JP3143776B2 - 人工漁場及びその造成法 - Google Patents
人工漁場及びその造成法Info
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- JP3143776B2 JP3143776B2 JP07300712A JP30071295A JP3143776B2 JP 3143776 B2 JP3143776 B2 JP 3143776B2 JP 07300712 A JP07300712 A JP 07300712A JP 30071295 A JP30071295 A JP 30071295A JP 3143776 B2 JP3143776 B2 JP 3143776B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、海岸に近接する
海域の一部を人工的に改良することによって海藻類の繁
殖や、貝類、ウニ、ナマコなど、さらには沿岸性有用魚
介類の稚仔魚、幼魚、成魚などの増殖に必要な海洋環境
を作り、いわゆる栽培漁業を目指すことのできる人工漁
場とその造成法に関するものである。
海域の一部を人工的に改良することによって海藻類の繁
殖や、貝類、ウニ、ナマコなど、さらには沿岸性有用魚
介類の稚仔魚、幼魚、成魚などの増殖に必要な海洋環境
を作り、いわゆる栽培漁業を目指すことのできる人工漁
場とその造成法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近海での漁業不振を回復するため、さら
には沿岸漁場整備の一環として、魚類や海藻の繁殖し易
い場所に人工漁礁を利用して藻場や人工漁場を作ること
が行われている。たとえば、特開昭63−251030
号公報においては、海面下40〜60mの大陸棚に内部
に浮沈調整用タンクと貫通孔を有し、かつ上面には漁礁
材等を載置した適宜形状の箱形本体を固定し、大陸棚の
有効面積を拡大して魚類の棲息に適した環境を作り、魚
類や数量を豊富にすることが提案されている。また、海
面下30m程度の陸棚に100m間隔で漁礁を設置して
漁礁群を形成し、この漁礁群付近の水に上下対流を発生
させて水底側の水を水面側に移動させて水底側の容存酸
素量を増大させ、微生物の繁殖によって魚類の増殖を助
長させることが特公平7−51033号公報に開示され
ている。
には沿岸漁場整備の一環として、魚類や海藻の繁殖し易
い場所に人工漁礁を利用して藻場や人工漁場を作ること
が行われている。たとえば、特開昭63−251030
号公報においては、海面下40〜60mの大陸棚に内部
に浮沈調整用タンクと貫通孔を有し、かつ上面には漁礁
材等を載置した適宜形状の箱形本体を固定し、大陸棚の
有効面積を拡大して魚類の棲息に適した環境を作り、魚
類や数量を豊富にすることが提案されている。また、海
面下30m程度の陸棚に100m間隔で漁礁を設置して
漁礁群を形成し、この漁礁群付近の水に上下対流を発生
させて水底側の水を水面側に移動させて水底側の容存酸
素量を増大させ、微生物の繁殖によって魚類の増殖を助
長させることが特公平7−51033号公報に開示され
ている。
【0003】また、流失海藻が移動する海域で破波点よ
り沖側の平坦な海域に特殊な構造のフェンスを配置し、
このフェンスによって群落から離脱等した流出海藻を捕
捉して滞留させ、これを餌料源としてアワビやウニなど
の藻食動物を育成することが特開平6−189649号
公報において提案されている。さらに、投石や爆破によ
って形成された新しい海底に海藻の殻胞子を積極的に供
給して岩礁部に大量確実な殻胞子着床をさせる効率的な
藻場造成法が特公平1−43532号によって提案され
ている。
り沖側の平坦な海域に特殊な構造のフェンスを配置し、
このフェンスによって群落から離脱等した流出海藻を捕
捉して滞留させ、これを餌料源としてアワビやウニなど
の藻食動物を育成することが特開平6−189649号
公報において提案されている。さらに、投石や爆破によ
って形成された新しい海底に海藻の殻胞子を積極的に供
給して岩礁部に大量確実な殻胞子着床をさせる効率的な
藻場造成法が特公平1−43532号によって提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】魚類を効果的に一定の
海域に集めるために、あるいは海藻を繁殖させてアワビ
やウニ、ナマコなどを捕獲するため、魚類や海藻の棲息
環境を改善し、あるいは人工的に作り出す方法について
は上記のように多くの提案がなされている。しかしなが
ら、これらの提案はいずれも特定の構造の装置を使用す
るもので、広い海底を使用して十分な効果を得るには相
当広範囲に装置を設ける必要があるので、結果的には海
の自然を破壊するおそれのあるものである。
海域に集めるために、あるいは海藻を繁殖させてアワビ
やウニ、ナマコなどを捕獲するため、魚類や海藻の棲息
環境を改善し、あるいは人工的に作り出す方法について
は上記のように多くの提案がなされている。しかしなが
ら、これらの提案はいずれも特定の構造の装置を使用す
るもので、広い海底を使用して十分な効果を得るには相
当広範囲に装置を設ける必要があるので、結果的には海
の自然を破壊するおそれのあるものである。
【0005】この発明はかゝる現状に鑑み、海岸に近接
する海域に潜堤を構築し、潜堤に囲われた海域の海底を
人工的に改良することによって比較的平坦で水深が浅
く、海藻類やこれら海藻を食料とするアワビやサザエ、
ウニ、ナマコなどの増繁殖に適した浅場海域と、沖合に
向けて緩く下り傾斜して水深が次第に深くなる沿岸性有
用魚介類の増殖に適した海域を築造していわゆる栽培漁
業が可能な人工漁場と、その造成法を提供せんとするも
のである。
する海域に潜堤を構築し、潜堤に囲われた海域の海底を
人工的に改良することによって比較的平坦で水深が浅
く、海藻類やこれら海藻を食料とするアワビやサザエ、
ウニ、ナマコなどの増繁殖に適した浅場海域と、沖合に
向けて緩く下り傾斜して水深が次第に深くなる沿岸性有
用魚介類の増殖に適した海域を築造していわゆる栽培漁
業が可能な人工漁場と、その造成法を提供せんとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、この発明の請求項1に記載の発明は、岸側から沖合
に向けて海底上に沖合に至るにしたがって高さが次第に
高くなる潜堤を形成して海域の一部を囲う外郭施設を構
築し、該外郭施設によって囲われた海底内を嵩上げし、
てんぐさなどの海藻類、アワビやサザエなどの貝類、ウ
ニ、ナマコなど、さらには沿岸性有用魚介類の稚仔魚、
幼魚、成魚の育成に必要な海底環境としたことを特徴と
する人工漁場である。
め、この発明の請求項1に記載の発明は、岸側から沖合
に向けて海底上に沖合に至るにしたがって高さが次第に
高くなる潜堤を形成して海域の一部を囲う外郭施設を構
築し、該外郭施設によって囲われた海底内を嵩上げし、
てんぐさなどの海藻類、アワビやサザエなどの貝類、ウ
ニ、ナマコなど、さらには沿岸性有用魚介類の稚仔魚、
幼魚、成魚の育成に必要な海底環境としたことを特徴と
する人工漁場である。
【0007】より具体的には、この発明の人工漁場は、
前記外郭施設内の海底は、岸側に近い約1/2の海底を
沖合に向けて水深が0〜5m前後の比較的なだらかな平
坦面とし、その先の沖合側を最も深い場所で水深が約1
5m前後となるよう岸側から緩やかに傾斜するよう嵩上
げしたことを特徴とするものである。
前記外郭施設内の海底は、岸側に近い約1/2の海底を
沖合に向けて水深が0〜5m前後の比較的なだらかな平
坦面とし、その先の沖合側を最も深い場所で水深が約1
5m前後となるよう岸側から緩やかに傾斜するよう嵩上
げしたことを特徴とするものである。
【0009】さらにより具体的には、この発明の人工漁
場は、前記外郭施設内の海底は、岸側に近い約1/2の
海底を沖合に向けて水深が0〜5m前後の比較的なだら
かな平坦面の海域を浅場とし、その先の沖合側の緩やか
な形斜面の海域を深場とし、前記浅場の岸側に近接する
海域の海底に転石などの石材を施設して磯場帯とすると
共に、残りの浅場の海域の海底には砂礫や転石を施設し
てガラモ場帯とし、深場の海域の海底の表面は砂材で覆
ったことを特徴とするものである。
場は、前記外郭施設内の海底は、岸側に近い約1/2の
海底を沖合に向けて水深が0〜5m前後の比較的なだら
かな平坦面の海域を浅場とし、その先の沖合側の緩やか
な形斜面の海域を深場とし、前記浅場の岸側に近接する
海域の海底に転石などの石材を施設して磯場帯とすると
共に、残りの浅場の海域の海底には砂礫や転石を施設し
てガラモ場帯とし、深場の海域の海底の表面は砂材で覆
ったことを特徴とするものである。
【0010】また、請求項4記載の人工漁場は、海の一
部が陸地に入り込んだ入り海の開口部の海底上に所定の
高さの潜堤を築造して外郭施設とし、該外郭施設によっ
て外海と区画された入り海の海底を嵩上げててんぐさな
どの海藻類やアワビやサザエなどの貝類、ウニ、ナマコ
など、さらには沿岸性有用魚介類の稚仔魚、幼魚、成魚
の育成に必要な海底環境としたことを特徴とするもので
ある。
部が陸地に入り込んだ入り海の開口部の海底上に所定の
高さの潜堤を築造して外郭施設とし、該外郭施設によっ
て外海と区画された入り海の海底を嵩上げててんぐさな
どの海藻類やアワビやサザエなどの貝類、ウニ、ナマコ
など、さらには沿岸性有用魚介類の稚仔魚、幼魚、成魚
の育成に必要な海底環境としたことを特徴とするもので
ある。
【0011】さらに、この発明の請求項9に記載の発明
は、岸側から沖合に向けて所定の海域を囲い人工漁場を
構築するに際し、人工漁場の施行区域内に汚濁防止膜を
張設したのち、岸側から沖合に向けて次第に高さが高く
なる潜堤を石材によって築造して外郭施設とし、ついで
前記外郭施設によって囲われた海域の海底を浚渫土や建
設土砂などによって嵩上げし、岸側に近い海域の海底を
比較的平坦で水深の浅い浅場とし、沖側に近い海域を海
底が前記浅場から沖合に向かって緩やかに下り傾斜する
深場とし、前記浅場の岸側に近い海底に比較的大きな石
材を密に敷設した磯場帯と、石材を粗に敷設して海底面
が顕出するガラモ場帯とに区画して浅場全域を海藻類や
貝類などの増殖海域とし、深場の緩やかに傾斜する海底
の表面には所定の厚さに砂材を敷設して沿岸性有用魚介
類の増殖海域としたことを特徴とする人工漁場の造成法
である。
は、岸側から沖合に向けて所定の海域を囲い人工漁場を
構築するに際し、人工漁場の施行区域内に汚濁防止膜を
張設したのち、岸側から沖合に向けて次第に高さが高く
なる潜堤を石材によって築造して外郭施設とし、ついで
前記外郭施設によって囲われた海域の海底を浚渫土や建
設土砂などによって嵩上げし、岸側に近い海域の海底を
比較的平坦で水深の浅い浅場とし、沖側に近い海域を海
底が前記浅場から沖合に向かって緩やかに下り傾斜する
深場とし、前記浅場の岸側に近い海底に比較的大きな石
材を密に敷設した磯場帯と、石材を粗に敷設して海底面
が顕出するガラモ場帯とに区画して浅場全域を海藻類や
貝類などの増殖海域とし、深場の緩やかに傾斜する海底
の表面には所定の厚さに砂材を敷設して沿岸性有用魚介
類の増殖海域としたことを特徴とする人工漁場の造成法
である。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の人工漁場は、浜辺に近
接する海底又は海の一部が陸地に入り込んだ入り海の開
口部の海底上に潜堤からなる外郭施設を構築し、この外
郭施設によって囲われた海底部分を覆土などによって嵩
上げし、海藻類や貝類、ウニ、ナマコなど、さらには沿
岸性有用魚介類の棲息や増殖に有利なように一定の深さ
としたものである。
接する海底又は海の一部が陸地に入り込んだ入り海の開
口部の海底上に潜堤からなる外郭施設を構築し、この外
郭施設によって囲われた海底部分を覆土などによって嵩
上げし、海藻類や貝類、ウニ、ナマコなど、さらには沿
岸性有用魚介類の棲息や増殖に有利なように一定の深さ
としたものである。
【0013】外郭施設を構成する潜堤は水深が約0〜5
0m程度の海域に捨石などの石材によって構築するもの
で、基本的には岸側から沖合に向かって所定の間隔を存
して設けられる一対の潜堤と、該潜堤の先端部を相互に
連結する潜堤によって構成されるもので、岸側に最も近
接する磯場帯における潜堤は幅約3〜5m程度で海底か
ら水面下約0m〜3m程度となるような高さで、最も深
い場所(水深約50m程度)では幅約3〜5m程度で、
海底から水面下約15m程度の高さとなるように構築す
る。
0m程度の海域に捨石などの石材によって構築するもの
で、基本的には岸側から沖合に向かって所定の間隔を存
して設けられる一対の潜堤と、該潜堤の先端部を相互に
連結する潜堤によって構成されるもので、岸側に最も近
接する磯場帯における潜堤は幅約3〜5m程度で海底か
ら水面下約0m〜3m程度となるような高さで、最も深
い場所(水深約50m程度)では幅約3〜5m程度で、
海底から水面下約15m程度の高さとなるように構築す
る。
【0014】かゝる潜堤によって構築する外郭施設は、
基本的には前記したように平面がコ字状とするものであ
るが、一対の潜堤を岸側から沖合にむけて先端部の間が
次第に拡大するように配置し、各潜堤の先端部間を直線
状又は円弧状の潜堤で相互に連結して扇型としてもよ
く、あるいは平行に配置された潜堤の先端部間を弧状の
潜堤によって相互に連結したU字状であってもよく、要
は外郭施設を構築する海底の環境や地形によって任意の
形状とすることができる。なお、入り海の開口部間を結
ぶ海底上に築造される潜堤は、基本的には直線状である
が、曲線状であってもよいことは勿論である。
基本的には前記したように平面がコ字状とするものであ
るが、一対の潜堤を岸側から沖合にむけて先端部の間が
次第に拡大するように配置し、各潜堤の先端部間を直線
状又は円弧状の潜堤で相互に連結して扇型としてもよ
く、あるいは平行に配置された潜堤の先端部間を弧状の
潜堤によって相互に連結したU字状であってもよく、要
は外郭施設を構築する海底の環境や地形によって任意の
形状とすることができる。なお、入り海の開口部間を結
ぶ海底上に築造される潜堤は、基本的には直線状である
が、曲線状であってもよいことは勿論である。
【0015】前記の潜堤によって囲まれた外郭施設内の
海底は水深が約0m前後から50m前後と深さの程度に
幅を有しているので、水深が約1mから水深が約50m
程度の海底には浚渫土や建築物などの構築に際して生ず
る建設土などを投入して海底を嵩上げすると同時に改質
して、岸側から水深が約0〜5m前後の海底を比較的平
坦な浅場と、該浅場から沖合に向かって水深が約5mか
ら約15m前後に至る緩やかな傾斜面を有する深場を形
成する。
海底は水深が約0m前後から50m前後と深さの程度に
幅を有しているので、水深が約1mから水深が約50m
程度の海底には浚渫土や建築物などの構築に際して生ず
る建設土などを投入して海底を嵩上げすると同時に改質
して、岸側から水深が約0〜5m前後の海底を比較的平
坦な浅場と、該浅場から沖合に向かって水深が約5mか
ら約15m前後に至る緩やかな傾斜面を有する深場を形
成する。
【0016】海底が比較的平坦な浅場は基本的にはこれ
を2分割し、岸側に近い水深がより浅い平坦な海底(水
深が約0〜3m程度)には転石などの比較的大きな石材
を密に敷設して幅約10〜50m程度の磯場帯を形成す
る。この磯場帯には、てんぐさ,ひじき,いぎすなどア
ワビやサザエ、ウニ、ナマコなどの増殖に有用な小型の
海藻類の繁殖場とするものである。
を2分割し、岸側に近い水深がより浅い平坦な海底(水
深が約0〜3m程度)には転石などの比較的大きな石材
を密に敷設して幅約10〜50m程度の磯場帯を形成す
る。この磯場帯には、てんぐさ,ひじき,いぎすなどア
ワビやサザエ、ウニ、ナマコなどの増殖に有用な小型の
海藻類の繁殖場とするものである。
【0017】前記磯場帯に続く沖合側の水深が3〜5m
程度の平坦な海底には、磯場帯と同様に転石や砂礫など
の石材を比較的粗に敷設して海底の一部が顕出している
ガラモ場帯とし、アラメ、カジメ、アジモやワカメ、コ
ンブなどの大型の海藻類の繁殖場とするものである。こ
のガラモ場帯は、アワビやウニ、ナマコなどの増殖や養
殖に最適の場所となるので、海底にはアワビやウニ、ナ
マコなどの増殖や繁殖に適した人工漁礁を配することが
好ましく、かゝる人工漁礁の大きさや形状、材質につい
ては特別な制限はない。
程度の平坦な海底には、磯場帯と同様に転石や砂礫など
の石材を比較的粗に敷設して海底の一部が顕出している
ガラモ場帯とし、アラメ、カジメ、アジモやワカメ、コ
ンブなどの大型の海藻類の繁殖場とするものである。こ
のガラモ場帯は、アワビやウニ、ナマコなどの増殖や養
殖に最適の場所となるので、海底にはアワビやウニ、ナ
マコなどの増殖や繁殖に適した人工漁礁を配することが
好ましく、かゝる人工漁礁の大きさや形状、材質につい
ては特別な制限はない。
【0018】平坦な海底の浅場に続く深場は、最も水深
の浅い場所で約5m前後であり、最も深い場所では約1
5m前後で全体が沖合に向かって緩い下り傾斜地となっ
ているもので、該傾斜地の表面には良質の砂材を所定の
厚さとなるように敷設して沿岸性有用魚介類の増殖場と
するもので、この深場には、魚介類の増殖のための人工
漁礁を配してもよい。なお、沿岸性有用魚介類の増殖の
ための人工漁礁もその材質や形状、大きさについてはな
んらの制限もないものである。
の浅い場所で約5m前後であり、最も深い場所では約1
5m前後で全体が沖合に向かって緩い下り傾斜地となっ
ているもので、該傾斜地の表面には良質の砂材を所定の
厚さとなるように敷設して沿岸性有用魚介類の増殖場と
するもので、この深場には、魚介類の増殖のための人工
漁礁を配してもよい。なお、沿岸性有用魚介類の増殖の
ための人工漁礁もその材質や形状、大きさについてはな
んらの制限もないものである。
【0019】
【作用】この発明の人工漁場は、岸側から沖合に向かっ
て海底上に、あるいは入り海の開口部の海底上に潜堤を
設けて所定の海域に外郭施設を構築し、この外郭施設内
に浚渫土や転石などの石材を投入して嵩上げし、岸側の
海底を水深の浅い平坦な浅場とし、沖合側には海底を沖
合に向かって緩やかに傾斜させて深場を形成し、外郭施
設で囲った海域を海藻類や貝類、さらには沿岸性有用魚
介類などが最も棲息しやすい海洋環境としたものであ
る。すなわち、この人工漁場は、沖合側から岸側に向け
て海底が緩やかに上り傾斜となる深場を築造し、この深
場から岸側に連続して続く浅場における海水の対流を効
果的に生ぜしめると共に、貝類や沿岸性有用魚介類の増
殖に欠かせない海藻類の繁殖海域を設け、かつ太陽光線
ができるだけ海底に自然な状態で届くような海底を有す
る深場を設けているので、プランクトンの増殖を促進
し、十分な酸素と栄養源を提供することができるため、
沿岸性有用魚介類が常に好環境下で棲息することができ
るものである。
て海底上に、あるいは入り海の開口部の海底上に潜堤を
設けて所定の海域に外郭施設を構築し、この外郭施設内
に浚渫土や転石などの石材を投入して嵩上げし、岸側の
海底を水深の浅い平坦な浅場とし、沖合側には海底を沖
合に向かって緩やかに傾斜させて深場を形成し、外郭施
設で囲った海域を海藻類や貝類、さらには沿岸性有用魚
介類などが最も棲息しやすい海洋環境としたものであ
る。すなわち、この人工漁場は、沖合側から岸側に向け
て海底が緩やかに上り傾斜となる深場を築造し、この深
場から岸側に連続して続く浅場における海水の対流を効
果的に生ぜしめると共に、貝類や沿岸性有用魚介類の増
殖に欠かせない海藻類の繁殖海域を設け、かつ太陽光線
ができるだけ海底に自然な状態で届くような海底を有す
る深場を設けているので、プランクトンの増殖を促進
し、十分な酸素と栄養源を提供することができるため、
沿岸性有用魚介類が常に好環境下で棲息することができ
るものである。
【0020】また、この発明の人工漁場の造成法は、岸
側から沖合に向かって海底上に築造された潜堤によって
囲まれた海域の海底面を区画して、比較的平坦でかつ水
深も浅い浅場と沖合に向かって次第に緩やかに下り傾斜
する傾斜面を有する深場を形成するに際し、浚渫土や建
設残土などを使用して行うことができるため、きわめて
経済的に人工漁場を構築することができる。
側から沖合に向かって海底上に築造された潜堤によって
囲まれた海域の海底面を区画して、比較的平坦でかつ水
深も浅い浅場と沖合に向かって次第に緩やかに下り傾斜
する傾斜面を有する深場を形成するに際し、浚渫土や建
設残土などを使用して行うことができるため、きわめて
経済的に人工漁場を構築することができる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の人工漁場及びその造成法の
一実施例を添付の図面に基づいて説明する。図1はこの
発明の人工漁場の全体図を示すもので、この人工漁場1
を構築する海底は、海岸線Xから沖合に向かって約80
m位までは緩やかに下り傾斜する水深が0mから約5m
程度の海域で、該地点Yから沖合に向かって一気に水深
が約20m前後と深く傾斜する傾斜面を有し、該傾斜面
の終端Y1 から沖合に向かっては比較的なだらかな下り
傾斜面の続く海域で、目標とする沖合の地点Zの水深は
約50m前後、岸からこの地点Zまでの距離はおよそ約
400mである。
一実施例を添付の図面に基づいて説明する。図1はこの
発明の人工漁場の全体図を示すもので、この人工漁場1
を構築する海底は、海岸線Xから沖合に向かって約80
m位までは緩やかに下り傾斜する水深が0mから約5m
程度の海域で、該地点Yから沖合に向かって一気に水深
が約20m前後と深く傾斜する傾斜面を有し、該傾斜面
の終端Y1 から沖合に向かっては比較的なだらかな下り
傾斜面の続く海域で、目標とする沖合の地点Zの水深は
約50m前後、岸からこの地点Zまでの距離はおよそ約
400mである。
【0022】かゝる地形を有する海底に、海岸線から少
し離れた水深が約0m前後の地点から沖合に向かって図
1に示すように沖合に向かって次第に高さが高くなる一
対の潜堤2,3を約100mの間隔で水深が約50m前
後の地点Zまでほぼ平行に築造したのち、両潜堤2,3
の先端部を横方向に潜堤4によって一体的に連結して外
郭施設を構成して、岸側に近接する所定の海域を他の海
域と区画する。この潜堤2,3及び4は幅を約3〜5m
程度とし、捨石などの石材の積み上げによって築造する
もので、水深が約50m前後の地点Zにおける潜堤4の
高さはその頂部が水深約15m程度となる高さ、すなわ
ち約35m前後となるように石材を積み上げるものであ
る。この潜堤の築造に際しては、施工区域内にあらかじ
め汚濁防止膜を展張しておこなうものである。
し離れた水深が約0m前後の地点から沖合に向かって図
1に示すように沖合に向かって次第に高さが高くなる一
対の潜堤2,3を約100mの間隔で水深が約50m前
後の地点Zまでほぼ平行に築造したのち、両潜堤2,3
の先端部を横方向に潜堤4によって一体的に連結して外
郭施設を構成して、岸側に近接する所定の海域を他の海
域と区画する。この潜堤2,3及び4は幅を約3〜5m
程度とし、捨石などの石材の積み上げによって築造する
もので、水深が約50m前後の地点Zにおける潜堤4の
高さはその頂部が水深約15m程度となる高さ、すなわ
ち約35m前後となるように石材を積み上げるものであ
る。この潜堤の築造に際しては、施工区域内にあらかじ
め汚濁防止膜を展張しておこなうものである。
【0023】かゝる潜堤2,3および4によって区画さ
れた外郭施設内の海底は水深が約1m前後から約50m
前後で平坦な海底がきわめて少ないので、この外郭施設
によって囲われた海底に浚渫土や建設残土などの中詰土
を、外郭施設で囲った海域の岸側に近い約1/2の海底
は水深が約0〜5m前後(図1における岸側から地点Y
1 近傍まで)で、しかも全体がなだらかな平坦面となる
ように、また沖側の約1/2の海底は水深が約5m前後
の地点Yから沖合の水深約50m前後の地点Zに至るに
従って緩やかに下り傾斜面を形成するように投入して、
海底が平坦な水深が約0〜5m前後の浅場と海底が緩や
かな傾斜面を有し、かつ水深が浅い所で約5m前後、最
大で約15m程度の深場Cとなるよう嵩上げする。
れた外郭施設内の海底は水深が約1m前後から約50m
前後で平坦な海底がきわめて少ないので、この外郭施設
によって囲われた海底に浚渫土や建設残土などの中詰土
を、外郭施設で囲った海域の岸側に近い約1/2の海底
は水深が約0〜5m前後(図1における岸側から地点Y
1 近傍まで)で、しかも全体がなだらかな平坦面となる
ように、また沖側の約1/2の海底は水深が約5m前後
の地点Yから沖合の水深約50m前後の地点Zに至るに
従って緩やかに下り傾斜面を形成するように投入して、
海底が平坦な水深が約0〜5m前後の浅場と海底が緩や
かな傾斜面を有し、かつ水深が浅い所で約5m前後、最
大で約15m程度の深場Cとなるよう嵩上げする。
【0024】この中詰土によって海底を嵩上げして形成
した前記浅場は図1に示すように、岸側に近い約1/2
の海底に比較的大きな石材を密に敷き詰めて水深が約0
〜3m前後の磯場帯Aとし、沖側の約1/2の海底には
砂礫や転石などの石材を海底の一部が石材の間から顕出
するよう比較的粗の状態で敷き詰めて水深が約3〜5m
前後のガラモ場帯Bを形成する。
した前記浅場は図1に示すように、岸側に近い約1/2
の海底に比較的大きな石材を密に敷き詰めて水深が約0
〜3m前後の磯場帯Aとし、沖側の約1/2の海底には
砂礫や転石などの石材を海底の一部が石材の間から顕出
するよう比較的粗の状態で敷き詰めて水深が約3〜5m
前後のガラモ場帯Bを形成する。
【0025】前記磯場帯Aは沖合に向かって約幅10〜
50mの範囲の海底に形成するものであって、石材を密
に敷設することによって海流によって運ばれた胞子が石
材に付着し自然にてんぐさ,ひじき,いぎすなどの海藻
類が増殖するもので、これら海藻類はアワビやサザエ、
ウニ、ナマコなどの動物の栄養源ともなる。
50mの範囲の海底に形成するものであって、石材を密
に敷設することによって海流によって運ばれた胞子が石
材に付着し自然にてんぐさ,ひじき,いぎすなどの海藻
類が増殖するもので、これら海藻類はアワビやサザエ、
ウニ、ナマコなどの動物の栄養源ともなる。
【0026】また、ガラモ場帯Bは、沖合に向かって約
50〜80mの範囲の海底に石材を比較的粗の状態で敷
設して形成するもので、アラメ、カジメ、アジモ、ワカ
メ、コンブ(但し水温の高い地域では不可)などの大型
の海藻類の増殖場とするもので、この海底にはアワビや
サザエ、ウニ、ナマコなどの動物の増殖を補助する人工
漁礁を配置することが好ましい。
50〜80mの範囲の海底に石材を比較的粗の状態で敷
設して形成するもので、アラメ、カジメ、アジモ、ワカ
メ、コンブ(但し水温の高い地域では不可)などの大型
の海藻類の増殖場とするもので、この海底にはアワビや
サザエ、ウニ、ナマコなどの動物の増殖を補助する人工
漁礁を配置することが好ましい。
【0027】岸側から沖合に向かって緩やかに傾斜する
傾斜面を有する深場Cは、水深が約5〜15m程度に海
底が嵩上げされ、かつ海底面には良質の砂材が敷設され
ているので、太陽光線が十分に海底まで達し、かつ海底
に水流が生じると共に、海藻類も増殖するため栄養源も
豊富となって沿岸性有用魚介類の増殖に好適な海洋環境
が形成される。かゝる深場Cには、沿岸性有用魚介類の
産卵や増殖に適した人工漁礁を適宜配置することによっ
てより一層効果を向上させることができる。
傾斜面を有する深場Cは、水深が約5〜15m程度に海
底が嵩上げされ、かつ海底面には良質の砂材が敷設され
ているので、太陽光線が十分に海底まで達し、かつ海底
に水流が生じると共に、海藻類も増殖するため栄養源も
豊富となって沿岸性有用魚介類の増殖に好適な海洋環境
が形成される。かゝる深場Cには、沿岸性有用魚介類の
産卵や増殖に適した人工漁礁を適宜配置することによっ
てより一層効果を向上させることができる。
【0028】上記の実施例は、陸地から海が広く広がっ
ている海域の一部を区画して人工漁場を造成する場合に
ついて説明したが、海の一部が陸地に入り込んでいる入
り海に人工漁場を造成する場合には、入り海の開口部の
海底上に潜堤を築造して外郭施設を構築し、この外郭施
設によって外海と区画された入り海内の海底を前記の手
段によって嵩上げし、比較的平坦な海底を有する浅場
と、岸側から沖合に向かってなだらかに下り傾斜する傾
斜面を有する深場を形成すればよい。
ている海域の一部を区画して人工漁場を造成する場合に
ついて説明したが、海の一部が陸地に入り込んでいる入
り海に人工漁場を造成する場合には、入り海の開口部の
海底上に潜堤を築造して外郭施設を構築し、この外郭施
設によって外海と区画された入り海内の海底を前記の手
段によって嵩上げし、比較的平坦な海底を有する浅場
と、岸側から沖合に向かってなだらかに下り傾斜する傾
斜面を有する深場を形成すればよい。
【0029】
【発明の効果】この発明の人工漁場は、岸側から沖合に
向かって近深の海域の海底に沖合に至るに従って高さが
高くなる潜堤を築造することによって、あるいは入り海
の開口部の海底に潜堤を築造することによってそれぞれ
外郭施設を構築し、この外郭施設によって囲われた海底
を嵩上げすることによって水深が約0〜5m前後で海底
が平坦な浅場と、沖合に向かって緩やかに傾斜する傾斜
面を有する水深が約5〜15m程度の深場を形成するの
で、外郭施設によって囲われた海域の海底には十分な太
陽光線が届き、海底に水流が生ずるため老廃物の蓄積が
生ぜず、海底が常に好環境となる。その結果、浅場には
小魚やアワビ、サザエ、ウニ、ナマコなどの動物の栄養
源となる海藻類が増繁殖し易く、深場には沿岸性有用魚
介類が多く棲息し、産卵、増殖することになる。また、
岸側に近い浅場に石材を密に敷設して小型の海藻類を、
沖側の浅場に石材を粗の状態で敷設することによって大
型の海藻類を増殖させれば、増繁殖した海藻類やアワビ
やウニ、ナマコなどの捕獲に際して船などを使用するこ
となく比較的容易にこれを行うことができる。
向かって近深の海域の海底に沖合に至るに従って高さが
高くなる潜堤を築造することによって、あるいは入り海
の開口部の海底に潜堤を築造することによってそれぞれ
外郭施設を構築し、この外郭施設によって囲われた海底
を嵩上げすることによって水深が約0〜5m前後で海底
が平坦な浅場と、沖合に向かって緩やかに傾斜する傾斜
面を有する水深が約5〜15m程度の深場を形成するの
で、外郭施設によって囲われた海域の海底には十分な太
陽光線が届き、海底に水流が生ずるため老廃物の蓄積が
生ぜず、海底が常に好環境となる。その結果、浅場には
小魚やアワビ、サザエ、ウニ、ナマコなどの動物の栄養
源となる海藻類が増繁殖し易く、深場には沿岸性有用魚
介類が多く棲息し、産卵、増殖することになる。また、
岸側に近い浅場に石材を密に敷設して小型の海藻類を、
沖側の浅場に石材を粗の状態で敷設することによって大
型の海藻類を増殖させれば、増繁殖した海藻類やアワビ
やウニ、ナマコなどの捕獲に際して船などを使用するこ
となく比較的容易にこれを行うことができる。
【0030】また、この発明の人工漁場の造成法は、岸
側から直ぐに水深が深くなる海域に潜堤による外郭施設
を構築し、この外郭施設によって囲われた海底面を嵩上
げするというきわめて簡単かつ容易な手段によって海藻
類や沿岸性有用魚介類の増繁殖に好適な環境を有する海
域とすることができる。
側から直ぐに水深が深くなる海域に潜堤による外郭施設
を構築し、この外郭施設によって囲われた海底面を嵩上
げするというきわめて簡単かつ容易な手段によって海藻
類や沿岸性有用魚介類の増繁殖に好適な環境を有する海
域とすることができる。
【図1】この発明の人工漁場の全体を示す斜視図であ
る。
る。
【図2】図1に示す人工漁場の端面図である。
1 人工漁場 2,3,4 潜堤 A 磯場帯 B ガラモ場帯 C 深場
Claims (9)
- 【請求項1】 岸側から沖合に向けて海底上に沖合に至
るにしたがって高さが次第に高くなる潜堤を形成して海
域の一部を囲う外郭施設を構築し、該外郭施設によって
囲われた海底内を嵩上げし、てんぐさなどの海藻類やア
ワビやサザエなどの貝類、ウニ、ナマコなど、さらには
沿岸性有用魚介類の稚仔魚、幼魚、成魚の育成に必要な
海底環境としたことを特徴とする人工漁場。 - 【請求項2】 前記外郭施設は、岸側から沖合に向けて
海底上に沖合に至るにしたがって高さが次第に高くなる
一対の潜堤を所定の間隔を存して平行に形成すると共
に、各潜堤の先端部を高さが前記潜堤の先端部の高さと
同一の高さの潜堤によって相互に連結した平面がコ字状
であることを特徴とする請求項1記載の人工漁場。 - 【請求項3】 前記外郭施設は、岸側から沖合に向けて
海底上に沖合に至るにしたがって高さが次第に高くなる
一対の潜堤を所定の間隔を存して形成すると共に、各潜
堤の先端部を高さが前記潜堤の先端部の高さと同一の高
さの潜堤によって相互に連結した平面が扇型もしくはU
字状であることを特徴とする請求項1記載の人工漁場。 - 【請求項4】 海の一部が陸地に入り込んだ入り海の開
口部の海底上に所定の高さの潜堤を築造して外郭施設と
し、該外郭施設によって外海と区画された入り海の海底
を嵩上げして、てんぐさなどの海藻類やアワビやサザエ
などの貝類、ウニ、ナマコなど、さらには沿岸性有用魚
介類の稚仔魚、幼魚、成魚の育成に必要な海底環境とし
たことを特徴とする人工漁場。 - 【請求項5】 前記外郭施設内の海底は、岸側に近い約
1/2の海底を沖合に向けて水深が0〜5m前後の比較
的なだらかな平坦面とし、その先の沖合側を最も深い場
所で水深が約15m前後となるよう岸側から緩やかに傾
斜するよう嵩上げしたことを特徴とする請求項1又は4
記載の人工漁場。 - 【請求項6】 前記外郭施設内の海底は、岸側に近い約
1/2の海底を沖合に向けて水深が0〜5m前後の比較
的なだらかな平坦面の海域を浅場とし、その先の沖合側
の緩やかな形斜面の海域を深場とし、前記浅場の岸側に
近接する海域の海底に転石などの石材を敷設して磯場帯
とすると共に、残りの浅場の海域の海底には砂礫や転石
を敷設してガラモ場帯とし、深場の海域の海底の表面は
砂材で覆ったことを特徴とする請求項1又は4記載の人
工漁場。 - 【請求項7】 前記外郭施設は、潜堤で囲まれた海底部
を浚渫土や建設土砂などの土材で嵩上げしたことを特徴
とする請求項1又は4記載の人工漁場。 - 【請求項8】 前記外郭施設は、岸側に近い浅場の海底
にはアワビなどの貝類又は/及びてんぐさなどの海藻類
の繁殖のための人工漁礁を、沖合の深場の海底には沿岸
性有用魚介類の増殖のための人工漁礁を配置したことを
特徴とする請求項1又は4記載の人工漁場。 - 【請求項9】 岸側から沖合に向けて所定の海域を囲い
人工漁場を構築するに際し、人工漁場の施行区域内に汚
濁防止膜を張設したのち、岸側から沖合に向けて次第に
高さが高くなる潜堤を石材によって築造し、ついで潜堤
によって囲われた海域の海底を浚渫土や建設土砂などに
よって嵩上げし、岸側に近い海域の海底を比較的平坦で
水深の浅い浅場とし、沖側に近い海域を海底が前記浅場
から沖合に向かって緩やかに傾斜する深場とし、前記浅
場の岸側に近い海底に比較的大きな石材を密に敷設した
磯場帯と、石材を粗に敷設して海底面が顕出するガラモ
場帯とに区画して浅場全域を海藻類や貝類などの増殖海
域とし、深場の緩やかに傾斜する海底の表面には所定の
厚さに砂材を敷設して沿岸性有用魚介類の増殖海域とし
たことを特徴とする人工漁場の造成法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07300712A JP3143776B2 (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 人工漁場及びその造成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07300712A JP3143776B2 (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 人工漁場及びその造成法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09117234A JPH09117234A (ja) | 1997-05-06 |
JP3143776B2 true JP3143776B2 (ja) | 2001-03-07 |
Family
ID=17888192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07300712A Expired - Fee Related JP3143776B2 (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 人工漁場及びその造成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3143776B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103081830A (zh) * | 2013-01-05 | 2013-05-08 | 山东蓝色海洋科技股份有限公司 | 一种适用于刺参底播养殖的生态贝壳礁制作方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102422820B (zh) * | 2011-09-05 | 2013-05-01 | 广西壮族自治区水产研究所 | 野生糙海参成参室内水泥池人工精养促熟方法 |
-
1995
- 1995-10-25 JP JP07300712A patent/JP3143776B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103081830A (zh) * | 2013-01-05 | 2013-05-08 | 山东蓝色海洋科技股份有限公司 | 一种适用于刺参底播养殖的生态贝壳礁制作方法 |
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---|---|
JPH09117234A (ja) | 1997-05-06 |
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