JP3880188B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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JP3880188B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散して成るインクに静電気力を作用させて、該インクから被画像形成媒体に向けて色剤粒子を飛翔させて画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置として、多数の導電性ノズルや内部に複数の電極を並設したスリットを介して帯電したトナー粒子を含むインクを供給し、ノズルや電極に選択的に高電圧を印加して対向した記録紙に向けてインク滴を吐出させて画像を形成するインクジェットプリンタが知られている。
【0003】
この種のインクジェットプリンタでは、インク滴が吐出されるときにその吐出位置にあるインクメニスカスが振動され、吐出位置のインクメニスカスの形状が不安定となる。また、インク滴が各吐出位置において選択的に消費されるため、各吐出位置にインクを均一に供給することが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のインクジェットプリンタでは、インク滴が吐出されるときにその吐出位置にあるインクメニスカスに振動を生じるため、インクメニスカスの形状が不安定となり、インク滴の吐出方向が不安定になる問題があった。また、各吐出位置にインクを均一に供給することが困難であるため、吐出されるインク滴の濃度や径が不安定となる問題があった。
【0005】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、全ての吐出位置へインクを均一に供給でき、インク滴を安定して吐出できる画像形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の画像形成装置は、絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散した記録液を収容した収容手段と、上記収容手段に連通された一端、および記録液を吐出させる吐出口を形成した他端をそれぞれ有する、上記収容手段に収容された記録液を流通させる複数の流路、および、上記複数の吐出口が並んだ第1の方向に沿って上記吐出口の略中心を通って延びた架空の稜線に向けて上記収容手段から離れる方向に傾斜した傾斜面を有し、上記収容手段に収容された記録液を上記複数の流路を通して上記各吐出口へガイドするガイド手段と、上記吐出口を通る電界を形成し、上記吐出口へガイドされた記録液中の色剤粒子を該吐出口から吐出させる電界形成手段と、を備え、上記各吐出口は、上記第1の方向に延びたスリット部、およびこのスリット部の両端に形成された該スリット部の幅より広い幅を有する矩形孔部を有し、上記各吐出口の間には、上記スリット部より上記色剤粒子の吐出方向に対して後退した平坦面が形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、この発明の画像形成装置は、絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散した記録液を収容した収容手段と、上記収容手段に隣接して配置され、該収容手段に収容された記録液を流通させる複数の開口、および上記各開口の周りに設けられた複数の電極を有する基板と、上記基板が上記収容手段から離間した面上に重合して配置され、上記各開口に一致した一端および上記各開口から離間した吐出口を形成した他端をそれぞれ有する複数の流路、および上記複数の吐出口が並んだ第1の方向に沿って上記吐出口の略中心を通って延びた架空の稜線に向けて上記基板から離れる方向に傾斜した傾斜面を有し、上記各開口を介して供給される記録液を上記複数の流路を通して上記各吐出口へガイドするガイド板と、上記電極に所定の電圧を印加し、上記電極から上記吐出口を通る電界を形成し、上記吐出口へガイドされた記録液中の色剤粒子に静電気力を作用させ、該色剤粒子を上記吐出口から吐出させる電圧印加手段と、を備え、上記各吐出口は、上記第1の方向に延びたスリット部、およびこのスリット部の両端に形成された該スリット部の幅より広い幅を有する矩形孔部を有し、上記各吐出口の間には、上記スリット部より上記色剤粒子の吐出方向に対して後退した平坦面が形成されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、この発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置としてのインクジェットプリンタ1を概略的に示してある。インクジェットプリンタ1は、筐体2を有している。筐体2の略中央位置には、各色毎の画像を重ね合わせて一旦保持するとともに保持したカラー画像を記録紙P上に転写する転写ベルト4が設けられている。転写ベルト4は、略水平方向に離間した一対のローラ3、5に巻回されて張設され、図示しないモータにより図中矢印a方向に無端走行される。
【0016】
転写ベルト4の下方には、転写ベルト4上に各色のインク滴を吐出して重ね合わせてカラー画像を形成するための4つの記録ヘッド6Y、6M、6C、6Bが、転写ベルト4から所定距離離間して設けられている。各記録ヘッド6Y、6M、6C、6Bは、転写ベルト4の走行方向に沿って略等間隔で並設され、4つの記録ヘッドによって後述するヘッドユニット8を構成している。
【0017】
各記録ヘッド6Y、6M、6C、6Bが転写ベルト4に対向した先端には、転写ベルト4の走行方向を横切る紙面方向(以下、主走査方向とする)に並んだ複数のインク吐出口(後述する)が形成されている。各記録ヘッドのインク吐出口は、記録解像度より低い密度で形成されている。このため、転写ベルト4を矢印a方向(以下、副走査方向とする)に走行させるとともに、後述する移動機構によってヘッドユニット8を主走査方向に移動させ、転写ベルト4の全面に画像を形成するようにしている。
【0018】
ヘッドユニット8の図中右側には、各記録ヘッド6Y、6M、6C、6Bに対応して設けられた4つのインクレザヴァー12Y、12M、12C、12Bが配設されている。各インクレザヴァーには、それぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)用のインクが収容されている。
【0019】
例えば、記録ヘッド6Yに着目すると、記録ヘッド6Yには、インク供給チューブ11およびインク供給ポンプ13を介してインクレザヴァー12Yが接続されており、インクレザヴァー12Y内のインクが記録ヘッド6Yへ供給されるようになっている。尚、図示を省略したが、この他の色の記録ヘッド6M、6C、6Bにも、同様にしてインクレザヴァー12M、12C、12Bが接続されている。
【0020】
また、各記録ヘッド6Y、6M、6C、6Bの近傍には、ヘッド先端に付着した紙かす、ほこり、不要なインクなどを除去し、インク吐出口近傍をクリーニングするクリーニングブラシ10Y、10M、10C、10Bが配設されている。これらのクリーニングブラシは、主走査方向に延設された回転軸を中心に回転するとともに各記録ヘッドの先端に摺接して副走査方向に往復移動し、複数のインク吐出口をクリーニングする。
【0021】
ここで用いる記録液としてのインクは、絶縁性液体(以下、単にキャリア液と称する)中に所定の極性(本実施の形態では正極性)に帯電した色剤粒子(以下、単にトナーと称する)を10%以下の重量比濃度で分散して形成されている。キャリア液は、例えば、1012〜1013Ω・cm以上の電気抵抗を有するイソパラフィン系溶媒(例えば、アイソパーG、H、L[商品名])からなる分散媒であり、トナーは、少なくとも着色成分を有するとともに0.01〜5μm程度の粒子径を有する樹脂粒子である。このインクは、湿式電子写真等で用いられるキャリア液現像材と略同じであるが、キャリア液の電気抵抗はこれより高いものが要求される。
【0022】
一方、転写ベルト4上に形成した画像が転写される被画像形成媒体としての記録紙Pは、筐体2の下端近くに設けられたカセット14内に収容されている。カセット14の図中左側上端近くには、カセット14内に収容された最上端の記録紙Pから一枚づつ取出すための取出しローラ16が設けられている。取出しローラ16より下流側には、取出された記録紙Pを転写ベルト4を巻回した一方のローラ3の外周に向けてガイドする搬送ガイド7、およびこの搬送ガイド7を通して記録紙Pを搬送する複数組みの搬送ローラ15が設けられている。
【0023】
記録紙Pが導かれるローラ3の外周上には、転写ベルト4を介して転写ローラ18が転接されている。転写ローラ18は、転写ベルト4上に画像を形成するときローラ3から離間され、転写ベルト4上に形成した画像を記録紙P上に転写するときにローラ3に転接されるようになっている。尚、転写ローラ18の周囲には、転写ローラ18を所定温度(80〜200℃)に加熱するためのヒータ17が設けられている。
【0024】
しかして、記録紙Pにカラー画像を形成する場合、転写ローラ18をローラ3から離間させた状態で、転写ベルト4を矢印a方向に走行させる。そして、ヘッドユニット8を主走査方向に移動させつつ、各記録ヘッド6Y、6M、6C、6Bから転写ベルト4上に色分解された各色毎の画像信号に応じたインク滴を順次吐出させ、転写ベルト4上に各色のトナー像を重ね合わせて形成する。このとき、転写ベルト4の走行速度と各記録ヘッドのインクの吐出周波数との同期をとることにより、各色の画像が転写ベルト4上で正確に重ね合わされ、色ずれのないカラー画像を出力できる。
【0025】
一方、転写ベルト4上に形成したトナー像に同期させて取出しローラ16を回転させ、カセット14内の記録紙Pを取出して搬送ローラ15を介して搬送し、ローラ3と転写ローラ18との間の転写位置を通過させる。このとき、転写ローラ18をローラ3に転接させ、両者の間を通過する記録紙P上に転写ベルト4上のトナー像を転写して加熱溶融し、記録紙P上にトナー像を定着してカラー画像を形成する。トナー像を定着した記録紙Pは、一対の排出ローラ19を介してトレー9上に排出される。
【0026】
次に、上述した記録ヘッド6Y、6M、6C、6Bについて詳細に説明する。尚、各記録ヘッドは、略同一の構成を有するため、ここでは、イエロー用の記録ヘッド6Yについて代表して説明する。
【0027】
図2に示すように、記録ヘッド6Yは、転写ベルト4の走行方向aと直行する主走査方向(図中矢印b方向)に延びた箱状のインクキャビティー22(収容手段)、インクキャビティー22の上面を塞ぐように設けられた矩形板状の基板24、および基板24の上面を部分的に覆うように設けられた略矩形板状のガイド板26(ガイド手段)を有している。ガイド板26の略中央には、主走査方向に延設された略三角形状の断面を有する凸部25が一体に形成されている。つまり、主走査方向に延びた凸部25の先端が、転写ベルト4に最も近接した記録ヘッド6Yの先端となる。
【0028】
図3には、記録ヘッド6Yを分解した状態を部分的に示してある。
基板24は、厚さ50〜100μmのポリイミドフィルムにより形成され、その上面24a上に銅によって複数の記録電極31が等間隔でパターニングされている。ここでは、図示簡略化のため4つの記録電極31を例示したが、実際には、例えば、A4サイズ幅(210mm)で420本程度の記録電極31が形成される。
【0029】
各記録電極31は、基板24の長手方向(矢印b方向)に等間隔で並設された矩形部分、およびそれぞれの矩形部分から駆動IC32に向けて同一方向(矢印a方向)に引き出されたリード部分を有し、500μmのピッチで形成されている。各記録電極31の矩形部分の中央には、インクを流通可能な略円形の開口33がそれぞれ基板24を貫通して形成されている。
【0030】
各記録電極31のリード部分が接続された駆動IC32は、4チャンネルのスイッチング素子によって構成され、それぞれの記録電極31に印加する電圧を、画素出力の有無に従ってスイッチングする。
【0031】
ガイド板26は、その略中央に主走査方向に延びた凸部25を一体に形成した樹脂製のフィルムにより形成され、凸部25の先端からガイド板26を貫通して延びた複数のガイド孔35(その形状については後に詳述する)を有している。各ガイド孔35(流路)は、凸部25に沿って等間隔に並んで形成されている。各ガイド孔35は、レーザーによって形成され、基板24に形成された複数の開口33のピッチと一致するように、500μmのピッチで形成されている。
【0032】
実際には、420個のガイド孔35が1つのガイド板26に形成されるため、基板24に対する組立精度や、基板24の各開口33とガイド板26の各ガイド孔35との位置合せ精度を高めることができる。
【0033】
そして、基板24の各開口33の中心とガイド板26のガイド孔35の中心が一致するように、基板24の上面24a上にガイド板26が重合され、接着剤によって接着される。尚、各ガイド孔35が凸部25の先端に露出した端部は、インクを転写ベルト4に向けて吐出させるインク吐出口として作用する。
【0034】
このように接着された基板24およびガイド板26は、インクキャビティー22との間に介在された後述するフレーム(ここでは図示していない)に固設される。そして、ガイド板26の凸部25の先端が転写ベルト4に対向するようにフレームが位置決め配置され、プリンタ1の記録動作時に、このフレームごと基板24およびガイド板26が主走査方向(矢印b方向)に移動される。尚、後述するフレームには、他の色の記録ヘッド6M、6C、6Bの基板およびガイド板も固設され、フレームを移動することにより全ての基板24およびガイド板26が同時に移動されるようになっている。
【0035】
インクキャビティー22は、上述したインク供給チューブ11が接続されるインク供給口36、およびこのインク供給口36を介して供給されたインクを収容するとともに基板24方向に吸い上げる毛管構造を有するインク室37を有している。インク室37の内壁には、インクの流れる方向に沿った複数の凹凸37aが形成されている。このように形成されたインクキャビティー22は、フレームに固設された基板24の下面に密着して配置される。
【0036】
しかして、インク供給チューブ11およびインク供給口36を介して供給されたインクは、インク室37の内壁に形成された複数の凹凸37aによる毛管作用によって、インク室37の底から上方に吸い上げられ、基板24の開口33を介してガイド板26のガイド孔35に供給される。これにより、ガイド板26の各ガイド孔35にインクを均一に供給できる。また、インク室37の毛管構造により、ガイド孔35の先端のインク吐出口からインク滴を吐出する際にインクに生じる振動による影響を低減できる。
【0037】
このように、各インク吐出口へインクを均一に供給した状態で、駆動IC32を介して記録電極31に駆動電圧が選択的に印加されると、電圧が印加された記録電極31から転写ベルト4に向う所定強度の電界が形成され、インク吐出口へ供給されたインク内のトナー粒子に静電気力が作用され、トナー粒子が転写ベルト4に向けて飛翔される。
【0038】
次に、図4を参照して、ガイド板26の凸部25およびガイド孔35の形状について詳細に説明する。尚、図4(a)には記録ヘッド6の一部を転写ベルト4側から見た平面図、図4(b)には上記記録ヘッドを線分B−Bで切断した断面図、図4(c)には上記記録ヘッドを線分C−Cで切断した断面図を示してある。
【0039】
ガイド板26の凸部25は、略三角形状の断面を有し、この三角形の頂点を結んで主走査方向に延びた架空の稜線に向けて上方に傾斜した2つの傾斜面41a、41bを有している。
【0040】
ガイド板26の凸部25に沿って形成された各ガイド孔35は、架空の稜線からガイド板26を貫通して鉛直下方に延びて形成され、稜線に沿って延びた所定幅のスリット部35aを有している。スリット部35aの主走査方向両端には、それぞれスリット部35aの幅wより広い矩形孔部35b、35bが形成されている。このように、ガイド孔35を形成した結果、ガイド孔35先端のインク吐出口近傍に、スリット部35aの長さdに応じた幅を有するインクガイド部42、42が形成される。つまり、各インクガイド部42は、ガイド板26および凸部25と一体に形成され、高い機械的強度を有している。
【0041】
各インクガイド部42は、スリット部35aと傾斜面41a(41b)との間に鋭角な先端エッジ部42aを有している(図4c参照)。このように、各インク吐出口に鋭角な先端エッジ部42aを有することにより、ガイド孔を介して供給されたインクが先端エッジ部42aを超えて溢れることが防止される。
【0042】
本実施の形態では、インクガイド部42の機械的強度や転写ベルト4に着弾されるインクドットの径などを考慮して、スリット部35aの幅wが20〜100μmに設定され、スリット部35aの長さd、即ちインクガイド部42の幅dが50〜150μmに設定されている。
【0043】
インクガイド部42の幅dを50μmより短く設定すると、インクガイド部42に所望の強度を得られず、例えば、クリーニングブラシの摺接などによりインクガイド部42が破損されてしまう。一方、インクガイド部42の幅dを150μmより長く設定すると、先端エッジ部42aから吐出されるインク滴の吐出周波数が低下され、記録速度が低下されてしまう。
【0044】
また、スリット部35aは、その毛管力によってインクを吸い上げる作用を有し、その幅wによって、スリット部35aに形成されるインクメニスカス(後述する)の大きさや吐出されるインク滴の径が決定される。このため、スリット部35aの幅wは、転写ベルト4上に形成される所望するドット径や記録解像度に応じて適正に設定される必要がある。
【0045】
さらに、各ガイド孔35の間の凸部25には、各ガイド孔35に形成された上記インクガイド部42の鋭角な先端エッジ部42aより、転写ベルト4から離れる方向に後退した位置で転写ベルト4と平行に延びた平坦面44が形成されている。このように、各ガイド孔35の間にインクガイド部42の先端エッジ部42aより後退した平坦面44を形成することにより、各ガイド孔35のインクガイド部42の先端エッジ部42aが転写ベルト4に最も近接した記録ヘッドの先端となり、この先端エッジ部42aを中心にガイド孔35を介して供給されたインクによるインクメニスカスが形成されるようになる。
【0046】
次に、上記のように構成された記録ヘッド6Yによるインク滴の吐出動作について、図5乃至図8を参照して詳細に説明する。尚、各図面において、(a)は記録ヘッドを記録電極31の略中央で副走査方向に沿って切断した断面を示し、(b)は記録ヘッドをガイド板26の凸部25の架空の稜線に沿って切断した断面を示している。
【0047】
まず、図5に示すように、インクキャビティー22のインク供給口36を介してインク室37内にインクが供給されると、インク室37の内壁に形成された凹凸37aによる毛管作用によって、インクがガイド板26の方向に向けて上方に吸い上げられる。インク室37の毛管作用によって吸い上げられたインクは、基板24の各開口33を介して各ガイド孔35を濡れ上がり、各ガイド孔35先端のインク吐出口へ供給される。
【0048】
このように、インク室37の毛管力によって各インク吐出口へインクを供給することにより、インクを安定して且つ均一に供給できる。また、インク室37の毛管構造により、インク滴が吐出された際のインク面の振動を吸収でき、インクメニスカスの形状を常に安定させることができ、インク滴を常に安定して吐出できる。
【0049】
上記のように各インク吐出口へインクが供給されると、各インクガイド部42の近傍にインクメニスカス45が形成される。インクメニスカス45の形状は、インクガイド部42の鋭角な先端エッジ部42aの両端から平坦面44に向けて緩やかに下がった形状となっている。つまり、インクガイド部42の先端エッジ部42aより転写ベルト4方向に後退した平坦面44を各ガイド孔35の間に形成することにより、インクガイド部42の先端エッジ部42aを頂点としたインクメニスカス45を安定して形成できる。
【0050】
図6には、各ガイド孔35に均一にインクを供給した状態(図5の状態)で記録電極31と転写ベルト4との間に所定の電位差を与えたとき、インク内に形成される電界の向き(電気力線)を示してある。尚、ここで示した電気力線は、インク滴を吐出する場合に限らずインク滴を吐出しない場合も形成される。
【0051】
以下の説明では、説明を簡略化するため、転写ベルト4と記録電極31との間に直流電圧を印加する直流電源46および画像信号に応じてパルス電圧を選択的に印加するパルス電源48を直列につないだ概略構成を例として説明する。また、転写ベルト4は、金属製のベルト基材の表面にインクの離型性を良好にするための離型層を塗布せしめて形成されている。
【0052】
図6に示すように、記録電極31と転写ベルト4との間に所定の電位差が与えられると、各記録電極31から転写ベルト4に向う電界が形成される。このとき、各記録電極31付近に形成される電気力線は、記録電極31の矩形部分の中央に向って集束されつつ転写ベルト4に向って延びている。これにより、インク中のトナーtがガイド孔35の中央に集められながらインク吐出口へ効率良く凝集されることになる。
【0053】
ところで、記録電極31と転写ベルト4との間にインク滴が吐出することのない大きさのバイアス電圧が印加されると、図6に示すような電界がインク中に形成され、インク中のトナーtがこの電界による静電気力によってインクメニスカスの頂点、即ちインクガイド部42によって既定されたスリット部35aに向けて泳動される。そして、泳動されたトナーtは、インク吐出口近くに効率良く凝集され、インク吐出口近傍にトナー凝集物が形成される(図7参照)。このとき、インクメニスカス45がインク吐出口に向けて先細となっているため、トナーtが効率良く凝集される。
【0054】
尚、本実施の形態では、インク滴を吐出させないバイアス時には、転写ベルト4に対して直流電源46によって−800〜−1400Vの電位が与えられ、記録電極31が接地(0V)される。
【0055】
このように、インク吐出口にトナー凝集物が形成された状態で、記録電極31に上記バイアス電圧より高い記録電圧が印加されると、インク吐出口に形成されたトナー凝集物に転写ベルト4に向うより強い電界が作用される。本実施の形態では、転写ベルト4の電位を−800〜−1400Vに維持した状態でパルス電源48により記録電極31に+400〜+600Vの電位が与えられる。
【0056】
このように、トナー凝集物に作用される静電気力が大きくなると、インクガイド部42の両端eを節としてインクメニスカス45が膨らんでコーンが形成される。そして、トナー凝集物に作用される静電気力がインクメニスカス45の液面の表面張力を打ち破ると、トナー凝集物がインク滴としてインクメニスカス45の頂点45aから飛翔され、転写ベルト4の離型層上に着弾される(図8参照)。
【0057】
このようにして、転写ベルト4の離型層上に着弾されたインク滴は概ねトナーにより形成されており、キャリア液はトナーを濡らす程度しか存在しない。このため、離型層に着弾されたインク滴が流動したり隣接したインク滴と混ざることがなく、にじみのない良質な画像を形成できる。
【0058】
尚、上記のように、インク滴を吐出しないときに、各記録電極31と転写ベルト4との間にバイアス電圧(800〜1400V)を印加しておくことにより、インク滴を吐出させるときのスイッチング電圧を低くすることができ、記録速度を高速化できるとともに、駆動回路を小型化できる。
【0059】
ところで、上記のようにインク滴を飛翔させる際の吐出周波数は、インク滴が吐出されるインクガイド部42の幅dによって略決定される。つまり、インク滴が分離されて飛翔される際にコーンが転写ベルト4方向に膨らみ、インク滴が飛翔された後にコーンがガイド板26方向に戻されるため、コーンの節となるインクガイド部42の幅dを大きくするとインク滴を飛翔する際のコーンの振動が大きくなり吐出周波数が低下される。
【0060】
このため、高い吐出周波数を得るためには、インクガイド部42の幅dを短くすることが望ましい。しかし、本実施の形態では、インクガイド部42の強度や着弾されるインク滴の径などを考慮して、インクガイド部42の幅、即ちスリット部35aの長さdが適切な値に設定されている。
【0061】
また、本実施の形態では、ガイド板26の架空の稜線に向う2つの傾斜面41a、41bを有し、この稜線の中央からガイド孔35を形成しているため、インクガイド部42の先端エッジ部42aが鋭角に形成されている。このため、例えば、1つのインク吐出口から連続してインク滴を吐出させるような場合でも、インクが先端エッジ部42aを超えて溢れることがなくインクメニスカスを安定して形成できる。
【0062】
以上のように、本実施の形態によると、ガイド板26の中央に架空の稜線に向う2つの傾斜面41a、41bを有する凸部25を有し、この凸部25に沿ってガイド孔35を形成している。このため、ガイド孔35の上端が鋭角となり、インクが溢れることを防止でき、安定した吐出動作ができる。また、ガイド孔35のスリット部35aより両端の矩形孔部の幅を広くし、各ガイド孔35の間に転写ベルト4方向に後退した平坦面44を形成しているため、インクメニスカスの形状を安定させることができ、インクメニスカスの頂点にトナーを効率良く凝集でき、高速記録が可能となる。さらに、インクキャビティー22のインク室27の内壁にインクの流れる方向に沿った凹凸37aを形成して毛管構造としたため、各インク吐出部へインクを均一に供給できるとともに、インクメニスカスを安定させることができる。
【0063】
図9には、各記録ヘッド6Y、6M、6C、6Bの基板24およびガイド板26を支持したフレーム50を所定方向に移動させるための移動機構を含むヘッドユニット8を示してある。
【0064】
フレーム50のヘッド並び方向(矢印a方向)両端には、各記録ヘッドのインク吐出口が並んだ方向(矢印b方向)に延びた一対のスライダ56a、56bが取付けられている。各スライダ56a、56bは、矢印b方向に延設された軸57a、57bに沿ってスライド自在に保持されており、図示しないモータによって矢印b方向にスライドされる。
【0065】
記録動作時には、ヘッドユニット8の上方所定位置で転写ベルト4が矢印a方向に走行され、フレーム50が矢印b方向に移動される。これにより、転写ベルト4の全面にカラー画像を出力できる。
尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の画像形成装置は、上記のような構成および作用を有しているので、全ての吐出位置へインクを均一に供給でき、インク滴を安定して吐出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタを概略的に示す断面図。
【図2】図1のインクジェットプリンタに組込まれた記録ヘッドを示す斜視図。
【図3】図2の記録ヘッドを分解して部分的に示す分解斜視図。
【図4】図2の記録ヘッドを転写ベルト側から見た(a)平面図、図4(a)の線分B−Bに沿って切断した(b)断面図、図4(a)の線分C−Cに沿って切断した(c)断面図。
【図5】記録ヘッドの各インク吐出口へインクを供給した状態を示す断面図。
【図6】図5の状態から記録電極と転写ベルトとの間に電位差を与えたときにインク中に形成される電界を示す図。
【図7】図5の状態で記録電極と転写ベルトとの間にバイアス電圧を与えたときのトナーtの挙動を示す図。
【図8】図5の状態で記録電極と転写ベルトとの間に記録電圧を与えたときのトナーtおよびインクの挙動を示す図。
【図9】各記録ヘッドの基板およびガイド板を支持したフレームを移動させる移動機構を示す概略斜視図。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ、
2…筐体、
4…転写ベルト、
6Y、6M、6C、6B…記録ヘッド、
8…ヘッドユニット、
10Y、10M、10C、10B…ブラシローラ、
22…インクキャビティー、
24…基板、
25…凸部、
26…ガイド板、
31…記録電極、
33…開口、
35…ガイド孔、
35a…スリット部、
37…インク室、
37a…凹凸、
41a、41b…傾斜面、
42…インクガイド部、
42a…先端エッジ部、
44…平坦面、
50…フレーム、
P…記録紙。

Claims (4)

  1. 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散した記録液を収容した収容手段と、
    上記収容手段に連通された一端、および記録液を吐出させる吐出口を形成した他端をそれぞれ有する、上記収容手段に収容された記録液を流通させる複数の流路、および、上記複数の吐出口が並んだ第1の方向に沿って上記吐出口の略中心を通って延びた架空の稜線に向けて上記収容手段から離れる方向に傾斜した傾斜面を有し、上記収容手段に収容された記録液を上記複数の流路を通して上記各吐出口へガイドするガイド手段と、
    上記吐出口を通る電界を形成し、上記吐出口へガイドされた記録液中の色剤粒子を該吐出口から吐出させる電界形成手段と、を備え、
    上記各吐出口は、上記第1の方向に延びたスリット部、およびこのスリット部の両端に形成された該スリット部の幅より広い幅を有する矩形孔部を有し、
    上記各吐出口の間には、上記スリット部より上記色剤粒子の吐出方向に対して後退した平坦面が形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 上記収容手段は、上記ガイド手段に向けて延びた複数の凹凸を形成した内壁を有し、その毛管力により、収容した記録液を上記複数の流路に均一に供給することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散した記録液を収容した収容手段と、
    上記収容手段に隣接して配置され、該収容手段に収容された記録液を流通させる複数の開口、および上記各開口の周りに設けられた複数の電極を有する基板と、
    上記基板が上記収容手段から離間した面上に重合して配置され、上記各開口に一致した一端および上記各開口から離間した吐出口を形成した他端をそれぞれ有する複数の流路、および上記複数の吐出口が並んだ第1の方向に沿って上記吐出口の略中心を通って延びた架空の稜線に向けて上記基板から離れる方向に傾斜した傾斜面を有し、上記各開口を介して供給される記録液を上記複数の流路を通して上記各吐出口へガイドするガイド板と、
    上記電極に所定の電圧を印加し、上記電極から上記吐出口を通る電界を形成し、上記吐出口へガイドされた記録液中の色剤粒子に静電気力を作用させ、該色剤粒子を上記吐出口から吐出させる電圧印加手段と、を備え、
    上記各吐出口は、上記第1の方向に延びたスリット部、およびこのスリット部の両端に形成された該スリット部の幅より広い幅を有する矩形孔部を有し、
    上記各吐出口の間には、上記スリット部より上記色剤粒子の吐出方向に対して後退した平坦面が形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 上記収容手段は、上記基板の各開口に向けて延びた毛管構造を有する複数の凹凸を形成した内壁を有し、その毛管力により、収容した記録液を上記複数の流路に均一に供給することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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