JP4952573B2 - 無線機、制御方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、tan-1方式により検波を行なう無線機、制御方法及びプログラムに関するものである。
特許文献1は、小型無線受信機におけるクリックノイズの防止について開示する(特許文献1の段落0001)。該クリックノイズとは、具体的にはレシーバ(特許文献1の図4の符号35)への音声信号を増幅するAF増幅器のオン、オフに伴って生じるものである(特許文献1の段落0006)。特許文献1の小型無線受信機では、AF増幅器をオフへ切替える信号を速動遅延復旧回路(特許文献1の図1の符号9)により遅延させることにより、AF増幅器がオンからオフへ切替わる回数が低減し、クリックノイズの発生が防止される(特許文献1の段落0012)。
一方、FMの検波器として古くからフォスターシーレー型、レシオ型、パルスカウント型及びクォドラチャ型等が用いられ、回路部品によるアナログ的な手法により実現されてきた。ただし、昨今のデジタル化及び狭帯域化により、DSP(Digital Signal Processor)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるデジタル的手法で検波器を実現することも多くなっている。通信方式自体がデジタルの場合、検波方法はシンボルクロックを再生してデータを再現する同期検波方式や遅延検波方式が扱い易いが、アナログFMとの共用機の場合、振幅成分に影響されにくく、精度のよい(高調波ビート等の発生しない)tan-1方式が優れている。
図9はtan-1検波を採用する従来の無線機150の主要部ブロック図、図10は図9の無線機150の各箇所における信号波形を示す。無線機150の素子において、本発明の実施形態として後述する無線機10の要素と同一のものについては、無線機10の要素に付した符号と同一の符号を付して、説明は省略し、主要点について説明する。tan-1器31から出力される位相情報は、差分器36及び遅延器37から成る微分回路により微分されて、周波数情報へ変換される。アナログFM及びデジタル信号処理器38は、周波数情報に基づきオーディオ信号を生成する。
FM方式は、アンテナからの受信電力が小さくなった場合、受信機熱雑音が発生する(ガウスノイズ)。FM検波にはリミッタが用いられ、この信号を複素平面上に表すとリミッタ振幅を半径とする円が描かれるが(tan-1検波のときは単位円)、ガウスノイズが大きくなると複素平面上の原点(原点oから右へ延びる軸)を超えて逆回転する場合がある。この場合、検波波形にはインパルス性のノイズが発生し、受信感度は著しく下がる。このノイズは一般的にクリックノイズといわれる。
図10において、c1,c2はそれぞれ差分器36及び遅延器37から成る微分回路の入力側及び出力側の信号波形である。c1の位相が複素平面上の原点を超えて逆回転すると、c1の位相が+2π又は−2π変化するとともに、c2では、それに伴いクリックノイズが生じる。
デジタルの変調方式がQPSKのような振幅変動を伴う変調方式である場合、ベースバンドフィルタの構成によっては、ガウスノイズがなくても原点を回ってしまうことがある。例えば、APCO P−25方式で規定されるCQPSKはベースバンドフィルタにレイズドコサインフィルタを用い、このαの値は0.2とされている。この場合、ガウスノイズがほとんどない強電界であっても、シンボルの±3/4π成分が原点を回ってしまい、±5/4πとなって現れてしまう。したがって、±5/4πの成分は、±3/4πと同等になるような処理を行うのだが、これには原点付近を通過した時に正確に検波できるように検波器が1サンプルで2πを表現できるよう設計する。
特開平6−29880号公報
tan-1検波方式の利点は、デジタル変調方式とアナログFM方式の両方に対応することができることであるが、上記したようにアナログでは原点を逆回転するクリックノイズが不要な成分であることに対し、デジタル変調方式では、正確に表す必要のある成分となる。また、ノイズスケルチを実現させようとした場合、クリックノイズはインパルス性のノイズであるため、全周波数帯域に成分が発生し、スケルチのバンドパス領域までばたつかせてしまう。
これに対処するため、従来はノイズスケルチから得られる信号にリミッタをかけたり、大きな平均をかけ、ヒステリシスを持たせるなどして、工夫されてきた。アナログFMの音声品質改善という意味では、コンパンダを用いるなどして、ガウスノイズとクリックノイズを低減するなどしていた。これらの対策は、実際に回路を作ってから、カットアンドトライで微調整していく等、工数もかかり、また、効果も限定的であった。
なお、特許文献1はクリックノイズについて言及するものの、該クリックノイズは、受信機熱雑音としてのガウスノイズに起因するものではなく、音声信号増幅器のオン、オフに起因するものをそのように称呼しているだけであり、特許文献1に開示されている技術は、受信信号の位相変化がガウスノイズ等のために複素平面上を反対周りしたものに検出されてしまって、生じるクリックノイズへの対策としては参考にならない。
本発明の目的は、製造時の煩雑な調整作業を排除しつつ、tan-1検波方式におけるアナログFM受信時のクリックノイズ発生を抑制することができる無線機、制御方法及びプログラムを提供することである。
本発明によれば、FM受信信号のI,Q成分より瞬時位相としての元位相を抽出し、該元位相が所定の位相範囲より進み側又は遅れ側となった時は、補正量に−2π又は+2π、加算して、該補正量を更新する。そして、元位相に補正量を加算した位相を周波数偏移量算出における微分処理対象として出力する。
本発明の無線機は次のものを備えている。
FM受信信号からそのI,Q成分より求めた瞬時位相を元位相として抽出する元位相抽出手段、
前記元位相の変化量が所定の位相範囲内か、該位相範囲より進み側であるか遅れ側であるかを判定する判定手段、
前記元位相が前記位相範囲より進み側又は遅れ側となった時は、補正量をそれに−2π又は+2π加算した値に更新する補正量更新手段、及び
元位相に前記補正量を加算した位相を周波数偏移量算出における微分処理対象として出力する位相出力手段。
本発明の無線機制御方法は次のステップを備えている。
FM受信信号からそのI,Q成分より求めた瞬時位相を元位相として抽出する元位相抽出ステップ、
前記元位相の変化量が所定の位相範囲内か、該位相範囲より進み側であるか遅れ側であるかを判定する判定ステップ、
前記元位相が前記位相範囲より進み側又は遅れ側となった時は、補正量をそれに−2π又は+2π加算した値に更新する補正量更新ステップ、及び
元位相に前記補正量を加算した位相を周波数偏移量算出における微分処理対象として出力する位相出力ステップ。
本発明のプログラムは、本発明の無線機の各手段としてコンピュータを機能させる。
本発明によれば、クリックノイズの原因となって元位相が所定の位相範囲の内から外になった時に生じるインパルスとは逆方向のインパルスを含む補正量を生成し、元位相に補正量を加算して、元位相のインパルスを補正量のインパルスで相殺する。これにより、周波数偏移量算出における微分処理対象の位相は、ノイズ性インパルスを除去されたものとなるので、クリックノイズを防止することができる。また、該位相は、元位相におけるインパルス発生時以外の時では、元位相の波形をそのまま引き継いだものとなっているので、微分処理により支障なくFM信号の周波数偏移量を抽出することができる。
図1は無線機10の受信系主要部の概略図である。無線機10は、アナログFM通信の他に、デジタル通信方式のAPCO P−25方式のCQPSK(π/4シフトQPSK)にも対応するアナログ通信及びデジタル通信の共用機となっている。
図示しないフロントエンドにおいて生成されたアナログ形式のIF信号は、A/Dコンバータ11において、デジタル形式へ変換され、デジタル信号処理部12においてデジタル処理を受ける。デジタル信号処理部12は、DSP、FPGA(Field Programmable Gate Alley)又はASIC等から成り、A/Dコンバータ11からのIF信号からデジタル形式の音声信号を生成する。該音声信号は、D/Aコンバータ13へ供給されて、D/Aコンバータ13においてアナログ形式へ変換され、その後、スピーカ(図示せず)へ供給される。
図2はデジタル信号処理部12の機能ブロック図である。デジタル形式のIF信号はバンドパスフィルタ20において隣接チャネルの信号を除去されてから、乗算器21,22へ供給される。発振器25は、所定周波数のsin信号を出力し、該sin信号は、乗算器22へ供給されるとともに、移相器26においてcos信号へ変換されてから、乗算器21へ供給される。
乗算器21はIF信号のQ成分を抽出し、該Q成分は、ローパスフィルタ29を通過し、X(k)としてtan-1器31へ供給される。乗算器22はIF信号のI成分を抽出し、該I成分は、ローパスフィルタ30を通過し、Y(k)としてtan-1器31へ供給される。tan-1器31は、瞬時位相をtan-1(X(k)/Y(k))から算出する。
tan-1器31が生成した位相はノイズ低減ブロック33へ供給される。ノイズ低減ブロック33は、外部よりEnable信号又はDisable信号を供給され、Enable信号供給期間では、作動状態になり、Enable信号の非供給期間では、停止状態になる。ノイズ低減ブロック33は、無線機10がアナログ通信及び特定のデジタル通信を行なっている期間には、Enable信号を供給され、CQPSK等のデジタル通信を行っている期間には、Enable信号の供給を停止される。ノイズ低減ブロック33の停止期間では、tan-1器31の出力はノイズ低減ブロック33をそのまま素通りして差分器36及び遅延器37へ供給される。ノイズ低減ブロック33の詳細については、図3〜図6において後述する。
なお、無線機10が特定のデジタル通信を行なっている期間には、Enable信号を供給されると述べたが、該特定のデジタル通信とはCQPSK以外の例えば単なるPSKやFSKである。CQPSKでは、RCOS(レイズドコサインフィルタ)のα=0.2とされるので、ガウスノイズの影響がなくても、位相回転が起きてしまうためシンボル判定ブロックにおいて補正を行うようになっている。したがって、ノイズ低減ブロック33をEnableにすると、逆に、シンボル判定ブロックにおける補正に支障が出てしまうため、ノイズ低減ブロック33はDisableにする。これに対して、単なるPSKやFSKでは、デビエーション(複素平面上の偏移角度)を小さくすることができ、強電界では位相回転が起きず、シンボル判定ブロックにおける補正は必要なく、また、ノイズ低減ブロック33をEnableにした方が性能を上げられる可能性が高い。要約すると、特定のデジタル通信では、変調指数やベースバンドフィルタの係数により、アナログと同様にガウスノイズの影響によってのみ、位相回転を起こす場合があり、この場合は、ノイズ低減ブロック33をEnableすることにより後段の処理の簡略化や性能の向上を図ることができる。
差分器36及び遅延器37は微分回路を構成し、該微分回路は、ノイズ低減ブロック33からの出力された位相情報に係る位相を微分して、周波数に係る情報をアナログFM及びデジタル信号処理器38へ出力する。
アナログFM及びデジタル信号処理器38は、アナログのFM通信の期間には、微分回路から供給された周波数信号から直接、音声信号を生成する。アナログFM及びデジタル信号処理器38は、デジタル通信の期間には、微分回路から供給された周波数信号からシンボルを抽出し、シンボルからフレームを構築して、さらに、デコードにより音声信号を生成する。こうして生成された音声信号はアナログFM及びデジタル信号処理器38からD/Aコンバータ13(図1)へ供給される。
図3はノイズ低減ブロック33の第1の具体例としてのノイズ低減ブロック33aの構成図、図4は図3のノイズ低減ブロック33aの各箇所における信号波形を例示している。バッファ43の入力は例えば図4のa1のようになっている。バッファ43は、具体的にはシフトレジスタから成り、入力信号について直近の数サンプルをバッファする。最大値格納器44及び最小値格納器45は、それぞれバッファ43にバッファされているサンプルの中の最大値(MAX)及び最小値(MIN)をその順番位置を示すインデックスと共に保存する。
バッファ43では、サンプル時刻が到来するごとに、複数の保持サンプル値の内の最古のものが今回のサンプル時刻のものへ置き換えられ、最大値格納器44の最大値及び最小値格納器45の最小値は、直近の数サンプルにおける最新のものが存在する。バッファ43におけるサンプル間隔は、変調の最高周波数の波長の1/4波長から1波長に対応する時間間隔程度にすることにして、変調波による入力信号のふられを最小にすることができる。この値は、変調波の最大デビエーションにもかかわるので、各FM通信帯域の最高周波数に応じて調整が必要である。
差分器46は、最大値格納器44の最大値から最小値格納器45の最小値を引いて、バッファ区間のデビエーション偏移を求める。該デビエーション偏移は閾値判定器47へ供給される。図4のa2は差分器46の出力を示している。原点を回ってしまった検波波形はほぼ2πのデビエーション偏移を起こす。
閾値判定器47は、2πより若干小さい値を閾値として、デビエーション偏移が該閾値を進み側又は遅れ側へ超える時にインパルス発生器48にその旨の信号を供給する。インパルス発生器48は、閾値判定器47から信号に対してその立ち上がり時に正の単位インパルスを発生する。インパルス発生器48の出力は図6のa3として示されている。
符号判定器53は、最大値格納器44の最大値及びバッファ43の最小値のインデックスより、デビエーション偏移が+側(進み側)及び−側(遅れ側)のどちらであるかを判定し、判定に基づき+又は−の符号信号を乗算器49へ供給する。最大値のインデックスが最小値のインデックスより時間的に後のものであれば、デビエーション偏移は+側であり、逆に、時間的に前のものであれば、デビエーション偏移は−側である。乗算器49は、インパルス発生器48及び符号判定器53からの入力を掛け合わせた結果を出力する。この出力は、0、+の単位インパルス、又は−の単位インパルスであり、図6のa4に示されている。
加算器56及び遅延器57は積分回路を構成し、該積分回路は、乗算器49からの入力を積分して、反転器58へ供給し、反転器58において反転される。図4のa5は反転器58の出力を示している。
加算器60はa1の信号とa5の信号とを加算する。加算器60の出力は図4のa6として示されている。a5の波形は、a1の波形がほぼ2πのデビエーション偏移を起こした時に、反対向きに等しい絶対値分、変化し、その他の時はフラットを維持している。したがって、a1の波形とa5の波形との加算波形としてのa6は、a1からほぼ2πのデビエーション偏移を除去しつつ、ほぼ2πのデビエーション偏移時以外の時ではa1の波形をそのまま引き継いだ波形となっている。
こうして、無線機10がアナログのFM通信を行なっている期間に、ほぼ2πのデビエーション偏移時のクリックノイズを消すことができるとともに、a6の波形を次段の差分器36及び遅延器37の微分回路において微分することにより、音声信号を抽出することが可能になる。
ノイズ低減ブロック33aでは、バッファ43におけるバッファ数と閾値判定器47における閾値を適当に変えることで、種々のFM通信帯域に対処することかできる。また、CQPSKのようなデジタル通信期間では、ノイズ低減ブロック33aは停止状態になって、tan-1器31の出力はノイズ低減ブロック33aを素通りして差分器36及び遅延器37の微分回路へ供給される。
図5はノイズ低減ブロック33の第2の具体例としてのノイズ低減ブロック33bの構成図、図6は図5のノイズ低減ブロック33bの各箇所における信号波形を例示している。差分器65及び遅延器66は微分回路を構成し、該微分回路は、tan-1器31(図2)からtan-1(X(k)/Y(k))を供給されて、それを微分する。tan-1器31からノイズ低減ブロック33bへの入力波形は例えば図6のb1のようになっている。遅延器66における遅延時間は1サンプルではなく、変調の最高周波数の1/4波長に相当する時間程度とする。図6のb2は該微分回路の出力を示している。
閾値判定器67は、該微分回路からの入力と上側及び下側の所定の閾値とを対比し、該入力が上側の閾値を上回っていたり、下側の閾値を下回っていたりした場合には、それぞれ+,−の符号を付けた検知信号をインパルス発生器68及び乗算器69へ供給する。閾値判定器67における上側及び下側の閾値は、それぞれ符号が+,−であるとともに、絶対値は、共に等しく、2πより若干小さい値に設定される。閾値判定器67が検知信号を出力する時は、ほぼ2πのデビエーション偏移が起きた時に一致する。
インパルス発生器68は、閾値判定器67から検知信号を供給されると、単位インパルスを乗算器69へ供給する。図6のb3はインパルス発生器68の出力を示している。乗算器69は、また、閾値判定器67からの符号付き検知信号の符号とインパルス発生器68からの単位インパルスとを掛けて生成される符号付き単位インパルスを加算器70へ供給する。図6のb4は乗算器69の出力を示している。
加算器70、遅延器71、反転器72及び加算器73は、アナログFM及びデジタル信号処理器38b(図3)の加算器56、遅延器57、反転器58及び加算器60と同一の処理を行なう。図5のb5,b6はそれぞれ反転器72及び加算器73の出力を示す。
こうして、ノイズ低減ブロック33bにおいても、ノイズ低減ブロック33aと同様に、無線機10がアナログのFM通信を行なっている期間に、ほぼ2πのデビエーション偏移時のクリックノイズを消すことができるとともに、b6の波形を次段の差分器36及び遅延器37の微分回路において微分することにより、音声信号を抽出することが可能になる。
ノイズ低減ブロック33bでは、遅延器66における遅延時間と閾値判定器67における閾値とを適当に変えることにより、種々のFM通信帯域に対処することかできる。また、CQPSKのようなデジタル通信期間では、ノイズ低減ブロック33bは停止状態になって、tan-1器31の出力はノイズ低減ブロック33bを素通りして差分器36及び遅延器37へ供給される。
図7は無線機80のブロック図である。前述の無線機10は無線機80の具体例である。無線機80は、携帯型に限定されず、据え置き型であってもよい。無線機80は典型的にはアナログFM通信及びデジタル通信の共用機である。無線機80は元位相抽出手段81、判定手段82、補正量更新手段83及び位相出力手段84を備えている。
元位相抽出手段81は、FM受信信号からそのI,Q成分より求めた瞬時位相を元位相として抽出する。判定手段82は、前記元位相の変化量が所定の位相範囲内か、該位相範囲より進み側であるか遅れ側であるかを判定する。補正量更新手段83は、元位相が位相範囲より進み側又は遅れ側となった時は、補正量をそれに−2π又は+2π加算した値に更新する。位相出力手段84は、元位相に補正量を加算した位相を周波数偏移量算出における微分処理対象として出力する。
元位相抽出手段81の具体例はtan-1器31(図2)である。元位相は例えばtan-1器31の出力である。判定手段82、補正量更新手段83及び位相出力手段84を含む構成の具体例はノイズ低減ブロック33(図2)である。無線機80の判定手段82、補正量更新手段83及び位相出力手段84は、ノイズ低減ブロック33と同様に、アナログのFM通信期間だけでなく、所定のデジタル通信方式の通信期間においても作動することができる。
こうして、元位相に含まれてクリックノイズの原因になるインパルスは、補正量における逆向きのインパルスにより相殺され、クリックノイズを除去した検波信号を得ることができる。また、インパルスの発生しない通常の期間では、元位相の変動がそのまま微分処理対象の位相の変動となるので、支障なく周波数偏移量を算出することができる。
典型的には、判定手段82は、連続する複数のサンプル時刻における元位相についてその最大値及び最小値を求め、最大値と最小値との差分に基づき元位相が位相範囲内であるか否かを判定する。判定手段82は、また、最大値及び最小値のサンプル時刻の時間的な前後関係に基づき元位相が位相範囲より進み側にあるか遅れ側にあるかを判定する。このような判定手段82の具体例は、ノイズ低減ブロック33a(図3)の最大値格納器44、最小値格納器45、差分器46及び閾値判定器47である。
典型的には、判定手段82は、元位相の微分値と所定の閾値との対比に基づき元位相が位相範囲内であるか否かを判定する。判定手段82は、また、元位相の微分値の符号に基づき元位相が位相範囲より進み側にあるか遅れ側にあるかを判定する。このような判定手段82の具体例は、ノイズ低減ブロック33b(図5)の差分器65、遅延器66及び閾値判定器67である。
補正量更新手段83は、さらに、インパルス生成手段88及び補正量設定手段89を備えることができる。インパルス生成手段88は、元位相が位相範囲より進み側又は遅れ側となった時、進み側又は遅れ側に対応する符号付きでかつ2πの位相に対応する振幅のインパルスを生成する。補正量設定手段89は、インパルスを積分した値を補正量に設定する。インパルス生成手段88の具体例は、ノイズ低減ブロック33aにおける乗算器49、加算器56、遅延器57及び反転器58と、ノイズ低減ブロック33bにおける乗算器69、加算器70、遅延器71及び反転器72とである。
図8は無線機制御方法100のフローチャートである。無線機制御方法100は無線機80(図7)に適用される。
S101では、FM受信信号からそのI,Q成分に基づく位相を元位相として抽出する。S102では、元位相が所定の位相範囲内か、該位相範囲より進み側であるか又は隠れ側であるかを判定する。S103では、元位相が位相範囲より進み側又は遅れ側となった時は、補正量をそれに−2π又は+2π加算した値に更新する。S104では、元位相に補正量を加算した位相を周波数偏移量算出における微分処理対象として出力する。
S101〜S104の処理は、無線機80の元位相抽出手段81〜位相出力手段84の機能にそれぞれ対応している。したがって、元位相抽出手段81〜位相出力手段84の機能について述べた具体的態様はS101〜S104の処理についての具体的態様としても適用可能である。無線機80の補正量更新手段83におけるインパルス生成手段88及び補正量設定手段89の機能は、S103における具体的処理として適用可能である。
本発明のプログラムは、無線機80の各手段としてコンピュータを機能させる。本発明のプログラムは、また、無線機制御方法100の各ステップの処理をプログラムに実行させる。
本明細書は様々な発明を開示している。それら発明は、発明の最良の形態の項で説明した各装置及び各方法だけでなく、当業者の自明の範囲内で、各装置及び各方法から独立の作用、効果を奏する1つ又は複数の要素を抽出したものや、1つ又は複数の要素を自明の範囲で変更したものや、さらに、各装置間及び各方法間で1つ又は複数の要素の組合せを入れ換えたものを含む。
無線機の受信系主要部の概略図である。 デジタル信号処理部の機能ブロック図である。 ノイズ低減ブロックの第1の具体例の構成図である。 図3のノイズ低減ブロックの各箇所における信号波形を例示す図である。 ノイズ低減ブロックの第2の具体例の構成図である。
図5のノイズ低減ブロックの各箇所における信号波形を例示す図である。 無線機のブロック図である。 無線機制御方法のフローチャートである。 tan-1検波を採用する従来の無線機の主要部ブロック図である。 図9の無線機の各箇所における信号波形を示す図である。
符号の説明
80:無線機、81:元位相抽出手段、82:判定手段、83:補正量更新手段、84:位相出力手段、88:インパルス生成手段、89:補正量設定手段、100:無線機制御方法。

Claims (8)

  1. FM受信信号からそのI,Q成分より求めた瞬時位相を元位相として抽出する元位相抽出手段、
    前記元位相の変化量が所定の位相範囲内か、該位相範囲より進み側であるか遅れ側であるかを判定する判定手段、
    前記元位相が前記位相範囲より進み側又は遅れ側となった時は、補正量をそれに−2π又は+2π加算した値に更新する補正量更新手段、及び
    元位相に前記補正量を加算した位相を周波数偏移量算出における微分処理対象として出力する位相出力手段、
    を備えることを特徴とする無線機。
  2. 前記判定手段は、連続する複数のサンプル時刻における元位相についてその最大値及び最小値を求め、最大値と最小値との差分に基づき前記元位相が前記位相範囲内であるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の無線機。
  3. 前記判定手段は、前記最大値及び前記最小値のサンプル時刻の時間的な前後関係に基づき前記元位相が前記位相範囲より進み側にあるか遅れ側にあるかを判定することを特徴とする請求項2記載の無線機。
  4. 前記判定手段は、前記元位相の微分値と所定の閾値との対比に基づき前記元位相が前記位相範囲内であるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の無線機。
  5. 前記判定手段は、前記元位相の微分値の符号に基づき前記元位相が前記位相範囲より進み側にあるか遅れ側にあるかを判定することを特徴とする請求項4記載の無線機。
  6. 前記補正量更新手段は、
    前記元位相が前記位相範囲より進み側又は遅れ側となった時、進み側又は遅れ側に対応する符号付きでかつ2πの位相に対応する振幅のインパルスを生成するインパルス生成手段、及び
    前記インパルスを積分した値を前記補正量に設定する補正量設定手段、
    を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無線機。
  7. FM受信信号からそのI,Q成分より求めた瞬時位相を元位相として抽出する元位相抽出ステップ、
    前記元位相の変化量が所定の位相範囲内か、該位相範囲より進み側であるか遅れ側であるかを判定する判定ステップ、
    前記元位相が前記位相範囲より進み側又は遅れ側となった時は、補正量をそれに−2π又は+2π加算した値に更新する補正量更新ステップ、及び
    元位相に前記補正量を加算した位相を周波数偏移量算出における微分処理対象として出力する位相出力ステップ、
    を備えることを特徴とする無線機制御方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の無線機の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
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