JP3737562B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やプリンタなどの画像形成装置に係り、特に、色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液に静電気力を作用させ、色剤粒子を飛翔させて画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真の分野では、感光体上にトナー像を形成し、このトナー像を転写紙上に転写してからその後定着することにより画像の形成が行われる。中には特開平2−181166号に見られる如く、三角形に張設されたベルト状のトナー像担持体にトナー像を形成し、このトナー像を用紙上に転写すると同時に定着するようにした技術もある。
しかしこのような記録技術は粉体トナーを必要とし取扱いが不便であったり、装置が大型化し易いため、パーソナル機器には採用しにくいのが現状である。
このため、電子写真とは別分野の記録技術であるインクジェット記録技術を用いたプリンタ等が普及している。しかし従来のインクジェットプリンタでは、染料性記録液を用いていることから、画像の保存性および耐光性が悪い、等の問題があった。
【0003】
これに対し、既に、色剤として顔料粒子の使用を可能とし、染料性記録液の上記問題点を解決した画像形成装置がWO93/11866号公報に開示されている。この装置は、導電性の記録液供給チューブを具備し、この記録液供給チューブに所定の電圧を印加することにより、記録液供給チューブとこの先端に対向する対向電極との間に所定の電界を形成する。そして、記録液供給チューブの電位と同極性に帯電した色剤粒子を含む記録液が記録液供給チューブに供給される。尚、記録液供給チューブの先端と対向電極との間には記録媒体が介在され、所定方向に搬送されるようになっている。
【0004】
記録液内の色剤粒子は、記録液供給チューブの先端と対向電極との間に形成された電界の影響により、記録液供給チューブの先端近傍の吐出ポイントで、対向電極から静電吸引力を受け、記録液供給チューブの先端近傍に半円球状のインクメニスカスが形成される。しかし、記録液の溶媒の表面張力により色剤粒子はインクメニスカスから飛翔することができず、インクメニスカスの先端に留まる。この様にして、多くの色剤粒子がインクメニスカスの先端に集まり、凝集物となる。
【0005】
記録媒体を所定方向に搬送して記録液供給チューブに印加する電圧を更に上げると、記録液供給チューブの先端から対向電極に向う電界が強められ、記録液の溶媒の表面張力よりも凝集物に作用する静電吸引力が勝り、インクメニスカスから凝集物が分離し、対向電極との間に介在された記録媒体に向けて飛翔される。そして、インクメニスカスから飛翔された色剤粒子の凝集物により記録媒体上に所定の画像が形成される。
【0006】
上述の飛翔原理に基づく画像形成装置では、染料性記録液を用いた従来のインクジェット記録のような飛翔小滴サイズを決定するノズルがないため、顔料粒子を用いることができる。このため、従来のインクジェットプリンタの問題点であった、画像の保存性、耐光性等の問題が解決される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の画像形成装置においては、記録媒体が記録液供給チューブの先端と対向電極との間で搬送されるため、記録液供給チューブの先端と対向電極との間に、記録媒体がスムーズに通過できる程度の所定のギャップを設ける必要がある。両者の間に十分なギャップがないと、記録媒体の接触等による画像不良を生じる場合がある。
【0008】
このように、従来の画像形成装置においては、記録液供給チューブの先端と対向電極との間に所定のギャップを設ける必要があることから、色剤粒子の凝集物を飛翔させるための電界を形成するには、記録液供給チューブに比較的高い電圧を印加する必要がある。従って、記録液供給チューブに高電圧を印加する必要があることから、記録液供給チューブを駆動する駆動回路の集積化が困難となり、装置の製造コストが高価になる問題がある。
【0009】
また、両者の間のギャップは、使用する記録媒体の厚さに応じて設定されるため、ギャップをできるだけ狭くして記録電圧を低く抑えるためには比較的薄い記録媒体を使用しなければならず、記録媒体の選択の自由がないといった問題がある。
【0010】
一方、両者の間のギャップを一定とし、厚さや電気抵抗の異なる記録紙Pを用いると、記録液供給チューブに一定の電圧を印加した場合であっても対向電極との間に形成される電界の強度が変化してしまい、安定した画像形成ができない問題がある。
【0011】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、大量且つ安価に製造でき、記録媒体の選択の自由度が高く、安定した画像形成ができる画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る画像形成装置は、像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、前記電極の先端部に向けて、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記記録液中の色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、前記像担持体に向けて記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段にて搬送された記録媒体上に前記像担持体上に形成された画像を転写する転写手段と、を備えている。
【0013】
また、この発明の画像形成装置は、所定方向に走行される像担持体と、前記像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、前記電極の先端部に向けて、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記先端部から前記像担持体に向う所定の電界を形成し、前記記録液内の色剤粒子に所定の静電気力を作用させ、前記色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体に向けて飛翔させ、前記像担持体上に所定の画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段にて前記像担持体上に形成され前記像担持体の走行に従って所定方向に搬送される画像と同期をとって、前記像担持体に隣接した所定の転写位置へ記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段にて前記転写位置へ搬送された記録媒体上に前記像担持体上に形成された画像を転写する転写手段と、を備えている。
【0014】
上記画像形成装置によると、電極の先端部へ供給された記録液内の色剤粒子が像担持体に向けて飛翔され、像担持体上に所定の画像が形成される。この画像は、像担持体の走行に従って所定の転写位置へ移動され、ここで、同期をとって搬送された記録媒体上に転写される。つまり、本発明の画像形成装置によると、像担持体上に一旦画像を保持し、この画像を転写位置に移動して記録媒体上に転写している。
【0015】
従って、本発明によると、従来のインクジェットプリンタのように色剤粒子を記録媒体上に直接飛翔させて画像を形成することがないので、色剤粒子が飛翔される電極先端部と像担持体との間に記録媒体を介在させる必要がなく、両者の間のギャップを極めて小さくできる。これにより、色剤粒子を飛翔させるための電界の強度を小さくすることができ、記録電圧を極めて低くすることができ、記録電圧を印加するための駆動回路の高集積化が可能となり、装置の製造コストを低減できる。
【0016】
また、本発明によると、電極先端部と像担持体との間で記録媒体を搬送する必要がないため、記録媒体を自由に選択することができる。更に、先端部と像担持体との間で記録媒体を搬送する必要がないため、両者の間で安定した電界を形成でき、安定した画像形成が可能となる。
【0017】
また、前記像担持体は、金属ベルト上にシリコン樹脂、シリコンゴム、フッ素樹脂、或いはポリイミドを被覆したベルトである。
また、この発明の画像形成装置は、像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、前記電極の先端部に向けて、熱溶融性を有する帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記記録液中の色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、前記像担持体に向けて記録媒体を搬送する搬送手段と、前記像担持体上の画像を加熱することにより、前記画像を溶融させ、前記記録媒体上に前記像担持体上の画像を転写するとともに、この転写された画像を前記記録媒体上に定着する加熱手段と、を備えている。
【0018】
また、この発明の画像形成装置は、所定方向に走行される像担持体と、前記像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、前記電極の先端部に向けて、熱溶融性を有する帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記先端部から前記像担持体に向う所定の電界を形成し、前記記録液内の色剤粒子に所定の静電気力を作用させ、前記色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体に向けて飛翔させ、前記像担持体上に所定の画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段にて前記像担持体上に形成され前記像担持体の走行に従って所定方向に搬送される画像と同期をとって、前記像担持体に隣接した所定の転写位置へ記録媒体を搬送する搬送手段と、前記像担持体上の画像を加熱することにより、前記画像を溶融させ、前記記録媒体上に前記像担持体上の画像を転写するとともに、この転写された画像を前記記録媒体上に定着する加熱手段と、を備えている。
【0019】
また、前記像担持体は、金属ベルト上にシリコン樹脂、シリコンゴム、フッ素樹脂、或いはポリイミドを被覆したベルトである。
また、この発明の画像形成装置は、像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、前記電極の先端部に向けて、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記記録液中の色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、前記像担持体に向けて記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段にて搬送された記録媒体上に前記像担持体上に形成された画像を静電的に転写する転写手段と、を備えている。
【0020】
更に、この発明の画像形成装置は、像担持面を有し、この像担持面を外側にして一定速度で無端走行されるベルト状の像担持体と、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を、前記像担持面から所定距離離間した複数の吐出位置へ供給する供給手段と、前記複数の吐出位置それぞれに先端部を有する複数の電極と、前記各吐出位置から前記像担持面に向けてそれぞれ突設され、前記供給手段にて各吐出位置へ供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスをそれぞれ形成する高抵抗材料からなる複数の突起と、前記各吐出位置間で前記像担持面に向けて突設され、前記供給手段にて前記各吐出位置へ供給された記録液を仕切るための複数の隔壁と、前記供給手段にて前記各吐出位置へ供給された記録液を回収する回収手段と、隣接した前記隔壁間に設けられ、前記供給手段にて前記各吐出位置へ供給された記録液を前記回収手段へ導くための複数の回収路と、画像信号に応じて選択された電極に電圧を印加することにより当該電極の先端部から前記像担持面に向う電界を形成し、前記選択された電極の先端部を有する吐出位置において前記突起の先端近くに前記記録液内の色剤粒子を凝集し、凝集した色剤粒子を前記像担持面に向けて飛翔させ、前記像担持体上に画像信号に応じた画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段にて前記像担持面上に形成され前記像担持体の走行に従って所定方向に搬送される画像と同期をとって、前記像担持面に隣接した所定の転写位置へ記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段にて前記転写位置へ搬送された記録媒体上に前記像担持面上の画像を転写する転写手段と、を備えている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に示すように、この発明の画像形成装置としてのインクジェットプリンタ1は、ハウジング2を備えている。ハウジング2内の略中央の所定位置には、図中矢印a方向に無端走行されるベルト3が設けられている。
【0022】
このベルト3の像担持面としての外周面3a上には、後述する記録装置10によりカラー画像が形成されるようになっている。ベルト3の外周面3a上に形成された画像は、ベルト3の移動とともに所定の転写位置へ移動され、この転写位置で、同期をとって搬送された記録紙P(記録媒体)上に転写される。つまり、ベルト3は、記録装置10による画像を一旦保持するとともに、保持した画像を記録紙P上に転写する中間像担持体として作用する。尚、ベルト3の幅は、少なくとも記録紙Pの幅を上回る大きさに設定されている。
【0023】
以下、インクジェットプリンタ1の各構成要素について説明する。ベルト3は、それぞれハウジング2内の所定位置に配設された3つのローラ4、5、6に巻回されて張設されている。ローラ4は、画像を転写する転写位置でベルト3を介して転写ローラ15(後述する)に転接されるように位置決めされ、ローラ5、および6は、ローラ5、6間のベルト3が略水平な面内を走行するように位置決めされている。そして、図示しないモータによりローラ4、5、6を回転することにより、ベルト3が図中矢印a方向に一定速度で走行されるようになっている。
【0024】
ここで、上記ベルト3について詳細に説明する。ベルト3は、図2(A)に示すように、適度な粗さの表面を有する金属、シリコン樹脂、シリコンゴム、ポリフッ化エチレン等のフッ素樹脂、またはポリイミド等の単体により形成され、或いは、図2(B)に示すように、ステンレス等の金属ベルト3b上に上述した樹脂やゴムを所定の厚さで被覆して形成されている。ベルト3の外周面3aは、後述する記録液に対する剥離性に優れているとともに耐熱性に優れた材料により形成されている。また、ベルト3は、後述する記録ヘッドとの間のギャップを高精度に保つため、耐摩耗性に優れた丈夫な材料により形成されている。
【0025】
図2(B)に示すように金属ベルト3b上に樹脂やゴムなどを被覆したベルト3では、その被覆層3cの厚さは、ベルト3上に保持した記録液の剥離性、転写時にかかる圧力の均一化、および要求される耐摩耗寿命などを考慮して適切な厚さに設定されるが、例えば、シリコンゴムを被覆する場合には、層厚を50〜200μm程度に設定することが好ましい。
【0026】
いずれにしても、ベルト3の外周面3aに絶縁性の材料を用いると、摩擦帯電等により静電気を帯びることが考えられる。このように、ベルト3に静電気を帯びると、画像形成時の電界に乱れを生じて画像不良を引き起こす場合がある。このため、ベルト3に絶縁性の材料を用いる場合には、カーボン、酸化亜鉛、酸化チタン等の導電性フィラーを混入して材料の電気抵抗を下げることが望ましい。また、コロナ帯電装置などによりベルト3の帯電電位を制御すれば、導電性フィラーを混入していない絶縁性の材料を用いることもできる。
【0027】
上述したベルト3の下方の所定位置には、ベルト3の外周面3a上に画像信号に応じたカラー画像を形成するための画像形成手段としての記録装置10が配設されている。記録装置10は、ベルト3の走行方向に沿って並んで設けられた4つの記録ユニット30a、30b、30c、30d(後に詳述する)を有している。これらの記録ユニットは、記録する記録液の種類(黒、シアン、マゼンタ、イエロー)に応じて用意され、各記録ユニットの上端からは後述する記録ヘッドの先端が突出されている。これらの各記録ヘッドの先端は、ローラ5、6間を走行するベルト3の下方に所定距離離間した吐出位置に設けられている。
【0028】
各記録ユニット30a、30b、30c、30dには、詳細には後述するが、絶縁性液体(キャリアー液)中に、帯電した色剤粒子(以下、トナーと称する)を分散してなる黒、シアン、マゼンタ、イエローの記録液がそれぞれ収容されており、図示しない信号源から色分解された画像信号が各記録ユニットに入力されると、それぞれ色分解された画像信号に応じて各記録ヘッドの先端からベルト3に向かう電界が形成され、ベルト3の外周面3a上にトナーが飛翔されて各色毎の画像が形成されるようになっている。この場合、図示しない同期手段によりそれぞれ色分解された4つの画像がベルト3の外周面3a上で正確に重ねられて1つのカラー画像が形成されるようになっている。尚、各記録ユニットは、収容した記録液の色が異なるだけで同一の構成を有している。よって、以下の説明では、単に記録ユニット30として説明する。
【0029】
ベルト3の内側、即ち記録装置10と反対側には、各記録ヘッドとの間で所定の電界を形成するための接地された電極板8が設けられている。電極板8には、必要に応じて図示しない電源により所定の電圧が印加されるようになっている。また、電極板8は、ベルト3と略平行且つ近接して設けられ、ベルト3の振動を抑制してベルト3と記録ヘッド先端との間の間隙を一定に保つように機能する。
【0030】
この電極板8は、ベルト3を導電性の材料により形成することにより、必ずしも設ける必要はない。つまり、ベルト3を導電性とし、必要に応じてベルト3を巻回したローラ4、5、6のいずれか1つを電極として機能させれば、電極板8がなくてもベルト3と記録ヘッドとの間に所定の電界を形成できる。
【0031】
ベルト3の図中右側には、複数枚の記録紙Pを集積した給紙カセット12a、12bが設けられている。各給紙カセット12a、12b内には、それぞれ異なる大きさの記録紙Pが収容され、各給紙カセット12a、12bは、その先端がハウジング2内に位置し後端がハウジング2外に位置するようにプリンタ1のハウジング2に装着されている。各給紙カセット12a、12bの先端に隣接した位置には、各給紙カセット12a、12b内に集積した最上端の記録紙Pの先端近くにに転接し、最上端の記録紙Pから順に一枚づつ取出すための給紙ローラ11、13がそれぞれ設けられている。
【0032】
給紙ローラ11、13の下流側の記録紙Pのそれぞれの搬送路上には、記録紙Pの各面に対向して配置された一対の搬送ガイド11a、11b、および13a、13bが設けられている。また、搬送ガイド11a、11b、13a、13bの下流側には、各搬送ガイドを介して搬送された記録紙Pを挟持してローラ4と転写ローラ15との間の所定の転写位置へ向けて搬送する一対の搬送ローラ14a、14bが設けられている。
【0033】
ローラ4に転接された転写ローラ15は、上記ベルト3と同様に、剥離性および耐熱性に優れた材料により形成されており、例えば従来の電子写真装置に用いられているものを転用できる。転写ローラ15内には、70℃〜100℃に加熱されるヒータ15aが設けられている。ヒーター15aは、記録装置10により記録紙P上に形成されたトナー像を溶融または軟化できる程度に転写ローラ15を所定の温度に加熱するようになっている。尚、ヒーター15aは、ローラ4内に設けられても良い。
【0034】
しかして、ローラ4および転写ローラ15の間を通過されてヒーター15aにより溶融または軟化されたベルト3上のトナー像は、ローラ4と転写ローラ15との間で記録紙Pに圧着され、記録紙P上にトナー像が転写、定着されるようになっている。つまり、ベルト3の外周面3aが剥離性の高い材料により形成され、記録紙Pの方がトナーに対する粘着力が強いため、ベルト3の外周面3a上に形成されたトナー像は略完全に記録紙P上に転写される。
【0035】
尚、上述したヒーター15aを設ける代りに、転写ローラ15にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することにより、従来の電子写真技術による静電転写方式のように、ベルト3上に形成されたトナー像を記録紙P上に転写することができる。この場合、転写ローラ15に印加する電圧は、500〜1000ボルト程度でよい。
【0036】
転写ローラ15の下流側の搬送路上には、ローラ4と転写ローラ15との間を通過されてトナー像が転写された記録紙Pを挟持して搬送する一対の搬送ローラ16a、16bが設けられ、搬送ローラ16a、16bの更に下流側には、記録紙P上に転写定着されたトナーを乾燥するためのヒーター板17が設けられている。
【0037】
ヒーター板17は、記録紙P上に転写された画像を乾燥するために設けられているが、転写ローラ15に所定の電圧を印加してトナー像を転写する静電転写方式を採用する場合には、このヒーター板17の温度を100℃程度に高めて記録紙P上に転写したトナー像を定着させることが必要となる。
【0038】
ヒーター板17の上方を通過される記録紙Pは、ヒーター板17のごく近くを非接触で通過される。ヒーター板17の下流には記録紙Pを挟持してハウジング2外へ排出する一対の排紙ローラ18a、18bが設けられている。排紙ローラ18a、18bの下流側であって、ハウジング2の図中左側側面には、排紙ローラ18a、18bを介してハウジング2外へ排紙された記録紙Pを載置する排紙トレー19が突設されている。
【0039】
しかして、記録装置10により形成された画像の移動に同期して、給紙ローラ11または13により所定の給紙カセット12から取り出された記録紙Pは、搬送ガイド11または13、および搬送ローラ14を介してローラ4と転写ローラ15との間の転写位置へ送り込まれる。このようにトナー像と同期して転写位置へ送り込まれた記録紙Pは、ベルト3と同じ速度で移動され、転写ローラ15を通過することによりトナー像が転写され、搬送ローラ16および排紙ローラ18を介して排紙トレー19上に排紙される。この際、トナー像が転写された記録紙Pは、ヒーター板17を通過され、トナーに付着したキャリア液が十分に乾燥される。
【0040】
上記転写ローラ15の上方には、転写ローラ15を包囲するようにダクト21が設けられ、上記ヒーター板17の上方には、ヒーター板17を包囲するようにダクト22が設けられている。各ダクト21、22は、加熱により発生したキャリア液のガスを収集し、このガスを分解する分解装置24に送り込むようになっている。この分解装置24は、自動車の排気ガスを分解する触媒装置と同様に機能し、ガスを水と炭酸ガスとに分解して排出し、臭いの発生を防止するようになっている。
【0041】
転写ローラ15の外周面上には、トナーが転写ローラ15の外周面に付着した場合にトナーを掻き落とすためのシリコン樹脂から成るクリーニングブレード23が外周面に対して鋭角に当接するように配置されている。
【0042】
ローラ6の下方には、ベルト3に付着したトナーを拭き取るための拭き取り装置25が設けられている。拭き取り装置25は、ローラ6に転接されて配置され、記録液内のキャリア液を含浸させたフェルトやブラシを有し、このようなフェルトやブラシによりベルト3を摺擦することによりベルト3の表面に付着したトナーを拭き取るようになっている。
【0043】
また、拭き取り装置25と記録装置10との間には、ベルト3の外周面3aに向けて温風を吹き付けるためのドライヤー26が配設されている。つまり、拭き取り装置25によりトナーが清掃されると、ベルト3の外周面3a上にキャリア液による濡れが僅かに生じる。ベルト3の濡れの度合が高いと、次に画像を形成した場合にベルト3の外周面3a上で滲みや流動による画像不良を生じる場合がある。このため、次の記録動作に備えてベルト3を十分に乾燥させる必要がある。
【0044】
次に、上述した記録ユニット30について詳細に説明する。
図3は、記録ユニット30の詳細を示してある。記録ユニット30は、中間記録媒体としてのベルト3の下方に対向して配設されたヘッドユニット40と、ヘッドユニット40へ循環させる記録液を収容した記録液タンク32と、を備えている。尚、ここで用いる記録液は、絶縁性のキャリア液に帯電したトナーを分散して成る。トナーとしては、上述した4色(黒、シアン、マゼンタ、イエロー)がある。
【0045】
ヘッドユニット40は、ベルト3の下方で鉛直下方に延びて配置された略直方体形状の記録ヘッド42(後に詳述する)を有している。記録ヘッド42は、ベルト3の下方に所定距離離間して対向した上端42aを有し、この上端42aの長手軸が記録紙Pの搬送方向を横切るように、即ちベルト3の走行方向を横切るように配置されている。尚、本実施の形態においては、記録ヘッド42の上端42aは、ベルト3の下面から0.1乃至3mm離間して配置されている。記録ヘッド42の上端42aとベルト3の下面との間の距離は、記録ヘッド42に印加する後述する記録電圧の大きさに応じて決定される。
【0046】
記録ヘッド42の上端42a近くには、その長手軸方向に並んで設けられた複数の開口が形成されている。記録ヘッド42の内部には、記録ヘッド42の下端42b近くから上記各開口に向けてそれぞれ独立して記録液を流通させるための複数の記録液供給路43が形成されている。各記録液供給路43は、互いに平行且つ鉛直方向に延びて設けられている。
【0047】
また、ヘッドユニット40は、記録ヘッド42の側面および下面側を包囲するガイド部材44を有している。ガイド部材44は、記録ヘッド42を所定位置に支持するとともに、記録ヘッド42の外壁との間で、記録液回収路45を形成している。つまり、記録ヘッド42へ供給された記録液は、各記録液供給路43を介して記録ヘッド42内を上昇されて上端42aの各開口から溢れる。そして、各開口から溢れた余剰記録液が記録ヘッド42の外周壁に沿って流れ落ち記録液回収路45を介して回収されるようになっている。
【0048】
ガイド部材44の下方であって記録液回収路45に連通した空間には、回収した余剰記録液を通過させて記録液内の異物を除去するためのフィルター46が設けられている。尚、フィルター46は、記録液内のトナーの流通に支障のない程度の目開きを有している。
【0049】
更に、ヘッドユニット40は、記録ヘッド42内の各記録液供給路43の内面に沿ってそれぞれ設けられ、その先端部eをベルト3から所定距離離間させて配置された複数の電極41を有している。各電極41は、所定の記録電圧を画像信号に応じて選択的に印加するための駆動回路48にそれぞれ接続されており、駆動回路48内の電源77(後述する)から適当な大きさの電圧が印加される。
【0050】
ヘッドユニット40の図中右側には、記録液を収容した記録液タンク32が設けられている。ヘッドユニット40と記録液タンク32との間には、記録液タンク32内に収容した記録液を記録ヘッド42内の記録液供給路43へ供給するための記録液供給管34が接続されている。記録液供給管34の途中には、記録液タンク32内の記録液を所定の流量および圧力で汲上げるためのポンプP1が設けられている。
【0051】
また、ヘッドユニット40と記録液タンク32との間には、記録液回収路45を介して回収されてフィルター46を通過された余剰記録液を記録液タンク32へ回収するための記録液回収管36が接続されている。記録液回収管36の途中には、記録ヘッド42の先端から溢れた余剰記録液を記録液タンク32へ送り込むためのポンプP2が設けられている。尚、ポンプP1、記録液供給管34、および記録液供給路43は、この発明の供給手段として作用し、記録液回収路45(ガイド部材)、記録液回収管36、およびポンプP2は、この発明の回収手段として作用する。
【0052】
記録液タンク32内には、記録液タンク32内に収容された記録液の光学的透過率を測定して記録液のトナー濃度を測定する濃度測定装置31と、所定の濃度を有するトナーを収容したトナー収容室33と、キャリア液を収容したキャリア液収容室35と、記録液タンク32内に収容された記録液を攪拌する攪拌装置37と、が設けられている。
【0053】
トナー収容室33には、濃度測定装置31により測定されたトナー濃度に応じて、消費されたトナーを記録液内に補給するトナー供給機33aが設けられ、キャリア液収容室35には、記録液内に不足したキャリア液を補給するキャリア液供給機35aが設けられている。よって、記録液タンク32内の記録液は、常時攪拌されるとともに、そのトナー濃度が常時監視されて所定の値に調整されるようになっている。
【0054】
上記のように構成された記録ユニット30内で記録液を循環させる場合、まず、ポンプP1により記録液タンク32から汲み上げられた記録液が、記録液供給管34を介して記録ヘッド42内の複数の記録液供給路43へ供給される。各記録液供給路43へ供給された記録液は、それぞれ記録液供給路43内を上昇されて記録ヘッド42の上端42aの開口から溢れる。この際、記録ヘッド42の上端42a付近には、各記録液供給路43の開口に対応した複数のインクメニスカス47が形成される。記録ヘッド42の上端42aの開口から溢れた余剰記録液は、記録液回収路45を通って下方に流れ、フィルター46へ導かれる。フィルター46を通過した記録液は、異物が除去された後、ポンプP2により吸引され、記録液タンク32へ回収される。
【0055】
ここで、上記記録液タンク32内に収容された記録液の成分について説明する。記録液は、帯電された色剤粒子としてのトナーを絶縁性液体としてのキャリア液内に2〜10重量%程度の比率で分散させて構成されている。
【0056】
キャリア液は、電気抵抗率が少なくとも109 オーム・センチ以上、好ましくは絶縁性の液体であるイソパラフィン系溶媒(例えば、1011〜1013程度の電気抵抗を有するアイソパーG、H、K、L、M(エッソ石油)、ノーパー12(エクソン)等)やシリコンオイル、ヘキサン、ペンタン、オクタン等の有機溶媒からなる分散媒である。尚、上記電気抵抗率は、ヒューレットパッカード社製プレシジョンLCRメータ4284A;測定ヘッドとして、リキッドテストフィクスチャー16452Aを使用して測定した。
【0057】
トナーは、0.01〜5μm程度の粒子径を有し、キャリア液中で所定の電位(ここでは正電位)に帯電させるためのオクチル酸ジルコニウムやオクチル酸リチウム等の帯電付与のための金属石鹸や着色成分等を含有させた熱可塑性樹脂粒子である。
【0058】
上記記録液は、基本的には電子写真等で用いられている液体現像剤と同じであるが、液体現像剤より電気抵抗の高いものが要求される。つまり、記録液の電気抵抗が低い場合には、帯電したトナーのみに電界が作用しなくなり、卜ナーの分離作用が弱くなくなるという致命的故障が生じる。また、記録液の電気抵抗が低いと、従来の静電気式インクジェットと同様にキャリアー液そのものに通電されてしまうため、記録液全体が帯電してトナーとキャリアー液との区別も無く全部吐出してしまい、本発明の効果は全く失われてしまう。このため、より高い電気抵抗を有する記録液が必要とされるのである。
【0059】
電気抵抗を不所望に低下させる要因としては、一般にトナー分散、あるいは帯電性改良の為に添加するナフテン酸、オクチル酸、あるいはステアリン酸等の金属石鹸(例えば、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸ジルコニウム)や、各種界面活性剤などを付加することが考えられる。これらは一般に記録液の電気抵抗を低下させる為、極力微量にするための工夫が必要である。
【0060】
本実施の形態の記録装置10に用いて良好な記録特性(記録液中から主にトナーのみが分離されて吐出する状態を良好と呼ぶ)が得られる記録液の電気抵抗は、108 オーム・センチ以上であり、この程度の電気抵抗で通常の記録紙P上での流動や滲みが軽減し、1010オーム・センチ以上の電気抵抗では更に画像の輪郭の鮮鋭度が一層改善される。このことから、記録液の電気抵抗は極力高い事が望ましいことが分かる。
【0061】
記録液としてこのような高い電気抵抗を得るためには、トナーを分散する前のキャリアー液の電気抵抗としては更に高いものが必要である。上述した添加剤の影響を考慮するとキャリアー液の電気抵抗は1010オームセンチ以上は必要である。この程度の電気抵抗を有するキャリア液にトナーを分散するために上記添加剤を必要最小限加え、略108 オームセンチ程度の電気抵抗に低下する。ここでいう必要最小限とは、トナーの帯電や分散安定性等の評価から実用上問題のないレベルを維持するのに必要な、という意味であり、具体的な値は用いる材料により異なる。したがって、元になるキャリア液の電気抵抗が高いほど記録液の調合の際の分散助剤や帯電制御剤の使用の自由度が増す。
【0062】
このように、記録液の構成成分としては基本的に電子写真等で用いられている液体現像剤と同じであるが、キャリア液の電気抵抗はこれらより高いものが要求される。従って、本発明の目的に合わせて記録液内の導電成分を減量する必要がある。
【0063】
本発明で用いる記録液としては、樹脂と着色剤、帯電制御剤を熱混練し、冷却後所望の粒子径に粉砕して得たトナー微粒子を少量の分散助剤で被覆処理し、必要により少量の膨潤性溶剤等を加えて、キャリアー液中に分散したものが、電気抵抗の高い記録液を作るのに適している。
【0064】
また、本発明の記録方式(後に詳述する)では、中間像担持体としてのベルト3の外周面3a上にトナーを選択的に飛翔して外周面3a上に画像を形成するため、従来の電子写真のように像担持体(感光体)の全面が記録液で濡らされることがない。このため、本発明の記録方式ではいわゆる「かぶり」が全く生じないので、従来の電子写真技術に用いる記録液と比較してトナー濃度を高めに設定することができる。これにより、トナーの分散安定性を考慮した記録液の濃度設定が可能となり、トナーの分散安定性を高めることができ、沈殿や凝集を生じ難くすることができる。
【0065】
キャリア液中にトナーを分散させた記録液では、従来の乾式トナーと比較してトナーが凝集し難いため、より軟化温度の低い樹脂を用いることができ、転写ローラ15の温度を低くすることができる。尚、本実施の形態においては、ベルト3の走行速度を90mm/sに設定した場合、転写ローラ15の表面温度を80℃に設定すれば良好な転写ができる。また、この転写温度は、従来の乾式トナーの定着温度(170℃以上)より低いものである。
【0066】
また、本発明の記録方式によると、電気的反発力を利用してトナーを吐出させるため、トナーの帯電量も安定していることが要求され、ゼータ電位として測定した場合、トナーの帯電量は60ミリボルト以上有ることが好ましい。尚、ゼータ電位の測定には、米国PEN KEM社のレーザージーメータ M−501を使用した。
【0067】
一方、トナーの粒子径については、大きいものが電気泳動速度が速く適している反面、沈殿を起こしやすいという不利益を有している。トナーの吐出に関して平均粒径が0.01マイクロメートル以下ではキャリアー液との分離か困難となる為と思われる滲みを伴う画像が生じた。液体を全く吸収しない、例えば金属面に記録しても滲みや流動を生じない為には、トナー粒径としては、0.1マイクロメートル以上有ることが好ましい。また、大きい粒子は記録装置における沈殿防止機構にも依存するが、およそ5マイクロメートルを越えるものは、極めて短時間で沈殿するため、用いるのは困難になる。つまり、トナーの粒子径は、装置に合わせて適宜選択する必要がある。例えば、間欠的に使うものであれば、4マイクロメートル以下であることが好ましい。
【0068】
次に上記のように構成されたインクジェットプリンタ1の記録動作について説明する。
まず、イニシャライズ動作として、ヒーター15aおよびヒーター板17が通電され、所定の温度に昇温される。また、各記録ユニット30a、30b、30c、30d内において、上述したように記録液が循環され、電極41の先端部eに向けて記録液が供給され、それぞれの記録ヘッド42先端の各開口において所定のインクメニスカス47が形成される。電極41には、バイアス電圧として所定の大きさのバイアス電圧が印加されており、記録液中のトナーはこのバイアス電圧に応じてメニスカス中において凝集する。
【0069】
そして、図示しない信号源から各記録ユニット30a、30b、30c、30dの駆動回路48に色分解された画像信号がそれぞれ入力されると、ベルト3が矢印a方向に一定速度で走行されるとともに、各記録ヘッド42の各電極41に先程印加されていたバイアス電圧よりも大きな記録電圧が選択的に印加される。すると、色分解された画像信号に応じて選択された電極41とベルト3との間に所定の電界が形成され、この電界により、帯電したトナーの凝集体がインクメニスカス47の頂点から分離吐出され、ベルト3の外周面3aに向けて凝集体が飛翔される。これにより、各記録液の色に応じたトナー像がベルト3の外周面3a上に順次形成され、図示しない同期手段にて重ねられ、ベルト3上に画像信号に応じた所定のカラー画像が形成される。
【0070】
ベルト3の外周面3a上に形成されたトナー像(カラー画像)は、ベルト3の走行に伴って移動され、ローラ4と転写ローラ15との間の転写位置へ搬送される。
【0071】
この画像の移動に同期して、給紙ローラ11、13、および搬送ローラ14a、14bが作動され、給紙カセット12aまたは12bのいずれかに収容された記録紙Pが取出されて転写位置へ送り込まれる。
【0072】
トナー像と同期して転写位置へ送り込まれた記録紙Pは、ここで、ヒーター15aにより加熱されるとともにローラ4と転写ローラ15との間で圧接挟持され、トナー像が溶融または軟化されて記録紙P上に転写される。
【0073】
トナー像が転写された記録紙Pは、搬送ローラ16a、16bに挟持されて搬送され、ヒーター板17を通過されてトナー像が十分に乾燥され、排紙ローラ18a、18bにより挟持されて排紙トレー19上に排紙される。
【0074】
転写時および乾燥時に発生したキャリア液のガスは、転写ローラの上方に設けられたダクト21およびヒーター板17の上方に設けられたダクト22により回収され、分解装置24により水と炭酸ガスとに分解されて機外に排出される。
【0075】
また、転写ローラ15の外周面上に付着したトナーおよびベルト3の外周面3a上に残留したトナーは、それぞれクリーニングブレード23および拭き取り装置25により除去される。ベルト3は、拭き取り装置25により残留トナーが除去された後にドライヤー26により乾燥され、次の記録動作に備える。
【0076】
以上のように、本発明の画像形成装置によると、中間像担持体として、記録液の剥離性および耐熱性に優れたベルト3を用い、ベルト3の外周面3a上に一旦トナー像を保持し、このトナー像をベルト3の移動に従って転写位置へ移動して記録紙P上に転写している。
【0077】
従って、記録ヘッド42とベルト3(像担持体)との間に記録紙Pが介在されることがなく、両者の間のギャップを極めて狭くすることができる。本実施の形態においては、記録ヘッド42の先端とベルト3の外周面3aとの間の距離を100μm前後まで近接させることができた。尚、両者間の距離は、加工精度を更に向上させれば更に近接させることができる。
【0078】
このように記録ヘッド42とベルト3との間を極めて近接させることにより、記録ヘッド42に印加する記録電圧を100〜300ボルト程度に下げることができる。これにより、駆動回路48の高集積化が可能となり、装置の生産性を飛躍的に向上でき、装置の製造コストを低減することができる。
【0079】
また、本発明によると、記録ヘッド42とベルト3との間のギャップは、記録紙Pの厚さに関係なく所定の値に設定されるため、記録紙Pを自由に選択することができる。
【0080】
更に、記録ヘッド42とベルト3との間に記録紙Pが介在されることがなく、両者の間のギャップが一定に保持されるため、記録ヘッド42からベルト3に向う安定した電界を形成でき、安定した画像形成が可能となる。
【0081】
次に、上記ヘッドユニット40に組込まれたこの発明の第1の実施の形態に係る記録ヘッド42について更に詳細に説明する。
図4は記録ヘッド42の斜視図であり、図5は記録ヘッド42をその上端42a方向から見た平面図である。記録ヘッド42は、略矩形板状の一対の支持部材51、52と、これらの支持部材51、52の間で挟持される略矩形のガイドフィルム54と、を有している。
【0082】
支持部材51、52は、高い電気抵抗率を有する材料、好ましくは1012オームセンチ以上の絶縁性を有するプラスティック(電気抵抗が高い程良いが、高精度な機械加工に適したポリエーテルケトンやポリカーボネートなどが好ましい)やセラミック等から構成され、1〜10mmの厚さに形成されている。
【0083】
また、ガイドフィルム54は、厚さ30〜200μmの高抵抗材料(例えば、ポリエーテルサイフォン、ポリエステル、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリプロピレン等の樹脂材料や各種セラミック等、1011オームセンチ以上の電気抵抗を有する材料)から形成されている。
【0084】
図6には、一方の支持部材51を代表して示してある。支持部材51の一方の面、即ちガイドフィルム54に対向する内面には、互いに平行に延びた複数の矩形の溝51aが形成されている。溝51aは、記録ヘッド42が組立てられた状態(図4に示す状態)で他方の支持部材52に同様に形成された溝(図示省略)とともに上述した複数の記録液供給路43を形成すべく、記録解像度に応じた本数だけ形成されている。
【0085】
各溝51aは、深さ50〜500μm、幅100〜1000μmに形成され、各溝51aの先端は支持部材51の先端(組合わされた際に記録ヘッド42の上端42aを形成する)より僅かに手前まで延び、各溝51aの基端は支持部材51の中央を超えた位置まで延びている。支持部材51の略中央まで延びた各溝51aの基端は、溝51aと同じ深さを有する矩形の凹所51bにそれぞれ連通されている。また、この凹所51bは、他方の支持部材52に同様に形成された凹所(図示省略)とともに記録液室53を形成し、この記録液室53には、記録液を供給するための上述した記録液供給管34が接続されている。
【0086】
このように、支持部材51の内面に複数の溝51aを形成することにより、各溝51aの間には、各記録液供給路43を境界する複数の矩形の隔壁55が必然的に設けられる。そして、各隔壁55の間を延びた溝51a(記録液供給路43)の先端は、隔壁55の上端55a、即ち記録ヘッド42の上端42aから所定距離(50〜500μm)後退した位置で、記録液供給路43の開口56(図5参照)を形成している。
【0087】
また、隣接する隔壁55の間であって、記録液供給路43の先端の開口56の縁には、支持部材51の外周面51cに向って下方に傾斜した記録液回収溝57(回収路)が形成されている。各記録液回収溝57の幅は、開口56の幅と同じ幅に形成され、その傾斜角度は、65度以下の鋭角となるように設定されている。
【0088】
更に、支持部材51に形成された各溝51aの表面、即ち記録液供給路43の内面には、無電界メッキ等により導電性材料からなる電極41がそれぞれ開口56まで延びて2〜30μm程度の厚さで形成されている。各電極41は、例えば、金、銅、クロム、アルミ、ニッケル等の金属、或いはこれらの合金により形成されており、上述した駆動回路48にそれぞれ電気的に接続されている。
【0089】
尚、他方の支持部材52は、上記支持部材51とは対象形に形成され、各支持部材51、52の溝が一致するように対向されて貼り合わせられる。この場合、各支持部材51、52の間には以下に説明するガイドフィルム54が挟まれて記録ヘッド42が形成される。
【0090】
図7に示すように、ガイドフィルム54は、略矩形板状に形成され、一対の支持部材51、52により挟持された状態で記録ヘッド42の上端42aの幅と略一致する長さの上端54aを有している。ガイドフィルム54は、この上端54aから突出した尖鋭な先端を有する略三角板状の突起59を、その上端54aに沿って支持部材の溝の数に応じた数だけ有している。つまり、ガイドフィルム54の上端54aに一体に形成された複数の突起59は、支持部材51(52)に形成された溝51aのピッチと同じピッチで設けられ、ガイドフィルム54は、各突起59が各記録液供給路43の先端の開口56から所定の長さで突出するように配置される。この場合、ガイドフィルム54の上端54aが開口56から上方に突出することなく、突起59のみが開口56の中央から突出するように、ガイドフィルム54が配置される。
【0091】
図8には、上記のように、一対の支持部材51、52によりガイドフィルム54を挟持して形成した記録ヘッド42の上端42a近く、即ち記録液の吐出位置近傍を部分的に拡大して示してある。
【0092】
ガイドフィルム54の上端54aに設けられた突起59の大きさは、記録液供給路43を介して供給される記録液の供給量、記録液供給路43の開口56の大きさ、または突起59の記録液の濡れ性などにより適宜選択されるものであり、少なくとも、開口56の近くに形成されるインクメニスカスによって突起59の先端が水没することがない大きさに設定される。
【0093】
例えば、開口56の幅が500μmである場合には、突起59の底辺の長さは300〜400μmの範囲内に設定され、突起59の高さは300〜1200μmの範囲内に設定される。突起59の幅および高さを種々変更させて記録ヘッド42の記録特性を調べたところ、突起59の底辺の長さを開口の幅の約半分から開口の幅と同じに設定し、高さを底辺の長さと同じ長さから3倍の長さの間に設定することにより、安定した記録特性が得られることが分った。
【0094】
また、突起59の形状は、例えば、図9(a)〜(d)に示すような形とすることができる。つまり、突起59の形状は、ガイドフィルム54の上端54a上に配置された底辺から先端に向けて尖鋭ないわゆる尖塔形であれば良い。また、突起59は、例えば図9に示すような形の平板をその中心軸の回りに回転した回転体であっても良く、この場合、突起59を、記録液供給路43の開口56を塞ぐことのない大きさに形成する必要がある。
【0095】
つまり、突起59は、記録液供給路43を介して供給された記録液に対してベルト3に向う電界が作用された場合に、記録液内のトナーが突起の先端にスムーズに移動できるような外形を有し、記録液との間に良好な濡れ性(親油性)を有するものであれば良い。特に、突起59は、濡れ性を示す臨界表面張力が25dyne/cm 以上の材料から成ることが望ましい。
【0096】
隣接した2つの突起59の間、即ち隣接した2つの開口56の間には、各突起59に沿って各開口56の近くに個々に形成されるインクメニスカス47同士を分離させるための隔壁55が設けられている。各隔壁55は、各記録液供給路43の先端の開口56より記録紙P方向(上方)に50〜500μm程度突出した上端55a(記録ヘッド42の上端42a)を有している。また、隔壁55が記録液供給路43または記録液回収溝57に対面した角部は、それぞれ僅かに面取りされ、或いは全く面取りされていないことが望ましい。つまり、隔壁55の角部を面取りしないことにより、この角部において記録液の濡れ広がりを阻止することができ各インクメニスカス47の架橋を防止できる。
【0097】
また、各隔壁55の上端55aには、記録液をはじく撥油面60が設けられている。撥油面60は、記録液としてイソパラフィン系溶媒を用いた場合には、フッ素樹脂、フッ素塗料、シリコーン樹脂、シリコーン塗料、シリコーン樹脂等の臨界表面張力が20dyne/cm 以下の材料により形成することにより、良好な撥油性(濡れ防止性)を発揮することができる。このように、各隔壁55の上端55aに撥油面60を設けることにより、隣接したインクメニスカスの架橋を防止できる。また、撥油面60を設けることにより、隔壁55の高さを記録液供給路43の先端の開口56と同一の高さとした場合であってもインクメニスカスの架橋を防止することができる。
【0098】
上記のように構成した隔壁55を各突起59の間に設けることにより、隣接するインクメニスカス47の架橋を防止でき、記録液の架橋による記録粒子滴の吐出方向の乱れや吐出周波数の乱れを防止でき、記録粒子滴を安定して吐出させることができる。また、各隔壁55は、各開口56の縁から支持部材の外周面に向けて傾斜して設けられた記録液回収溝57の両端を規定するように機能する。
【0099】
次に、上記のように構成された記録ヘッド42における記録粒子滴の飛翔動作について図10を用いて説明する。
まず、ポンプP1により記録液タンク32内に収容された上記記録液70が記録液供給管34を介して汲み上げられ、記録液70が記録ヘッド42の記録液室53内へ供給される。記録液室53内が記録液70により満たされると、記録液70は、複数の記録液供給路43を介して上昇され、各記録液供給路43先端の開口56から溢れる。
【0100】
各記録液供給路43の開口56から溢れた記録液70は、各開口56の両側に設けられた隔壁55により規定された記録液回収溝57を介して流れ出し、各支持部材51、52の外周壁51c、52cに沿って下方に流れる。そして、外周壁51c、52cに沿って流れた記録液70は、記録液回収路45、フィルター46、および記録液回収管36を介して記録液タンク32へ回収される。
【0101】
このように記録液70が記録ユニット40内を循環されると、各記録液供給路43の開口56近傍においては、記録液70がガイドフィルム54の突起59に沿って濡れ上がり、記録液70の供給圧力、記録液70の表面張力、および記録液回収溝57の毛管作用により、図10に示すようなインクメニスカス47が形成される。
【0102】
この場合、各開口56の間に設けられた隔壁55の上端55aを開口56より高くし、上端55a上に撥油面60を形成し、隔壁55の角を面取りしないことにより、各開口56に個別に形成されるインクメニスカス同士の架橋を防止できる。
【0103】
このように各開口56の近くにインクメニスカス47が形成された状態で、各記録液供給路43の内面に沿って設けられた全ての電極41に駆動回路48内の電源77を介して900〜1800ボルト(電極41の先端と電極板8との間の距離が500μmである場合、約1000ボルト)程度のバイアス電圧を印加すると、各電極41からベルト3の外周面3a(記録紙P)に向う電界が形成される。この電界の影響により、記録液70内のトナー71が電極41から静電的反発力を受け、トナーがインクメニスカス47の頂点、即ちガイドフィルム54の突起59の頂点に向けて泳動される。
【0104】
この場合、インクメニスカス47が頂点に向うにつれて先細になっていることから、インクメニスカス47の頂点に向けて泳動されたトナー71は、突起59の頂点付近で凝集され、ここにトナーの凝集物74が形成される。トナー71が凝集されると、より大きな静電気力が凝集物74に作用されるが、ここでは凝集物74がインクメニスカス47から飛翔することのないように、バイアス電圧が設定されている。また、各電極41にバイアス電圧を印加した際に凝集物74が飛翔することのないように、各電極41の先端と電極板8との間の距離が設定されている。
【0105】
また、各電極41の先端からベルト3の外周面3aに向う電界を形成する他の方法として、ベルト3または電極板8にトナーと逆の極性の電圧を印加する方法が考えられる。更に、図2(B)に示すように金属ベルト3b上に被覆層3cを被覆したベルト3を用いる場合には、コロナ帯電等によりベルト3を予め所定の電位に帯電させることにより、所望の電界を形成することができる。この場合、バイアス電圧に吐出電圧を重畳印加するための複雑な回路を省略できるといった利益がある。
【0106】
一方、各電極41にバイアス電圧が印加されてトナー71と分離されたキャリア液72は、インクメニスカス47の頂点に向けて移動されることなく、記録液回収溝57を介してインクメニスカス47の裾から流出される。つまり、キャリア液72は、トナー71(正極性)との相互帯電作用により負極性イオンを有しており、インクメニスカス47に作用する電界により上昇されることはない。従って、トナー71と分離されたキャリア液72は、記録液の表面張力(記録液回収溝57の毛管作用)、重力、および部分的に生じる静電気的吸引力により、インクメニスカス47の裾から強制的に流出される。
【0107】
キャリア液72の排出経路として、各開口56に隣接して形成された記録液回収溝57は、トナー71の凝集により分離されたキャリア液72を効率良く排出できる形状とすることが望ましい。キャリア液72を効率良く排出することにより、インクメニスカス47を安定させることができ、記録速度を高めることができ、吐出周波数を高めることができる。
【0108】
また、記録液回収溝57は、開口56の両側に設けられずに片側のみに設けられても良いが、インクメニスカスの対称性を維持するために両側に設けることが望ましい。更に、キャリア液72を効率良く排出するため、記録液供給路43と記録液回収溝57との間の縁部は面取りされることが望ましいが、本実施の形態のように、電極41の先端を露出した構造としても良い。このように、電極41の先端を開口56の縁部にて露出することにより、強い電界を発生することができる。
【0109】
以上のようにトナー71とキャリア液72が分離された状態で、画像信号に応じて選択された電極41に対して電源77から吐出電圧が選択的に重畳印加される。重畳印加される吐出電圧は、100〜800ボルト程度であり、吐出電圧が印加された電極41を有する開口56近くのインクメニスカス47において、バイアス電圧印加時より強い電界が発生される。
【0110】
この電界により、トナー凝集物74に作用している表面張力等の束縛力より強い静電気力がトナー凝集物74に作用し、記録粒子としてのトナー凝集物74がインクメニスカス47から分離されて記録紙Pに向けて記録粒子滴76として飛翔される。これにより、記録紙P上に記録粒子滴76によるドット(トナー像)が形成され、複数の電極41を画像信号に応じて作動させることにより、記録紙P上に所望の画像が形成される。
【0111】
以上のように、本実施の形態に係る記録ヘッド42によると、トナーと分離されたキャリア液を記録液回収溝57を介して強制的に排出できるため、トナーとキャリア液との分離を効率良くでき、トナーの凝集効率を高めることができ、記録粒子滴の吐出周波数を高めることができる。例えば、上述した記録ヘッド42においては、500ヘルツから1キロヘルツの吐出周波数を達成することができた。尚、この吐出周波数は、記録液供給路43の開口径を小さくするに従って高くなる傾向を示し、開口径を100μmに設定した場合の吐出周波数は2キロヘルツを示した。
【0112】
また、開口径を小さくすることなく吐出周波数を高める方法として、ガイドフィルム54の突起59の先端近くに導電性材料を設ける方法がある。この方法によると、突起59の先端に30〜100μm程度の金属領域を形成することにより、開口径を500μmに設定した場合に2キロヘルツの吐出周波数を達成できた。
【0113】
また、上記記録液回収溝57の両側を規定する隔壁55、およびその上面55aに設けられた撥油面60により、各開口56に形成されるインクメニスカス同士の架橋を防止でき、記録粒子滴の飛翔時に発生するインクメニスカスの不所望な振動および吐出方向の乱れを防止でき、安定した記録が可能となり、良質な画像を形成できる。
【0114】
更に、開口56から飛翔される記録粒子滴の径は、印加する吐出電圧の大きさおよび印加時間により変化されることが知られており、平均粒径1μmのトナーを含む記録液を用いると、吐出電圧を150〜600ボルトに変化させた場合、記録粒子滴の径は約15〜120μm程度の範囲で変化する。また、信号電圧の印加時間を50〜500マイクロセカンド(1KHzの記録周波数時)変化させると、10μm〜300μmの変化を示す。このように、印加電圧や時間を調整することにより、記録粒子滴の粒径を変更できるため、大きい開口から小さな粒径を有する記録粒子滴を飛翔させることができ、記録液の乾燥による記録液供給路の目詰まりを防止できるとともに高密度記録が可能となる。
【0115】
尚、上述した記録ヘッド42の開口は、1mm内に1〜2個程度の密度で設けられているが、複数の記録ヘッドを開口の位置をずらして重ね合せることにより、更に多くの開口を設けることができる。これにより、所望の記録密度を有する記録ヘッドを達成できる。
【0116】
以上のように、上記記録ヘッド42によると、従来のインクジェットプリンタのように、液体を記録像として形成することなく、固形又は半固形成分であるトナー凝集物を記録液から分離して記録像として形成することができる。このため、記録粒子滴がベルト3の外周面3a上に到達して形成されたトナー像が流動したり、トナー像を記録紙P上に転写した後に記録紙Pの繊維間に毛管現象により浸透して滲む、いわゆるフェザリング等の画像不良を生じることはない。尚、記録粒子滴の吐出時にキャリア液とトナーは分離するが完全に100パーセント分離するものではなく、トナーはキャリア液により濡れた状態でベルト3に到達する。しかし、付随するキャリア液は僅かなため、記録粒子滴がベルト3の外周面3a上に到達した時点で流動性を失っているため、トナー像が流動を起こす事はない。このため、金属やプラスチック等の吸収性のない受像体に対しても鮮鋭な画像を記録する事が出来るとともに、色分解された画像信号に応じて各色の画像を順次形成する際に、各色の画像を1色毎に乾燥する必要がなく直ちに次の色を重ね合せることができる。従って、従来のインクジェットと比較して高速記録にも適している。
【0117】
次に、この発明の第2の実施の形態に係る記録ヘッド90について図11を用いて説明する。
図11に示すように、記録ヘッド90は、略矩形板状の一対の支持部材91、92を有している。これらの支持部材91、92は、上述した第1の実施の形態に係る記録ヘッド42の支持部材51、52と同様に形成されている。各支持部材91、92は、各支持部材91、92の一方の面に形成した溝91a(92a)を対向させずに、溝を形成していない他方の面を対向させるように組合わされる。つまり、記録ヘッド90は、その外周面上に記録液を流通させるための複数の溝を有し、各支持部材91、92の溝が形成されていない他方の面によりガイドフィルム54を挟持して構成されている。尚、ガイドフィルム54の上端54aに設けられた複数の突起59は、各支持部材91、92に形成された溝に対応して記録ヘッド90の上端90aから突出して設けられている。
【0118】
各支持部材91、92に形成された溝91a、92aは、記録ヘッド90の上端90aを介して1対1に対応して連結され、各溝が連結された矩形部分93は、記録ヘッド90の上端90aより所定距離だけ後退している。つまり、各矩形部分93の両側には、各支持部材91、92に形成された各溝を境界した隔壁55の先端部分が介在され、各隔壁55の上端55aが矩形部分93より突出するように設けられている。そして、各矩形部分93からガイドフィルム54の突起59が突出され、各矩形部分93には、これらの突起59を囲むようにリング状の電極94がそれぞれ設けられている。
【0119】
上記のように構成された記録ヘッド90に記録液を循環させる場合、一方の支持部材91の外周面に形成された各溝91aを介して各矩形部分93に記録液を供給し、反対側の支持部材92に形成された各溝92a(図示せず)を介して排出する。この場合、上述した第1の実施の形態においては記録ヘッド42を記録紙Pに対して略直交させて(鉛直方向に延びて)対峙させたが、本実施の形態に係る記録ヘッド90においては、記録液の流通を可能とするため、記録ヘッド90を所定角度で傾斜させている。つまり、記録液の供給側(支持部材91)が上方に位置し、記録液の排出側(支持部材92)が下方に位置するように記録ヘッド90が傾斜されている。
【0120】
このように、記録ヘッド90に記録液を循環させると、各矩形部分93を通過する記録液が各突起59に沿って濡れ上がり、矩形部分93、突起59、および電極94の近くにインクメニスカスが形成される。そして、各矩形部分93にてそれぞれ独立したインクメニスカスが形成された状態で、画像信号に応じて選択された電極94に対して上述した駆動回路48から記録電圧が選択的に印加されて記録紙Pに向けて記録粒子滴が飛翔され、記録紙P上に所望の画像が形成される。
【0121】
以上のように、本実施の形態に係る記録ヘッド90を用いた場合であっても、上述した第1の実施の形態に係る記録ヘッド42を用いた場合と同様の作用効果を得ることができる。尚、各支持部材91、92の外周面上に溝を覆うカバーを設けることにより、各支持部材91、92の外周面に沿ったパイプ状の記録液流路を形成し、この記録液流路により記録液を強制的に循環させても良い。この場合、記録ヘッド90を傾斜させる必要はない。
【0122】
次に、この発明の第3の実施の形態に係る記録ヘッド100について図12および図13を用いて説明する。図12は記録ヘッド100の斜視図であり、図13は記録ヘッド100を図中A−A線に沿って切断した断面図である。
【0123】
記録ヘッド100は、ガイドフィルム54を有していない以外は上述した第1の実施の形態に係る記録ヘッド42と同一の構成を有している。よって、第1の実施の形態と同一の部分については同一符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0124】
ところで、上述した第1および第2の実施の形態にかかる記録ヘッドは、開口近傍の記録液の吐出位置に突起59を配置したが、この突起59は、突出位置近傍に形成したインクメニスカスを安定させてトナーを高効率で凝集し、記録粒子滴の吐出時に生じるインクメニスカスの振動をすばやく吸収し、次の記録粒子滴の吐出に影響を及ぼさないようにするためのものである。つまり、突起59を設けることにより、記録粒子滴の吐出安定性を向上させることができる。
【0125】
しかしながら、これらの突起59は本発明にとって絶対に必要なものではない。従って、ガイドフィルムを持たない本実施の形態の記録ヘッド100を用いた場合であっても、上述した各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0126】
つまり、記録ヘッド100によると、主に隔壁55および記録液回収溝57による毛細管効果により、開口56から溢れる記録液の排出を安定させることができ、開口56上のインクメニスカスの形状を安定させることができる。これにより、インクメニスカスの復元性を向上でき、記録粒子滴の吐出周波数を安定させることができる。
【0127】
また、上述した第1の実施の形態に係る記録ヘッド42と比較して、記録液の目詰まりを低減することができる。つまり、本実施の形態の記録ヘッド100によると、装置休止時に突起59の先端に乾燥によるトナーの固着が発生するといった問題が生じない利点があり、実用上高速を必要としない記録装置には価格やメンテナンス上の利点がある。
【0128】
尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、記録液供給路43の先端の開口56の形状は四角形である必要はなく、電極41の断面形状は開口56の中央部即ち突起59の先端部の電界が周辺部よりやや低い井戸型あるいはリング状(ドーナツ状)の電界を形成する構造であれば良い。つまり、実質的に突起59の麓を囲む如き形状を有していれば良い。具体的には、円形(リング状)、楕円形等あらゆる断面形状が可能である。また開口端全域を電極で覆わずとも、コの字状、平行板状、ストライプ状とするなど不連続な(部分的な)電極配置であっても良い。
【0129】
また、上述した各実施の形態においては、隔壁55の幅(隣接した開口間の距離)は開口56と同じレベルの大きさとして描いたが、これに限定されるものではなく更に小さくすることが可能である。この場合、隔壁55の高さを十分に高くすることに加えて、隔壁55の全ての角を鋭利にすることにより、記録液の広がりを絶つ効果が大きくなる。本発明で用いた表面張力が18〜30ミリニュートン/メートル程度の記録液を用いて、ポリカーボネート樹脂等により隔壁55を形成した場合には、隔壁55の角部の面取りは100ミクロン以下、曲面とする場合には、半径100ミクロン以下であれば、通常の記録時に隣接する開口56同士でインクメニスカスが架橋する事はなかった。
【0130】
更に、突起59の配置方向は、上述した各実施の形態とは90度異なる方向に設定してもよく、突起59の形状も適宜選択できる。突起59の底辺を小さくすると、突起周辺に形成されるインクメニスカスの裾野の広がりが小さくなり隔壁に記録液が這いあがり難くなるが、トナーの凝集量が少なくなるので目的に合わせて調整されるべきである。また、上記各本実の形態では、突起59をガイドフィルム54と一体に形成することにより突起59を高精度に配置したが、突起59を複数に分割したり開口部だけに配置するような大きさや構造にする等種種変形可能である。また、実施例では、突起は全て電極の中央部に配置させたが、これは好ましい配置例として示したもので、多少記録効果は低下するが、装置構造の簡素化を図るために溝の片側に突起を配置することなども本発明の主旨に含まれるものである。
【0131】
また、本実施の形態では電極41にバイアス電圧を印加するようにしたが、対向電極としての電極板8(或いはベルト3)側にバイアス電圧を印加するようにしても良く、要するに各電極41とベルト3との間に記録するのに十分なバイアス電圧が印加されれば良い。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の画像形成装置は、上記のような構成および作用を有しているので、大量且つ安価に製造でき、記録媒体の選択の自由度が高く、安定した画像形成ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の画像形成装置としてのインクジェットプリンタを示す概略図。
【図2】図2は、図1のインクジェットプリンタに組込まれたベルトを示す断面図。
【図3】図3は、図1のインクジェットプリンタに組込まれた記録ユニットを示す概略図。
【図4】図4は、図3の記録ユニットに組込まれた第1の実施の形態に係る記録ヘッドを示す斜視図。
【図5】図5は、図4の記録ヘッドを上方から見た平面図。
【図6】図6(A)は、図4の記録ヘッドを構成した支持部材を示す正面図。図6(B)は、図6(A)の支持部材を示す側面図。
【図7】図7は、図4の記録ヘッドに組込まれたガイドフィルムを示す概略図。
【図8】図8は、図4の記録ヘッドの上端近くを拡大して示す部分拡大図。
【図9】図9は、図7のガイドフィルムの突起の変形例を示す図。
【図10】図10は、図4の記録ヘッドにおける記録動作を説明するための動作説明図。
【図11】図11は、この発明の第2の実施の形態に係る記録ヘッドを示す斜視図。
【図12】図12は、この発明の第3の実施の形態に係る記録ヘッドを示す斜視図。
【図13】図13は、図12の記録ヘッドをA−A線に沿って切断した断面図。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ、
3…ベルト、
3a…外周面、
4、5、6…ローラ、
8…電極板、
10…記録装置、
15…転写ローラ、
30…記録ユニット、
42…記録ヘッド。

Claims (8)

  1. 像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、
    前記電極の先端部に向けて、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、
    前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、
    所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記記録液中の色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、
    前記像担持体に向けて記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段にて搬送された記録媒体上に前記像担持体上に形成された画像を転写する転写手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 所定方向に走行される像担持体と、
    前記像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、
    前記電極の先端部に向けて、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、
    前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、
    所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記先端部から前記像担持体に向う所定の電界を形成し、前記記録液内の色剤粒子に所定の静電気力を作用させ、前記色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体に向けて飛翔させ、前記像担持体上に所定の画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段にて前記像担持体上に形成され前記像担持体の走行に従って所定方向に搬送される画像と同期をとって、前記像担持体に隣接した所定の転写位置へ記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段にて前記転写位置へ搬送された記録媒体上に前記像担持体上に形成された画像を転写する転写手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、
    前記電極の先端部に向けて、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、
    前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、
    所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記記録液中の色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、
    前記像担持体に向けて記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段にて搬送された記録媒体上に前記像担持体上に形成された画像を転写する転写手段と、を備え、
    前記像担持体は、金属ベルト上にシリコン樹脂、シリコンゴム、フッ素樹脂、或いはポリイミドを被覆したベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、
    前記電極の先端部に向けて、熱溶融性を有する帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、
    前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、
    所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記記録液中の色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、
    前記像担持体に向けて記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記像担持体上の画像を加熱することにより、前記画像を溶融させ、前記記録媒体上に前記像担持体上の画像を転写するとともに、この転写された画像を前記記録媒体上に定着する加熱手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 所定方向に走行される像担持体と、
    前記像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、
    前記電極の先端部に向けて、熱溶融性を有する帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、
    前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、
    所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記先端部から前記像担持体に向う所定の電界を形成し、前記記録液内の色剤粒子に所定の静電気力を作用させ、前記色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体に向けて飛翔させ、前記像担持体上に所定の画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段にて前記像担持体上に形成され前記像担持体の走行に従って所定方向に搬送される画像と同期をとって、前記像担持体に隣接した所定の転写位置へ記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記像担持体上の画像を加熱することにより、前記画像を溶融させ、前記記録媒体上に前記像担持体上の画像を転写するとともに、この転写された画像を前記記録媒体上に定着する加熱手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、
    前記電極の先端部に向けて、熱溶融性を有する帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、
    前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、
    所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記記録液中の色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、
    前記像担持体に向けて記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記像担持体上の画像を加熱することにより、前記画像を溶融させ、前記記録媒体上に前記像担持体上の画像を転写するとともに、この転写された画像を前記記録媒体上に定着する加熱手段と、を備え、
    前記像担持体は、金属ベルト上にシリコン樹脂、シリコンゴム、フッ素樹脂、或いはポリイミドを被覆したベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 像担持体から所定距離離間して設けられた先端部を有する電極と、
    前記電極の先端部に向けて、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を供給する供給手段と、
    前記電極の先端部より前記像担持体に向けて突出した先端を有し、前記供給手段にて供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスを形成する高抵抗材料からなる突起と、
    所定の画像信号に従って前記電極に電圧を印加することにより、前記記録液中の色剤粒子を前記突起の先端付近にて凝集させ、この凝集した色剤粒子を前記絶縁性液体から分離吐出させて前記像担持体上に画像を形成する画像形成手段と、
    前記像担持体に向けて記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段にて搬送された記録媒体上に前記像担持体上に形成された画像を静電的に転写する転写手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 像担持面を有し、この像担持面を外側にして一定速度で無端走行されるベルト状の像担持体と、
    帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成る記録液を、前記像担持面から所定距離離間した複数の吐出位置へ供給する供給手段と、
    前記複数の吐出位置それぞれに先端部を有する複数の電極と、
    前記各吐出位置から前記像担持面に向けてそれぞれ突設され、前記供給手段にて各吐出位置へ供給された記録液の濡れ上がりにより前記像担持体に向けて先細のメニスカスをそれぞれ形成する高抵抗材料からなる複数の突起と、
    前記各吐出位置間で前記像担持面に向けて突設され、前記供給手段にて前記各吐出位置へ供給された記録液を仕切るための複数の隔壁と、
    前記供給手段にて前記各吐出位置へ供給された記録液を回収する回収手段と、
    隣接した前記隔壁間に設けられ、前記供給手段にて前記各吐出位置へ供給された記録液を前記回収手段へ導くための複数の回収路と、
    画像信号に応じて選択された電極に電圧を印加することにより当該電極の先端部から前記像担持面に向う電界を形成し、前記選択された電極の先端部を有する吐出位置において前記突起の先端近くに前記記録液内の色剤粒子を凝集し、凝集した色剤粒子を前記像担持面に向けて飛翔させ、前記像担持体上に画像信号に応じた画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段にて前記像担持面上に形成され前記像担持体の走行に従って所定方向に搬送される画像と同期をとって、前記像担持面に隣接した所定の転写位置へ記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段にて前記転写位置へ搬送された記録媒体上に前記像担持面上の画像を転写する転写手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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