JP3549514B2 - 半導体発光装置の駆動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低出力時における雑音特性が向上する半導体発光装置、その製造方法及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図14は倉又他:ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス37(1998)L1373 (A. Kuramata et al., Jpn. J. Appl. Phys.37(1998) L1373)等に開示されている、従来の屈折率導波型の半導体レーザ素子を示している。
【0003】
図14に示すように、サファイアからなる基板101上には、例えば、それぞれがIII−V族化合物半導体からなり、n型コンタクト層を含むn型半導体部102、活性層103、及びp型コンタクト層を含むp型半導体部104が結晶成長により形成されている。
【0004】
p型半導体部104におけるp型コンタクト層の上部はストライプ状にパターニングされたリッジ部を有し、該リッジ部上の全面にp側電極105が形成されている。ここで、活性層103におけるp側電極105の下側の領域がレーザ発振を起こす共振器となる。
【0005】
n型半導体部102のn型コンタクト層は、p側電極105の一方の側方領域が露出されており、該露出面上にはn側電極106がほぼ全面に形成されている。
【0006】
p側電極105からn側電極106に向けて順方向に駆動電流を流し、該駆動電流の値が所定の発振閾電流値を超えると、活性層103の一方の端面からレーザ光が出射される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図14に示したような半導体レーザ素子を用いて、光ディスク装置、例えば高密度デジタルバーサタイル(ビデオ)ディスク(HD−DVD)装置に対して書き込み動作を行なう際に、紫色レーザ光を用いる場合には30mW以上の出力値が必要となる。逆に、読み出し動作時の紫色レーザ光の出力値は1mW程度と小さくする必要がある。
【0008】
ところが、読み出し動作時において、従来の半導体レーザ素子は、駆動電流に高周波を重畳したとしても、出力値を低下するに従って相対雑音強度が増大してしまうという問題がある。これは、レーザ発振をその発振閾値とほぼ同等の注入電流値で行なわせるため、レーザ発振の緩和振動の影響によって相対雑音強度が増大するためである。
【0009】
また、レーザ発振の閾値電流と同程度の注入電流値で発振させることから、単一モード性が低下してしまい、マルチモード成分が生ずることにより、相対雑音強度が増大することにもなる。
【0010】
相対雑音強度を低減するには、緩和振動周波数を大きくする必要がある。その方法の1つに微分利得を増大することが考えられる。レーザ発振の微分利得を増大するには、光吸収領域を形成することにより、発振閾値を大きくすれば良い。
【0011】
また、他の方法として、スロープ効率(微分効率)を低下させて、1mW程度のレーザ出力に必要な電流値を増大させることにより、動作電流値を発振閾値よりも大きく設定するようにすれば良い。
【0012】
なお、半導体レーザ素子の雑音を低減するには、共振器端面の反射率を増大することによっても実現することができるが、この場合はレーザ光の出力(光出力)値も低下してしまう。従って、前述したように、HD−DVD装置が書き込み動作を行なう際には高出力な発光光が必要となるため、光出力値が低下してしまうような端面反射率を増大させるという手段を採ることはできない。
【0013】
また、半導体レーザ素子に自励発振を生じさせる場合には、活性層103又はその近傍に半導体からなる光吸収層を設ける必要がある。しかしながら、このような光吸収層を半導体レーザ装置自体に設けると、高出力値を得にくいという問題がある。
【0014】
本発明は、前記従来の問題を解決し、低出力時においても相対雑音強度が小さい半導体発光装置を実現できるようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は、p側電極又はn側電極を分割して、低出力動作を要求される読み出し時には、分割した電極の一部にのみ駆動電流を印加する構成とする。
【0016】
具体的に、本発明に係る半導体発光装置は、基板上にほぼ一様な膜厚に形成された第1導電型の第1の半導体層と、第1の半導体層の上にほぼ一様な膜厚に形成された第2導電型の第2の半導体層と、第1の半導体層と第2の半導体層との間にほぼ一様な膜厚に形成され、発光光を生成する活性層と、第1の半導体層に駆動電流を供給する第1の電極と、第2の半導体層に駆動電流を供給する第2の電極とを備え、第1の電極又は第2の電極は、互いに間隔をおいた複数の導電性部材からなる分割電極である。
【0017】
本発明の半導体発光装置によると、活性層を挟む第1の半導体層及び第2の半導体層と、第1の半導体層に駆動電流を供給する第1の電極と、第2の半導体層に駆動電流を供給する第2の電極とを備えており、第1の電極又は第2の電極が、互いに間隔をおいた複数の導電性部材からなる分割電極としている。このため、高出力動作時には、分割電極の全部に対して駆動電流を印加する。一方、低出力動作時には、分割電極のうちの一部に対して駆動電流を印加して、活性層に対して駆動電流を不均一に注入することにより、活性層に光吸収領域を形成する。これにより、発振閾電流値が大きくなるため、レーザ発振の微分利得が増大して、低出力時の相対雑音強度を小さくすることができる。
【0018】
本発明の半導体発光装置において、分割電極が、基板上における活性層が形成されている主面側に設けられていることが好ましい。
【0019】
本発明の半導体発光装置において、第2の電極が活性層に共振器を形成するストライプパターンを有しており、分割電極が共振器における出射端面側と反射端面側とを分けるように分割されていることが好ましい。
【0020】
本発明の半導体発光装置において、第1の電極及び第2の電極が、基板上における活性層が形成されている主面側に設けられていることが好ましい。
【0021】
本発明の半導体発光装置において、分割電極が、活性層にホールを注入するp側電極であることが好ましい。
【0022】
この場合に、p側電極が第2の半導体層の上に形成されたストライプパターンを有し、p側電極における複数の導電性部材同士の間隔が約10μm以下であることが好ましい。
【0023】
本発明の半導体発光装置において、分割電極が活性層に電子を注入するn側電極であることが好ましい。
【0024】
この場合に、n側電極が第1の半導体層におけるp側電極の一方の側方に露出した領域上に形成されており、n側電極における複数の導電性部材同士の間隔は約5μm以上であることが好ましい。
【0025】
また、この場合に、第2の電極が第2の半導体層の上に形成されたストライプパターンを持つp側電極であり、n側電極が第1の半導体層におけるp側電極の一方の側方に露出した領域上に形成された第1電極部及び第2電極部からなり、、第1電極部及び第2電極部との間に形成される分割領域は、前記p側電極が延びる方向と基板面内で垂直な方向に対して0°よりも大きく且つ90°よりも小さい傾斜角度を持つように設けられていることが好ましい。
【0026】
また、この場合に、第2の電極が第2の半導体層の上に形成されたストライプパターンを持つp側電極であり、第1の半導体層がp側電極の両側方に露出しており、n側電極が、第1の半導体層におけるp側電極の一方の側方の領域上に形成された第1電極部と、第1の半導体層におけるp側電極の他方の側方の領域上に形成された第2電極部とからなり、第1電極部と第2電極部とが、p側電極に対して各平面形状が非対称となるように形成されていることが好ましい。
【0027】
本発明の半導体発光装置において、基板が導電性を有しており、分割電極が、基板における活性層が形成されている主面と反対側の面上に設けられた第1電極部と、基板における活性層が形成されている主面側に設けられた第2電極部とから構成されていることが好ましい。
【0028】
この場合に、分割電極がn側電極であって、第1電極部が基板の主面と反対側の面上のほぼ全面に設けられ、第2電極部がp側電極の側方の領域の一部に設けられており、第2の電極が第2の半導体層の上に形成されたストライプパターンを持つp側電極であることが好ましい。
【0029】
本発明の半導体発光装置において、活性層がその組成に窒素を含む化合物半導体からなることが好ましい。
【0030】
また、本発明の半導体発光装置において、活性層がその組成にリンを含む化合物半導体からなることが好ましい。
【0031】
本発明に係る第1の半導体発光装置の製造方法は、基板上に、第1導電型の第1の半導体層、活性層及び第2導電型の第2の半導体層を、それぞれがほぼ一様な膜厚で順次成長する工程と、第1の半導体層の一部を露出した後、露出した第1の半導体層の上に第1の電極を形成する工程と、第2の半導体層の上に第2の電極を形成する工程と、第1の電極又は第2の電極を複数の電極に絶縁分離することにより分割電極を形成する工程とを備えている。
【0032】
第1の半導体発光装置の製造方法によると、第1の半導体層に駆動電流を供給する第1の電極と、第2の半導体層に駆動電流を供給する第2の電極とを形成し、その後、第1の電極又は第2の電極を複数の電極に絶縁分離することにより、分割電極を形成する。このため、本発明の半導体発光装置を確実に得ることができる。
【0033】
第1の半導体発光装置の製造方法において、分割電極を形成する工程はエッチング法を用いることが好ましい。
【0034】
また、第1の半導体発光装置の製造方法において、分割電極を形成する工程はリフトオフ法を用いることが好ましい。
【0035】
本発明に係る第2の半導体発光装置の製造方法は、基板上に、第1導電型の第1の半導体層、活性層及び第2導電型の第2の半導体層を、それぞれがほぼ一様な膜厚で順次成長する工程と、第1の半導体層の一部を露出した後、露出した第1の半導体層の上に第1のn側電極を形成する工程と、基板における活性層と反対側の面上に第2のn側電極を形成する工程と、第2の半導体層の上にp側電極を形成する工程とを備えている。
【0036】
第2の半導体発光装置の製造方法によると、n側電極を、第1の半導体層上の第1のn側電極と、基板における活性層と反対側の面上に第2のn側電極を形成するため、n側電極が分割電極となる。これにより、本発明の半導体発光装置を確実に得ることができる。
【0037】
第1又は第2の半導体発光装置の製造方法において、活性層がその組成に窒素を含む化合物半導体からなることが好ましい。
【0038】
第1又は第2の半導体発光装置の製造方法において、活性層がその組成にリンを含む化合物半導体からなることが好ましい。
【0039】
本発明に係る第1の半導体発光装置の駆動方法は、基板上に形成された第1導電型の第1の半導体層と、第1の半導体層の上に形成された第2導電型の第2の半導体層と、第1の半導体層と第2の半導体層との間に形成され、発光光を生成する活性層と、第1の半導体層に駆動電流を供給する第1の電極と、第2の半導体層に駆動電流を供給するストライプ形状を有する第2の電極とを備え、第1の電極又は第2の電極を第2の電極が延びる方向に分割された分割電極とする半導体発光装置を対象とし、分割電極は、出射端面側に位置する第1電極部と反射端面側に位置する第2電極部とからなり、レーザ光の発振出力値を相対的に大きくする場合には、第1電極部及び第2電極部に対して第1駆動電流を印加し、レーザ光の発振出力値を相対的に小さくする場合には、第1電極部に対して第1駆動電流を印加すると共に、第2電極部に対して第1駆動電流よりも値が小さい第2駆動電流を印加するか若しくは該第2駆動電流を印加せず、又は第2電極部に対して第1駆動電流を印加すると共に、第1電極部に対して第1駆動電流よりも値が小さい第2駆動電流を印加するか若しくは該第2駆動電流を印加しない。
【0040】
第1の半導体発光装置の駆動方法によると、レーザ光の発振出力値を相対的に大きくする場合には、分割電極における第1電極部及び第2電極部に対して第1駆動電流を印加し、レーザ光の発振出力値を相対的に小さくする場合には、第1電極部(又は第2の電極部)に対して第1駆動電流を印加すると共に、第2電極部(又は第1電極部)に対して第1駆動電流よりも値が小さい第2駆動電流を印加するか若しくは該第2駆動電流を印加しない。これにより、低出力動作時には、活性層に対して不均一に電流を注入することができるため、活性層に光吸収領域が形成される。その結果、発振閾値電流の値が大きくなるので、レーザ発振の微分利得が増大して、低出力時の相対雑音強度を小さくすることができる。
【0041】
本発明に係る第2の半導体発光装置の駆動方法は、基板上に形成された第1導電型の第1の半導体層と、第1の半導体層の上に形成された第2導電型の第2の半導体層と、第1の半導体層と第2の半導体層との間に形成され、発光光を生成する活性層と、第1の半導体層に駆動電流を供給する第1の電極と、第2の半導体層に駆動電流を供給するストライプ形状を有する第2の電極とを備え、第1の電極又は第2の電極を基板の表裏方向に分割された分割電極とする半導体発光装置の駆動方法を対象とし、分割電極は、基板における活性層と反対側の面のほぼ全面を覆うように設けられた第1電極部と、第1の半導体層上における出射端面又は反射端面側に設けられた第2電極部とからなり、レーザ光の発振出力値を相対的に大きくする場合には、第1電極部に対して第1駆動電流を印加し、レーザ光の発振出力値を相対的に小さくする場合には、第1電極部に対して第1駆動電流よりも値が小さい第2駆動電流を印加するか又は該第2駆動電流を印加せず、且つ、第2電極部に対して第1駆動電流を印加する。
【0042】
第2の半導体発光装置の制御方法によると、レーザ光の発振出力値を相対的に小さくする場合には、第1電極部に対して第1駆動電流よりも値が小さい第2駆動電流を印加するか又は該第2駆動電流を印加せず、且つ第2電極部に対して第1駆動電流を印加する。このため、低出力動作時には、活性層に対して不均一に電流を注入することができるため、活性層に光吸収領域が形成される。その結果、発振閾値電流の値が大きくなるので、レーザ発振の微分利得が増大して、低出力時の相対雑音強度を小さくすることができる。
【0043】
第1又は第2の半導体発光装置の駆動方法において、第2駆動電流は第1駆動電流を抵抗可変手段に通すことにより生成することが好ましい。
【0044】
また、第1又は第2の半導体発光装置の駆動方法において、第2駆動電流のピーク値が、第1駆動電流のピーク値のほぼ2分の1以下であることが好ましい。
【0045】
本発明に係る第3の半導体発光装置の駆動方法は、基板上に形成された第1導電型の第1の半導体層と、第1の半導体層の上に形成された第2導電型の第2の半導体層と、第1の半導体層と第2の半導体層との間に形成され、発光光を生成する活性層と、第1の半導体層に駆動電流を供給する第1の電極と、第2の半導体層に駆動電流を供給するストライプ形状を有する第2の電極とを備え、第1の電極又は第2の電極を第2の電極が延びる方向に分割された分割電極とする半導体発光装置を対象とし、分割電極は、出射端面側に位置する第1電極部と反射端面側に位置する第2電極部とからなり、第1電極部と第2電極部とに対して、互いに値が異なる駆動電流を自励発振が生じるように印加する。
【0046】
第3の半導体発光装置の駆動方法によると、分割電極における第1電極部と第2電極部とに対して、互いに値が異なる駆動電流を自励発振が生じるように印加するため、高周波信号を重畳しなくても相対雑音強度が低下するので、レーザ素子における駆動回路を簡略化することができる。
【0047】
第3の半導体発光装置の駆動方法において、自励発振時には、第1電極部及び第2電極部のうちのいずれか一方に駆動電流を印加しないことが好ましい。
【0048】
本発明に係る第4の半導体発光装置の駆動方法は、レーザ光を発振する共振器を持つ半導体発光装置により出射されるレーザ光の反射光を用いて、記録媒体に記録された記録情報を読み出す半導体発光装置の駆動方法を対象とし、記録情報の読み出し時には、共振器に対して不均一に駆動電流を注入する。
【0049】
第4の半導体発光装置の駆動方法によると、活性層に対して不均一に電流を注入するため、活性層に光吸収領域が形成される。その結果、発振閾値電流の値が大きくなるため、レーザ発振の微分利得が増大して、低出力時の相対雑音強度を小さくすることができる。
【0050】
第4の半導体発光装置の駆動方法において、半導体発光装置が自励発振することが好ましい。
【0051】
また、第4の半導体発光装置の駆動方法において、駆動電流が高周波電流であることが好ましい。
【0052】
この場合に、高周波電流の周波数が約100MHz以上であることが好ましい。
【0053】
なお、従来の半導体発光装置には、例えばブラッグ反射器(DBR)レーザ素子等の集積レーザ素子のように、電極が分割されたレーザ素子も存在するが、分割された各電極に対応する素子は互いに異なる機能を有しており、発光領域における結晶構造等が電極ごとに異なっている。
【0054】
また、電極が分離された従来のレーザ素子に変調電流を印加する場合には、強度、周波数又は位相等が異なる電流を印加している。さらに、p側電極の両側にn側電極を設けるレーザ構造は公知であるが、n側電極における共振器の共振方向の長さは同一となっている。
【0055】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0056】
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子を示している。
【0057】
図1に示すように、例えば窒化ガリウム(GaN)からなり、導電性を有する半導体基板11の主面上には、n型半導体部12、活性層(発光層)13及びp型半導体部14が、有機金属気相成長(MOVPE)法等のエピタキシャル成長法により形成されている。
【0058】
n型半導体部12は、半導体基板11側から、n型窒化ガリウム(GaN)からなるn型コンタクト層、n型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるn型クラッド層、及びn型窒化ガリウム(GaN)からなるn型ガイド層を含んでいる。なお、n型半導体部12の最下層に、窒化ガリウム(GaN)からなるバッファ層を設けてもよい。
【0059】
p型半導体部14は、活性層13側から、p型窒化ガリウム(GaN)からなるp型ガイド層、p型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるp型クラッド層、及びp型窒化ガリウム(GaN)からなるp型コンタクト層を含んでいる。
【0060】
活性層13は、例えば窒化インジウムガリウム(InGaN)のように、エネルギーギャップがn型ガイド層及びp型ガイド層よりも小さいIII −V族窒化物半導体を用いる。なお、活性層13は多重量子井戸構造を有していてもよい。
【0061】
p型半導体部14の上には、例えばニッケル(Ni)と金(Au)との積層体からなり、幅が約1.8μm〜2.5μmのストライプ形状を持つp側電極15が形成されている。p側電極15は、活性層13における出射端面13a側を第1電極部15aとし、反射端面13b側を第2電極部15bとする、例えばエッチングにより分割されてなる分割電極である。
【0062】
p型半導体部14のp型コンタクト層におけるp側電極15の側方部分は、エッチングにより膜厚を小さくして、活性層13に導波路(共振器)を形成している。従って、p型コンタクト層における第1電極部15aと第2電極部15bとの間の領域はエッチングされていない。
【0063】
p側電極15の第1電極部15aと第2電極部15bとの間隔は約1μmとしている。また、レーザ光の閾値電流が高出力動作時の2倍〜3倍となるように、例えば100mA程度となるように、第2電極部15bの長さを調整する。ここでは、導波路の長さを0.5mm程度とする場合には、第2電極部15bの長さを0.1mm程度とすれば良い。
【0064】
半導体基板11における活性層13が形成されている主面と反対側の面(裏面)上には、例えばチタン(Ti)とアルミニウム(Al)との積層体からなるn側電極16が形成されている。
【0065】
活性層13は、導波路の全領域においてほぼ均一な膜厚を有している。窒化物半導体は微分利得が大きいため、活性層13の膜厚が不均一であると、p側電極15及びn側電極16に電流を注入して高出力動作を行なう場合に、得られる発光光が不均一となる。その結果、所望の発光強度を得られなくなるので、活性層13の膜厚は均一とする必要がある。
【0066】
また、n型半導体部12及びp型半導体部14においても、これらに含まれる各半導体層の膜厚は導波路が延びる方向(出射方向)において、ほぼ一様としている。特に、窒化物半導体の場合には、p型半導体の抵抗値が大きいため、p型半導体部14の膜厚が出射方向において不均一であると、駆動電流の注入が不均一となってしまう。その結果、p側電極15及びn側電極16に電流を注入して高出力動作を行なう場合に、所望の光出力を充分に得られなくなる。これを避けるために、n型半導体部12及びp型半導体部14を構成する各半導体層の膜厚は、出射方向においてほぼ均一としている。
【0067】
ところで、前述したように、p側電極15の第1電極部15aと第2電極部15bとの間隔は1μm程度である。この間隔を10μm以上と大きくした場合には、高出力時動作に、第1電極部15aと第2電極部15bとに同時に駆動電流を注入したとしても、活性層13に駆動電流が注入されない領域が形成されてしまい、所望のレーザ発振特性を得ることができなくなる。従って、第1電極部15aと第2電極部15bとの間隔は、大電流を流さない範囲において小さい方が好ましい。
【0068】
前述したように、p型コンタクト層の第1電極部15a及び第2電極部15bの間の領域を除去せずに残している。これは、第1電極部15a及び第2電極部15bの双方に駆動電流を注入する場合に、活性層13における第1電極部15aと第2電極部15との間の下側の領域に非発光領域を形成しないようにするためである。
【0069】
以下、前記のように構成された半導体レーザ素子の動作について図面を参照しながら説明する。
【0070】
(第1の駆動方法)
まず、半導体レーザ素子を、例えばHD−DVD装置におけるピックアップ部に用いるような場合に、その書き込み動作に相当する高出力動作の駆動方法を説明する。図2(a)に示すように、高出力動作時には、p側電極15の第1電極部15a及び第2電極部15bとn側電極16とに対してパルス状の駆動電流を印加する。これにより、活性層13には駆動電流がほぼ均一に注入される。
【0071】
次に、HD−DVD装置における読み出し動作に相当する低出力動作の駆動方法を説明する。図2(b)に示すように、低出力動作時には、p側電極15の第1電極部15aとn側電極16とに対して、高周波信号を重畳したパルス状の駆動電流を信号源20により印加する。すなわち、p側電極15の第2電極部15bには駆動電流を印加しない。ここで、重畳する高周波信号の周波数は100MHz以上が好ましく、これは他の実施形態においても同様である。
【0072】
このような活性層13に対する不均一な電流注入によって、活性層13における第1電極部15aの下側部分のみが発光する一方、活性層13における第2電極部15bの下側部分は光吸収領域として機能する。この光吸収領域が形成されることにより、スーパールミネッセンスダイオード素子のように、マルチモードのスペクトル線幅が広くなり、その結果、発光光の干渉性が低減して、低雑音化が可能となる。
【0073】
なお、第1の実施形態においては、半導体結晶に、発振波長が約400nmのIII −V族窒化物半導体を用いたが、これに限られず、発振波長が670nm程度の燐化インジウムガリウム(InGaP)のような、III −V族燐化物半導体を用いても良い。
【0074】
しかしながら、窒化物半導体を用いたレーザ素子の場合には、以下に示すような種々の好ましい特徴を有している。
【0075】
すなわち、窒化物半導体におけるp型結晶はその抵抗率が大きいため、p型コンタクト層等のp型半導体部14を絶縁分離しなくても、p側電極15を分割するだけで、注入電流を活性層13に対してその基板面に垂直な方向に不均一に注入することができる。
【0076】
さらに、燐化物半導体又は砒化物半導体結晶が閃亜鉛鉱型の結晶構造を採るのに対して、窒化物半導体結晶は六方晶系の結晶構造を採るため、基板の主面に対する平行な方向と垂直な方向とでは、互いの電気的特性が異なる。例えば、キャリアの移動度は、基板の主面に垂直な方向よりも平行な方向の方が小さくなる。その結果、窒化物半導体結晶の場合は、分割電極である第1電極部15aと第2電極部15bとの間で電流が流れにくくなるため、電極分割を行なう効果が大きい。
【0077】
また、窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体は、燐化インジウム(InP)又は砒化ガリウム(GaAs)を主成分とする化合物半導体と比べて、微分利得が極めて大きい。これは、窒化ガリウムが六方晶系に属しており、ホールが縮退していないことによる。このように、窒化ガリウム系化合物半導体は、微分利得が大きいことから、電流の分布にわずかな偏りがあると、結晶が利得を有するか損失となるかが変化する。その結果、窒化ガリウム系化合物半導体を用いたレーザ素子においては、活性層13に対して駆動電流をわずかでも不均一に注入することにより、導波路における光密度分布の変化を効果的に誘発させることができる。
【0078】
(第2の駆動方法)
次に、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子の第2の駆動方法を説明する。
【0079】
図3に示すように、p側電極15の第2電極部15bと信号源20との間に、可変抵抗器21を接続し、信号源20から高周波信号を重畳したパルス状の駆動電流を、p側電極15の第1電極部15a及び第2電極15bとn側電極16に印加する。
【0080】
高出力動作時には、可変抵抗器21の抵抗値をほぼ0に設定し、低出力動作時には、可変抵抗器21の抵抗値を有限値に設定する。その結果、高出力動作時には、活性層13に対して駆動電流が均一に注入され、低出力動作時には、活性層13に対して駆動電流が不均一に注入される。このように、第2電極部15bに印加する駆動電流量を可変抵抗器21の抵抗値を調整することによって、活性層13における発光光の吸収量を調節することができる。
【0081】
すなわち、第2の電極部15bを適当な長さに形成し、その後、可変抵抗器21の抵抗値を調整して、レーザ発振の閾値電流を変化させることにより、低出力動作時の相対強度雑音を低下させることができる。
【0082】
なお、低出力動作時における第2電極部15bに印加する駆動電流の値は、第1電極部15aに印加する駆動電流の値の2分の1程度以下とすることが好ましい。
【0083】
また、第2電極部15bに駆動電流を印加しない第1の駆動方法は、第2の駆動方法における可変抵抗器21の抵抗値を無限大に設定したことに相当する。
【0084】
また、第1の実施形態においては、可変抵抗器21を信号源20と第2電極部15bとの間に接続したが、これに代えて、信号源20と第1電極部15aとの間に接続してもよい。
【0085】
また、p側電極15の第2電極部15bに対する駆動電流量を低減する手段を可変抵抗器21としたが、これに限られず、可変抵抗器21と同等の機能を有する素子又は回路構成であってもよい。
【0086】
また、直流信号にバイアス電流を印加することによっても、活性層13における発光光の吸収量を調整することができる。
【0087】
(第3の駆動方法)
次に、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子の第3の駆動方法を説明する。
【0088】
図4に示すように、第3の駆動方法は、第1電極部15aに駆動電流を印加する代わりに、第2電極部15bに対して、高周波信号を重畳した駆動電流を印加する。これにより、活性層13における出射端面13a側の発光光の出力強度が低下するため、出射端面13aの劣化を抑えることができる。
【0089】
その上、反射端面13bにおいて発光光の強度が大きくなるため、レーザの発振モードが安定する。
【0090】
また、燐化インジウムガリウム系赤色半導体レーザ素子と異なり、窒化ガリウム系青色半導体レーザ素子は、基板が透明であるため、基板からの散乱光が出射光に混ざり、雑音が増大する傾向にある。第3の駆動方法のように、出射端面13a側から離れた第2電極部15bに駆動電流を印加して、出射端面13a側の注入電流を減少することにより、基板からの散乱光を低下させることができる。その結果、基板からの散乱光が出射光に混入されにくくなるので、雑音を低減することができる。
【0091】
(第4の駆動方法)
次に、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子の第4の駆動方法を説明する。
【0092】
活性層13において光吸収層となる第2電極部15bの下側部分の第1の抵抗値をRvとし、第1電極部15aと第2電極部15bとの間の領域の第2の抵抗値をRsとし、さらに素子容量をCとすると、レーザ素子の共振周波数fは以下の式(1)で表わされる。
【0093】
f=2π/{(Rv+Rs)C}1/2 …(1)
例えば、第1電極部15aと第2電極部15bとの間隔を1μmとする場合には、第2の抵抗値Rsが15Ωとなり、第2電極部15bの長さが0.1mmの場合には、素子容量Cが0.8fFとなるため、第1の抵抗値Rvを20Ωとし、p側電極15の第2電極部15bとn側電極16とに駆動電流を印加することにより、共振周波数fが37MHzとなる自励発振現象が生じる。
【0094】
自励発振現象を生じた場合には、駆動電流に高周波信号を重畳しなくても、相対雑音強度が低下するため、レーザ素子の駆動回路を簡略化することができる。
【0095】
この自励発振動作をさせることにより、光出力を1mWとした場合の相対雑音強度が、−135dB/Hz〜−110dB/Hz以下に低減することを確認している。
【0096】
なお、従来の自励発振を生じる半導体レーザ素子は、光が分布する領域に光を吸収する結晶層を有しており、駆動電流は本実施形態のような不均一に注入されていない。
【0097】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0098】
図5(a)〜図5(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法の工程順の構成を示している。
【0099】
まず、図5(a)の断面図に示すように、サファイアからなる基板31上に、例えばMOVPE法により、n型半導体部12、活性層13及びp型半導体部14を順次成長する。ここでも、n型半導体部12は、下層から順次成膜された、n型窒化ガリウム(GaN)からなるn型コンタクト層、n型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるn型クラッド層、及びn型窒化ガリウム(GaN)からなるn型ガイド層を含んでいる。また、p型半導体部14は、下層から順次成膜された、p型窒化ガリウム(GaN)からなるp型ガイド層、p型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるp型クラッド層、及びp型窒化ガリウム(GaN)からなるp型コンタクト層を含んでいる。
【0100】
活性層13は、例えば窒化インジウムガリウム(InGaN)、又は各クラッド層よりもアルミニウムの組成が小さい窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を用いる。続いて、例えば蒸着法により、p型半導体部14の全面に、ニッケル(Ni)と金(Au)との積層体からなり、膜厚が約100nm以下の第1の金属膜を堆積する。
【0101】
次に、図5(b)の導波路(共振器)形成領域に対して平行な方向の断面図に示すように、フォトリソグラフィ法により、堆積した第1の金属膜上に、幅が1μm程度で且つ導波路形成領域に対してほぼ垂直な方向に開口部40aを持つp側電極形成用のレジストパターン40を形成する。その後、形成したレジストパターン40をマスクとして、第1の金属膜に対して塩素を含むエッチングガスを用いたドライエッチングを行なうことにより、第1の金属膜から第1電極部15a及び第2電極部15bよりなるp側電極15を形成する。
【0102】
次に、図5(c)の平面図及び左側面図に示すように、p型半導体部12に対して塩素を含むエッチングガスを用いたドライエッチングにより、p側電極15の両側方の領域にp型ガイド層を露出することにより、ストライプ形状を持つ導波路を形成する。続いて、塩素を含むエッチングガスを用いたドライエッチングにより、p側電極15の一側方の領域にn型半導体部14のn型コンタクト層を露出する。続いて、蒸着法により、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)との積層体からなる第2の金属膜を堆積し、堆積した第2の金属膜にパターニングを行なって、第2の金属膜からn側電極16を形成する。
【0103】
このように、第2の実施形態においては、分割電極であるp側電極15の第1電極部15a及び第2電極部15bの間隔を約1μmと比較的小さくする必要から、エッチングが容易となるように、p側電極15の厚さを100nm以下としている。従って、第2の実施形態に係る半導体レーザ素子をマウント部材に実装する場合において、はんだ材によるp側電極15の劣化を抑えるために、p側電極15上に厚さが10μm程度の金めっきを施して、p側電極15とはんだ材とが直接に接触しないようにしている。
【0104】
なお、第2の実施形態においては、基板に絶縁性の基板31を用いたが、第1の実施形態のように、導電性基板を用いる場合には、n側電極16を基板の裏面上に設ければよい。
【0105】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0106】
図6(a)及び図6(b)は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ素子及びその駆動方法を模式的に表わしている。図6(a)及び図6(b)において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0107】
図6(a)に示すように、第3の実施形態に係る半導体レーザ素子は、例えばサファイアからなる絶縁性を有する基板31を用いている。該基板31の主面上には、第1の実施形態と同様に、n型半導体部12、活性層(発光層)13及びp型半導体部14が、MOVPE法により形成されている。
【0108】
第3の実施形態においては、ストライプ形状を有するp側電極15は分割されていない。代わりに、n型半導体部12におけるp側電極15の一方の領域をエッチングしてn型コンタクト層を露出し、その露出領域にn側電極16を形成し、該n側電極16を分割電極としている。
【0109】
すなわち、n側電極16は、活性層13における出射端面13a側を第1電極部16aとし、反射端面13b側を第2電極部16bとする分割電極である。
【0110】
n型半導体部12の方がp型半導体層部14よりも抵抗値が小さいため、p側電極15を分割する代わりにn側電極16を分割すると、第1電極部16aと第2電極部16bとの間隔を10μm程度に広げても、活性層13に対して駆動電流を均一に注入することができる。従って、第1の実施形態に係るp側電極15の第1電極部15a及び第2電極部15bのように、両電極部15a、15bの間隔寸法を1μmという極めて小さい値に設定する必要がない。これにより、レーザ素子における光学的且つ電気的な特性の劣化が生じにくくなると共に、分割電極の加工が容易となる。
【0111】
ここで、n型半導体層12におけるn型コンタクト層の抵抗率を0.015Ωcmとし、第1電極部16aと第2電極部16bとの間隔をd(μm)とし、第1電極部16aと第2電極部16bのうちの一方の電極部への注入電流をI(A)としたときの両電極部16a、16b間の電圧降下Vは以下の式(2)で表わされる。
【0112】
V=0.6I・d …(2)
これは、n型半導体部12の厚さが2μm程度と小さいため、電極部16a、16b間で適当な電圧降下を生じることによる。従って、例えば、注入電流値が100mAで且つ電極部16a、16b同士の間隔が1μmの場合は、電圧降下Vの値が0.06Vとなり、この程度の値では低出力動作させるには充分な電圧降下量とはならない。
【0113】
そこで、n側電極の第1電極部16a及び第2電極部16bの間隔を5μmとすると、電圧降下Vの値が0.3Vとなり、電極部16a、16b同士の間の領域を流れる電流を制限できる。その結果、駆動電流を活性層13に対してその基板面に垂直な方向に不均一に注入することができる。
【0114】
さらに、第1電極部16a及び第2電極部16bの間隔を10μm以上に設定して、電圧降下Vの値を0.6V以上とすることが好ましい。また、第1電極部16a及び第2電極部16bのうちの一方に電流を注入しない場合には、両電極部16a、16b間の間隔を20μm以上として、電圧降下Vの値を1.2V以上に確保する必要がある。
【0115】
以下、前記のように構成された半導体レーザ素子の動作について図面を参照しながら説明する。
【0116】
まず、半導体レーザ素子の高出力動作時の駆動方法を説明する。図6(a)に示すように、高出力動作時には、p側電極15とn側電極16の第1電極部16a及び第2電極部16bとに対してパルス状の駆動電流を印加する。これにより、活性層に対して駆動電流がほぼ均一に注入される。
【0117】
一方、図6(b)に示すように、低出力動作時には、n側電極16の第2電極部16bと信号源20との間に、可変抵抗器21を接続し、信号源20から高周波信号を重畳したパルス状の駆動電流を、p側電極15とn側電極16の第1電極部16a及び第2電極16bとに印加する。このとき、可変抵抗器21の抵抗値を有限値とし、第2電極部16bに対して、第1の電極部16aに印加する第1駆動電流よりも振幅が小さい第2駆動電流が印加される。但し、レーザ光の出力強度に応じて、第2駆動電流の電流量をほぼ0としてもよい。
【0118】
なお、図6(a)に示す構成は、図6(b)において可変抵抗器21の抵抗値を0とした場合に相当する。
【0119】
この構成により、第1の実施形態と同様に、低出力動作時における相対雑音強度を低下することができる。
【0120】
なお、第3の実施形態においても、可変抵抗器21を信号源20と第1電極部16aとの間に接続してもよい。
【0121】
また、n側電極16の第2電極部16bと信号源20との間に可変抵抗器21を設けたが、可変抵抗器21と同等の機能を有する素子又は回路構成であってもよい。また、駆動電流を交流信号とする代わりに、直流信号にバイアス電流を印加することによっても、活性層13における発光光の吸収量を調整することができる。
【0122】
また、低出力動作時に、第1電極部16aの代わりに第2電極部16bに駆動電流を印加する、第1の実施形態に示した第3の駆動方法を用いてもよい。
【0123】
さらには、第1の実施形態に示した第4の駆動方法を用いて、自励発振動作を行なってもよい。
【0124】
(製造方法)
以下、前記のように構成された半導体レーザ素子の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0125】
図7(a)〜図7(e)は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法の工程順の構成を示している。
【0126】
まず、図7(a)の断面図に示すように、サファイアからなる基板31上に、例えばMOVPE法により、n型半導体部12、活性層13及びp型半導体部14を順次成長する。ここでも、n型半導体部12は、下層から順次成膜された、n型窒化ガリウム(GaN)からなるn型コンタクト層、n型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるn型クラッド層、及びn型窒化ガリウム(GaN)からなるn型ガイド層を含んでいる。また、p型半導体部14は、下層から順次成膜された、p型窒化ガリウム(GaN)からなるp型ガイド層、p型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるp型クラッド層、及びp型窒化ガリウム(GaN)からなるp型コンタクト層を含んでいる。
【0127】
活性層13は、例えば窒化インジウムガリウム(InGaN)、又は各クラッド層よりもアルミニウムの組成が小さい窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を用いる。
【0128】
次に、図7(b)の平面図に示すように、塩素を含むエッチングガスを用いたドライエッチングにより、n型半導体部12のn型コンタクト層を導波路形成領域に沿って露出する。
【0129】
次に、図7(c)の平面図及び左側面図に示すように、例えば蒸着法及びエッチング法を用いて、p型半導体部14上の導波路形成領域に、ニッケル(Ni)と金(Au)との積層体からなり、幅が約1.8μm〜2.5μmのp側電極15を形成する。なお、ここでは、n型コンタクト層を露出するエッチング工程の後に、p側電極形成用の第1の金属膜を蒸着したが、これに代えて、p側電極形成用の第1の金属膜を蒸着した後、p側電極15のパターニングとn型コンタクト層を露出するエッチングとを順次行なってもよい。
【0130】
次に、図7(d)の平面図に示すように、フォトリソグラフィ法により、n型半導体部12の露出領域上であって、反射端面13a側に第1の開口部41aを持ち、出射端面13b側に第2の開口部41bを持つn側電極形成用のレジストパターン41を形成する。
【0131】
次に、図7(e)の平面図に示すように、レジストパターン41の上に、例えば蒸着法により、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)との積層体からなる第2の金属膜を堆積し、レジストパターン41をリフトオフすることにより、堆積した第2の金属膜から、所定の間隔をおいて分割された第1電極部16a及び第2電極部16bよりなるn側電極16を形成する。
【0132】
このように、第3の実施形態に係る半導体レーザ素子においては、分割電極の各電極部16a、16b同士の間隔が10μm程度と比較的大きいため、製造が容易なリフトオフ法を用いている。
【0133】
(第3の実施形態の一変形例)
以下、第3の実施形態の一変形例に係るn側電極16の平面形状を図面に基づいて説明する。
【0134】
図8(a)は第3の実施形態の一変形例に係る半導体レーザ素子の平面構成を示している。図8(a)に示すように、n側電極16の第1電極部16aと第2電極部16bとの間に位置する分割領域16cが、p側電極15の長手方向(ストライプ方向)に対して基板面内で直交する方向、すなわちA−A線方向に対して所定の傾斜角度θ(但し、0<θ<90°)を有するように形成されている。
【0135】
第3の実施形態に係る半導体レーザ素子は、n側電極16が導波路(共振器)の側方に設けられているため、図6(a)のように、n側電極16の両電極部16a、16b同士の間の分割領域16cを、p側電極15が延びる方向に対して直交するように設けると、高出力動作時において、n側電極16の第1電極部16a及び第2電極部16bの両電極部に駆動電流を印加する際に、活性層13(n型コンタクト層)に対して駆動電流が注入されない領域が生じる虞がある。
【0136】
そこで、本変形例においては、n側電極16の第1及び第2電極部16a、16b同士の間の分割領域16cを、p側電極15の長手方向と基板面内で垂直な方向に対して0°よりも大きく且つ90°よりも小さい傾斜角度θを持つように設ける。これにより、分割領域16cにおいて、第1電極部16aと第2電極部16bとが、A−A線方向に沿って少なくとも1回ずつ現われるため、活性層13に駆動電流が注入されない領域が生じなくなる。
【0137】
なお、分割領域16cの形状は、図8(b)に示すように、例えば傾斜角度θ1〜θ4を持つようなジグザグ状であってもよい。従って、図8(a)の場合をも含めると、分割領域16cの形状を折れ線状に設ける場合には、複数の傾斜角度θのうちの1つが0°よりも大きく且つ90°よりも小さければ良い。さらには、分割領域16cの形状は曲線状であってもよく、図8(a)及び図8(b)に限られない。
【0138】
一般に、窒化ガリウム系化合物半導体を用いたレーザ素子は、半導体の結晶構造が六方晶系であるため、導波路に一軸性歪が導入された場合に、利得が増大して発振特性が向上する。
【0139】
従って、第3の実施形態のように、導波路の側方に電極を設けることにより、一軸性歪を効果的に導入することができるため、レーザ素子の光学的特性を向上することができる。
【0140】
また、第3の実施形態のように、絶縁性を持つ基板31を用いてレーザ構造を形成する場合には、n型半導体部12の厚さは2μm程度となる。その結果、導電性基板を用いた場合と比べてn型半導体部12における注入電流の拡散を抑制することができる。このため、n側電極16を分割することによって、活性層13に対してその基板面に垂直な方向に不均一に注入することができる。
【0141】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0142】
図9(a)、図9(b)及び図10は本発明の第4の実施形態に係る半導体レーザ素子及びその駆動方法を模式的に表わしている。図9(a)、図9(b)及び図10において、図6(a)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
【0143】
前述した第3の実施形態においては、n側電極16の第1電極部16aと第2電極部16bとをp側電極15の一方の側方の領域に形成している。
【0144】
第4の実施形態は、n側半導体部12におけるp側電極15の両側方の領域が露出されており、一方の露出領域にはそのほぼ全面に第1電極部16aが形成され、他方の露出領域にはその一部の領域、例えば反射端面13b側に第2電極部16bが形成されている。すなわち、第1電極部16aと第2電極部16bとが、p側電極15に対してその各平面形状が非対称となるように形成されている。
【0145】
この構成は、基板にサファイア等からなる絶縁性の基板を用いており、p側電極15及びn側電極16が共に基板の同一面上に形成されることから可能となる。
【0146】
さらに、第3の実施形態のように、1つの露出領域上に成膜された導電膜から、第1電極部16aと第2電極部16bとからなるn側電極16を形成するための、分割領域16cの幅寸法及び形状を決定するパターニングを行なう必要がない。
【0147】
以下、前記のように構成された半導体レーザ素子の動作について図面を参照しながら説明する。
【0148】
(第1の駆動方法)
まず、本発明の第4の実施形態に係る半導体レーザ素子の第1の駆動方法を説明する。図9(a)に示すように、高出力動作時には、p側電極15とn側電極16の第1電極部16aとに対してパルス状の駆動電流を印加する。これにより、活性層に対して駆動電流が均一に注入される。
【0149】
一方、図9(b)に示すように、低出力動作時には、p側電極15とn側電極16の第2電極部16bとに対して、高周波信号を重畳したパルス状の駆動電流を信号源20により印加する。その結果、活性層に対して駆動電流が不均一に注入される。
【0150】
(第2の駆動方法)
次に、本発明の第4の実施形態に係る半導体レーザ素子の第2の駆動方法を説明する。
【0151】
図10に示すように、信号源20とn側電極16の第1電極部16aとの間に、第1の可変抵抗器21を接続し、且つ信号源20とn側電極16の第2電極部16bとの間に、第2の可変抵抗器22を接続する。
【0152】
高出力動作時には、第1の可変抵抗器21の抵抗値をほぼ0に設定し、第2の可変抵抗器22の抵抗値を第2の電極部16bに電流が流れない程度に設定して、信号源20から高周波信号を重畳したパルス状の駆動電流を流す。その結果、高出力動作時には、活性層13に対して駆動電流が均一に注入される。
【0153】
一方、低出力動作時には、第1の可変抵抗器21の抵抗値を第1の電極部16aに電流が流れない程度に設定し、第2の可変抵抗器22の抵抗値をほぼ0に設定して、信号源20から高周波信号を重畳したパルス状の駆動電流を流す。その結果、低出力動作時には、活性層13に対して駆動電流が不均一に注入される。
【0154】
このように、第1電極部16aに印加する駆動電流量は第1の可変抵抗器21により調整し、第2電極部16bに印加する駆動電流量は第2の可変抵抗器22により調整することによって、活性層13における発光光の吸収量を調節することができる。これにより、低出力動作時の相対強度雑音を低下させることができる。
【0155】
なお、第1の駆動方法において、高出力動作は第2の可変抵抗器22の抵抗値を無限大とし、低出力動作は第1の可変抵抗器21の抵抗値を無限大に設定したことに相当する。ここで、第1及び第2の可変抵抗器21、22に代えて、それぞれにスイッチ素子を設けてもよい。
【0156】
また、駆動電流量を低減する手段に可変抵抗器を用いたが、可変抵抗器と同等の機能を有する素子又は回路構成であってもよい。また、駆動電流にパルス状の交流信号を用いる代わりに、直流信号にバイアス電流を印加することによっても、活性層における発光光の吸収量を調整することができる。
【0157】
また、第1の実施形態に示した第4の駆動方法を用いて、自励発振動作を行なってもよい。
【0158】
(第4の実施形態の一変形例)
以下、本発明の第4の実施形態の一変形例について図面を参照しながら説明する。
【0159】
図11は本発明の第4の実施形態の一変形例に係る半導体レーザ素子及びその駆動方法を模式的に表わしている。図11において、図10に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
【0160】
本変形例は、n側電極16の第1電極部16aを、p側電極15を挟んで第2電極部16bと対向する部分には設けない構成としている。
【0161】
これにより、第2電極部16bと信号源20との間には、第2の可変抵抗器22を設ける必要がなくなる。
【0162】
本変形例に係る半導体レーザ素子の駆動方法は、高出力動作時には可変抵抗器21の抵抗値をほぼ0とし、低出力動作時には可変抵抗器21の抵抗値を有限値とし、信号源20から高周波信号を重畳したパルス状の駆動電流をp側電極15とn側電極16の第1電極部16a及び第2電極16bとに印加する。
【0163】
本変形例においても、n側電極16の第1電極部16aと第2電極部16bとは、p側電極15に対してその各平面形状が非対称となるように形成されている。
【0164】
その上、第1電極部16aと第2電極部16bとは、p側電極15に対して面内で垂直な方向においてその隣接する端部同士が重なる重なり部16dを持つように形成されている。これにより、高出力動作時に、第1電極部16aと第2電極部16bとに同時に駆動電流を印加する場合であっても、活性層に対して駆動電流が注入されない領域を生じないようにすることができる。これにより、高出力動作時におけるレーザ光の均一性を確保することができる。
【0165】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0166】
図12は本発明の第5の実施形態に係る半導体レーザ素子を表わしている。図12において、図1に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付している。
【0167】
第5の実施形態は、基板に、窒化ガリウム(GaN)のように導電性を有する半導体基板11を用いている。半導体基板11が導電性を有することから、活性層13に対して均一な電流を注入するn側電極16の第1電極部16aを、半導体基板11の裏面のほぼ全面に形成している。これにより、第5の実施形態においては、分割電極が、半導体基板11の主面側に設けられた第2電極部16bと、半導体基板11の裏面上に設けられた第1電極部16aとに分割されている。
【0168】
これにより、半導体基板11の主面側に形成される電極はp側電極15とn側電極16の第2電極部16bとの1つずつとなるため、図14に示した従来の半導体レーザ素子の構成とほぼ同等となる。その結果、従来のサブマウントを用いて、p側電極15をサブマウントの上面に搭載する、いわゆるpサイドダウン(ジャンクションダウン)方式により、半導体レーザ素子を実装することができる。従って、第5の実施形態に係る半導体レーザ素子を、pサイドダウン方式でサブマウント上に実装した後、半導体基板11の裏面上のn側電極16の第1電極部16aにも配線を施して、n側電極16が分割されてなる電極分割型構造を実現することができる。
【0169】
(製造方法)
以下、前記のように構成された半導体レーザ素子の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0170】
図13(a)〜図13(d)は本発明の第5の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法の工程順の構成を示している。
【0171】
まず、図13(a)の平面図及び左側面図に示すように、第3の実施形態と同様に、n型半導体部12における導波路形成領域の一側方の領域にn型コンタクト層を露出すると共に、p型半導体部12の上にp側電極15を、ストライプ状にパターニングする。
【0172】
次に、図13(b)の平面図に示すように、フォトリソグラフィ法により、n型半導体部12の露出領域上の反射端面13b側に開口部42aを持つn側電極形成用のレジストパターン42を形成する。
【0173】
次に、図13(c)の平面図に示すように、レジストパターン42の上に、例えば蒸着法により、TiとAlとの積層体からなる金属膜を堆積し、レジストパターン42をリフトオフすることにより、堆積した金属膜からn側電極16の第2電極部16bを形成する。
【0174】
次に、図13(d)の平面図に示すように、半導体発光素子11の裏面を厚さが約100μmになるまで研磨し、その後、蒸着法等により、裏面上の全面にわたって、TiとAlとの積層体を堆積して、n側電極16の第1電極部16aを形成する。
【0175】
なお、第1〜第5の実施形態においては、半導体レーザ素子を光ディスク装置のピックアップ部に用いる場合についてその動作を説明したが、これに限られない。すなわち、半導体レーザ素子に対して、発光光の出力強度が大きい高出力動作と、出力強度が小さい低出力動作とが必要とされるような用途に用いるとよい。
【0176】
【発明の効果】
本発明に係る半導体発光装置及びその駆動方法によると、p側電極又はn側電極を分割してなる分割電極を有しているため、該分割電極のうちの一部に対して駆動電流を印加して、活性層に対して駆動電流を不均一に注入することにより、発振閾値が大きくなるため、低出力時の相対雑音強度を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子を示す斜視図である。
【図2】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子における第1の駆動方法を示し、(a)は高出力動作時の模式的な斜視図であり、(b)は低出力動作時の模式的な斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子における第2の駆動方法を示す模式的な斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ素子における第3の駆動方法を示す模式的な斜視図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法の工程順の構成を示し、(a)及び(b)は断面図であり、(c)は平面図及び左側面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ素子とその駆動方法を示す模式的な斜視図である。
【図7】(a)〜(e)は本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法の工程順の構成を示し、(a)は断面図であり、(b)は平面図であり、(c)は平面図及び左側面図であり、(d)及び(e)は平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の一変形例に係る半導体レーザ素子を示す平面図である。
【図9】(a)及び(b)は本発明の第4の実施形態に係る半導体レーザ素子とその第1の駆動方法を示し、(a)は高出力動作時の模式的な平面図であり、(b)は低出力動作時の模式的な平面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る半導体レーザ素子とその第2の駆動方法を示す模式的な平面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態の一変形例に係る半導体レーザ素子とその駆動方法を示す模式的な平面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る半導体レーザ素子を示す斜視図である。
【図13】(a)〜(d)は本発明の第5の実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法の工程順の構成を示し、(a)は平面図及び左側面図であり、(b)及び(c)は平面図であり、(d)は左側面図である。
【図14】従来の半導体レーザ素子を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 半導体基板
12 n型半導体部(第1の半導体層)
13 活性層(発光層)
13a 出射端面
13b 反射端面
14 p型半導体部(第2の半導体層)
15 p側電極
15a 第1電極部(分割電極)
15b 第2電極部(分割電極)
16 n側電極
16a 第1電極部(分割電極)
16b 第2電極部(分割電極)
16c 分割領域
16d 重なり部
20 信号源
21 (第1の)可変抵抗器(抵抗可変手段)
22 第2の可変抵抗器(抵抗可変手段)
31 基板
40 レジストパターン
40a 開口部
41 レジストパターン
41a 第1の開口部
42 レジストパターン
42a 開口部

Claims (9)

  1. 基板上に形成された第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に形成された第2導電型の第2の半導体層と、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間に形成され、側面を構成する出射端面から出射する発光光を生成する活性層と、前記第1の半導体層に駆動電流を供給する第1の電極と、前記第2の半導体層に駆動電流を供給するストライプ形状を有する第2の電極とを備え、前記第1の電極又は第2の電極を前記第2の電極が延びる方向に分割された分割電極とする半導体発光装置の駆動方法であって、
    前記分割電極は、出射端面側に位置する第1電極部と反射端面側に位置する第2電極部とからなり、
    レーザ光の発振出力値を相対的に大きくする場合には、前記第1電極部及び第2電極部に対してパルス状の信号からなる第1駆動電流を印加し、
    レーザ光の発振出力値を相対的に小さくする場合には、前記第1電極部に対して高周波信号を重畳したパルス状の信号からなる駆動電流を印加すると共に、前記第2電極部に対して前記第1駆動電流よりも値が小さい第2駆動電流を印加するか若しくは該第2駆動電流を印加せず、又は前記第2電極部に対して高周波信号を重畳したパルス状の信号からなる駆動電流を印加すると共に、前記第1電極部に対して前記第1駆動電流よりも値が小さい第2駆動電流を印加するか若しくは該第2駆動電流を印加しないことを特徴とする半導体発光装置の駆動方法。
  2. 基板上に形成された第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に形成された第2導電型の第2の半導体層と、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間に形成され、側面を構成する出射端面から出射する発光光を生成する活性層と、前記第1の半導体層に駆動電流を供給する第1の電極と、前記第2の半導体層に駆動電流を供給するストライプ形状を有する第2の電極とを備え、前記第1の電極又は第2の電極を前記基板の表裏方向に分割された分割電極とする半導体発光装置の駆動方法であって、
    前記分割電極は、前記基板における前記活性層と反対側の面のほぼ全面を覆うように設けられた第1電極部と、前記第1の半導体層上における出射端面又は反射端面側に設けられた第2電極部とからなり、
    レーザ光の発振出力値を相対的に大きくする場合には、前記第1電極部に対してパルス状の信号からなる第1駆動電流を印加し、
    レーザ光の発振出力値を相対的に小さくする場合には、前記第1電極部に対して前記第1駆動電流よりも値が小さい第2駆動電流を印加するか又は該第2駆動電流を印加せず、且つ、前記第2電極部に対して高周波信号を重畳したパルス状の信号からなる駆動電流を印加することを特徴とする半導体発光装置の駆動方法。
  3. 前記第2駆動電流は、前記第1駆動電流を抵抗可変手段に通すことにより生成することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置の駆動方法。
  4. 前記第2駆動電流のピーク値は、前記第1駆動電流のピーク値のほぼ2分の1以下であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載の半導体発光装置の駆動方法。
  5. 前記活性層に前記第1駆動電流がほぼ均一に注入される、請求項1に記載の半導体発光装置の駆動方法。
  6. 前記活性層に前記第2駆動電流が不均一に注入される、請求項1に記載の半導体発光装置の駆動方法。
  7. レーザ光の発振出力値を相対的に小さくする場合には、前記第2電極部の下側部分の活性層は光吸収領域となる、請求項6に記載の半導体発光装置の駆動方法。
  8. 前記第1の半導体層、前記活性層、および前記第2の半導体層が、窒化物半導体から構成されている、請求項1に記載の半導体発光装置の駆動方法。
  9. 前記第1の半導体層、前記活性層、および前記第2の半導体層が、窒化物半導体から構成されている、請求項2に記載の半導体発光装置の駆動方法。
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