整したスラリーを作製するスラリー作製工程と、上記スラリーを2次元多孔集電体に塗布又は3次元多孔集電体に充填した後、スラリーを乾燥させて電極本体を作製する電極本体作製工程と、上記分散液作製工程で作製した炭素粉末分散液に、結着剤、増粘剤、及び水のうち少なくとも1以上を添加し、更に攪拌することにより、所定粘度に調整した表面塗布液を作製する塗布液作製工程と、上記表面塗布液を、上記電極本体の表面に塗布した後、乾燥させる塗布乾燥工程とを有することを特徴とする。
上記方法であれば、炭素粉末分散液を再度粘度調整して表面塗布液作製し、これを水素吸蔵合金を主体とする電極本体の表面に塗布しているので、電極表面の炭素粉末がより有効に作用する。したがって、高率放電特性と電池内圧特性とが更に向上する。
【0012】
また、本発明第7関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法は、上記第6関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法において、前記炭素粉末分散液の粘度が10〜200mPa・sであり、前記表面塗布液の粘度が50〜500mPa・sであり、前記スラリーの粘度が5000〜200000mPa・sであることを特徴とする。
上記のように規制すれば、炭素粉末の分散性をより高めることができる。
【0013】
また、本発明第8関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法は、少なくとも炭素粉末を含む反応助剤を、増粘剤を含む溶液中に分散して、第1の炭素粉末分散液を作製する第1分散液作製工程と、上記第1の炭素粉末分散液と水素吸蔵合金との混合物に、結着剤、増粘剤、及び水のうち少なくとも1以上を添加し、更に攪拌することにより、所定粘度に調整したスラリーを作製するスラリー作製工程と、上記スラリーを2次元多孔集電体に塗布又は3次元多孔集電体に充填した後、スラリーを乾燥させて電極本体を作製する電極本体作製工程と、少なくとも炭素粉末を含む反応助剤を、増粘剤を含む溶液中に分散して、第2の炭素粉末分散液を作製する第2分散液作製工程と、上記第2の炭素粉末分散液に、結着剤、増粘剤、及び水のうち少なくとも1以上を添加し、更に攪拌することにより、所定粘度に調整した表面塗布液を作製する塗布液作製工程と、上記表面塗布液を、上記電極本体の表面に塗布した後、乾燥させる塗布乾燥工程とを有することを特徴とする。
上記方法であれば、水素吸蔵合金電極の表面と内部とで炭素粉末の種類を変えることができるので、最適な炭素粉末を選択することにより、一層高率放電特性と電池内圧特性とが向上する。
【0014】
また、本発明第9関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法は、上記第8関連技術にかかる水素吸蔵合金電極の製造方法において、前記第1及び第2の炭素粉末分散液の粘度が10〜200mPa・sであり、前記表面塗布液の粘度が50〜500mPa・sであり、前記スラリーの粘度が5000〜200000mPa・sであることを特徴とする。
上記のように規制すれば、炭素粉末の分散性をより高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔第1の形態〕
(負極の作製)
先ず、反応助剤としてのアセチレンブラックに、増粘剤としてのCMC(カルボキシメチルセルロース)を添加し〔アセチレンブラック:CMC=5:1(固形分での重量比)〕、更にイオン交換水を加えて粘度を30mPa・sに調製して、アセチレンブラックが分散された炭素粉末分散液を作製した。
次に、この炭素粉末分散液に、増粘剤としてのCMCと、結着剤としてのPVA(ポリビニルアルコール)とを添加して〔アセチレンブラック:CMC:PVA=5:2:3(固形分での重量比)〕、粘度を300mPa・sに調製して、表面塗布液を作製した。
【0016】
これと並行して、市販のミッシュメタル(Mm;La,Ce,Nd,Pr等の希土類元素の混合物)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)を原材料とし、それぞれが元素比で1:3.7:0.55:0.3:0.5の割合となるように混合した後、高周波誘導加熱溶解炉を用いて1500℃で溶融し、更に溶湯を水冷した銅製ロール上で冷却することにより、組成式MmNi3.7 Co0.55Al0.3 Mn0.5 で示される水素吸蔵合金を作製した。次に、この水素吸蔵合金を粉砕することにより、平均粒径が60μmの水素吸蔵合金粉末を得た。
【0017】
次いで、前記水素吸蔵合金粉末(1kg)に、pH1の酸性溶液(1kg)を添加して、攪拌するというという処理を10分間行って、水素吸蔵合金粉末の表面処理をした。
【0018】
この後、水素吸蔵合金粉末に、増粘剤としてのCMCと、結着剤としてのSBR(スチレンブタジエン共重合体)とを加えて混合し〔水素吸蔵合金粉末:CMC:SBR=100:0.5:0.5(固形分での重量比)〕、更にイオン交換水を加えて粘度を約100000mPa・sに調製してスラリーを作製した後、このスラリーをパンチングメタルに塗着し、更に乾燥することにより水素吸蔵合金を主体とする電極本体を作製した。
最後に、上記電極本体の表面に前記表面塗布液を塗布し、更に乾燥することにより水素吸蔵合金電極を作製した。
【0019】
(正極の作製)
水酸化ニッケル100重量部に、導電剤としての金属コバルト7重量部、水酸化コバルト5重量部と、結着剤としてのメチルセルロースが1重量%含まれた水溶液20重量部とを混練して、スラリーを作製した後、このスラリーを発メタルから成る多孔性の基盤に塗布し、更に乾燥、圧延することにより非焼結式ニッケル正極を作製した。
【0020】
(電解液の作製)
比重1.30のKOH水溶液に、LiOH・H2 Oを40gと、NaOHを10g溶解させて電解液を作製した。
【0021】
(電池の作製)
上記水素吸蔵合金負極と非焼結式ニッケル正極とを、ポリプロピレンからなるセパレータを介して巻回して発電要素を作成した後、この発電要素を電池缶内に収納し、更にこの電池缶内に上記電解液を注入した後、外装缶を密閉することにより、ニッケル−水素アルカリ蓄電池を作製した。
【0022】
〔第2の形態〕
下記のようにして、水素吸蔵合金電極を作製する他は、上記第1の形態と同様にして、電池を作製した。
先ず、反応助剤としてのアセチレンブラックに、増粘剤としてのCMCを添加し〔アセチレンブラック:CMC=5:1(固形分での重量比)〕、更にイオン交換水を加えて粘度を30mPa・sに調製して、アセチレンブラックが分散された炭素粉末分散液を作製した。
【0023】
次に、上記炭素粉末分散液に第1の形態と同様の水素吸蔵合金粉末と、増粘剤としてのCMCと、結着剤としてのSBRとを加え〔水素吸蔵合金粉末:アセチレンブラック:CMC:SBR=100:1:0.5:0.5(固形分での重量比)〕、それにイオン交換水を加えて粘度を約100000mPa・sに調製してスラリーを作製した。次いで、このスラリーをパンチングメタルに塗着し、更に乾燥することにより水素吸蔵合金電極を作製した。
【0024】
〔第3の形態〕
下記のようにして、水素吸蔵合金電極を作製する他は、上記第1の形態と同様にして、電池を作製した。
先ず、反応助剤としてのアセチレンブラックに、増粘剤としてのCMCを添加し〔アセチレンブラック:CMC=5:1(固形分での重量比)〕、更にイオン交換水を加えて粘度を30mPa・sに調製して、アセチレンブラックが分散された炭素粉末分散液を作製した。
【0025】
次に、上記炭素粉末分散液に、第1の形態と同様の水素吸蔵合金粉末と、増粘剤としてのCMCと、結着剤としてのSBRとを加えて混合し〔水素吸蔵合金粉末:アセチレンブラック:CMC:SBR=100:1:0.5:0.5(固形分での重量比)〕、それにイオン交換水を加えて粘度を約100000mPa・sに調製してスラリーを作製した。次いで、このスラリーをパンチングメタルに塗着し、更に乾燥することにより水素吸蔵合金を主体とする電極本体を作製した。
しかる後、上記電極本体の表面に前記炭素粉末分散液を塗布し、更に乾燥させることにより水素吸蔵合金電極を作製した。
【0026】
〔第4の形態〕
下記のようにして、水素吸蔵合金電極を作製する他は、上記第1の形態と同様にして、電池を作製した。
先ず、反応助剤としてのアセチレンブラックに、増粘剤としてのCMCを添加し〔アセチレンブラック:CMC=5:1(固形分での重量比)〕、更にイオン交換水を加えて粘度を30mPa・sに調製して、アセチレンブラックが分散された炭素粉末分散液を作製した。
【0027】
次に、上記炭素粉末分散液に、第1の形態と同様の水素吸蔵合金粉末と、増粘剤としてのCMCと、結着剤としてのSBRとを加えて混合し〔水素吸蔵合金粉末:アセチレンブラック:CMC:SBR=100:1:0.5:0.5(固形分での重量比)〕、それにイオン交換水を加えて粘度を約100000mPa・sに調製してスラリーを作製した。次いで、このスラリーをパンチングメタルに塗着し、更に乾燥することにより水素吸蔵合金を主体とする電極本体を作製した。
【0028】
しかる後、上記炭素粉末分散液に増粘剤としてのCMCを添加し〔アセチレンブラック:CMC=1:1(固形分での重量比)〕、更にイオン交換水を加えて粘度を300mPa・sに調製して、表面塗布液を作製した後、上記電極本体の表面に前記表面塗布液を塗布し、更に乾燥ることにより水素吸蔵合金電極を作製した。
【0029】
ここで、上記4つの発明の実施の形態においては、反応助剤の炭素粉末としてアセチレンブラックを用いたが、これに限定するものではなく、他の炭素粉末を用いることも可能である。また、反応助剤としては炭素粉末単独から成るものに限定するものではなく、例えば、炭素粉末とニッケル粉末との混合物から成るものであっても良い。
【0030】
更に、上記第4の形態においては、スラリー用の炭素粉末分散液と表面塗布液用の炭素粉末分散液とについて同一のものを使用したが、異なる炭素粉末分散液を用いることもできる。この場合、水素吸蔵合金電極の表面と内部とで炭素粉末の種類を変え、それぞれに適した炭素粉末を用いることができるという利点がある。
【0031】
加えて、本発明に用いられる水素吸蔵合金としては上記希土類系水素吸蔵合金に限定するものではなく、ZrNi等のZr−Ni系水素吸蔵合金、TiFe等のTi−Fe系水素吸蔵合金、ZrMn2 等のZr−Mn系水素吸蔵合金、TiMn1.5 等のTi−Mn系水素吸蔵合金、またはMg2 Ni等のMg−Ni系水素吸蔵合金等を用いることも可能である。
【0032】
また、ニッケル−水素アルカリ蓄電池に特に好ましいCaCu5 型の結晶構造を有する水素吸蔵合金は、一般式MmNia Cob Alc Mnd で表される。ここで、この式中におけるMmはLa,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Sc,Y,Pm,Gd,Tb,Gy,Ho,Er,Tm,Yb,Luから選択される希土類元素の混合物であり、特に、La,Ce,Pr,Nd,Smの混合物を主体とするものが好ましく、また、a>0、b>0、c>0、d≧0で、4.4≦a+b+c+d≦5.4である。
【0033】
そして、上記の組成からなる水素吸蔵合金はアルカリ二次電池のサイクル特性や放電特性等の基本性能を満たすことができる。また、上記の水素吸蔵合金における水素を吸蔵する特性を変更しない範囲において、Si,C,W,Bの元素を添加させてもよい。
また好ましくは上記の組成式において、ニッケルの量aを2.8≦a≦5.2、コバルトの量bを0<b≦1.4、アルミニウムの量cを0<c≦1.2、更にマンガンの量dをd≦1.2にすることが好ましい。さらに、電池の容量を高くするためには、アルミニウムの量cをc≦1.0、マンガンの量dをd≦1.0にすることが好ましい。
【0034】
更に、水素吸蔵合金電極に用いられる芯体としては、上記パンチングメタルに限定するものではなく、発泡ニッケル等の3次元多孔体であっても良い。
【0035】
【実施例】
(実施例1)
実施例1としては、上記発明の実施の形態の第1の形態で示した電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池A1と称する。
【0036】
参考例2)
参考例2としては、上記第2の形態で示した電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、参考電池A2と称する。
【0037】
参考例3)
参考例3としては、上記第3の形態で示した電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、参考電池A3と称する。
【0038】
参考例4)
参考例4としては、上記第4の形態で示した電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、参考電池A4と称する。
【0039】
(比較例1)
下記のようにして、水素吸蔵合金電極を作製する他は、上記実施例1と同様にして、電池を作製した。
先ず、反応助剤としてのアセチレンブラックに、増粘剤としてのCMCと、結着剤としてのPVAとを添加し〔アセチレンブラック:CMC:PVA=5:2:3(固形分での重量比)〕、更にイオン交換水を加えて粘度を300mPa・sに調製して、アセチレンブラックが分散された表面塗布液を作製した。
【0040】
これと並行して、上記実施例1と同様の水素吸蔵合金粉末に、増粘剤としてのCMCと、結着剤としてのSBRとを加えて混合し〔水素吸蔵合金粉末:CMC:SBR=100:0.5:0.5(固形分での重量比)〕、それにイオン交換水を加えて粘度を約100000mPa・sに調製してスラリーを作製した。次いで、このスラリーをパンチングメタルに塗着し、更に乾燥することにより水素吸蔵合金を主体とする電極本体を作製した。
しかる後、上記電極本体の表面に、上記表面塗布液を塗布し、更に乾燥した。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池X1と称する。
【0041】
(比較例2)
下記のようにして、水素吸蔵合金電極を作製する他は、上記実施例1と同様にして、電池を作製した。
先ず、上記実施例1と同様の水素吸蔵合金粉末に、反応助剤としてのアセチレンブラックと、増粘剤としてのCMCと、結着剤としてのSBRとを添加し〔水素吸蔵合金粉末:アセチレンブラック:CMC:SBR=100:1:0.5:0.5(固形分での重量比)〕、更にイオン交換水を加えて粘度を約100000mPa・sに調製してスラリーを作製した。次いで、このスラリーをパンチングメタルに塗着し、更に乾燥することにより水素吸蔵合金電極を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池X2と称する。
【0042】
(比較例3)
下記のようにして、水素吸蔵合金電極を作製する他は、上記実施例1と同様にして、電池を作製した。
先ず、反応助剤としてのアセチレンブラックに、増粘剤としてのCMCと、結着剤としてのPVAとを添加し〔アセチレンブラック:CMC:PVA=5:2:3(固形分での重量比)〕、更にイオン交換水を加えて粘度を300mPa・sに調製して、アセチレンブラックが分散された表面塗布液を作製した。
【0043】
これと並行して、上記実施例1と同様の水素吸蔵合金粉末に、反応助剤としてのアセチレンブラックと、増粘剤としてのCMCと、結着剤としてのSBRとを加えて混合し〔水素吸蔵合金粉末:アセチレンブラック:CMC:SBR=100:1:0.5:0.5(固形分での重量比)〕、それにイオン交換水を加えて粘度を約100000mPa・sに調製してスラリーを作製した。次いで、このスラリーをパンチングメタルに塗着し、更に乾燥することにより水素吸蔵合金を主体とする電極本体を作製した。
しかる後、上記電極本体の表面に、上記表面塗布液を塗布し、更に乾燥することにより水素吸蔵合金電極を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池X3と称する。
【0044】
(実験)
上記本発明電池A1および参考電池A2〜A4と比較電池X1〜X3とにおいて、下記(1)の条件(温度:室温)で3サイクル充放電を行って各電池を活性化した後、下記(2)の条件で充放電を行って高率放電特性を調べると共に、下記(3)の条件で充電を行って内圧特性を調べたので、その結果を表1に示す。
【0045】
充放電条件
(1)充電条件:100mAで16時間充電、1時間休止
放電条件:200mAで放電終止電圧が1Vになるまで放電、1時間休止
(2)充電条件:100mAで16時間充電、1時間休止
放電条件:4000mAで放電終止電圧が1Vになるまで放電
そして、200mAでの放電容量に対する4000での放電容量の比率を求めた。
(3)充電条件:1000mAで1.2時間充電(室温)
そして、充電終了後に、電池の内圧を圧力センサーで測定した。
【0046】
【表1】
Figure 0003738156
【0047】
表1から明らかなように、電極表面にのみ炭素粉末が存在する本発明電池A1と比較電池X1とを比較した場合、本発明電池A1は比較電池X1に比べて電池内圧特性に優れていることが認められる。これは、本発明電池A1では電極本体の表面に塗布する表面塗布液作製前に炭素粉末を予備的に粘度調整している(炭素粉末の分散液作製工程を有する)ので、炭素粉末の分散性が高まったのに対して、比較電池X1は表面塗布液作製前に予備的な粘度調整をしていない(炭素粉末の分散液作製工程を有しない)ので、炭素粉末の分散性が低いという理由によるものと考えられる。
【0048】
また、電極内部にのみ炭素粉末が存在する参考電池A2と比較電池X2とを比較した場合、参考電池A2は比較電池X2に比べて高率放電特性と電池内圧特性とに優れていることが認められる。これは、参考電池A2ではスラリー作製前に炭素粉末を予備的に粘度調整している(炭素粉末の分散液作製工程を有する)ので、スラリー内における炭素粉末の分散性が高まったのに対して、比較電池X2はスラリー作製前に予備的な粘度調整をしていない(炭素粉末の分散液作製工程を有しない)ので、炭素粉末の分散性が低いという理由によるものと考えられる。
【0049】
更に、電極表面及び電極内部に炭素粉末が存在する参考電池A3と比較電池X3とを比較した場合、参考電池A3は比較電池X3に比べて高率放電特性と電池内圧特性とに優れていることが認められる。これは、参考電池A3では電極本体の表面に塗布する炭素粉末分散液の粘度調整を行っており、且つスラリー作製前に炭素粉末を予備的に粘度調整している(炭素粉末の分散液作製工程を有する)ので、炭素粉末分散液及びスラリー内における炭素粉末の分散性が高まったのに対して、比較電池X3は表面塗布液作製前及びスラリー作製前に予備的な粘度調整をしていない(炭素粉末の分散液作製工程を有しない)ので、炭素粉末の分散性が低いという理由によるものと考えられる。
【0050】
加えて、電極表面及び電極内部に炭素粉末が存在する参考電池A3と参考電池A4とを比較した場合、参考電池A4は参考電池A3に比べて高率放電特性と電池内圧特性とに優れていることが認められる。これは、参考電池A3では電極本体の表面に炭素粉末分散液を塗布するのに対して、参考電池A4は炭素粉末分散液を再度粘度調整して表面塗布液作製し、これを電極本体の表面に塗布しているので、電極表面の炭素粉末が有効に作用するという理由によるものと考えられる。
【0051】
以上の如く、炭素粉末を電極内部や電極表面に添加する場合には、炭素粉末は分散し難いということに起因して、炭素粉末を予備的に粘度調整することが重要であることが分かる。
但し、炭素粉末分散液作製時の最適粘度と、表面塗布液作製時の最適粘度と、スラリー作製時の最適粘度とは異なるので、それぞれに応じた粘度調整をすることが重要である。本発明者が各々の最適粘度を調査したところ、炭素粉末分散液作製時の最適粘度は10〜200mPa・sであり、表面塗布液作製時の最適粘度は50〜500mPa・sであり、スラリー作製時の最適粘度は5000〜200000mPa・sであることを実験により確認した。
【0052】
【発明の効果】
以上で説明したように本発明によれば、炭素粉末を均一に拡散することによって、ニッケル−水素アルカリ蓄電池の高率放電特性や内圧特性を飛躍的に向上させることができるといった優れた効果を奏する。

Claims (2)

  1. アセチレンブラックを炭素粉末として含む反応助剤を、カルボキシルメチルセルロースを含む溶液中に分散して、炭素粉末分散液を作製する分散液作製工程と、
    上記炭素粉末分散液に、ポリビニルアルコールとスチレンブタジエン共重合体よりなる群より選択された結着剤を添加し、更に攪拌することにより所定粘度に調整した表面塗布液を作製する塗布液作製工程と、
    上記表面塗布液を、水素吸蔵合金を主体とする電極本体の表面に塗布した後、乾燥して電極本体表面にアセチレンブラック層を形成する塗布乾燥工程と、
    を有することを特徴とする水素吸蔵合金電極の製造方法。
  2. 前記炭素粉末分散液の粘度が10〜200mPa・sであり、前記表面塗布液の粘度が50〜500mPa・sである、請求項1記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
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