JP3734778B2 - 魚礁とその造成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚礁およびその造成方法に係わり、特に浚渫土を利用した魚礁とその造成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自然の入り江や岩場は天然の漁場となり易くその沿岸では養殖も含めて安定した漁獲量が確保できる。しかしながら、工業化の進展はこのような海をコンクリートで護岸された工業用地に変え、また、砂浜は埋め立てられて磯浜はなくなり、魚介類の産卵場や、貝類や海藻類あるいは稚魚の育成場が消失しつつある。このような状況を改善し、魚介類の棲息の場を確保するために様々な魚礁が提案されている。
【0003】
また、一方で、湾岸工事や河川工事の際に大量に発生する浚渫土の処理についても広く検討がなされている。浚渫土は植物プランクトンの発生に有効な栄養塩を含んでいるが、塩分を含むとともに高含水性であり、また、工場廃液等によって有害物質を含有している場合があり、通常の土壌として使用するためには改良を必要とする。その方法としては、天日乾燥する方法、薬剤を添加し凝集後脱水機にかけ減容化する方法、無機系固化材を用いて固化する方法、高分子系の改良剤で処理する方法などが知られている。
そこで、人工漁場や魚礁の開発においては、浚渫土等の産業廃棄物に着目し、これらを利用した発明がいくつか開示されている。
【0004】
例えば、特開平10−127201号公報(以下、イ号公報という。)には、「人工漁礁」として「浚渫泥土、ヘドロ、あるいは石炭灰を固化材により混合処理して固化したものを人工漁礁構造体とし、該人工漁礁構造体内に設けたパイプ部材内を魚介類の魚道としたことを特徴とする」発明が開示されている。このイ号公報に開示された発明では、浚渫泥土、ヘドロあるいは石炭灰を固化材により混合処理して固化したものを利用して人工漁礁とすることができ、浚渫泥土等の処分地を提供することができる。
【0005】
さらに、イ号公報には、「人工漁礁の製造方法」として「漁礁設置場所の水底に沈設した型枠内に固化材と混合処理された浚渫土、ヘドロあるいは石炭灰等の漁礁材を打設し、漁礁材の養生後に、該型枠を脱枠することにより、該型枠に従った構造の浚渫泥土、ヘドロ製あるいは石炭灰製の人工漁礁を直接漁礁設置場所の水底に設けることを特徴とする」発明も開示されている。このイ号公報に開示された発明では、設置場所において人工漁礁を製造することができるという利便性がある。
【0006】
また、特開平9−117234号公報(以下、ロ号公報という。)には、「人工漁場」として「岸側から沖合に向けて海底上に沖合に至るにしたがって高さが次第に高くなる潜堤を形成して海域の一部を囲う外郭施設を構築し、該外郭施設によって囲われた海底内を嵩上げし、てんぐさなどの海藻類やアワビやサザエなどの貝類、ウニ、ナマコなど、さらには沿岸性有用魚介類の稚仔魚、幼魚、成魚の育成に必要な海底環境としたことを特徴とする」発明が開示されている。このロ号公報に開示された発明では、岸側から沖合に向かって近深の海域の海底や入り海の開口部の海底に潜堤を築造することによって構築した外郭施設の内部の海底を嵩上げすることによって水深が適切に調整されるので、海藻類、貝類および沿岸性有用魚介類の育成に適した海底環境を提供することができる。
【0007】
さらに、ロ号公報では、「人工漁場の造成法」として、「岸側から沖合に向けて所定の海域を囲い人工漁場を構築するに際し、人工漁場の施行区域内に汚濁防止膜を張設したのち、岸側から沖合に向けて次第に高さが高くなる潜堤を石材によって築造し、ついで潜堤によって囲まれた海域の海底を浚渫土や建設土砂などによって嵩上げし、岸側に近い海域の海底を比較的平坦で水深の浅い浅場とし、沖側に近い海域を海底が前記浅場から沖合に向かって緩やかに傾斜する深場とし、前記浅場の岸側に近い海底に比較的大きな石材を密に敷設した磯場帯と、石材を粗に敷設して海底面が顕出するガラモ場帯とに区画して浅場全域を海藻類や貝類などの増殖海域とし、深場の緩やかに傾斜する海底の表面には所定の厚さに砂材を敷設して沿岸性有用魚介類の増殖海域としたことを特徴とする」発明も開示されている。このロ号公報に開示された発明では、岸側から直ぐに水深が深くなる海域に潜堤によって外郭施設を構築し、この外郭施設によって囲われた海底面を嵩上げするというきわめて簡単かつ容易な手段によって魚介類の増繁殖に好適な環境を有する海域を提供することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の技術においては、まず、イ号公報に開示された発明では、確かに浚渫泥土、ヘドロあるいは石炭灰を利用した漁礁を提供できるものの環境汚染の懸念があるという課題がある。つまり、浚渫泥土、ヘドロあるいは石炭灰を改良する手段として強アルカリ性であるセメント等の固化材によって固化する方法を用いており、しかも、養生を海底において行うために海中へのアルカリ成分の流出の可能性がある。さらに、固化材を使用することによる費用がコストアップとなってしまう。
【0009】
一方、ロ号公報に開示された発明では、潜堤の施工前の海域に予め汚濁防止膜を張設している。汚濁防止膜と潜堤との関係が明細書に明確に記載されていないので詳細は不明であるが、この汚濁防止膜を張設して潜堤を築造する際には汚濁防止に効果があるものの、その後浚渫土や建設残土を搬入して嵩上げした後の浚渫土や建設残土の粒子の拡散については対策がなされておらず、海流等によって潜堤の隙間から浚渫土などが流出して周囲の環境を汚染する可能性があるという課題がある。
また、浚渫土等で嵩上げして造られた新たな海底には、石や砂が敷設されている部分もあるが、浚渫土等が顕出している部分もあり、魚介類が育成する海域においても浚渫土等による汚濁が生じる可能性があるという課題がある。
【0010】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、海底あるいは湖底に設置され、浚渫土の使用に際して周辺水域を汚染せずに、かつ、簡便な方法を用いて、魚介類や海藻類の繁殖に適した環境を有する魚礁とその造成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明である魚礁は、海底あるいは湖底を囲うように石類を積み上げて設置される潜堤と、この潜堤の内側に張設した潜堤カバーシートと、この潜堤カバーシート上部と潜堤で囲まれた海底あるいは湖底に浚渫土を敷設して形成される基礎部と、この基礎部の上面に敷設した基礎部カバーシートと、この基礎部カバーシートの上部に砂類を敷設して形成される育成部とを有するものである。
【0012】
上記構成の魚礁は、潜堤の内側に潜堤カバーシートを張設することによって、基礎部を構成する浚渫土が潜堤の隙間から周辺海域へ流出するのを防止する作用がある。また、浚渫土を敷設して形成される基礎部の上面に基礎部カバーシートを張設することによって、育成部への浚渫土の流出を防止する作用がある。
【0013】
また、請求項2に記載の発明である魚礁は、請求項1に記載の魚礁において、潜堤が海底あるいは湖底に石類を積み上げて形成された第1の潜堤と、この第1の潜堤の上部に石類を積み上げて形成された第2の潜堤とを具備しており、また、潜堤カバーシートが第1の潜堤の内側に張設された第1の潜堤カバーシートと、第2の潜堤の内側に張設された第2の潜堤カバーシートとを具備し、基礎部が第1の潜堤カバーシート上部と第1の潜堤に囲まれた海底あるいは湖底に浚渫土を敷設して形成される第1の基礎部と、第2の潜堤カバーシート上部と第2の潜堤に囲まれた第1の基礎部の上部に浚渫土を敷設して形成される第2の基礎部とを具備するものである。
【0014】
上記構成の魚礁においては、請求項1の発明の作用に加えて、潜堤、潜堤カバーシートおよび基礎部を二段構成にすることによって潜堤カバーシートの固定を強固にし、海流等の外部からの力に対する抵抗力を強める作用がある。しかも、造成時には作業を分割して着実に工事を進めることができるという作用がある。
【0015】
さらに、請求項3に記載の発明である魚礁の造成方法は、海底あるいは湖底に石類を積み上げて第1の潜堤を形成する工程と、第1の潜堤の内側に第1の潜堤カバーシートを張設する工程と、第1の潜堤カバーシート上部と第1の潜堤に囲まれた海底あるいは湖底に浚渫土を敷設して第1の基礎部を形成する工程と、第1の潜堤の上部に石類を積み上げて第2の潜堤を形成する工程と、この第2の潜堤の内側に第2の潜堤カバーシートを張設する工程と、第2の潜堤カバーシート上部と第2の潜堤に囲まれた第1の基礎部の上部に浚渫土を敷設して第2の基礎部を形成する工程と、第2の基礎部の上部に基礎部カバーシートを張設する工程と、基礎カバーシートの上部に砂類を敷設して育成部を形成する工程とを有するものである。
【0016】
上記構成の魚礁の造成方法においては、潜堤の内側に潜堤カバーシートを張設した後に浚渫土の敷設作業を行うので作業後に周辺の海域や水域へ浚渫土が流出するのを防止するという作用がある。また、浚渫土を未加工の状態で用いるので加工した場合に比べると作業が簡便になり、しかも、加工に伴う汚染を予防できると同時にコストダウンにもなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る魚礁の実施の形態を図1及び図2に基づき説明する。(請求項1および請求項2に対応)
図1は本発明の実施の形態に係る魚礁の上面図である。図1において、本実施の形態における魚礁1は沖合の海底5上に設置されており、潜堤2により四方が囲まれた四角形状で、上面には良質の砂を敷設して形成された育成場3を備えるものである。また、潜堤2と育成場3の上部随所には石4が布置されている。
【0018】
この石4は魚介類が産卵したり、稚魚が育成したりすることができる棲家となるが、石4に代えてコンクリートブロック、鉄塊およびタイヤを用いてもよい。
また、魚礁1は海底5以外にも湖底や池にも設置できる。そして、魚礁1の規模は自由に設定することができ、また、上面から見た潜堤2の形状は本実施の形態では四角形状で示しているが、円形など連続していれば如何なる形状であってもよい。
【0019】
次に、図2を用いて本実施の形態に係る魚礁の構造について説明する。図2は、図1中にA−A線で示された部分の矢視断面図である。図2において、海底5上に設置された魚礁1の潜堤2は捨石などの石材を積み上げて形成された第1の潜堤6と、この第1の潜堤6の上部に捨石などの石材を積み上げて形成された第2の潜堤7によって構成されている。
第1の潜堤6の内側を覆うように第1の潜堤カバーシート8が張設され、さらに、この第1の潜堤カバーシート8の上部と第1の潜堤6に囲まれた四角形状の海底には浚渫土が敷設され、第1の基礎土台9が形成されている。
第2の潜堤7の内側にも、第1の潜堤6の場合と同様に覆うように第2の潜堤カバーシート10が張設されている。そして、第2の潜堤カバーシート10の上部と第2の潜堤7に囲まれた第1の基礎土台9の上部には浚渫土が敷設され、第2の基礎土台11が形成されている。
第2の基礎土台11の上面には基礎土台カバーシート12が敷設されており、さらに、この基礎土台カバーシート12の上部には良質の砂を敷設した育成場3が形成されている。そして、石4が育成場3および第2の潜堤7の上部に布置されている。
【0020】
このように構成された本実施の形態においては、魚礁1では、第1の潜堤6および第2の潜堤7に覆うようにして張設された第1の潜堤カバーシート8および第2の潜堤カバーシート10が、第1の基礎土台9および第2の基礎土台11を構成する浚渫土の潜堤2の石材隙間からの流出を防止するので、海洋が汚染されない。第1の基礎土台9および第2の基礎土台11を構成する浚渫土はこれに代えて建設土砂あるいは廃棄土砂や廃材などを用いてもよい。また、第1の潜堤カバーシート8は、第1の潜堤6とこの第1の潜堤6で囲まれた海底の全部を覆うように張設してもよいし、第2の潜堤カバーシート10は、第2の潜堤7と第1の基礎土台9の上部の全部を覆うように張設してもよい。なお、第1の潜堤カバーシート8および第2の潜堤カバーシート10は透水性であることが望ましい。
【0021】
また、潜堤、潜堤カバーシートおよび基礎土台を二段構成にすることによって潜堤カバーシートの固定が強固になり、海流等の外部からの力に対する抵抗力を強めるので、浚渫土の流出を効果的に防止できる。しかも、このような魚礁を造成する際に、作業を分割できそれぞれ着実に進めることができるため工程の管理が容易である。
なお、第1の潜堤6と第2の潜堤7を一体化して一つの潜堤としてもよいし、第1の潜堤カバーシート8と第2の潜堤カバーシート10を一体化して一枚の潜堤カバーシートとしてもよい。また、第1の基礎土台9と第2の基礎土台11についても一体化して一つの基礎土台にしてもよい。
【0022】
第2の基礎土台11の上部に設けた基礎土台カバーシート12は、第2の基礎土台11を構成する浚渫土の育成場3への流出を防止し、育成場3を常に清浄な状態に維持することができる。この基礎土台カバーシート12は透水性であることが望ましい。または、水以外の成分を選択的に透過させるような機能を有したものでもよい。
第1の基礎土台9および第2の基礎土台11によって育成場3は海面近傍に位置させることができる。したがって、十分な太陽光を採り入れることができ海水の循環も活発となり、また、良質の砂が敷設されているので藻場が形成され、プランクトンが増殖し、魚が集まるようになる。そして、石4は魚介類の産卵や稚魚の育成の場としての役割を果たすことになる。なお、育成場3に敷設した砂には藻場が形成されやすいように腐葉土などの栄養分を含ませてもよい。
【0023】
次に、本発明に係る魚礁の造成方法の実施の形態について図3乃至図6を参照しながら説明する。(請求項3に対応)
図3は、本実施の形態に係る魚礁の造成方法の工程を示す概念図である。
図3において、ステップS−1は魚礁を造成する海底に第1の潜堤を形成する工程を、ステップS−2はその第1の潜堤の内側を覆うように第1の潜堤カバーシートを張設する工程を、そして、ステップS−3は第1の潜堤内側に第1の基礎土台を形成する工程を示している。
また、ステップS−4は第1の潜堤の上部に第2の潜堤を形成する工程、ステップS−5はその第2の潜堤の内側を覆うように第2の潜堤カバーシートを張設する工程、ステップS−6は第2の基礎土台を形成する工程をそれぞれ示している。さらに、ステップS−7は、第2の基礎土台の上に基礎土台カバーシートを覆うように張設する工程を示し、ステップS−8はその基礎土台カバーシートの上面に砂を敷設して育成場を形成する工程を示している。
【0024】
ここで、図4を用いて図3中のステップS−1乃至ステップS−3について説明する。図4は、図3中のステップS−1乃至ステップS−3の工程を魚礁の断面を用いて図示した概念図である。
図4において、ステップS−1ではまず、海底5上に捨石などの石材を積み上げて第1の潜堤6を形成する。この潜堤6は海底上を囲むように形成する。次に、ステップS−2ではステップS−1において形成された第1の潜堤6の内側を覆うように第1の潜堤カバーシート8を張設する。そして、ステップS−3ではステップS−2において張設された第1の潜堤カバーシート8の上部とステップS−1で形成された第1の潜堤6で囲まれた海底上に浚渫土を敷設して第1の基礎土台9を形成するのである。この浚渫土の敷設の際には、周辺海域への拡散を防止するために浚渫土の運搬船から汚濁防止用のシートなどを海底近くまで展張して行うことが望ましい。
なお、浚渫土に代えて建設土砂や廃棄土あるいは廃材を敷設して第1の基礎土台9を形成してもよい。
【0025】
次に、図5を用いて図3中のステップS−4乃至ステップS−6について説明する。図5は、図3中のステップS−4乃至ステップS−6の工程を魚礁の断面を用いて図示した概念図である。
図5において、ステップS−4では、捨石などの石材を海底5に設置された第1の潜堤6の上部に積み上げて第2の潜堤7を形成する。次に、ステップS−5では、ステップS−4において形成された第2の潜堤7の内側を覆うように第2の潜堤カバーシート10を張設する。そして、ステップS−6では、ステップS−5において張設された第2の潜堤カバーシート10の上部と、ステップS−4で形成された第2の潜堤7に囲まれた第1の基礎土台9の上部に浚渫土を敷設して第2の基礎土台11を形成するのである。この場合においても、第1の基礎土台9の形成時と同様に汚濁防止用のシートなどを手当てすることが望ましいし、浚渫土に代えて建設土砂などを敷設して第2の基礎土台11を形成してもよい。
【0026】
図6を参照しながら図3中のステップS−7およびステップS−8を説明する。図6は、図3中のステップS−7およびステップS−8の工程を魚礁の断面を用いて図示した概念図である。図6において、ステップS−7では、第2の基礎土台11の上部に基礎土台カバーシート12を張設する。そして、ステップS−8では、ステップS−7において形成された基礎土台カバーシート12の上部に良質の砂を敷設し、育成場3を形成するのである。また、ここで第2の潜堤7と育成場3の上部に石4を布置する工程を加えてもよい。
このように構成された魚礁の造成方法においては、潜堤の内側を覆うように潜堤カバーシートを張設した後に浚渫土の敷設作業を行うので作業中の海底へ浚渫土が流出することがなく周辺海域の汚染を防止できる。また、浚渫土を未加工の状態で用いるので加工した場合に比べて作業が簡便になり、コストダウンにもつながる。しかも、加工に伴う汚染を予防することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1および請求項2に記載の魚礁においては、潜堤に張設された潜堤カバーシートは基礎部を構成する浚渫土が潜堤の石類の隙間から流出するのを防止するので、周辺の海あるいは湖が汚染されない。
【0028】
また、特に本発明の請求項2に記載の魚礁においては、潜堤、潜堤カバーシートおよび基礎部を二段構成にすることによって潜堤カバーシートの固定が強固になり、海流等の外部からの力に対する抵抗力を強めるので、浚渫土の流出を効果的に防止できると同時に造成作業を分割することができ、それぞれ着実に工事を進めることができるため工程を容易に管理することができる。
また、基礎部の上部に設けた基礎部カバーシートは、基礎部を構成する浚渫土の育成部への流出を防止し、育成部を常に清浄な状態に保つことができる。また、基礎部によって育成部は海面近傍に位置するので、十分に太陽光を採光でき、海水の循環も活発となり、また、砂類が敷設されているので藻場が形成され、プランクトンが増殖するので、魚介類の棲息に適した環境になる。
【0029】
また、本発明の請求項3に記載の魚礁の造成方法においては、潜堤の内側に潜堤カバーシートを張設した後に浚渫土の敷設を行うので作業中の海底あるいは湖底へ浚渫土が流出せず周辺海域あるいは水域の汚染を防止できる。また、浚渫土を未加工の状態で用いるので加工した場合に比べて作業が簡便になり、コストダウンにつながる。しかも、加工に伴う汚染を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る魚礁の上面図である。
【図2】図1中にA−A線で示された部分の矢視断面図である。
【図3】本実施の形態に係る魚礁の造成方法の工程を示す概念図である。
【図4】図3中のステップS−1乃至ステップS−3の工程を魚礁の断面を用いて図示した概念図である。
【図5】図3中のステップS−4乃至ステップS−6の工程を魚礁の断面を用いて図示した概念図である。
【図6】図3中のステップS−7およびステップS−8の工程を魚礁の断面を用いて図示した概念図である。
【符号の説明】
1…魚礁 2…潜堤 3…育成場 4…石 5…海底 6…第1の潜堤 7…第2の潜堤 8…第1の潜堤カバーシート 9…第1の基礎土台 10…第2の潜堤カバーシート 11…第2の基礎土台 12…基礎土台カバーシート

Claims (3)

  1. 海底あるいは湖底を囲うように石類を積み上げて設置される潜堤と、この潜堤の内側に張設した潜堤カバーシートと、この潜堤カバーシート上部と前記潜堤で囲まれた海底あるいは湖底に浚渫土を敷設して形成される基礎部と、この基礎部の上面に敷設した基礎部カバーシートと、この基礎部カバーシートの上部に砂類を敷設して形成される育成部とを有することを特徴とする魚礁。
  2. 前記潜堤は、海底あるいは湖底に石類を積み上げて形成された第1の潜堤と、この第1の潜堤の上部に石類を積み上げて形成された第2の潜堤とを具備し、前記潜堤カバーシートは、前記第1の潜堤の内側に張設された第1の潜堤カバーシートと、前記第2の潜堤の内側に張設された第2の潜堤カバーシートとを具備し、前記基礎部は、前記第1の潜堤カバーシート上部と前記第1の潜堤に囲まれた海底あるいは湖底に浚渫土を敷設して形成される第1の基礎部と、前記第2の潜堤カバーシート上部と前記第2の潜堤に囲まれた前記第1の基礎部の上部に浚渫土を敷設して形成される第2の基礎部とを具備することを特徴とする請求項1記載の魚礁。
  3. 海底あるいは湖底に石類を積み上げて第1の潜堤を形成する工程と、前記第1の潜堤の内側に第1の潜堤カバーシートを張設する工程と、前記第1の潜堤カバーシート上部と前記第1の潜堤に囲まれた海底あるいは湖底に浚渫土を敷設して第1の基礎部を形成する工程と、前記第1の潜堤の上部に石類を積み上げて第2の潜堤を形成する工程と、この第2の潜堤の内側に第2の潜堤カバーシートを張設する工程と、前記第2の潜堤カバーシート上部と前記第2の潜堤に囲まれた前記第1の基礎部の上部に浚渫土を敷設して第2の基礎部を形成する工程と、前記第2の基礎部の上部に基礎部カバーシートを張設する工程と、前記基礎カバーシートの上部に砂類を敷設して育成部を形成する工程とを有することを特徴とする魚礁の造成方法。
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