JP3734387B2 - フィラーレンズ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、LCD、EL、FED等のディスプレイに好適に用いられ、特に、これらディスプレイの輝度ムラ防止、コントラスト向上、広視野角化に優れた効果を発揮するフィラーレンズ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LCD、EL、FED等のディスプレイは、近年開発が目覚ましい。特に、LCDは、ノートパソコン、携帯端末等あらゆる分野に普及しており、将来への期待も大きい。このLCDは、液晶パネルを照明する光の取り入れ方式により、反射型と透過型とに大別される。反射型は、反射率の高いアルミニウム膜等を貼った反射板を液晶パネルの背面に配し、ディスプレイ表面側から入射する外光を反射板で反射させて液晶パネルを照明し液晶画像を得る。一方、透過型は、液晶パネルの背面に配したバックライトユニットにより液晶パネルを照明する方式である。反射型にあっては、アルミニウムの地色が出てコントラストが悪化することを防ぐために、液晶パネルと反射板との間に光を適度に拡散する媒体を介装して背景色をペーパーホワイト色に近づけることが行われている。また、透過型におけるバックライトユニットは、一般に、冷陰極管を備えたアクリル導光板等の光源と、この光源の光を拡散する光拡散板とを備え、均一な面状の光が液晶パネルを照明する構成となっている。
【0003】
このように、反射型、透過型のいずれの方式にあっても、概ね光拡散性の媒体(以下光拡散体と記す)は用いられている。この光拡散体としては、例えば、透明樹脂フィルムの片面に、光拡散性のフィラーが分散された結着樹脂を積層したものが挙げられる。このような従来の光拡散体は、結着樹脂に溶剤を混合した溶液中にフィラーを分散させて塗料とし、この塗料をスプレーやコーターでフィルム上に塗工するといった方法で製造されていた。図1は、そのような製造方法で得られる光拡散体を模式的に示しており、この光拡散体は、基体であるフィルム1上に、結着樹脂2中にフィラー3が分散した光拡散層が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図1に示した従来の光拡散体は、光拡散性は有していたがフィラー3側からの入射光に対して透過性が低いという問題を有していた。この理由としては、フィラー3が結着層2中に完全に埋め込まれ、更に、フィラー3が厚さ方向に重なり複層の状態になっている構成から、拡散した光が互いに打ち消し合う結果となり、透過率が減衰(光エネルギーが損失)するからである。
【0005】
そこで、本発明者らは、フィラーを結着層の表層に一部が突出するよう単層に埋め込み、突出したフィラーが微細なレンズとなるような構成であれば、光透過性が高く、且つ光拡散性も高い光拡散体を得ることができるのではないかと考え、次のような製造方法を試みた。それは、まずフィルム上に結着層を形成し、次いで結着層にフィラーを付着させ、その後、加圧ローラを用いて、該フィラーを結着層に埋め込むというものである。この方法は、加圧ローラの圧力バランスが重要であり、フィルム厚のバラツキや、加圧ローラのしなり等で両端部と中央部に圧力差が生じ、フィラーの埋め込み深さに差が出ることが判った。これは、特に大きな面積で処理する場合に顕著であった。また、個数平均粒子径が10μm以下のフィラーを埋め込む場合は、加圧ローラから個々のフィラーに伝わる圧力が分散し圧力不足となるため、フィラーを十分に結着層に埋め込むことができないという問題を有していた。更に、この製造方法ではフィラーの充填密度が低く不均一であり、部分的に光拡散性あるいは光透過性が異なる光拡散体となり、実用上使用できるものではなかった。
【0006】
また、図2に示すように、フィルム1上に結着樹脂からなる結着層2が形成され、この結着層2に埋め込まれたフィラー3が一部露出した構成の光拡散体も提案されている。しかしながら、このような光拡散体は、フィラー3側からの光透過性は高いがフィルム1側からの光透過性が低いという問題を有していた。
【0007】
したがって本発明は、フィルム側とフィラー側の両方向からの入射光に対して、十分な光拡散性が発現され、従来の光拡散体に比べて光透過性に優れたフィラーレンズ及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のフィラーレンズは、基体と、この基体上に、直接または他の層を介して積層された結着層と、この結着層の表層に、当該結着層の表面から一部が突出する状態で埋め込まれた多数のフィラーからなるフィラー層とを備えたフィラーレンズにおいて、上記フィラー層は、フィラーが加圧媒体により単層で埋め込まれ形成されたものであり、上記フィラーは、個数平均粒子径が2〜10μmであり、粒子径分布が0.8〜1.0であり、真円度が80%以上の球であり、上記結着層に、その直径の30〜90%埋め込まれており、結着層の表面から突出した部分には結着層用樹脂が付着しておらず、フィラーレンズの厚さ方向断面において、上記フィラーの周縁部に、同フィラーの外周に密着して裾野を形成する結着層の盛り上がり部分を設けたことを特徴としている。
【0009】
本発明のフィラー層は、フィラーの周縁部に結着層の盛り上がり部分を設けているため光透過性に優れている。本発明者はフィラーレンズの光学的特性をより向上させるために、結着層の表面のフィラーとの境界部の形状に着目した。すなわち、本発明者が当初開発したフィラーレンズは、図2に示すようにフィラー3の周縁部の結着層が平面であった。本発明者は、特定の製造方法で製造することにより、図3に示すように、フィラー3の周縁の結着層2に盛り上がり部分2aを有するものを開発した。これらフィラーレンズの光学特性を調査したところ、図3に示すものは図2に示すものと比較してフィルム1側からの入射光に対する光透過性が格段に向上することを見出し、上記した本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明のフィラー層は、フィラーによる光拡散性と光透過性とを十分に得ることができる点で、結着層の表層に、単層で、且つフィラーの一部が結着層の表面から突出するように埋め込まれている構成である。更に、一個一個のフィラーが、面方向に高密度で均一に配置されていることが好ましい。そして、液晶ディスプレイ等に使用される場合は、フィラーの個数平均粒子径は2〜10μmが好適であり、その粒子径分布は狭いことが好ましい。粒子径分布が狭いほど、加圧媒体からの衝撃力が均一にフィラーに伝わるため、フィラーの結着層へ埋め込まれる深さが均一になりやすく、また、面方向のフィラーの充填密度も均一になり易い。
【0011】
なお、本明細書では、個数平均粒子径は下記一般式(2)で、また、粒子径分布は下記一般式(1)で定義される。
粒子径分布=個数平均粒子径/体積平均粒子径 ・・・ (1)
・個数平均粒子径=無作為に抽出した100個のフィラーの直径を測定した平均値…(2)
・体積平均粒子径=フィラーを真球とみなし無作為に抽出した100個のフィラーの直径から合計体積を算出し、小さい体積の粒子から累積していき、その累積体積が合計体積の50%となった粒子の直径
【0012】
また、良好なレンズ効果を引き出すには、フィラーは球状であることが望ましく、その真円度は、80%以上、より好ましくは90%以上が良い。このとき球状フィラーは、埋め込まれる深さのばらつきが生じ難いというメリットもある。フィラーの埋め込み深さは、結着層からのフィラーの剥離が抑えられ、且つ結着層の表面から突出して確実に光拡散性が発現され得るために、結着層に、直径の30〜90%、好ましくは40〜90%、より好ましくは50〜80%埋め込まれていることが望ましい。
【0013】
なお、本明細書では、「真円度」とは下記一般式(3)で定義される。
真円度(%)=(4πA/B2)×100…(3)
A:フィラーの投影面積
B:フィラーの周囲長
この真円度は、例えばフィラーを透過型電子顕微鏡で撮影して投影像を得、それを画像解析装置(例えば日本アビオニクス社製、商品名:EXECLII)を用いて画像解析することにより得た上記A、Bから算出することができる。
上式から明らかなように、真円度はフィラーが真球に近づけば100%に近くなり、不定形の場合はそれより小さな値となる。
【0014】
また、本発明のフィラーレンズは、フィラー層を構成するフィラーの屈折率が1.42〜1.55であることが好ましい。
【0015】
次に、本発明のフィラーレンズの製造方法は、上記構成のフィラーレンズを製造するにあたって好適な製造方法であり、
▲1▼基体上に、直接または他の層を介して結着層を積層する工程、
▲2▼フィラーを加圧媒体によって結着層に埋め込む工程、
▲3▼前記工程で得た積層体に付着した余剰フィラーを除去する工程、
▲4▼前記積層体の結着層を軟化させる工程、
を具備していることを特徴とする。
本発明の製造方法では、▲2▼のフィラーを加圧媒体によって結着層に埋め込む工程の前に、フィラーを結着層上に付着させる工程を行うことにより、フィラーの抜け等外観上の欠点が減少し、フィラーの埋め込みが確実に行えることから好ましい。また、工程▲3▼と▲4▼の順番は入れ替えることも可能である。そして、積層体の結着層を軟化させる工程を行うことによって、フィラーの周縁部に結着層の盛り上がり部分を設けることができる。
【0016】
フィラーを結着層に埋め込む具体的方法としては、加圧媒体を粒状物とし、この加圧媒体を振動させることにより、加圧媒体がフィラーを打撃して結着層に埋め込むといった形態が挙げられる。この方法によれば、加圧媒体が微小面積をくまなく均一な力で打撃することによりフィラーの埋め込み深さが均一化される等の利点を有する。また、このとき加圧媒体100重量部にフィラ−を0.5〜2.0重量部程度混合した混合加圧媒体を用いることにより、結着層上に付着したフィラ−の隙間に他のフィラ−を押し込むことができるので、フィラ−の充填密度を高く均一にすることができるので好ましい。
【0017】
また、本発明のフィラーレンズを製造するにあたっては、上記フィラ−層の結着層を軟化させる工程を行うこと以外に、結着層を形成する樹脂として分子量が小さいものや、架橋密度の低いものを選択することによってもフィラーの周縁部に結着層の盛り上がり部分を設けることができるが、このような結着層を用いた場合はフィラー層の耐スクラッチ性等の機械的強度が低下すると同時に、高温高湿環境下に放置した場合等に粘着層のハジキや剥がれが発生し易くなる。
【0018】
図4は、上記製造方法によって得られる本発明のフィラーレンズの一例を模式的に示した断面図である。このフィラーレンズLは、フィルム1上に結着層2が直接積層され、この結着層2の表層に、多数のフィラー3が、単層で、且つ結着層2の表面から一部突出する状態で、更に、面方向で高密度になるように埋め込まれることにより、フィラー層3Aが形成されている。そして、フィラー3の周辺部には結着層2の盛り上がり部分2aが形成されている。
【0019】
A.材料の具体例
次に、本発明のフィラーレンズに用いて好適な材料を示す。
(1)基体
本発明の基体としては、公知の透明なフィルムを使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等からなる各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。本発明の基体は、このようなフィルムに限定されず、上記樹脂からなる硬質板や、樹脂板以外にも石英ガラス、ソーダガラス等ガラス材料からなるシート状部材も用いることができる。
【0020】
基体としては光が透過されるものであれば非透明状物のものでもかまわないが、液晶ディスプレイに用いる場合等は屈折率の適合上、屈折率(JIS K−7142)が1.45〜1.55の範囲にある透明基体が望ましい。具体例には、トリアセチルセルロース(TAC)やポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂フィルム等をあげることができる。これら透明基体の透明性は高いもの程良好であるが、光線透過率(JIS C−6714)としては85%以上、より好ましくは90%以上のもの、ヘイズ( JIS K7105)としては3.0以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.5以下のものである。また、その透明基体を小型軽量の液晶ディスプレイに用いる場合には、透明基体はフィルムであることがより好ましい。透明基材の厚さに関しては、軽量化の観点から薄いほうが望ましいが、その生産性を考慮すると、1μm〜5mmの範囲のものを使用することが好適である。
また、基体としては、片面に集光性または拡散性を有するレンズが形成されたフィルムでもよい。この基体では、集光性または拡散性を有するレンズが形成された面の反対面に、直接または他の層を介して結着層を形成し、この結着層の表層にフィラー層を形成すればよい。
【0021】
(2)結着層
本発明の結着層は、例えば、粘着剤を上記基体上にコーティングして得られる粘着剤層が好適である。その粘着剤としてはポリウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂製粘着剤を挙げることができる。これらは、単独もしくは2種以上を混合して使用してもよい。特に、アクリル系樹脂は、耐水性、耐熱性、耐光性等に優れ、粘着力、透明性がよく、更に、液晶ディスプレイに用いる場合には屈折率をそれに適合するように調整しやすい等の点から好ましい。
【0022】
アクリル系粘着剤としては、アクリル酸及びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステル、アクリルアミド、アクリルニトリル等のアクリルモノマーの単独重合体もしくはこれらの共重合体、更に、前記アクリルモノマーの少なくとも1種と、酢酸ビニル、無水マレイン酸、スチレン等の芳香族ビニルモノマーとの共重合体を挙げることができる。特に、粘着性を発現するエチレンアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の主モノマー、凝集力成分となる酢酸ビニル、アクリルニトリル、アクリルアミド、スチレン、メタクリレート、メチルアクリレート等のモノマー、更に粘着力向上や、架橋化起点を付与するメタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸等の官能基含有モノマーからなる共重合体で、Tg(ガラス転移点)が−60〜−15℃の範囲にあり、重量平均分子量が20万〜130万の範囲にあるものが好ましい。Tgが−60℃以下の結着層や重量平均分子量が20万以下の結着層では柔らかすぎて、一度付着したフィラーが加圧媒体の衝撃力により剥がされることによりフィラー抜け等の欠陥が発生し易くなる。また、一度剥がされたフィラーには結着剤が付着しており、そのフィラーが再度フィラー層上に付着してしまうこともある。更に、柔らかい結着層では、加圧媒体の衝撃によりフィラーが結着層上で縦方向に回転することにより粘着剤が付着したフィラーの部位がフィラー層の表面に現れ、そこに他のフィラーが付着したり、結着剤がフィラーの間から加圧媒体の衝撃力や毛細管現象により染みあがり、そこに他のフィラーが付着することがある。このような現象により、柔らかい結着層ではフィラー層が複層になり易く光透過性が低くなるので好ましくない。更に、柔らかい結着層ではフィラー層の耐スクラッチ性等の機械的強度も低下する。一方、Tgが−15℃以上の結着層や、重量平均分子量が130万以上の結着層では、フィラーの結着層への付着力が低下し、洗浄工程時等にフィラーが脱落しやすくなるので好ましくない。
【0023】
そして、結着剤には、硬化剤として、例えば金属キレート系、イソシアネート系、エポキシ系等の架橋剤が必要に応じて1種あるいは2種以上混合されて用いられる。前述のような結着剤の粘着力は、100g/25mm 以上になるよう配合されると実用上好ましい。粘着力が100g/25mm未満ではフィラーの脱離が起きたり、耐環境性が悪くなったりする。特に、高温高湿下では、結着層が透明基体から剥離したりするおそれがある。
【0024】
(3)フィラー
本発明のフィラーとしては、シリカ、ガラス、アルミナ等の無機フィラーや、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、テフロン等の有機フィラーを使用することができるが、光透過性及び結着層との密着性の面で有機フィラーが好ましく、更に耐光性の面でアクリルビーズ、シリコーンビーズが特に好ましい。シリカやガラス等の無機フィラーでは結着層との密着性が悪いため、フィラー埋め込み工程や洗浄工程でフィラーが脱落しフィラー抜けが発生し易いため好ましくない。そして、フィラーは、前述したように球状であることが好ましく、その個数平均粒子径は、1〜50μm程度のものを使用することができるが、液晶ディスプレイ等に用いる場合は2〜10μmであればより好ましい。この場合、フィラ−の粒子径が2μmよりも小さい場合には拡散された光どうしが干渉して虹色を呈するため色のコントラストが低下してしまうので好ましくない。そして、10μmよりも大きいフィラーの場合は液晶画像のエッジ部がぼやけてしまうため好ましくない。更に、良好且つ均一な光拡散性及び光透過性を得るには、粒径分布は0.8〜1.0の範囲が好ましく、単分散時(粒子径分布が1.0の時)に、最も良い効果が得られる。そして、フィラーの屈折率は1.42〜1.55の範囲にある場合、高い光透過性を得ることができるので好ましい。
【0025】
(4)他の層
他の層として、光の屈折率や透過性を調整するための調整層、または基体と結着層とを強固に接着させるための接着層等を設けてもよい。
【0026】
B.製造方法の具体例
次に、本発明のフィラーレンズの製造方法の具体例を示す。
「工程1:結着層の積層」
上記基体の片面または両面に、直接あるいは他の層を介して、上記粘着剤を、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングやフレキソ印刷等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印刷、オフセットグラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等の平版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等の手段により塗布し、結着層として積層させる。特に、ロールコーターを使用するコーティングが、均一な層厚が得られることから好ましい。結着層の厚さは、埋め込むフィラーの個数平均粒子径の0.5〜1.5倍程度が好ましい。
【0027】
[工程2:結着層へのフィラーの付着]
そして、先ず基体上の結着層の表面にフィラーを付着させることが望ましい。その方法としては、例えば、容器内に充填したフィラーを振動もしくは流動化エアーにより流動化させ、そのフィラー中に基体をくぐらせたり、スプレーによりフィラーを結着層に吹き付けたりする方法が挙げられる。結着層の表面にフィラーを付着させることにより、フィラー抜け等の欠点が少なくなると同時に、後の加圧媒体によりフィラーを結着層に埋め込む工程において加圧媒体が結着層に付着することを防止することもできる。そして、ここではフィラーが結着層の表面に、結着層の粘着力によって単に付着していればよい。
【0028】
「工程3:結着層へのフィラーの埋め込み」
結着層の表面に付着させたフィラーを、加圧媒体の衝撃力により結着層に埋め込む。その方法としては、適当な容器に加圧媒体を投入し、容器ごと加圧媒体を振動させ、この中に、フィラーが結着層の表面に付着した状態の基体を投入するか、あるいはくぐらせることによりフィラーに衝撃力を与える。すると、フィラーは加圧媒体により打撃され、結着層の表層に埋め込まれる。加圧媒体は小面積でフィラーに均一に打撃を与えることができるので、フィラーを均一な埋め込み深さで結着層に埋め込むことができる特徴がある。この時、加圧媒体100重量部に対して0.5〜2.0重量部程度のフィラーを予め混合した混合加圧媒体を用いると、前工程で結着層の表面に付着したフィラーの間隙に他のフィラーを加圧媒体の衝撃力により押し込むことが可能なため、フィラーの充填密度をより高く均一にすることができるので好適である。このような方法により、フィラーは、埋め込み深さが均一な状態で結着層の一部から突出し、且つ全体に高密度に均一に埋め込まれ、結着層中において積層せず単層の状態のフィラー層として形成される。
【0029】
なお、フィラーを埋め込むために与える外力としては、振動の他に、回転、落下等を採用してもよい。回転の場合には、回転容器や、内側に撹拌羽を有する容器等が用いられる。また、外力として落下を採用する場合には、Vブレンダー、タンブラー等が用いられる。
【0030】
ここで、フィラーの埋め込みに用いる加圧媒体を例示する。
加圧媒体は、上記のように振動等によりフィラーを打撃して結着層に埋め込む作用をなす粒状物であり、鉄、炭素鋼、合金鋼、銅及び銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、その他の各種金属、合金からなるもの、あるいは、Al2O3、SiO2、TiO2、ZrO2 、SiC等のセラミックスからなるもの、更には、ガラス、硬質プラスチックス等からなるものが用いられる。また、十分な打撃力を粉体に与えることができるのであれば、硬質のゴムを用いてもよい。いずれにしろ、加圧媒体の材質はフィラーの材質等に応じて適宜選択される。また、その形状は、フィラーに対する加圧力が均一になるように真球に近いものが好ましく、且つ全体の粒子分布がなるべく狭い方が好ましい。加圧媒体の粒子径としては、フィラーの材質やフィラーの埋め込み深さに応じて適宜選択されるが、概ね0.3〜2.0mm程度が好適である。
【0031】
「工程4:余剰フィラーの除去」
結着層へのフィラーの埋め込み工程の後は、余剰フィラーを除去する。余剰フィラーとは、例えば、結着層へ不完全に埋め込まれていたり、埋め込まれたフィラー上に静電気力やファンデルワールス力等の粒子間力によって付着しているだけのフィラー等を言い、このような余剰フィラーを、水洗浄やエアーブロー等による流体圧をフィラー層に与えることにより除去することができる。この時、フィラーの個数平均粒子径が2〜10μmの場合には、流体圧による除去のみでは不完全となり易いので、界面活性剤等が添加されたイオン交換水等を用いて超音波洗浄等を行うことが好ましい。
【0032】
「工程5:積層体の結着層の軟化」
次に積層体の結着層を軟化させる。軟化させる手段としては、結着層に熱又は湿気を与える方法が挙げられる。結着層を軟化させるためには、結着層を構成する粘着剤や硬化剤の種類にもよるが、例えば、温度:30℃〜80℃、湿度:60%RH〜95%RHに設定した恒温恒湿槽内に積層体を形成した基体を6時間〜2週間程度放置することにより得られる。もちろん、熱のみにより軟化させても良いし、熱と湿気とを併用しても良い。
更に、30℃〜80℃に設定された環境下、例えば熱風や赤外線ヒーター等に積層体を形成した基体をさらしたり、電子線等を照射することによっても結着層を軟化させることができる。結着層を軟化させることにより、フィラー周辺部に結着樹脂による盛り上がり部分が形成され、特に、フィルム面からの光透過性が格段に向上する。
【0033】
【実施例】
次に、本発明をより具体化した実施例を説明する。
・製造例
<アクリルポリマーaの重合例>
温度計、攪拌機、還流冷却管、窒素導入管を備えたフラスコ中にn−ブチルアクリレート94重量部、アクリル酸3重量部、2−ヒドロキシアクリレート1重量部、過酸化ベンゾイル0.3重量部、酢酸エチル40重量部、トルエン60重量部を加え、ついで窒素導入管から窒素を導入してフラスコ内を窒素雰囲気とした後、65℃に加温して10時間重合反応を行い、重量平均分子量約100万、Tg約−50℃のアクリルポリマー溶液を得た。このアクリルポリマー溶液に固形分が20重量%となるように酢酸エチルを加え、アクリルポリマーaを得た。
【0034】
[実施例1]
透明基体として、厚さ80μmのトリアセチルセルロース(商品名:富士タックUVD80、富士写真フィルム社製、屈折率1.49)を用いた。このフィルムの片面上に、アクリルポリマーaの100重量部に対しイソシアネート系硬化剤(商品名:L−45、総研化学社製)を0.5重量部と、エポキシ系硬化剤(商品名:E−5XM 綜研化学社製)0.2重量部とを添加した結着剤を、乾燥後の厚さが5μmになるようにリバースコーターで塗工、100℃で2分間乾燥して結着層を形成し、このフィルムをA5版の大きさに切断した。
【0035】
フィラーとして、個数平均粒子径が4.5μmで粒子径分布が0.94、屈折率1.43、真円度96%のメチルシリコーンからなるフィラー(商品名:トスパール145、GE東芝シリコーン社製)を用い、このフィラーを、底部からエアーを噴出する多孔板容器に投入した。その後、この容器を振動させ、振動と噴出エアーの相乗効果によって、フィラーを流動化させる。流動化状態のフィラー中に結着層を表面に形成した上記フィルムを適宜時間をかけてくぐらせ、結着層の表面にフィラーを付着させた。
【0036】
次いで、図5に示す加振装置により、結着層の表層にフィラーを埋め込んだ。この加振装置は、加振機構V上にセットされた容器C内に、加圧媒体、フィラー及び上記フィルムが投入され、これら投入物を、加振機構Vで容器Cごと振動させることにより、フィルム上の結着層にフィラーを埋め込むものの一例である。
【0037】
容器Cは、硬質合成樹脂あるいは金属等の硬質材からなるもので、上部に開口部c1を有する碗状に形成されており、その底部c2の中央部には、上方に膨出して開口部c1と同程度の高さに達する柱状部c3が突設されている。一方、加振機構Vは、機台F上にコイルスプリングf1、f2を介して振動板f3が取り付けられ、振動板f3の上面中央部に上方に延びる垂直軸f4が突設され、振動板f3の下面中央部にモータf5が固定され、このモータf5の出力軸f6に重錘f7が偏心して取り付けられた構成となっている。容器Cは、振動板f3に置かれた状態で、柱状部c3の上端が垂直軸f4の上端に固定されることによりセットされ、モータf5が駆動されて重錘f7が回転すると加振されるようになっている。
【0038】
この加振装置の容器C内に、加圧媒体として粒子径が0.5mmの真球状ジルコニア球を3kgを投入し、更に、上記シリコーン系フィラーを30g投入して両者を混合した。次に、加振装置を、容器Cが図5に示す状態から約45度傾く状態に保持して容器Cを振動させながら、上記フィルムを、フィラーが付着された結着層側を上方に向くようにして容器Cの底を30cm/分の速度で移動させることにより加圧媒体中をくぐらせた。これによって、フィラーは振動する加圧媒体に打撃されて結着層の表層に一部が突出した状態で埋め込まれ、フィラー層が形成される。
【0039】
次に、界面活性剤(商品名:リポノックス NC−95 ライオン社製)をイオン交換水100重量部に対して0.1重量部添加した水溶液を用いて、フィラー層に水圧シャワーをかけてフィラー層を洗浄し余剰フィラーを除去した後、イオン交換水で十分に濯いだ。その後、エアーブローにより全体を十分に乾燥させた。
【0040】
次に、上記結着層の表層に埋め込まれたフィラー層を有する積層体が形成されたフィルムを、60℃に設定された恒温槽中に2日間放置して結着層を軟化させ結着層とフィラーとを馴染ませることにより、フィラーの周辺部に結着層の盛り上がり部分を形成した。その後、恒温槽から取り出して自然冷却し、実施例1のフィラーレンズを得た。
【0041】
[実施例2]
実施例1と同様のフィルムの片面上に、実施例1と同様の結着剤を、乾燥後の厚さが5μmになるようにリバースコーターで塗工、100℃で2分間乾燥した後に、剥離PETフィルム(商品名:3811 リンテック社製)をラミネートし、40℃の恒温槽中に1週間放置してから剥離PETフィルムを剥がし、結着層を形成した。この後、このフィルムをA5版の大きさに切断した。
実施例1と同様のフィラーを用いて、フィラーを付着させる工程及び加圧媒体によって結着層にフィラーを埋め込む工程までは実施例1と同様に行った。次に実施例1と同様の洗浄水溶液中に該積層体を投入し、超音波を与えることにより余剰フィラーを除去した後、イオン交換水を用いて十分に濯ぎを行い、エアーブローにより全体を乾燥させた。
次に、上記結着層の表層に埋め込まれたフィラー層を有する積層体が形成されたフィルムを、40℃及び90%RHに設定された恒温恒湿槽に3日間放置して結着層を軟化させ、その後、恒温恒湿槽から取り出して自然冷却し実施例2のフィラーレンズを得た。
【0042】
[比較例1]
実施例2の結着層を軟化させる工程を除いた以外は同様にして、比較例1のフィラーレンズを得た。
【0043】
・フィラー層の観察
実施例1、2及び比較例1のフィラーレンズの平面及び断面を、電子顕微鏡(5000倍)によって観察した。図6は実施例1のフィラーレンズの平面、図7は実施例1のフィラーレンズの断面、図8は実施例2のフィラーレンズの平面、図9は実施例2のフィラーレンズの断面を撮影した顕微鏡写真である。また、図10は比較例1のフィラーレンズの平面、図11は比較例1のフィラーレンズの断面を撮影した顕微鏡写真である。
【0044】
図6〜図9からわかるように、実施例1、2のフィラーレンズでは、フィラーの周縁部に結着層の盛り上がり部分を有し、フィラーが均一な単層で、且つ一部が突出しており、図4に示すような構成であった。また、図10及び図11からわかるように、比較例1のフィラーレンズのフィラー周縁部には結着層の盛り上がり部分がなく、図2に示すような構成であった。
【0045】
・光学特性試験
上記実施例1、2及び比較例1のフィラーレンズについて、図12(a)に示すように光をフィルム1側から入射させた場合と図12(b)に示すように光をフィラー3側から入射させた場合の全光線透過率:Tt(%)とヘイズ(全光線拡散率):Hz(%)を島津製作所製の分光光度計UV3100を用いて測定した。なお、図12は、本発明のフィラーレンズLを図示している。上記の測定結果を、表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1によれば、フィルム側から入射した場合の全光線透過率は実施例1、2のフィラーレンズは約91〜92%であるのに対して、比較例1のフィラーレンズでは約75%であった。すなわち、実施例1、2のフィラーレンズのフィルム側からの入射光に対する光透過性は比較例1のフィラーレンズよりも16〜17%も高いことが確認された。そして、ヘイズに関しては実施例1、2及び比較例1のフィラーレンズは約78〜81%であり十分な光拡散性を有していた。一方、フィラー側からの入射光に対しては、実施例1、2及び比較例1のフィラーレンズは、全光線透過率は約96〜97%であり非常に高い光透過性を有していた。また、ヘイズも約79〜81%であり、十分な光拡散性を有していた。
【0048】
すなわち、実施例1、2のフィラーレンズはフィラー側の入射光に対しては従来品と同等の光拡散性と光透過性を有している。そして、フィルム側からの入射光に対しては十分な光拡散性を所持しつつ、従来品より約16〜17%も透過性に優れていることが確認された。TACフィルム自体の全光線透過率が約92%でヘイズが約0.2%程度であることから、本発明のフィラーレンズは両方向からの入射光に対して、十分な光拡散性を持ちながら光透過性のロスがほとんどないことが確認された。
【0049】
以上のことから、例えば、本発明のフィラーレンズを反射型液晶ディスプレイに用いた場合は、効率よく光を取り入れ、且つ、効率良く光を拡散させることが可能である。例えば、図13に示すように、本発明のフィラーレンズLを、両面に偏光板10が設けられた液晶セル11と反射板12との間に挿入したり、図14に示すように、2枚のフィラーレンズLのフィルム1どうしを粘着層13を介して貼り合せ、光拡散体として用いることもできる。この場合、1枚のフィラーレンズLの代わりに他の光拡散体と貼り合せて用いることもできる。更に、図15に示すように、フィラーレンズLのフィルム1にアルミ蒸着層14を形成し、拡散反射板として使用することも可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基体上に積層された結着層の表層に、当該結着層の表面から一部が突出する状態で、且つフィラーの周縁部に結着層の盛り上がり部分を有するフィラー層が埋め込まれた構成であることから、従来のフィラーレンズと同等の光拡散性能を有しつつ、従来のフィラーレンズよりもフィルム側からの入射光に対して高い光透過性を有するフィラーレンズを得ることができる。したがって、本発明のフィラーレンズをLCD、EL、FED等のディスプレイに用いると入射光の減衰が少ないため、広視野角、高輝度、高コントラストを兼ね備えた液晶ディスプレイの設計が可能となり、工業的に極めて優れた作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のフィラーレンズの一例を模式的に示す断面図である。
【図2】 従来のフィラーレンズの他の例を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明のフィラーレンズの一例を模式的に示す断面図である。
【図4】 本発明のフィラーレンズの一例の全体構成を模式的に示す断面図である。
【図5】 本発明のフィラーレンズを製造するにあたって好適な加振装置の正面断面図である。
【図6】 本発明の実施例1のフィラーレンズの平面を5000倍で示す顕微鏡写真である。
【図7】 本発明の実施例1のフィラーレンズの断面を5000倍で示す顕微鏡写真である。
【図8】 本発明の実施例2のフィラーレンズの平面を5000倍で示す顕微鏡写真である。
【図9】 本発明の実施例2のフィラーレンズの断面を5000倍で示す顕微鏡写真である。
【図10】 本発明の比較例1のフィラーレンズの平面を5000倍で示す顕微鏡写真である。
【図11】 本発明の比較例1のフィラーレンズの断面を5000倍で示す顕微鏡写真である。
【図12】 フィラーレンズに対する入射光の方向を説明するための模式図である。
【図13】 本発明のフィラーレンズの使用方法の一例を模式的に示す断面図である。
【図14】 本発明のフィラーレンズの使用方法の他の例を模式的に示す断面図である。
【図15】 本発明のフィラーレンズの使用方法のさらに他の例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…フィルム(基体)、2…結着層、2a…盛り上がり部分、3…フィラー、3A…フィラー層。
Claims (7)
- 基体と、この基体上に、直接または他の層を介して積層された結着層と、この結着層の表層に、当該結着層の表面から一部が突出する状態で埋め込まれた多数のフィラーからなるフィラー層とを備えたフィラーレンズにおいて、上記フィラー層は、フィラーが加圧媒体により単層で埋め込まれ形成されたものであり、上記フィラーは、個数平均粒子径が2〜10μmであり、粒子径分布が0.8〜1.0であり、真円度が80%以上の球であり、上記結着層に、その直径の30〜90%埋め込まれており、結着層の表面から突出した部分には結着層用樹脂が付着しておらず、フィラーレンズの厚さ方向断面において、上記フィラーの周縁部に、同フィラーの外周に密着して裾野を形成する結着層の盛り上がり部分を設けたことを特徴とするフィラーレンズ。
- 前記フィラーは、有機フィラーであることを特徴とする請求項1に記載のフィラーレンズ
- 基体の全光線透過率が85%以上の透明基体であることを特徴とする請求項1または2に記載のフィラーレンズ。
- 前記フィラーの屈折率が1.42〜1.55であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のフィラーレンズ。
- 基体上に、直接または他の層を介して結着層を積層する工程と、
個数平均粒子径が2〜10μmであり、粒子径分布が0.8〜1.0であり、真円度が80%以上の球であるフィラーを、その直径の30〜90%が結着層の表層に埋め込まれ、結着層の表面から突出した部分には結着層用樹脂が付着されていない、単層のフィラー層を形成するように加圧媒体によって前記結着層に埋め込む工程と、
前記工程で得た積層体に付着した余剰フィラーを除去する工程と、
前記工程で得た積層体の厚さ方向断面に於いて、上記フィラーの周縁部に、同フィラーの外周に密着して裾野を形成する結着層の盛り上がり部分を設けるように、結着層を軟化させる工程と、
を具備することを特徴とするフィラーレンズの製造方法。 - 基体上に、直接または他の層を介して結着層を積層する工程と、
個数平均粒子径が2〜10μmであり、粒子径分布が0.8〜1.0であり、真円度が80%以上の球であるフィラーを前記結着層に付着させる工程と、
前記フィラーを、その直径の30〜90%が結着層の表層に埋め込まれ、結着層の表面から突出した部分には結着層用樹脂が付着されていない、単層のフィラー層を形成するように加圧媒体によって前記結着層に埋め込む工程と、
前記工程で得た積層体に付着した余剰フィラーを除去する工程と、
前記工程で得た積層体の厚さ方向断面に於いて、上記フィラーの周縁部に、同フィラーの外周に密着して裾野を形成する結着層の盛り上がり部分を設けるように、結着層を軟化させる工程と、
を具備することを特徴とするフィラーレンズの製造方法。 - 前記加圧媒体は粒状物であり、この加圧媒体を振動させて前記フィラーを打撃することにより、当該フィラーを前記結着層に埋め込むことを特徴とする請求項5または6に記載のフィラーレンズの製造方法。
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