JP2001263235A5 - - Google Patents

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【発明の名称】圧縮機の支持構造及び冷凍冷蔵庫及び空気調和機及び除湿機
【特許請求の範囲】
【請求項1】圧縮機を複数のばねで支持する圧縮機の支持構造において、電極側のばねと配管側のばねを異なるばね定数にして共振を回避するようにしたことを特徴とする圧縮機の支持構造。
【請求項2】圧縮機を複数のばねで支持する圧縮機の支持構造において、
共振を起こして振動の大きい位置の前記ばねのばね定数を小さくし、共振を回避して前記圧縮機の振動を抑制したことを特徴とする請求項1記載の圧縮機の支持構造。
【請求項3】前記圧縮機を横型圧縮機で構成したことを特徴とする請求項2記載の圧縮機の支持構造。
【請求項4】請求項1または請求項2または請求項3記載の圧縮機の支持構造を有することを特徴とする冷凍冷蔵庫。
【請求項5】請求項1または請求項2または請求項3記載の圧縮機の支持構造を有することを特徴とする空気調和機。
【請求項6】請求項1または請求項2または請求項3記載の圧縮機の支持構造を有することを特徴とする除湿機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧縮機の支持構造に関するもので、更にその圧縮機の支持構造を搭載した冷凍冷蔵庫、空気調和機及び除湿機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は複数のばねが同一である従来の横型圧縮機の支持構造を示す図である。図において、1は横型圧縮機、2は横型圧縮機1のシェル、3は横型圧縮機1の吐出管、4は横型圧縮機1の吸入管、8はシェル2の内部に搭載されたモーター、9はシェル2に取付けられた電極側フットシェル、10はシェル2に取付けられた配管側フットシェルである。
【0003】
横型圧縮機1は、上ゴム6及び下ゴム7を介して、支持及び防振のためのばね5で支持されている。複数設けられたばね5は、全て同一である。横型圧縮機1のモーター8は、横型圧縮機1内の中央に位置していないため、横型圧縮機1から伝わる振動の大きさは、各々のばね5により異なり、全てのばね5が振動の低減に対し効果のあるばね定数であるとは限らず、横型圧縮機1の振動が大きくなる傾向があった。
【0004】
また、各々のばね5に異なる振動が伝わるにも関らず、各々のばね5が同一であり、各々が異なる挙動をし、横型圧縮機1が複雑に振動し、吐出管3、吸入管4に大きな振動が伝わり、吐出管3、吸入管4が大きく振動し、吐出管3、吸入管4に大きな応力がかかることがあった。
【0005】
横型圧縮機1は、シェル2を支持する電極側フットシェル9、配管側フットシェル10を有している。シェル2は配管側と電極側で形状が異なるため、電極側フットシェル9、配管側フットシェル10は形状が相異なる。
【0006】
電極側フットシェル9、配管側フットシェル10は、横型圧縮機1の加振に対し共振することがある。電極側フットシェル9、配管側フットシェル10は形状が異なるので、横型圧縮機1の同一の駆動周波数に対して、電極側フットシェル9が共振しても配管側フットシェル10は共振しない。逆も同様である。
【0007】
従って、横型圧縮機1を支持するばね5に伝わる振動の大きさや位相は取付位置によって相異なり、横型圧縮機1が複雑に振動し、大きい騒音の原因となったり、電極側フットシェル9、配管側フットシェル10に対して大きな振動が伝わり、電極側フットシェル9、配管側フットシェル10が大きく振動し、吐出管3、吸入管4に大きな応力がかかることがあった。
【0008】
図2は、例えば特開平3−134269号公報に示された複数のばねが異なる従来の横型圧縮機の支持構造を示す図である。ばね5a、5b、5c、5dのばね定数は、各々にかかる力の大きい順に大きくしてある。しかし、各々に伝わる力の大きさは考慮されていても、共振による振動を考慮しておらず、横型圧縮機1が共振した場合に振動及び配管応力の低減には効果がなかった。
【0009】
また、レシプロ圧縮機及び縦型ロータリー圧縮機においても、共振による振動を考慮しておらず、レシプロ圧縮機及び縦型ロータリー圧縮機が共振した場合に振動及び配管応力が大きくなる問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の圧縮機は、圧縮機を支持するばねを全てが同一にするか、又は各々のばねに伝わる力が大きい程、ばね定数を大きくするだけであったため、圧縮機が共振した場合に大きく振動して、圧縮機から大きい騒音が発生するという問題点があった。
【0011】
また、圧縮機の複雑な振動は、配管に大きな振動が伝わって配管が大きく振動し、配管に大きな応力がかかるという問題点があった。
【0012】
また、横型圧縮機は、レシプロ圧縮機及び縦型ロータリー圧縮機よりも顕著に対称性がないため、上記のような問題が起こりやすい。勿論、横型圧縮機及び縦型ロータリー圧縮機も完全な対称性はないため上記のような問題は起こる。
【0013】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、圧縮機の支持構造に関し、共振する圧縮機の部位に設けられているばねのばね定数を相対的に小さくすることにより、圧縮機の低振動化、低騒音化及び配管の損傷を抑制することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る圧縮機の支持構造は、圧縮機を複数のばねで支持する圧縮機の支持構造において、電極側のばねと配管側のばねを異なるばね定数にして共振を回避するようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、この発明に係る圧縮機の支持構造は、圧縮機を複数のばねで支持するものにおいて、共振を起こして振動の大きい位置のばねのばね定数を小さくし、共振を回避して圧縮機の振動を抑制したものである。
【0016】
また、圧縮機を横型圧縮機で構成したものである。
【0017】
この発明に係る冷凍冷蔵庫は、請求項1または請求項2または請求項3記載の圧縮機の支持構造を有するものである。
【0018】
この発明に係る空気調和機は、請求項1または請求項2または請求項3記載の圧縮機の支持構造を有するものである。
【0019】
この発明に係る除湿機は、請求項1または請求項2または請求項3記載の圧縮機の支持構造を有するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図面を参照して説明する。
図1は実施の形態1を示す図で、横型圧縮機の支持構造を示す図である。図において、1は横型圧縮機、2は横型圧縮機1のシェル、3は横型圧縮機1の吐出管、4は横型圧縮機1の吸入管、5eは電極側のばね、5fは配管側のばね、6は上ゴム、7は下ゴム、8はシェル2の内部に搭載されたモーター、9はシェル2に取付けられた電極側フットシェル、10はシェル2に取付けられた配管側フットシェルである。
【0021】
電極側のばね5e、配管側のばね5fは、異なるばね定数を有している。また、横型圧縮機1を搭載した状態で電極側のばね5e、配管側のばね5fの高さが全て同じになるように設定している。
【0022】
Oは横型圧縮機1の中心であり、Gは横型圧縮機1の重心である。横型圧縮機1は、l1を含む垂直面に対し対称でないため、重心Gは、中心Oと同一でない。またl2を含む垂直面に対しても対称でない。
【0023】
従って、電極側フットシェル9、配管側フットシェル10の形状は異なり、横型圧縮機1の駆動周波数に対し、電極側フットシェル9が共振しても、配管側フットシェル10は共振しない。
【0024】
電極側フットシェル9に取付けられている電極側のばね5eのばね定数を相対的に小さくすることにより、共振を回避し、横型圧縮機1の振動の低減ができる。振動は、振動ピックアップを用いて測定することができる。勿論、配管側フットシェル10が共振する場合も同様である。
【0025】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を図面を参照して説明する。
図2は実施の形態2を示す図で、横型圧縮機の支持構造を示す図である。図において、電極側のばね5hのばね定数を相対的に小さくしている。その他は図1と同様である。
【0026】
横型圧縮機1の駆動周波数に対し、横型圧縮機1が共振を起こし、電極側のばね5hが大きく振動するが、l1及びl2に対し横型圧縮機1は対称でないため、電極側のばね5h以外のばねは大きく振動しない。横型圧縮機1の共振により振動の大きくなる位置に設けられている電極側のばね5hのばね定数を相対的に小さくすることにより、振動が低減される。
【0027】
勿論、電極側のばね5h以外の位置において共振による振動が大きい場合も、その位置におけるばねのばね定数を相対的に小さくすることにより、同様に振動が低減される。
【0028】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を図面を参照して説明する。
図3は実施の形態3を示す図で、簡略的にレシプロ圧縮機を示した図である。図において、12はレシプロ圧縮機、13はレシプロ圧縮機12の圧縮部を示している。3はレシプロ圧縮機12の吐出管、4はレシプロ圧縮機12の吸入管、5iは電極側のばね、5jは配管側のばね、6は上ゴム、7は下ゴム、8はシェル2の内部に搭載されたモーター、9aはシェル2に取付けられた電極側フットシェル、10aはシェル2に取付けられた配管側フットシェルである。
【0029】
レシプロ圧縮機12の中心線に対しレシプロ圧縮機12は非対称である。従って、電極側フットシェル9aと配管側フットシェル10aの形状は相異なり、レシプロ圧縮機12の駆動周波数に対し、10aが共振しても電極側フットシェル9aは共振せず、電極側フットシェル9aのみが大きく振動する。大きく振動する配管側フットシェル10aに設けられている配管側のばね5jのばね定数は、電極側のばね5iのばね定数よりも小さくすることにより、振動が低減される。
【0030】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を図面を参照して説明する。
図4は実施の形態4を示す図で、冷凍冷蔵庫を機械室側から見た図である。図において、14は冷凍冷蔵庫で、機械室に実施の形態1または実施の形態2に記載の圧縮機の支持構造を有する横型圧縮機1が搭載されている。
【0031】
実施の形態1または実施の形態2に記載の圧縮機の支持構造を有する横型圧縮機1が搭載されているものを示したが、実施の形態3に記載のレシプロ圧縮機12でもよい。
【0032】
本実施の形態によれば、低騒音、かつ圧縮機の振動による配管の損傷のしにくい冷凍冷蔵庫を提供することができる。
【0033】
上述の実施の形態では、冷凍冷蔵庫に実施の形態1〜3に記載の圧縮機を搭載したものを示したが、冷凍冷蔵庫に限らず、空気調和機、除湿機等に搭載しても同様の効果が得られる。
【0034】
【発明の効果】
この発明に係る圧縮機の支持構造は、圧縮機を複数のばねで支持する圧縮機の支持構造において、電極側のばねと配管側のばねを異なるばね定数にして共振を回避するようにした。
【0035】
また、この発明に係る圧縮機の支持構造は、圧縮機を複数のばねで支持するものにおいて、共振を起こして振動の大きい位置のばねのばね定数を小さくし、共振を回避して圧縮機の振動を抑制したことにより、騒音を低減し、また、圧縮機の配管の振動を小さくし、配管にかかる応力を低減することができる。
【0036】
また、圧縮機を横型圧縮機で構成したことにより、対称性に乏しく部分的な共振を起こしやすい横型圧縮機の振動を小さくすることによって、騒音を低減し、また、横型圧縮機の振動を小さくし、配管にかかる応力を低減することができる。
【0037】
この発明に係る冷凍冷蔵庫は、請求項1または請求項2または請求項3記載の圧縮機の支持構造を有することにより、低騒音かつ圧縮機の振動による配管の損傷のしにくい冷凍冷蔵庫を提供することができる。
【0038】
この発明に係る空気調和機は、請求項1または請求項2または請求項3記載の圧縮機の支持構造を有することにより、低騒音かつ圧縮機による配管の損傷のしにくい空気調和機を提供することができる。
【0039】
この発明に係る除湿機は、請求項1または請求項2または請求項3記載の圧縮機の支持構造を有することにより、低騒音かつ圧縮機による配管の損傷のしにくい除湿機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1を示す図で、横型圧縮機の支持構造を示す図である。
【図2】実施の形態2を示す図で、横型圧縮機の支持構造を示す図である。
【図3】実施の形態3を示す図で、レシプロ圧縮機の支持構造を示す図である。
【図4】実施の形態4を示す図で、冷凍冷蔵庫を示す図である。
【図5】従来の複数のばねが同一である横型圧縮機の支持構造を示す図である。
【図6】従来の複数のばねが異なる横型圧縮機の支持構造を示す図である。
【符号の説明】
1 横型圧縮機、2 シェル、3 吐出管、4 吸入管、5e,5h,5i 電極側のばね、5g,5j 配管側のばね、6 上ゴム、7 下ゴム、8 モーター、9,9a 電極側フットシェル、10,10a 配管側フットシェル、11 アキュムレーター、12 レシプロ圧縮機、13 圧縮部、14 冷凍冷蔵庫。
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