JP3737544B2 - 金属線材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ等のゴム物品補強用スチールコードなどに好適な金属線材の製造方法に関わり、特に、ゴム物品補強用スチールコードを構成する素線の製造工程においてスリップ型伸線機を用いた湿式伸線方法により高強度細径の金属線材を効率よく製造しうる方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護の観点から自動車の燃費改善が求められており、その一環としてタイヤでは軽量化の検討がなされている。タイヤの補強材として優れた特性を有するが、密度が大きいという欠点のあるスチールコードを高強度化することによって、スチールコードのタイヤにおける使用量を減らしてタイヤの軽量化を図る試みがなされている。
【0003】
この目的のためには、スチールコードを構成する素線の強度を向上させる必要があり、素線の伸線加工を大きくすれば、強度は向上するものの、伸線加工時の断線が問題となる。さらに、スチールコードの低価格化を達成するために、伸線生産性向上を行ない、伸線速度を早める改良も試みられているが、速度を早めることにより伸線加工時の断線が増えたり、ダイスの摩耗が早くなるという問題を生ずる。
【0004】
ダイスの摩耗や断線を改善するために、特開平4−322812号公報では、ダイス群により累積減面率が90%を超えるところまで縮径し、仕上がり線径が0.10〜0.40mmの金属線を得る多段スリップ型伸線機であって、特定の線径領域でのダイスの仕事を特定し、かつ、第1ダイスを通過した線の速度をv1 、その線を引き取るコーン式キャプスタンの周速をV1 として、スリップ率S1 =[1−(v1 /V1 )]×100を30%以下とした伸線機を用いることを提案している。
【0005】
一方、「ワイヤ(WIRE)」7/8月号第132〜135頁(1975年)によれば、スリップ型伸線機は線とキャプスタンとのスリップは一様ではなく、いわゆるスティク−スリップ(摩擦が不安定になり、金属線の速度が断続的に変化することで、断線の原因となる)を繰り返しており、このために線が振動して断線につながるとして、ノンスリップ型伸線機を用いることを推奨している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ノンスリップ型伸線機は機構が複雑でそのために装置が大形化するので、大きな設置面積を必要とし、機構が複雑な装置なために価格も高く、操業や保守の際にも手間もかかるという問題点がある。
【0007】
また、特開平4−322812号公報記載の方法によれば、各ダイスの仕事率を特定値以下とすることは開示されているもののキャプスタン上でのワイヤのスティク−スリップについては考慮されておらず、線の振動による断線を防止することは困難である。
【0008】
従って、本発明の目的は、通常のスリップ型伸線機を使用しながら、効果的にダイスの摩擦や断線を防止しうる、生産性の高い高強度細径金属線材の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、伸線のスリップ速度率に注目して、鋭意検討した結果、仕上がり線の直径が0.08mm〜0.40mm、強度が3000N/mm2 以上となるように金属線材をスリップ型伸線機により湿式伸線する方法において、最終キャプスタンの周速をVc0 、最終ダイスを通過した金属線材の速度をVw0 として、Vc0 =Vw0 となし、且つ、任意の伸線パススケジュールのダイスを通過した金属線材の速度をVwn 、該金属線材を引き取るキャプスタンの周速をVcn として、
Sn=〔(Vcn −Vwn )/VcO 〕×100
と定義するスリップ速度率Snが3%〜8%の範囲とすることにより前記課題を解決しうることを見出した。
【0010】
また、この金属線材として、仕上がり線の直径が0.08mm〜0.40mm、強度が3000N/mm2 以上となる炭素鋼素線を用いることにより、タイヤ等のゴム物品補強用に好適な高強度細径のスチールコードを製造しうることを見出した。
【0011】
また、本発明の前記金属線材の製造方法は、例えば、ダイス群を挟んで対向するコーン式キャップスタンを少なくとも一対備えた多段スリップ型伸線機において、該伸線機の最終キャプスタンの周速Vco を最終ダイスを通過した金属線材の速度と同等とし、且つ、任意の伸線パススケジュールのダイスを通過した金属線材の速度をVwn 、該金属線材を引き取るキャプスタンの周速をVcn として、
Sn=〔(Vcn −Vwn )/VcO 〕×100
と定義するスリップ速度率Snが3%〜8%の範囲となるようなキャプスタン及び/又はダイスを備えてなる金属線材の製造装置を用いて実施することができる。
【0012】
本発明の方法においては、湿式伸線機をとして現在広く用いられているスリップ型湿式伸線機を改良して用いているため、新たに設備投資をする必要がなく、安価なスチールコードを提供できる。さらに、伸線機の設置面積も小さく保守も容易である。また、伸線機が湿式であるため、最終ダイスを除き、残りのダイスは全て潤滑液中に浸漬されているので伸線される金属線を十分冷却することができ、従って、時効脆化が抑制され耐疲労性に優れた金属素線を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
実際の湿式伸線機のキャプスタンは多段式コーンであるが、作用を説明するために図1に示すように、多段コーンを1個づつ直列に並べたものを仮定する。図1は湿式伸線機10の概略断面図を示す。湿式伸線機10の巻取りスプール12から供給スプール(図示せず)に向かって最終キャプスタンC0 14、次のキャプスタンC1 16、・・・、最初のキャプスタンCn 18とし、同様に、最終ダイスDO 20、次のダイスD1 22、・・・、最初のダイスDn 24となる。また、金属素線26の仕上がり線径をdo として、供給側に向けてd1 、d2 、・・・、dn 、キャプスタンの周速をVco 、Vc1 、・・・、Vcn 、金属線の速度をVwo 、Vw1 、・・・、Vwn とする。
【0014】
ここで、最終キャプスタンC0 14では、キャプスタンの周速Vco と最終ダイスD0 20を通過した金属線の速度Vwo とは同一となる。それ以外のキャプスタンではキャプスタンの周上で金属線はスリップしており、その大きさをスリップ速度率として、n番目キャプスタンのスリップ速度率Sn を下記式にて定義する。
【0015】
スリップ速度率: Sn=〔(Vcn −Vwn )/VcO 〕×100
このように定義することにより、従来、汎用されていたスリップ率: Sn1 ={〔(Vwn −Vwn+1 )/Vwn 〕−〔(Vcn −Vcn+1 )/Vcn 〕}×100
=〔(Vcn+1 /Vcn )−(Vwn+1 /Vwn )〕×100
と比較して、仕上がり素線の伸線方向での弾性変形による速度変化を吸収できるような調整を行ないうるスリップ率を設定することができる。即ち、従来のスリップ率(Sn1 )は、個々のダイスパスにおけるダイス前後の、ワイヤ速度比とキャプスタン周速比との差の百分率がある範囲に入るようにパススケジュールを組んでいたものである。
【0016】
ここで、ワイヤー流速Vwn は下記式にて定義される。
ワイヤー流速:Vwn =(do 2 /dn 2 )×VcO
ダイスパスシリーズ即ちダイスの減面率及び/又は伸線機のコーン径、キャプスタンの周速比(VcO :Vcn )或いは設計リダクション〔(Vcn −Vcn+1 ):Vcn 〕を選択してスリップ速度率を3%以上かつ8%以下の範囲とすることにより、伸線の弾性変形による速度変化を吸収することができるため、断線率を極めて低く抑えることができる。ダイスパスシリーズ及び/又は伸線機のキャプスタンの周速比又は設計リダクションを選択して前記の如く定義したスリップ速度率を調整することは、当業者には容易である。例えば、伸線機のキャプスタンの周速比を一定に保ちながら、伸線前半部分でダイスの減面率を順次減少させる、伸線後半部分でダイスの減面率を順次減少させながら、伸線機のキャプスタンの周速比(又は伸線機の設計リダクション)を高める、等の方法が挙げられる。ここで、従来の伸線機の設計リダクションでダイスパススケジュールを調整するよりも、伸線機の設計リダクションを全パススケジュールの前半と後半に分け、後半の設計リダクションを前半の設計リダクションよりも大きくなす、即ち、設計リダクションを調整することが、断線防止効果の観点から好ましい。
【0017】
前記式で定義したスリップ速度率に対する断線率を調査した結果を図2に示す。図2に明らかなように、本発明の方法によれば断線率が激減し、一方、スリップ速度率を3%未満とすると断線率が激増し、また8%を超えても断線率が増加することがわかる。
【0018】
本発明の方法で用いられる金属線材の仕上がり線の直径0.08mm〜0.40mmとすることにより、伸線速度を低減することなく、且つ、伸線時の断線を増加することなく、高い強度を得られるという利点がある。また、この金属線材の仕上がり線の直径は、0.10mm〜0.38mmであることが、前記効果をさらに高める観点からさらに好ましい。仕上がり線の直径は細いほど強度や弾性率が向上するが、仕上がり線の直径が0.10mm未満となると、線速度が上昇し、キャプスタンのコーン上でコーンと金属線材とが前記したようなステック−スリップを起こし、特に、伸線終期の塑性伸びが小さくなった場合に断線を起こしやすくなる。また、仕上がり線の直径が0.10mm未満となる場合、ゴム補強用コードのための1本当たりの強度が低下し、撚り数を増加させる必要が生じるため好ましくない。また、仕上がり線の直径が0.40mmを超えると、得られた金属線材の耐曲げ疲労性が低下するため好ましくない。
【0019】
さらに、本発明の方法を仕上がり線の直径が0.08mm〜0.30mm、且つ、強度3000N/mm2 以上である炭素鋼素線に適用することにより、タイヤ等のゴム補強用として好適なスチールコードを効率よく得ることができる。
【0020】
前記本発明の製造方法において規定したスリップ速度率の条件に適合するようなキャプスタン及び/又はダイスを従来汎用の湿式伸線機に備えることにより、金属線材の効率よい生産を行うことができる本発明の金属線材の製造方法を好適に実施することができる。
【0021】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0022】
図1に示すような湿式多段スリップ型伸線装置を用いてダイススケジュール及び伸線率の設計リダクションを調整することにより、スリップ速度率を調整して伸線を行った。伸線に用いた金属線材は、直径1.40mmの炭素含有量が0.82重量%である炭素鋼素線であり、この素線を直径0.23mm、強度3300N/mm2 の細径鋼線となるように伸線した。その結果を示す。
【0023】
(実施例1)
実施例1は、伸線機の設計リダクションは変更せずにダイスの減面率を調整して、伸線パススケジュールのスリップ速度率が3%〜8%の範囲内に入るようにしたものである。図3(A)には、ダイスの減面率の調整状態を○印にてプロットした。設計リダクションは□印でプロットされており、リダクションは約15%でほぼ一定である。この方法におけるスリップ速度比を測定して図3(B)に示した。図3(B)に示すように、スリップ速度比は、最適値である3〜8%にあることがわかる。この条件で伸線を行い、伸線時における素線の単位重量当たりの断線率、仕上がり線の捻回値、ダイス1個当たりの素線の製造量によるダイス寿命、素線の単位重量当たりの伸線に要した電力量について測定し、後記比較例1における値を100として指数表示したものを算出し、結果を下記表1に示した。ここでは、指数が大きいほど良好であることを表す。
【0024】
(実施例2)
実施例2は高強度かつ高延性の素線が得られるように伸線後半部分ではダイスの減面率を順次少なくしたダイススケジュールとし、伸線機の設計リダクションを伸線後半部分で約20%から順次15%程度まで下降調整することによりスリップ速度率を3%〜8%の範囲に収まるようにしたものである。ダイス減面率と設計リダクションを実施例1と同様にして図4(A)に、スリップ速度比を図4(B)に示した。この条件で伸線を行い、断線率、撚回値、ダイス寿命及び伸線に必要な消費電力を実施例1と同様に測定した。結果を下記表1に示す。
【0025】
(実施例3)
実施例3は高強度かつ高延性の素線が得られるように伸線前半部分と伸線後半部分とでダイスの減面率を変え、伸線後半部分では減面率を少なくしたダイススケジュールとし、伸線機の設計リダクションを順次下降するように調整することによりスリップ速度率を3%〜8%の範囲に収まるようにしたものである。ダイス減面率と設計リダクションを実施例1と同様にして図5(A)に、スリップ速度比を図5(B)に示した。この条件で伸線を行い、断線率、撚回値、ダイス寿命及び伸線に必要な消費電力を実施例1と同様に測定した。結果を下記表1に示す。
【0026】
(比較例1)
比較例1は、等減面率ダイススケジュールの場合を示す。ダイスを等減面率とし、伸線機の設計リダクションを一定にすると、スリップ速度率は伸線後半部分では、8%を超えてしまうことがわかる。ダイス減面率と設計リダクションを実施例1と同様にして図6(A)に、スリップ速度比を図6(B)に示した。この条件で伸線を行い、断線率、撚回値、ダイス寿命及び伸線に必要な消費電力を実施例1と同様に測定した。結果を下記表1に示す。
【0027】
(比較例2)
比較例2は、ダイススケジュールの減面率を伸線後半部分で、小さくなし、伸線機の設計リダクションを伸線後半部分では実施例2と同様に順次下降するように調整した。この場合、スリップ速度率は伸線中央部分で、8%を大きく超えてしまうことがわかる。ダイス減面率と設計リダクションを実施例1と同様にして図7(A)に、スリップ速度比を図7(B)に示した。この条件で伸線を行い、断線率、撚回値、ダイス寿命及び伸線に必要な消費電力を実施例1と同様に測定した。結果を下記表1に示す。
【0028】
(比較例3)
比較例3は、ダイススケジュールの減面率を伸線後半部分で、順次小さくなし、伸線機の設計リダクションを同様に伸線後半部分では順次下降するように調整した。この場合、スリップ速度率は伸線前半部分で、3%未満となることがわかる。ダイス減面率と設計リダクションを実施例1と同様にして図8(A)に、スリップ速度比を図8(B)に示した。この条件で伸線を行い、断線率、撚回値、ダイス寿命及び伸線に必要な消費電力を実施例1と同様に測定した。結果を下記表1に示す。
【0029】
(比較例4)
比較例4は、ダイススケジュールを等減面率として、伸線機の設計リダクションを同様に伸線後半部分では順次下降するように調整した。この場合、スリップ速度率はほとんどの部分で、8%を超えることがわかる。ダイス減面率と設計リダクションを実施例1と同様にして図9(A)に、スリップ速度比を図9(B)に示した。この条件で伸線を行い、断線率、撚回値、ダイス寿命及び伸線に必要な消費電力を実施例1と同様に測定した。結果を下記表1に示す。
【0030】
【表1】
表1からも明らかなように、本発明の製造方法を用いてスチールコードを製造したところ、伸線における断線が著しく減少し、かつ伸線ダイスの寿命も長くなったので伸線生産性を飛躍的に向上することができ、更に伸線時の消費電力を軽減できた。また、得られたスチール素線の捻回値も改善されたのでスチールコードに撚線する際の断線を減少でき、得られたスチールコードの耐疲労性も改善できるという優れた効果を示した。一方、スリップ速度比が8%を超える比較例1、2及び4においては、消費電力量はあまり上昇しないものの、断線指数、捻回値指数に劣り、ダイス寿命も短いことがわかった。この傾向は、伸線時の大部分でスリップ速度比が8%を超える比較例4において著しかった。また、スリップ速度比が3%未満の比較例3は、消費電力量及び捻回値指数において若干の改善がみられたが、断線指数が著しく劣り、伸線時の断線が多く、生産性が悪いことがわかった。
【0031】
このように、この発明の製造方法に適用する金属線材としては、ゴム補強用スチールコードの素線が好適に挙げられる。これは、タイヤ等のゴム製品の軽量化を図るために素線の強度を高める、素線を経済的に供給するために伸線生産性を高める、あるいは安価な装置で伸線できるという点が強く要望されているためで、本発明の方法はこの要求に応えうる伸線方法を提供しうるためである。
【0032】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、前記構成としたので伸線における断線が著しく減少し、かつ伸線ダイスの寿命も長くなり、伸線生産性を飛躍的に向上することができた。更に伸線時の消費電力を軽減でき、仕上がり線の捻回値も改善されたのでスチールコードを製造する際の断線を減少でき、得られたスチールコードは高強度で耐疲労性も改善されるという優れた効果を示す。また、この方法によれば、従来、汎用の湿式伸線機を応用して、高強度のスチールコードを効率よく製造しうるという優れた効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】多段コーンを1個づつ直列に並べた湿式伸線機の概略断面図である。
【図2】本発明の数式で定義したスリップ速度率に対する断線率を実際に測定した結果を示すグラフである。
【図3】(A)は、実施例1の金属線材の製造方法におけるダイス減面率と設計リダクションを示すグラフであり、(B)は、実施例1の金属線材の製造方法におけるスリップ速度比を測定した結果を示すグラフである。
【図4】(A)は、実施例2の金属線材の製造方法におけるダイス減面率と設計リダクションを示すグラフであり、(B)は、実施例2の金属線材の製造方法におけるスリップ速度比を測定した結果を示すグラフである。
【図5】(A)は、実施例3の金属線材の製造方法におけるダイス減面率と設計リダクションを示すグラフであり、(B)は、実施例3の金属線材の製造方法におけるスリップ速度比を測定した結果を示すグラフである。
【図6】(A)は、比較例1の金属線材の製造方法におけるダイス減面率と設計リダクションを示すグラフであり、(B)は、比較例1の金属線材の製造方法におけるスリップ速度比を測定した結果を示すグラフである。
【図7】(A)は、比較例2の金属線材の製造方法におけるダイス減面率と設計リダクションを示すグラフであり、(B)は、比較例2の金属線材の製造方法におけるスリップ速度比を測定した結果を示すグラフである。
【図8】(A)は、比較例3の金属線材の製造方法におけるダイス減面率と設計リダクションを示すグラフであり、(B)は、比較例3の金属線材の製造方法におけるスリップ速度比を測定した結果を示すグラフである。
【図9】(A)は、比較例4の金属線材の製造方法におけるダイス減面率と設計リダクションを示すグラフであり、(B)は、比較例4の金属線材の製造方法におけるスリップ速度比を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 湿式伸線機(金属線材の製造装置)
14 最終キャプスタン
16、18 キャプスタン
26 金属線材(鋼線)
Claims (3)
- 仕上がり線の直径が0.08mm〜0.40mmである金属線材をスリップ型伸線機により湿式伸線する方法において、
最終キャプスタンの周速をVc0 、最終ダイスを通過した金属線材の速度をVw0 として、Vc0 =Vw0 となし、且つ、
任意の伸線パススケジュールのダイスを通過した金属線材の速度をVwn 、該金属線材を引き取るキャプスタンの周速をVcn として、
Sn=〔(Vcn −Vwn )/VcO 〕×100
と定義するスリップ速度率Snが3%〜8%の範囲であること、
を特徴とする金属線材の製造方法。 - 前記金属線材が、仕上がり線の直径が0.08mm〜0.40mm、且つ、強度が3000N/mm2 以上の炭素鋼素線である、ことを特徴とする請求項1記載の金属線材の製造方法。
- 前記スリップ型伸線機の設計リダクション〔(Vcn −Vcn+1 )/Vcn 〕を全パススケジュールの前半と後半に分け、後半の設計リダクションを前半の設計リダクションよりも大きくなす、ことを特徴とする請求項1又は2記載の金属線材の製造方法。
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JPH0924413A JPH0924413A (ja) | 1997-01-28 |
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ID=16050862
Family Applications (1)
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JP17857495A Expired - Lifetime JP3737544B2 (ja) | 1995-07-14 | 1995-07-14 | 金属線材の製造方法 |
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Families Citing this family (1)
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JP4392868B2 (ja) * | 1998-02-24 | 2010-01-06 | 株式会社ブリヂストン | 多段スリップ型湿式伸線方法 |
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1995
- 1995-07-14 JP JP17857495A patent/JP3737544B2/ja not_active Expired - Lifetime
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