JP3736283B2 - 電子部品実装用装置および電子部品実装用装置におけるエラー履歴管理方法 - Google Patents

電子部品実装用装置および電子部品実装用装置におけるエラー履歴管理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリーン印刷装置や電子部品実装装置などの電子部品実装用装置および電子部品実装用装置におけるエラー履歴管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品を基板に実装して実装基板を製作する電子部品実装ラインは、スクリーン印刷装置や実装装置などの各種の電子部品実装用装置によって構成される。これらの電子部品実装用装置では動作制御は一般にコンピュータ化され、装置各部の動作や処理はコンピュータの制御プログラムを実行することにより行われる。そしてこの制御プログラムを実行する過程で、プログラム上の予定動作外の状態や動作が検出されるとエラーと判定されて所定のエラー信号が発せられる。装置によっては、これらのエラー信号をエラー履歴として記憶する機能を備えたものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のエラー履歴は単にエラー信号をそのままデータ化して記憶させたものであるため、一般にそのエラーが発生した状況を理解するには不十分であった。このため折角エラー情報を記録してエラー履歴を作成しても、これらのエラー履歴をエラーの原因解明などトラブルの解決のための情報として有効に利用することが困難であるという問題点があった。
【0004】
そこで本発明は、エラー履歴を適切な形で記憶させ有効に活用することができる電子部品実装用装置および電子部品実装用装置におけるエラー履歴管理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電子部品実装用装置は、電子部品を基板に実装して実装基板を製作する電子部品実装工程において使用される電子部品実装用装置であって、装置稼働時に発生するエラーを検出するエラー検出手段と、検出されたエラーのデータをそのエラーが発生した状況を示す付帯情報と関連づけてエラー情報として編集するエラー情報編集手段と、エラー情報を時系列的に記憶するエラー履歴記憶手段と、モニタから成る表示・出力部とを備え、前記モニタは発生したエラーの種類を示すトラブル名が日付・時刻順にエラー履歴画面の履歴表示欄に表示され、また履歴表示欄の任意のエラー項目についてエラー画面を個別に表示し、またエラー発生時点での各駆動軸の現在位置および制御プログラム上での状態を示すステータスを表示し、またエラー発生時の各センサのON・OFF状態を表示する
【0006】
請求項2記載の電子部品実装用装置におけるエラー履歴管理方法は、電子部品を基板に実装して実装基板を製作する電子部品実装工程において使用される電子部品実装用装置におけるエラー履歴管理方法であって、電子部品実装用装置の稼働時に発生するエラーを検出し、このエラーのデータをそのエラーが発生した状況を示す付帯情報と関連づけてエラー情報として編集して記憶させ、必要時にこのエラー情報を読み出し、且つモニタは発生したエラーの種類を示すトラブル名が日付・時刻順にエラー履歴画面の履歴表示欄に表示され、また任意のエラー項目についてエラー画面を個別に表示し、またエラー発生時点での各駆動軸の現在位置および制御プログラム上での状態を示すステータスを表示し、またエラー発生時の各センサのON・OFF状態を表示するようにした。
【0007】
本発明によれば、電子部品実装用装置の動作過程で発生するエラーを検出し、このエラーのデータをそのエラーが発生した状況を示す付帯情報と関連づけてエラー情報として編集して記憶させることにより、エラー発生時の状況を正しく分析することができ、エラー履歴データを有効に活用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の側面図、図2は本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の平面図、図3は本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の制御系の構成を示すブロック図、図4は本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置のエラー発生時処理を示すフロー図、図5、図6、図7は本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の表示画面を示す図である。
【0009】
まず、図1、図2を参照してスクリーン印刷装置の構造を説明する。スクリーン印刷装置は、電子部品実装ラインを構成する電子部品実装用装置である。図1において、基板位置決め手段である基板位置決め部1は、X軸テーブル2およびY軸テーブル3よりなる移動テーブル上にθ軸テーブル4を段積みし、さらにその上にZ軸テーブル5を配設して構成されており、Z軸テーブル5上には基板6をクランパ8によって挟み込んで下受け部材上で保持する基板保持部7が設けられている。印刷対象の基板6は図2に示す搬入コンベア14によって基板位置決め部1に搬入される。基板位置決め部1を駆動することにより、基板6の位置を調整することができる。印刷後の基板6は、搬出コンベア15によって搬出される。
【0010】
基板位置決め部1の上方には、スクリーンマスク10がマスク保持枠9によって保持されている。スクリーンマスク10はホルダ11にマスクプレート12を装着して構成されている。基板6は基板位置決め部1によってマスクプレート12に対して位置合わせされ下方から当接する。スクリーンマスク10上には、スキージユニット13が水平方向に往復動自在に配設されている。基板6がマスクプレート12の下面に当接した状態で、マスクプレート12上にクリーム半田を供給し、スキージユニット13のスキージをマスクプレート12の表面に当接させて摺動させることにより、基板6の表面にはマスクプレート12に設けられたパターン孔12a(図2参照)を介してクリーム半田が印刷される。
【0011】
スクリーンマスク10の上方には、認識手段であるカメラ20が設けられている。図2に示すように、カメラ20はX軸テーブル21およびY軸テーブル22によってXY方向に水平移動する。すなわちX軸テーブル21およびY軸テーブル22は移動手段となっている。基板6には対角位置に認識マーク6a,6bが設けられており、マスクプレート12には、基板6に設けられた認識マーク6a,6bに対応した位置に開口部12A(マスクプレート12の破断範囲内に位置しているため鎖線で示している),12Bが設けられている。マスクプレート12に対して基板6が正しい位置関係にある状態では、開口部12A,12Bを介して上方から認識マーク6a,6bを目視により視認またはカメラ20により撮像可能となっている。
【0012】
次に、図3を参照してスクリーン印刷装置の制御系の構成について説明する。図3において、CPU30は全体制御部であり以下に説明する各部の全体制御を行う。プログラム記憶部31は、スクリーン印刷の制御プログラム(アプリーケーション)を始め、各種動作・処理のプログラムを記憶する。データ記憶部32は、印刷対象の品種データなどの各種データを記憶する。装置稼働時に制御プログラムにしたがいCPU30によって各部を制御する過程において、装置各部のセンサなどの検出手段からの信号が制御プログラム上での設定と異なる場合には、動作・状態の異常として検出される。すなわち、CPU30は装置稼働時のエラーを検出するエラー検出手段となっている。
【0013】
このエラーについてのデータは、このエラーが発生した状況を示す付帯情報、すなわちエラー発生時の各駆動部の軸情報や入出力情報などと関連づけられてエラー情報としてCPU30によって編集される。したがって、CPU30はエラー情報編集手段をともなっている。
【0014】
第1履歴記憶部33は一時記憶装置であるDRAM上に設定された記憶領域であり、上述のエラー情報を時系列的にエラー履歴として一時記憶する。第2履歴記憶部34は、記憶装置であるHDD上に設定されたファイルであり、エラー情報を時系列的にファイル化して記憶する。すなわち、第1履歴記憶部33および第2履歴記憶部34はエラー情報を時系列的に記憶するエラー履歴記憶手段となっている。
【0015】
画像処理部35は、カメラ20によって基板6やスクリーンマスク10を撮像して得られた画像データを画像処理することにより、認識マーク6a,6bや開口部12A,12Bの位置を検出する。ここでは、データ記憶部32から認識マーク6a,6bや開口部12A,12Bの形状やサイズを表す認識パラメータを読み出して認識マーク6a,6bや開口部12A,12Bのリファレンスパターンを自動生成し、これらリファレンスパターンと得られた画像データをパターンマッチさせながら位置検索処理を行うことにより、認識マーク6a,6bや開口部12A,12Bの位置を検出する。
【0016】
軸制御部36は軸駆動用のドライバであり、基板位置決め用のXYテーブルを構成するX軸テーブル2、Y軸テーブル3や、θ軸テーブル4、Z軸テーブル5、スキージ駆動機構40などの機構部を制御するとともに、機構部の各軸の状態を示す軸情報をCPU30に伝達する。またこの軸制御部36による各軸の制御において検出された動作・状態の異常はエラーとして検出され、同様にCPU30に伝達される。したがって、軸制御部36はCPU30とともにエラー検出手段となっている。
【0017】
表示出力部37(表示手段)はモニタやプリンタなどであり、操作入力時やデータ入力時の案内画面を表示するほか、エラー履歴の出力をモニタ上での画面表示またはプリンタによる印字出力などの形態で行う。入力部38はキーボードやタッチパネルなどのデータ入力手段であり、制御操作入力や各種データの入力を行う。通信部39はネットワーク手段であり、前後工程の他装置との制御信号の授受を行うほか、通信ネットワークを介して遠隔地とのデータの送受信を行う。
【0018】
このスクリーン印刷装置は上記のように構成されており、以下スクリーン印刷装置の稼働時の軸エラー発生時の処理について図4を参照して説明する。まず、装置稼働開始時には、第2履歴記憶部34からエラー情報のファイルがCPU30によって読み出され、読み出されたエラー情報を第1履歴記憶部33に読み込ませる処理を行う。これにより、エラー情報の随時書き換えが可能な状態となる。スクリーン印刷が開始されると、CPU30はプログラム記憶部31に記憶された制御プログラムと、データ記憶部32に記憶されたデータに基づいて、スクリーン印刷装置の動作を制御する。
【0019】
そして装置稼働時の制御プログラム実行中において、何らかの動作・状態異常が発生しエラーとして検出されると、モニタには図5に示すようなエラー画面37aが表示される。このエラー画面には、エラー発生を報知する表示や、ヘルプ入力を促してトラブルシューティングに導く表示とともに、発生したエラーを特定するエラーコードおよび名称がそれぞれ表示枠41a,41bに表示される。
【0020】
この表示とともに、エラー情報を取得する処理が行われる。軸制御部36から各駆動軸において発生したエラー情報、すなわちエラーのデータを付帯情報と関連づけて編集されたエラー情報を取得する(ST1)。次いでCPU30によって制御プログラム上で検出可能なエラー情報、すなわちエラーのデータを付帯情報と関連づけて編集されたエラー情報を取得する(ST2)。
【0021】
このようにして検出されたエラーのデータは、CPU30によってエラー発生状況を示す軸情報や入出力情報などの付帯情報と関連づけられてエラー情報に編集され、その都度DRAM上のエラー履歴が更新される(ST3)。更新されたエラー履歴は、HDD上のファイルに格納される(ST4)。
【0022】
このようにして記憶されたエラー履歴は必要に応じ出力される。すなわち、制御プログラム上に動作トラブルの原因となる何らかの不具合が存在し、その不具合の原因を特定する必要がある場合には、入力部38からの操作入力により、図6に示すようなエラー履歴画面37bがモニタに表示される。
【0023】
ここでは発生したエラーの種類を示すトラブル名が日付・時刻順に、すなわち時系列的に履歴表示欄42に表示される。これにより、当該装置でその時点までに発生したエラーを確認することができ、さらにエラー画面表示を示す操作スイッチ43を操作することにより、履歴表示欄の任意のエラー項目について図5に示すエラー画面を個別に表示させることができる。
【0024】
さらに、各エラー項目について操作スイッチ44,45を操作することにより、それぞれ軸情報および入出力情報が表示される。図7(a),(b)は軸情報画面37cおよび入出力情報画面37dをそれぞれ示している。軸情報画面37cには、当該エラー発生時点におけるXテーブルやYテーブルなどの各駆動軸ごとに、当該エラー発生時点での各軸の現在位置46および制御プログラム上での状態を示すステータス47が表示される。これにより、当該エラー発生タイミングにおける各駆動軸のメカ的な位置関係を知ることができるとともに、各軸のソフト上での状態を確認することができる。
【0025】
また入出力情報画面37dには、装置の操作入力を行う各種ボタン・スイッチや各センサのON・OFF状態、すなわち制御入力の状態を示すI/O一覧表48が表示される。これにより、当該エラー発生時の装置内部での状態、すなわちどのような入力信号の組み合わせ状態においてエラーが発生したかを確認することができる。
【0026】
このように、エラーについてのデータを上記軸情報や入出力情報と関連づけられたエラー情報として時系列的にエラー履歴として記憶させ、必要に応じて表示させることにより、単にエラー発生の事実を記録に残すのみならず当該エラー発生時の状況を克明に確認することができ、したがってエラー発生原因の解明などのトラブル処理を容易に行うことが可能となる。
【0027】
またこのエラー履歴は、必要に応じ通信部39によって通信ネットワークを介して遠隔場所に転送される。このように、遠隔場所にてエラー履歴のデータを出力させることにより、制御プログラムの内容に通暁した専門技術者が制御対象装置の近くに常駐していない場合においても、より多様な形での対処が可能となる。例えば、エラー履歴データのみを当該装置の製作メーカに転送し、そのデータ内容の解析を専門技術者に依頼することにより、トラブル発生の原因を容易に解明することが可能となる。
【0028】
上記説明したように、本発明は、制御プログラム実行時に検出されるエラーを所定の付帯情報とリンクさせてエラー情報として時系列的に記憶させ、必要時には所定のデータ形式でエラー履歴として出力させるようにしたものである。これによりトラブル発生時には、制御プログラム上のどの部分でどのような状況下においてエラーが発生したのかを明確に特定することができ、トラブル時の原因究明を容易にしてトラブル処理を効率的に行うことができる。
【0029】
なお、本実施の形態では電子部品実装用装置の例としてスクリーン印刷装置を示しているが、本発明はこれに限定されず、例えば基板にボンドを塗布するボンド塗布装置や、スクリーン印刷後もしくはボンド塗布後の基板に電子部品を搭載する電子部品実装装置などに対しても本発明を適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、電子部品実装用装置の動作過程で発生するエラーを検出し、このエラーを関連する付帯情報と関連づけてエラー情報として編集して時系列的にエラー履歴として記憶させるようにしたので、必要時にはエラー履歴を出力してエラー発生時の状況を正しく分析することができ、エラー履歴データを有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の側面図
【図2】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の平面図
【図3】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の制御系の構成を示すブロック図
【図4】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置のエラー発生時処理を示すフロー図
【図5】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の表示画面を示す図
【図6】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の表示画面を示す図
【図7】本発明の一実施の形態のスクリーン印刷装置の表示画面を示す図
【符号の説明】
6 基板
30 CPU
33 第1履歴記憶部
34 第2履歴記憶部
36 軸制御部
37 表示出力部

Claims (2)

  1. 電子部品を基板に実装して実装基板を製作する電子部品実装工程において使用される電子部品実装用装置であって、装置稼働時に発生するエラーを検出するエラー検出手段と、検出されたエラーのデータをそのエラーが発生した状況を示す付帯情報と関連づけてエラー情報として編集するエラー情報編集手段と、エラー情報を時系列的に記憶するエラー履歴記憶手段と、モニタから成る表示・出力部とを備え、前記モニタは発生したエラーの種類を示すトラブル名が日付・時刻順にエラー履歴画面の履歴表示欄に表示され、また履歴表示欄の任意のエラー項目についてエラー画面を個別に表示し、またエラー発生時点での各駆動軸の現在位置および制御プログラム上での状態を示すステータスを表示し、またエラー発生時の各センサのON・OFF状態を表示することを特徴とする電子部品実装用装置。
  2. 電子部品を基板に実装して実装基板を製作する電子部品実装工程において使用される電子部品実装用装置におけるエラー履歴管理方法であって、電子部品実装用装置の稼働時に発生するエラーを検出し、このエラーのデータをそのエラーが発生した状況を示す付帯情報と関連づけてエラー情報として編集して記憶させ、必要時にこのエラー情報を読み出し、且つモニタは発生したエラーの種類を示すトラブル名が日付・時刻順にエラー履歴画面の履歴表示欄に表示され、また任意のエラー項目についてエラー画面を個別に表示し、またエラー発生時点での各駆動軸の現在位置および制御プログラム上での状態を示すステータスを表示し、またエラー発生時の各センサのON・OFF状態を表示することを特徴とする電子部品実装用装置におけるエラー履歴管理方法。
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