JP3839008B2 - マルチパスノイズ除去方法及び除去装置 - Google Patents

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本発明はFM受信に関し、特にマルチパスノイズ除去方法及び除去装置の改良に関する。
近年、FM放送の受信機、特に車載ラジオにおいては、耳障りなパルス性ノイズやマルチパスノイズの除去もしくは耳障りでなくする点の要求が非常に強くなっており音質の向上が求められている。
FM放送の受信機においては、アンテナや高周波増幅回路で構成されるフロントエンドから出力された信号を、周波数変換回路において中間周波数(一般的に国内では10.7MHzが用いられる場合が多い、以下「IF」という。)の信号(IF信号)に変換した後、増幅し、FM検波回路によりFM復調処理を行う。ここで増幅されたIF信号は一定の振幅でありIF信号に含まれるFM成分もIFに対して十分小さい周波数変動の信号である。ところが、マルチパスノイズ発生時にはIF信号のレベルや周波数が急激に変動することが知られている。
図15はマルチパスノイズ発生時のIF信号のレベル変動の例を示す図であり、図16はFM検波回路の出力におけるマルチパスノイズ発生部分の一部を拡大表示した図である。図15から分かるようにマルチパスノイズ発生時には、IF信号のレベルがT1−T2間のように急激に小さくなったりIF信号が無くなるような影響を受ける。
従来のFM検波回路では、FM検波後の信号からマルチパスノイズ除去用の信号を生成し、該信号を使用してFM検波出力からマルチパスノイズを除去している(特許文献1〜3参照)。
特開平2−283129号公報 特開2001−36422号公報 特開平6−177786号公報
図13は、特許文献2に記載されたマルチパスノイズ除去装置(第1の従来技術)を示す図である。第1の従来技術は、FM受信機の構成として、フロントエンド12、IF増幅手段13、FM検波手段14、マルチパスノイズ除去手段15、雑音除去手段16、ステレオ復調手段17、増幅手段18、スピーカー19、20、SP手段21、HC手段22から構成される。
ここでマルチパスノイズ除去手段15は、FM検波手段14からのFM検波信号からパルス性の高周波雑音を検出するHPF15a、入力信号の絶対値に対応する信号を出力する絶対値化手段(ABS)15b、ABS15bからの信号レベルの出力をマルチパスノイズと判断するため閾値と比較する比較手段15c、マルチパスノイズと判断する閾値を生成する閾値生成手段15d、FM検波信号をマルチパスノイズの検出処理期間遅延させる遅延手段15e、遅延手段15eの出力を比較手段15cで作成した信号により保持する保持手段15fから構成される。また、雑音除去手段16はイグニッションノイズに代表されるパルス状ノイズの除去処理を行うものである。
第1の従来技術では、HPF15aはFM検波信号からマルチパスノイズの高い周波数成分を通過させ、個々のスパイクノイズに対応する波形を出力する。ABS15bは、この出力を絶対値化してマルチパスノイズ検出信号とし、比較手段15cと閾値生成手段15dにそれぞれ出力する。比較手段15cは、前記マルチパスノイズ検出信号と閾値生成手段15dが出力する閾値とを比較し、前記マルチパスノイズ検出信号を2値化したゲート信号を出力する。なお、閾値生成手段15dでは入力したマルチパス検出信号を一定期間の平滑化した値に基づき前記閾値を生成する。遅延手段15eは、FM検波手段14からのFM検波信号に対して、HPF15a、ABS15b、比較手段15c及び閾値生成手段15dによりゲート信号を出力するのに要する時間分の遅延時間を与えることによりタイミング合わせを行うものである。
保持手段15fは、遅延手段15eによるFM検波信号の遅延により、マルチパスノイズの発生する直前のFM検波信号の値を比較手段15cが出力するゲート信号の期間保持する。つまり、マルチパスノイズを構成する個々のスパイク状ノイズは、マルチパスノイズの発生する直前のFM検波信号を保持した値と実質的に置き換えることにより雑音除去を行う。
第1の従来技術では、FM検波信号から図16の例えばT1−T2間に代表されるようなマルチパス成分(スパイク状の信号成分)を抽出し、マルチパスノイズ除去用の信号を作成し、該信号の作成処理の時間分遅延されたFM検波信号からマルチパス部分の出力を抑圧し、その期間はマルチパスが検出される直前の信号を補間信号として出力することでマルチパスの除去を行うものである。
図14は、特許文献3に記載されたインパルス性ノイズ除去装置(第2の従来技術)を示す図である。第2の従来技術は、インパルス性ノイズ雑音除去装置の構成として、FM信号のIF信号をA/D変換するA/D変換回路33、TAN−1型復調回路34、マルチパスノイズ除去手段35から構成される。マルチパスノイズ除去手段35は、遅延回路としてのシフトレジスタ35a、減算器35c、35e、閾値回路35d、35f、オア回路35g、シフトレジスタ35h、補間値算出部35i、補間区間判定部35j、補間回路35bから構成される。
第2の従来技術では、入力したIF信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングしてディジタル信号とし、TAN−1型復調回路34でFM復調し、復調されたディジタル復調出力値をシフトレジスタ35aにより遅延し、減算器35c、35eにより入力値と複数の遅延出力値との減算値をそれぞれ生成する。閾値回路35d、35fは各減算器35c、35eの出力値が所定値以上であるか否かを判断し、補間区間判定部35jは各閾値回路35d、35fの出力の論理和回路35g出力により補間区間を決定し、補間値算出部35iで当該補間区間の補間値を生成する。そして、補間回路35bは前記補間値でノイズ部分を含むディジタル復調出力値を直線補間により補間することでノイズ除去を行う。なお、シフトレジスタ35hはノイズ部分の検出されたタイミングと補間のタイミングを整合させるものである。
第1の従来技術では、マルチパスノイズの検出をFM検波出力の信号レベルを所定閾値により判定するものである。例えばFM検波出力を全波整流の処理を行い、ローパスフィルタを通過させレベル判定を行うことにより実現される。かかる手法では、図16に示すように定期的にマルチパスによる影響が検波出力に現れる場合はフィルタの特性などでマルチパスノイズが検出されないこともあり、また、補間処理後もフィルタの処理遅延等による検出タイミングずれにより補間前より聴感上ノイズが感じられる場合もある。また、非常に短いパルス性ノイズへの追従性等、検出条件に応じた高精度なマルチパスノイズの検出、除去を行うには複数の検出回路が必要となり、システムの大型化や制御の複雑さを生じるという問題もある。
第2の従来技術では、TAN−1型復調器が使用されているが、TAN−1値の算出段階のようなFM検波過程でノイズ除去を行うものではなく、やはりFM検波後の音声帯域の出力である入力値とその複数の遅延出力値との減算値と所定の閾値とを比較してノイズ検出を行うものである。この従来技術は、サンプリング毎の処理を行うものの、複数の減算器の出力の論理和によりノイズの検出を行う構成を採用しているように、基本的にはサンプリング単位でのノイズ検出及び除去処理を行うものではなく、ノイズを含む所定の範囲でのノイズ検出及び除去処理を行う原理に基づくものである。
何れの従来技術でもFM復調出力からノイズ除去用の信号等を生成してノイズを除去する方法であり、FM復調出力とノイズ除去用の信号との同期用に遅延時間の大きい遅延手段が必要となり、処理遅延時間合わせなど設計の複雑化やシステム規模の増大など、設計・製造面でのデメリットも大きい。
以上のような問題点はマルチパスノイズの検出及び除去をFM検波後の音声帯域の信号において行うことにも起因するものである。
(目的)
本発明の主な目的は、マルチパスノイズ信号の検出及び除去をFM検波の処理過程で行うことにより、サンプリング時間単位でのノイズの検出及び除去を行うマルチパスノイズ除去方法及び除去装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、マルチパスノイズ信号の検出及び除去を小さな回路構成で実現することを可能とし、設計・製造面のデメリットを最小に抑えたマルチパスノイズ除去方法及び除去装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、サンプリング時間単位の簡単な制御で検出タイミングずれの無いマルチパスノイズ信号の検出及び除去を可能とするマルチパスノイズ除去方法及び除去装置を提供することにある。
本発明はマルチパスノイズ信号の検出及び除去をTan−1型検波の処理過程で行う構成でなり、IF信号のサンプリング時間単位でTan−1値を算出して瞬間角速度を求め、サンプリング時間単位の位相変化分である角速度を求め、当該角速度と所定の閾値とを比較し、前記閾値を越える角速度を特定の補正値に補正する。ノイズ検出の閾値には、(IF信号の中心周波数±FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数を使用し、ノイズ除去には、サンプリング時間単位に前記閾値以下又は閾値その値に固定すること、又は移動平均や直線補間により行うことによりマルチパスノイズの除去を行う。また、FM検波は角速度からオフセット値(IF信号の中心周波数/サンプリング周波数)を単に除去することにより実現する。つまり、
本発明のマルチパスノイズ除去方法は、IF信号を複素数化するステップと、複素数化したIF信号からシステムのサンプリング時間単位でTan−1値を算出することにより瞬間角速度を求めるステップと、サンプリング時間単位の瞬間角速度からサンプリング時間単位の位相変化分である角速度を求めるステップと、サンプリング時間単位の角速度と所定の閾値とを比較するステップと、前記閾値を越えるサンプリング時間単位の角速度を特定の値に補正するステップと、を備えることを特徴とし、前記閾値は(IF信号の中心周波数±FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数であり、前記補正するステップは、前記角速度が(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より大きい値の場合に、当該角速度を前記(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数を超えない第1の特定の値に補正し、前記角速度が(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より小さい値の場合に、当該角速度を前記(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数を下回らない第2の特定の値に補正するステップであることを特徴とする。
本発明のマルチパスノイズ除去装置は、IF信号を複素数化するI/Q分離手段と、複素数化したIF信号からシステムのサンプリング時間単位でTan−1値である瞬間角速度を算出するTan−1値算出手段と、サンプリング時間単位の瞬間角速度からサンプリング時間単位の位相変化分である角速度を求める角速度算出手段と、角速度算出手段で求まったサンプリング時間単位の角速度と所定の閾値とを比較する比較手段と、前記閾値を越えるサンプリング時間単位の角速度を特定の補正値に補正する雑音除去手段と、を備えることを特徴とし、前記閾値は(IF信号の中心周波数±FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数であり、前記雑音除去手段は、前記角速度が(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より大きい値の場合に、当該角速度を前記(IF信号の中心周波数±FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数を超えない第1の特定の値に補正し、前記角速度が(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より小さい値の場合に、当該角速度を(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数を下回らない第2の特定の値に補正することを特徴とする。
また、前記補正値は、前記角速度が(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より大きい値の場合は、(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数であり、前記角速度が(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より小さい値の場合は、(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数であることを特徴とする。
更に、前記発明において前記補正値は、最新のサンプリングより以前の角速度の移動平均により算出した値、又は、マルチパスノイズ信号検出の前後の最新のサンプリングより角速度の直線補間により算出した値とする。
本発明によれば、IF信号のサンプリング時間単位でTan−1値の算出により瞬間角速度を求め、サンプリング時間単位の位相変化分である角速度を求め、当該角速度と所定の閾値とを比較し、前記閾値を越える角速度を特定の補正値に補正するように構成しているから、サンプリング単位での高速なノイズ検出及び除去処理が可能である。
また、Tan−1型FM検波における角速度の算出、処理段階でマルチパスノイズの検出及びノイズ除去の処理を行うように構成することにより、マルチパスノイズ検出、除去及びFM検波の全て処理回路をTan−1型検波回路内に構成することが可能であり、FM復調装置の小型化を実現することが可能である。
更に、本発明はサンプリング時間単位の処理によりFM検波出力又はその処理出力からノイズ検出及び除去を行う従来技術に比べ、大きな処理遅延を生じることなく、処理遅延に対する遅延調整の回路構成を簡略化することが可能である。
特に、ノイズ検出には、算出した角速度について、閾値として(IF信号の中心周波数±FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数を使用して実現し、ノイズ除去には、サンプリング時間単位に前記閾値の範囲内又はその閾値に固定、補正すること、又は移動平均や直線補間により補正することにより、マルチパスノイズの除去を実現することが可能である。
また、本発明によればFM検波は、瞬間角速度の変化分の角速度からオフセット値(IF信号の中心周波数/サンプリング周波数)を単に除去することにより簡単に実現できる。
(実施の形態1)
図1は、本発明のFM受信におけるマルチパスノイズ除去方法及び除去装置の第1の実施の形態を示す図である。
FM受信装置は、フロントエンド2、IF増幅手段3、FM検波手段4、ステレオ復調手段7、増幅手段8、スピーカー9、10、SP手段11、HC手段12から構成される。
FM検波手段4は、IF信号を複素化するI/Q分離手段4a、ディジタル信号処理で処理を行うTan−1値算出手段4b、Tan−1値算出手段4bの出力(Tan−1値)から遅延比較により位相変化分に相当する角速度を算出する角速度算出手段4c、角速度からマルチパスノイズ信号を検出するため、第1及び第2の特定の閾値と比較しマルチパスノイズ信号の検出時にノイズ検出信号を出力する比較手段4d、前記閾値を生成して出力する閾値手段4e、比較手段4dが出力するノイズ検出信号により角速度を補正し雑音除去を行う雑音除去手段4f、雑音除去手段4fの出力からオフセット値を除去し、FM復調信号を出力するオフセット除去手段4gで構成される。以上の構成から分かるようにマルチパスノイズの検出処理はFM検波手段4内で実行される。
本実施の形態ではFM検波にディジタル信号処理で行うTan−1型検波手法が採用される。Tan−1型検波ではサンプリング時間単位の位相角情報(以下「瞬間角速度」という)を求め、サンプリング時間単位の前後の瞬間角速度の差(角速度)を算出する(以下「遅延比較」という)(西村芳一著「DSP処理のノウハウ」CQ出版社 ISBN4-7898-3352-6、第5章5-1-2参照)。次に算出した角速度からIFの中心周波数/サンプリング周波数を減算することによりオフセット値としての中心周波数成分を除去してFM検波信号を出力する。必要によりFM検波信号に合成されている制御信号やステレオ信号の合成信号を処理することによりFM検波を完了する。
図2は、Tan−1型検波手法によるFM検波(復調)の原理を示す図である。Tan−1型検波の原理は、IF信号をヒルベルトフィルタなどの使用により実軸と虚軸の直交座標系の2つの信号値に変換し、位相角情報を求めるためTan−1の関数を使用して瞬間角速度を求め、位相の微分が周波数であることからサンプル間の位相変化分(角速度)を計算し、この角速度をFM検波された信号成分として出力するものである。具体的には、I/Q分離手段4a〜オフセット除去手段4gにおいて以下の処理を行う。
I/Q分離手段4aは、IF信号(sin(x))3aを入力し、所定のサンプリング周波数でディジタル信号のIF信号sin(x)とし、このIF信号sin(x)と、ヒルベルトフィルタ等の90度移相器を通過させたIF信号cos(x)とを生成して出力するI/Q分離を行い、IF信号を複素数化する。
Tan−1値算出手段4bは、複素数化されたサンプリング時間単位の信号sin(x)、cos(x)を入力し、サンプリング時間単位にsin(x)/cos(x)の演算を行い、Tan−1(x)の値を求める。次にTan−1(x)と(x)の関係を記憶したテーブルを参照し、Tan−1(x)の各サンプルを(x)に変換して瞬間角速度を求める。
角速度算出手段4cは、現在のサンプリング時間(時点)の瞬間角速度と前のサンプリング時点の瞬間角速度と遅延比較を行い各サンプル(x)の変化分(角速度)を求める。
角速度算出手段4cの出力は、後述する雑音除去手段4fを介した後、オフセット除去手段4gにおいて、各サンプリング時点で発生するオフセット値(IFの中心周波数分)を取り除くことによりFM復調信号を生成して出力する。
次に、図1に示す比較手段4d、閾値手段4e及び雑音除去手段4fによるFM検波信号に関するマルチパスノイズの検出及び雑音除去について説明する。
Tan−1型検波ではIF信号をサンプリングしたディジタル信号により処理される。各サンプリング時間単位のディジタル信号からTan−1値として得られる瞬間角速度は、搬送波の中心周波数(IF周波数)の最大周波数偏移が±75kHzの場合、
(IF±75kHz)/サンプリング周波数
の範囲の値となる。
閾値手段4eは、サンプリング時間単位の瞬間角速度の上限値((IF+75kHz)/サンプリング周波数)と下限値((IF−75kHz)/サンプリング周波数)を閾値として生成し比較手段4dに出力する。比較手段4dは、閾値手段4eから入力した前記閾値と、角速度算出手段4cからの角速度とを比較し、比較結果が閾値外(角速度<(IF−75kHz)/サンプリング周波数、(IF+75kHz)/サンプリング周波数<瞬間角速度)ならば、マルチパスノイズの検出を示すノイズ検出信号を雑音検出手段4fに出力する。雑音検出手段4fは前記ノイズ検出信号を入力すると角速度算出手段4cの出力に対するノイズ除去の処理を行う。
図3は第1の実施の形態のマルチパスノイズ除去処理のフローチャートを示す図である。ステップ1では複素数化されたディジタル信号のIF信号を入力する。ステップ2では入力したIF信号に対し前述のTan−1値の演算を行い瞬間角速度を算出する。ステップ3ではステップ2で算出した瞬間角速度について遅延比較を行い、サンプリング時間単位の位相変化分(角速度)の算出を行う。ステップ4ではステップ3で算出した角速度が上限値(IF+75kHz)/サンプリング周波数)を超えているか否かの判定を行う。角速度が前記上限値を超えた場合、ステップ5で当該角速度を前記上限値に固定する(貼り付ける)。角速度が前記上限値を超えない場合、ステップ6で角速度が下限値((IF−75kHz)/サンプリング周波数)を下回っているか否かの判定を行う。角速度が前記下限値を下回った場合、ステップ7で角速度を前記下限値に貼り付ける。以上の処理をディジタル信号のIF信号毎に行うことでノイズ除去の処理を行う。
具体的には、例えばIFを10.7MHzと仮定した場合、正常動作時におけるサンプリング時間単位の角速度は(10.7MHz±75kHz)/サンプリング周波数の範囲の値となることから、まず、サンプリング時間単位の瞬間角速度を遅延比較して角速度を算出する。算出した角速度が上記範囲外になる場合は上記範囲の上限値又は下限値に固定することでノイズ除去を行う。ノイズ除去を行った角速度からオフセット値10.7MHz/サンプリング周波数を除いて、±75kHzの信号成分を抽出しFM検波(復調)を行う。
以上のように本実施の形態では、FM検波の過程で角速度を正常動作時の範囲内の値に修正し、修正した値でFM検波処理を行うことによりマルチパスノイズの除去を行うことを特徴とする。
図4は、マルチパスノイズが含まれるIF信号のFM検波に本実施の形態を用いた場合の信号例を示す図である。図4(a)にはマルチパスノイズが含まれるIF信号を示し、図4(b)には前記IF信号から算出した角速度についてマルチパスノイズの影響により前述の上限値及び下限値を越える部分(T0’−T0、T1−T2、…、T11−T12)について、前記上限値及び下限値に貼り付けた波形を示している。なお、図4(b)の角速度の出力波形は制御信号及びステレオ信号等が合成されている場合の波形例である。
図5は、本実施の形態によりFM検波(復調)した音声帯域出力の波形を示す図である。図5(a)はマルチパスノイズを除去していない音声帯域出力の波形を示し、図5(b)は本実施の形態を用いてマルチパスノイズを除去した場合の音声帯域出力の波形を示している。マルチパスノイズの影響が生じている区間、T1−T2間、T3−T4間、…、T7−T8間について、図5(a)と図5(b)の復調信号に現れるスパイク状のノイズ振幅を比較すると、本実施の形態を使用した図5(b)ではノイズ成分が軽減していることが確認できる。
図6は、それぞれの音声帯域出力をFFT処理した結果(周波数特性)を示す図である。それぞれの周波数特性内の周波数帯域F1−F2とマグニチュードL1FFT−L2FFTとで囲まれた部分を注目すると、周波数帯域F1−F2は0Hz〜19kHzの音声帯域であり、L1FFT−L2FFTの周波数成分を比較すると、本実施の形態を使用した場合は、マルチパスノイズの除去を行わない場合に比べ除去音声帯域に現れるノイズ成分が約12dB程度少ないことからマルチパスノイズ成分が充分除去されていることが確認できる。
以上の本実施の形態の復調出力の音声帯域出力に対し、従来技術のようにノイズ部分を抑圧し、抑圧された期間にノイズ部分の直前の信号を補間信号として出力する処理を付加することにより、さらに12dBの性能の向上を見込める。
(実施の形態2)
図7は、本発明の第2の実施の形態の構成を示す図である。本実施の形態の受信機の全体構成は図1に示す実施の形態と同様であり、また、FM検波手段4におけるTan−1型検波及びマルチパスノイズ信号の検出も第1の実施の形態と同様な方法で処理する。
第2の実施の形態のFM検波手段4は、IF信号を複素数化するI/Q分離手段4a、ディジタル信号処理で瞬間角速度を算出するTan−1値算出手段4b、Tan−1値算出手段4bの出力から遅延比較により角速度を算出する角速度算出手段4c、サンプリング単位の角速度の信号列を保存するためのバッファメモリ4h、角速度と所定の閾値とを比較しマルチパスノイズ信号の検出時にノイズ検出信号を出力する比較手段4d、前記閾値を生成して出力する閾値手段4e、比較手段4dが出力するノイズ検出信号に基づいて前記バッファメモリ4fの内容を使用して雑音除去手段4fで使用する雑音除去用補間値を生成して出力する雑音除去用補間値生成手段4i、角速度のマルチパスノイズ期間に雑音除去用補間値を補間することにより雑音除去を行う雑音除去手段4f、雑音除去手段4fの出力からオフセット値を除去し、FM復調信号を出力するオフセット除去手段4gで構成される。
図8、図9は、第2の実施の形態の処理フローチャートを示す図である。本実施の形態は、マルチパスノイズ期間の角速度をマルチパスノイズ発生直前までの角速度の短期間の移動履歴情報を利用して補間することによりマルチパスノイズを除去するものである。補間期間が長期になる場合を想定して、マルチパスノイズ発生直前の角速度の正負のピーク値を保持しておき、補間の処理の継続により補間値が両ピーク値を越える場合には、補間値の更なる増大又は減少をそれぞれ減少又は増大に切り替えることにより角速度の異常値の発生を防止している。
図8においてステップ10ではマルチパスノイズの検出処理を行う。マルチパスノイズの検出処理は図9に示す処理フローチャートで実行される。図9のステップ1で複素数化されたIF信号を入力し、ステップ2で入力したIF信号に対しTan−1値の演算を行い、瞬間角速度の算出を行う。ステップ3で算出した瞬間角速度について遅延比較を行い、サンプリング時間単位の位相変化分に相当する角速度の算出を行う。ステップ4とステップ5では算出された角速度が、FM変調の周波数に関する上限値(IF+75kHz)/サンプリング周波数)を超えているか否か、同下限値(IF−75kHz)/サンプリング周波数)を下回っているか否かを判断し、角速度が上限値(IF+75kHz)/サンプリング周波数)を越えているか、下限値(IF−75kHz)/サンプリング周波数)を下回っている場合、マルチパスノイズが発生していると判定し、ステップ7でマルチパスノイズの検出を示す検出フラグであるマルチパスノイズ検出フラグを「1」(ノイズ検出)とする処理を行い、角速度が下限値(IF−75kHz)/サンプリング周波数)以上且つ上限値(IF+75kHz)/サンプリング周波数)以下の場合、マルチパスノイズが発生していないと判定し、ステップ6でマルチパスノイズ検出フラグを「0」(ノイズ非検出)とする処理を行う。
次に、図8に示すステップ10で、マルチパスノイズ検出フラグ「0」(ノイズ非検出)の場合、ステップ11で、角速度をシステムのサンプリング単位でバッファに保存する。ステップ12ではバッファに保存された角速度から移動平均値の演算処理を行う。例えば、或るサンプリング時点の直後のサンプリング時点及びその以降にマルチパスノイズが検出された場合にそのサンプル値に代えて補間するための移動平均を利用した補間値を算出するため、前記移動平均に関するデータとして、バッファに保存された角速度を用い、各サンプリング時点で当該サンプリング以前の所定数の角速度(サンプリング値)の変化量の平均値(「移動平均値」という)を求める。なお、移動平均値は角速度の経時的な増加又は減少の状況により正又は負の値となる。更にステップ13では、バッファに保存された角速度から各サンプリング時点でそれ以前の所定数のサンプリング値の角速度の振幅の正側と負側の最新の2つのピーク値を検出してピークホールド値(P1、P2)として保持するピークホールド処理を行う。ステップ14ではステップ12の演算結果およびステップ13の測定結果を保存する。
ステップ10でマルチパスノイズ検出フラグ「1」(ノイズ検出)の場合、ステップ15で、1つ前のサンプリング時点でもマルチパスノイズが検出されたか否かを判定する判定処理を行う。ステップ15の判定結果、マルチパスノイズが検出されない場合(NO)、ステップ16で最初のマルチパスノイズの検出に対する補間処理として、その直前のサンプリング時点の角速度に、ステップ12で算出し保存した移動平均値を加算して、当該サンプリング時点の補間値(補正サンプル値)として補間する。ステップ15の判定結果、マルチパスノイズが検出された場合(YES)、ステップ17で少なくとも2回目以上のマルチパスノイズの検出に対する補間処理として、前回の補間値に、ステップ12で算出し保存した移動平均値を加算して、当該サンプリング時点の補間値(補正サンプル値)として補間する。
次にステップ18では、ステップ16又はステップ17の処理結果の補間値をステップ14で保持した正側及び負側の2つのピークホールド値(P1、P2)と比較し、正側及び負側の2つのピークホールド値(P1、P2)の範囲内であればリターン(RETURN)し、前記処理結果の補間値が正側及び負側の2つのピークホールド値又はその範囲外であれば、ステップ16又はステップ17で使用する移動平均値の極性を反転させた後、リターン(RETURN)する。
図10は、第2の実施の形態の角速度の補間結果を示す図である。図10(a)はマルチパスノイズの影響を受けたIF信号を示し、図10(b)はマルチパスノイズの影響を受けた部分について移動平均値を利用して補間した角速度を示している。補間区間の角速度は、移動平均値の極性の反転制御により2つのピークホールド値(P1、P2)の範囲内で変化するように制御され、適正な補間が実現される。
本実施の形態において、ピークホールド値の生成及び角速度の補正方法として、所定数の角速度のサンプリング値の信号振幅の正側と負側の2つのピーク値を使用する代わりに、現時点で処理中の角速度に対し、それ以前の一定間隔、たとえば0.1秒単位で角速度の正側及び負側のピーク値をホールドすることにより前記ピークホールド値とし、その値を超えない範囲である特定の値に角速度の補正を行うように構成することが可能である。
第1の実施の形態では、マルチパスノイズ除去の手法として角速度をその正常範囲の上限値もしくは下限値の所定数に貼り付けるような補間を行うものであるが、第2の実施の形態は移動平均値を使用することにより、マルチパスノイズ信号が含まれている角速度からマルチパスノイズ信号が含まれていない角速度を類推して補間するものであるから、第1〜第2の実施の形態と比較して、マルチパスノイズを除去するとともに、角速度の歪みを抑制することができ、ノイズの除去効果を高めることができる。なお、移動平均値はシステムのサンプリング周波数/58kHz以上のサンプリング数で演算するのが望ましい。
(実施の形態3)
図11は、第3の実施の形態の動作の処理フローチャートを示す図である。本実施の形態の構成は図7に示す第2の実施の形態と同様である。第3の実施の形態は角速度を所定の範囲の値に補正する他の処理方法を利用するものであり、マルチパスノイズの検出がされている期間の角速度をマルチパスノイズの検出直前のサンプリング時点と同検出直後のサンプリング時点の角サンプル値の間を直線補間することにより、マルチパスノイズの影響を除去するものである。
ステップ10は図9に示すステップ1からステップ8までのマルチパスノイズ検出処理を行う。つまり前述と同様にサンプリング時点毎に、マルチパスノイズの発生が検出された場合はマルチパスノイズ検出フラグを「1」とし、マルチパスノイズの発生が検出されない場合はマルチパスノイズ検出フラグを「0」とする処理を行う。
ステップ10において、マルチパスノイズ検出フラグ「1」(ノイズ検出)の場合、ステップ22で、1つ前のサンプリング時点でもマルチパスノイズが検出されたか否かを判断する判定処理を行う。ステップ22の判定がNOの場合、つまりマルチパスノイズが最初に検出された場合、ステップ23でマルチパスノイズの発生を検出したサンプリング数(マルチパスノイズ検出サンプリング数)をカウンタにより計数し、カウント値を1とする処理を行いリターン(RETURN)する。ステップ22の判定がYESの場合、つまり連続してマルチパスノイズが発生を検出した場合、ステップ24で、カウンタのマルチパスノイズ検出サンプリング数に+1を加算する処理を行いリターン(RETURN)する。つまり、ステップ10、22、23、24では、マルチパスノイズの発生が検出されている期間のサンプリング時点毎のサンプリング数をカウンタに計数する動作を行う。
ステップ10において、マルチパスノイズ検出フラグ「0」(マルチパスノイズ非検出)の場合、ステップ18でFM出力信号をサンプリング単位でバッファに保存する。バッファにはマルチパスノイズが発生していない時点のサンプリング値のみが保存される。ステップ19では角速度のサンプリング値の保存時にカウンタのマルチパスノイズ検出サンプリング数が0か否か、つまりその直前までのマルチパスノイズの発生の有無を判定する。判定結果、サンプリング数が0の場合(YES)、マルチパスノイズによる補間は不要であるからリターン(RETURN)し、また判定結果がサンプリング数が1以上の場合(NO)、つまり、マルチパスノイズが発生していた場合、ステップ20でマルチパスノイズの検出がされている期間の角速度を、バッファに保存されている前回のサンプリング値(マルチパスノイズの検出直前のサンプリング時点のサンプル値)と、バッファに保存されている今回のサンプリング値(マルチパスノイズの終了直後のサンプリング時点のサンプル値)の間を、サンプリング数の個数の直線補間値により補間する。ステップ21では、補間処理の終了によりカウンタのサンプリング数カウント値を0にクリアしてリターン(RETURN)する。
図12は、第3の実施の形態の角速度の補間結果を示す図である。図12(a)はマルチパスノイズの影響を受けたIF信号を示し、図12(b)はマルチパスノイズを受けた部分を直線補間した角速度を示している。
以上のように第3の実施の形態では、実質的に角速度算出手段4cからの角速度と閾値4dとの比較結果、角速度に閾値外となる区間が発生した場合、その区間はマルチパスノイズ信号の影響を受けていると判断して、マルチパスノイズ信号と判断された区間と、当該区間の前後に存在する正常な値をバッファメモリ4hから読み出し、雑音除去用補間信号生成手段4iでは、正常な受信状態の角速度と、マルチパスノイズ信号の影響が無くなった後の角速度を使用し、マルチパスノイズ信号の影響が検出された場合、信号間の直線補間値を演算する。この直線補間の演算結果を使用して、雑音除去手段4fはマルチパスノイズ信号の影響を受けている部分の補間処理を行うものである。
(他の実施の形態)
第1の実施の形態では角速度を正常な範囲の値に修正する方法として、角速度と所定の上限値と下限値の閾値との比較結果、閾値外の場合はそれぞれ正常時の角速度の上限値及び下限値に貼り付ける例を説明したが、比較する閾値と補正に使用する貼り付けの値を複数用いて制御する方法が考えられる。具体的には、マルチパスノイズの検出と補正に使用する閾値をFM放送の最大周波数偏移幅に対応する値に加えて、FM放送におけるステレオ放送の帯域幅(±56kHz)及びモノラル放送の帯域幅(±16kHz)に対応する値を使用することにより、マルチパスノイズの影響をより良好に除去することができる。
他の実施の形態として、マルチパスノイズが頻繁に発生する場合には、FMモノラル放送の信号帯域幅による閾値を使用してマルチパス検出と角速度の上限値と下限値への貼り付けを行い、従来使用していたステレオセパレーションをモノラルにすることで、聴感上の良好なノイズ低減を図るように構成することができる。
以上の実施の形態では、角速度からマルチパスノイズを検出する閾値((IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数)及び((IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数)を雑音除去の第1及び第2の特定の値とする例を説明したが、それぞれの値は(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数)以下の第1の特定の値及び((IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数)以上の第2の特定の値(但し、第1の特定の値>第2の特定の値)等で実現可能できることは明らかであり、特に、第1及び第2の特定の値をそれぞれ((IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数)及び((IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数)の近傍の値とすると好適である。
本発明の第1の実施の形態を示す図である。 Tan−1型検波手法のFM検波の原理を示す図である。 第1の実施の形態のマルチパスノイズ除去処理のフローチャートを示す図である。 マルチパスノイズが含まれるIF信号のFM検波に本実施の形態を用いた場合の信号例を示す図である。 第1の実施の形態によりFM検波(復調)した音声帯域出力の波形を示す図である。 音声帯域出力をFFT処理した結果(周波数特性)を示す図である。 第2の実施の形態の構成を示す図である。 第2の実施の形態の処理フローチャートを示す図である。 第2の実施の形態の処理フローチャートを示す図である。 第2の実施の形態のマルチパスノイズの除去を示す図である。 第3の実施の形態の処理フローチャートを示す図である。 第3の実施の形態の角速度の補間結果を示す図である。 第1の従来技術の構成を示す図である。 第2の従来技術の構成を示す図である。 IF信号及びFM検波出力に対するマルチパスノイズの影響を示す図である。 図15に示すマルチパスノイズ発生部分の一部を拡大表示した図である。
符号の説明
1 アンテナ
2 受信機のフロントエンド
3 IF増幅手段
3a IF出力
3b Sメータ出力
4 FM検波手段
7 ステレオ復調手段
8 低周波増幅手段
9、10 スピーカー
11 ステレオセパレーション制御手段(SP手段)
12 ハイカット制御手段(HC手段)
4a I/Q信号分離手段
4b Tan−1値算出手段
4c 角速度算出手段
4d 比較手段
4e 閾値手段
4f 雑音除去手段
4g オフセット除去手段
4h バッファメモリ
4i 雑音除去用補間値生成手段

Claims (10)

  1. IF信号を複素数化するステップと、複素数化したIF信号からシステムのサンプリング時間単位でTan−1値を算出することにより瞬間角速度を求めるステップと、サンプリング時間単位の瞬間角速度からサンプリング時間単位の位相変化分である角速度を求めるステップと、サンプリング時間単位の角速度と所定の閾値とを比較するステップと、前記閾値の範囲を越えるサンプリング時間単位の角速度を特定の値に補正するステップと、を備えることを特徴とするマルチパスノイズ除去方法。
  2. 前記閾値は(IF信号の中心周波数±FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数であり、前記補正するステップは、前記角速度が(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より大きい値の場合に、当該角速度を前記(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数を超えない第1の特定の値に補正し、前記角速度が(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より小さい値の場合に、当該角速度を前記(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数を下回らない第2の特定の値に補正するステップであることを特徴とする請求項1記載のマルチパスノイズ除去方法。
  3. 前記補正値は、前記角速度が(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より大きい値の場合は、(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数であり、前記角速度が(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より小さい値の場合は、(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数であることを特徴とする請求項2記載のマルチパスノイズ除去方法。
  4. 前記補正値は、最新のサンプリングより以前の角速度の移動平均により算出した値とすることを特徴とする請求項1又は2記載のマルチパスノイズ除去方法。
  5. 前記補正値は、マルチパスノイズ信号検出の前後の最新のサンプリングより角速度の直線補間により算出することを特徴とする請求項1又は2記載のマルチパスノイズ除去方法。
  6. IF信号を複素数化するI/Q分離手段と、複素数化したIF信号からシステムのサンプリング時間単位でTan−1値である瞬間角速度を算出するTan−1値算出手段と、サンプリング時間単位の瞬間角速度からサンプリング時間単位の位相変化分である角速度を求める角速度算出手段と、角速度算出手段で求まったサンプリング時間単位の角速度と所定の閾値とを比較する比較手段と、前記閾値を越えるサンプリング時間単位の角速度を特定の補正値に補正する雑音除去手段と、を備えることを特徴とするマルチパスノイズ除去装置。
  7. 前記閾値は(IF信号の中心周波数±FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数であり、前記雑音除去手段は、前記角速度が(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より大きい値の場合に、当該角速度を前記(IF信号の中心周波数±FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数を超えない第1の特定の値に補正し、前記角速度が(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より小さい値の場合に、当該角速度を(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数を下回らない第2の特定の値に補正することを特徴とする請求項6記載のマルチパスノイズ除去装置。
  8. 前記補正値は、前記角速度が(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より大きい値の場合は、(IF信号の中心周波数+FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数であり、前記角速度が(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数より小さい値の場合は、(IF信号の中心周波数−FM変調の最大周波数偏移)/サンプリング周波数であることを特徴とする請求項7記載のマルチパスノイズ除去装置。
  9. 前記補正値は、最新のサンプリングより以前の角速度の移動平均により算出した値とすることを特徴とする請求項6又は7記載のマルチパスノイズ除去装置。
  10. 前記補正値は、マルチパスノイズ信号検出の前後の最新のサンプリングより角速度の直線補間により算出することを特徴とする請求項6又は7記載のマルチパスノイズ除去装置。
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