JP3570378B2 - 雑音除去装置およびオーディオ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ信号受信の際の雑音除去装置に関わり、より具体的には、パルス性ノイズが混入しやすい、例えばカーラジオ等に用いられる雑音除去装置およびカーラジオ等のオーディオ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車の環境における電磁波ノイズを考えた場合、イグニッションノイズ、ミラーノイズなど多数のパルス性の電磁波ノイズ(パルス性ノイズと称する場合もある)が発生している。これらパルス性ノイズは車両内部のカーラジオに接続された受信アンテナに混入するため、その出力音声信号にパルス性ノイズが発生することは通常良く経験されることであり、このためカーラジオでは一般にパルス性ノイズを除去するための雑音除去装置が用いられている。
【0003】
図9は例えば特開昭63−87026号公報に記載された従来の(パルス性)雑音除去装置のブロック図である。図においてFM受信機のFM中間周波数信号を入力するとFM検波回路1から出力された検波信号がLPF(ローパスフィルタ)からなる遅延回路2に供給されて遅延され、遅延回路2の出力はゲート回路3、そしてレベルホールド回路4を介してステレオ復調回路5に供給される。また、検波信号はHPF(ハイパスフィルタ)6に供給され、HPF6を通過したノイズ成分信号はノイズアンプ7によって増幅されてノイズ検波回路8に供給される。
【0004】
ノイズ検波回路8はノイズアンプ7の出力信号を整流する整流回路からなり、これによりノイズ検出出力を得る。このノイズ検波出力は波形整形回路9および積分回路10に供給される。なお、HPF6、ノイズアンプ7、ノイズ検波回路8、波形整形回路9および積分回路10を含んでノイズ検出手段11が構成される。
【0005】
波形整形回路9はノイズ検波出力を所定の時間幅のパルス幅のパルスに変換してゲート回路3に供給する。波形整形回路9からゲート回路3に供給されたパルスによってゲート回路3は駆動されて信号遮断状態になり、信号遮断状態時にはレベルホールド回路4によって信号遮断前の遅延出力レベルが保持されてステレオ復調回路5に供給される。
【0006】
これによってパルス性ノイズに起因する復調信号の電位の急変によるスパイク状ノイズの発生が防止される。波形整形回路9からパルスが供給されていない場合は、ゲート回路3とレベルホールド回路4は信号通過状態(スルー)になる。
【0007】
また、積分回路10はノイズ検波出力を平滑化してノイズレベルに応じた直流信号を得てノイズアンプ7に積分回路10の出力を与える(フィードバックする)ことによりAGCループを形成する。
【0008】
なお、遅延回路2はパルス性ノイズがHPF6に供給されてからゲート回路3を遮断状態にするまでの時間を補うために設けられている。また、ステレオ復調回路5には、図10に示すようにLch(左チャンネル)信号とRch(右チャンネル)信号が(Lch+Rch)/2を中心として周波数38kHzにより平衡変調された形で入力されるので、例えば38kHzで時分割することによりLch信号とRch信号とを分離して取り出すことができる(Lch信号、Rch信号または、Lch信号およびRch信号の各ステレオ信号を総称してオーディオ信号と称す)。
【0009】
また、上述のように先の信号をレベルホールドして出力するもののほかに、パルス性ノイズの発生した前後のレベルより平均値等により補正する方法もある。ところで、この方法においては、以下のような問題点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図11(a)に補正期間に対し低い周波数の信号を補正した補正誤差が最も大きくなる場合の波形を示す。同図の○印は●印を補正した値で、○印と●印の差が補正誤差を示している。
【0011】
次に、図11(b)に補正期間に対し高い周波数の信号を補正した場合の波形を示す。同図の○印は●印を補正した値を示している。図11(a)と同様に○印と●印の差が補正誤差を示している。
【0012】
ここで、各補正誤差をみると図11(b)の方が大きい。つまり補正期間に対する周波数の相対的な時間幅の関係が非常に重要であり、高い周波数成分の信号を補正しても誤差が大きいことがわかる。このため高い周波数を多く含む信号に対して補正を行っても補正誤差がノイズとして聞こえる。ここで、パルス性ノイズのパルス幅が数十μs〜数百μsに対しコンポジット信号は図10に示す様に38kHzで平衡変調された成分が有りパルス性ノイズに対し信号の周期が短いため図11(b)のような補正誤差が生じる。
【0013】
本発明はこの点に鑑み、高い周波数成分を多く含んだ信号に対しても補正誤差を小さくすることが可能な、ノイズ抑圧能力の向上させた雑音除去装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る雑音除去装置は、FM復調信号に含まれる雑音を検出する雑音検出手段と、前記FM復調信号に含まれるオーディオ信号を復調するオーディオ信号復調手段と、該オーディオ信号復調手段より出力される前記オーディオ信号を入力とし、前記雑音検出手段により検出された雑音の発生時点前後の前記オーディオ信号に基づいて該オーディオ信号の補正信号を出力する第1の補正手段と、前記オーディオ信号復調手段より出力される前記オーディオ信号を入力とし、前記雑音検出手段により検出された雑音の発生時点の以前または以降の少なくともいずれかの前記オーディオ信号に所定の処理を施した信号に基づいて前記オーディオ信号の補正信号を出力する第2の補正手段と、前記オーディオ信号復調手段より出力される前記オーディオ信号の高域成分のレベルを検出する高域レベル検出手段と、該高域レベル検出手段の出力に基づいて前記第1または第2の補正手段のいずれかを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、第1の補正手段は、雑音の発生時点の直前および直後に存在する2つの信号値の直線補間から求まる信号値の低域フィルタ出力を補正信号として出力することを特徴とする。
【0016】
また、第2の補正手段における所定の処理により、オーディオ信号復調手段より出力されるオーディオ信号の低域通過フィルタ出力を前記オーディオ信号における雑音の発生時点直前においてホールドした信号値を補正信号とすることであることを特徴とする。
【0017】
また、第2の補正手段は、雑音の発生時点前後にそれぞれ存在する複数の信号値を前記雑音の発生前後のそれぞれに対応して平均することによって得られる2つの平均信号値の直線補間から求まる信号値の低域フィルタ出力を補正信号とすることを特徴とする。
【0018】
また、復調されたオーディオ信号における全帯域のレベルを検出するレベル検出手段をさらに備え、該レベル検出手段のレベル出力に対する高域レベル検出手段のレベル出力の割合と所定値との関係に基づいて選択手段を動作させることを特徴とする。
【0019】
また、雑音検出手段は、高域レベル検出手段の出力レベルに応じて、その検出感度が可変であることを特徴とする。
【0020】
また、第1の補正手段と第2の補正手段とにFM復調信号を入力し、オーディオ信号を構成する右チャンネル信号および左チャンネル信号間における加算信号のレベルと減算信号のレベルとに基づいて選択手段を動作させることを特徴とする。
【0021】
本発明に係るオーディオ装置は、上記のいずれかに記載された雑音除去装置を備えることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、例えばカーラジオ等のカーオーディオ機器、車搭載型テレビのカービデオ機器等のオーディオ出力装置、またはこのオーディオ出力装置を含むような映像音声装置等に適用することで雑音除去に絶大なる効果を発揮することが可能な構成の実施の形態について述べる。
【0023】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である雑音除去装置のブロック構成図である。
【0024】
1000は受信した放送電波等より、FM信号を復調するためのFM復調器、5はステレオ復調手段、12はステレオ復調手段5のRchの中低域信号用の中低域用補正手段、13はステレオ復調手段5のRchの高域信号用の高域用補正手段、21は高域用補正手段13と中低域用補正手段12の出力信号を切り替えるスイッチ、14はステレオ復調手段5のLchの中低域信号用の中低域用補正手段である(ここで、中低域用補正手段12、14は、それぞれRch、Lchに対応して設けられた第1の補正手段である。)。
【0025】
15はステレオ復調手段5のLchの高域信号用の高域用補正手段、22は高域用補正手段15と中低域補正手段14の出力信号を切り替えるスイッチ、16はスイッチ21の出力信号のレベル(エンベロープ)を検出するレベル検出手段、17はスイッチ21の出力信号の高域成分を検出する高域レベル検出手段である(ここで、高域用補正手段13、15は、それぞれRch、Lchに対応して設けられた第2の補正手段である。)。
【0026】
18はスイッチ22の出力信号のレベルを検出するレベル検出手段、19はスイッチ22の出力信号の高域成分を検出する高域レベル検出手段、200はレベル検出手段16および高域レベル検出手段17の各出力レベルにスイッチ21を制御するための選択手段、201はレベル検出手段18および高域レベル検出手段19の各出力レベルに応じてスイッチ22を制御するための選択手段である。
【0027】
次に動作について説明する。
例えば、先に延べたオーディオ出力装置の一例としてのカーラジオにおいては、付属のアンテナ等により、受信された放送信号はFM復調器1000によりFM復調信号が出力される。このFM復調信号はステレオ復調回路5およびノイズ検出手段110にそれぞれ入力され、以下に詳細に述べる処理を施される。
【0028】
まず、ノイズ検出手段110は、例えば従来の装置におけるノイズ検出手段11と同じようにパルス性ノイズを検出する。ノイズ検出手段110の出力信号としては、パルス性ノイズを検出した期間に高レベル(Hレベル)、検出しなかった期間に低レベル(Lレベル)のゲート信号を出力し、このゲート信号出力は高域用補正手段13、中低域用補正手段12、高域用補正手段15および中低域用補正手段14に入力される。
【0029】
次に各補正手段12〜15はゲート信号がHレベルの期間における入力信号(ステレオ復調手段5からの出力)を補正し、Lレベルの期間では入力信号をそのまま出力する。
【0030】
(補正期間前後の値による補正について)
ここで、中低域用補正手段12および14は、補正期間の前後の値を用いて、ノイズが発生した期間(以下、ノイズ期間と称する)の信号を直線補間する(この直線補間により出力される信号を補正信号と称する)。なお、この補正信号は低域フィルタを介して出力してもよい。
【0031】
この中低域用補正手段12および14を用い、ノイズ期間に対して波長が長い(すなわち、周波数が低い)信号を直線補間した結果、補正誤差が最も大きくなる場合と、ノイズ期間に対して波長が短い(すなわち、周波数が高い)信号を直線補間した結果、補正誤差が最も大きくなる場合の波形の例を図2に示す。
【0032】
図2中の●印はノイズが発生しなかった場合の本来得られるべきレベルであり、この例の場合には補正誤差が最も大きくなるポイントに相当し、▽印がその補正値(中低域用補正手段12による補正値)を示している。
【0033】
図2(a)はステレオ復調手段5の出力信号の波長が補正期間に対して長い(すなわち、周波数が補正期間に対し低い)場合を示しており、▽印と●印のレベル差(差分値)が小さく、補正による誤差は信号波形の振幅に対して非常に小さいかほとんどない。このように第1の補正手段においては、雑音の発生時点を含む所定期間の直前および直後に存在する信号値に基づいて雑音を補正するための補正信号を出力する(以下の各実施の形態の説明における第1の補正手段については、特に断りのない限り同様の動作を行うものとする)。
【0034】
図2(b)はステレオ復調手段5の出力信号の波長が補正期間に対して短い(すなわち、周波数が補正期間に対し高い)場合を示しており、▽印と●印のレベル差(差分値)が大きく、補正による誤差は信号波形の振幅に対して大きい。
【0035】
すなわち、信号波形の波長が短い信号波形(すなわち、高い周波数の信号波形)に対して、上述した中低域用補正手段12を用いた補間を行うと、十分なノイズの抑圧効果が得られないことになる。
【0036】
(平均期間における平均値を用いた補正について)
次に、高域用補正手段13および15は補正期間の前と後で平均化処理を行い(◆印が平均期間における平均値)、この2つの平均値(補正信号としての平均信号値)を用いて直線補間を行う。なお、この補正信号(平均信号値)は低域フィルタを介して出力される。
【0037】
なお、ここにおける平均期間とはノイズ期間の前後における所定の期間であって、その期間中に含まれる複数の信号値に基づいて、その期間における信号レベルの平均値が求められる。
【0038】
この高域用補正手段13および15を用いて、補正期間に対し低い周波数と高い周波数の信号を補正した波形を図2に示す。
【0039】
図2(a)はステレオ復調手段5の出力信号の波長が補正期間に対して長い(すなわち、周波数が補正期間に対し低い)場合を示しており、●印とのレベル差は▽印の方が○印よりも小さくなっている。
【0040】
図2(b)はステレオ復調手段5の出力信号の波長が補正期間に対して長い(すなわち、周波数が補正期間に対し低い)場合を示しており、●印とのレベル差は○印の方が▽印より小さくなっている。
【0041】
従って、信号波形の波長が補正期間に対して十分に長い(すなわち、信号波形の周波数が補正期間に対し低い)場合には中低域用補正手段12および14を用いて補正(補間処理)を行い、信号波形の波長が補正期間に対して短い(すなわち、信号波形の周波数補正期間に対し高い)場合には高域用補正手段13および15を用いて補正(補間処理)を行う。このように第2の補正手段においては、雑音の発生時点を含む所定期間の直後に存在する複数の信号値に基づいて雑音を補正するための補正信号を出力する(以下の各実施の形態の説明における第2の補正手段については、特に断りのない限り同様の動作を行うものとする)。
【0042】
(レベル検出手段について)
次に、レベル検出手段について説明する(以下では、理解を簡単にするため、まずRchの系列に係わる構成について述べる)。
【0043】
レベル検出手段16においては、高域用補正手段12または中低域用補正手段13を用いて補正された信号のレベルを検出する(エンベロープ検出)。
【0044】
この場合のレベル検出手段16は、例えば図3(a)のような構成を採用することにより実現することができる。なお、ここでは、スイッチ21の出力に直流分は含まないものとする。
【0045】
図において、23は絶対値回路であり、24は低域フィルタ(LPF)である。まず、絶対値回路23において、スイッチ21より出力される出力信号の絶対値を求め、LPF24によって高域成分を除く。このLPF24の出力信号はスイッチ21から出力される信号のエンベロープとして出力される。
【0046】
なお、Lchの系列についても、レベル検出器18、高域用補正手段15または中低域用補正手段14、スイッチ22はそれぞれRchの対応する構成、レベル検出器18の構成も図3(a)に示すものと同様のものが採用され、その動作も同様である。
【0047】
(高域レベル検出手段について)
次に、高域レベル検出手段について説明する(以下では、理解を簡単にするため、まずRchの系列に係わる構成について述べる)。
【0048】
高域レベル検出手段17においては、高域用補正手段12または中低域用補正手段13を用いて補正された信号のレベルを検出する(エンベロープ検出)。
【0049】
この場合の高域レベル検出手段17は、例えば図3(b)のような構成を採用することにより実現することができる。なお、ここでは、スイッチ21の出力に直流分は含まないものとする。
【0050】
図において、25は高域フィルタ(HPF)、26は絶対値回路、27は低域フィルタ(LPF)である。まず、HPF25において、スイッチ21より出力される出力信号の低域成分を除き、高域成分を得る。
【0051】
次に、絶対値回路26において、HPF25の出力信号の絶対値を求める。次に、LPF27で高域成分を除く。このLPF27の出力信号はスイッチ21から出力される信号の高域成分のエンベロープとして出力される。
【0052】
なお、Lchの系列についても、高域レベル検出手段19、高域用補正手段15または中低域用補正手段14、スイッチ22はそれぞれRchの対応する構成、高域レベル検出器19の構成も図3(b)に示すものと同様のものが採用され、その動作も同様である。
【0053】
(選択手段について)
次に、選択手段200について説明する。選択手段200には高域レベル検出手段17からの出力信号VHとレベル検出手段16からの出力信号VAが入力される。
【0054】
ここで、VH/VAが所定値より小さい(すなわち、高い周波数成分の信号の割合が小さい)場合、高い周波数成分の信号を補正するために生じる補正誤差の発生する割合が小さいと考えられるので、選択手段200はスイッチ21によってRchの出力側と中低域用補正手段12とを、また、選択手段201はスイッチ22によってLchの出力側と中低域補正手段14とをそれぞれ接続する。
【0055】
VH/VAが所定値より大きい(すなわち、高い周波数成分の信号の割合が大きい)場合、高い周波数成分の信号を補正するために生じる補正誤差の発生する割合が大きいと考えられるので、選択手段200はスイッチ21によってRchの出力側と高域用補正手段13とを、また、選択手段201はスイッチ22によってLchの出力側と高域用補正手段14とをそれぞれ接続する。
【0056】
以上のように、FMステレオ復調した信号における高域成分のレベル(高域成分のエンベロープ)VHと全帯域のレベル(全帯域のエンベロープ)VAとの割合(比)と所定値とを比較した結果に応じて補正手段を選択するので補正誤差を軽減することができる。
【0057】
また、上述したこれらの処理はFM検波回路1の出力信号をA/D変換(Analog to Digital変換)した後にDSP(Digital Signal Processor)などを用いディジタル信号処理により実行しても良い。この場合、中低域用補正手段12および14、高域用補正手段13および15のうち選択されてない補正手段は補正のための処理を省略することができる。
【0058】
また、高域レベル検出手段17または19として、図3に示したHPF25を用いる場合について説明したが、ステレオ復調された信号のうち、例えば15kHz以上の成分は基本的に不要なので、15kHz以上の成分が除去できるBPFを用いてもよい。
【0059】
また、補正方法に直線補間を用いた場合について説明したが、ノイズ期間における信号を直線補間し更にLPFを通過させ、補正誤差の高域成分を抑圧した後にノイズ期間の信号(ノイズ)と置き換えても良い。
【0060】
なお、上述の説明においてはVHの信号レベルが大きく(この場合VAの信号レベルも大きくなる)なる場合に、VA(レベル検出手段のレベル出力)に対するVH(高域レベル検出手段のレベル出力)の割合(VH/VA)と所定値との関係に基づいて選択手段の動作を決定したが、例えばVHの信号レベルが極端に大きくならない場合にはVHのみと所定値との関係に基づいて選択手段の動作を決定してもよいことは説明するまでも無い。
【0061】
(LPFを用いた高域用補正手段について)
高域用補正手段13および15の構成の一例について、図4に示した信号波形を参照しながら説明する。なお、この高域用補正手段13および15には、入力されるステレオ信号の入力側にLPF(ローパスフィルタ)を含んで構成される。
【0062】
図4(a)は高域用補正手段13および15にステレオ復調手段5から入力される入力信号にパルス性ノイズが含まれる状態を示している(パルス性ノイズの期間はノイズ検出手段110によって検出される)。また、図4(b)は図4(a)に示されたステレオ信号をLPFに入力し、その結果、ステレオ信号の高域成分が減衰したLPFの出力信号(第2の高域用補正手段における所定の処理により得られる出力信号)を示している。
【0063】
ここに用いられるLPFの特性としては、選択手段200および201に用いたHPF25の通過帯域の信号を十分に減衰(例えば、振幅レベルで1/10程度まで減衰)させる必要がある。
【0064】
従って、ここに用いるLPFは、例えばHPF25のカットオフ周波数が5KHzである場合、LPFのカットオフ周波数を500Hz(1次数のフィルタの場合)程度のものを用いるとよい。
【0065】
ステレオ信号のパルス性ノイズが含まれている部分は、聴覚上、大きな雑音を生じるので当該部分の信号の補正を以下のように行う。すなわち、上述したステレオ信号の高域成分が減衰したLPFの出力信号(図4(b))の、パルス性ノイズの発生時点直前の出力信号(図4(b)における、レベルPで指示した部分の信号)を補正信号とする。
【0066】
具体的な一例としては、信号レベルPである出力信号をノイズ検出手段110の出力信号がHレベル(図4(b)のハイレベル)になった時点をタイミングとしてホールドし、パルス性ノイズの含まれている期間(図4(a)に示すパルス性ノイズ発生期間)中ホールドする。
【0067】
この場合のステレオ信号の状態を図4(c)の実線により示す。仮に、ステレオ信号の高域成分が減衰したLPFの出力信号(図4(b))を用いないで、単に前値保持した場合には、図4(c)の破線により示すように補正誤差が大きくなる場合があり、これが聴覚上の大きな雑音となってしまう。
【0068】
すなわち、上述したステレオ信号の高域成分が減衰したLPFの出力信号を補正信号に用いることによって図4(c)の実線に示すような状態が安定的に実現でき、聴覚上の雑音の発生を抑えることができる。
【0069】
なお、図4(b)に示したノイズ検出手段110の出力信号は、LPFにおいて発生する遅延時間(t3−t1)が含まれる場合について例示したものであり、簡単な構成を採用する場合には、多少遅延時間が含まれていても聴覚上の雑音が気にならない場合、特に大きな問題は発生せず、上記した効果を得ることができる。
【0070】
上述した遅延時間を厳密に補償することは、例えば、ステレオ信号を一旦メモリに蓄積し、この蓄積されたステレオ信号についてノイズ検出手段110の出力信号の遅延時間(t3−t1)分、時間軸上で進ませることによって実現できる。
【0071】
また、ここにおけるLPFの遅延時間はステレオ信号の周波数によって異なるが、例えばLPFの周波数特性に応じて適応的に切換えるように構成してもよい。さらに、ここでは雑音の発生時点の以前のステレオ信号(オーディオ信号)に所定の処理(LPF出力を得て、そのホールド値を補正信号とする)を施したが、雑音の発生時点の以降のステレオ信号に所定の処理(LPF出力を得て、そのホールド値を補正信号とする)を施してもよい。また、雑音の発生時点の以前および以降のステレオ信号に所定の処理(LPF出力を得て、雑音の発生時点の以前および以降のホールド値を得、例えば、それら2つのホールド値の平均値を補正信号とする)を施してもよい。すなわち、雑音の発生時点の以前または以降の少なくともいずれか一方のステレオ信号に所定の処理を施したものを補正信号として用いればよい。
【0072】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2である雑音除去装置のブロック構成図である。図において、5はステレオ復調手段、12はステレオ復調手段5のRchの中低域の信号に補正を施すための中低域用補正手段、13はステレオ復調手段5のRchの高域の信号に補間を施すための高域用補正手段である。
【0073】
21は高域用補正手段13と中低域用補正手段12の出力信号を切り替えるスイッチ、14はステレオ復調手段5のLchの中低域信号用の中低域用補正手段、15はステレオ復調手段5のLchの高域信号用の高域用補正手段である。なお、高域用補正手段13および15は、そのステレオ信号の入力側にLPFを含む、実施の形態1において説明したものと同様の構成を採用する。
【0074】
22は高域用補正手段15と中低域補正手段14の出力信号を切り替えるスイッチ、16はスイッチ21の出力信号のレベル検出手段、17はスイッチ21の出力信号の高域成分を検出する高域レベル検出手段である。
【0075】
18はスイッチ22の出力信号のレベルを検出するレベル検出手段、19はスイッチ22の出力信号の高域成分を検出する高域レベル検出手段である。
【0076】
28はレベル検出手段15および17と高域レベル16および18の各出力レベルとに応じて、スイッチ21および22を制御する選択手段、111は高域レベル検出手段17および19からの出力に応じてノイズ検出の感度を調整するノイズ検出手段である。
【0077】
次に、実施の形態1と動作が異なる部分について説明する。
図6に小さいパルス性ノイズを補正した場合を示す(ここでは、信号波形の振幅レベルの50%までの振幅を有するノイズを小さいパルス性ノイズと称する)。
【0078】
図6中(a)は小さいパルス性ノイズを補正する前の波形の一例、(b)は補正した後の波形の一例をそれぞれ示す。
図6(a)と(b)とを比較すると分かるように、図示したような例においては、補正後の波形の方が補正する前の波形よりレベル差(誤差)が大きくなる(本来の信号波形から大きく波形が変形してしまう。図6に示す例では、本来の正弦波から補正された部分について大きく波形が変形している)ことに起因して、補正したために却ってノイズとしては大きくなってしまう場合がある。特に、周波数が高い信号を補正する場合には補正誤差が大きくなるのでこの傾向が大きい。
【0079】
そこで、周波数の高い成分が大きい場合はパルス性ノイズの検出感度を下げ、小さなノイズは検出しないようにし補正手段12〜15による補正を行わないようにする。
【0080】
図7に上述の動作を実現可能な、検出手段111の一例を示す。図7に示したHPF6、ノイズアンプ7、波形整形回路9、積分回路10の動作は従来の装置における動作と同じである。また、加算器28において積分回路10の出力と、高域レベル検出手段17および19の出力に重み付け器29と重み付け器30を介して重み付け(それぞれ係数を乗算する。もちろん係数を1とする場合も含まれる)した後の各出力を加算し、この加算結果を制御信号としてノイズアンプ7に入力する。
【0081】
ここで、ノイズアンプ7は上述の制御信号(加算結果)が大きいほどゲインを小さくする。従って、高域レベル検出手段17および19の出力が0の場合におけるノイズアンプ7のゲインは、ノイズ検波回路8の出力信号の平均レベルを一定に保つように働くことになる。
【0082】
ノイズ検波回路8の出力信号の平均レベルは波形整形回路9の閾値よりも小さい。ところが、時間的変化が速い信号に対してはノイズアンプ7のゲインは変化しないので、ノイズアンプ7にパルス性ノイズが加わるとノイズ検波回路8の出力が波形整形回路9の閾値よりも大きくなり、波形整形回路9はHレベルを出力しパルス性ノイズを検出する。
【0083】
ここで、ノイズ検波回路8の出力の平均値と波形整形回路9の閾値の差以下の大きさのパルス性ノイズが発生しても検出しない。従って、小さなパルス性ノイズまで検出する場合には、ノイズ検波回路8の出力信号の平均値と波形整形回路9の閾値との差を小さくし、小さなパルス性ノイズを検出しない場合はノイズ検波回路8の出力信号の平均値と波形整形回路9の閾値との差を大きくすればよい。
【0084】
次に、ステレオ復調信号に高域の信号が多く含まれ、高域レベル検出手段17および19の出力が大きくなってくると、ノイズアンプの制御信号が大きくなるため、それに応じてノイズアンプ7のゲインが小さくなる。
【0085】
このため、ノイズ検波回路8の出力信号の平均値は小さくなり、波形整形回路9の閾値との差が大きくなるために小さなパルス性ノイズは検出されなくなる。
【0086】
以上のように、ステレオのFM復調した信号の高域成分のレベルが大きいとパルス性ノイズの検出感度を下げる(すなわち、検出感度は高域レベル検出手段の出力レベルに応じて可変である)ので、小さなパルス性ノイズを補正することによる補正誤差が軽減される。
【0087】
また、上述したこれらの処理は、FM検波回路1の出力信号をA/D変換し、その後の処理をDSP等によりディジタル信号処理技術を用いて実行しても良い。なお、この場合においては中低域用補正手段12および14、高域用補正手段13および15のうち、選択されてない補正手段における補正のための処理を省略することができる。
【0088】
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3である雑音除去装置のブロック構成図である。図において、112はFM検波回路1の出力からパルス性ノイズを検出するノイズ検出手段、120はFM検波回路1の出力信号のうち、中低域成分が多い場合に中低域の信号に補正を施すための中低域用補正手段、130はFM検波回路1の出力信号のうち、高域成分が多い場合に高域の信号に補正を施すための高域用補正手段、21は中低域用補正手段120と高域用補正手段130の出力を切り替えるスイッチである。なお、高域用補正手段130は、そのステレオ信号の入力側にLPFを含む、実施の形態1において説明したものと同様の構成を採用する。
【0089】
5はスイッチ21の出力信号に接続されたステレオ復調手段、160はステレオ復調手段5のLch信号のレベルを検出するレベル検出手段、170はステレオ復調手段5のLch信号のうち高域の信号レベルを検出する高域レベル検出手段、180はステレオ復調手段5のRch信号の信号レベルを検出するレベル検出手段である。
【0090】
190はステレオ復調手段5のRch信号のうち、高域の信号レベルを検出する高域レベル検出手段、300はLch信号の信号レベルとRch信号の信号レベルとの差であるL−R成分の大きさ(減算信号のレベル。なお、R−L成分であっても良い)を検出するL−Rレベル検出手段、301はLch信号の信号レベルとRch信号の信号レベルとの和であるL+R成分の大きさ(加算信号のレベル)を検出するL+Rレベル検出手段である。
【0091】
400はレベル検出手段160、180、高域検出手段170、190、L−Rレベル検出手段300の各出力に応じてスイッチ21を切り替える選択手段である。
【0092】
次に動作を説明する。
まず、ノイズ検出手段112は、例えば従来の装置における検出手段11と同様にしてパルス性ノイズを検出する。ノイズ検出手段112の出力信号はパルス性ノイズを検出した期間は高レベル(Hレベル)の、検出しなかった期間は低レベル(Lレベル)の各ゲート信号を出力し、高域用補正手段130と中低域用補正手段120に入力する。
【0093】
次に、補正手段120、130はゲート信号がHレベルの期間にある信号を補正する。ここで、補正されるFM検波回路1の出力信号は、0〜15kHzのL+R成分と23〜53kHzの帯域に38kHzでAM変調されたL−R成分、および19kHzのパイロット信号から構成されている。
【0094】
よって、L−R成分を多く含む信号に対し数十μs幅のパルス性ノイズに対応する補正を行うと、補正期間内に数波長のパルス性ノイズが存在する場合もあり、単純に前値保持や直線補間等を行ってしまうと、却って補正誤差が大きくなる場合がある。この場合には、高域用補正手段130を用い補正による誤差を小さくする。
【0095】
また、FM検波回路1の出力信号にL−R成分が少ない場合、23k〜53kHzの成分が少ないので、L+R成分のうちの高域成分が少ないことは、FM検波回路1の出力信号のうちの高域成分が小さいことと等価であるので、単純に前値保持や直線補間を行い補正誤差を小さくすることができる。
【0096】
従って、この場合、選択手段400は下記の(1)および(2)に示す条件を満たす場合に、スイッチ21を中低域用補正手段120に接続するように動作する。
(1)L−Rレベル検出手段300の出力が、L+Rレベル検出手段301の出力信号より十分小さい。
(2)高域レベル検出手段170および190の出力が、レベル検出手段160および180の出力よりも十分小さい場合。
【0097】
ここで、L−Rレベル検出手段300の出力信号は、例えば、ステレオ復調されたLch信号とRch信号との差の絶対値をLPFに入力した出力から得られる。また、L+Rレベル検出手段301の出力信号は、例えば、ステレオにFM復調されたLch信号とRch信号の和の絶対値を入力とするLPFの出力から得ることができる。
【0098】
以上のように、上述の(1)および(2)の条件を満足する場合には、FM検波回路1からの出力信号に高域の信号成分が少ないので、単純に直線補間等によって補正を施した方が、本来の復調信号との誤差を小さくすることができる。
【0099】
また、上述したこれらの処理は、FM検波回路1の出力信号をA/D変換し、その後の処理をDSP等によりディジタル信号処理技術を用いて実行しても良い。
【0100】
また、上述した実施の形態の説明においては、ステレオのFM復調後の信号に処理を加えて、選択手段400に入力しているが、スイッチ21の出力信号を補正したコンポジット信号における高域の信号レベルを検出し、これが小さい場合にはL−Rの成分が小さく、さらにステレオにFM復調された信号の高域成分も小さくなるので、スイッチ21は中低域用補正手段120に接続するようにしても良い。
【0101】
【発明の効果】
上述したように、この発明によれば以下に述べる効果を奏する。
【0102】
本発明に係る雑音除去装置は、FM復調信号に含まれる雑音を検出する雑音検出手段と、前記FM復調信号に含まれるオーディオ信号を復調するオーディオ信号復調手段と、該オーディオ信号復調手段より出力される前記オーディオ信号を入力とし、前記雑音検出手段により検出された雑音の発生時点前後の前記オーディオ信号に基づいて該オーディオ信号の補正信号を出力する第1の補正手段と、前記オーディオ信号復調手段より出力される前記オーディオ信号を入力とし、前記雑音検出手段により検出された雑音の発生時点の以前または以降の少なくともいずれかの前記オーディオ信号に所定の処理を施した信号に基づいて前記オーディオ信号の補正信号を出力する第2の補正手段と、前記オーディオ信号復調手段より出力される前記オーディオ信号の高域成分のレベルを検出する高域レベル検出手段と、該高域レベル検出手段の出力に基づいて前記第1または第2の補正手段のいずれかを選択する選択手段とを備えることを特徴とするので、オーディオ信号に高い周波数成分が含まれていても、高い周波数成分を検出し、高い周波数成分の割合が大きい場合において高い周波数の信号に対して誤差が少ない補正を選択することにより、高い周波数成分の割合が大きい場合の補正誤差が軽減できる。
【0103】
また、第1の補正手段は、雑音の発生時点の直前および直後に存在する2つの信号値の直線補間から求まる信号値の低域フィルタ出力を補正信号として出力することを特徴とするので、低い周波数成分の割合が大きい場合の補正誤差が軽減できる。
【0104】
また、第2の補正手段における所定の処理により、オーディオ信号復調手段より出力されるオーディオ信号の低域通過フィルタ出力を前記オーディオ信号における雑音の発生時点直前においてホールドした信号値を補正信号とすることであることを特徴とするので、補正信号を得るのに要する処理量を低減することができる。
【0105】
また、第2の補正手段は、雑音の発生時点前後にそれぞれ存在する複数の信号値を前記雑音の発生前後のそれぞれに対応して平均することによって得られる2つの平均信号値の直線補間から求まる信号値の低域フィルタ出力を補正信号とすることを特徴とするので、高い周波数成分の割合が大きい場合の信号補正を的確に行うことが可能であり補正誤差を軽減することができる。
【0106】
また、復調されたオーディオ信号における全帯域のレベルを検出するレベル検出手段をさらに備え、該レベル検出手段のレベル出力に対する高域レベル検出手段のレベル出力の割合と所定値との関係に基づいて選択手段を動作させることを特徴とするので、高域レベル検出手段からの出力が大きくなった場合においても雑音を確実にとらえることが可能である。
【0107】
また、雑音検出手段は、高域レベル検出手段の出力レベルに応じて、その検出感度が可変であることを特徴とするので、低いレベルの雑音が含まれる場合における、補正による大きな誤差の発生を防ぐことができる。
【0108】
また、第1の補正手段と第2の補正手段とにFM復調信号を入力し、オーディオ信号を構成する右チャンネル信号および左チャンネル信号間における加算信号のレベルと減算信号のレベルとに基づいて選択手段を動作させることを特徴とするので、受信した信号に適合する補正を行うことが可能である。
【0109】
本発明に係るオーディオ装置は、上記のいずれかに記載された雑音除去装置を備えることを特徴とするので、雑音が含まれたとしても、その雑音に対して最適な補正を行って、品質の高いオーディオ出力を得ることが可能なオーディオ出力装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の雑音除去装置の補正波形を示す図である。
【図3】実施の形態1の雑音除去装置のステレオ復調後におけるレベル検出手段の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1の雑音除去装置の補正波形を示す図である。
【図5】実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2の補正動作を説明する図である。
【図7】実施の形態2におけるノイズ検出手段の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態3の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の雑音除去装置の構成を示すブロック図である。
【図10】FMステレオ復調波形を示す図である。
【図11】ノイズ補正波形の一例である。
【符号の説明】
5 ステレオ復調手段、6 ハイパスフィルタ、7 ノイズアンプ、8 ノイズ検波回路、9 波形整形回路、10 積分回路、110,111,112 ノイズ検出手段、12,14,120 中低域用補正手段、13,15,130 高域用補正手段、16,18,160,180 レベル検出手段、17,19,170,190 高域レベル検出手段、28,200,201,400 選択手段、21,22 スイッチ、23,26 絶対値回路、24,27 LPF、6,25 HPF、29,30 重み付け回路、300 L−Rレベル検出手段、302 L+Rレベル検出手段。
Claims (8)
- FM復調信号に含まれる雑音を検出する雑音検出手段と、
前記FM復調信号に含まれるオーディオ信号を復調するオーディオ信号復調手段と、
該オーディオ信号復調手段より出力される前記オーディオ信号を入力とし、前記雑音検出手段により検出された雑音の発生時点前後の前記オーディオ信号に基づいて該オーディオ信号の補正信号を出力する第1の補正手段と、
前記オーディオ信号復調手段より出力される前記オーディオ信号を入力とし、前記雑音検出手段により検出された雑音の発生時点の以前または以降の少なくともいずれかの前記オーディオ信号に所定の処理を施した信号に基づいて前記オーディオ信号の補正信号を出力する第2の補正手段と、
前記オーディオ信号復調手段より出力される前記オーディオ信号の高域成分のレベルを検出する高域レベル検出手段と、
該高域レベル検出手段の出力に基づいて前記第1または第2の補正手段のいずれかを選択する選択手段とを備えることを特徴とする雑音除去装置。 - 第1の補正手段は、雑音の発生時点の直前および直後に存在する2つの信号値の直線補間から求まる信号値の低域フィルタ出力を補正信号として出力することを特徴とする請求項1に記載の雑音除去装置。
- 第2の補正手段における所定の処理により、オーディオ信号復調手段より出力されるオーディオ信号の低域通過フィルタ出力を前記オーディオ信号における雑音の発生時点直前においてホールドした信号値を補正信号とすることであることを特徴とする請求項1に記載の雑音除去装置。
- 第2の補正手段は、雑音の発生時点前後にそれぞれ存在する複数の信号値を前記雑音の発生前後のそれぞれに対応して平均することによって得られる2つの平均信号値の直線補間から求まる信号値の低域フィルタ出力を補正信号とすることを特徴とする請求項1に記載の雑音除去装置。
- 復調されたオーディオ信号における全帯域のレベルを検出するレベル検出手段をさらに備え、該レベル検出手段のレベル出力に対する高域レベル検出手段のレベル出力の割合と所定値との関係に基づいて選択手段を動作させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の雑音除去装置。
- 雑音検出手段は、高域レベル検出手段の出力レベルに応じて、その検出感度が可変であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の雑音除去装置。
- 第1の補正手段と第2の補正手段とにFM復調信号を入力し、オーディオ信号を構成する右チャンネル信号および左チャンネル信号間における加算信号のレベルと減算信号のレベルとに基づいて選択手段を動作させることを特徴とする請求項1に記載の雑音除去装置。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載された雑音除去装置を備えるオーディオ装置。
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