JP2008010816A - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法 Download PDF

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裕朗 太田
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Abstract

【課題】正孔および電子の注入効率を低下させることなく緑色などの所望の波長のレーザ光を出射することが可能な半導体発光素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】III族窒化物半導体からなるn型半導体層3A、活性層4A、およびp型半導体層5Aを含んでおり、n型半導体層3A、活性層4A、およびp型半導体層5Aの積層方向に対して垂直である方向に活性層4Aからレーザ光が出射されるレーザダイオード部2Aを備える半導体発光素子A1であって、レーザダイオード部2Aに対してその光出射方向に配置されており、少なくともその一部に希土類元素が添加されたIII族窒化物半導体からなる波長変換部2Bをさらに備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、GaNに代表されるIII族窒化物半導体からなる半導体層を有する半導体発光素子に関する。
青色、緑色の短波長レーザ光源は、DVDなどの高密度光記録、レーザプロジェクタ、画像処理、医療機器、計測機器などの多くの分野で活用され始めている。GaNに代表されるIII族窒化物半導体からなる半導体層を有する半導体発光素子は、このようなレーザ光源のひとつである。図11は、従来の半導体発光素子の一例を示している。同図に示された半導体発光素子Xは、基板91、n−GaN層92、n−AlGaNクラッド層93、活性層95、p−AlGaNクラッド層97、およびp−GaN層98を備えている。活性層95は、n−GaNガイド層94およびp−GaNガイド層96によって挟まれている。n−GaN層92から注入された正孔と、p−GaN層98から注入された電子とは、活性層95において再結合する。この再結合によって活性層95が発光する。この光は、活性層95とn−GaNガイド層94およびp−GaNガイド層96とに閉じ込められる。この閉じ込められた光は、積層方向とは垂直である方向に伝播し、活性層95、n−GaNガイド層94、およびp−GaNガイド層96の伝播方向を向く2つの端面の間において共振増幅され、その一部がレーザ光としてこれらの端面から出射される。半導体発光素子Xにおいては、活性層95に希土類元素を添加することにより、たとえば緑色のレーザ光を出射する構成とすることが可能である。
しかしながら、GaNなどのIII族窒化物半導体からなる半導体発光素子においては、低電力化および長寿命化を図ることが指向されている。このために、活性層95の組成や層構造を工夫することにより正孔および電子の注入効率を高めることなどが必要とされる。これに対し、活性層95に添加された希土類元素は、正孔および電子の注入効率を低下させる原因となる。したがって、半導体発光素子Xは、たとえば緑色のレーザ光を出射することは可能であっても、工業製品として安定して使用するには、いまだ改善の余地があった。
特開2000−91703号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、正孔および電子の注入効率を低下させることなく緑色などの所望の波長のレーザ光を出射することが可能な半導体発光素子およびその製造方法を提供することをその課題とする。
本発明の第1の側面によって提供される半導体発光素子は、III族窒化物半導体からなるn型半導体層、活性層、およびp型半導体層を含んでおり、上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層の積層方向に対して垂直である方向に上記活性層から光が出射されるレーザダイオード部を備える半導体発光素子であって、上記レーザダイオード部に対してその光出射方向に配置されており、少なくともその一部に希土類元素が添加されたIII族窒化物半導体からなる波長変換部をさらに備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、上記レーザダイオード部には、希土類元素が添加されることが一切ない。このため、上記活性層などが希土類元素の添加によってその結晶構造が乱されるなどの不具合を回避することが可能である。したがって、上記レーザダイオード部における発光を比較的低い電力によって安定的に行うことができる。また、上記レーザダイオード部から出射されたレーザ光を上記波長変換部によって所望の波長の光に変換した後に出射することが可能である。したがって、たとえば緑色のレーザ光を出射するのに適している。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記波長変換部は、上記レーザダイオード部の上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層のそれぞれと同じ厚さとされた3つの半導体層を含んでおり、上記レーザダイオード部と上記波長変換部とは、同一の基板上に積層成長されている。このような構成によれば、上記レーザダイオード部と上記波長変換部とは、厚さ方向寸法および位置が揃ったものとなる。このため、上記レーザダイオード部からのレーザ光を上記波長変換部に適切に入射させることが可能である。したがって、上記半導体発光素子の出射効率を高めるのに適している。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記レーザダイオード部と上記波長変換部とは、同一のサブマウント基板に搭載されている。このような構成によれば、上記サブマウント基板を比較的熱伝導率が高い材質によって形成することが可能であり、上記レーザダイオード部からの放熱を促進することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記波長変換部のうち希土類元素が添加された部分は、Alを含有する部分を含んでいる。このような構成によれば、Alを含有するIII族窒化物半導体は、希土類元素が添加されることによる結晶構造の乱れなどの不具合を生じにくい。したがって、上記波長変換部の波長変換機能を十分に発揮させることが可能である。
本発明の第2の側面によって提供される半導体発光素子の製造方は、III族窒化物半導体からなるn型半導体層、活性層、およびp型半導体層を含んでおり、上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層の積層方向に対して垂直である方向に上記活性層から光が出射されるレーザダイオード部を備える半導体発光素子の製造方法であって、基板上にIII族窒化物半導体からなるn型半導体層、活性層、およびp型半導体層を含む半導体積層体を形成する工程と、上記半導体積層体を分割することにより、上記レーザダイオード部と上記レーザダイオード部に対してその光出射方向に位置する波長変換部とを形成する工程と、を有することを特徴としている。
このような構成によれば、上記レーザダイオード部と上記波長変換部とを、いわゆるモノシリックデバイスとして形成することができる。このため、互いの厚さ方向寸法や各層の位置が揃った構成とすることが可能であり、上記レーザダイオード部から出射されたレーザ光を上記波長変換部へと適切に入射させることができる。したがって、所望の波長に変換したレーザ光を効率よく出射させることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記半導体積層体を分割した後に、上記波長変換部とする部分に希土類元素をインプランテーションによって添加する工程を有する。このような構成によれば、上記波長変換部の所望の部分に対して希土類元素を適切に添加することが可能である。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記半導体積層体の少なくとも一部はAlを含有しており、上記希土類元素を添加する工程においては、上記希土類元素を添加する領域が上記Alを含有する部分の少なくとも一部を含むようにインプランテーションを行う。このような構成によれば、Alを含有するIII族窒化物半導体は、希土類元素のインプランテーションによってその結晶構造が乱れるなどの不具合を生じにくい。したがって、上記波長変換部の結晶構造を適切なものとすることが可能であり、レーザ光を効率よく出射するのに好適である。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図4は、本発明に係る半導体発光素子の第1実施形態を示している。本実施形態の半導体発光素子A1は、基板1とレーザダイオード部2Aと波長変換部2Bとを備えている。半導体発光素子A1は、たとえば緑色のレーザ光Lを出射可能に構成されている。
基板1は、たとえばGaN基板であり、その表面に形成されたレーザダイオード部2Aおよび波長変換部2Bを支持するとともに、レーザダイオード部2Aおよび波長変換部2Bを構成する半導体材料を結晶成長させるための土台として用いられる。基板1の裏面には、n側電極71が形成されている。n側電極71は、たとえばAlなどの金属薄膜からなり、電子を供給するための電極とされている。
レーザダイオード部2Aと波長変換部2Bとは、隙間を隔ててレーザ光Lの出射方向に並べられており、後述するようにいわゆるモノシリックデバイスとして形成されている。レーザダイオード部2Aは、たとえばその波長が350〜420nm程度の紫色または青色のレーザ光を波長変換部2Bに向けて出射可能に構成されている。波長変換部2Bは、レーザダイオード部2Aから入射したレーザ光を波長変換することにより、たとえばその波長が500〜600nm程度の緑色のレーザ光として出射可能に構成されている。
レーザダイオード部2Aは、n型半導体層3A、活性層4A、p型半導体層5A、絶縁層6A、および誘電体膜8Aを備えており、ダブルへテロ構造の光導波路を有するファブリペロー型レーザダイオードとして構成されている。なお、図1においては、誘電体膜8Aを省略している。
n型半導体層3Aは、たとえばIII族窒化物半導体であるn−GaNを主構成物質とするものであり、n−GaNガイド層31A、およびn−AlGaNクラッド層32Aからなる。n−AlGaNクラッド層32Aは、基板1上に形成されており、活性層4Aからの光が基板1側へと漏れることを抑制する、いわゆる光の閉じ込め効果を発揮するための層である。n−AlGaNクラッド層32Aは、AlGaNにたとえばSiがドープされることにより、n型半導体とされている。
n−GaNガイド層31Aは、n−AlGaNクラッド層32Aと活性層4Aとの間に形成されており、活性層4Aにキャリアである電子および正孔を閉じ込めるための層である。このキャリアの閉じ込め効果により、活性層4Aにおいて電子と正孔との再結合の効率が高められる。n−GaNガイド層31Aは、GaNにたとえばSiがドープされることにより、n型半導体とされている。
活性層4Aは、たとえばInGaNを含むMQW構造とされた層であり、電子と正孔とが再結合することにより発せられる光を増幅させるための層である。活性層4Aは、たとえば複数のInGaN層と複数のGaN層とが交互に積層されている。上記InGaN層は、Inの組成比が15%程度とされることにより、バンドギャップが比較的小とされており、活性層4Aの井戸層を構成している。上記GaN層は、活性層4Aのバリア層を形成している。本実施形態においては、活性層4Aは、たとえば上記複数のInGaN層と複数のGaN層とが3〜7層ずつ積層されている。
p型半導体層5Aは、たとえばIII族窒化物半導体であるp−GaNを主構成物質とするものであり、p−GaNガイド層51A、p−AlGaNクラッド層52A、およびp−GaNコンタクト層53Aからなる。p−GaNガイド層51Aは、活性層4Aとp−AlGaNクラッド層52Aとの間に形成されており、活性層4Aにキャリアである電子および正孔を閉じ込めるための層である。p−GaNガイド層51Aは、GaNにたとえばMgがドープされることにより、p型半導体とされている。
p−AlGaNクラッド層52Aは、p−GaNガイド層51A上に形成されており、活性層4Aからの光が図中上方へと漏れることを抑制するための層である。p−AlGaNクラッド層52Aは、AlGaNにたとえばMgがドープされることにより、p型半導体とされている。p−AlGaNクラッド層52Aには、リッジストライプ52Aaが形成されている。リッジストライプ52Aaは、活性層4Aにおいて電子と正孔とが再結合することにより発光する利得領域を制限することにより、活性層4Aの中央寄り部分において集中的にレーザ発振させるためのものである。リッジストライプ52Aaは、断面台形状とされており、図1に示すようにレーザダイオード部2Aと波長変換部2Bとが配列された方向であるレーザ光Lの出射方向に延びている。
p−GaNコンタクト層53Aは、p−AlGaNクラッド層52Aのリッジストライプ52Aa上に帯状に形成されており、p側電極72との間で適切なオーミックコンタクトを形成するためのものである。リッジストライプ52Aaおよびp−GaNコンタクト層53Aの両側方には、絶縁層6Aが形成されている。p−GaNコンタクト層53Aおよび絶縁層6A上には、p側電極72が形成されている。p側電極72は、たとえばAlなどの金属薄膜からなり、正孔を供給するための電極とされている。
レーザダイオード部2Aの両端面には、1対の誘電体膜8Aが形成されている。誘電体膜8Aは、たとえばAl23からなり、レーザダイオード部2Aの両端面の反射率を高めるためのものである。活性層4Aから発せられた光が1対の誘電体膜8Aの間において反射を繰り返すことにより、1対の誘電体膜8Aにはさまれたn−GaNガイド層31A、活性層4A、およびp−GaNガイド層51Aがファブリペロー共振器として機能する。この機能によって、活性層4Aにおいて生じた光が、所定以上のパワーを有するレーザ光として出射される。
波長変換部2Bは、レーザダイオード部2Aに対して隙間を隔てて配置されており、n型半導体層3B、活性層4B、p型半導体層5B、絶縁層6B、および誘電体膜8Bを備えている。波長変換部2Bは、レーザダイオード部2Aから発せられたたとえば青色または紫色のレーザ光に対して波長変換を施すことにより、たとえば緑色のレーザ光Lとして出射するための部分である。なお、図1においては、誘電体膜8Bは省略している。
n型半導体層3Bは、たとえばIII族窒化物半導体であるn−GaNを主構成物質とするものであり、n−GaNガイド層31B、およびn−AlGaNクラッド層32Bからなり、n−AlGaNクラッド層32Bの組成を除き、レーザダイオード部2Aのn型半導体層3Aと同様の組成および同様の厚さとされている。n−AlGaNクラッド層32Bは、希土類元素を含有している。この希土類元素としては、たとえばPr,Er,Tbがあり、たとえばインプランテーションの手法によりn−AlGaNクラッド層32Bの主構成材質であるAlGaNに添加されている。本実施形態においては、n−AlGaNクラッド層32B中の希土類元素の濃度は1%程度とされている。
活性層4Bは、n型半導体層3B上に形成されており、その組成および厚さがレーザダイオード部2Aの活性層4Aと同様とされている。
p型半導体層5Bは、たとえばIII族窒化物半導体であるp−GaNを主構成物質とするものであり、p−GaNガイド層51B、p−AlGaNクラッド層52B、およびp−GaNコンタクト層53Bからなり、p−AlGaNクラッド層52Bの組成を除き、レーザダイオード部2Aのp型半導体層5Aと同様の組成および同様の厚さとされている。p−AlGaNクラッド層52Bには、希土類元素が添加されている。この希土類元素としては、n−AlGaNクラッド層32Bに添加されたものと同じPr,Er,Tbが用いられており、その濃度が1%程度とされている。また、p−AlGaNクラッド層52Bに形成されたリッジストライプ52Baは、レーザダイオード部2Aのリッジストライプ52Aaと同一の断面形状とされており、リッジストライプ52Aaと延びる方向が一致したものとされている。リッジストライプ52Baおよびp−GaNコンタクト層53Bの両側方には、絶縁層6Bが形成されている。
以上の構成とされた波長変換部2Bは、レーザダイオード部2Aとは異なり電子と正孔とが注入される部分とはされておらず電極からの電圧印加はなされない。上述したように、希土類元素が添加されたn−AlGaNクラッド層32Aおよびp−AlGaNクラッド層52Bの作用により、波長変換部2Bは、レーザダイオード部2Aから出射されたたとえば青色または紫色のレーザ光をたとえば緑色のレーザ光に変換するための部分として形成されている。波長変換部2Bの両端面には、1対の誘電体膜8Bが形成されている。誘電体膜8Bは、その組成、厚さ、および機能が誘電体膜8Aと同様とされており、所定以上のパワーを有する緑色に波長変換されたレーザ光Lを出射するために設けられている。
次に、半導体発光素子A1の製造方法の一例について、図5〜図9を参照しつつ以下に説明する。
まず、図5に示すように、GaNからなる基板1を準備し、この基板1上に半導体積層体2を形成する。半導体積層体2の形成においては、n型半導体層3、活性層4、およびp型半導体層5の形成を順に行う。たとえば、有機金属気相成長法(以下、MOCVD法)を用いて、基板1上にn−AlGaNクラッド層32,n−GaNガイド層31、活性層4、p−GaNガイド層51、p−AlGaNクラッド層52、およびp−GaNコンタクト層53を順次積層させる。n型半導体層3およびp型半導体層5の形成においては、それぞれにおいてたとえばSiのドープ処理、およびMgのドープ処理を施す。
次いで、p−AlGaNクラッド層52およびp−GaNコンタクト層53に対して、たとえばドライエッチングを施して、これらの一部を除去する。このパターン形成を行うことにより、図6に示すリッジストライプ52aを形成する。この工程は、リッジストライプ52aが半導体積層体2の両端に達するものとなるように行う。
リッジストライプ52aを形成した後は、図7に示すように絶縁層6を形成する。絶縁層6は、たとえばp−AlGaNクラッド層52およびp−GaNコンタクト層53のすべてを覆うように絶縁体の薄膜を形成した後に、この絶縁体の薄膜に対してパターン形成を施すことによって形成する。
次いで、半導体積層体2に対してたとえばドライエッチングを施すことにより、半導体積層体2の中央付近にリッジストライプ52aと垂直な方向に延びるスリットを形成する。このスリットが基板1に達するまでドライエッチングを施すことにより、半導体積層体2を図8に示すレーザダイオード部2Aと波長変換部2Bとに分割する。
レーザダイオード部2Aと波長変換部2Bとを形成した後は、図9に示すように、波長変換部2Bに対して、希土類元素の添加を行う。希土類元素としては、たとえば、Pr,Er,Tbを用いる。希土類元素の添加は、たとえば、波長変換部2Bを露出させる開口を有するマスクMを用いて、インプランテーションの手法によって行う。このインプランテーションにおいては、波長変換部2Bのうちn−AlGaNクラッド層32Bおよびp−AlGaNクラッド層52Bに対して集中的に希土類元素が添加されるように条件設定する。これにより、n−AlGaNクラッド層32Bおよびp−AlGaNクラッド層52Bが希土類元素を含有するものとなる。なお、この後に行われるアニール処理によって、n−AlGaNクラッド層32Bおよびp−AlGaNクラッド層52Bに含まれる希土類元素がn−GaNガイド層31Bやp−GaNガイド層51Bへと若干拡散する場合もある。
この後は、n側電極71、p側電極72、および誘電体膜8A,8Bの形成などを経て、図1に示す半導体発光素子A1が得られる。
次に、半導体発光素子A1の作用について説明する。
本実施形態によれば、レーザダイオード部2Aを構成する活性層4A、n−GaNガイド層31A、p−GaNガイド層51Aなどには、希土類元素が添加されることが一切ない。このため、希土類元素のインプランテーションによって結晶構造が乱れるなどの不具合がレーザダイオード部2Aに生じるおそれがない。このようなレーザダイオード部2Aは、電子および正孔を効率よく注入および再結合させることに適しているとともに、その屈折率が不当に乱れてしまうことがない。したがって、レーザダイオード部2Aから効率よく安定してレーザ光を出射することが可能である。
互いにモノシリックデバイスとして構成されたレーザダイオード部2Aと波長変換部2Bとは、それぞれを構成する層の厚さ方向寸法や位置が完全に揃っている。このため、レーザダイオード部2Aから出射されたレーザ光を波長変換部2Bへと適切に入射させることが可能である。また、レーザダイオード部2Aのリッジストライプ52Aaと波長変換部2Bのリッジストライプ52Baとは、もともと一体のものとして形成されていたため、互いの断面形状や伸びる方向が一致している。このような構成は、レーザダイオード部2Aおよび波長変換部2Bにおけるレーザ光の高出力化を図るのに好適である。
希土類元素が添加されたn−AlGaNクラッド層32Bおよびp−AlGaNクラッド層52Bは、Alを含有しているため希土類元素のインプランテーションによる不具合を生じにくい。このため、波長変換部2Bは、その屈折率が不当にばらつくといったことがなく、レーザダイオード部2Aからのレーザ光に対して適切に波長変換を施すとともに、その出力をさらに高めることが可能である。
図10は、本発明に係る半導体発光素子の第2実施形態を示している。なお、本図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。本実施形態の半導体発光素子A2は、サブマウント基板11を備える点、および波長変換部2Bの構成が、上述した実施形態と異なっている。
本実施形態においては、レーザダイオード部2Aおよび波長変換部2Bが、サブマウント基板11に搭載されている。サブマウント基板11は、たとえばCuまたはAlNなどの比較的熱伝導率が高い材質によって形成されている。たとえば、レーザダイオード部2Aを図5〜図8に示した工程と類似の工程によって作成した後に、p−GaNコンタクト層53Aをサブマウント基板11に形成されたp側電極72に対して接合する。そして、レーザダイオード部2Aを成長させるのに用いた基板1を剥離することにより、サブマウント基板11へのレーザダイオード部2Aの搭載が完了する。
波長変換部2Bは、上述した第1実施形態と同様にレーザダイオード部2Aと並べられている。本実施形態においては、波長変換部2Bは、単一のAlGaN層21と1対の誘電体膜8Bとによって構成されている。AlGaN層21には、その全体にたとえばPr,Er,Tbなどの希土類元素がインプランテーションの手法などによって添加されている。なお、波長変換部2Bを構成する単一のAlGaN層21に変えて、III族窒化物半導体からなる複数の層を積層させた積層体を採用してもよい。
本実施形態によっても、レーザダイオード部2Aにおいて希土類元素のインプランテーションによる不具合が生じることを防止することができる。さらに、サブマウント基板11によってレーザダイオード部2Aに生じた熱の放散を促進することが可能である。これは、半導体発光素子A2の高出力化を図るのに適している。波長変換部2Bは、その全体にわたって希土類元素が添加されている。したがって、レーザ光の波長変換をさらに効率よく行うことができる。
本発明に係る半導体発光素子は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る半導体発光素子の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
本発明に係る半導体発光素子の第1実施形態を示す斜視図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 図1のIV−IV線に沿う断面図である。 図1に示す半導体発光素子の製造方法の一例において、半導体積層体を形成する工程を示す斜視図である。 図1に示す半導体発光素子の製造方法の一例において、リッジストライプを形成する工程を示す斜視図である。 図1に示す半導体発光素子の製造方法の一例において、絶縁層を形成する工程を示す斜視図である。 図1に示す半導体発光素子の製造方法の一例において、半導体積層体をレーザダイオード部と波長変換部とに分割する工程を示す斜視図である。 図1に示す半導体発光素子の製造方法の一例において、希土類元素をインプランテーションする工程を示す斜視図である。 本発明に係る半導体発光素子の第2実施形態を示す斜視図である。 従来の半導体発光素子の一例を示す断面図である。
符号の説明
A1,A2 半導体発光素子
1 基板
2 半導体積層体
2A レーザダイオード部
2B 波長変換部
3A,3B n型半導体層
4A,4B 活性層
5A,5B p型半導体層
6A,6B 絶縁層
8A,8B 誘電体膜
11 サブマウント基板
31A,31B n−GaNガイド層
32A,32B n−AlGaNクラッド層
33A,33B n−GaNバッファ層
51A,51B p−GaNガイド層
52A,52B p−AlGaNクラッド層
52Aa,52Ba リッジストライプ
53A,53B p−GaNコンタクト層
71 n側電極
72 p側電極

Claims (7)

  1. III族窒化物半導体からなるn型半導体層、活性層、およびp型半導体層を含んでおり、上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層の積層方向に対して垂直である方向に上記活性層から光が出射されるレーザダイオード部を備える半導体発光素子であって、
    上記レーザダイオード部に対してその光出射方向に配置されており、少なくともその一部に希土類元素が添加されたIII族窒化物半導体からなる波長変換部をさらに備えていることを特徴とする、半導体発光素子。
  2. 上記波長変換部は、上記レーザダイオード部の上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層のそれぞれと同じ厚さとされた3つの半導体層を含んでおり、
    上記レーザダイオード部と上記波長変換部とは、同一の基板上に積層成長されている、請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 上記レーザダイオード部と上記波長変換部とは、同一のサブマウント基板に搭載されている、請求項1に記載の半導体発光素子。
  4. 上記波長変換部のうち希土類元素が添加された部分は、Alを含有する部分を含んでいる、請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体発光素子。
  5. III族窒化物半導体からなるn型半導体層、活性層、およびp型半導体層を含んでおり、上記n型半導体層、上記活性層、および上記p型半導体層の積層方向に対して垂直である方向に上記活性層から光が出射されるレーザダイオード部を備える半導体発光素子の製造方法であって、
    基板上にIII族窒化物半導体からなるn型半導体層、活性層、およびp型半導体層を含む半導体積層体を形成する工程と、
    上記半導体積層体を分割することにより、上記レーザダイオード部と上記レーザダイオード部に対してその光出射方向に位置する波長変換部とを形成する工程と、を有することを特徴とする、半導体発光素子の製造方法。
  6. 上記半導体積層体を分割した後に、上記波長変換部とする部分に希土類元素をインプランテーションによって添加する工程を有する、請求項5に記載の半導体発光素子の製造方法。
  7. 上記半導体積層体の少なくとも一部はAlを含有しており、
    上記希土類元素を添加する工程においては、上記希土類元素を添加する領域が上記Alを含有する部分の少なくとも一部を含むようにインプランテーションを行う、請求項6に記載の半導体発光素子の製造方法。
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