JP2002204029A - 半導体発光素子、その製造方法及びその駆動方法 - Google Patents

半導体発光素子、その製造方法及びその駆動方法

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JP2002204029A
JP2002204029A JP2001335948A JP2001335948A JP2002204029A JP 2002204029 A JP2002204029 A JP 2002204029A JP 2001335948 A JP2001335948 A JP 2001335948A JP 2001335948 A JP2001335948 A JP 2001335948A JP 2002204029 A JP2002204029 A JP 2002204029A
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信之 大塚
Takashi Ishimaru
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低出力時においても相対雑音強度が小さい半
導体発光素子を実現できるようにする。 【解決手段】 n型GaN基板1Aの上には、n型Ga
Nからなるnコンタクト層2、n型AlGaNクラッド
層、n型GaNガイド層、InGaNからなる発光層3
を含むn型半導体層と、p型GaNガイド層、p型Al
GaNクラッド層、及び厚さが1μm程度のpコンタク
ト層4を含むp型半導体層とから構成される半導体積層
体が形成されている。半導体積層体の上部のpコンタク
ト層4には膜厚が他の部分よりも厚い領域6が形成され
ている。これにより、pコンタクト4層のキャビティの
反射端面側が低出力動作時に光吸収領域となり、キャビ
ティに対する不均一な電流注入が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低出力時における
雑音特性が向上する半導体発光素子、その製造方法及び
その駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は倉又他:ジャパニーズ・ジャーナ
ル・オブ・アプライド・フィジックス37(1998)
L1373 (A. Kuramata et al., Jpn. J. Appl. Phys. 37
(1998)L1373)。等に開示されている、従来の屈折率導波
型の半導体レーザ素子を示している。
【0003】p電極5からn電極7に駆動電流を流すこ
とにより、発光層3から青色のレーザ光(発光光)を得
る。ここでは、高出力レーザ素子を実現するために、キ
ャビティ全体に駆動電流が均一に注入されるように、各
半導体層の厚みはほぼ一定となっている。また、p電極
5とn電極7との間隔は一定となるように設けられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図7に示したような半
導体レーザ素子を用いて、光ディスク装置、例えば高密
度デジタルバーサタイル(ビデオ)ディスク(HD−D
VD)装置に対して書き込み動作を行なう際に、紫色レ
ーザ光を用いる場合には30mW以上の出力値が必要と
なる。逆に、読み出し動作時の紫色レーザ光の出力値は
1mW程度と小さくする必要がある。
【0005】ところが、読み出し動作時において、従来
の半導体レーザ素子は、駆動電流に高周波を重畳したと
しても、出力値を低下するに従って相対雑音強度が増大
してしまうという問題がある。これは、レーザ発振をそ
の発振閾値とほぼ同等の注入電流値で行なわせるため、
レーザ発振の緩和振動の影響によって相対雑音強度が増
大するためである。
【0006】また、レーザ発振の閾値電流と同程度の注
入電流値で発振させることから、単一モード性が低下し
てしまい、マルチモード成分が生ずることにより、相対
雑音強度が増大することにもなる。
【0007】相対雑音強度を低減するには、緩和振動周
波数を大きくする必要がある。その方法の1つに微分利
得を増大することが考えられる。レーザ発振の微分利得
を増大するには、光吸収領域を形成することにより、発
振閾値を大きくすれば良い。
【0008】また、他の方法として、スロープ効率(微
分効率)を低下させて、1mW程度のレーザ出力に必要
な電流値を増大させることにより、動作電流値を発振閾
値よりも大きく設定するようにすれば良い。
【0009】なお、半導体レーザ素子の雑音を低減する
には、共振器端面の反射率を増大することによっても実
現することができるが、この場合はレーザ光の出力(光
出力)値も低下してしまう。従って、前述したように、
HD−DVD装置が書き込み動作を行なう際には高出力
な発光光が必要となるため、光出力値が低下してしまう
ような端面反射率を増大させるという手段を採ることは
できない。
【0010】また、半導体レーザ素子に自励発振を生じ
させる場合には、発光層3又はその近傍に半導体からな
る光吸収層を設ける必要がある。しかしながら、このよ
うな光吸収層を半導体レーザ装置自体に設けると、高出
力値を得にくいという問題がある。
【0011】本発明は、前記従来の問題を解決し、低出
力時においても相対雑音強度が小さい半導体発光素子を
実現できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、発光層に対して電流を不均一に注入する
構成とする。すなわち、光ディスクにおける読み出し動
作のような低出力動作時には、駆動電流がストライプ形
状を持つキャビティの一部にのみ注入されるようにし
て、キャビティ内の電流密度をストライプ方向に変化さ
せる。
【0013】窒化物半導体結晶の場合には、p型結晶の
抵抗率が大きいため、p型結晶の厚みを変えるだけでシ
リーズ抵抗値が変化するので、キャビティに電流を不均
一に注入することができる。
【0014】また、コンタクト層の表面に高ドーピング
領域を設けることにより、コンタクト抵抗を下げること
ができるため、高ドーピング領域を部分的に形成するこ
とによっても、キャビティに電流を不均一に注入するこ
とが可能となる。
【0015】また、サファイア基板等の絶縁性基板上に
レーザ素子構造を形成した場合には、n型結晶の厚みは
2μm程度となり、導電性基板を用いた場合と比べてn
型結晶中での電流の拡散を抑制することができる。その
結果、n電極とキャビティとの間隔を変えることによっ
ても、該キャビティに電流を不均一に注入することがで
きる。
【0016】また、キャビティ上の一部に複数回に分け
て電極を蒸着することにより、コンタクト抵抗を変化さ
せることができる。
【0017】また、電極の一部を絶縁膜で覆ってアニー
ルすることによっても、コンタクト抵抗を変化させるこ
とができる。
【0018】このように、シリーズ抵抗だけでなく、コ
ンタクト抵抗を変化させることによっても、キャビティ
に対して電流を不均一に注入することが可能となる。
【0019】さらに、燐化合物半導体及び砒素化合物半
導体は閃亜鉛鉱型の結晶構造を採るのに対し、窒化物半
導体は六方晶系の結晶構造を採るため、基板面に平行な
方向と垂直な方向とで、電気的特性が異なる特徴を有し
ている。例えば、キャリアの移動度は、基板面に垂直な
方向と比べて平行な方向の場合が遅くなる。その結果、
窒化物半導体結晶においては、キャビティが延びる方向
(以下、キャビティ方向と呼ぶ)のシリーズ抵抗又はコ
ンタクト抵抗の差を保持し易い。
【0020】また、窒化ガリウムは、インジウム燐又は
ガリウム砒素化合物半導体に対して微分利得が極めて大
きいという特徴を持つ。これも、窒化ガリウムの結晶構
造が六方晶系であり、ホールが縮退していないことに起
因する。このように、微分利得が大きいことから、わず
かの電流の分布により結晶が利得を有するか損失を示す
かが変化する。その結果、窒化ガリウム化合物半導体を
用いた半導体レーザ素子においては、キャビティに対す
る電流注入の不均一さがわずかではあっても、キャビィ
ティ内における光密度分布の変化を効果的に誘発するこ
とができる。
【0021】さらに、窒化物半導体レーザ素子は、結晶
構造が六方晶系であるため、キャビテイに一軸性歪が導
入される場合に、利得が増大して発振特性が向上する。
このため、キャビティの側方に電極を設けることによ
り、一軸性歪を効果的に導入することができるので、レ
ーザ特性の向上を図ることができる。
【0022】また、一般に、雑音を低減する目的で、駆
動電流に高周波電流を重畳するが、このとき、キャリア
の拡散長程度の間隔でシリーズ抵抗値又はコンタクト抵
抗値に変化を生じさせると、レーザ光の出力が高い周波
数で脈動する自励発振現象が生ずる。
【0023】また、窒化物半導体レーザ素子は、微分利
得が大きいため、わずかの電流値で大きな光出力を得ら
れる。赤色半導体レーザ素子を用いたDVD装置の場合
には、読み出し時に5mWの光出力を与えてもデータが
破壊されることはないが、窒化物半導体レーザ素子を光
ディスク用光源として使用する場合には、波長が短く光
のエネルギーが大きいために、また、絞り込む光のスポ
ット径が小さいために、読み出し動作時の光出力は1m
W以下に設定しなければならず、読み出し動作時には極
めて小さい駆動電流しか注入できない。その結果、注入
電流密度が小さ過ぎて雑音レベルが上昇してしまうとい
う問題があったが、本発明においては、キャビティに電
流を不均一に注入して、駆動電流を注入する領域を限定
し、その結果、注入電流密度を増大させることにより、
低雑音化を可能とする。
【0024】また、窒化ガリウム系化合物半導体レーザ
素子の発光光は、AlGaInP系化合物半導体からな
る赤色半導体レーザ素子と異なり、基板が透明であるた
め、基板からの散乱光が出射光に混ざってしまい、雑音
が増大するという問題がある。従って、キャビティの出
射端面側に対する注入電流を減少することにより、キャ
ビティに対して不均一な電流注入を行なうと、基板から
の散乱光を低下させることができる。
【0025】以下、具体的に、本発明に係る半導体発光
素子、その製造方法及びその駆動方法の構成を示す。
【0026】本発明に係る第1の半導体発光素子は、基
板上に形成され、発光層及び電極コンタクト層を含む半
導体積層体と、電極コンタクト層の上に形成された電極
とを備え、電極コンタクト層は、電極の下側の厚さが部
分的に異なる。
【0027】第1の半導体発光素子によると、電極コン
タクト層は電極の下側の厚さが部分的に異なるため、シ
リーズ抵抗値が変化するので、低出力動作時にはキャビ
ティに電流を不均一に注入することができる。これによ
り、発振閾電流値が大きくなるため、レーザ発振の微分
利得が増大して、低出力時の相対雑音強度を小さくする
ことができる。
【0028】第1の半導体発光素子において、電極コン
タクト層がp導電型であることが好ましい。
【0029】第1の半導体発光素子において、半導体積
層体が発光光を生成するキャビティを有し、電極コンタ
クト層におけるキャビティの出射端面側の厚さが反射端
面側の厚さよりも小さいことが好ましい。
【0030】また、第1の半導体発光素子において、半
導体積層体が発光光を生成するキャビティを有し、電極
コンタクト層におけるキャビティの出射端面側の厚さが
反射端面側の厚さよりも大きいことが好ましい。
【0031】第1の半導体発光素子において、電極コン
タクト層には、厚さが異なる領域が2箇所以上形成され
ていることが好ましい。
【0032】第1の半導体発光素子において、電極コン
タクト層における厚さの増分が約10%以上且つ約50
%以下であることが好ましい。
【0033】本発明に係る第2の半導体発光素子は、基
板上に形成され、発光層及び電極コンタクト層を含む半
導体積層体と、電極コンタクト層の上に形成された電極
とを備え、電極コンタクト層は電極の下側に厚さが部分
的に異なる高ドーピング領域を有している。
【0034】第2の半導体発光素子によると、電極コン
タクト層は電極の下側に厚さが部分的に異なる高ドーピ
ング領域を有しているため、コンタクト抵抗値が変化す
るので、低出力動作時にはキャビティに電流を不均一に
注入することができる。これにより、発振閾電流値が大
きくなるため、レーザ発振の微分利得が増大して、低出
力時の相対雑音強度を小さくすることができる。
【0035】第2の半導体発光素子において、高ドーピ
ング領域がp導電型であることが好ましい。
【0036】第2の半導体発光素子において、半導体積
層体が発光光を生成するキャビティを有し、高ドーピン
グ領域がキャビティの出射端面側に設けられていること
が好ましい。
【0037】また、第2の半導体発光素子において、半
導体積層体が発光光を生成するキャビティを有し、高ド
ーピング領域がキャビティの反射端面側に設けられてい
ることが好ましい。
【0038】第2の半導体発光素子において、高ドーピ
ング領域が、電極の下側に2箇所以上形成されているこ
とが好ましい。
【0039】第2の半導体発光素子において、高ドーピ
ング領域の表面不純物濃度が、電極コンタクト層の不純
物濃度と比べて、約1.5倍以上且つ約3倍以下である
ことが好ましい。
【0040】本発明に係る第3の半導体発光素子は、基
板上に形成され、発光層、該発光層を上下に挟む第1の
電極コンタクト層及び第2の電極コンタクト層を含む半
導体積層体と、第1の電極コンタクト層の上に形成され
た第1の電極と、第2の電極コンタクト層の上に形成さ
れた第2の電極とを備え、半導体積層体は、発光光を生
成するキャビティを有し、第1の電極と第2の電極との
間隔は、キャビティが延びる方向に沿って異なる。
【0041】第3の半導体発光素子によると、第1の電
極と第2の電極との間隔は、キャビティが延びる方向に
沿って異なるため、シリーズ抵抗値が変化するので、低
出力動作時にはキャビティに電流を不均一に注入するこ
とができる。これにより、発振閾電流値が大きくなるた
め、レーザ発振の微分利得が増大して、低出力時の相対
雑音強度を小さくすることができる。
【0042】第3の半導体発光素子において、第1の電
極がn電極であって、該n電極とキャビティとの間隔は
部分的に異なることが好ましい。
【0043】第3の半導体発光素子において、第1の電
極と第2の電極とにおけるキャビティの出射端面側の間
隔が、反射端面側の間隔よりも大きいことが好ましい。
【0044】また、第3の半導体発光素子において、第
1の電極と第2の電極とにおけるキャビティにの出射端
面側の間隔が、反射端面側の間隔よりも小さいことが好
ましい。
【0045】第3の半導体発光素子において、第1の電
極と第2の電極との間隔は、相対的に広い領域が相対的
に狭い領域の約2倍以上且つ約5倍以下であることが好
ましい。
【0046】第1〜第3の半導体発光素子において、半
導体積層体が窒化物半導体からなることが好ましい。
【0047】本発明に係る第1の半導体発光素子の製造
方法は、基板上に、少なくとも活性層及び電極コンタク
ト層を順次成長して半導体積層体を形成する第1の工程
と、電極コンタクト層の上面に対して部分的にエッチン
グを行なうことにより、電極コンタクト層の厚さを変え
る第2の工程と、上面がエッチングされたコンタクト層
の上面に電極を形成する第3の工程とを備えている。
【0048】第1の半導体発光素子の製造方法におい
て、第1の工程が、電極コンタクト層の成長時にドーパ
ントの供給量を増大して高ドーピング領域を形成する工
程を含み、第2の工程が、高ドーピング領域に対してエ
ッチングを行なうことが好ましい。
【0049】第1の半導体発光素子の製造方法におい
て、第2の工程がピロリン酸を用いることが好ましい。
【0050】本発明に係る第2の半導体発光素子の製造
方法は、基板上に、少なくとも活性層及び電極コンタク
ト層を順次成長して半導体積層体を形成する第1の工程
と、電極コンタクト層の上に電極形成層を形成する第2
の工程と、電極形成層におけるキャビティ形成領域上の
一部に、絶縁膜からなるマスクパターンを形成する第3
の工程と、マスクパターンを用いて熱処理を行なうこと
により、電極コンタクト層におけるマスクパターンの下
側部分と他の部分とのコンタクト抵抗値を変える第3の
工程とを備えている。
【0051】本発明に係る第3の半導体発光素子の製造
方法は、基板上に、少なくとも活性層及び電極コンタク
ト層を順次成長して半導体積層体を形成する第1の工程
と、電極コンタクト層におけるキャビティ形成領域上の
一部に部分電極を形成する第2の工程と、電極コンタク
ト層におけるキャビティ形成領域上の部分電極を含む全
面に電極を形成する第3の工程とを備えている。
【0052】第1〜第3の半導体発光素子の製造方法に
おいて、半導体積層体が窒化物半導体からなることが好
ましい。
【0053】本発明に係る第1の半導体発光素子の駆動
方法は、電極コンタクト層の厚さを部分的に変えること
により、発光光を生成するキャビティに対して不均一に
電流を注入する。
【0054】本発明に係る第2の半導体発光素子の駆動
方法は、p電極とn電極との間に、キャリアの拡散長以
上の間隔を持たせて、発光光を生成するキャビティに対
して不均一に電流を注入することにより自励発振を生じ
させる。
【0055】本発明に係る第3の半導体発光素子の駆動
方法は、相対的に低い出力動作時に、発光光を生成する
キャビティに非発光領域が形成されるように駆動電流を
注入する。
【0056】第3の半導体発光素子の駆動方法におい
て、駆動電流は周波数が約100MHz以上の高周波電
流であることが好ましい。
【0057】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の第1
の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0058】図1は本発明の第1の実施形態に係る半導
体発光素子であって、pコンタクト層4の厚さが部分的
に厚い領域4aを有する構造を示している。
【0059】以下、この素子構造と動作方法とについて
説明する。
【0060】n型GaN基板1Aの上には、例えば、n
型GaNからなるnコンタクト層2、n型AlGaNク
ラッド層(不図示)及びn型GaNガイド層(不図示)
を含むn型半導体層と、InGaNからなる発光層3
と、p型GaNガイド層(不図示)、p型AlGaNク
ラッド層(不図示)及び厚さが1μm程度のpコンタク
ト層4を含むp型半導体層とから構成される半導体積層
体が形成されている。
【0061】半導体積層体の上部のpコンタクト層4に
は、膜厚が他の部分よりも厚い領域4aが形成されてい
る。
【0062】pコンタクト層4におけるp電極5の側方
領域には、幅が1.8μm〜2.5μm程度のストライ
プ状にエッチングされてなる導波路構造(キャビティ)
が形成されている。
【0063】ここで、発光層3の厚さは、キャビティの
全領域にわたってほぼ均一である。前述したように、窒
化物半導体は結晶の利得が大きいため、微分抵抗が大き
い低出力動作時には、シリーズ抵抗の違いの影響を大き
く受ける。このため、キャビティに光吸収領域(非発光
領域)が形成される。これに対し、高出力動作時には、
光吸収領域は形成されず且つ微分抵抗が小さいため、不
均一発光の影響は小さくなる。
【0064】従って、低出力動作時には、キャビティは
部分的に発光し、高出力動作時には、キャビティの全域
で発光する。キャビティはレーザ光の共振方向で一定の
寸法とする必要があるため、pコンタクト層4の厚さは
変化させているものの、発光層3の厚さはほぼ一定とす
る必要がある。また、pコンタクト層4を除く半導体積
層体においても、その厚さはキャビティ方向において一
様且つ均一としている。
【0065】ところで、pコンタクト層4の厚さの変化
量は10%程度としている。これは、低出力動作時には
微分抵抗が100Ω程度であり、シリーズ抵抗値の10
Ωと比べて10倍程度大きい。従って、シリーズ抵抗値
を10%程度変化させて、電流注入密度を変えると、p
コンタクト層4により生じる電圧は2倍程度変化する。
このため、十分に不均一な電流注入を実現することがで
きる。
【0066】なお、pコンタクト層4の膜厚の変化量を
50%以上に大きくした場合には、高出力動作時におい
ても、キャビティに駆動電流が注入されない領域が形成
されてしまい、レーザ特性が劣化する。
【0067】従って、このpコンタクト層4の膜厚の変
化量は電圧差が十分に取れる範囲であれば小さいほうが
好ましい。
【0068】また、第1の実施形態においては、導電性
を有するn型GaN基板1Aを用いているため、n電極
7は、基板1Aの半導体積層体が形成されている面の反
対側の面(裏面)に形成されている。しかしながら、基
板1Aに絶縁性を有するサファイアを用いた場合には、
n電極7は、半導体積層体中のnコンタクト層2を露出
させた露出面上で且つp電極5の側方の領域に形成す
る。
【0069】低出力動作時には、発光層3におけるキャ
ビティの出射端面8側のみが発光し、発光層3における
pコンタクト層4の厚い領域4aの下側部分は光吸収領
域として機能する。この光吸収領域により、スーパール
ミネッセンスダイオードのように、多モードのスペクト
ル線幅が広くなって、干渉性が低減し、低雑音化が可能
となる。
【0070】ここで、レーザ光の閾値電流が高出力時の
2〜3倍(100mA)程度となるように厚い領域4a
のキャビティ方向における長さを調整する必要がある。
キャビティの長さが0.5mm程度の場合には、厚い領
域4aの長さは0.1mm程度である。
【0071】ところで、pコンタクト4の厚い領域4a
を出射端面8側に形成した場合は、出射端面8側の光強
度が減少するため、半導体積層体における出射端面8の
近傍部分の劣化を抑制することができるため好ましい。
【0072】さらに、pコンタクト4の厚い領域4aを
出射端面8側に形成した場合は、半導体積層体における
出射端面8と対向する面である反射端面における光強度
が大きくなることから、レーザの発振モードが安定する
等の効果を得られる。その結果、光出力が1mW時にお
ける相対雑音強度は−135dB/Hz〜−110dB
/Hz、又は−135dB/Hz以下にまで低減するこ
とを確認している。
【0073】なお、pコンタクト層4の厚い領域4aを
キャビティのいずれの端面側に設けるかは、設計時に決
定すれば良く、以下の実施形態においても、低出力動作
時の光吸収領域は、出射端面側又は反射端面側のいずれ
に設けても良い。
【0074】ところで、ブラッグ反射器(DBR)レー
ザ素子等の集積レーザ素子の場合には、電極が分離され
ており、電極間のコンタクト層はエッチング除去されて
いる。この集積レーザ素子は、それぞれの電極に対応し
た素子が互いに異なる機能を有しており、レーザ素子の
結晶構造等がそれぞれの領域で異なっている。
【0075】また、電極が分離された従来のレーザ素子
に対して変調電流を印加する場合には、強度、周波数又
は位相が異なる電流を印加している。
【0076】以下、第1の実施形態に係る半導体発光素
子の製造方法の詳細を図1を用いて説明する。
【0077】まず、有機金属気相成長(MOVPE)法
等により、n型GaN基板1Aの上に、n型GaNから
なるnコンタクト層2、n型AlGaNクラッド層、n
型GaNガイド層、InGaNからなる発光層3、p型
GaNガイド層、p型AlGaNクラッド層、及び厚さ
が1μm程度のpコンタクト層4を順次成長して半導体
積層体を形成する。
【0078】次に、塩素ガスを用いたドライエッチング
により、pコンタクト層4の出射端面8側を含む領域を
選択的に200nmの深さでエッチングする。このと
き、pコンタクト層4においてエッチングされずに残っ
た領域が厚い領域4aとなる。なお、このときのドライ
エッチングに代えて、工程上簡便なピロリン酸を用いた
ウエットエッチングとしてもよい。
【0079】次に、蒸着法により、エッチングされたp
コンタクト層4の全面に、例えばニッケルと金との積層
膜からなるp電極形成層を堆積する。
【0080】次に、p電極形成層におけるキャビティ形
成領域をレジスト膜によりマスクして、塩素系ガスを用
いたドライエッチングを行なって、p電極形成層からキ
ャビティ形成領域を覆うストライプ状のp電極5を形成
する。その後、該ドライエッチングを続けて、p型Ga
Nガイド層までエッチングを行なって、ストライプ状の
キャビティを形成する。
【0081】次に、蒸着法により、GaN基板1Aの裏
面の全面に、例えばチタンとアルミニウムとの積層膜か
らなるn電極7を堆積して形成する。
【0082】さらに、このようにして得られた半導体発
光素子をマウントする場合に、p電極5及びn電極7に
おけるはんだ材による電極の劣化を抑えるために、両電
極5、7の上面に、厚さが10μm程度の金めっきをそ
れぞれ施して、p電極5及びn電極7とはんだ材とが接
触しないようにしている。
【0083】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0084】図2は本発明の第2の実施形態に係る半導
体発光素子を示している。
【0085】半導体積層体の上部に位置するpコンタク
ト層4の結晶成長時に、p型ドーパントの供給量を増大
して、pコンタクト層4の上部に高ドーピング領域9を
形成する。その結果、pコンタクト層4の結晶表面に大
量の欠陥が発生し、表面の状態密度が増大してコンタク
ト抵抗値が減少する。
【0086】図2に示すように、pコンタクト層4に、
低いコンタクト抵抗を持つ高ドーピング領域9を部分的
に残すことにより、駆動電流がキャビティに注入され易
い領域を部分的に形成している。
【0087】従って、第1の実施形態においてはシリー
ズ抵抗値をキャビティ方向に変化させたが、第2の実施
形態においてはコンタクト抵抗値をキャビティ方向に変
化させる構成である。これにより、第1の実施形態と同
様の効果によって、低出力動作時の相対雑音強度が低下
することを確認している。
【0088】コンタクト抵抗は、非線型であり、低電流
の印加時には高い抵抗値を示し、高電流の印加時には低
い抵抗値を示すため、低出力動作時には電流の不均一を
大きく生じさせることができる。一方、高出力動作時に
は、コンタクト抵抗値は非常に小さくなるため、キャビ
ティの全領域で極めて均一に発光させることが可能とな
る。
【0089】ここで、高ドーピング領域9は、上面から
の深さが10nm程度と極めて小さいため、ドライエッ
チングでもウエットエッチングでも容易に除去すること
ができる。なお、ウエットエッチングのエッチャントに
は、工程上簡便なピロリン酸を用いるのが好ましい。ま
た、高ドーピング領域9に対するエッチングは実質的に
はドーパントであるマグネシウムイオンを除去するだけ
で良いため、硫酸中で1時間程度のエッチングを行なっ
ても良い。
【0090】(第2の実施形態の一変形例)図3は本発
明の第2の実施形態の一変形例に係る半導体発光素子を
示している。
【0091】図3に示すように、pコンタクト層4の上
部には、互いに間隔をおいた複数の高ドーピング領域9
が形成されている。各高ドーピング領域9の幅は約3μ
mとし、高ドーピング領域9同士の間隔は約2μmとし
ている。キャリアの拡散長は、1nm程度であるため、
1THz×1nm÷2μmの計算結果から500MHz
程度の自励発振動作を実現できる。
【0092】また、自励発振動作をさせる場合には、高
周波を重畳しなくても相対雑音強度が低下するため、半
導体レーザ素子の駆動回路を簡略化できる。
【0093】なお、従来の自励発振を生じさせる半導体
レーザ素子は、光の分布領域に光を吸収する結晶層を有
しており、駆動電流の注入は不均一とはなっていない。
【0094】ところで、第1の実施形態においても、p
コンタクト層4の厚さを細かく変化させることにより同
様に自励発振動作を行なわせることができる。すなわ
ち、第1の実施形態に係る厚い領域4aを、pコンタク
ト層4の複数箇所に設けることになる。
【0095】なお、以下の実施形態においても、不均一
な電流注入領域を複数箇所に設ける構成は有効である。
【0096】但し、本変形例においては、高ドーピング
領域9をエッチングによって1μm程度の細かいパター
ンに容易に分割でき、不均一な電流注入を確実に行なえ
るようになるため、自励発振現象を再現性良く実現する
ことができる。
【0097】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0098】図4は本発明の第3の実施形態に係る半導
体発光素子を示している。
【0099】図4に示すように、基板1Bとして、現時
点では窒化ガリウムよりも安価なサファイアを用いてい
る。
【0100】第3の実施形態は、キャビティ、すなわち
p電極5とn電極7との間隔を、均一とせずに、キャビ
ティ方向に沿って変化させている。
【0101】第3の実施形態においても、MOVPE法
等を用いて、サファイア基板1B上に、例えば、n型G
aNからなるnコンタクト層2、n型AlGaNクラッ
ド層(不図示)、n型GaNガイド層(不図示)、In
GaNからなる発光層3、p型GaNガイド層(不図
示)、p型AlGaNクラッド層(不図示)、及びp型
GaNからなるpコンタクト層4を順次成長して半導体
積層体を形成している。
【0102】p電極5はpコンタクト層4の上に蒸着に
より形成され、n電極7はnコンタクト層2におけるp
電極5の側方の露出領域上に形成されている。
【0103】pコンタクト層4におけるp電極5の下側
部分は、ストライプ状にエッチングして導波路構造(キ
ャビティ)としている。
【0104】第3の実施形態は、p電極5とn電極7と
の間隔を、キャビティの反射端面側で大きくしている。
その間隔が大きい間隔拡大領域を符号10で示してい
る。
【0105】このように、nコンタクト層2の露出領域
上に、p電極5とn電極7との間隔が大きい間隔拡大領
域10を設けているため、nクラッド層を流れる電流の
シリーズ抵抗値が間隔拡大領域10の下方領域において
増大する。その結果、第1の実施形態と同様に、キャビ
ティに注入される電流がキャビティの反射端面側で少な
くなって、不均一となる。このとき、nコンタクト層2
の抵抗はpコンタクト層4の抵抗よりも小さいため、p
電極5とn電極7との間隔を部分的に2倍以上に広げる
ことにより、キャビティに対して駆動電流を不均一に注
入することができる。さらに、このように、nコンタク
ト層2に高抵抗領域を形成した場合には、放熱特性に優
れるという効果をも得られるようになる。
【0106】ところで、nコンタクト層2の抵抗率を
0.015Ω・cmとし、p電極5とn電極7との間隔
をd(μm)とし、p電極5への注入電流をI(A)と
すると、両電極間の電圧降下Vは以下の式(1)で表わ
される。
【0107】V=0.6I・d … (1) これは、n型半導体層の厚さを2μm程度と比較的に小
さく形成しているため、両電極間で適当な電圧降下を示
すことによる。
【0108】従って、間隔拡大領域10の間隔寸法を1
5μm程度余計に設定すると、電圧降下は式(1)から
約1Vとなって、両電極5、7間の間隔拡大領域10に
おける電流を制限できるため、キャビティに対する注入
電流が不均一となる。
【0109】なお、間隔拡大領域10の間隔寸法を、間
隔寸法の3倍の30μm以上とすると電圧降下Vが2V
以上となって好ましくない。
【0110】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0111】図5(a)〜図5(c)は本発明の第4の
実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の工程順の構
成を示している。
【0112】まず、図5(a)に示すように、MOVP
E法等により、サファイア基板1B上に、例えば、n型
GaNからなるnコンタクト層2、n型AlGaNクラ
ッド層(不図示)、n型GaNガイド層(不図示)、I
nGaNからなる発光層3、p型GaNガイド層(不図
示)、p型AlGaNクラッド層(不図示)、及びp型
GaNからなるpコンタクト層4を順次成長して半導体
積層体を形成する。続いて、pコンタクト層4の上面
に、例えばニッケルと金との積層膜からなるp電極形成
層5Aを堆積する。
【0113】次に、図5(b)に示すように、p電極形
成層5A上におけるキャビティ形成領域の高コンタクト
抵抗化を図る領域に窒化物からなる絶縁膜11を選択的
に形成して、窒素雰囲気中でアニールを行なう。その
後、p電極形成層5A上のキャビティ形成領域をマスク
して、塩素系ガスを用いたドライエッチングによりp型
GaNガイド層までエッチングを行なって、ストライプ
状のキャビティを形成する。なお、高コンタクト抵抗化
を図る方法として、窒素雰囲気でアニールを行なう方法
以外にも、例えば、酸素プラズマにさらす方法、又はプ
ロトンを注入する方法を用いてもよい。
【0114】次に、図5(c)に示すように、半導体積
層体におけるキャビティの一側方領域に対して、塩素系
ガスによるドライエッチングを行なって、nコンタクト
層2を露出する。続いて、露出したnコンタクト層2の
上面にn電極形成パターンを開口部に持つレジストパタ
ーンを形成し、形成したレジストパターンの上に、蒸着
法により、チタンとアルミニウムとの積層膜を堆積す
る。続いて、堆積した積層膜から、リフトオフ法によっ
てn電極7を形成する。
【0115】このように、第4の実施形態によると、p
コンタクト層4における窒化物からなる絶縁膜11の下
側の領域が、絶縁膜11を設けない領域と比べてコンタ
クト抵抗値が大きくなる。その結果、図1に示す第1の
実施形態に係る半導体発光素子と同様に、pコンタクト
4層におけるキャビティの反射端面側が低出力動作時に
光吸収領域となり、キャビティに対する不均一な電流注
入が実現される。
【0116】これに対し、絶縁膜11を窒化物に代えて
酸化物とすると、pコンタクト層4における酸化物から
なる絶縁膜11の下側の領域が、絶縁膜11を設けない
領域と比べてコンタクト抵抗値が小さくなる。このた
め、図2に示す第2の実施形態に係る半導体発光素子と
同様に、pコンタクト4層におけるキャビティの出射端
面側が低出力動作時に光吸収領域となり、キャビティに
対する不均一な電流注入が実現される。
【0117】(第5の実施形態)以下、本発明の第5の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0118】図6(a)〜図6(c)は本発明の第5の
実施形態に係る半導体発光素子の製造方法の工程順の構
成を示している。
【0119】まず、図6(a)に示すように、MOVP
E法等により、サファイア基板1B上に、例えば、n型
GaNからなるnコンタクト層2、n型AlGaNクラ
ッド層(不図示)、n型GaNガイド層(不図示)、I
nGaNからなる発光層3、p型GaNガイド層(不図
示)、p型AlGaNクラッド層(不図示)、及びp型
GaNからなるpコンタクト層4を順次成長して半導体
積層体を形成する。続いて、pコンタクト層4の上面
に、例えばニッケルからなるp電極形成層5Bを堆積す
る。
【0120】次に、図6(b)に示すように、p電極形
成層5Bに対して出射端面側を残すようにパターニング
して第1の電極としての部分電極5aを形成する。続い
て、蒸着法により、pコンタクト層4の上に部分電極5
aを含む全面にわたって、白金と金との積層膜からなる
p電極形成膜12Aを堆積する。
【0121】次に、図6(c)に示すように、p電極形
成膜12A上のキャビティ形成領域をマスクして、塩素
系ガスを用いたドライエッチングによりp型GaNガイ
ド層までエッチングを行なって、ストライプ状のキャビ
ティを形成する。これにより、キャビティの上に、部分
電極5aを出射端面側に含むp電極形成膜12Aからp
電極12が形成される。その後、半導体積層体における
キャビティの一側方領域に対して、塩素系ガスによるド
ライエッチングを行なって、nコンタクト層2を露出す
る。続いて、露出したnコンタクト層2の上面にn電極
形成パターンを開口部に持つレジストパターンを形成
し、形成したレジストパターンの上に、蒸着法により、
チタンとアルミニウムとの積層膜を堆積する。堆積した
積層膜から、リフトオフ法によってn電極7を形成す
る。
【0122】このように、第5の実施形態によると、部
分電極5aはニッケルからなるため、pコンタクト層4
に対するコンタクト抵抗が低減する。このため、図1に
示す第1の実施形態に係る半導体発光素子と同様に、p
コンタクト4層におけるキャビティの反射端面側が低出
力動作時に光吸収領域となり、キャビティに対する不均
一な電流注入が実現される。
【0123】なお、第5の実施形態においては、pコン
タクト層4に対するコンタクト抵抗を低減する部分電極
5aの材料にニッケルを用いたが、パラジウム(Pd)
又はマグネシウム(Mg)等のように、pコンタクト層
4に対するコンタクト抵抗を低減できる材料であればよ
い。
【0124】すなわち、p電極12と部分電極5aは、
pコンタクト層4に対するコンタクト抵抗が、低出力動
作時にキャビティへの不均一な電流注入が実現される程
度に異なっていれば良い。
【0125】
【発明の効果】本発明に係る半導体発光素子及びその駆
動方法によると、電極コンタクト層との間で、シリーズ
抵抗値又はコンタクト抵抗値が変化するため、低出力動
作時にキャビティに電流を不均一に注入することができ
るため、発振閾値が大きくなるので、低出力時の相対雑
音強度を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体発光素子
を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る半導体発光素子
を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の一変形例に係る半導
体発光素子を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る半導体発光素子
を示す斜視図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明の第4の実施形態に係
る半導体発光素子の製造方法を示す工程順の構成図であ
る。
【図6】(a)〜(c)は本発明の第5の実施形態に係
る半導体発光素子の製造方法を示す工程順の構成図であ
る。
【図7】従来の半導体発光素子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板 2 nコンタクト層 3 発光層 4 pコンタクト層 4a 厚い領域 5 p電極 5A p電極形成層 5B p電極形成層 5a 部分電極 7 n電極 8 出射側 9 高ドーピング領域 10 間隔拡大領域 11 絶縁膜 12A p電極形成膜 12 p電極

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成され、発光層及び電極コン
    タクト層を含む半導体積層体と、 前記電極コンタクト層の上に形成された電極とを備え、 前記電極コンタクト層は、前記電極の下側の厚さが部分
    的に異なることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記電極コンタクト層はp導電型である
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記半導体積層体は発光光を生成するキ
    ャビティを有し、前記電極コンタクト層における前記キ
    ャビティの出射端面側の厚さは反射端面側の厚さよりも
    小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体
    発光素子。
  4. 【請求項4】 前記半導体積層体は発光光を生成するキ
    ャビティを有し、前記電極コンタクト層における前記キ
    ャビティの出射端面側の厚さは反射端面側の厚さよりも
    大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体
    発光素子。
  5. 【請求項5】 前記電極コンタクト層には、厚さが異な
    る領域が2箇所以上形成されていることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記電極コンタクト層における厚さの増
    分は約10%以上且つ約50%以下であることを特徴と
    する請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の半導体
    発光素子。
  7. 【請求項7】 基板上に形成され、発光層及び電極コン
    タクト層を含む半導体積層体と、 前記電極コンタクト層の上に形成された電極とを備え、 前記電極コンタクト層は、前記電極の下側に厚さが部分
    的に異なる高ドーピング領域を有していることを特徴と
    する半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 前記高ドーピング領域はp導電型である
    ことを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 前記半導体積層体は発光光を生成するキ
    ャビティを有し、 前記高ドーピング領域は、前記キャビティの出射端面側
    に設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記
    載の半導体発光素子。
  10. 【請求項10】 前記半導体積層体は発光光を生成する
    キャビティを有し、 前記高ドーピング領域は、前記キャビティの反射端面側
    に設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記
    載の半導体発光素子。
  11. 【請求項11】 前記高ドーピング領域は、前記電極の
    下側に2箇所以上形成されていることを特徴とする請求
    項7又は8に記載の半導体発光素子。
  12. 【請求項12】 前記高ドーピング領域の表面不純物濃
    度は、前記電極コンタクト層の不純物濃度と比べて、約
    1.5倍以上且つ約3倍以下であることを特徴とする請
    求項6〜11のうちのいずれか1項に記載の半導体発光
    素子。
  13. 【請求項13】 基板上に形成され、発光層、該発光層
    を上下に挟む第1の電極コンタクト層及び第2の電極コ
    ンタクト層を含む半導体積層体と、 前記第1の電極コンタクト層の上に形成された第1の電
    極と、 前記第2の電極コンタクト層の上に形成された第2の電
    極とを備え、 前記半導体積層体は、発光光を生成するキャビティを有
    し、 前記第1の電極と前記第2の電極との間隔は、前記キャ
    ビティが延びる方向に沿って異なることを特徴とする半
    導体発光素子。
  14. 【請求項14】 前記第1の電極はn電極であって、 前記n電極と前記キャビティとの間隔は部分的に異なる
    ことを特徴とする請求項13に記載の半導体発光素子。
  15. 【請求項15】 前記第1の電極と前記第2の電極とに
    おける前記キャビティにの出射端面側の間隔は、反射端
    面側の間隔よりも大きいことを特徴とする請求項13又
    は14に記載の半導体発光素子。
  16. 【請求項16】 前記第1の電極と前記第2の電極とに
    おける前記キャビティにの出射端面側の間隔は、反射端
    面側の間隔よりも小さいことを特徴とする請求項13又
    は14に記載の半導体発光素子。
  17. 【請求項17】 前記第1の電極と前記第2の電極との
    間隔は、相対的に広い領域が相対的に狭い領域の約2倍
    以上且つ約5倍以下であることを特徴とする請求項13
    〜16のうちのいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  18. 【請求項18】 前記半導体積層体は窒化物半導体から
    なることを特徴とする請求項1〜17のうちのいずれか
    1項に記載の半導体発光素子。
  19. 【請求項19】 基板上に、少なくとも活性層及び電極
    コンタクト層を順次成長して半導体積層体を形成する第
    1の工程と、 前記電極コンタクト層の上面に対して部分的にエッチン
    グを行なうことにより、前記電極コンタクト層の厚さを
    変える第2の工程と、 上面がエッチングされた前記コンタクト層の上面に電極
    を形成する第3の工程とを備えていることを特徴とする
    半導体発光素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記第1の工程は、前記電極コンタク
    ト層の成長時にドーパントの供給量を増大して高ドーピ
    ング領域を形成する工程を含み、 前記第2の工程は、前記高ドーピング領域に対してエッ
    チングを行なうことを特徴とする請求項19に記載の半
    導体発光素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記第2の工程は、ピロリン酸を用い
    ることを特徴とする請求項19又は20に記載の半導体
    発光素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 基板上に、少なくとも活性層及び電極
    コンタクト層を順次成長して半導体積層体を形成する第
    1の工程と、 前記電極コンタクト層の上に電極形成層を形成する第2
    の工程と、 前記電極形成層におけるキャビティ形成領域上の一部
    に、絶縁膜からなるマスクパターンを形成する第3の工
    程と、 前記マスクパターンを用いて熱処理を行なうことによ
    り、前記電極コンタクト層における前記マスクパターン
    の下側部分と他の部分とのコンタクト抵抗値を変える第
    3の工程とを備えていることを特徴とする半導体発光素
    子の製造方法。
  23. 【請求項23】 基板上に、少なくとも活性層及び電極
    コンタクト層を順次成長して半導体積層体を形成する第
    1の工程と、 前記電極コンタクト層におけるキャビティ形成領域上の
    一部に部分電極を形成する第2の工程と、 前記電極コンタクト層におけるキャビティ形成領域上の
    前記部分電極を含む全面に電極を形成する第3の工程と
    を備えていることを特徴とする半導体発光素子の製造方
    法。
  24. 【請求項24】 前記半導体積層体は窒化物半導体から
    なることを特徴とする請求項19〜23のうちのいずれ
    か1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 電極コンタクト層の厚さを部分的に変
    えることにより、発光光を生成するキャビティに対して
    不均一に電流を注入することを特徴とする半導体発光素
    子の駆動方法。
  26. 【請求項26】 p電極とn電極との間に、キャリアの
    拡散長以上の間隔を持たせて、発光光を生成するキャビ
    ティに対して不均一に電流を注入することにより自励発
    振を生じさせることを特徴とする半導体発光素子の駆動
    方法。
  27. 【請求項27】 相対的に低い出力動作時に、発光光を
    生成するキャビティに非発光領域が形成されるように駆
    動電流を注入することを特徴とする半導体発光素子の駆
    動方法。
  28. 【請求項28】 前記駆動電流は周波数が約100MH
    z以上の高周波電流であることを特徴とする請求項27
    に記載の半導体発光素子の駆動方法。
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