JP4656398B2 - ブロードエリア型半導体レーザ素子 - Google Patents

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本発明は、屈折率導波タイプのブロードエリア型半導体レーザ素子に関する。
半導体レーザ(laser diode ;LD)は、CD(Compact Disk)またはDVD(Digital Versatile Disk)のような光ディスク装置における光源としての用途のほか、ディスプレイ,印刷機器,材料の加工または医療などさまざまな分野に応用されている。これらの応用分野においては出力の高いことが望ましい場合が多く、高出力半導体レーザに対する要望が高まっている。
出力を高くする一つの方法として、ストライプ状の電流注入領域を有する半導体レーザの場合、電流注入領域の幅、すなわちストライプ幅を広くすることが有効である。例えば、光ディスク用の半導体レーザでは、ストライプ幅の典型的な値が2μmないし3μm程度であるのに対して、高出力用として開発されている半導体レーザには、ストライプ幅を50μmないし100μmに広げたものも出現している。このようにストライプ幅を広くした半導体レーザは、ブロードエリア型半導体レーザと呼ばれている。なお、ここでいう「ブロードエリア型」の基準となるストライプ幅の明確な数値は規定されていないが、本明細書においては10μm以上のものをいうこととする。
図15は、従来のブロードエリア型半導体レーザ素子の一例を表したものである。この半導体レーザ素子は、基板210上にn型クラッド層221,活性層222,p型クラッド層223およびp側コンタクト層224が順に積層された半導体層220を有している。半導体層220上にはp側電極231が設けられ、基板210の裏側にはn側電極232が形成されている。p側コンタクト層223およびp型クラッド層224の一部はエッチングにより除去されて突条部(リッジ)240となっており、突条部240の両側にはn型埋め込み層(図示せず)が設けられている。この埋め込み層と突条部240との間には屈折率差Δnがつけられており、屈折率の高い突条部240に対応して屈折率導波路250が形成されている。屈折率導波路250の幅W0すなわちストライプ幅は例えば10μm以上と広く、基本モード以外の高次モードが数多く出現する可能性を持っている。
特開2000−174385号公報 特開2000−183463号公報
このような従来のブロードエリア型半導体レーザのNFP(Near Field Pattern;近視野像)は、通常、図16(B)に示したような両端付近にピークを有する形状となることが多く、ストライプ内での強度むらの主原因の一つとなっていた。更に、このピークは、図16(A)に示した屈折率差Δnを大きくするほど高くなってしまう傾向があった。理想的なNFPは図16(C)に示したような均一な強度分布、所謂トップハット形状であるが、この理想的な形状から遊離してしまう原因は特に両端のピークの存在にあった。このピークを抑制し、NFPをトップハット形状に近づけることが、空間的に均一な照射や加工を必要とする用途、例えばディスプレイへの応用には望まれている。
なお、例えば特許文献1では、突条部の幅を一定とし、突条部の両側の分離溝の幅を、共振器中央部では狭く、端面付近では中央部よりも広くすることが記載されている。この構成では、共振器中央部では光が横方向に広がり、端面付近では光が中央に絞られる。すなわち、特許文献1の構成の本質は、分離溝の幅を変えることにより光の導波状況を共振器方向で変調させることにあった。
また、例えば特許文献2では、突条部の幅を共振器中央部では広く、端面付近では狭くしている。この構成では突条部の幅そのものを変えているので、導波路の形状もそれに応じて変形してしまうことが明らかであった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、NFPの端のピークを抑制し、NFPの均一性を高めることができるブロードエリア型半導体レーザ素子を提供することにある。
本発明によるブロードエリア型半導体レーザ素子は、以下の(A)〜(D)の構成要件を備えることによりNFPの均一性を改善するものである。
(A) 基板上に順次形成された少なくとも第1クラッド層,活性層,第2クラッド層およびコンタクト層を含む半導体層
(B) コンタクト層に接して設けられた電極
(C) 半導体層のコンタクト層側から少なくとも第2クラッド層に達するまでの深さを有し、その延在方向に一様の幅の屈折率導波路を形成する突条部
(D) 突条部のうちのコンタクト層とコンタクト層に接する電極とに、屈折率導波路の境界線の少なくとも一部を含む切欠部を設けることにより、屈折率導波路の延在方向の両端部の四つの角のうち少なくとも主出射側端面近傍の二つの角に設けられた電流非注入領域
ここで「幅」とは、突条部の延在方向すなわち共振器方向と、半導体層の積層方向との両方に対して垂直な方向における寸法をいう。
本発明のブロードエリア型半導体レーザ素子では、突条部のうちのコンタクト層とコンタクト層に接する電極とに、屈折率導波路の境界線の少なくとも一部を含む切欠部が設けられることにより、屈折率導波路の延在方向の両端部の四つの角のうち少なくとも主出射側端面近傍の二つの角に電流非注入領域が設けられているので、切欠部の直下の屈折率導波路の境界線近傍領域に流入する電流量が減って利得が下がる。
本発明のブロードエリア型半導体レーザ素子によれば、突条部のうちのコンタクト層とコンタクト層に接する電極とに、屈折率導波路の境界線の少なくとも一部を含む切欠部を設けることにより、屈折率導波路の延在方向の両端部の四つの角のうち少なくとも主出射側端面近傍の二つの角に電流非注入領域を設けるようにしたので、切欠部の直下の屈折率導波路の境界線近傍領域の利得を下げることができる。よって、NFPの端にピークが出現するのを抑制することができ、その均一性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
以下の各実施の形態は、電流非注入領域の位置および形状において異なってはいるものの、いずれも屈折率導波路内の位置による導波モードの差異に着目し、これを利用してNFPの端のピークを抑制しようとする点において共通である。よって、実施の形態の説明に入る前に、これらに共通して本発明の基礎をなす前提事項として、屈折率導波路内の位置による導波モードの差異についてNFP計測結果に基づいて説明する。
図1に斜線を付して示したような幅W0が100μmの屈折率導波路150を有するブロードエリア型半導体レーザ素子を作製した。その際、屈折率導波路150の幅W0は、突条部の延在方向(共振器方向)Aにおいて一様であるものとした。なお、素子構造および構成材料については、一般的なGaAs系屈折率導波型とした。
このブロードエリア型半導体レーザ素子について、注入電流を増やしながらNFPの変化を調べた。図2(A)は発振開始しきい値付近でのNFP計測結果であり、図2(B)および図2(C)は、図2(A),図2(B),図2(C)の順で更に注入電流を増やしていったときのNFP計測結果をそれぞれ表している。
図2(A)から分かるように、両端から数μm程度内側で強い屈折率導波モードが発生しており、ここが所謂屈折率導波モード的な特徴を示している。発振開始しきい値付近では、この両端の屈折率導波モードが強く励起される。
一方、図2(B)から分かるように、両端から数μm以上内側の中央領域では、比較的細かいリップルからなる利得導波的横モードが、両端のモードに促されるように出現する。つまり、この中央領域のモードは、しきい値がやや高めになっている。
更に出力を増すために注入電流を増やしていくと、図2(C)に示したように、両端にピークを有し、中央領域がやや強度的に低いNFPになる。
このように、ブロードエリア型半導体レーザでは、屈折率導波路150の両端の、幅10μm程度の境界線近傍領域151,152が屈折率導波として機能していることが分かる。すなわち、屈折率導波路150の境界線近傍領域151,152に流入する電流量を減らして利得を下げれば、ストライプ状の屈折率導波路150の形状を変更することなくNFPの端のピークを抑制することができる。このように電流非注入領域を設けるようにすれば、特許文献1のように光の導波状況を共振器方向において変調させる必要はなく、あるいは特許文献2のように突条部の幅を共振器中央部と端面付近とで異ならせるようなことも必要はない。
以下、このNFP計測結果およびその分析に基づいて、具体的な実施の形態およびその変形例について説明する。
図3は本発明の一実施の形態に係る半導体レーザ素子の断面構成を表したものである。この半導体レーザ素子は、例えばディスプレイに用いられるものであり、基板10上に、n型クラッド層21、活性層22、p型クラッド層23およびコンタクト層24が順に積層された半導体層20を有している。半導体層20上にはp側電極31が設けられ、基板10の裏側にはn側電極32が形成されている。コンタクト層24およびp型クラッド層23の一部はエッチング除去されて突条部40となっており、突条部40の両側にはn型埋め込み層(図示せず)が設けられている。この埋め込み層と突条部40との間には屈折率差Δnがつけられており、屈折率の高い突条部40に対応して屈折率導波路50が形成されている。屈折率導波路50の幅W0は例えば10μm以上である。すなわち、この半導体レーザ素子は、ブロードエリア型のものである。
基板10は、例えば、厚さが100μm程度に薄膜化され、シリコン(Si)などのn型不純物を添加したn型GaAsにより構成されている。n型クラッド層21は、例えば、厚さが3μmであり、シリコンなどのn型不純物を添加したn型AlGaAs混晶により構成されている。
活性層22は、例えば、厚さが30nmであり、不純物を添加しないAlGaAs混晶により構成されている。
p型クラッド層23は、例えば、厚さが2μmであり、亜鉛(Zn)などのp型不純物を添加したp型AlGaAs混晶により構成されている。p側コンタクト層24は、例えば、厚さが0.5μmであり、亜鉛(Zn)などのp型不純物を添加したp型GaAsにより構成されている。
p側電極31は、例えば、チタン(Ti)層,白金(Pt)層および金(Au)層を半導体層20の側から順に積層した構造を有しており、半導体層20のp側コンタクト層24と電気的に接続されている。n側電極32は、例えば、金とゲルマニウム(Ge)との合金層,ニッケル(Ni)層および金(Au)層とを基板10の側から順に積層した構造を有しており、基板10を介して半導体層20と電気的に接続されている。
また、この半導体レーザ素子では、突条部40の延在方向Aにおいて対向する主出射側端面11および後方端面12が一対の共振器端面となっており、これら主出射側端面11および後方端面12には反射鏡膜(図示せず)がそれぞれ形成されている。主出射側端面11の反射鏡膜は低反射率となるように調整され、後方端面12の反射鏡膜は高反射率となるように調整されている。これにより、活性層22において発生した光は一対の反射鏡膜の間を往復して増幅され、主出射側端面11側の反射鏡膜からレーザビームとして射出される。
図4は、図3に示した半導体レーザ素子の屈折率導波路50の平面形状を表したものである。屈折率導波路50の幅W0は突条部40の延在方向Aにおいて一様である。屈折率導波路50内の境界線近傍領域51,52に対応して、電流非注入領域53が設けられている。ここでは、この電流非注入領域53は、p側電極31に切欠部31A(図4には図示せず、図3参照。)を設けたものである。これにより、この半導体レーザ素子では、屈折率導波路50の境界線近傍領域51,52の利得を下げ、NFPの端のピークを抑制することができるようになっている。
電流非注入領域53の幅W1は、屈折率導波路50の境界線51A,52Aから例えば2μm以上10μm以下であることが好ましい。2μm未満では電流の拡散により十分な効果が得られず、10μmよりも広いとロスが増えてしまうからである。
電流非注入領域53の屈折率導波路50の延在方向の長さL1は、10μm以上であることが好ましい。10μm未満では電流の拡散により十分な効果が得られず、特に注入電流を大きくした場合には効果がほとんど得られないおそれがあるからである。
また、電流非注入領域53は、コンタクト層24にも切欠部24A(図4には図示せず、図3参照。)が設けられている。p側電極31だけでなくコンタクト層24にも切欠部24Aを設けることにより、p側電極31から供給された駆動電流がコンタクト層24を介して広がってしまうことを防止することができ、より高い効果が得られる。
なお、電流非注入領域53の形状は特に限定されず、図3および図4に示したような三角形のほか、階段状、曲線状、矩形状などでもよい。
この半導体レーザは、例えば、次のようにして製造することができる。
図5および図6は、この半導体レーザの製造方法を工程順に表すものである。まず、図5に示したように、例えば、上述した材料よりなる基板10の一面に、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition ;有機金属化学気相成長)法により、上述した厚みおよび材料よりなるn型クラッド層21,活性層22,p型クラッド層23およびp側コンタクト層24を順次積層し、半導体層20を形成する。
次いで、同じく図5に示したように、p側コンタクト層24の上にレジストよりなるマスク層(図示せず)を形成し、このマスク層を用いたドライエッチングにより、p側コンタクト層24およびp型クラッド層23の厚さ方向一部を選択的に除去し、突条部40を形成する。そののち、マスク層を除去する。
続いて、図6に示したように、p側コンタクト層24の上にレジストよりなる別のマスク層(図示せず)を形成し、このマスク層を用いたドライエッチングにより、p側コンタクト層24を選択的に除去し、電流非注入領域53となる領域に切欠部24Aを設ける。そののち、突条部40の両側にn型埋め込み層(図示せず)を形成すると共に、埋め込み層と突条部40との間に屈折率差Δnをつけることにより、屈折率の高い突条部40の延在方向に屈折率導波路50を形成する。
そののち、図3に示したように、基板10の裏面側をラッピングして基板10を上述した厚さまで薄膜化し、その面に金とゲルマニウムとの合金層,ニッケル層および金層を順次蒸着することによりn側電極32を形成する。
また、半導体層20の突条部40の上面に、例えばチタン層,白金層および金層を順次蒸着することによりp側電極31を形成する。このとき、p側電極31に、屈折率導波路50内の境界線近傍領域51,52に対応して切欠部31Aを設けることにより電流非注入領域53を形成する。
n側電極32およびp側電極31を形成したのち、基板10を所定の大きさに整え、主出射側端面11および反対側端面12に反射鏡膜(図示せず)を形成する。これにより、図3に示した半導体レーザが形成される。
この半導体レーザでは、n側電極32とp側電極31との間に所定の電圧が印加されると、p側電極31から供給される駆動電流は突条部40により電流狭窄されたのち活性層22に注入され、電子−正孔再結合により発光が起こる。この光は、屈折率導波路50において、一対の反射鏡膜(図示せず)により反射され、その間を往復してレーザ発振を生じ、レーザビームとして外部に射出される。ここでは、屈折率導波路50内の境界線近傍領域51,52に対応して電流非注入領域53が設けられているので、図7に示したように、電流非注入領域53には、p側電極31からの駆動電流L1は供給されず、拡散電流L2が流入するだけになる。よって、屈折率導波路50の境界線近傍領域51,52に流入する電流量が減って利得が下がり、NFPの端のピークが抑制される。
このように本実施の形態では、屈折率導波路50内の境界線近傍領域51,52に対応して電流非注入領域53を設けるようにしたので、屈折率導波路50の境界線近傍領域51,52の利得を下げることができる。よって、NFPの端にピークが出現するのを抑制することができ、NFPの均一性を向上させることができる。
〔変形例1〕
図8は、上記実施の形態の変形例1に係る半導体レーザ素子の構成を表したものである。この変形例は、電流非注入領域53を屈折率導波路50の延在方向の両端部のうち主出射側端面11近傍に設けたことを除いては、他は上記実施の形態と同様の構成,作用および効果を有しており、同様にして製造することができる。
〔変形例2〕
図9は、上記実施の形態の変形例2に係る半導体レーザ素子の構成を表したものである。この変形例は、電流非注入領域53を屈折率導波路50の延在方向の中間位置に設けたことを除いては、他は上記実施の形態と同様の構成、作用および効果を有しており、同様にして製造することができる。
〔変形例3〕
図10は、上記実施の形態の変形例3に係る半導体レーザ素子の構成を表したものであり、図11は図10に示した半導体レーザ素子の屈折率導波路50の平面形状を表したものである。この変形例は、電流非注入領域53を屈折率導波路50の延在方向の一端から他端に沿って設けたことを除いては、他は上記実施の形態と同様の構成を有している。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
電流非注入領域53の幅W1は、上記実施の形態と同様に、屈折率導波路50の境界線51A,52Aから例えば2μm以上10μm以下であることが好ましい。
この半導体レーザ素子は、上記実施の形態と同様にして製造することができ、同様に作用し、同様の効果を奏する。
〔変形例4〕
図12は、上記実施の形態の変形例4に係る半導体レーザ素子の構成を表したものであり、図13は図12に示した半導体レーザ素子の屈折率導波路50の平面形状を表したものである。この変形例は、電流非注入領域53を、屈折率導波路50の片側に設けたことを除いては、上記実施の形態と同一の構成を有している。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
半導体層20は、基板10に例えば10°のオフ角をつけて形成されたものであることを除いては、上記実施の形態と同様に構成されている。p側電極31およびn側電極32は、上記実施の形態と同様に構成されている。
突条部40の一対の側面のうち片方は急斜面40A、他方は緩斜面40Bとなっており、電流非注入領域53は、屈折率導波路50の急斜面40A側に設けられている。これにより、この半導体レーザでは、NFPの急斜面40A側の端にピークが現れるのを抑制することができるようになっている。
この半導体レーザは、電流非注入領域53を屈折率導波路50の急斜面40A側に設けることを除いては、上記実施の形態と同様にして製造することができる。
この半導体レーザでは、n側電極32とp側電極31との間に所定の電圧が印加されると、上記実施の形態と同様にしてレーザ発振が生じ、レーザビームが外部に射出される。ここでは、屈折率導波路50の急斜面40A側に電流非注入領域53が設けられているので、屈折率導波路50の境界線近傍領域51の利得が下がり、NFPの急斜面40A側の端のピークが抑制される。
このように本変形例では、電流非注入領域53を屈折率導波路50の片側、具体的には突条部40の急斜面40A側に設けるようにしたので、NFPの急斜面40A側の端のピークを抑制することができる。よって、オフ基板上に形成された半導体レーザ素子の場合にもNFPの均一性を高めることができる。
なお、上述した変形例1ないし3は、本変形例にも適用することができる。
また、本変形例では、オフ基板上に形成した半導体レーザ素子を例として説明したが、本変形例の適用対象はオフ基板上の半導体レーザ素子に限られない。例えば、オフ角をつけない基板10上に半導体レーザ素子を形成し、NFPを計測して光強度分布を調べた上で、NFPの端に高いピークが現れた側にのみ電流非注入領域53を設け、NFPの非対称性を矯正するようにしてもよい。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、電流非注入領域53においてp側電極31に切欠部31Aを設けた場合について説明したが、例えば図14に示したように、電流非注入領域53においてp側電極31と半導体層20との間に絶縁膜60を設け、この絶縁膜60によりp側電極31が半導体層20とは電気的に隔てられて電気的に接続されないようにしてもよい。
また、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。例えば、上記実施の形態においては、n型不純物としてシリコンを用いたが、セレン(Se)など他のn型不純物を用いてもよい。
更に、例えば、上記実施の形態では、半導体レーザを構成する材料について具体的に例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態で説明したGaAs系素子以外にも、AlGaInP系,InGaAs系,InGaAsP系あるいはInP系などの他のIII−V族化合物半導体、InGaN系,GaN系あるいは通信用レーザに用いられるGaInNAs系などの窒化物系III−V族化合物半導体、またはII−VI族化合物半導体などの他の半導体材料を用いる場合についても広く適用することができる。なお、InGaN系などの青色レーザの場合には、屈折率導波路50の幅W0は例えば10μm、電流非注入領域53の幅W1は例えば幅W0の2割ないし3割程度、すなわち2μmないし3μmとすることが好ましい。
加えて、例えば、上記実施の形態では、半導体層20をMOCVD法により形成する場合について説明したが、MBE(Molecular Beam Epitaxy;分子線エピタキシー)法等を用いてもよい。
更にまた、例えば、上記実施の形態においては、n型の基板10上に、n型クラッド層21,活性層22,p型クラッド層23およびp側コンタクト層24を順に積層した構成を有する半導体レーザ素子について説明したが、p型の基板を用い、p型の基板上に、p型半導体層、活性層およびn型半導体層を積層した逆導電型の構造としてもよい。
加えてまた、例えば、上記実施の形態では、半導体レーザ素子の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また他の層を更に備えていてもよい。例えば、活性層22とn型クラッド層21またはp型クラッド層23との間に、光ガイド層が設けられていてもよい。
更にまた、例えば、上記実施の形態では、突条部40の深さを、半導体層20のp側コンタクト層24側からp型クラッド層23に達するまでとした所謂埋め込みリッジ型の場合について説明したが、本発明は、これに限らず、例えば突条部40の深さを活性層22に達するまでとした所謂埋め込みヘテロ型のものなど、他の屈折率導波型の半導体レーザ素子にも適用することができる。
本発明の基本原理を説明するための図である。 図1に示した屈折率導波路を有する半導体レーザ素子のNFPを表す図である。 本発明の一実施の形態に係る半導体レーザ素子の構成を表す斜視図である。 図3に示した半導体レーザ素子の屈折率導波路の平面形状を説明するための図である。 図3に示した半導体レーザ素子の製造方法を工程順に表す断面図である。 図5に続く工程を表す断面図である。 図3に示した半導体レーザ素子の作用を説明するための断面図である。 本発明の変形例1に係る半導体レーザ素子の屈折率導波路の平面形状を説明するための図である。 本発明の変形例2に係る半導体レーザ素子の屈折率導波路の平面形状を説明するための図である。 本発明の変形例3に係る半導体レーザ素子の構成を表す斜視図である。 図10に示した半導体レーザ素子の屈折率導波路の平面形状を説明するための図である。 本発明の変形例4に係る半導体レーザ素子の構成を表す断面図である。 図12に示した半導体レーザ素子の屈折率導波路の平面形状を説明するための図である。 図1に示した半導体レーザの他の変形例を表す断面図である。 従来のブロードエリア型半導体レーザ素子の一構成例を表す断面図である。 図15に示した従来のブロードエリア型半導体レーザ素子のNFP形状を説明するための図である。
符号の説明
10…基板、11…主出射側端面、12…後方端面、20…半導体層、21…n型クラッド層、22…活性層、23…p型クラッド層、24…p側コンタクト層、24A,31A…切欠部、31…p側電極、32…n側電極、40…突条部、40A…急斜面、40B…緩斜面、50…屈折率導波路、51,52…境界線近傍領域、51A,52A…境界線、53…電流非注入領域、60…絶縁膜。

Claims (6)

  1. 基板上に順次形成された少なくとも第1クラッド層,活性層,第2クラッド層およびコンタクト層を含む半導体層と、
    前記コンタクト層に接して設けられた電極と、
    前記半導体層のコンタクト層側から少なくとも前記第2クラッド層に達するまでの深さを有し、その延在方向に一様の幅の屈折率導波路を形成する突条部と、
    前記突条部のうちの前記コンタクト層と前記コンタクト層に接する電極とに、前記屈折率導波路の境界線の一部を含む切欠部を設けることにより、前記屈折率導波路の延在方向の両端部の四つの角のうち少なくとも主出射側端面近傍の二つの角に設けられた電流非注入領域と
    を備えたブロードエリア型半導体レーザ素子。
  2. 前記電流非注入領域は、前記屈折率導波路の境界線から2μm以上10μm以下の幅を有す
    求項1記載のブロードエリア型半導体レーザ素子。
  3. 前記電流非注入領域の前記屈折率導波路の延在方向の長さは10μm以上であ
    求項1記載のブロードエリア型半導体レーザ素子。
  4. 前記電流非注入領域は、前記屈折率導波路の片側に設けられてい
    求項1記載のブロードエリア型半導体レーザ素子。
  5. 前記半導体層は、前記基板にオフ角をつけて形成されたものであり、
    前記突条部の一対の側面のうち片方は急斜面、他方は緩斜面となっており、
    前記電流非注入領域は、前記屈折率導波路の前記急斜面の側に設けられている
    請求項4記載のブロードエリア型半導体レーザ素子。
  6. 前記屈折率導波路の幅は、10μm以上であ
    求項1記載のブロードエリア型半導体レーザ素子。
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