JP3734740B2 - 半導体レーザ素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低出力時における雑音特性が向上する半導体発光素子、その製造方法及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は倉又他:ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス37(1998)L1373 (A. Kuramata et al., Jpn. J. Appl. Phys. 37 (1998) L1373)。等に開示されている、従来の屈折率導波型の半導体レーザ素子を示している。
【0003】
p電極5からn電極7に駆動電流を流すことにより、発光層3から青色のレーザ光(発光光)を得る。ここでは、高出力レーザ素子を実現するために、キャビティ全体に駆動電流が均一に注入されるように、各半導体層の厚みはほぼ一定となっている。また、p電極5とn電極7との間隔は一定となるように設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示したような半導体レーザ素子を用いて、光ディスク装置、例えば高密度デジタルバーサタイル(ビデオ)ディスク(HD−DVD)装置に対して書き込み動作を行なう際に、紫色レーザ光を用いる場合には30mW以上の出力値が必要となる。逆に、読み出し動作時の紫色レーザ光の出力値は1mW程度と小さくする必要がある。
【0005】
ところが、読み出し動作時において、従来の半導体レーザ素子は、駆動電流に高周波を重畳したとしても、出力値を低下するに従って相対雑音強度が増大してしまうという問題がある。これは、レーザ発振をその発振閾値とほぼ同等の注入電流値で行なわせるため、レーザ発振の緩和振動の影響によって相対雑音強度が増大するためである。
【0006】
また、レーザ発振の閾値電流と同程度の注入電流値で発振させることから、単一モード性が低下してしまい、マルチモード成分が生ずることにより、相対雑音強度が増大することにもなる。
【0007】
相対雑音強度を低減するには、緩和振動周波数を大きくする必要がある。その方法の1つに微分利得を増大することが考えられる。レーザ発振の微分利得を増大するには、光吸収領域を形成することにより、発振閾値を大きくすれば良い。
【0008】
また、他の方法として、スロープ効率(微分効率)を低下させて、1mW程度のレーザ出力に必要な電流値を増大させることにより、動作電流値を発振閾値よりも大きく設定するようにすれば良い。
【0009】
なお、半導体レーザ素子の雑音を低減するには、共振器端面の反射率を増大することによっても実現することができるが、この場合はレーザ光の出力(光出力)値も低下してしまう。従って、前述したように、HD−DVD装置が書き込み動作を行なう際には高出力な発光光が必要となるため、光出力値が低下してしまうような端面反射率を増大させるという手段を採ることはできない。
【0010】
また、半導体レーザ素子に自励発振を生じさせる場合には、発光層3又はその近傍に半導体からなる光吸収層を設ける必要がある。しかしながら、このような光吸収層を半導体レーザ装置自体に設けると、高出力値を得にくいという問題がある。
【0011】
本発明は、前記従来の問題を解決し、低出力時においても相対雑音強度が小さい半導体発光素子を実現できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は、発光層に対して電流を不均一に注入する構成とする。すなわち、光ディスクにおける読み出し動作のような低出力動作時には、駆動電流がストライプ形状を持つキャビティの一部にのみ注入されるようにして、キャビティ内の電流密度をストライプ方向に変化させる。
【0013】
窒化物半導体結晶の場合には、p型結晶の抵抗率が大きいため、p型結晶の厚みを変えるだけでシリーズ抵抗値が変化するので、キャビティに電流を不均一に注入することができる。
【0014】
また、コンタクト層の表面に高ドーピング領域を設けることにより、コンタクト抵抗を下げることができるため、高ドーピング領域を部分的に形成することによっても、キャビティに電流を不均一に注入することが可能となる。
【0015】
また、サファイア基板等の絶縁性基板上にレーザ素子構造を形成した場合には、n型結晶の厚みは2μm程度となり、導電性基板を用いた場合と比べてn型結晶中での電流の拡散を抑制することができる。その結果、n電極とキャビティとの間隔を変えることによっても、該キャビティに電流を不均一に注入することができる。
【0016】
また、キャビティ上の一部に複数回に分けて電極を蒸着することにより、コンタクト抵抗を変化させることができる。
【0017】
また、電極の一部を絶縁膜で覆ってアニールすることによっても、コンタクト抵抗を変化させることができる。
【0018】
このように、シリーズ抵抗だけでなく、コンタクト抵抗を変化させることによっても、キャビティに対して電流を不均一に注入することが可能となる。
【0019】
さらに、燐化合物半導体及び砒素化合物半導体は閃亜鉛鉱型の結晶構造を採るのに対し、窒化物半導体は六方晶系の結晶構造を採るため、基板面に平行な方向と垂直な方向とで、電気的特性が異なる特徴を有している。例えば、キャリアの移動度は、基板面に垂直な方向と比べて平行な方向の場合が遅くなる。その結果、窒化物半導体結晶においては、キャビティが延びる方向(以下、キャビティ方向と呼ぶ)のシリーズ抵抗又はコンタクト抵抗の差を保持し易い。
【0020】
また、窒化ガリウムは、インジウム燐又はガリウム砒素化合物半導体に対して微分利得が極めて大きいという特徴を持つ。これも、窒化ガリウムの結晶構造が六方晶系であり、ホールが縮退していないことに起因する。このように、微分利得が大きいことから、わずかの電流の分布により結晶が利得を有するか損失を示すかが変化する。その結果、窒化ガリウム化合物半導体を用いた半導体レーザ素子においては、キャビティに対する電流注入の不均一さがわずかではあっても、キャビィティ内における光密度分布の変化を効果的に誘発することができる。
【0021】
さらに、窒化物半導体レーザ素子は、結晶構造が六方晶系であるため、キャビテイに一軸性歪が導入される場合に、利得が増大して発振特性が向上する。このため、キャビティの側方に電極を設けることにより、一軸性歪を効果的に導入することができるので、レーザ特性の向上を図ることができる。
【0022】
また、一般に、雑音を低減する目的で、駆動電流に高周波電流を重畳するが、このとき、キャリアの拡散長程度の間隔でシリーズ抵抗値又はコンタクト抵抗値に変化を生じさせると、レーザ光の出力が高い周波数で脈動する自励発振現象が生ずる。
【0023】
また、窒化物半導体レーザ素子は、微分利得が大きいため、わずかの電流値で大きな光出力を得られる。赤色半導体レーザ素子を用いたDVD装置の場合には、読み出し時に5mWの光出力を与えてもデータが破壊されることはないが、窒化物半導体レーザ素子を光ディスク用光源として使用する場合には、波長が短く光のエネルギーが大きいために、また、絞り込む光のスポット径が小さいために、読み出し動作時の光出力は1mW以下に設定しなければならず、読み出し動作時には極めて小さい駆動電流しか注入できない。その結果、注入電流密度が小さ過ぎて雑音レベルが上昇してしまうという問題があったが、本発明においては、キャビティに電流を不均一に注入して、駆動電流を注入する領域を限定し、その結果、注入電流密度を増大させることにより、低雑音化を可能とする。
【0024】
また、窒化ガリウム系化合物半導体レーザ素子の発光光は、AlGaInP系化合物半導体からなる赤色半導体レーザ素子と異なり、基板が透明であるため、基板からの散乱光が出射光に混ざってしまい、雑音が増大するという問題がある。従って、キャビティの出射端面側に対する注入電流を減少することにより、キャビティに対して不均一な電流注入を行なうと、基板からの散乱光を低下させることができる。
【0025】
以下、具体的に、本発明に係る半導体発光素子、その製造方法及びその駆動方法の構成を示す。
【0026】
本発明に係る第1の半導体発光素子は、基板上に形成され、発光層及び電極コンタクト層を含む半導体積層体と、電極コンタクト層の上に形成された電極とを備え、電極コンタクト層は、電極の下側の厚さが部分的に異なる。
【0027】
第1の半導体発光素子によると、電極コンタクト層は電極の下側の厚さが部分的に異なるため、シリーズ抵抗値が変化するので、低出力動作時にはキャビティに電流を不均一に注入することができる。これにより、発振閾電流値が大きくなるため、レーザ発振の微分利得が増大して、低出力時の相対雑音強度を小さくすることができる。
【0028】
第1の半導体発光素子において、電極コンタクト層がp導電型であることが好ましい。
【0029】
第1の半導体発光素子において、半導体積層体が発光光を生成するキャビティを有し、電極コンタクト層におけるキャビティの出射端面側の厚さが反射端面側の厚さよりも小さいことが好ましい。
【0030】
また、第1の半導体発光素子において、半導体積層体が発光光を生成するキャビティを有し、電極コンタクト層におけるキャビティの出射端面側の厚さが反射端面側の厚さよりも大きいことが好ましい。
【0031】
第1の半導体発光素子において、電極コンタクト層には、厚さが異なる領域が2箇所以上形成されていることが好ましい。
【0032】
第1の半導体発光素子において、電極コンタクト層における厚さの増分が約10%以上且つ約50%以下であることが好ましい。
【0033】
本発明に係る第2の半導体発光素子は、基板上に形成され、発光層及び電極コンタクト層を含む半導体積層体と、電極コンタクト層の上に形成された電極とを備え、電極コンタクト層は電極の下側に厚さが部分的に異なる高ドーピング領域を有している。
【0034】
第2の半導体発光素子によると、電極コンタクト層は電極の下側に厚さが部分的に異なる高ドーピング領域を有しているため、コンタクト抵抗値が変化するので、低出力動作時にはキャビティに電流を不均一に注入することができる。これにより、発振閾電流値が大きくなるため、レーザ発振の微分利得が増大して、低出力時の相対雑音強度を小さくすることができる。
【0035】
第2の半導体発光素子において、高ドーピング領域がp導電型であることが好ましい。
【0036】
第2の半導体発光素子において、半導体積層体が発光光を生成するキャビティを有し、高ドーピング領域がキャビティの出射端面側に設けられていることが好ましい。
【0037】
また、第2の半導体発光素子において、半導体積層体が発光光を生成するキャビティを有し、高ドーピング領域がキャビティの反射端面側に設けられていることが好ましい。
【0038】
第2の半導体発光素子において、高ドーピング領域が、電極の下側に2箇所以上形成されていることが好ましい。
【0039】
第2の半導体発光素子において、高ドーピング領域の表面不純物濃度が、電極コンタクト層の不純物濃度と比べて、約1.5倍以上且つ約3倍以下であることが好ましい。
【0040】
本発明に係る第3の半導体発光素子は、基板上に形成され、発光層、該発光層を上下に挟む第1の電極コンタクト層及び第2の電極コンタクト層を含む半導体積層体と、第1の電極コンタクト層の上に形成された第1の電極と、第2の電極コンタクト層の上に形成された第2の電極とを備え、半導体積層体は、発光光を生成するキャビティを有し、第1の電極と第2の電極との間隔は、キャビティが延びる方向に沿って異なる。
【0041】
第3の半導体発光素子によると、第1の電極と第2の電極との間隔は、キャビティが延びる方向に沿って異なるため、シリーズ抵抗値が変化するので、低出力動作時にはキャビティに電流を不均一に注入することができる。これにより、発振閾電流値が大きくなるため、レーザ発振の微分利得が増大して、低出力時の相対雑音強度を小さくすることができる。
【0042】
第3の半導体発光素子において、第1の電極がn電極であって、該n電極とキャビティとの間隔は部分的に異なることが好ましい。
【0043】
第3の半導体発光素子において、第1の電極と第2の電極とにおけるキャビティの出射端面側の間隔が、反射端面側の間隔よりも大きいことが好ましい。
【0044】
また、第3の半導体発光素子において、第1の電極と第2の電極とにおけるキャビティにの出射端面側の間隔が、反射端面側の間隔よりも小さいことが好ましい。
【0045】
第3の半導体発光素子において、第1の電極と第2の電極との間隔は、相対的に広い領域が相対的に狭い領域の約2倍以上且つ約5倍以下であることが好ましい。
【0046】
第1〜第3の半導体発光素子において、半導体積層体が窒化物半導体からなることが好ましい。
【0047】
本発明に係る第1の半導体発光素子の製造方法は、基板上に、少なくとも活性層及び電極コンタクト層を順次成長して半導体積層体を形成する第1の工程と、電極コンタクト層の上面に対して部分的にエッチングを行なうことにより、電極コンタクト層の厚さを変える第2の工程と、上面がエッチングされたコンタクト層の上面に電極を形成する第3の工程とを備えている。
【0048】
第1の半導体発光素子の製造方法において、第1の工程が、電極コンタクト層の成長時にドーパントの供給量を増大して高ドーピング領域を形成する工程を含み、第2の工程が、高ドーピング領域に対してエッチングを行なうことが好ましい。
【0049】
第1の半導体発光素子の製造方法において、第2の工程がピロリン酸を用いることが好ましい。
【0050】
本発明に係る第2の半導体発光素子の製造方法は、基板上に、少なくとも活性層及び電極コンタクト層を順次成長して半導体積層体を形成する第1の工程と、電極コンタクト層の上に電極形成層を形成する第2の工程と、電極形成層におけるキャビティ形成領域上の一部に、絶縁膜からなるマスクパターンを形成する第3の工程と、マスクパターンを用いて熱処理を行なうことにより、電極コンタクト層におけるマスクパターンの下側部分と他の部分とのコンタクト抵抗値を変える第3の工程とを備えている。
【0051】
本発明に係る第3の半導体発光素子の製造方法は、基板上に、少なくとも活性層及び電極コンタクト層を順次成長して半導体積層体を形成する第1の工程と、電極コンタクト層におけるキャビティ形成領域上の一部に部分電極を形成する第2の工程と、電極コンタクト層におけるキャビティ形成領域上の部分電極を含む全面に電極を形成する第3の工程とを備えている。
【0052】
第1〜第3の半導体発光素子の製造方法において、半導体積層体が窒化物半導体からなることが好ましい。
【0053】
本発明に係る第1の半導体発光素子の駆動方法は、電極コンタクト層の厚さを部分的に変えることにより、発光光を生成するキャビティに対して不均一に電流を注入する。
【0054】
本発明に係る第2の半導体発光素子の駆動方法は、p電極とn電極との間に、キャリアの拡散長以上の間隔を持たせて、発光光を生成するキャビティに対して不均一に電流を注入することにより自励発振を生じさせる。
【0055】
本発明に係る第3の半導体発光素子の駆動方法は、相対的に低い出力動作時に、発光光を生成するキャビティに非発光領域が形成されるように駆動電流を注入する。
【0056】
第3の半導体発光素子の駆動方法において、駆動電流は周波数が約100MHz以上の高周波電流であることが好ましい。
【0057】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0058】
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子であって、pコンタクト層4の厚さが部分的に厚い領域4aを有する構造を示している。
【0059】
以下、この素子構造と動作方法とについて説明する。
【0060】
n型GaN基板1Aの上には、例えば、n型GaNからなるnコンタクト層2、n型AlGaNクラッド層(不図示)及びn型GaNガイド層(不図示)を含むn型半導体層と、InGaNからなる発光層3と、p型GaNガイド層(不図示)、p型AlGaNクラッド層(不図示)及び厚さが1μm程度のpコンタクト層4を含むp型半導体層とから構成される半導体積層体が形成されている。
【0061】
半導体積層体の上部のpコンタクト層4には、膜厚が他の部分よりも厚い領域4aが形成されている。
【0062】
pコンタクト層4におけるp電極5の側方領域には、幅が1.8μm〜2.5μm程度のストライプ状にエッチングされてなる導波路構造(キャビティ)が形成されている。
【0063】
ここで、発光層3の厚さは、キャビティの全領域にわたってほぼ均一である。前述したように、窒化物半導体は結晶の利得が大きいため、微分抵抗が大きい低出力動作時には、シリーズ抵抗の違いの影響を大きく受ける。このため、キャビティに光吸収領域(非発光領域)が形成される。これに対し、高出力動作時には、光吸収領域は形成されず且つ微分抵抗が小さいため、不均一発光の影響は小さくなる。
【0064】
従って、低出力動作時には、キャビティは部分的に発光し、高出力動作時には、キャビティの全域で発光する。キャビティはレーザ光の共振方向で一定の寸法とする必要があるため、pコンタクト層4の厚さは変化させているものの、発光層3の厚さはほぼ一定とする必要がある。また、pコンタクト層4を除く半導体積層体においても、その厚さはキャビティ方向において一様且つ均一としている。
【0065】
ところで、pコンタクト層4の厚さの変化量は10%程度としている。これは、低出力動作時には微分抵抗が100Ω程度であり、シリーズ抵抗値の10Ωと比べて10倍程度大きい。従って、シリーズ抵抗値を10%程度変化させて、電流注入密度を変えると、pコンタクト層4により生じる電圧は2倍程度変化する。このため、十分に不均一な電流注入を実現することができる。
【0066】
なお、pコンタクト層4の膜厚の変化量を50%以上に大きくした場合には、高出力動作時においても、キャビティに駆動電流が注入されない領域が形成されてしまい、レーザ特性が劣化する。
【0067】
従って、このpコンタクト層4の膜厚の変化量は電圧差が十分に取れる範囲であれば小さいほうが好ましい。
【0068】
また、第1の実施形態においては、導電性を有するn型GaN基板1Aを用いているため、n電極7は、基板1Aの半導体積層体が形成されている面の反対側の面(裏面)に形成されている。しかしながら、基板1Aに絶縁性を有するサファイアを用いた場合には、n電極7は、半導体積層体中のnコンタクト層2を露出させた露出面上で且つp電極5の側方の領域に形成する。
【0069】
低出力動作時には、発光層3におけるキャビティの出射端面8側のみが発光し、発光層3におけるpコンタクト層4の厚い領域4aの下側部分は光吸収領域として機能する。この光吸収領域により、スーパールミネッセンスダイオードのように、多モードのスペクトル線幅が広くなって、干渉性が低減し、低雑音化が可能となる。
【0070】
ここで、レーザ光の閾値電流が高出力時の2〜3倍(100mA)程度となるように厚い領域4aのキャビティ方向における長さを調整する必要がある。キャビティの長さが0.5mm程度の場合には、厚い領域4aの長さは0.1mm程度である。
【0071】
ところで、pコンタクト4の厚い領域4aを出射端面8側に形成した場合は、出射端面8側の光強度が減少するため、半導体積層体における出射端面8の近傍部分の劣化を抑制することができるため好ましい。
【0072】
さらに、pコンタクト4の厚い領域4aを出射端面8側に形成した場合は、半導体積層体における出射端面8と対向する面である反射端面における光強度が大きくなることから、レーザの発振モードが安定する等の効果を得られる。その結果、光出力が1mW時における相対雑音強度は−135dB/Hz〜−110dB/Hz、又は−135dB/Hz以下にまで低減することを確認している。
【0073】
なお、pコンタクト層4の厚い領域4aをキャビティのいずれの端面側に設けるかは、設計時に決定すれば良く、以下の実施形態においても、低出力動作時の光吸収領域は、出射端面側又は反射端面側のいずれに設けても良い。
【0074】
ところで、ブラッグ反射器(DBR)レーザ素子等の集積レーザ素子の場合には、電極が分離されており、電極間のコンタクト層はエッチング除去されている。この集積レーザ素子は、それぞれの電極に対応した素子が互いに異なる機能を有しており、レーザ素子の結晶構造等がそれぞれの領域で異なっている。
【0075】
また、電極が分離された従来のレーザ素子に対して変調電流を印加する場合には、強度、周波数又は位相が異なる電流を印加している。
【0076】
以下、第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の詳細を図1を用いて説明する。
【0077】
まず、有機金属気相成長(MOVPE)法等により、n型GaN基板1Aの上に、n型GaNからなるnコンタクト層2、n型AlGaNクラッド層、n型GaNガイド層、InGaNからなる発光層3、p型GaNガイド層、p型AlGaNクラッド層、及び厚さが1μm程度のpコンタクト層4を順次成長して半導体積層体を形成する。
【0078】
次に、塩素ガスを用いたドライエッチングにより、pコンタクト層4の出射端面8側を含む領域を選択的に200nmの深さでエッチングする。このとき、pコンタクト層4においてエッチングされずに残った領域が厚い領域4aとなる。なお、このときのドライエッチングに代えて、工程上簡便なピロリン酸を用いたウエットエッチングとしてもよい。
【0079】
次に、蒸着法により、エッチングされたpコンタクト層4の全面に、例えばニッケルと金との積層膜からなるp電極形成層を堆積する。
【0080】
次に、p電極形成層におけるキャビティ形成領域をレジスト膜によりマスクして、塩素系ガスを用いたドライエッチングを行なって、p電極形成層からキャビティ形成領域を覆うストライプ状のp電極5を形成する。その後、該ドライエッチングを続けて、p型GaNガイド層までエッチングを行なって、ストライプ状のキャビティを形成する。
【0081】
次に、蒸着法により、GaN基板1Aの裏面の全面に、例えばチタンとアルミニウムとの積層膜からなるn電極7を堆積して形成する。
【0082】
さらに、このようにして得られた半導体発光素子をマウントする場合に、p電極5及びn電極7におけるはんだ材による電極の劣化を抑えるために、両電極5、7の上面に、厚さが10μm程度の金めっきをそれぞれ施して、p電極5及びn電極7とはんだ材とが接触しないようにしている。
【0083】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0084】
図2は本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子を示している。
【0085】
半導体積層体の上部に位置するpコンタクト層4の結晶成長時に、p型ドーパントの供給量を増大して、pコンタクト層4の上部に高ドーピング領域9を形成する。その結果、pコンタクト層4の結晶表面に大量の欠陥が発生し、表面の状態密度が増大してコンタクト抵抗値が減少する。
【0086】
図2に示すように、pコンタクト層4に、低いコンタクト抵抗を持つ高ドーピング領域9を部分的に残すことにより、駆動電流がキャビティに注入され易い領域を部分的に形成している。
【0087】
従って、第1の実施形態においてはシリーズ抵抗値をキャビティ方向に変化させたが、第2の実施形態においてはコンタクト抵抗値をキャビティ方向に変化させる構成である。これにより、第1の実施形態と同様の効果によって、低出力動作時の相対雑音強度が低下することを確認している。
【0088】
コンタクト抵抗は、非線型であり、低電流の印加時には高い抵抗値を示し、高電流の印加時には低い抵抗値を示すため、低出力動作時には電流の不均一を大きく生じさせることができる。一方、高出力動作時には、コンタクト抵抗値は非常に小さくなるため、キャビティの全領域で極めて均一に発光させることが可能となる。
【0089】
ここで、高ドーピング領域9は、上面からの深さが10nm程度と極めて小さいため、ドライエッチングでもウエットエッチングでも容易に除去することができる。なお、ウエットエッチングのエッチャントには、工程上簡便なピロリン酸を用いるのが好ましい。また、高ドーピング領域9に対するエッチングは実質的にはドーパントであるマグネシウムイオンを除去するだけで良いため、硫酸中で1時間程度のエッチングを行なっても良い。
【0090】
(第2の実施形態の一変形例)
図3は本発明の第2の実施形態の一変形例に係る半導体発光素子を示している。
【0091】
図3に示すように、pコンタクト層4の上部には、互いに間隔をおいた複数の高ドーピング領域9が形成されている。各高ドーピング領域9の幅は約3μmとし、高ドーピング領域9同士の間隔は約2μmとしている。キャリアの拡散長は、1nm程度であるため、1THz×1nm÷2μmの計算結果から500MHz程度の自励発振動作を実現できる。
【0092】
また、自励発振動作をさせる場合には、高周波を重畳しなくても相対雑音強度が低下するため、半導体レーザ素子の駆動回路を簡略化できる。
【0093】
なお、従来の自励発振を生じさせる半導体レーザ素子は、光の分布領域に光を吸収する結晶層を有しており、駆動電流の注入は不均一とはなっていない。
【0094】
ところで、第1の実施形態においても、pコンタクト層4の厚さを細かく変化させることにより同様に自励発振動作を行なわせることができる。すなわち、第1の実施形態に係る厚い領域4aを、pコンタクト層4の複数箇所に設けることになる。
【0095】
なお、以下の実施形態においても、不均一な電流注入領域を複数箇所に設ける構成は有効である。
【0096】
但し、本変形例においては、高ドーピング領域9をエッチングによって1μm程度の細かいパターンに容易に分割でき、不均一な電流注入を確実に行なえるようになるため、自励発振現象を再現性良く実現することができる。
【0097】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0098】
図4は本発明の第3の実施形態に係る半導体発光素子を示している。
【0099】
図4に示すように、基板1Bとして、現時点では窒化ガリウムよりも安価なサファイアを用いている。
【0100】
第3の実施形態は、キャビティ、すなわちp電極5とn電極7との間隔を、均一とせずに、キャビティ方向に沿って変化させている。
【0101】
第3の実施形態においても、MOVPE法等を用いて、サファイア基板1B上に、例えば、n型GaNからなるnコンタクト層2、n型AlGaNクラッド層(不図示)、n型GaNガイド層(不図示)、InGaNからなる発光層3、p型GaNガイド層(不図示)、p型AlGaNクラッド層(不図示)、及びp型GaNからなるpコンタクト層4を順次成長して半導体積層体を形成している。
【0102】
p電極5はpコンタクト層4の上に蒸着により形成され、n電極7はnコンタクト層2におけるp電極5の側方の露出領域上に形成されている。
【0103】
pコンタクト層4におけるp電極5の下側部分は、ストライプ状にエッチングして導波路構造(キャビティ)としている。
【0104】
第3の実施形態は、p電極5とn電極7との間隔を、キャビティの反射端面側で大きくしている。その間隔が大きい間隔拡大領域を符号10で示している。
【0105】
このように、nコンタクト層2の露出領域上に、p電極5とn電極7との間隔が大きい間隔拡大領域10を設けているため、nクラッド層を流れる電流のシリーズ抵抗値が間隔拡大領域10の下方領域において増大する。その結果、第1の実施形態と同様に、キャビティに注入される電流がキャビティの反射端面側で少なくなって、不均一となる。このとき、nコンタクト層2の抵抗はpコンタクト層4の抵抗よりも小さいため、p電極5とn電極7との間隔を部分的に2倍以上に広げることにより、キャビティに対して駆動電流を不均一に注入することができる。さらに、このように、nコンタクト層2に高抵抗領域を形成した場合には、放熱特性に優れるという効果をも得られるようになる。
【0106】
ところで、nコンタクト層2の抵抗率を0.015Ω・cmとし、p電極5とn電極7との間隔をd(μm)とし、p電極5への注入電流をI(A)とすると、両電極間の電圧降下Vは以下の式(1)で表わされる。
【0107】
V=0.6I・d … (1)
これは、n型半導体層の厚さを2μm程度と比較的に小さく形成しているため、両電極間で適当な電圧降下を示すことによる。
【0108】
従って、間隔拡大領域10の間隔寸法を15μm程度余計に設定すると、電圧降下は式(1)から約1Vとなって、両電極5、7間の間隔拡大領域10における電流を制限できるため、キャビティに対する注入電流が不均一となる。
【0109】
なお、間隔拡大領域10の間隔寸法を、間隔寸法の3倍の30μm以上とすると電圧降下Vが2V以上となって好ましくない。
【0110】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0111】
図5(a)〜図5(c)は本発明の第4の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の工程順の構成を示している。
【0112】
まず、図5(a)に示すように、MOVPE法等により、サファイア基板1B上に、例えば、n型GaNからなるnコンタクト層2、n型AlGaNクラッド層(不図示)、n型GaNガイド層(不図示)、InGaNからなる発光層3、p型GaNガイド層(不図示)、p型AlGaNクラッド層(不図示)、及びp型GaNからなるpコンタクト層4を順次成長して半導体積層体を形成する。続いて、pコンタクト層4の上面に、例えばニッケルと金との積層膜からなるp電極形成層5Aを堆積する。
【0113】
次に、図5(b)に示すように、p電極形成層5A上におけるキャビティ形成領域の高コンタクト抵抗化を図る領域に窒化物からなる絶縁膜11を選択的に形成して、窒素雰囲気中でアニールを行なう。その後、p電極形成層5A上のキャビティ形成領域をマスクして、塩素系ガスを用いたドライエッチングによりp型GaNガイド層までエッチングを行なって、ストライプ状のキャビティを形成する。なお、高コンタクト抵抗化を図る方法として、窒素雰囲気でアニールを行なう方法以外にも、例えば、酸素プラズマにさらす方法、又はプロトンを注入する方法を用いてもよい。
【0114】
次に、図5(c)に示すように、半導体積層体におけるキャビティの一側方領域に対して、塩素系ガスによるドライエッチングを行なって、nコンタクト層2を露出する。続いて、露出したnコンタクト層2の上面にn電極形成パターンを開口部に持つレジストパターンを形成し、形成したレジストパターンの上に、蒸着法により、チタンとアルミニウムとの積層膜を堆積する。続いて、堆積した積層膜から、リフトオフ法によってn電極7を形成する。
【0115】
このように、第4の実施形態によると、pコンタクト層4における窒化物からなる絶縁膜11の下側の領域が、絶縁膜11を設けない領域と比べてコンタクト抵抗値が大きくなる。その結果、図1に示す第1の実施形態に係る半導体発光素子と同様に、pコンタクト4層におけるキャビティの反射端面側が低出力動作時に光吸収領域となり、キャビティに対する不均一な電流注入が実現される。
【0116】
これに対し、絶縁膜11を窒化物に代えて酸化物とすると、pコンタクト層4における酸化物からなる絶縁膜11の下側の領域が、絶縁膜11を設けない領域と比べてコンタクト抵抗値が小さくなる。このため、図2に示す第2の実施形態に係る半導体発光素子と同様に、pコンタクト4層におけるキャビティの出射端面側が低出力動作時に光吸収領域となり、キャビティに対する不均一な電流注入が実現される。
【0117】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0118】
図6(a)〜図6(c)は本発明の第5の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の工程順の構成を示している。
【0119】
まず、図6(a)に示すように、MOVPE法等により、サファイア基板1B上に、例えば、n型GaNからなるnコンタクト層2、n型AlGaNクラッド層(不図示)、n型GaNガイド層(不図示)、InGaNからなる発光層3、p型GaNガイド層(不図示)、p型AlGaNクラッド層(不図示)、及びp型GaNからなるpコンタクト層4を順次成長して半導体積層体を形成する。続いて、pコンタクト層4の上面に、例えばニッケルからなるp電極形成層5Bを堆積する。
【0120】
次に、図6(b)に示すように、p電極形成層5Bに対して出射端面側を残すようにパターニングして第1の電極としての部分電極5aを形成する。続いて、蒸着法により、pコンタクト層4の上に部分電極5aを含む全面にわたって、白金と金との積層膜からなるp電極形成膜12Aを堆積する。
【0121】
次に、図6(c)に示すように、p電極形成膜12A上のキャビティ形成領域をマスクして、塩素系ガスを用いたドライエッチングによりp型GaNガイド層までエッチングを行なって、ストライプ状のキャビティを形成する。これにより、キャビティの上に、部分電極5aを出射端面側に含むp電極形成膜12Aからp電極12が形成される。その後、半導体積層体におけるキャビティの一側方領域に対して、塩素系ガスによるドライエッチングを行なって、nコンタクト層2を露出する。続いて、露出したnコンタクト層2の上面にn電極形成パターンを開口部に持つレジストパターンを形成し、形成したレジストパターンの上に、蒸着法により、チタンとアルミニウムとの積層膜を堆積する。堆積した積層膜から、リフトオフ法によってn電極7を形成する。
【0122】
このように、第5の実施形態によると、部分電極5aはニッケルからなるため、pコンタクト層4に対するコンタクト抵抗が低減する。このため、図1に示す第1の実施形態に係る半導体発光素子と同様に、pコンタクト4層におけるキャビティの反射端面側が低出力動作時に光吸収領域となり、キャビティに対する不均一な電流注入が実現される。
【0123】
なお、第5の実施形態においては、pコンタクト層4に対するコンタクト抵抗を低減する部分電極5aの材料にニッケルを用いたが、パラジウム(Pd)又はマグネシウム(Mg)等のように、pコンタクト層4に対するコンタクト抵抗を低減できる材料であればよい。
【0124】
すなわち、p電極12と部分電極5aは、pコンタクト層4に対するコンタクト抵抗が、低出力動作時にキャビティへの不均一な電流注入が実現される程度に異なっていれば良い。
【0125】
【発明の効果】
本発明に係る半導体発光素子及びその駆動方法によると、電極コンタクト層との間で、シリーズ抵抗値又はコンタクト抵抗値が変化するため、低出力動作時にキャビティに電流を不均一に注入することができるため、発振閾値が大きくなるので、低出力時の相対雑音強度を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の一変形例に係る半導体発光素子を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る半導体発光素子を示す斜視図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明の第4の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を示す工程順の構成図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明の第5の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を示す工程順の構成図である。
【図7】従来の半導体発光素子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
2 nコンタクト層
3 発光層
4 pコンタクト層
4a 厚い領域
5 p電極
5A p電極形成層
5B p電極形成層
5a 部分電極
7 n電極
8 出射側
9 高ドーピング領域
10 間隔拡大領域
11 絶縁膜
12A p電極形成膜
12 p電極
Claims (12)
- 基板と、
前記基板の上方に配置されたn型窒化物半導体層と、
前記n型窒化物半導体層の上方に配置され、キャビティを有する窒化物半導体発光層と、
前記窒化物半導体発光層の上方に配置されたp型窒化物半導体層と、
を備え、
前記p型窒化物半導体層は、前記キャビティ上方の部分において上下方向の厚さが前記キャビティの延びる方向に部分的に異なり、前記キャビティ上方以外の部分において上下方向の厚さが前記キャビティの延びる方向にほぼ一定である半導体レーザ素子。 - 基板と、
前記基板の上方に配置されたn型窒化物半導体層と、
前記n型窒化物半導体層の上方に配置され、キャビティを有する窒化物半導体発光層と、
前記窒化物半導体発光層の上方に配置されたp型窒化物半導体層と、
を備え、
前記p型窒化物半導体層は、前記キャビティ上方の部分において上下方向の厚さが前記キャビティの延びる方向に部分的に異なり、前記キャビティ上方以外の部分において前記キャビティの延びる方向にほぼ平坦である半導体レーザ素子。 - 基板と、
前記基板の上方に配置されたn型窒化物半導体層と、
前記n型窒化物半導体層の上方に配置された窒化物半導体発光層と、
前記窒化物半導体発光層の上方に配置されたp型窒化物半導体層と、
を備え、
前記p型窒化物半導体層は、出射端面と反射端面との間において上下方向の厚さが前記出射端面から前記反射端面に向かう方向に部分的に異なり、前記出射端面と前記反射端面との間以外において上下方向の厚さが前記出射端面から前記反射端面に向かう方向にほぼ一定である半導体レーザ素子。 - 基板と、
前記基板の上方に配置されたn型窒化物半導体層と、
前記n型窒化物半導体層の上方に配置された窒化物半導体発光層と、
前記窒化物半導体発光層の上方に配置され、ストライプ形状を有するp型窒化物半導体層とを備え、
前記ストライプ形状の上下方向の厚さは前記ストライプが延びる方向に部分的に異なり、
前記p型窒化物半導体層における前記ストライプ形状以外の部分の上下方向の厚さは前記ストライプの方向にほぼ一定である半導体レーザ素子。 - 前記p型窒化物半導体層において、一方の端面の上下方向の厚さは他方の端面の上下方向の厚さよりも小さい請求項1から請求項4のいずれか 1 項に記載の半導体レーザ素子。
- 窒化物半導体からなる基板と、
前記基板の上方に配置されたn型窒化物半導体層と、
前記n型窒化物半導体層の上方に配置され、キャビティを有する窒化物半導体発光層と、
前記窒化物半導体発光層の上方に配置されたp型窒化物半導体層と、
を備え、
出射端面における前記キャビティ上方の前記p型窒化物半導体層の抵抗値は、反射端面における前記キャビティ上方の前記p型窒化物半導体層の抵抗値よりも大きい半導体レーザ素子。 - 前記p型窒化物半導体層は、上方に凸のストライプ形状を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
- 基板と、
前記基板の上方に配置されたn型窒化物半導体層と、
前記n型窒化物半導体層の上方に配置され、キャビティを有する窒化物半導体発光層と、
前記窒化物半導体発光層の上方に配置されたp型窒化物半導体層と、
前記p型窒化物半導体層の上方に配置されたpコンタクト層と、
前記pコンタクト層の上面の少なくとも一部に配置されたp電極と、
を備え、
前記キャビティの上方における前記p型窒化物半導体層の不純物濃度は前記キャビティの延びる方向にほぼ一定であり、
前記キャビティの上方における前記pコンタクト層の不純物濃度は前記キャビティの延びる方向に部分的に異なる半導体レーザ素子。 - 前記キャビティ上方の前記 p コンタクト層において、一方の端面の不純物濃度は他方の端面の不純物濃度よりも高い請求項8に記載の半導体レーザ素子。
- 前記一方の端面は出射端面である請求項5又は請求項9に記載の半導体レーザ素子。
- 前記一方の端面の不純物濃度は、前記他方の端面の不純物濃度の1.5倍以上であって且つ3倍以下である請求項9に記載の半導体レーザ素子。
- 前記n型窒化物半導体層及び前記窒化物半導体発光層及び前記p型窒化物半導体層はGaN系化合物半導体からなる請求項1から請求項11のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子。
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