JP3741415B2 - 光学シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、LCD、EL、FED等のディスプレイに好適に用いられ、特に、これらディスプレイの輝度ムラ防止、コントラスト向上、広視野角化に優れた効果を発揮する光学シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
LCD、EL、FED等のディスプレイは、近年開発が目覚ましい。特に、LCDは、ノートパソコン、携帯端末等あらゆる分野に普及しており、将来への期待も大きい。このLCDは、液晶パネルを照明する光の取り入れ方式により、反射型と透過型とに大別される。反射型は、反射率の高いアルミニウム膜等を貼った反射板を透過・反射型液晶パネルの背面に配し、ディスプレイ表面側から入射する外光を反射板で反射させて液晶パネルを照明し液晶画像を得る。一方、透過型は、液晶パネルの背面に配したバックライトユニットにより液晶パネルを照明する方式である。反射型にあっては、アルミニウムの地色が出てコントラストが悪化することを防ぐために、液晶パネルと反射板との間に光を適度に拡散する媒体を介装して、背景色をペーパーホワイト色に近づけることが行われている。また、透過型にあっては、バックライトユニットを構成するアクリル導光板のパターンが出て視認性が悪化することを防ぐために、液晶パネルとバックライトユニットとの間に光を適度に拡散する媒体を介装して、均一な面状の光が液晶パネルを照明する構成となっている。
【0003】
このように、反射型、透過型のいずれの方式にあっても、概ね光拡散性の媒体(以下光拡散体と記す)が用いられている。この光拡散体としては、結着樹脂中に微粒子を分散させて、層内部で光散乱をさせる内部光拡散体と、樹脂表面を荒らし、凹凸形状として光を拡散させる外部光拡散体、さらに、結着樹脂表面に粒子の一部を突出させて凹凸を作り、内部/外部両方で光を拡散させる内部・外部光拡散体がある。このうち、粒子を樹脂層表面に単層で並べた内部・外部光拡散体は、後方への散乱による透過光の損失が少なく、高透過率、高拡散性となることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の内部・外部光拡散体は高温高湿時、徐々に光学特性が変化するという問題があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、高く均一な光透過性、拡散性が十分発現され、この光学特性を高温高湿条件下においてさえも保持し続ける光学シートを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、光学安定性の向上について鋭意検討を行った結果、高温高湿条件下では、結着剤の流動により球状微粒子が基体方向に沈み込み、これが光学特性を変化させることを見いだした。さらに、結着層の厚さを薄くすることにより結着剤の流動を抑制できることを明らかにした。そこで、本願発明者は、球状微粒子を基体上に直接もしくは非常に薄い結着剤を介して単層に結着させることで、球状微粒子が結着剤中で沈み込む挙動を抑え、光透過性、拡散性が高く、かつ光学特性の安定性も高い光学シートを得ることができた。
【0006】
すなわち本発明の光学シートは、透光性基体と、該透光性基体上に積層された結着層を有し、該結着層上に、内部・外部光拡散体となる、体積平均粒子径が2.6μm〜10.8μmで、粒子径分布の値が0.8〜1.0である球状微粒子が、加圧媒体により、単層で結着層の表面から一部が突出する状態で埋め込まれており、かつ、該球状微粒子の突出部の頂点から透光性基体表面までの距離が該球状微粒子の体積平均粒子径の100〜110%である光学シートであって、該結着層がアクリル系粘着剤層であり、かつ該アクリル系粘着剤層に用いる樹脂のガラス転移点が、−65℃〜−15℃であることを特徴としている。なお、球状微粒子が埋め込まれた結着層の表面には、光拡散性を向上させるような積層を施してもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の光学シートの一例を模式的に示した断面図である。この光学シートLは、透光性基体1上に結着層2が直接積層され、この結着層2の表層に、多数の球状微粒子3が面方向で高密度に厚さ方向に重なることなく単層で結着層表面から一部が突出するように埋め込まれている。
このように球状微粒子が埋め込まれていることにより、球状微粒子による均一な光拡散性と光透過性を十分に得ることができる。なお、ここでいう単層とは、球状微粒子が結着層の厚さ方向で重ならないで球状微粒子が結着層の表面にできるだけ均一に並んで埋め込まれている状態をいう。
【0008】
本発明では、球状微粒子の突出部の頂点から透光性基体の表面までの距離(図1のb)が球状微粒子の体積平均粒子径(図1のa)の100%〜110%でなければならない。かかる距離は、球状微粒子が透光性基体にまで埋め込まれていることはないから球状微粒子の体積平均粒子径のほぼ100%が最低であり、また、110%を超えるものでは、球状微粒子と透光性基体の間に存在する結着層の樹脂が多過ぎて、高温高湿下での光学特性の安定性が低下し、実用上十分な光学特性を得ることができない。
なお、本発明では、「球状微粒子の突出部の頂点から透光性基体表面までの距離」は、図2のd1に該当するものであり次の方法により測定した値である。なお図2において符号2及び3は前記と同様、各々結着層と球状微粒子を意味する。まず、光学シートを液体窒素で凍結させた後に任意の部分で2つに割り、その破断面の断面写真を用いて、該写真から無作為に球状微粒子を5つ抽出する。そして、それぞれの球状微粒子の突出部の頂点T1から透光性基体と結着層との境界線に直交する直線d1を引き、その直線の長さを測定する。この値を平均したものを粒子の突出部の頂点から透光性基体表面までの距離とする。
【0009】
また、球状微粒子の粒子径分布は、狭いほど球状微粒子の結着層への埋め込み深さが均一になることから好ましく、その値が0.8〜1.0が好ましく、より好ましくは0.9〜1.0であることが望ましい。
なお、本発明でいう「粒子径分布」とは下記式で定義されるもので、粒子径分布が単分散になるほど1.0に近くなり、完全な単分散粒子では1.0となるものである。
*粒子径分布=個数平均粒子径/体積平均粒子径
*個数平均粒子径=球状微粒子の顕微鏡写真から無作為に抽出した100個の球状微粒子の直径を測定した平均値
*体積平均粒子径=上記個数平均粒子径の測定で得られた球状微粒子の直径から球状微粒子を真球とみなし個々の球状微粒子の体積を求める。次に、個々の球状微粒子の体積を累積して100個の球状微粒子の合計体積を算出する。その後、100個の球状微粒子の内で最小体積の球状微粒子から最大体積の球状微粒子まで体積の大きさの順に体積を累積していき、その累積体積が上記の合計体積の50%となった時の粒子の直径。なお、球状微粒子が真球でない場合には、その最長径を球状微粒子の直径とする。
【0010】
また、結着層の厚さ(図1のc)は、結着層からの球状微粒子の剥離が抑えられ、かつ結着層の表面から突出して確実に光拡散性が発現され得るために、球状微粒子の直径の10〜90%、好ましくは30〜80%の厚さであることが望ましい。
なお、本発明では、「結着層の厚さ」とは、図3のd2に該当するもので次の方法により測定した値である。なお、図3において符号2及び3は前記と同様、各々結着層と球状微粒子を意味する。測定の方法は、まず前述の光学シートの断面写真から無作為に球状微粒子を5つ抽出する。そして、球状微粒子が結着層2と球状微粒子3が接する点T2から透光性基体と結着層との境界線に直交する直線d2を引き、その直線d2の長さを測定する。これを5つの球状微粒子の突出部の左右それぞれについて測定し、合計10点の平均値を結着層の厚さとする。
【0011】
さらに、本発明においては上記のような球状微粒子の埋め込み形態とするためには、該結着層がアクリル系粘着剤層であり、かつ粘着剤層に用いる樹脂のガラス転移点(以下「Tg」という)が、−65℃〜−15℃である必要がある。Tgが−65℃より低い場合は、結着材(粘着剤)がやわらかすぎるために光学特性の変化を抑えることが困難になり、−15℃より高い場合は結着材(粘着剤)が硬いために球状微粒子を結着層に埋め込みにくくなり、しっかりと保持することができない。なお、本発明におけるTgは動的粘弾性を測定(オリエンテック社製、レオパイブロンDDV−II使用)して、Tanδの最大値を求め、これをTgとしたものである。
【0012】
次に、本発明の光学シートを構成する好適な材料を示す。
本発明の透光性基体としては、透明なフィルムを使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等からなる各種樹脂フィルムを好適に使用することができる。また、本発明においては、このようなフィルムに限定されず、上記樹脂からなる樹脂板や、石英ガラス、ソーダガラス等ガラス材料からなるシート状部材も用いることができる。
【0013】
透光性基体としては光が透過されるものであれば非透明状物のもので使用できるが、液晶ディスプレイ等に用いる場合等は屈折率(JIS K7142)が1.42〜1.60の範囲にある透明基体が望ましい。具体例には、トリアセチルセルロース(TAC)やポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂フィルム等をあげることができる。これら透明基体の透明性は高いもの程良好であって、光線透過率(JIS C6714)が80%以上、より好ましくは85%以上のもの、また、ヘイズ値(JIS K7105)が3.0以下、より好ましくは1.0以下、最も好ましくは0.5以下のものが好適に使用できる。なお、小型軽量の液晶ディスプレイに用いる場合には、透光性基体はフィルムであることがより好ましく、その厚さに関しては、軽量化の観点から薄いほうが望ましいが、その生産性を考慮すると、0.5μm〜1mmの範囲のものを使用することが好適である。さらに、透光性基体の結着層とは反対側の片面に集光性または拡散性を有するレンズを形成することもできる。
【0014】
また、本発明の結着層は、粘着剤を上記基体上にコーティングして得られる粘着剤層である。その粘着剤はアクリル系粘着材である。アクリル系粘着剤は、耐水性、耐熱性、耐光性等に優れ、粘着力、透明性がよく、さらに、液晶ディスプレイに用いる場合には屈折率をそれに適合するように調整しやすい。アクリル系粘着剤としては、アクリル酸及びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステル、アクリルアミド、アクリルニトリル等のアクリルモノマーの単独重合体もしくはこれらの共重合体、さらに、前記アクリルモノマーの少なくとも1種と、酢酸ビニル、無水マレイン酸、スチレン等の芳香族ビニルモノマーとの共重合体を挙げることができる。特に、粘着性を発現するエチレンアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の主モノマー、凝集力成分となる酢酸ビニル、アクリルニトリル、アクリルアミド、スチレン、メタクリレート、メチルアクリレート等のモノマー、さらに粘着力向上や、架橋化起点を付与するメタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸等の官能基含有モノマーからなる共重合体が好適である。また、粘着剤には、硬化剤として、例えば金属キレート系、イソシアネート系、エポキシ系等の架橋剤を必要に応じて1種あるいは2種以上混合して用いることができる。さらに、粘着剤層には光重合性モノマー、オリゴマー、ポリマーおよび光重合開始剤を加えたUV硬化性のアクリル系粘着剤を用いても良い。
【0015】
本発明の結着層である粘着剤層には上記のような樹脂で、そのTgが−65℃〜−15℃であるものが用いられる。Tgが−65℃より低い樹脂では柔らかすぎるため、特に高温高湿時には一度付着した球状微粒子が衝撃により剥がされ、色ムラ等の欠陥が発生し易くなる。また、一度剥がされた球状微粒子には樹脂が付着しており、その球状微粒子が再度他の球状微粒子に付着して、光学特性に悪影響を及ぼすこともある。さらに、光学シート作製時においても球状微粒子の固定が不十分となり、結着層上に球状微粒子を単層で形成することが難しく、光透過性が低くなるので好ましくない。一方、Tgが−15℃より高い樹脂では粘着性不足のため、球状微粒子の脱落が発生し易いので好ましくない。
【0016】
結着層である粘着剤層には上記の如き樹脂を用いて、その粘着力(JIS Z0237−8)が、100g/25mm以上になるよう配合されると実用上好ましい。粘着力が100g/25mm未満では球状微粒子の脱離が起きたり、耐環境性が悪くなったりする。特に、高温高湿下では、結着層が透光性基体から剥離したりするおそれがある。さらに、結着層の保持力(JIS Z0237−11)は0.5mm以下が好ましい。保持力が0.5mmより大きいと柔らかいため、前述したように球状微粒子が複層になり易い。
【0017】
本発明の球状微粒子としては、シリカ、アルミナ等の無機フィラー、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリフッ化ビニリデン、テフロン、ジビニルベンゼン、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、酢酸セルロース、ナイロン、セルロース、ベンゾグアナミン、メラミン等の有機微粒子を使用することができるが、光透過性および結着層との密着性の観点から有機微粒子が好ましく、さらに耐光性の点でアクリルビーズ、シリコーンビーズが特に好ましい。
【0018】
さらに、球状微粒子の粒子径分布は、前述のように狭いほど球状微粒子の結着層への埋め込み深さが均一になり、光学シートの光学特性が安定するため、0.8〜1.0が好ましく、より好ましくは0.9〜1.0であるが、有機微粒子はこのような単分散に近い粒度分布のものが得られやすいことからも好適である。さらに、他の層として、例えば最表面に光の屈折率や透過性を調整するための調整層、または基体と結着層とを強固に接着させるための接着層等を必要に応じて設けてもよい。
【0019】
次に、本発明の光学シートの製造法を示す。まず、透光性基体の片面または両面に、直接あるいは他の層を介して、上記結着層となる粘着剤層を形成する樹脂を適宜溶媒に溶解した塗液を塗布・乾燥し、粘着剤層を積層させる。塗布の手段としては、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングや、フレキソ印刷等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印刷、オフセットグラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等の平版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷等があり、特に、ロールコーターを使用するコーティングが、均一な層厚が得られることから好ましい。また、結着層(粘着剤層)の熟成のために、剥離PETフィルム等で結着層を保護した状態で、20〜80℃程度の温度で、3〜14日程度熱処理をおこなってから次工程に移ってもよい。
【0020】
次に、透光性基体上の結着層の表面に球状微粒子を付着させる。付着の手段としては、球状微粒子を結着層上に直接散布、エアースプレーによる吹き付け、球状微粒子を付着させたブラシやロール等から転写、または球状微粒子を溶剤に分散させた後にコーティング等がある。特に、流動槽を使用した流動浸漬が、均一に球状微粒子を付着させることから好ましい。なお、ここでは球状微粒子が結着層の表面に、結着層の粘着力によって単に付着していればよい。
【0021】
その後、付着した球状微粒子を加圧して結着層に埋め込む。加圧の手段としては、ゴム製の加圧ローラー、加圧媒体による打撃等がある。加圧に結着層に付着した球状微粒子に対して均一におこなわれる必要がある。このため、加圧媒体に球状の粒子を使用し、振動により球状微粒子に打撃を加える方法が好ましい。なお、加圧媒体の大きさとしては、球状微粒子の粒子径や材質に応じて適宜選択されるが、概ね0.3〜2.0mm程度が適当である。
さらに、結着層に埋め込まれずに付着したままになっている余剰の球状微粒子を、流水等により洗い流して除去して、本発明の光学シートとする。また、この後埋め込まれた球状微粒子と結着層の熟成を目的として、20〜80℃程度の温度で、3〜14日程度熱処理をおこなってもよい。
【0022】
【実施例】
次に、本発明をより具体化した実施例を説明する。
A.ポリアクリレートの合成
[合成例1]
三つ口フラスコにブチルアクリレート62部、メチルアクリレート28部、メチルメタクリレート5部、アゾビスイソブチロニトリル2部、トルエン200部を入れ、撹拌しながら60℃で5時間重合させる。それに0.3部の二官能イソシアネート(商品名:D−90、綜研化学社製)を加えてポリアクリレートaとした。
このポリアクリレートaを離型PETにアプリケーターロールで乾燥膜厚が20μmになるように塗布した後、その上から離型PETを重ね、液体窒素でポリアクリレートを凍らせ、シートを作製した。その後、このシートを4×0.5cmの大きさに切断し、レオバイブロンDDV−II(オリエンテック社製)で、動的粘弾性を測定し、Tanδの最大値をTgとしたところ、Tgは−34℃であった。
【0023】
[合成例2]
三つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート92部、アクリル酸8部、アゾビスイソブチロニトリル2部、トルエン200部を加え、撹拌しながら60℃で5時間重合させ、ポリアクリレートbとした。
このポリアクリレートbのTgを合成例1と同様の方法で測定したところ、−11℃であった。
【0024】
B.光学シートの作製
[実施例1]
透光性基体として、厚さ80μmのトリアセチルセルロース(商品名:富士タックUVD80、屈折率1.49、全光線透過率92.4%、ヘイズ値0.15、富士写真フィルム社製、)を用いた。このフィルムの片面上に、前記ポリアクリレートaを、乾燥後の厚さが1.5μmになるようにリバースコーターで塗工した後、100℃で2分間乾燥させた後、60℃で7日間熟成をおこない、結着層を形成した。
【0025】
次に、球状微粒子として、体積平均粒子径が4.5μmで、粒子径分布が0.94のメチルシリコーン微粒子(商品名:トスパール145、GE東芝シリコーン社製)を用い、この球状微粒子が入った流動槽に、結着層の形成された透光性基体を通し、付着させた。
さらに、加圧媒体として粒子径0.5mmの真球状ジルコニア球を容器に入れ、この容器に振動を加えた状態のまま、容器中に球状微粒子を付着させた透光性基体をくぐらせ、球状微粒子を結着層中に埋め込んだ。洗浄を行い余剰の球状微粒子を除去した後、60℃の恒温槽で7日間の熟成をおこない、常温まで冷却し、実施例1の光学シートを得た。
【0026】
[実施例2]実施例1と同様のフィルムの片面上に、実施例1の結着材(粘着剤)を乾燥後の厚さが3μmになるようにリバースコーターで塗工、100℃で2分間乾燥させた後、60℃で7日間熟成をおこない、結着層を形成した。その後の工程は、使用する球状微粒子を体積平均粒子径が10.8μm、粒子径分布0.94のメチルメタクリルレート(商品名:MX−1000、綜研化学社製)に変更した以外は実施例1と同様に行い、実施例2の光学シートを得た。
【0027】
[実施例3]実施例1と同様のフィルムの片面上に、実施例1の結着材(粘着剤)を乾燥後の厚さが1μmになるようにリバースコーターで塗工、100℃で2分間乾燥させた後、60℃で7日間熟成をおこない、結着層を形成した。その後の工程は、使用する球状微粒子を体積平均粒子径が2.6μm、粒子径分布0.90のメチルシリコーンビーズ(商品名:トスパール130、GE東芝シリコーン社製)に変更した以外は実施例1と同様に行い、実施例3の光学シートを得た。
【0028】
[実施例4]実施例1と同様のフィルムの片面上に、実施例1の結着材(粘着剤)を乾燥後の厚さが5μmになるようにリバースコーターで塗工、100℃で2分間乾燥させた後、60℃で7日間熟成をおこない、結着層を形成した。次に、球状微粒子として、体積平均粒子径が10.8μm、粒子径分布0.94のメチルメタクリルレート(商品名:MX−1000、綜研化学社製)を用い、この球状微粒子が入った流動槽に、結着層の形成された透光性基体を通し、付着させた。
【0029】
さらに、加圧媒体として粒子径0.5mmの真球状ジルコニア球を容器に入れ、この容器に振動を加えた状態のまま、容器中に球状微粒子を付着させた透光性基体をくぐらせ、球状微粒子を結着層中に埋め込んだ。洗浄を行い余剰の球状微粒子を除去した後、40℃の恒温槽で14日間の熟成をおこない、常温まで冷却し、実施例4の光学シートを得た。
【0030】
[比較例1]実施例1と同様のフィルムの片面上に、実施例1の結着材(粘着剤)を乾燥後の厚さが2.2μmになるようにリバースコーターで塗工、100℃で2分間乾燥させた後、60℃で7日間熟成をおこない、結着層を形成した。その後の工程は実施例1と同様に行い、比較例1の光学シートを得た。
【0031】
[比較例2]実施例1と同様のフィルムの片面上に、実施例1の結着材(粘着剤)を乾燥後の厚さが1.5μmになるようにリバースコーターで塗工、100℃で2分間乾燥させた後、60℃で7日間熟成をおこない、結着層を形成した。その後の工程は実施例3と同様に行い、比較例2の光学シートを得た。
【0032】
[比較例3]実施例1と同様のフィルムの片面上に、実施例1の結着材(粘着剤)を乾燥後の厚さが1.5μmとなるようにリバースコーターで塗工、100℃で2分間乾燥させた後、60℃で7日間熟成を行ない、結着層を形成した。その後の工程は、使用する球状微粒子を体積平均粒子径が4.5μm、粒子径分布0.78のメチルシリコーンビーズに変更した以外は実施例1と同様に行ない、比較例3の光学シートを得た。
【0033】
[比較例4]
実施例1と同様のフィルムの片面上に、前記ポリアクリレートbを、乾燥後の厚さが1.5μmになるようにリバースコーターで塗工、100℃で2分間乾燥させた後、60℃で7日間熟成をおこない、結着層を形成した。その後の工程は実施例1と同様に行い、比較例4の光学シートを得た。
【0034】
*光学シートの観察
実施例1〜4、および比較例1〜4の光学シートの断面を電子顕微鏡によって写真撮影し観察した。図4〜7は、実施例1〜4の光学シートの断面写真の模式図、図8〜11は、比較例1〜4の光学シートの断面写真の模式図である。その写真をもとに、本発明で特定する球状微粒子の突出部の頂点から透光性基体までの距離及び結着層の厚さについて測定した値を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003741415
【0036】
*光学特性試験
上記実施例及1〜4、および比較例1〜4の光学シートについて、図12のように透光性基体1、結着層2および球状微粒子3からなるシートの表面側から入射光を施した場合の、全光線透過率:Tt(%)、ヘーズ値:Hz(%)を日本電色工業社製 NDH2000を用いて測定した。
次に、上記実施例1〜4および比較例1〜4の光学シートを高温高湿(60℃、90%)条件下に7日間放置し、その後、上記と同様にTtとHzの測定を行い、耐高温高湿性、すなわち、高温高湿下における信頼性の評価を行った。測定結果
を表2に記す。
【0037】
【表2】
Figure 0003741415
【0038】
表1及び表2から明らかなとおり、基体表面から球状微粒子の頂点までの高さが球状微粒子径に近い110%以下の場合は、比較例3を除いていずれも良好な光学特性が得られる。すなわち、実施例1〜4の本発明の光学シートの光学特性は、高温高湿下に放置した後もほとんど変化せずに高い光透過性と光拡散性を維持できた。一方、基体表面から球状微粒子の頂点までの高さが球状微粒子の直径の110%を超えている比較例1〜2及び4の光学シート、及び球状微粒子の粒子径分布の値が0.78と0.80より小さい比較例3の光学シートでは、高温高湿下に放置するといずれもHzが10%以上低下した。さらに、比較例4の光学シートでは、Tgの高い結着材(粘着剤)を使用したために高温高湿下に放置した後には球状微粒子の脱落も確認されて(Ttの値が大きくなっている)、光学特性のムラを生じるという問題を有するものであった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の光学シートは、透光性基体と、該透光性基体上に積層された結着層を有し、該結着層上に、内部・外部光拡散体となる、体積平均粒子径が2.6μm〜10.8μmで、粒子径分布の値が0.8〜1.0である球状微粒子が、加圧媒体により、単層で結着層の表面から一部が突出する状態で埋め込まれており、かつ、該球状微粒子の突出部の頂点から透光性基体表面までの距離が該球状微粒子の体積平均粒子径の100〜110%である光学シートであって、該結着層がアクリル系粘着剤層であり、かつ該アクリル系粘着剤層に用いる樹脂のガラス転移点が、−65℃〜−15℃であることを特徴とする光学シートであるため、従来の光学シートよりも光学特性の安定性が高く、信頼性に優れた光学シートが得られる。
【0040】
このことより、例えば、透過型液晶ディスプレーにおいて図13のようにバックライトユニット12と、偏光板13に挟持された液晶セル14との間に本発明の光学シート11を挿入することにより、バックライトユニットの光を効率よく透過しつつ、効率良く光を拡散させることが可能であり、高温高湿下でも光学特性の安定性に優れているために長期間にわたり安定した性能を液晶ディスプレイに与えることができる。
したがって、本発明の光学シートはLCD、EL、FED等の各種ディスプレイをはじめとして、長期間の光学安定性が求められる用途に用いることができ、極めて優れた作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学シートの一例を模式的に示す断面図
【図2】本発明の光学シートの球状微粒子の突出部の頂点から透光性基体の表面までの距離の測定部位を示す模式図
【図3】本発明の光学シートの結着層の厚さの測定部位示す模式図
【図4】本発明の実施例1の光学シート断面の模式図
【図5】本発明の実施例2の光学シート断面の模式図
【図6】本発明の実施例3の光学シート断面の模式図
【図7】本発明の実施例4の光学シート断面の模式図
【図8】本発明の比較例1の光学シート断面の模式図
【図9】本発明の比較例2の光学シート断面の模式図
【図10】本発明の比較例3の光学シート断面の模式図
【図11】本発明の比較例4の光学シート断面の模式図
【図12】光学シートに対する入射光の方向を説明するための模式図
【図13】本発明の光学シートの使用方法の一例を示す模式図
【符号の説明】
1…透光性基体、2…結着層、3…球状微粒子
a…球状微粒子の体積平均粒子径
b…球状微粒子の突出部の頂点から透光性基体表面までの距離
c…結着層厚
L…光学シート

Claims (2)

  1. 透光性基体と、該透光性基体上に積層された結着層を有し、該結着層上に、内部・外部光拡散体となる、体積平均粒子径が2.6μm〜10.8μmで、粒子径分布の値が0.8〜1.0である球状微粒子が、加圧媒体により、単層で結着層の表面から一部が突出する状態で埋め込まれており、かつ、該球状微粒子の突出部の頂点から透光性基体表面までの距離が該球状微粒子の体積平均粒子径の100〜110%である光学シートであって、該結着層がアクリル系粘着剤層であり、かつ該アクリル系粘着剤層に用いる樹脂のガラス転移点が、−65℃〜−15℃であることを特徴とする光学シート。
  2. 前記結着層の厚さが前記球状微粒子の体積平均粒子径の10〜90%であることを特徴とする請求項1に記載の光学シート。
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