JP3742748B2 - Fm受信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FM放送波を受信するFM受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、FM放送を配信している放送局では、音声信号等を用いてFM変調処理を行って所定周波数の搬送波に対応するFM放送波を送信している。このFM変調処理においては、所定の変調度を有するFM変調信号が用いられ、音声信号等の振幅を周波数偏移に対応付けた変換処理が行われる。
【0003】
このようなFM放送波を受信するFM受信機では、受信したFM放送波を所定周波数(例えば10.7MHz)の中間周波数信号に変換した後、FM復調処理を行って、この中間周波信号に重畳されているFM変調信号を取り出している。このFM変調信号として、例えばモノラルのFM放送波の場合には音声信号が得られる。また、ステレオ方式のFM放送波の場合には、FM変調信号として、L成分とR成分が重畳されたコンポジット信号が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のFM受信機では、設計時に周波数偏移の許容幅が決まっており、中間周波信号の周波数偏移がこの許容幅を超えている、いわゆる過変調のFM放送波を受信した場合には、周波数偏移に比例して復調後の音声信号の振幅値がFM受信機における所定の許容値を超えてしまうことにより、復調後の音声信号に歪みを生じてしまう場合がある。
【0005】
すなわち、一般には、放送波の周波数偏移を大きくすることにより、復調後の音声信号のSN比を向上させることができるが、1局当たりの占有周波数帯域幅も広がってしまうため、両者の兼ね合いから周波数偏移の値が決められており、例えば、日本では、周波数偏移の最大幅が±75kHzに設定されている。ところが、地域によっては、周波数偏移についての規制が厳格でない放送局も存在するため、周波数偏移を日本における一般的な値よりも大きく設定している場合もある。このように、周波数偏移の大きいFM放送波、すなわち高い周波数のFM変調信号が重畳された過変調のFM放送波を受信した場合には、復調後の音声信号の振幅が大きくなり、この振幅値が所定の許容値を超えると音声信号に歪みが生じ、出力される音声の品質が劣化してしまうために好ましくない。
【0006】
特に、最近ではステレオ復調やノイズ除去あるいは音質補正等の各種の処理をDSP(デジタル信号プロセッサ)等で行う場合が多いが、DSP等の動作電圧が低電圧化されるのに伴って、FM復調された信号をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器の許容入力電圧も低電圧化しており、過変調のFM放送波が受信されるとFM復調された信号の振幅が大きくなるためアナログ−デジタル変換器の許容入力電圧を超えてしまい、最終的に得られる音声信号が歪むことになる。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、過変調の放送波を受信した場合における音声信号の歪みを低減することができるFM受信機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明のFM受信機では、所定の受信周波数を有するFM放送波を受信手段により受信し、受信したFM放送波に含まれるFM変調信号をFM復調手段によって復調する際に、FM復調手段から出力される復調信号の振幅レベルを第1の信号レベル調整手段により調整し、振幅レベルが調整された後の復調信号の振幅レベルを信号レベル検出手段により検出しており、検出される復調信号の振幅レベルが所定値以下となるように、第1の信号レベル調整手段による振幅レベルの調整値を設定している。過変調のFM放送波を受信することによりFM復調手段から出力される復調信号の振幅レベルが過度に大きくなった場合であっても、第1の信号レベル調整手段を通した後の復調信号の振幅レベルが所定値以下となるように調整されるので、この振幅レベルが調整された復調信号に基づいて再生される音声信号の歪みを低減することができる。
【0009】
また、FM復調信号に基づいて、FM放送波に含まれる音声信号を再生する音声再生手段と、上述した第1の信号レベル調整手段による調整によって変更された振幅レベルを元に戻す振幅レベルの再調整を行う第2の信号レベル調整手段とをさらに備えることが望ましい。第2の信号レベル調整手段によって振幅レベルの再調整を行うことにより、音声再生手段により再生される音声の音量を適切な値、すなわち、第1の信号レベル調整手段による振幅レベルの調整が行われる前の復調信号の振幅レベルに応じた音量にすることができるので、再生される音声を聴取する利用者が音量変化により感じる違和感を軽減することができる。
【0010】
また、上述した第1の信号レベル調整手段から出力されるアナログの復調信号をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換手段をさらに備えており、第1の信号レベル調整手段から出力される復調信号の振幅レベルが、アナログ−デジタル変換手段の許容入力電圧よりも低くなるように、第1の信号レベル調整手段による振幅レベルの調整値が設定されることが望ましい。最近では、復調信号に基づいて音声を再生する一連の処理、例えば、ステレオ復調処理のために必要なフィルタリング処理やノイズ除去処理などをデジタル処理により行う場合が多いが、この場合に、第1の信号レベル調整手段から出力される復調信号の振幅レベルをアナログ−デジタル変換手段の許容入力電圧よりも低くなるように調整することにより、アナログ−デジタル変換手段の入力信号の振幅が高い場合に生じる出力電圧のクリップを防止することができるため、過変調の復調信号をアナログ−デジタル変換手段に入力することにより生じる音声信号の歪みを低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態のFM受信機について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明を適用した一実施形態のFM受信機の構成を示す図である。同図に示すFM受信機100は、アンテナ10、フロントエンド部(F/E)12、選局回路14、操作部16、中間周波増幅/FM検波回路(IF/DET)18、音声出力部20、制御部22、デジタル−アナログ変換部(D/A)23、パワーアンプ24、スピーカ26を含んで構成されている。
【0012】
フロントエンド部12は、アンテナ同調回路や高調波増幅回路、局部発振回路、混合回路等を含んでおり、アンテナ10から入力されるFM放送波の中から所望の受信周波数(同調周波数)成分を抽出するとともに、抽出した信号に対して所定の周波数変換を行い、10.7MHzの中間周波信号を出力する。
【0013】
選局回路14は、受信周波数を設定するためのものであり、フロントエンド部12内の局部発振回路とともにPLL(位相同期ループ)を構成する。例えば、プログラマブルカウンタからなる分周回路を有しており、この分周比を制御部22からの指示にしたがって変更することによりフロントエンド部12内の局部発振回路の発振周波数を変えて、受信周波数を切り替える。
【0014】
操作部16は、利用者が所望の放送局を選択するために受信周波数を入力したり、スピーカ26から出力される音声の音量や音質等を調整するためのものであり、選局キー等の操作キーを備え、利用者の操作指示に応じた信号を制御部22に出力する。
【0015】
中間周波増幅/FM検波回路18は、フロントエンド部12から出力される中間周波信号を増幅するとともに同調動作を行い、その同調結果に対してFM検波を行ってコンポジット信号(FM復調信号)を出力する。
音声出力部20は、中間周波増幅/FM検波回路18から出力されるコンポジット信号を音声信号(L信号とR信号からなるステレオ音声信号)に分離するステレオ復調処理を行うとともに、音声信号に対して音量や音質の補正処理を行う。音声出力部20に含まれる各構成要素の詳細については後述する。
【0016】
制御部22は、受信周波数の設定やスピーカ26から出力される音声の音量や音質の調整等、FM受信機100全体の動作を制御するものである。制御部22の動作内容の詳細については後述する。
デジタル−アナログ変換部23は、音声出力部20から出力されるデジタルデータの音声信号をアナログの音声信号に変換する。パワーアンプ24は、スピーカ26を駆動するために、デジタル−アナログ変換部23から出力される音声信号を所定のゲインで増幅する。スピーカ26は、パワーアンプ24から出力される駆動信号に基づいて音声を出力する。
【0017】
次に、上述した音声出力部20の詳細構成について説明する。図1に示す音声出力部20は、2つのアンプ50、62、2つのゲイン設定部52、64、アナログ−デジタル変換部(A/D)54、ノイズキャンセラ/ステレオ復調部56、音質補正部58、過変調検出部66を含んで構成されている。
【0018】
なお、本実施形態の音声出力部20は、専用DSPにより実現されており、ステレオ復調処理や音質補正処理等をデジタル処理によって実現している。一連の処理をデジタル化することによりノイズ等の影響を受けにくくなるので、ステレオ復調処理のために必要なフィルタリング処理や音質補正処理などを行う際の信号の劣化を低減することができ、より高品質な音声信号を出力することができるとともに、FM受信機100全体の省スペース化や部品点数の削減による低コスト化を図ることができる。また、処理をデジタル化していることから汎用性が高く、音量や音質の補正処理等を行う部分を他のオーディオ機器、例えば、CDプレーヤ等(図示せず)と共用することにより、本実施形態のFM受信機100やCDプレーヤ等を含んで構成されるオーディオシステム全体の省スペース化や低コスト化を実現できるという利点もある。
【0019】
アンプ50は、中間周波増幅/FM検波回路18から入力されるコンポジット信号を所定のゲインで増幅あるいは減衰することにより、コンポジット信号の振幅レベル(電圧値)を後段のアナログ−デジタル変換部54への入力に適したレベルに調整する。ゲイン設定部52は、制御部22からの指示に基づいてアンプ50のゲインを設定する。
【0020】
アナログ−デジタル変換部54は、アンプ50から出力されるゲイン調整後のコンポジット信号をデジタルデータに変換する。
ノイズキャンセラ/ステレオ復調部56は、アナログ−デジタル変換部54からデジタルデータとして出力されるコンポジット信号に対して所定のノイズ除去処理を行った後にステレオ復調処理を行ってステレオの音声信号を生成する。
【0021】
音質補正部58は、制御部22からの操作指示に基づいて、音声信号の音質を補正する処理(例えば、高域を強調する等の処理)を行う。
アンプ62は、スピーカ26から出力される音声の音量を調整するために、音質補正部58から出力される音声信号を所定のゲインで増幅あるいは減衰する。ゲイン設定部64は、制御部22からの指示に基づいてアンプ62のゲインを設定する。
【0022】
過変調検出部66は、アナログ−デジタル変換部54から出力されるコンポジット信号に基づいて過変調の発生を検出し、所定の検出信号を制御部22に出力する。具体的には、中間周波増幅/FM検波回路18から出力されるコンポジット信号は、中間周波数(10.7MHz)に対する周波数偏移が大きいほど振幅レベルが高くなるので、過変調検出部66は、このコンポジット信号の振幅レベルが予め設定されている所定のしきい値Vthよりも高くなった場合にその旨を示す所定の検出信号を出力する。このしきい値Vthは、アナログ−デジタル変換部54の許容入力電圧の最大値に基づいてその値が設定される。
【0023】
図2は、アナログ−デジタル変換部54の許容入力電圧としきい値Vthの関係を説明する図である。本実施形態のアナログ−デジタル変換部54は、許容入力電圧の最大値がVmaxとなっており、入力信号の振幅レベルがこの最大値Vmaxを超えると出力データが所定値に固定されるクリップが発生し、出力データに歪みが生じる。この場合に、中間周波信号の周波数偏移の増加に応じてコンポジット信号の振幅レベルが増加し、上述した許容入力電圧の最大値Vmaxを超えた時点で過変調を検出したのでは、その直後にアンプ50のゲインを下げる処理を行ったとしても、短時間ではあるが出力信号に歪みが生じて、その後のステレオ復調処理等に悪影響を及ぼし、スピーカ26から出力される音声に異音、雑音等が発生してしまうこととなる。
【0024】
したがって、本実施形態では、上述した最大値Vmaxよりもいくらか低いレベルにしきい値Vthを設定し、アナログ−デジタル変換部54から出力されるコンポジット信号の振幅レベルがこのしきい値Vthを超えた時点で過変調を検出して、アナログ−デジタル変換部54に入力されるコンポジット信号の振幅レベルを減衰させている。
【0025】
具体的には、周波数偏移がある値f0 より大きいFM放送波を受信し、対応するコンポジット信号の振幅レベルがしきい値Vthを超えることにより過変調が検出されると、コンポジット信号の振幅レベルを所定量だけ減衰させるようにアンプ50のゲインが設定される。このため、一度過変調が検出された後は、周波数偏移がf0 よりも大きい値であるf1 となるまでは、コンポジット信号の振幅レベルがしきい値Vthを超えないこととなる。また、周波数偏移がf1 より大きくなり、対応するコンポジット信号の振幅レベルがしきい値Vthを超えて過変調が検出された場合には、コンポジット信号の振幅レベルをさらに所定量だけ減衰させるようにアンプ50のゲインが設定される。このため、二度目に過変調が検出された後は、周波数偏移がf1 よりも大きい値であるf2 となるまでは、コンポジット信号の振幅レベルがしきい値Vthを超えないこととなる。
【0026】
このように、過変調を検出する毎にコンポジット信号の振幅レベルを調整する処理を何回か繰り返して行うことにより、最大値Vmaxを超える振幅レベルのコンポジット信号がアナログ−デジタル変換部54に入力されることを防止することができる。
【0027】
上述したアンテナ10、フロントエンド部12、選局回路14が受信手段に、中間周波増幅/FM検波回路18がFM復調手段に、アンプ50、ゲイン設定部52が第1の信号レベル調整手段に、過変調検出部66が信号レベル検出手段にそれぞれ対応している。また、ノイズキャンセラ/ステレオ復調部56が音声再生手段に、アンプ62、ゲイン設定部64が第2の信号レベル調整手段に、アナログ−デジタル変換部54がアナログ−デジタル変換手段にそれぞれ対応している。
【0028】
本実施形態のFM受信機100はこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。図3は、過変調が検出された場合におけるFM受信機100の動作を示す流れ図であり、主に、制御部22において行われる動作について説明されている。
【0029】
制御部22は、過変調検出部66からの検出信号の有無に基づいて、過変調が検出されたか否かを判定する(ステップ100)。
過変調が検出されると、ステップ100で肯定判断がなされ、次に制御部22は、前段側のアンプ50のゲインを所定量(例えば1.5dB)だけ減少した値に設定するようゲイン設定部52に指示を出力する(ステップ101)。これにより、アナログ−デジタル変換部54に入力されるコンポジット信号の振幅レベルが低下することとなる。
【0030】
また、制御部22は、後段側のアンプ62のゲインを所定量だけ増加した値に設定するようゲイン設定部64に指示を出力する(ステップ102)。具体的には、アンプ62のゲインの増加量は、上述したステップ101におけるアンプ50のゲインの減少量に対応して設定される。すなわち、本実施形態では、アナログ−デジタル変換部54の出力信号に歪みが生じるのを防ぐために、入力されるコンポジット信号の振幅レベルを低下させているので、その低下分を後段側のアンプ62で補うことによって、最終的にスピーカ26から出力される音声の音量が変化しないようにしている。
【0031】
次に、制御部22は、操作部16から受信周波数を変更する旨の指示が出力されているか否かを判定する(ステップ103)。受信周波数を変更する旨の指示がなされていない場合には、ステップ103で否定判断がなされ、次に制御部22は、各アンプ50および62のゲインを調整する処理(上述したステップ101および102に示した処理)を行った回数が所定回数を超えているか否かを判定する(ステップ104)。
【0032】
具体的には、本実施形態では、過変調が検出された場合に、各アンプ50、62のゲインを調整する処理を予め設定した所定回数(例えば、2回)に分けて段階的に行うことにより、アナログ−デジタル変換部54に入力されるコンポジット信号の振幅レベルが必要以上に低下することを防止している。
【0033】
ゲインの調整回数が所定回数を超えていない場合には、ステップ104で否定判断がなされ、制御部22は、上述したステップ100に戻り、過変調が検出されたか否かの判定以降の動作を繰り返す。
また、ゲインの調整回数が所定回数を超えた場合には、上述したステップ104で肯定判断がなされ、制御部22は、ステップ103に戻り、受信周波数の変更指示がなされたか否かの判定以降の動作を繰り返す。すなわち、本実施形態では、ゲインの調整回数が所定回数を超えた後は、受信周波数の変更指示がなされるまで(ステップ103で肯定判断がなされるまで)の間は、ステップ103〜104の判定が繰り返されるので、ゲイン調整は行われないこととなる。
【0034】
受信周波数の変更指示がなされると、ステップ103で肯定判断がなされ、制御部22は、選局回路14に指示を送って受信周波数を変更するとともに(ステップ105)、各アンプ50および62のゲインを変更前の値に設定する(ステップ106)。その後、制御部22は、上述したステップ100に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0035】
また、過変調が検出されない場合には、上述したステップ100で否定判断がなされ、制御部22は、ステップ103に進み、受信周波数の変更指示がなされたか否かの判定以降の処理を行う。
このように、本実施形態のFM受信機100は、過変調のFM放送波を受信することにより、コンポジット信号の振幅レベルが所定のしきい値Vthを超えた場合に、アンプ50のゲインを所定量だけ減少させることによってコンポジット信号の振幅レベルを低下させているので、コンポジット信号に基づいて再生される音声信号の歪みを低減することができる。また、アンプ50においてコンポジット信号の振幅レベルを低下させた分を後段側のアンプ62で補うことによって、最終的にスピーカ26から出力される音声の音量が変化しないようにしているので、スピーカ26から出力される音声を聴取する利用者が感じる違和感を軽減することができる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、専用DSPにより一体成形された音声出力部20を用いていたが、必ずしも専用DSPを用いる必要はなく、音声出力部20に含まれる各構成要素をそれぞれ別々の部品によって実現してもよい。
【0037】
また、上述した実施形態では、音声出力部20は、ステレオ復調処理、ノイズ除去処理、音質補正処理等をデジタル処理により行っていたが、アナログ処理により行ってもよい。この場合には、デジタル−アナログ変換部23およびアナログ−デジタル変換部54を省略し、上述したノイズキャンセラ/ステレオ復調部56、音質補正部58、アンプ62をそれぞれ従来から周知のアナログ回路により実現すればよい。なお、この場合における過変調検出部66は、ウインドウコンパレータ等を用いたアナログ回路により実現すればよく、過変調を検出する基準となるしきい値Vthは、アナログ回路で実現されるノイズキャンセラ/ステレオ復調部の許容入力電圧を考慮して設定すればよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、音声出力部20の後段にデジタル−アナログ変換部23およびパワーアンプ24を設けていたが、入力されたデジタル信号に基づいて直接スピーカを駆動するいわゆるデジタルアンプによりアンプ62が実現される場合には、後段のデジタル−アナログ変換部23およびパワーアンプ24を省略することができる。
【0039】
また、上述した実施形態において音声出力部20に備わっている音質補正部58、アンプ62、ゲイン設定部64は、音声出力部20から分離して別の機能ブロックとしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、過変調のFM放送波を受信することにより復調信号の振幅レベルが過度に大きくなった場合であっても、復調信号の振幅レベルが所定値以下となるように調整されるので、この振幅レベルが調整された復調信号に基づいて再生される音声信号の歪みを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のFM受信機の構成を示す図である。
【図2】アナログ−デジタル変換部の許容入力電圧としきい値Vthの関係を説明する図である。
【図3】過変調が検出された場合におけるFM受信機の動作を示す流れ図である。
【符号の説明】
10 アンテナ
12 フロントエンド部(F/E)
14 選局回路
16 操作部
18 中間周波増幅/FM検波回路(IF/DET)
20 音声出力部
22 制御部
23 デジタル−アナログ変換部(D/A)
24 パワーアンプ
26 スピーカ
50、62 アンプ
52、64 ゲイン設定部
54 アナログ−デジタル変換部(A/D)
56 ノイズキャンセラ/ステレオ復調部
58 音質補正部
66 過変調検出部
100 FM受信機

Claims (4)

  1. 所定の受信周波数を有するFM放送波を受信する受信手段と、
    前記FM放送波に含まれるFM変調信号を復調するFM復調手段と、
    前記FM復調手段から出力される復調信号の振幅レベルを調整する第1の信号レベル調整手段と、
    前記第1の信号レベル調整手段によって振幅レベルが調整された後の前記復調信号の振幅レベルを検出する信号レベル検出手段と、
    を備え、前記信号レベル検出手段によって検出された前記復調信号の振幅レベルが、過変調発生の有無の閾値となる所定値Vthを超えたときに、前記復調信号の振幅レベルを所定量だけ減衰させるように、前記第1の信号レベル調整手段による振幅レベルの調整値を設定することを特徴とするFM受信機。
  2. 請求項1において、
    前記所定値Vthは、過変調状態に伴って出力信号に歪みが発生する振幅レベルVmaxよりも低いレベルに設定されていることを特徴とするFM受信機。
  3. 請求項1または2において、
    前記FM復調信号に基づいて、前記FM放送波に含まれる音声信号を再生する音声再生手段と、
    前記第1の信号レベル調整手段による調整によって変更された振幅レベルを元に戻す振幅レベルの再調整を行う第2の信号レベル調整手段と、
    をさらに備えることを特徴とするFM受信機。
  4. 請求項1または2において、
    前記第1の信号レベル調整手段から出力されるアナログの前記復調信号をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換手段をさらに備えており、
    前記第1の信号レベル調整手段から出力される前記復調信号の振幅レベルが、前記アナログ−デジタル変換手段の許容入力電圧よりも低くなるように、前記第1の信号レベル調整手段による振幅レベルの調整値が設定されることを特徴とするFM受信機。
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