JP3733937B2 - Fm復調器及びfm受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、周波数変調された搬送波を受信してデジタル信号処理を用いて復調する受信機に関し、特にマルチパス歪みを抑圧する機能に優れた受信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周波数変調(以下、FM変調と称す)は、送信すべき信号の大きさに比例して搬送波の周波数を変化させる変調方式である。以下、送信すべき信号を変調信号、これによりFM変調された搬送波をFM波、FM波から変調信号を取り出す復調をFM復調、FM復調により復元された変調信号を復調信号と称す。
【0003】
図10は従来のFM復調器を有した受信機を例示する構成図であり、ここではFM音声放送受信機の構成を示している。図において、1はアンテナ、2はRF増幅器、3は周波数変換器、4は局部発信器、5は中間周波フィルタ、6はリミッタ中間周波増幅器、7は前置フィルタ、8はAD変換器、9はFM復調器、10はDA変換器、11は音声増幅器、12はスピーカである。
【0004】
アンテナ1にて受信されたFM波は、RF増幅器2にて増幅された後、周波数変換器3にて周波数変換され、中間周波フィルタ5にて隣接チャンネル波などの不要成分が除去される。中間周波フィルタ5を通過したFM波は、リミッタ中間周波増幅器6にて増幅振幅制限された後、前置フィルタ7にて中間周波数の高調波成分が除去され、AD変換器8にてデジタル信号へ変換される。デジタル変換されたFM波(以下、デジタル形式のFM波)はFM復調器9にて復調された後、DA変換器にてアナログ音声信号に変換され、音声増幅器11を介してスピーカ12へ出力される。
【0005】
まず、FM復調の原理について簡単に説明する。FM波から復調信号を取り出すためには、以下の2つの条件を満足するFM復調器が必要となる。
条件1 出力信号の振幅が入力されたFM信号の周波数変化に応答して変化する。
条件2 出力信号の振幅が入力されたFM信号の振幅変化に応答しない。
尚、これら以外にもFM復調器に求められる条件は種々存在するが簡単化のために省略する。
【0006】
図11は、上記条件1及び2を満たす従来のFM復調器を例示する概略図である。図において、9はFM復調器、20は復調部、21は振幅検出部、22は補正係数演算部、23は振幅補正部である。復調部20は、入力信号x0を復調して出力信号y0を出力する。この出力信号y0は上記条件1を満たすが、条件2を満たさない。即ち出力信号y0には入力信号x0の振幅変化応答成分が含まれる。
【0007】
振幅補正部23はこの振幅変化応答成分をy0から取り除く。振幅検出部21は入力信号x0の振幅z0を検出し、補正係数演算部22では振幅z0の逆数に比例する振幅補正係数z1を出力する。振幅補正部23は復調部20の出力信号y0と、補正係数演算部22の出力の振幅補正係数z1とを乗算することで、出力信号y0から振幅変化応答成分を取り除き、上記条件1と条件2を満たす復調信号y1を出力する。
【0008】
図12は、図11に示したFM復調器9を詳細に例示した構成図である。このFM復調器9は、例えばクオドラチャ型の復調回路であり、復調部20と、振幅検出部21と、補正係数演算部22と、振幅補正部23とにより構成される。ここで、復調部20は遅延器101と、乗算器102と、低域フィルタ103とにより構成される。また、振幅検出部21は第1の乗算器110と、第2の乗算器111と、加算器112と、低域フィルタ113とにより構成される。
【0009】
復調部20の動作について説明する。AD変換器8から出力されたデジタル形式のFM波は、信号x0として遅延器101、乗算器102及び乗算器110へ入力される。遅延器101は入力された信号x0を遅延させ、信号x1として乗算器102へ出力する。乗算器102は、遅延器101の出力信号x1と入力信号x0とを乗算し、結果を信号x2として低域フィルタ103へ出力する。低域フィルタ103は、乗算器102の出力信号x2から低域成分を除去し、信号y0として振幅補正部23へ出力する。
【0010】
ここで、信号x0、x1、x2、y0は数式を用いて例示すると以下のようになる。入力信号x0はFM波であるので、FM波の振幅をA、FM波の搬送波の角周波数をWc、AD変換器8のサンプリング周期をT、kを任意の整数とし、時刻k・Tにおける位相の偏移量をp(k・T)とすると、
x0=Acos{Wc・k・T+p(k・T)} ・・・・(1)
x1=Acos{Wc・k・T+p((k−1)・T)}・・・(2)
と表せる。また、Wc・T=Nπ/2(N=1)と仮定する。
【0011】
乗算器102の出力信号x2は、信号x0と信号x1の積であるので、
である。また、低域フィルタ103の出力信号y0は信号x2の低域成分を取り出してなる信号であり、位相偏移量の時間微分をdp/dtとおくと、
となる。
【0012】
式(4)に含まれるdp/dtが求めたい変調信号(復調信号)である。このdp/dtをy0から取り出すためには、振幅成分A2を式(4)の右辺から取り除く必要がある。図11に記載の振幅検出部21、補正係数演算部22及び振幅補正部23は、このような振幅成分A2による振幅変化応答成分をy0から取り除く働きをする。
【0013】
振幅検出部21は、式(4)に示したdp/dtの係数A2を算出する。具体的には、第1の乗算器110は入力信号x0の2乗を演算し、信号x3として出力する。第2の乗算器111は遅延器101の出力信号x1の2乗を演算し、信号x4として出力する。加算器112はこれら第1、第2の乗算器の出力信号x3とx4を加算し、信号x5として低域フィルタ113へ出力する。低域フィルタ113は、加算器112の出力信号x5から低域成分を取り出して信号z0として補正係数演算部22へ出力する。この信号z0は計算によりほぼA2の大きさとなる。
【0014】
補正係数演算部22は振幅検出部21の出力信号z0を受け、式(4)に示したdp/dtの係数に逆比例する係数2/(T・A2)を求め、振幅補正係数z1として振幅補正部23へ出力する。
【0015】
振幅補正部23は、この補正係数演算部22が出力した振幅補正係数z1を復調部20の出力信号y0(式(4)参照)に乗ずることで、復調信号y1を求める。このようにして振幅補正が施された復調信号y1は、
y1=dp/dt ・・・・・・・・・(5)
となり、その振幅が入力信号x0の振幅Aによって変動しないことが分かる。
【0016】
従来のFM復調器は以上のような構成により前記条件1及び条件2を満たすFM復調を行っていた。しかしながら、このFM復調器は、受信されるFM波が直接波のみの場合には何ら問題ないが、電離層や構造物などで反射されて到達する反射波が加わる場合には、直接波と反射波の合成波が受信されるマルチパス受信の状況となり、復調信号に歪み(マルチパス歪みと呼ばれている)が発生する問題があった。そして特に、VHF帯で放送されるFM音声放送においては、その問題が大きかった。
【0017】
以下、このマルチパス歪みの発生について説明を加える。ここでは簡単化のために、直接波と間接波が各1波ずつ受信機に到達し、合成波として受信される場合について説明する。
【0018】
ここで、直接波の角周波数をWc、直接波と反射波の角周波数差をWdとすると、直接波はsin(Wc・t)、反射波はr・sin{(Wc+Wd)t}と表される。rは反射波の振幅であり、直接波は便宜1としている。この時、合成波M(t)は、
である。尚、Wc、Wdは共にFM変調によって時間的に変化するが、マルチパス歪みが発生する時間は短いので、その間ではほぼ一定の値をとるものとする。
【0019】
図12に示した従来のFM復調器において振幅補正部23が出力する復調信号y1は、式(5)に示したように入力信号y0の位相成分の時間微分であるから、入力信号x0が上記合成波M(t)である場合に復調して得られる復調信号y1は、式(7)より、
となる。
【0020】
Wc、Wdの値は短時間においては一定と仮定しているので、式(8)に示したdφ/dtの時間的変動がマルチパス歪みである。図13は、このマルチパス歪みを例示する図であり、71は図12に示した入力信号x0、即ち、合成波M(t)である。また、72は振幅補正部23の出力の復調信号y1であり、式(8)で表される。図13において、横軸は時間、縦軸は各信号x0、y1の大きさである。この図のように、マルチパス歪みは、復調信号y1上にスパイク状波形として現れる。尚、同図は、Wd=−20000π(周波数差:10kHz)、r=0.9とした場合のt=0〜1/10000(Wd・t=0〜2π)の期間におけるdφ/dtを計算した結果である。このとき、特に大きな歪みが発生するのはWd・tがほぼπ(ラジアン)となる場合であり、直接波と間接波が打ち消し合い、合成波の振幅が最小となる場合である。
【0021】
図14は実際のマルチパス受信状況下での復調信号を時間拡大した一例であり、図13で示したスパイク状波形と同様なものが、多くの場合ステレオサブキャリア信号の周期で密集して発生している。
【0022】
図15は、例えば特開平5−206884号公報に記載された従来の雑音低減機能を有したFM受信機の構成を、図10の構成を基に展開したブロック図であり、図中、13はセパレーション設定手段、14は周波数特性設定手段、15は帯域通過フィルタ手段、16はマルチパス低減手段である。
【0023】
図13および図14に示すマルチパス歪みに由来するスパイク状波形には、ステレオ音声信号より高い領域の周波数成分が含まれている。図15において、FM復調器9の出力のFM復調信号から帯域通過フィルタ手段15によってマルチパス歪みに由来する雑音信号成分を抽出することにより、マルチパス低減手段16では音声信号に影響されずにマルチパスノイズ発生状況を検出できる。更に、マルチパス低減手段16ではマルチパスノイズ発生状況の程度を判定し、その状況に適したセパレーション設定手段13の制御および周波数特性設定手段14の制御を行う。
【0024】
また、FM復調信号はセパレーション設定手段13に入力されて、その時々のマルチパスノイズ発生状況に適したステレオ分離度に設定された音声信号として出力され、更に周波数特性設定手段14においてその時々のマルチパスノイズ発生の状況に適した周波数特性に調整された後、DA変換器10にてアナログ音声信号に変換される。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、マルチパス歪みが発生すると、音声信号上の高調波成分が増加して耳障りなノイズ音となるが、この高周波成分のノイズに対しては周波数特性設定手段14によって高周波成分を減衰させることが有効である。また、ステレオパイロット信号が歪みの影響を受けて、ステレオ分離が正しく行われないステレオ歪みと呼ばれる弊害が発生するが、このステレオ歪に対してはセパレーション設定手段13においてモノラル信号化することが有効である。そのため、帯域通過フィルタ手段15の出力に基づいて、セパレーション設定手段13と周波数特性設定手段14を、ノイズの発生状況に合わせて制御している。但し、これらの方法はある一定の改善効果を得られるが、既に発生しているマルチパス歪みの影響を目立ち難くする対処法という範疇を出ていない。
【0026】
以上のように、受信されるFM波が直接波である場合には何ら問題なくFM復調が行えるFM復調器であっても、直接波と反射波の合成波が受信されるマルチパス状況下においては、復調される信号に大きな歪みが発生するといった問題点があった。また、これに対してステレオ分離度と周波数特性を制御することにより、マルチパス歪みの影響を軽減する方法が従来から取られてはいるが、十分な効果を上げることができないという問題点があった。この発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、マルチパス受信状況下におけるFM復調(信号)における歪の発生そのものを抑制することにより、マルチパスノイズを大幅に改善しようとするものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる請求項1のFM復調器は、FM波の周波数及び振幅に応じて振幅が変化する復調信号を出力する復調手段と、前記FM波の振幅値を出力する振幅検出手段と、受信電界レベルまたは変調信号レベルの少なくとも一方に基づいて受信状況を判定する受信状況判定手段と、前記受信状況判定手段の判定結果に基づき、前記振幅値と所定の係数とを切り替えて出力する復調動作切替手段と、前記復調動作切替手段の出力に基づいた補正係数を出力する補正係数演算手段と、前記補正係数に基づき前記復調信号の振幅を補正する振幅補正手段とを備え、前記復調動作切替手段における前記所定の係数が前記受信状況判定手段の判定出力に基づいて決定されることを特徴とする。
【0028】
また、請求項2のFM復調器は、FM波の周波数及び振幅に応じて振幅が変化する復調信号を出力する復調手段と、前記FM波の振幅値を出力する振幅検出手段と、受信電界レベルまたは変調信号レベルの少なくとも一方に基づいて受信状況を判定する受信状況判定手段と、前記振幅検出手段が検出した振幅に基づき補正係数を出力する補正係数演算手段と、前記受信状況判定手段の判定結果に基づき、前記補正係数と所定の補正係数とを切り替えて出力する復調動作切替手段と、前記復調動作切替手段の出力に基づき前記復調信号の振幅を補正する振幅補正手段とを備え、前記復調動作切替手段における前記所定の補正係数が前記受信状況判定手段の判定出力に基づいて決定されることを特徴とする。
【0029】
また、請求項3のFM復調器は、請求項第1項及び第2項に記載のFM復調器において、受信状況判定手段が、受信電界レベルと所定の閾値とを比較する受信電界比較手段と、変調信号レベルと所定の閾値とを比較する変調信号比較手段と、前記受信電界比較手段および前記変調信号比較手段の比較結果に基づいて受信状況を判定する判定手段を備えたことを特徴とする。
【0030】
また、請求項4のFM復調器は、請求項第1項に記載のFM復調器において、復調動作切替手段における所定の係数が、受信電界レベルが低くなる方向に対して大きく設定されることを特徴とする。
【0031】
また、請求項5のFM復調器は、請求項第1項に記載のFM復調器において、復調動作切替手段における所定の係数が、変調信号レベルが低くなる方向に対して大きく設定されることを特徴とする。
【0032】
また、請求項6のFM復調器は、請求項第2項に記載のFM復調器において、復調動作切替手段における所定の補正係数が、受信電界レベルが低くなる方向に対して小さく設定されることを特徴とする。
【0033】
また、請求項7のFM復調器は、請求項第2項に記載のFM復調器において、復調動作切替手段における所定の補正係数が、変調信号レベルが低くなる方向に対して小さく設定されることを特徴とする。
【0034】
また、請求項8のFM受信機は、受信されたFM波を増幅するRF増幅器と、前記増幅されたFM波を中間周波数に変換する周波数変換器と、前記周波数変換手段から出力される中間周波FM波から隣接チャンネル波などの不要成分を除去する中間周波フィルタと、前記中間周波フィルタ手段から出力される中間周波FM波の振幅を一定化する自動利得制御型の中間周波増幅器と、前記自動利得制御型中間周波増幅手段から出力される中間周波FM波をデジタル信号に変換するAD変換器と、前記デジタル変換された中間周波FM波をFM復調するFM復調器と、前記FM復調信号をアナログ音声信号に変換するDA変換器とを備え、
前記FM復調器が、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のFM復調器であることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図12に示した従来のFM復調器では、入力信号x0と出力信号y1間の応答特性が常に一定であり、例えば式(5)及び(8)に示したように、応答特性が常に入力信号x0の位相成分pまたはφの純粋な時間微分、y1=c1・dp/dt=c1・dφ/dtであった。
【0036】
本実施形態におけるFM復調器は、入力信号x0の振幅変化に対する応答特性が異なる複数のFM復調動作を受信状態に応じて切り替えるようにしたものである。例えば、受信信号が直接波のみ、或いはそれに準ずる程に直接波が支配的である場合には、y1=c1・dp/dtの応答特性を有したFM復調動作を行い、合成波である場合には、y1=A2・c2・dφ/dtの応答特性を有したFM復調動作を行う。尚、ここでは便宜上、受信信号が直接波であるときの入力信号x0の位相成分をp、受信信号が合成波であるときの入力信号x0の位相成分をφと表記する。また、c1及びc2はそれぞれ任意の定数、Aは入力信号x0の振幅である。
【0037】
また、本実施形態においては、受信信号が直接波のみ、或いはそれに準ずる程に直接波が支配的である場合か、合成波である場合か、この判定を受信信号の振幅の大きさに基づいて行い、その判定結果に基づいて、上記複数のFM復調動作の切り替えを行う。ここでは、受信信号の振幅が所定値より小さい場合には、当該受信信号は合成波であると判断し、逆に受信信号の振幅が所定値より大きい場合には、当該受信信号は直接波のみ、或いはそれに準ずる状態にあると判定される。
【0038】
以下、従来例と同様の振幅補正(振幅変化応答成分を取り除く補正処理)を行う第1の復調動作と、当該振幅補正を行わない第2の復調動作とを切り替えて行う場合を例に取って説明を行う。
【0039】
図1は本発明に係わるマルチパス抑圧機能に優れたFM受信機の構成を示す図である。図中、17は自動利得制御(以下、AGCと称す)中間周波増幅器、30はFM復調器、31は受信状況判定手段である。受信状況判定手段31はAGC中間周波増幅器17の出力を受信電界レベルとして、また、FM復調器30の復調信号が変調信号レベルとして入力され、少なくとも前記受信電界レベルと前記復調信号の少なくとも一方を用いて受信状況を判定する。なお、従来例と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。図10或いは図15に示すように、従来の受信機には、FM復調器の前段にリミッタ中間周波増幅器6が設けられていた。このリミッタ中間周波増幅器6の役割は、当該受信機と送信機との間の距離が変化することに起因する受信電界レベルの変動を平準化することにある。本実施形態1においては、これに代えてAGC中間周波増幅器17を備えている。
【0040】
図10または図15に示す従来用いられていたリミッタ中間周波増幅器6は、入力信号のレベルがある所定値を越えた場合に、一定の飽和電圧を出力する。一方、図1に示すAGC中間周波増幅器17は、出力信号のレベルが略一定に保たれるように利得が自動的に制御される。この利得制御を比較的緩やかに行うことにより、入力信号に含まれるマルチパスによる振幅変動が残り、これに基づいて振幅補正の制限を迅速かつ確実に行えるようにしている。
【0041】
図2は、本発明に係わる一実施の形態における、マルチパス歪み抑圧機能を持つFM復調器30のブロック構成図である。図中、24は復調動作切替部であり、係数出力部241と、係数切替部242と、係数切替制御部243とにより構成される。なお、従来例と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
復調動作切替部24では、係数切替制御部243により振幅検出部21の出力を所定の基準値と比較して、例えば振幅検出部21の出力がその基準値より大きい場合には振幅検出部21の出力をそのまま補正係数演算部22に対して出力し、逆に小さい場合には係数出力部241からの係数を出力するように係数切替部242を制御する。なお、振幅検出部21の出力がそのまま補正係数演算部22へ入力される場合におけるFM復調器の動作は従来と同様である。
【0043】
更に詳しく述べると、振幅検出部21は、入力信号x0の振幅を検出し、検出結果を係数z0として係数切替部242へ出力する。係数出力部241は所定の係数z2を係数切替部242へ出力する。係数切替部242により、入力される係数z0、z2のうち係数z0を出力する第1の動作と、係数z2を出力する第2の動作とを切り替える。補正係数演算部22は、係数切替部242の出力係数に逆比例する振幅補正係数z1を演算し、振幅補正部23へ出力する。振幅補正部23は、この振幅補正係数z1を復調部20の出力信号y0に乗じ、乗じた結果を復調信号y1として出力する。
【0044】
以上のように、復調動作切替部24においては、係数切替制御部243は、係数z0が所定の基準値よりも小さい場合には係数切替部242出力として係数z2を出力せしめ、それ以外の場合には係数z0を出力せしめる制御を行う。例えば、係数z0が所定の基準値より小さい場合には、入力信号x0が合成波であると判定し、振幅補正部23における振幅補正を止める。そのために、補正係数を制限するように係数出力部241出力の係数z2を例えば上記所定の基準値として出力させる。逆に、係数z0が基準値より大きい場合には、入力信号x0が直接波であると判定し、従来と同様の振幅補正が行われるように、係数切替部242から係数z0・T/2を出力させ、振幅補正係数z1を「2/(T・z0)」とする。
【0045】
入力信号x0が合成波の場合、信号x0、y0、y1を、数式を用いて例示すると以下のようになる。入力信号x0は式(6)に示した合成波M(t)であるので、
である。
【0046】
復調部20の出力信号y0は、式(4)より
となる。ただし、dφ/dtが式(4)のdp/dtに相当し、合成波M(t)の振幅Aは{1+2r・cos(Wd・t)+r2}1/2である。ここで注目されるのは、式(11)の右辺に振幅A2の項が含まれないことである。振幅補正が行われなければy0=y1となるので、
y1≒−r・Wd{r+cos(Wd・t)}T/2 ・・・(12)
となる。
【0047】
図3は、式(12)に示した復調信号y1を例示する図であり、図において91は当該復調信号y1、すなわち復調部20への入力信号x0が合成波であり、振幅補正部23による振幅補正を行わない場合における復調信号y1である。
【0048】
また、72は図13に示した従来の復調信号y1、すなわち復調部20への入力信号x0が合成波であり、振幅補正部23による振幅補正を行う場合における復調信号y1である。更に、92は従来の振幅補正部23に入力される振幅補正係数z1であり、このときの復調信号y1のスパイク状波形と良く対応している。このように、振幅補正が行われない復調信号91は、振幅補正が行われた従来の復調信号72と比較して、鋭いスパイク状波形が抑制されている。
【0049】
以上のことから、復調信号上にスパイク状波形を生ずるような状況において、振幅補正を停止することにより、マルチパス歪みを抑制できることが期待される。前述では、基本概念説明の簡便性のために、受信信号が合成波である場合に振幅補正を完全に停止する例を示したが、実際に動作させる上では、振幅補正本来の目的と、マルチパス歪み抑制の効果と、マルチパス歪み抑制の弊害とのバランスを考慮して、振幅補正の程度を制御することが有効である。
【0050】
即ち、マルチパス歪みが小さい場合には、入力信号x0が合成波であっても、振幅補正を行った方が良い場合がある。たとえば、復調信号の振幅が入力信号x0の振幅変化に応答することに起因する歪みの方が、マルチパス歪みよりも大きい場合には、マルチパス状況下であっても振幅補正を行った方が、結果として歪みの少ない復調信号を得られることになる。マルチパス歪みが特に強い状況でのみ振幅補正を停止させるには、図2の係数切替制御部243において比較のための基準値を小さめに設定することで実現できる。
【0051】
また、マルチパス状況に合わせて、振幅補正をON/OFFする極端な制御をするのではなく、マルチパス状況時のFM信号振幅の落ち込み部分で振幅補正の程度を制限することによってもスパイク状波形を抑制することができる。即ち、図3の振幅補正係数92の中央部突出部分に対して、ある数値以上とならないような制限を掛ければ、マルチパス状況によるスパイク状波形の発生を抑制できることが分かる。
【0052】
図4は説明のために図13を分解して用いた図であり、(a)側が振幅補正しない場合であり、従来例に掲げたFM復調動作に当てはまる。(b)側は振幅補正を制限する場合である。両者とも、上段がFM信号振幅を示しており、下段がFM復調信号を示している。FM信号振幅、即ち振幅検出部21出力に対して、ある値で制限を加えた後に振幅補正係数を演算することにより、補正係数の突出を制限でき、結果としてFM復調信号のスパイク状波形の発生が抑制される。従って、このFM信号振幅に対する制限のレベル(以下、制限レベルと称する)は、FM信号振幅に対する、いわば閾値であり、閾値に到達するまではFM信号振幅の変化に合った補正係数の演算が行われ、閾値に到達すると、本来はFM信号振幅の落ち込みに合致したスパイク状の補正係数の突出となる部分で、制限レベルに基づいて演算された補正係数が維持される訳である。
【0053】
ところで、このFM信号振幅に対する制限レベルは、受信状況によって最適なレベルが異なる。即ち、受信電界レベルおよび変調信号レベルなどによって、この制限レベルを最適な位置に制御することが有効である。例えば、受信電界が低い場合と高い場合を比較すると、前者の方が後者に比べてスパイク状波形の発生頻度が高く、且つ規則性が低くなる傾向がある。このような場合に、受信電界が高い場合と同様の振幅補正の制限を行っていては、十分な抑圧効果を得られない場合がある。また一方で、変調信号の程度によっては、例えば低変調時にはマルチパス歪みは目立ちやすく、振幅補正の制限による信号欠落感などの違和感は目立ちにくい傾向がある。逆に、高変調時にはマルチパス歪みは目立ちにくく、振幅補正の制限による違和感は目立ち易い傾向がある。
【0054】
図5は図1における受信状況判定手段31の構成の一例を示す図である。図において、受信状況判定手段31はAGC中間周波増幅器17の出力が受信電界レベルとして入力される受信電界比較部311と、FM復調器30の復調信号が変調信号レベルとして入力される変調信号比較部312と、受信電界比較部311の出力と変調信号比較部312の出力に基づいて受信状況を判断する判定部313とによって構成される。受信電界比較部311では、予め設定した少なくとも1つ以上の閾値と入力される受信電界レベルとを比較し、その時点での受信電界レベルが閾値に対して如何なる関係にあるかを判定部313に対して出力する。変調信号比較部312では、同じく予め設定した少なくとも1つ以上の閾値と入力される変調信号レベルとを比較し、その時点での変調信号レベルが閾値に対して如何なる関係にあるかを判定部313に対して出力する。
【0055】
図6は図5に示す受信状況判定手段31の動作の一例を示す図である。この例では簡単化のために、受信電界レベルについて3段階、変調信号レベルについて3段階の判断を行い、FM信号振幅に基づき作成される振幅補正係数z3に対する制限レベルを3段階とした場合について示している。同図の(a)は受信状況の判定を図示したもので、受信電界レベルに対して閾値S1、S2を設けて強電界から弱電界までを3区分しており、変調信号レベルに対して閾値M1、M2を設けて高変調から低変調までを3区分している。1から3の数字はそれぞれ制限レベルを示している。図6の(b)は(a)の判定結果に基づいて得られる振幅補正係数制限レベルの変動を示している。制限レベル1が最も低い設定であり、この時のマルチパス抑圧効果は比較的小さく、逆に制限レベル3が最も高い設定であり、この時のマルチパス抑圧効果は比較的大きくなる。ここで、マルチパス抑圧効果が大きいと言うことは、マルチパス歪みに対する抑圧効果が高いが、変調信号によっては違和感を発生させる可能性が高いと言うことを意味する。
【0056】
図6について更に説明する。例えば変調信号レベルが高い場合には、マルチパス歪みは目立ちにくいので、受信電界レベルが高い場合には必要最小限のスパイク状波形抑圧のみを果たせば足りるので、最も低い制限レベル1が選択される。受信電界レベルが低くなれば、前述のスパイク状波形の発生頻度上昇などによる抑圧効果不足を補うために、制限レベルを2から3へと変化させて振幅補正制限の程度を強化する。一方、受信電界レベルが高い場合においては、変調信号レベルが高ければ必要最小限のスパイク状波形抑圧のみを果たせば足りるので、最も低い制限レベル1が選択されるが、変調信号レベルが低くなるに従いマルチパス歪みが目立ち出すので、制限レベルを2から3へと変化させて振幅補正制限の程度を強化することになる。以上、(a)の強電界側と高変調側での変化の場合について述べたが、これら以外の条件でも受信電界が弱くなる方向、又は変調信号レベルが低くなる方向に対して、制限レベルを2から3へと変化させて振幅補正制限の程度を強化することは言うまでもない。
【0057】
実施の形態2.
図7は本発明に係わるマルチパス抑圧機能に優れたFM受信機の本実施例による構成を示す図であり、図8は、本発明に係わる他の実施の形態における、マルチパス歪み抑圧効果を持ったFM復調器40のブロック構成図である。図7は、図1のFM復調器30がFM復調器40に置き換わっている点を除き同様なので説明は省略する。
【0058】
図8は、図2の復調動作切替部24に相当する復調動作切替部25が、補正係数演算部22と振幅補正部23の間に配置される以外は図2と構成上の相違はないので、重複する部分の説明は省略する。重複する部分の説明は省略する。
【0059】
動作上の違いを述べると、振幅検出部21は、入力信号x0の振幅を検出し、検出結果を係数z0として補正係数演算部22へ出力する。補正係数演算部22は、振幅検出部21の出力係数z0に逆比例する補正係数を演算し、演算結果を振幅補正係数z1として係数切替部252へ出力する。係数出力部251は所定の補正係数z2を係数切替部252へ出力する。係数切替部252は、入力される振幅補正係数z1、z2のうちz1を出力する第1の動作と、逆にz2を出力する第2の動作とを切り替えて行う。振幅補正部23は、このz1又はz2を復調部20の出力信号y0に乗じ、乗じた結果を復調信号y1として出力する。
【0060】
一方、補正係数演算部22の出力z1は係数切替制御部253へも入力される。係数切替制御部253は、このz1が所定の基準値よりも大きい場合には、係数切替部252出力としてz2を出力せしめ、それ以外の場合にはz1を出力せしめる制御を行う。例えば、z1が所定の基準値より大きい場合には、入力信号x0が合成波であると判定し、振幅補正部23における振幅補正を止める、或いは弱める動作を行う。基準値より小さい場合には、入力信号x0が直接波であると判定し、従来と同様の振幅補正が行われるように、係数切替部252から係数z1を出力させればよい。
【0061】
図9は図8の動作を、図2の場合の動作説明図である図6に当てはめて場合であり、図6では受信状況判定結果に基づいて、振幅検出結果に対して1から3の制限レベルを設けて、振幅検出結果を制限した後に補正係数を演算することになる。一方、図8の構成に由来する図9の動作としては、受信状況判定結果に基づいて、補正係数自身に対して1から3の制限レベルを設けることになる点が異なってくる。尚、補正係数演算においては逆比例関係にあるので、受信状況判定結果に基づく制限レベル1から3の関係が図2の構成に由来する図6の場合と逆になっていることは言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0063】
本発明に係わる請求項1のFM復調器は、FM波の周波数及び振幅に応じて振幅が変化する復調信号をFM波の振幅に基づいた補正係数により補正するとともに、受信電界レベルまたは変調信号レベルの少なくとも一方に基づいてマルチパス歪を抑制すべき受信状況を判定し、マルチパス歪を抑制すべき受信状況の場合に、受信状況判定結果により決定される所定の係数に基づき復調信号を補正するようにしたので、マルチパス歪み発生の抑制を受信状況に合わせて最も効果的に行うことが出来る。
【0064】
また、請求項2のFM復調器は、FM波の周波数及び振幅に応じて振幅が変化する復調信号をFM波の振幅に基づいた補正係数により補正するとともに、受信電界レベルまたは変調信号レベルの少なくとも一方に基づいてマルチパス歪を抑制すべき受信状況を判定し、マルチパス歪を抑制すべき受信状況の場合に、受信状況判定結果により決定される所定の補正係数に基づき復調信号を補正するようにしたので、マルチパス歪み発生の抑制を受信状況に合わせて最も効果的に行うことが出来る。
【0065】
また、請求項3のFM復調器は、受信電界レベルおよび変調信号レベルの組み合わせに基づいてマルチパス歪を抑制すべき受信状況を判定し、その判定結果に基づき復調信号の振幅を補正するようにしたので、マルチパス歪み発生の抑制を受信電界レベルと変調信号レベルに会わせて最適に行うことが出来る。
【0066】
また、請求項4のFM復調器は、受信電界レベルが低い場合、復調動作切替手段における所定の係数を大きくして振幅補正係数を小さくすることにより、振幅補正の程度を制限でき、スパイク状のマルチパス歪みの発生を抑制できる。
【0067】
また、請求項5のFM復調器は、変調信号レベルが低い場合、復調動作切替手段における所定の係数を大きくして振幅補正係数を小さくすることにより、振幅補正の程度を制限でき、スパイク状のマルチパス歪みの発生を抑制できる。
【0068】
また、請求項6のFM復調器は、受信電界レベルが低い場合、復調動作切替手段における所定の補正係数を小さくして振幅補正係数を小さくすることにより、振幅補正の程度を制限でき、スパイク状のマルチパス歪みの発生を抑制できる。
【0069】
また、請求項7のFM復調器は、変調信号レベルが低い場合、復調動作切替手段における所定の補正係数を小さくして振幅補正係数を小さくすることにより、振幅補正の程度を制限でき、スパイク状のマルチパス歪みの発生を抑制できる。
【0070】
また、請求項8のFM受信装置は、受信電界レベルまたは変調信号レベルの少なくとも一方に基づいてマルチパス歪を抑制すべき受信状況を判定し、その受信状況判定結果に基づきマルチパス歪み発生を抑制するようにしたので、マルチパス歪の発生が少ないFM受信機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の受信機を例示する構成図である。
【図2】 実施の形態1のFM復調器を例示する構成図である。
【図3】 実施の形態1の復調信号を例示する図である。
【図4】 実施の形態1のFM復調器における振幅補正動作を説明する図である。
【図5】 実施の形態1の受信状況判定手段を例示する構成図である。
【図6】 実施の形態1の受信状況判定手段における判定動作を説明する図である。
【図7】 実施の形態2の受信機を例示する構成図である。
【図8】 実施の形態2のFM復調器を例示する構成図である。
【図9】 実施の形態2の受信状況判定手段における判定動作を説明する図である。
【図10】 従来のFM復調器を有した受信機を例示する構成図である。
【図11】 従来のFM復調器を例示する概略構成図である。
【図12】 図11に示した従来のFM復調器の詳細を例示する構成図である。
【図13】 従来のマルチパス歪みを例示する図である。
【図14】 実際のマルチパス状況下における従来の復調信号を例示する図である。
【図15】 従来のFM復調器を有した受信機を例示する他の構成図である。
【符号の説明】
1 アンテナ、2 RF増幅器、3 周波数変換器、4 局部発信器、5 中間周波フィルタ、6 リミッタ中間周波増幅器、7 前置フィルタ、8 AD変換器、9 FM復調器、10 DA変換器、11 音声増幅器、12 スピーカ、13 セパレーション設定手段、14 周波数特性設定手段、15 帯域通過フィルタ手段、16 マルチパス低減手段、17 AGC中間周波増幅器、20復調部、21 振幅検出部、22 補正係数演算部、23 振幅補正部、24復調動作切替部、30 FM復調器、31 受信状況判定手段、40 FM復調器、241 計数出力部、242 係数切替部、243 係数切替制御部。
Claims (8)
- FM波の周波数及び振幅に応じて振幅が変化する復調信号を出力する復調手段と、
前記FM波の振幅値を出力する振幅検出手段と、
受信電界レベルまたは変調信号レベルの少なくとも一方に基づいて受信状況を判定する受信状況判定手段と、
前記受信状況判定手段の判定結果に基づき、前記振幅値と所定の係数とを切り替えて出力する復調動作切替手段と、
前記復調動作切替手段の出力に基づいた補正係数を出力する補正係数演算手段と、
前記補正係数に基づき前記復調信号の振幅を補正する振幅補正手段とを備え、
前記復調動作切替手段における前記所定の係数が前記受信状況判定手段の判定出力に基づいて決定されることを特徴とするFM復調器。 - FM波の周波数及び振幅に応じて振幅が変化する復調信号を出力する復調手段と、
前記FM波の振幅値を出力する振幅検出手段と、
受信電界レベルまたは変調信号レベルの少なくとも一方に基づいて受信状況を判定する受信状況判定手段と、
前記振幅検出手段が検出した振幅に基づき補正係数を出力する補正係数演算手段と、
前記受信状況判定手段の判定結果に基づき、前記補正係数と所定の補正係数とを切り替えて出力する復調動作切替手段と、
前記復調動作切替手段の出力に基づき前記復調信号の振幅を補正する振幅補正手段とを備え、
前記復調動作切替手段における前記所定の補正係数が、前記受信状況判定手段の判定出力に基づいて決定されることを特徴とするFM復調器。 - 前記受信状況判定手段が、
受信電界レベルと所定の閾値とを比較する受信電界比較手段と、
変調信号レベルと所定の閾値とを比較する変調信号比較手段と、
前記受信電界比較手段および前記変調信号比較手段の比較結果に基づいて受信状況を判定する判定手段を備えたことを特徴とする請求項第1項及び第2項に記載のFM復調器。 - 復調動作切替手段における所定の係数が、受信電界レベルが低くなる方向に対して大きく設定されることを特徴とする請求項第1項記載のFM復調器。
- 復調動作切替手段における所定の係数が、変調信号レベルが低くなる方向に対して大きく設定されることを特徴とする請求項第1項記載のFM復調器。
- 復調動作切替手段における所定の補正係数が、受信電界レベルが低くなる方向に対して小さく設定されることを特徴とする請求項第2項記載のFM復調器。
- 復調動作切替手段における所定の補正係数が、変調信号レベルが低くなる方向に対して小さく設定されることを特徴とする請求項第2項記載のFM復調器。
- 受信されたFM波を増幅するRF増幅器と、
前記増幅されたFM波を中間周波数に変換する周波数変換器と、
前記周波数変換手段から出力される中間周波FM波から隣接チャンネル波などの不要成分を除去する中間周波フィルタと、
前記中間周波フィルタ手段から出力される中間周波FM波の振幅を一定化する自動利得制御型の中間周波増幅器と、
前記自動利得制御型中間周波増幅手段から出力される中間周波FM波をデジタル信号に変換するAD変換器と、
前記デジタル変換された中間周波FM波をFM復調するFM復調器と、
前記FM復調信号をアナログ音声信号に変換するDA変換器とを備え、
前記FM復調器が、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のFM復調器であることを特徴とするFM受信装置。
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