JP3737894B2

JP3737894B2 - 機械室底板部の防振構造

Info

Publication number: JP3737894B2
Application number: JP31846198A
Authority: JP
Inventors: 輝樹飛沢; 睦加藤; 哲史中津
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1998-11-10
Filing date: 1998-11-10
Publication date: 2006-01-25
Anticipated expiration: 2018-11-10
Also published as: JP2000146409A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷蔵庫に係り、特に冷蔵庫底部に位置する蒸発板の振動低減に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図４は、従来の冷蔵庫の一部を破断して示す斜視図である。図において、１は冷凍サイクルにより生じる霜取水を蒸発させるための蒸発板、２は冷媒を圧縮する圧縮機、３は圧縮機２を取り付ける圧縮機取付板、５は冷凍サイクルの放熱パイプ、９は冷蔵庫の内箱、１０は冷蔵庫の外箱、１１は内箱９と外箱１０との間に設けた断熱材、１２は機械室前壁である。
【０００３】
圧縮機取付板３上に圧縮機２の振動を減衰する目的で、スプリングやゴム（図示しない）が取り付けられているが、これらだけでは圧縮機２の振動を充分に減衰できないため、圧縮機２の振動が圧縮機取付板３からこれら緩衝材を介して、圧縮機取付板３に接続された蒸発板１に伝わり、蒸発板１を共振させ、図５に示すような低次のモードの振動を発生させていた。
【０００４】
この対策として、例えば特許公報第２７１３５４５号には、蒸発板に補強板を固定し、蒸発板と補強板の接触部の摩擦により振動を減衰させることが開示されている。
図６、７は上記特許公報に示された圧縮機取付板と蒸発板を示す上面図、蒸発板の上面斜視図である。図において、４は蒸発板１と圧縮機取付板３を接続するためのビス、８は蒸発板１に両端部及び、両端部間を略１／４づつに分割する部分を溶接等により固定された平板状の補強板である。
【０００５】
このような従来の蒸発板では、溶接等により蒸発板１の低次の固有振動モードの節及び腹に相当する蒸発板１の補強板８の延伸方向の両端部及び、両端部間を略１／４づつに分割する部分が補強板８と確実に密着固定されることで、蒸発板１の高剛性化が図れると共に、蒸発板１と補強板８の溶接接合部間の接触部分の摩擦によるダンピング効果により振動が減衰され、蒸発板１の共振による冷蔵庫等の振動及び騒音の増加を防止することができる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の蒸発板では、部品点数が最低補強板８の分増加することとなり、補強板８の蒸発板１への固定方法によっては更に部品点数が増加し、また機械室底板部の組立てに要する時間及びコストが増加するという問題点があった。
【０００７】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、蒸発板を含む機械室底部を構成する部品点数を増加させることなく、また機械室底板部を構成する部品の加工、及び機械室底板部の組立てに要する時間を最小限に止め、かつ圧縮機運転時の振動による蒸発板の共振を防止し、冷蔵庫等の騒音を減少させることを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る機械室底板部の防振構造は、冷凍サイクルの圧縮機が固定された圧縮機取付板と、一辺を圧縮機取付板との接合部とし、複数の凸型ビードを平面部にわたって有する蒸発板と、この蒸発板に形成された係止部に取り付けられた冷凍サイクルの放熱パイプとを備え、複数の凸型ビードを放熱パイプに対して垂直方向に形成したことを特徴とする。
【０００９】
また、係止部は蒸発板の一部を切り起こして形成されたものである。
【００１０】
また、凸型ビードは蒸発板上側を凸とし、切り起こして形成された係止部は蒸発板下面に沿って設けられたものである。
【００１１】
また、凸型ビードは蒸発板下側を凸とし、切り起こして形成された係止部は蒸発板上面に沿って設けられたものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
実施の形態１．
以下、この発明の実施の形態１を図面を参照して説明する。
図１は実施の形態１による機械室底板部の斜視図、図２は実施の形態１による蒸発板上の放熱パイプ取付部の断面図、図３は実施の形態１による蒸発板上のビード形状を示した斜視図である。
図において、１は蒸発板でネジ４によって圧縮機２が支持される圧縮機取付板３に取り付けられる。５は放熱パイプで、蒸発板１下面に放熱パイプ５に沿って設けられた係止部である切り起し６によって固定されている。７は蒸発板１上側を凸とするビードで、蒸発板１と圧縮機取付板３の接合部に垂直な方向、かつ同接合部を８分割する位置に設けられている。
放熱パイプ５が固定された蒸発板１と圧縮機２が支持される圧縮機取付板３とにより機械室底板部が構成される。
圧縮機２は、その回転軸が蒸発板１と圧縮機取付板３の接合部に平行になるように圧縮機取付板３に固定される。
従って、ビード７は圧縮機２の回転軸に対して垂直な方向に設けられている。
【００１３】
但し、ビード７は蒸発板１と圧縮機取付板３の接合部を８分割する位置としたが、８分割に限定されるものではない。
また、ビード７は蒸発板１上側を凸とし、放熱パイプ５は蒸発板１下面に沿って設けられた切り起し６によって固定されるものを示したが、蒸発板１下側を凸とし、放熱パイプ５は蒸発板１上面に沿って設けられた切り起し６によって固定されるでもよい。
また、放熱パイプ５は蒸発板１に沿って設けられた切り起し６によって固定されるものを示したが、切り起し６以外の手段で固定してもよい。
【００１４】
蒸発板１上側を凸とするビード７を、蒸発板１と圧縮機取付板３の接合部に垂直な方向、かつ同接合部を８分割する位置に設けることにより、蒸発板１の剛性が上昇する。
【００１５】
蒸発板１上側を凸とするビード７を、蒸発板１と圧縮機取付板３の接合部に垂直な方向、かつ同接合部を８分割する位置に設けることにより、蒸発板１の固有振動数を変化させることができるため、蒸発板１と圧縮機２の共振点を圧縮機使用回転数の範囲外とすることができる。
【００１６】
更に、本実施の形態においては部品点数の増加を伴わず、蒸発板１自体のみの追加加工となるため、蒸発板１を含む機械室底部を構成する部品数が増加しない。
【００１７】
【発明の効果】
この発明に係る機械室底板部の防振構造は、蒸発板と圧縮機取付板との圧縮機の回転軸に平行な接合部に対して垂直方向の凸型ビードを蒸発板平面部にわたって形成したので、蒸発板の剛性が上昇するため、輸送時の部品の変形、またそれに伴う機械室底板部組立て時の不具合を防止することができる。
また、蒸発板の固有振動数を変化させることができるため、蒸発板と圧縮機との共振点が圧縮機使用回転数の範囲外となり、従来の構造で存在した圧縮機運転時の蒸発板の圧縮機との共振を防止し、それによる冷蔵庫等の騒音を減少させることができる。
また、部品数の増加を伴わず、蒸発板自体のみの追加加工となるため、蒸発板を含む機械室底部を構成する部品点数を増加させることなく、機械室底部の組立て方法は従来のままで行うことができる。
また、機械室底板部を構成する部品の加工、及び機械室底板部の組立てに要する時間を最小限に止めることができるため、機械室底板部の組立てが従来に比べ安価かつ容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施の形態１による機械室底板部の斜視図である。
【図２】実施の形態１による蒸発板上の放熱パイプ取付部の断面図である。
【図３】実施の形態１による蒸発板上のビード形状を示した斜視図である。
【図４】従来の冷蔵庫の一部を破断して示す斜視図である。
【図５】従来の冷蔵庫の蒸発板における振動モードを示す図である。
【図６】従来の圧縮機取付板と蒸発板を示す上面図である。
【図７】従来の蒸発板の上面斜視図である。
【符号の説明】
１蒸発板、２圧縮機、３圧縮機取付板、４ネジ、５放熱パイプ、６
切り起こし、７ビード。

Claims

冷凍サイクルの圧縮機が固定された圧縮機取付板と、
一辺を前記圧縮機取付板との接合部とし、複数の凸型ビードを平面部にわたって有する蒸発板と、
この蒸発板に形成された係止部に取り付けられた冷凍サイクルの放熱パイプと、
を備え、前記複数の凸型ビードを前記放熱パイプに対して垂直方向に形成したことを特徴とする機械室底板部の防振構造。
前記係止部は、前記蒸発板の一部を切り起こして形成されたことを特徴とする請求項１記載の機械室底板部の防振構造。
前記凸型ビードは前記蒸発板上側を凸とし、前記切り起こして形成された係止部は前記蒸発板下面に沿って設けられたことを特徴とする請求項２記載の機械室底板部の防振構造。
前記凸型ビードは前記蒸発板下側を凸とし、前記切り起こして形成された係止部は前記蒸発板上面に沿って設けられたことを特徴とする請求項２記載の機械室底板部の防振構造。