JP4395702B2 - 屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザおよびその駆動方法 - Google Patents

屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザおよびその駆動方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザおよびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザ(laser diode ;LD)の応用の拡大を目指す上で、素子の高出力化は主要な課題の一つである。光ディスク装置、レーザビームプリンタあるいは複写機などの情報端末器用途のほか、医療用,宇宙通信用,または加工用など様々な分野において高出力半導体レーザが要望されている。
【0003】
一般に、高出力化を図る最も容易な方法は、ブロードエリア化つまり発光領域の幅を広げることである。このような発光領域の幅を広げたいわゆるブロードエリア型半導体レーザは、通常のナローストライプ型のストライプ幅が数μmであるのに対し、数10μmないし数100μmのストライプ幅を有している。
【0004】
しかしながら、このようなブロードエリア化によって、(1)横モードの不安定化、(2)素子寿命の低下、(3)光学損傷(Catastrophic Optical Damage ;COD)の発生、(4)熱的飽和の発生など、好ましくない問題も多々生じる。
【0005】
これらの問題は、いずれもブロードエリア化によって生ずる光子密度の増加および注入キャリアの増加が原因となっている。このことを、例えば(1)横モードの不安定化について説明すると、まず、光子密度の増加は、空間的ホールバーニング現象、すなわち誘導放出によってキャリアが消費され、光強度の最大箇所のキャリア密度が周囲よりも小さくなる現象を引き起こすため、横モードの不安定が生じる。また、注入キャリアの増加は、プラズマ効果により屈折率の低下をもたらすので、横モードが不安定化する。
【0006】
上記の問題に対処するため、従来では、例えば、導波路幅をキャリア拡散長の2μm〜3μm以下にして利得を均一化する、あるいは、光スポット径を大きくして光子密度を減らすなどの対策が講じられている。光スポット径の拡大の具体的な方法としては、活性層を薄くしてクラッド層への光しみ出しを増やしたり、活性層の上下に光導波層を設けることなどが可能である。また、注入キャリアの増加に起因するプラズマ効果に対しては、プラズマ効果を十分に克服可能な屈折率導波構造が取り入れられるようになっている。
【0007】
なお、従来では、ブロードエリア型半導体レーザにおいて熱的飽和を緩和するため、電流通路の中央部に電流通路と平行にストライプ状の絶縁層を設けた例(例えば、特許文献1参照。)、あるいは、電極とキャップ層との間の、電流通路の中央部分における接触抵抗を他の部分よりも大きくした例(例えば、特許文献2参照。)などが報告されている。
【0008】
また、ブロードエリア型に限定していない例としては、共振器の共振方向に並設された複数の電極から注入される電流の密度を各々独立に制御し、複数の電極から等しい電流密度で注入を行ったときに大きな量子化エネルギーに対応する光を発振させ、電極に応じて異なる電流密度で注入を行ったときに小さな量子化エネルギーに対応する光を発振させるようにした提案がある(例えば、特許文献3参照。)。この提案は、複数の電極を共振器の共振方向に並設し、電流密度を制御することによって波長可変機能または多波長化を実現するものであり、高出力化をめざすものではない。
【0009】
【特許文献1】
特開平4−88689号公報
【特許文献2】
特開平4−137784号公報
【特許文献3】
特開平2−260683号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように色々な対策が試みられているものの、根本的に、ブロードエリア型半導体レーザは一般的なナローストライプ型のものよりも自由度があるだけに、ブロードエリア内の光出力分布の均一性すなわちNFP(Near Field Pattern;近視野像)のトップハット形状つまりきれいな矩形強度分布が得られにくく使用しづらいという問題を有している。このような問題は、通常の光ディスク装置などに用いられているストライプ幅2μmないし3μmのナローストライプ型では生じないが、ストライプ幅を広げていくと5μmでNFPの乱れの兆候が現れ始め、10μm以上ではNFPの乱れはもはや明らかとなる。なお、ナローストライプ型とブロードエリア型とのストライプ幅の境界は、約10μmである。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、比較的簡単な方法で横モードの乱れを低減し、NFPのトップハット形状を改善することのできる屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザおよびその駆動方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザは、基板上に活性層および最上層のキャップ層を含む積層構造と、積層構造の積層方向に対して垂直な方向に対向する一対の共振器端面と、キャップ層の上に一対の共振器端面の一方から他方まで帯状に形成され、活性層に向けて駆動電流を供給する主電極と、キャップ層の上に主電極に隣接して、一対の共振器端面のうち活性層で発生した光が取り出される側の端面から、主電極の長さ方向における少なくとも一部に沿って帯状に設けられると共に主電極とは独立駆動され、制御電流により、活性層の主電極直下の発光領域の端部における駆動電流の広がりを抑制する制御電極とを備えたものである。
【0013】
本発明による屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザの駆動方法は、キャップ層の上に主電極を一対の共振器端面の一方から他方まで帯状に設けると共に、キャップ層の上に主電極に隣接して、一対の共振器端面のうち活性層で発生した光が取り出される側の端面から、主電極の長さ方向における少なくとも一部に沿って帯状に主電極とは独立した制御電極を設け、主電極により駆動電流を活性層に向けて供給すると共に、制御電極により活性層の主電極直下の発光領域の端部近傍の電流広がり領域に向けて制御電流を供給して、活性層の主電極直下の発光領域の端部における駆動電流の広がりを抑制するものである。
【0014】
本発明による屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザおよびその駆動方法では、主電極により活性層に向けて駆動電流が供給される一方、制御電極により、活性層の主電極直下の発光領域の端部近傍の電流広がり領域に向けて、主電極とは独立に制御電流が供給される。これにより主電極直下の発光領域から逸れようとする駆動電流の一部が発光領域側へと導かれ,駆動電流の広がりに起因する光出力分布の乱れが抑制される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
〔第1の実施の形態〕
図1は本発明の第1の実施の形態に係る屈折率導波型の半導体レーザの構成を表すものである。この半導体レーザは、基板11の表面に、半導体層であるバッファ層12,n型クラッド層13,n型光ガイド層14,活性層15,p型光ガイド層16,p型クラッド層17およびp側キャップ層18がこの順に積層された積層構造10を有している。このうち、バッファ層12,n型クラッド層13およびn型光ガイド層14はn型半導体層であり、p型光ガイド層16,p型クラッド層17およびキャップ層18はp型半導体層である。
【0017】
基板11は、例えば、積層方向における厚さ(以下、単に厚さという)が10nmまで薄膜化され、シリコン(Si)などのn型不純物を添加したn型GaAsにより構成されている。バッファ層12は、例えば、厚さが0.5μmであり、シリコンなどのn型不純物を添加したn型GaAsにより構成されている。n型クラッド層13は、例えば、厚さが1.5μmであり、シリコンなどのn型不純物を添加したn型Alx Ga1-x As混晶(0<x<1)により構成されている。n型光ガイド層14は、例えば、厚さが40nmであり、シリコンなどのn型不純物を添加したn型Aly Ga1-y As混晶(0<y<1)により構成されている。
【0018】
活性層15は、例えば、厚さが12nmであり、不純物を添加しないundoped-Alz Ga1-z As混晶(0<z<1)により構成されている。この活性層15は、後述する主電極から駆動電流が供給されると主電極直下の発光領域15Aにおいて発光が生じ、発光領域として機能する。
【0019】
p型光ガイド層16は、例えば、厚さが40nmであり、亜鉛(Zn)などのp型不純物を添加したp型Aly Ga1-y As混晶(0<y<1)により構成されている。p型クラッド層17は、例えば、厚さが1μmであり、亜鉛(Zn)などのp型不純物を添加したp型Alx Ga1-x As混晶(0<x<1)により構成されている。キャップ層18は、例えば、厚さが0.5μmであり、亜鉛などのp型不純物を添加したp型GaAsにより構成されている。
【0020】
このうちp型クラッド層17の少なくとも一部およびキャップ層18は、細い帯状(図1においては紙面に対して垂直な方向に延長された帯状)となっており電流狭窄部19を構成している。この電流狭窄部19は、活性層15の発光領域15Aを制限するためのものである。電流狭窄部19の両側には、例えば二酸化ケイ素(SiO2 )などよりなる保護層20が形成されている。
【0021】
キャップ層18の上には、帯(ストライプ)状のp側主電極21が設けられている。p側主電極21は、例えば、チタン(Ti)層,白金(Pt)層および金(Au)層をキャップ層18の側から順に積層し、熱処理により合金化した構造を有しており、p型半導体層と電気的に接続されている。一方、基板11の裏面側にはn側電極22が形成されている。n側電極22は、例えば、金とゲルマニウム(Ge)との合金層,ニッケル(Ni)層および金(Au)層とを基板11の側から順に積層し、熱処理により合金化した構造を有しており、基板11を介してn型半導体層と電気的に接続されている。
【0022】
p側主電極21は、n側電極22と共に駆動電流を活性層15に向けて供給するものである。このとき、p側主電極21から供給された駆動電流の一部は、活性層15のp側主電極21直下の領域(発光領域15A)から逸れて外側に拡散しようとする。ここで、発光領域15Aの両端部近傍の領域、すなわち拡散した駆動電流が流入する領域を以下、電流広がり領域15Bという。このようなことから、本実施の形態では、p側主電極21の幅方向の両側にp側制御電極21A,21Bが設けられている。このp側制御電極21A,21Bはp側主電極21とは独立して駆動され、電流広がり領域15Bに向けて制御電流を供給するものである。p側制御電極21A,21Bは、例えば、p側主電極21の長さ方向に沿って帯状に形成されている。また、p側制御電極21A,21Bは、p側主電極21と同様に、例えば、チタン(Ti)層,白金(Pt)層および金(Au)層をキャップ層18の側から順に積層し、熱処理により合金化した構造を有しており、p型半導体層と電気的に接続されている。
【0023】
この半導体レーザは、p型クラッド層17の延長方向において対向する一対の側面が共振器端面23A,23Bとなっており、この一対の共振器端面23A,23Bには一対の反射鏡膜(図示せず)がそれぞれ形成されている。一方の反射鏡膜は、例えば酸化アルミニウム(Al2 3 )により構成され、低反射率となるように調整されている。これに対して他方の反射鏡膜は、例えば酸化アルミニウム層と非晶質ケイ素(アモルファスシリコン)層とを交互に積層して構成されており、高反射率となるように調整されている。これにより、活性層15において発生した光は一対の反射鏡膜の間を往復して増幅され、低反射率側の反射鏡膜からレーザビームとして射出されるようになっている。
【0024】
このような構成を有する半導体レーザは、次のようにして製造することができる。
【0025】
図2は本実施の形態に係る半導体レーザの製造方法を工程順に表すものである。まず、図2(A)に示したように、例えば、n型GaAsよりなる基板11の一面に、MOCVD(Metalorganic Chemical Vapor Deposition;有機金属化学気相成長)法により、例えば800℃程度の成長温度で、n型GaAsよりなるバッファ層12,n型Alx Ga1-x As混晶(0<x<1)よりなるn型クラッド層13,n型Aly Ga1-y As混晶(0<y<1)よりなるn型光ガイド層14,undoped-Alz Ga1-z As混晶(0<z<1)よりなる活性層15,p型Aly Ga1-y As混晶(0<y<1)よりなるp型光ガイド層16,p型Alx Ga1-x As混晶(0<x<1)よりなるp型クラッド層17,p型GaAs混晶よりなるキャップ層18を順次エピタキシャル成長により成長させる。これにより、積層構造10が形成される。
【0026】
次いで、図2(B)に示したように、例えば、キャップ層18の上に、通常のレジスト塗布工程により図示しないレジスト膜を形成し、通常のリソグラフィ技術により露光工程,現像工程およびベーキング工程を行い、図示しないマスク層を形成する。次いで、例えばウェットエッチングによりキャップ層18およびp型クラッド層17を選択的に除去する。これにより、活性層15の発光領域15Aに対応して、キャップ層18およびp型クラッド層17の少なくとも一部を細い帯状とし、電流狭窄部19を形成する。そののち、図示しないマスク層を除去する。
【0027】
続いて、例えば、図1に示したように、蒸着またはCVD法により、電流狭窄部19の側面およびp型クラッド層17の上面に二酸化ケイ素よりなる保護層20を形成する。そののち、基板11の他面側をラッピングして基板11の厚さを10nmまで薄膜化し、その他面側に金とゲルマニウムとの合金層,ニッケル層および金層を順次蒸着し、熱処理を行ってn側電極22を形成する。また、キャップ層18の上の拡散マスク層23を除去し、例えばチタン層,白金層および金層を順次蒸着し、熱処理を行って、p側主電極21およびp側制御電極21A,21Bを形成する。
【0028】
n側電極22,p側主電極21およびp側制御電極21A,21Bを形成したのち、基板11を所定の大きさに整え、電流狭窄部19の延長方向において対向する一対の共振器端面23A,23Bに図示しない反射鏡膜を形成する。これにより、図1に示した半導体レーザが形成される。
【0029】
次に、この半導体レーザの駆動方法を説明する。
【0030】
図3(A)に示したように、p側主電極21により、駆動電流30を活性層15に向けて連続的に供給すると共に、p側制御電極21A,21Bにより電流広がり領域15B、すなわち、p側主電極21直下の発光領域15Aから逸れた駆動電流(漏れ電流31)が流入しようとする領域(電流広がり領域15B)に向けて、p側主電極21とは独立に制御電流30A,30Bを供給する。制御電極21A,21Bには、例えば、パルス状に制御電流30A,30Bを印加してもよく、あるいは、p側主電極21に対して逆バイアスの制御電流30A,30Bを印加してもよい。更に、制御電極21Aと21Bとに、互いに独立に制御電流30A,30Bを印加するようにしてもよい。すなわち、例えば、制御電極21A,21Bのうち片方のみに制御電流30A,30Bを印加してもよく、あるいは、制御電極21A,21Bの片方のみにp側主電極21に対して逆バイアスの制御電流30A,30Bを印加してもよい。
【0031】
駆動電流30の大きさは、例えば、所望の光出力を得るために必要な値になるように制御する。制御電流30A,30Bの大きさは、例えば、駆動電流30の約1割程度で、且つNFPがきれいな矩形強度分布となる最適な値となるように制御する。例えば、所望の光出力を得るために必要な駆動電流30が例えば500mAであれば、制御電流30Aを例えば50mA,制御電流30Bを例えば60mAとすることができる。このように制御電流30Aと制御電流30Bとの値を異ならせるのは、NFPのトップハット形状における端部の乱れ方が非対称である場合が多いからである。また、制御電流30A,30Bの制御は、素子の使用前にNFP測定を行って決定してもよく、素子の使用中において光出力分布を測定し、NFPが最適となるようにフィードバック制御により決定してもよい。更に、このフィードバック制御を自動的に行うようにしてもよい。
【0032】
この半導体レーザでは、n側電極22とp側主電極21との間に所定の電圧が印加されると、電流狭窄部19により電流狭窄され、活性層15の発光領域15Aに駆動電流が注入されて、電子−正孔再結合により発光が起こる。この光は、図示しない一対の反射鏡膜により反射され、その間を往復してレーザ発振を生じ、レーザビームとして外部に射出される。ここでは、p側主電極21の幅方向両側にp側制御電極21A,21Bが設けられているので、図3(A)に示したように、p側主電極21から供給された駆動電流30が発光領域15Aの端部で広がろうとしても、p側制御電極21A,21Bから供給される制御電流30A,30Bによってその広がりが抑制され、その結果、発光領域15Aの端部における出力の乱れが低減される。よって、ブロードエリア内の出力分布の均一性すなわちNFPのトップハット形状が改善され、横モード特性が向上すると共に、活性層15のうち発光領域15Aとして機能する領域が拡大される。
【0033】
これに対して、図3(B)に示したようにp側制御電極を設けない従来の構造では、p側電極121から供給された駆動電流130は、p型クラッド層117内で外側へ広がってしまい、p側電極121直下の発光領域115Aから逸れて、漏れ電流131が生じる。この漏れ電流131により、発光領域115Aの端部の電流広がり領域115Bにおいて発光が不均一となる。なお、図3(B)では、図3(A)の対応する構成要素の符号に100を加えた符号を付している。
【0034】
このように本実施の形態によれば、p側主電極21の幅方向両側にp側制御電極21A,21Bを設けるようにしたので、発光領域15A端部における光出力分布の乱れを低減し、ブロードエリア内の光出力分布の均一性すなわちNFPのトップハット形状を改善し、横モード特性を向上させることができる。
【0035】
〔第2の実施の形態〕
図4は本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表すものである。この半導体レーザは、制御電極21A,21Bの構成が異なることを除き、他は第1の実施の形態と同一の構成、作用および効果を有している。よって、ここでは第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0036】
この半導体レーザは、p側制御電極21A,21Bが、一対の共振器端面23A,23Bのうち活性層15で発生した光hが取り出される側の端面23Aから、p側主電極21の長さ方向における一部に沿って形成されている。このようにp側制御電極21A,21Bを局所的に設けることによって、第1の実施の形態の効果に加えて、制御電流30A,30Bが小さくて済むという効果も得ることができる。
【0037】
このような構成を有する半導体レーザは、第1の実施の形態と同様にして製造することができ、同様に作用する。
【0038】
このように、本実施の形態では、p側制御電極21A,21Bが、一対の共振器端面23A,23Bのうち活性層15で発生した光hが取り出される側の端面23Aから、p側主電極21の長さ方向における一部に沿って形成されているので、第1の実施の形態の効果に加えて、制御電流30A,30Bが小さくて済むという効果も得ることができる。
【0039】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、p側主電極21の幅方向両側にp側制御電極21A,21Bを設ける場合について説明したが、必ずしも両側に設ける必要はなく、p側制御電極21A,21Bのうちどちらか一方のみをNFPの乱れる側だけに設けるようにしても、上記実施の形態と同一の効果を得ることができる。
【0040】
また、例えばn側電極22についても、n側主電極とn側制御電極とを設けるようにしてもよい。
【0041】
更に、例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。例えば、上記実施の形態においては、n型不純物としてシリコンを用いたが、セレン(Se)など他のn型不純物を用いてもよい。
【0042】
加えて、上記実施の形態では、電流狭窄部19が形成されている場合について説明したが、必ずしも電流狭窄部19を有している必要はない。
【0043】
加えてまた、上記実施の形態では、半導体レーザの構成について具体的に例を挙げて説明したが、本発明は、他の構造を有する半導体レーザについても同様に適用することができる。例えば、p側電極とn側電極とが基板の同一の側に形成されているものについても、本発明は適用可能である。
【0044】
更にまた、上記実施の形態では、半導体レーザを構成する材料について具体的に例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態で説明したGaAs系素子以外にも、AlGaInP系あるいはInP系などの他のIII−V族化合物半導体,窒化物系III−V族化合物半導体あるいはII−VI族化合物半導体などの他の半導体材料を用いる場合についても広く適用することができる。
【0045】
加えてまた、上記実施の形態では、MOCVD法により半導体層を成長させる場合について説明したが、分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy;MBE)法などの他の方法により成長させるようにしてもよい。
【0046】
更にまた、上記実施の形態では、半導体レーザについて具体的に説明したが、本発明は、発光ダイオード(light emitting diode;LED)などの他の半導体発光素子についても適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザおよびその駆動方法によれば、主電極に隣接して主電極とは独立駆動される制御電極を設けるようにしたので、発光領域の端部における駆動電流の広がりに起因する光出力分布の乱れを抑制し、ブロードエリア内の光出力分布の均一性すなわちNFPのトップハット形状を改善し、横モード特性を向上させることができる。
【0048】
特に、この制御電極を、一対の共振器端面のうち活性層で発生した光が取り出される側の端面から、主電極の長さ方向における少なくとも一部に沿って形成するようにすれば、制御電極に印加する電流が小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す斜視図である。
【図2】図1に示した半導体レーザの製造工程を表す断面図である。
【図3】図3(A)は図1に示した半導体レーザの作用を説明するため一部を模式的に表す断面図であり、図3(B)は従来の半導体レーザの作用を説明するため一部を模式的に表す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザの構成を表す斜視図である。
【符号の説明】
11…基板、12…バッファ層、13…n型クラッド層、14,114…n型光ガイド層、15,115…活性層、15A,115A…発光領域、15B,115B…電流広がり領域、16,116…p型光ガイド層、17,117…p型クラッド層、18,118…キャップ層、19,119…電流狭窄部、20…保護層、21…p側主電極、21A,21B…p側制御電極、22…n側電極、30,130…駆動電流、31,131…漏れ電流、121…p側電極

Claims (6)

  1. 基板上に活性層および最上層のキャップ層を含む積層構造と、
    前記積層構造の積層方向に対して垂直な方向に対向する一対の共振器端面と、
    前記キャップ層の上に前記一対の共振器端面の一方から他方まで帯状に形成され、前記活性層に向けて駆動電流を供給する主電極と、
    前記キャップ層の上に前記主電極に隣接して、前記一対の共振器端面のうち前記活性層で発生した光が取り出される側の端面から、前記主電極の長さ方向における少なくとも一部に沿って帯状に設けられると共に前記主電極とは独立駆動され、制御電流により、前記活性層の主電極直下の発光領域の端部における駆動電流の広がりを抑制する制御電極と
    を備えた屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザ。
  2. 前記制御電極は、前記主電極の幅方向の両側のうち少なくとも一方の側に設けられている
    請求項1記載の屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザ。
  3. 前記発光領域の幅は10μm以上である
    請求項1記載の屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザ。
  4. 前記制御電極は、前記一対の共振器端面の一方から他方まで形成されている
    請求項1記載の屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザ。
  5. 基板上に活性層および最上層のキャップ層を含む積層構造と、前記積層構造の積層方向に対して垂直な方向に対向する一対の共振器端面とを有する屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザの駆動方法であって、
    前記キャップ層の上に主電極を前記一対の共振器端面の一方から他方まで帯状に設けると共に、前記キャップ層の上に前記主電極とは独立した制御電極を、前記主電極に隣接して、前記一対の共振器端面のうち前記活性層で発生した光が取り出される側の端面から、前記主電極の長さ方向における少なくとも一部に沿って帯状に設け、
    前記主電極により駆動電流を前記活性層に向けて供給すると共に、前記制御電極により前記活性層の前記主電極直下の発光領域の端部近傍の電流広がり領域に向けて制御電流を供給して、前記発光領域の端部における駆動電流の広がりを抑制する
    屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザの駆動方法。
  6. 前記発光領域の幅は10μm以上である
    請求項記載の屈折率導波型ブロードエリア半導体レーザの駆動方法。
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