JP4220064B2 - 放送受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数帯および方式の異なる複数の放送メディアを受信可能な放送受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からの複数の放送メディアが受信可能な放送受信機の構成を、図26に簡略化して示す。複数の放送メディアには、デジタル方式やアナログ方式の放送が含まれる。デジタル方式の放送は、たとえば衛星放送など、極超短波(UHF,SHF)の周波数帯域の搬送波を使用し、音声信号などの放送内容がパルスコード変調(PCM)などのデジタル変調方式で変調される。アナログ方式の放送は、たとえば中波(MW)や超短波(VHF)の周波数帯域の搬送波を使用し、放送内容が振幅変調(AM)や周波数変調(FM)などのアナログ変調方式で変調される。
【0003】
高周波アナログ部1は、UHFやSHFの高周波数帯域の放送信号を増幅し、中間周波数に変換する。高周波アナログ部2は、たとえば中波のAM放送の受信信号を増幅し、中間周波数に変換する。高周波アナログ部3は、たとえばVHFのAM放送の受信信号を増幅し、中間周波数に変換する。これらの高周波アナログ部1,2,3は、デジタル方式のデジタル放送受信信号も、アナログ方式のアナログ放送受信信号も、高周波のアナログ信号として受信し、それぞれ所定の周波数の中間周波数に変換し、中間周波のアナログ信号を出力する。
【0004】
ADC部4は、高周波アナログ部1で中間周波数に変換されたデジタル方式の放送受信信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換を行う。デジタル処理部5は、デジタル信号プロセッサ(以下、「DSP」と略称する)などを用いて、ADC部4で変換されたデジタル信号に、予め設定されるプログラムに従ったデジタル信号処理を施し、ベースバンドのデジタル信号を復調する。DAC部6は、復調されたベースバンドのデジタル信号のデジタル/アナログ変換を行い、アナログの音声信号に変換する。
【0005】
アナログ処理部8,9は、高周波アナログ部2,3からの中間周波のアナログ信号に対してノイズ除去や検波による復調などのアナログ信号処理を施し、アナログの音声信号を出力する。ノイズ除去や復調は、それぞれ専用に設けられる電気回路によって行われる。アナログ処理部8,9からの音声信号は、DAC部6からの音声信号とともに、AMP/SP部9に含まれる増幅器(AMP)で増幅され、スピーカ(SP)で音響信号に変換されて出力される。
【0006】
なお、デジタル方式の放送は、アナログ方式の放送に多重化され、中波のAM多重放送や超短波のFM多重放送などとしても行われている。中波のAM多重放送受信に関しては、たとえば特開平5−145498に、AM放送波に同一の音声信号がアナログ音声信号とデジタル音声信号と多重化されているときに、中間周波への変換までを共通に行い、アナログ音声信号をエンベロープ検波器で復調し、デジタル音声信号をデジタル復調器で復調し、音質が良好な方を音声信号として出力する先行技術が開示されている。
【0007】
また、特開平10−13276には、衛星放送(BS)や通信衛星放送(CS)からのFM変調のアナログ方式およびデジタル方式の放送を、高周波増幅から中間周波増幅までを共通に行い、FM復調回路およびデジタル復調回路を備えて、両方式の信号を復調可能にする先行技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図26に示すような複数メディア放送が受信可能な放送受信機では、変調方式が異なる放送メディア毎に信号処理部を設けている。このため、放送メディアが増加するとそのたびに、ハードウエアの規模が大きくなり、放送受信機としてのサイズが大きくなってしまう。
【0009】
また、特開平5−145498や特開平10−13276などの先行技術では、信号処理部がアナログ放送の復調とデジタル放送の復調とを行うハードウエアを備えるので、これらの先行技術を図26に示すような複数の周波数帯の放送メディアの受信に適用するときには、各信号処理部に両方式の復調部を備えることになり、ハードウエアの規模はさらに大きくなってしまう。
【0010】
本発明の目的は、複数の周波数帯でアナログ方式およびデジタル方式の放送受信が可能で、小型化することが容易な放送受信機を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の高周波数帯で、アナログ方式の放送とデジタル方式の放送とを含む複数の方式の放送を受信可能な放送受信機において、
各高周波数帯毎に設けられ、放送を受信して、周波数の変換および増幅を含む高周波アナログ信号処理を行う複数の高周波アナログ回路と、
各高周波数帯の高周波アナログ回路に対して共通に設けられ、最も出力信号の周波数が高い高周波アナログ回路に対応する高速性と、最も高い分解能を要する高周波アナログ回路に対応する高分解能とを有し、各高周波数帯の高周波アナログ回路から周波数変換されて出力されるアナログ信号を、デジタル信号に変換する高速・高分解能のアナログ/デジタル変換回路と、
該複数の高周波数帯の高周波アナログ回路に対して共通に設けられ、前記アナログ/デジタル変換回路からのデジタル信号に、予め設定されるプログラムに従うデジタル信号処理を施し、アナログ方式の放送の受信内容およびデジタル方式の放送の受信内容を再生するデジタル信号処理回路とを含むことを特徴とする放送受信機である。
【0012】
本発明に従えば、複数の高周波数帯に対し、それぞれ高周波アナログ回路が設けられ、放送を受信して、周波数の変換および増幅を含む高周波アナログ信号処理を行う。各高周波数帯の高周波アナログ回路から周波数変換されて出力されるアナログ信号は、アナログ/デジタル変換回路によってデジタル信号に変換される。アナログ/デジタル変換回路からのデジタル信号には、デジタル信号処理回路で、予め設定されるプログラムに従うデジタル信号処理が施され、アナログ方式の放送の受信内容およびデジタル方式の放送の受信内容が再生される。デジタル信号処理回路は、複数の高周波数帯の高周波アナログ回路に対して共通に設けられ、デジタル方式およびアナログ方式の放送内容を再生する。したがって、放送内容を再生するために信号処理を行う部分を各高周波数帯毎に設ける必要はなく、複数の放送メディアが受信可能な放送受信機の小型化を図ることができる。
また共通のアナログ/デジタル変換回路によって、複数の高周波数帯の高周波アナログ回路からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。一般に、複数の高周波アナログ回路から出力されるアナログ信号のデジタル信号への変換には、高速性が要求される場合は分解能が比較的低くてもよく、比較的低速な場合は高分解能が要求される。本発明のアナログ/デジタル変換回路は、高速であるので、中間周波数が最も高い高周波アナログ回路から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。また、アナログ/デジタル変換回路は、高分解能であるので、各高周波アナログ回路からのアナログ信号の分解能を落すことなく、デジタル信号に変換することができる。複数の高周波アナログ回路から出力されるアナログ信号を、単一のアナログ/デジタル変換回路デジタル信号に変換することができるので、高周波アナログ回路以降の小型化を容易に図ることができる。
【0015】
また本発明は、複数の高周波数帯で、アナログ方式の放送とデジタル方式の放送とを含む複数の方式の放送を受信可能な放送受信機において、
各高周波数帯毎に設けられ、放送を受信して、周波数の変換および増幅を含む高周波アナログ信号処理を行う複数の高周波アナログ回路と、
各高周波数帯の高周波アナログ回路に対して共通に設けられ、最も出力信号の周波数が高い高周波アナログ回路に対応する高速性と分解能とを有し、各高周波数帯の高周波アナログ回路から周波数変換されて出力されるアナログ信号を、デジタル信号に変換する高速・低分解能のアナログ/デジタル変換回路と、
該複数の高周波数帯の高周波アナログ回路に対して共通に設けられ、前記アナログ/デジタル変換回路からのデジタル信号に、予め設定されるプログラムに従うデジタル信号処理を施し、アナログ方式の放送の受信内容およびデジタル方式の放送の受信内容を再生するデジタル信号処理回路とを含み、
前記アナログ/デジタル変換回路は、高速の処理速度を要する出力信号よりも低速・高分解能を要する高周波アナログ回路からの出力信号を、アナログ/デジタル変換回路によるデジタル信号への変換後に、ダウンサンプリングで低速・高分解能のデジタル信号に変換することを特徴とする放送受信機である。
【0016】
本発明に従えば、共通のアナログ/デジタル変換回路によって、複数の高周波数帯の高周波アナログ回路からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。アナログ/デジタル変換回路は、高速であるので、最高の処理速度を要する高周波アナログ回路から出力されるアナログ信号を容易にデジタル信号に変換することができる。低速・高分解能を要する高周波アナログ回路からの出力信号は、アナログ/デジタル変換後にダウンサンプリングで信号の間引き処理を行うので、総合的な処理速度は低下しても、分解能を高めて、忠実にアナログ信号に変換することができる。したがってアナログ/デジタル変換回路は、高速かつ高分解能を備える必要はないので、低価格となり、製造コストの低減を図ることができる。
【0017】
また本発明で、前記デジタル信号処理回路は、予め設定されるプログラムに従うデジタル信号処理で、アナログ方式の放送の受信信号に対するノイズ低減処理を行うことを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、アナログ方式の放送の受信信号に対するノイズ低減処理を、デジタル信号処理回路のプログラムに従うデジタル信号処理で行うことができるので、ノイズ処理のための専用のハードウエアを削減することができる。
【0019】
また本発明は、前記アナログ/デジタル変換回路は、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路と、アナログ方式の放送を受信する複数の高周波アナログ回路の出力からノイズを検出するように共通化されたノイズ検出用のアナログ/デジタル変換回路とを備え、
前記デジタル信号処理回路は、ノイズ検出部と切換スイッチとメモリとを有し、アナログ/デジタル変換回路によってアナログ/デジタル変換されたデジタル信号をノイズ検出対象とし、ベースバンドのアナログ信号よりも振幅が大きい信号をノイズとして検出し、そのノイズ検出信号を切換スイッチおよびメモリに与えて切換スイッチをデジタル信号を出力する側からメモリ側へ切換えるノイズ処理部を含み、そのノイズ処理部によって、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路によって変換されるデジタル信号中からノイズを低減することを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、複数の高周波数帯の高周波アナログ回路からのアナログ信号からのノイズ検出は、ノイズ検出用のアナログ/デジタル変換回路で共通に行い、検出されたノイズに基づいて、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路によって変換されるデジタル信号中からノイズを低減する。放送受信用のアナログ/デジタル変換回路は、ノイズ成分まで忠実に変換する必要はないので、アナログ/デジタル変換を行う周波数帯域を放送内容の受信に必要な範囲に狭め、デジタル信号処理回路での信号処理を削減し、デジタル信号処理に使用するデジタル信号プロセッサなどの低価格化を図ることができる。
【0021】
また本発明は、前記アナログ方式の放送を受信する複数の高周波アナログ回路と前記共通化されたノイズ検出用のアナログ/デジタル変換回路との間に、ノイズ検出用周波数帯域の信号成分を通過させる高域通過フィルタを備えることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、ノイズ検出用に、本来は放送受信用のアナログ/デジタル変換よりも高速サンプリングしてデジタル信号処理を行う必要があるところを、高域通過フィルタを通過させた信号をアナログ/デジタル変換して本来よりも低速でサンプリングしてデジタル信号処理を行うことができる。高域通過フィルタと低速サンプリングとの組合せによって、ノイズ検出に用いる信号の波形は必ずしも忠実に変換されなくても、帯域のレベルは検出することができ、ノイズ低減処理のために要するデジタル信号処理量を削減することができる。
【0023】
また本発明で、前記アナログ/デジタル変換回路は、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路と、アナログ方式の放送を受信する複数の高周波アナログ回路からの出力信号に基づいて受信レベルを検出するように、共通化された受信レベル検出用のアナログ/デジタル変換回路とを備え、該複数の高周波アナログ回路と該受信レベル検出用のアナログ/デジタル変換回路との間に、中間周波数帯域の信号成分を通過させる高域通過フィルタを備え、前記デジタル信号処理回路は、信号レベル検出用のアナログ/デジタル変換回路によって変換されるデジタル信号をノイズ処理の条件として使用し、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路によって変換されるデジタル信号からノイズを検出して、検出されるノイズを低減することを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、デジタル信号処理回路は、共通化された受信レベル検出用のアナログ/デジタル変換回路で変換されるデジタル信号に基づいて得られる受信レベルを、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路によって変換されるデジタル信号からノイズを検出して、検出されるノイズを低減するための処理の条件として使用する。受信レベルをデジタル信号処理で求めるために、本来は各高周波アナログ回路からの中間周波数帯域の信号をアナログ/デジタル変換し、高速サンプリングする必要がある。受信レベルの検出だけを行うためには、高域通過フィルタで信号の帯域を狭め、低速でサンプリングすることができ、デジタル信号処理量を削減することができる。たとえば、受信レベルが低いときは、高周波アナログ回路の利得が上昇し、放送受信用のアナログ信号に含まれるベースバンドの信号レベルも上昇するので、ベースバンドの信号に基づくノイズの検出も誤動作するおそれがあるけれども、ノイズ検出感度を低下させて誤動作を防ぐことができる。
【0027】
また本発明で、前記デジタル信号処理回路は、前記複数の高周波アナログ回路によって受信され、アナログ/デジタル変換回路によってデジタル信号に変換されるアナログ方式の放送受信信号に対し、共通のノイズ低減処理を行うことを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、複数の高周波アナログ回路によって受信され、アナログ/デジタル変換回路によってデジタル信号に変換されるアナログ方式の放送受信信号に対し、共通のノイズ低減処理を行うので、ノイズ低減処理に要するデジタル信号処理回路の構成部分を小型化することができる。
【0031】
また本発明で、前記デジタル信号処理回路は、
前記デジタル方式の放送受信時の受信状況が悪く、再生される受信内容に、信号の断続による断区間が生じるか否かを検出する断続音検出部と、
断続音検出部によって検出される断区間に挿入するための処理音信号を発生する処理音発生部と、
断続音検出部によって断区間が生じていることが検出されるとき、信号の断区間に、該処理音発生部から発生される処理音信号を挿入する断続音処理部とを含むことを特徴とする。
【0032】
本発明に従えば、デジタル方式の放送受信時に受信状況が悪いと、デジタル信号の全部を完全に復調することができなくなり、再生される受信内容に信号の断続による断区間が生じる。受信信号に断続が生じると、急な音圧変化が生じ、聞きづらくなる。断続音検出部によって信号に断区間が検出されると、断続音処理部は、処理音発生部から発生される処理音信号を断区間に挿入するので、急な音圧変化は解消され、断続音の聞き苦しさを緩和し、受信内容の再生の際の聴感を向上させることができる。
【0035】
また本発明で、前記処理音発生部は、前記処理音としてノイズ音を発生することを特徴とする。
【0036】
本発明に従えば、信号の断区間に挿入する処理音として、ノイズ音を用いるので、比較的発生の容易な白色ノイズやピンクノイズを断区間に挿入して、信号断続時の音の強弱を緩和し、聴感を向上させることができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図25を参照して、本発明の実施の形態について説明する。各実施の形態では、先行して説明した部分に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を省略する。
【0056】
図1は、本発明の実施の第1形態である放送受信機10の概略的な電気的構成を示す。放送受信機10は、複数の高周波数帯で、アナログ方式の放送とデジタル方式の放送とを含む複数の方式の放送を受信可能である。高周波アナログ回路である高周波アナログ部11,12,13は、極超短波帯のデジタル方式の衛星放送、中波帯のアナログ方式のAM放送、および超短波帯のアナログ方式のFM放送のための高周波増幅、周波数変換などの高周波アナログ処理を行う。デジタル放送受信用の高周波アナログ部11は、約6MHzの中間周波数に変換された受信信号を出力する。中波帯のAM放送受信用の高周波アナログ部12は、約450kHzの中間周波数に変換された中間周波信号と、0〜数10kHzのベースバンド信号を出力する。この信号のアナログ/デジタル変換に必要な分解能は8bitである。超短波帯のFM放送受信用の高周波アナログ部13は、約10MHzの中間周波信号と、0〜100kHzのFM復調信号をベースバンド信号として出力する。この信号のアナログ/デジタル変換に必要な分解能は14bitである。
【0057】
各高周波数帯の高周波アナログ部11,12,13から周波数変換されて出力されるアナログ信号を、それぞれアナログ/デジタル変換してデジタル信号を得るために、アナログ/デジタル変換器であるADC部14,15,16が設けられる。ADC部14,15,16によって変換されるデジタル信号は、DSP部17に与えられる。DSP部17は、予め設定されてROMなどに格納されるデジタル信号処理プログラムに従って、受信内容に対応する信号を得るための信号処理を行う。DSP部17の処理結果は、デジタル/アナログ変換を行うDAC部18に与えられ、DAC部18でアナログの音声信号などに変換され、AMP/SP部19で増幅されて、音声信号として再生される。
【0058】
DSP部17によるデジタル信号処理は、デジタル方式の放送受信には、エラー訂正処理などを行う必要があるので、必要不可欠である。アナログ方式の放送受信の際には、FM変調による周波数変移から音声信号を復調したり、ステレオマルチプレックス信号から左右の信号成分を分離したり、音声信号に対するフィルタ処理などを、デジタル信号処理で行うことができる。また、高速動作可能なDSP部17を使用すれば、中間周波信号からベースバンド信号を復調したり、直接中波帯の高周波信号を処理したりすることも可能となる。本実施形態では、DSP部17のデジタル信号処理で、共通に複数の放送メディアからの信号を再生することができるので、信号処理部の小型化を図ることができる。
【0059】
図2は、本発明の実施の第2形態である放送受信機20の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、アナログ/デジタル変換を行うADC部24を共通化し、最も出力信号の周波数が高い高周波アナログ部11に対応する高速性と、最も高い分解能を要する高周波アナログ部12に対応する高分解能とを備えさせる。応答速度は、デジタル方式の放送受信のための高周波アナログ部11で6MHz帯域が必要であるとする。6MHzのアナログ信号をデジタル信号処理するためには、最大周波数の2倍の周波数である12MHzでサンプリングを行う必要がある。分解能は、高周波アナログ部13での復調信号の変換に14bitが必要となる。したがって、12MHzで14bitの高速・高分解能のADC部24を用いることによって、全ての高周波アナログ部11,12,13に対してADC部24を共通化することができ、小型化を図ることができる。
【0060】
DSP部27は、ADC部24からのデジタル信号に、予め設定されるプログラムに従うデジタル信号処理を施し、アナログ方式の放送の受信内容およびデジタル方式の放送の受信内容を再生する。DSP部27も、ADC部24と同様に、12MHzで14bitの高速・高分解能を有する必要がある。高周波アナログ回路12,13からの信号にデジタル信号処理を施すときには、DSP部27内にプログラム処理によって設ける間引き処理部27aで間引き処理を行い、処理速度を低下させる。DSP部27によるデジタル信号処理結果としてのデジタル信号は、DAC部18でアナログの音声信号などに変換され、AMP/SP部19で増幅されて、音声信号として再生される本実施形態では、複数の高周波数帯に対し、アナログ/デジタル変換およびデジタル信号処理を共通化することができるので、複数の放送メディアが受信可能な放送受信機20の小型化を図ることができる。
【0061】
図3は、本発明の実施の第3形態である放送受信機30の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、アナログ/デジタル変換を行うADC部34を共通化し、最も出力信号の周波数が高い高周波アナログ部11に対応する高速性と、高周波アナログ部11の処理に対応する分解能とを備えさせる。すなわち、ADC部34は、複数の高周波アナログ部11,12,13からの出力信号のうちで最高の処理速度を要する出力信号に対応する12MHzの高速性と8bitの分解能とを備える単一のアナログ/デジタル変換器である。高周波アナログ部11からの出力信号は、ADC部34によるデジタル信号への変換の後、そのままDSP部37でデジタル信号処理される。
【0062】
DSP部37は、高周波アナログ部11よりも低速で高分解能が必要な高周波アナログ部12,13からの信号処理のため、間引き処理部37aおよびデジタルフィルタ37bを備える。最高の処理速度を要する高周波アナログ部11からの出力信号よりも低速・高分解能を要する高周波アナログ部12,13からの出力信号は、ADC部34によるデジタル信号への変換後に、デジタルフィルタ38bによるダウンサンプリングで低速・高分解能のデジタル信号に変換し、間引き処理部37aでの間引き処理を施すと、200kHzのサンプリング周波数および14bitの低速・高分解能でデジタル信号処理を行うことができる。
【0063】
本実施形態では、単一のADC部34によって、複数の高周波数帯の高周波アナログ部11,12,13からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。ADC部34は最高の処理速度を要する出力信号に対応する高速性を備えるので、最高の処理速度を要する高周波アナログ部11から出力されるアナログ信号を容易にデジタル信号に変換することができる。低速・高分解能を要する高周波アナログ部13からの出力信号は、アナログ/デジタル変換後にデジタルフィルタ37bによるダウンサンプリングと間引き処理部37aとによって信号の間引き処理を行うので、総合的な処理速度は低下しても、分解能を高めて、忠実にアナログ信号に変換することができる。ADC部34は高速かつ高分解能を備える必要はないので、低価格となり、製造コストの低減を図ることができる。
【0064】
図4は、本発明の実施の第4形態である放送受信機40の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、アナログ方式の放送を受信する高周波アナログ部12,13の出力信号中に含まれるパルス性ノイズを、ノイズ処理部41,42によってそれぞれ低減させる。ノイズ処理部41,42は、ADC部44で変換されたデジタル信号からノイズを低減する処理を行うため、ノイズ検出部43、切換スイッチ(以下、「切換SW」と略称する)46、およびメモリ45をそれぞれ含む。ノイズ処理部41,42は、DSP部47のプログラムによるデジタル信号処理の一部として実現される。すなわち、DSP部47は、予め設定されるプログラムに従うデジタル信号処理で、アナログ方式の放送の受信信号に対するノイズ低減処理を行う。
【0065】
図5は、本実施形態によるノイズ低減処理の際の信号波形を示す。図5(a)は、高周波アナログ部12,13から出力されるベースバンドのアナログ信号を示す。放送受信信号に、パルス性のノイズが重畳されている。ノイズ検出部43は、ベースバンドのアナログ信号よりも振幅が大きい信号としてノイズを検出する。ただし、実際にノイズを検出する対象となる信号は、ADC部44で変換されたデジタル信号であり、演算処理でノイズの検出を行う。ノイズ検出部43がノイズを検出すると、図5(b)に示すようなノイズ検出信号が発生され、切換SW44およびメモリ45に与えられる。
【0066】
メモリ45には、処理対象の信号の瞬間的なレベルが記憶される。切換SW44は、ノイズ検出信号に従って、処理対象の信号をそのまま出力するか、メモリ45に記憶されているレベルで出力するかを切換える。ノイズが検出されると、切換SW44は、メモリ45に記憶されている信号レベルを出力する。メモリ45は、ノイズが検出されると、信号レベルの新たな記憶を停止し、ノイズ検出直前の信号レベルを保持する。ノイズ検出部43がノイズを検出しなくなると、切換SW44は処理対象の信号をそのまま出力する状態に戻り、メモリ45は処理対象の信号の瞬間的なレベルの記憶動作に戻る。図5(c)は、このようなノイズ低減処理の結果を示す。図5(a)でパルス性ノイズが存在した部分は、その直前のレベルが継続し、ノイズが抑圧される。
【0067】
図6は、処理対象のベースバンド信号の周波数帯域である信号帯域、およびパルス性ノイズのベースバンド信号の周波数帯域であるノイズ帯域と、レベルとの関係を示す。アナログ方式の放送内容に対応する信号帯域は、たとえばFM放送の周波数変移を考慮して、0〜100kHzとみることができる。ノイズ帯域は、信号帯域の2倍の200kHz以上まで延びている。0〜100kHzの周波数帯域では、処理対象の信号帯域とノイズとは重なっているけれども、100kHz〜200kHzの周波数帯域には、ノイズのみが存在する。DSP部47は、高速フーリエ変換(FFT)などで、ADC部44からのPCMデジタル信号を周波数領域の信号に変換することができる。周波数領域ではノイズを容易に検出することができるので、図5に示すようなノイズ低減処理をデジタル信号処理で行うことができる。
【0068】
アナログ方式の放送の受信信号に対するノイズ低減処理を、DSP部47のプログラムに従うデジタル信号処理で行うことができるので、ノイズ処理のための専用のハードウエアを削減することができる。ADC部44は、200kHzまでのベースバンド信号を変換する必要があるので、サンプリング周波数FSは40kHzまで必要となる。実施の第2形態または第3形態と同様に、より動作速度の速いADC部を用いて、高周波アナログ部11からの出力信号の処理と共通化したり、高速・低分解能のADC部を別に設けることもできる。
【0069】
図7は、本発明の実施の第5形態である放送受信機50の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、高周波アナログ部12,13からのベースバンド信号からパルス性ノイズを低減する処理を、ノイズ処理部51,52で行うため、放送受信用のADC部54と、アナログ方式の放送を受信する複数の高周波アナログ部12,13の出力からノイズを検出するように共通化されたノイズ検出用のADC部55とを備える。ノイズ処理部51,52は、DSP部57のプログラム処理によって実現され、ノイズ低減処理の基本的原理は、実施の第4形態と同様である。
【0070】
ノイズ低減処理の対象となる信号は、図6に示すように、0〜100kHzの信号帯域となるので、ADC部54では、サンプリング周波数FSを200kHzとして変換を行う。ノイズ検出用の周波数帯域は、100kHz〜200kHzとなるので、ADC部55では、サンプリング周波数FSを400kHzとして変換を行う。DSP部57での処理も、処理対象の信号のサンプリング周波数低下によって、処理量を削減し、小型化や低価格化を図ることができる。
【0071】
すなわち、本実施形態では、複数の高周波数帯の高周波アナログ部12,13からのアナログ信号からのノイズ検出は、ノイズ検出用のADC部55で共通に行い、DSP部57のプログラム処理で実現されるノイズ処理部51,52が検出されたノイズに基づいて、放送受信用のADC部54によって変換されるデジタル信号中からノイズを低減する。放送受信用のADC部54は、ノイズ成分まで忠実に変換する必要はないので、アナログ/デジタル変換を行う周波数帯域を放送内容の受信に必要な範囲に狭め、DSP部57での信号処理を削減し、デジタル信号処理に使用するDSP部57などの低価格化を図ることができる。
【0072】
図8は、本発明の実施の第6形態である放送受信機60の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、高周波アナログ部12,13からのベースバンド信号からパルス性ノイズを低減する処理を、ノイズ処理部61,62で行うため、放送受信用のADC部54と、アナログ方式の放送を受信する複数の高周波アナログ部12,13の出力からノイズを検出するように共通化されたノイズ検出用のADC部65とを備える。ノイズ処理部61,62は、DSP部67のプログラム処理によって実現され、ノイズ低減処理の基本的原理は、実施の第4形態と同様である。複数の高周波アナログ部12,13と共通化されたノイズ検出用のADC部65との間に、ノイズ検出用周波数帯域の信号成分である100kHz以上を通過させる高域通過フィルタ(以下、「HPF」と略称する)68を備える。
【0073】
HPF68を通過した信号の周波数帯域は100kHz〜200kHzの100kHzの幅となるので、ノイズ検出用のADC部65のサンプリング周波数FSを200kHzに低下させることができる。ただし、実際にサンプリングされる信号成分は周波数領域で折返しを受け、波形を再現することはできない。しかしながら、ノイズ検出に用いる信号の波形は必ずしも忠実に変換されなくても、図6に示すような信号帯域と重ならない周波数帯域のレベルを検出することができればよい。本来は、放送受信用のADC部54よりも高速サンプリングしてデジタル信号処理を行う必要があるところを、HPF68を通過させた信号をアナログ/デジタル変換するので、ADC部65は本来よりも低速でサンプリングして、DSP部67でノイズ低減のためのデジタル信号処理を行うことができる。HPF68と低速サンプリングとの組合せによって、ノイズ低減処理のために要するデジタル信号処理量を削減することができる。
【0074】
図9は、本発明の実施の第7形態である放送受信機70の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、高周波アナログ部12,13からのベースバンド信号からパルス性ノイズを低減する処理を、ノイズ処理部71,72で行うため、放送受信用のADC部54と、アナログ方式の放送を受信する複数の高周波アナログ部12,13の出力から放送信号受信レベルであるSレベルを検出するように共通化されたSレベル検出用のADC部65とを備える。ノイズ処理部71,72は、DSP部77のプログラム処理によって実現される。
【0075】
Sレベルは、複数の高周波アナログ部12,13からベースバンド信号とともに出力される中間周波信号から検出する。中波AM放送の受信用の高周波アナログ部12からは0.456MHz付近の中間周波信号が導出され、超短波FM放送の受信用の高周波アナログ部13からは10.7MHz付近の中間周波数信号が導出される。中間周波数信号をデジタル信号処理するためには、本来は10.7MHzの2倍の周波数である20MHzで高速サンプリングをしなければならない。本実施形態では、複数の高周波アナログ部12,13と、共通化されたSレベル検出用のADC部65との間に、中間周波数帯域の信号成分である400kHz以上を通過させるHPF78を備える。
【0076】
DSP部77は、信号レベル検出用のADC部65によって変換されるデジタル信号をノイズ処理の条件として使用し、放送受信用のADC部54によって変換されるデジタル信号からノイズを検出して、検出されるノイズを低減する処理を行う。受信レベルを中間周波信号からのデジタル信号処理で求めるために、本来は各高周波アナログ部12,13からの中間周波数帯域の信号をアナログ/デジタル変換し、高速サンプリングする必要がある。しかしながら、受信レベルの検出だけを行えばよいので、HPF78で信号の周波数帯域を狭めて、中間周波数よりもサンプリング周波数が低い低速でサンプリングすることができ、デジタル信号処理量を削減することができる。
【0077】
受信レベルを条件とするノイズ低減処理では、受信レベルに応じてノイズ検出感度の調整を行う。たとえば、受信レベルが低いときは、自動利得制御(AGC)によって、高周波アナログ部12,13の利得が上昇して、放送受信用のアナログ信号に含まれるベースバンドの信号レベルも上昇するので、ベースバンドの信号に基づくノイズの検出では誤動作するおそれがある。受信レベルの低下に合わせて、ノイズ検出感度を低下させれば、誤動作を防ぐことができる。
【0078】
図10は、本発明の実施の第8形態である放送受信機80の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、高周波アナログ部12,13からのベースバンド信号からパルス性ノイズを低減する処理を、ノイズ処理部81,82で行うため、放送受信用のADC部54と、アナログ方式の放送を受信する複数の高周波アナログ部12,13の出力からノイズレベル、および放送信号受信レベルであるSレベルを検出するように共通化された検出用のADC部65とを備える。ノイズ処理部81,82は、ADC部65がノイズ検出用として動作するタイミングに合わせてノイズ低減処理を行うように、検出制御部83によって制御される。ノイズ処理部81,82および検出制御部83は、DSP部87のプログラム処理によって実現される。
【0079】
ノイズは、実施の第6形態と同様に、複数の高周波アナログ部12,13と共通化されたノイズ検出用のADC部65との間に、ノイズ検出用周波数帯域の信号成分である100kHz以上を通過させるHPF68を設け、ADC部65の出力からDSP部87で検出する。Sレベルは、実施の第7形態と同様に、中間周波信号からDSP部87で検出する。ただし、実施の第7形態で400kHz以上の信号を通過させるHPF78の代りに、100kHz以上の信号を通過させるHPF68をADC部65の入力側に使用して、ノイズ検出用と共用する。HPF68への入力信号を、ノイズ検出用のベースバンド信号またはSレベル検出用の中間周波信号に切換えるため、切換器88が設けられる。
【0080】
検出制御部83は、切換器88を切換えて、検出用のADC部65でノイズ検出用のベースバンド信号をデジタル信号に変換し、またはSレベル検出用の中間周波信号をデジタル信号に変換する。Sレベルの検出は、一定時間毎に行う。たとえば数秒間に1回、0.1秒程度の時間で行うことができる。車載用の放送受信機では一定の走行距離の変化毎に行うこともできる。他の時間は、ノイズ低減処理を行う。
【0081】
本実施形態では、複数の高周波アナログ部12,13と共通化された検出用のADC部65との間に、ノイズ検出用の出力信号と信号レベル検出用の中間周波数信号とを切換える切換器88、およびノイズの信号成分を通過させるHPF78を備えるので、アナログ方式の放送を受信する複数の高周波アナログ部12,13の出力信号からノイズを検出し、または複数の高周波アナログ部12,13で中間周波数に変換された信号から受信レベルを検出することができる。ノイズの検出および受信レベルの検出は、特定の周波数帯域のレベルを検出すればよいので、HPF78と低速のサンプリングとの組合せで行うことができ、デジタル信号処理量を削減することができる。
【0082】
図11は、本発明の実施の第9形態である放送受信機90の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、高周波アナログ部12,13からのベースバンド信号からパルス性ノイズを低減する処理を、共通ノイズ処理部91で共通に行うため、信号調整部92で、放送メディア毎の利得や周波数特性を調整する。たとえば中波AM放送は信号帯域10kHz以内、超短波FM放送は信号帯域20kHz以内に調整する。共通ノイズ処理部91および信号調整部92は、DSP部97のプログラム処理によって実現される。共通ノイズ処理部91を共通化してあるので、プログラムを格納するROM容量を削減することができ、信号処理部分を小型化することができる。
【0083】
図12は、本発明の実施の第10形態である放送受信機100の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、高周波アナログ部12,13からのベースバンド信号からパルス性ノイズを低減する処理を、共通ノイズ処理部101で共通に行うため、信号調整部92で、放送メディア毎の利得や周波数特性を調整する。たとえば中波AM放送は信号帯域10kHz以内、超短波FM放送は信号帯域20kHz以内に調整する。共通ノイズ処理部101は、ノイズ検出部43および切換SW44と適応フィルタ(以下、「ADF」と略称する)105とを備える。ADF105は、信号の特性に応じてリアルタイムでデジタル信号処理の際の係数を更新させ、それまでの信号特性に近似した周波数特性を実現することができる。したがって、受信信号中からパルス性ノイズが検出されると、切換SW44が受信信号をそのまま出力する状態から、ADF105を通る信号を出力する状態へ切換えられる。共通ノイズ処理部101および信号調整部92は、DSP部107のプログラム処理によって実現される。ノイズ処理部101を共通化してあるので、プログラムを格納するROM容量を削減することができ、信号処理部分を小型化することができる。
【0084】
図13は、本発明の実施の第11形態である放送受信機110の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を行う。断続音処理のための断続音処理部111は、断続音検出部113、切換SW114および処理音発生部115を含み、DSP部117のプログラム処理によって実現される。本実施形態で、アナログ方式の放送受信用の高周波アナログ部12,13に対するデジタル信号処理は、実施の第1形態〜実施の第10形態と同様に行うことができる。
【0085】
図14は、本実施形態で処理される信号の概略的な波形を示す。図14(a)に示すように、デジタル方式の放送の受信状態が悪いような場合には、放送内容を連続的に受信することはできず、音声信号が無音となる断区間が生じる。断続音検出部113は、図14(b)に示すような断区間検出信号を発生する。切換SW114は、断区間が検出されないときは受信信号をそのまま出力し、断区間が検出されると処理音発生部115から処理音を発生される処理音を出力するように切換える。
【0086】
図14(a)に示すような音声信号の断続は、デジタル方式の放送受信時に受信状況が悪いと、デジタル信号の全部を完全に復調することができなくなって生じる。受信信号に断続が生じると、急な音圧変化が生じ、聞きづらくなる。断続音検出部113によって信号に断区間が検出されると、断続音処理部111は、処理音発生部115から発生される処理音信号を断区間に挿入するので、図14(c)に示すように、急な音圧変化は解消され、断続音の聞き苦しさを緩和し、受信内容の再生の際の聴感を向上させることができる。
【0087】
図15は、本発明の実施の第12形態である放送受信機120の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を、実施の第11形態のDSP部117の断続音処理部111に代えて断続音処理部121で行う。断続音処理のための断続音処理部121は、断続音検出部123、切換SW114および処理音発生部115を含み、断続音検出部123には0値検出部124、0値カウント部125およびカウント値評価部126が含まれ、全体はDSP部117のプログラム処理によって実現される。本実施形態で、アナログ方式の放送受信用の高周波アナログ部12,13に対するデジタル信号処理は、実施の第1形態〜実施の第10形態と同様に行うことができる。
【0088】
本実施形態では、DSP部127から出力されるデジタル信号で0値が連続するときに、0値検出部124によって検出され、0値カウント部125によって計数され、カウント値評価部126で評価される。カウント値評価部126は、カウント値が予め設定される基準値を越えるとき断区間と判断する。切換SW114は、断区間に処理音発生部115からの処理音を挿入して、断続音の聞き苦しさを緩和する。
【0089】
図16は、本発明の実施の第13形態である放送受信機130の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を、実施の第11形態のDSP部117の断続音処理部111に代えて断続音処理部131で行う。断続音処理のための断続音処理部131は、断続音検出部113、切換SW114およびノイズ音発生部135を含み、DSP部137のプログラム処理によって実現される。本実施形態では、実施の第11形態の処理音発生部115に代えてノイズ音発生部135を用いる。断続音の検出は、実施の第12形態と同様に0値検出に基づいて行うこともできる。アナログ方式の放送受信用の高周波アナログ部12,13に対するデジタル信号処理は、実施の第1形態〜実施の第10形態と同様に行うことができる。
【0090】
ノイズ音発生部135は、断区間に挿入する処理音として連続的なノイズ音を発生する。信号の断区間に挿入する処理音として、ノイズ音を用いるので、比較的発生の容易な白色ノイズやピンクノイズを断区間に挿入して、信号断続時の音の強弱を緩和し、聴感を向上させることができる。アナログ方式の放送受信の際には、受信状態が悪くなるとS/N比が低下してノイズが増え、音声信号が無音となる断区間は生じない。本実施形態では、断区間にノイズ音を挿入するので、デジタル方式の放送受信の際にもアナログ方式と同様な聴感を得ることができる。
【0091】
図17は、本発明の実施の第14形態である放送受信機140の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を、実施の第11形態のDSP部117の断続音処理部111に代えて断続音処理部141で行う。断続音処理のための断続音処理部141は、断続音検出部113、切換SW114、ノイズ音発生部135、音圧検出部143および音圧調整部144を含み、DSP部147のプログラム処理によって実現される。本実施形態では、実施の第13形態のノイズ音発生部135から発生されるノイズ音の音量を、音圧検出部143が検出する信号音の音圧に応じて、音圧調整部144で調整する。
【0092】
本実施形態では、音圧検出部143で検出される信号の音圧に応じて、処理音として発生するノイズ音の音圧を音圧調整部144で調整するので、信号断続時の音の強弱をより一層同一化することができ、聴感の向上を図ることができる。
【0093】
図18は、本発明の実施の第15形態である放送受信機150の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を、実施の第11形態のDSP部117の断続音処理部111に代えて断続音処理部151で行う。断続音処理のための断続音処理部151は、断続音検出部113、切換SW114、ノイズ音発生部135、f特検出部153およびf特調整部154を含み、DSP部157のプログラム処理によって実現される。本実施形態では、実施の第13形態のノイズ音発生部135から発生されるノイズ音の周波数特性を、f特検出部153が検出する信号音の周波数特性に応じて、f特調整部154で調整する。
【0094】
本実施形態では、f特検出部153で検出される信号の周波数特性に応じて、処理音として発生するノイズ音の周波数特性をf特調整部154で調整するので、信号断続時の音の周波数特性をより一層同一化することができ、聴感の向上を図ることができる。
【0095】
図19は、本発明の実施の第16形態である放送受信機160の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を、実施の第11形態のDSP部117の断続音処理部111に代えて断続音処理部161で行う。断続音処理のための断続音処理部161は、断続音検出部113、切換SW114、ノイズ音発生部135、音圧調整部144、および断続区間長さ検出部166を含み、DSP部167のプログラム処理によって実現される。本実施形態では、実施の第13形態のノイズ音発生部135から発生されるノイズ音の音圧を、断続区間長さ検出部166が検出する断区間の長さに応じて、音圧調整部144で調整する。
【0096】
本実施形態によれば、断区間長さ検出部166で検出される信号の断区間の長さに応じて、処理音として発生するノイズ音の音圧を音圧調整部144で調整する。音圧調整部144は、断区間が長いときには、音圧を小さくするように調整するので、処理音が目立ちすぎるのを防ぐことができ、信号断続時の音の違和感が軽減され、聴感の向上を図ることができる。
【0097】
図20は、本発明の実施の第17形態である放送受信機170の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を、実施の第11形態のDSP部117の断続音処理部111に代えて断続音処理部171で行う。断続音処理のための断続音処理部171は、断続音検出部113、切換SW114、ノイズ音発生部135、音圧調整部144、および断続区間頻度検出部176を含み、DSP部177のプログラム処理によって実現される。本実施形態では、実施の第13形態のノイズ音発生部135から発生されるノイズ音の音圧を、断続区間頻度検出部176が検出する断区間の出現頻度に応じて、音圧調整部144で調整する。
【0098】
本実施形態によれば、断区間頻度検出部176で検出される信号の断区間の頻度に応じて、ノイズ音発生部135から処理音として発生するノイズ音の音圧を音圧調整部144で調整する。音圧調整部144は、断区間の頻度が大きいときに音圧を小さくするように調整するので、処理音が目立ちすぎるのを防ぐことができ、信号断続時の音の違和感が軽減され、聴感の向上を図ることができる。
【0099】
図21は、本発明の実施の第18形態である放送受信機180の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を、実施の第11形態のDSP部117の断続音処理部111に代えて断続音処理部181で行う。断続音処理のための断続音処理部181は、断続音検出部113、切換SW114、ノイズ音発生部135、音圧調整部144、およびSレベル検出部186を含み、DSP部187のプログラム処理によって実現される。本実施形態では、実施の第13形態のノイズ音発生部135から発生されるノイズ音の音圧を、Sレベル検出部186が検出する信号の受信レベルを表すSレベルに応じて、音圧調整部144で調整する。
【0100】
本実施形態によれば、Sレベル検出部186で検出される信号の受信レベルに応じて、ノイズ音発生部135から処理音として発生するノイズ音の音圧を音圧調整部135で調整する。受信レベルが低いときには、断区間の頻度が大きくなる可能性が大きいので、音圧調整部144でノイズ音の音圧を小さくするように調整する。これによって、処理音が目立ちすぎるのを防ぐことができ、信号断続時の音の違和感が軽減され、聴感の向上を図ることができる。
【0101】
図22は、本発明の実施の第19形態である放送受信機190の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を、実施の第11形態のDSP部117の断続音処理部111に代えて断続音処理部191で行う。断続音処理のための断続音処理部191は、断続音検出部113、切換SW114、ノイズ音発生部135、音圧調整部144、および環境騒音レベル検出部196を含み、DSP部197のプログラム処理によって実現される。本実施形態では、実施の第13形態のノイズ音発生部135から発生されるノイズ音の音圧を、環境騒音レベル検出部196が検出する環境騒音レベルに応じて、音圧調整部144で調整する。
【0102】
本実施形態によれば、環境騒音レベル検出部196で検出される環境騒音レベルに応じて、ノイズ音発生部135から処理音として発生するノイズ音の音圧を音圧調整部144で調整する。音圧調整部144は、環境騒音レベルが低いときに音圧を小さくするように調整するので、ノイズ音が目立ちすぎるのを防ぐことができ、信号断続時の音の違和感が軽減され、聴感の向上を図ることができる。
【0103】
図23は、本発明の実施の第20形態である放送受信機200の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を、実施の第11形態のDSP部117の断続音処理部111に代えて断続音処理部201で行う。断続音処理のための断続音処理部201は、断続音検出部113、切換SW114、および発振回路等からなり、電子的にブザー音を発生するビープ音発生部205を含み、DSP部207のプログラム処理によって実現される。本実施形態では、断続音検出部113による断区間検出時に、切換SW114をビープ音発生部205側に切換えて、ビープ音発生部205から発生されるビープ音を断区間が生じていることを報知するための報知音としてAMP/SP部19から出力させる。
【0104】
デジタル方式の放送受信時に受信状況が悪いと、デジタル信号の全部を完全に復調することができなくなり、再生される受信内容に信号の断続による断区間が生じる。本実施形態では、断続音検出部113によって信号に断区間が検出されると、切換SW114はビープ音発生部205から発生されるビープ音を信号に付加するので、デジタル放送受信信号に断区間が生じていることを放送受信機の聴取者が明確に判らせることができる。放送電波の伝播状況の悪化を容易に知ることができるので、聴取者は受信する放送メディアを変更するなどの対応を容易に採ることができる。
【0105】
図24は、本発明の実施の第21形態である放送受信機210の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を、実施の第11形態のDSP部117の断続音処理部111に代えて断続音処理部211で行う。断続音処理のための断続音処理部211は、断続音検出部113、切換SW114、および音声通知部215を含み、DSP部217のプログラム処理によって実現される。本実施形態では、断続音検出部113による断区間検出時に、切換SW114を音声通知部215側に切換えて、音声通知部215から発生される音声を音声信号としてAMP/SP部19から出力させる。音声通知としては、たとえば、「ただいま、受信状況が悪化しております。」などの案内メッセージを付加する。
【0106】
デジタル方式の放送受信時に受信状況が悪いと、デジタル信号の全部を完全に復調することができなくなり、再生される受信内容に信号の断続による断区間が生じる。本実施形態では、音声通知部215は、断続音検出部113によって断区間が生じていることが検出されるとき、予め設定される音声で通知を行うので、デジタル放送受信信号に断区間が生じていることを放送受信機の聴取者に明確に伝えることができる。放送電波の伝播状況を容易に知ることができので、聴取者は受信する放送メディアを変更するなどの対応を容易に採ることができる。
【0107】
図25は、本発明の実施の第22形態である放送受信機220の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、デジタル方式の放送受信用の高周波アナログ部11からの出力信号に基づいて生成される音声信号が断続し、断区間が生じるときに、音声信号の聞き苦しさを緩和する処理を、実施の第11形態のDSP部117の断続音処理部111に代えて断続音処理部221で行う。断続音処理のための断続音処理部221は、断続音検出部113、切換SW114、および他メディア225を含み、DSP部227のプログラム処理によって実現される。本実施形態では、断続音検出部113による断区間検出時に、切換SW114を他メディア225側に切換えて、予め選択される他の放送やコンパクトディスク(CD)等の記録媒体からの再生等に、再生信号を切換えて、AMP/SP部19から出力させる。
【0108】
デジタル方式の放送受信時に受信状況が悪いと、デジタル信号の全部を完全に復調することができなくなり、再生される受信内容に信号の断続による断区間が生じる。本実施形態では、断続音検出部113によって断区間が生じていることが検出されるとき、切換SW114は予め選択される他メディア225からの信号に受信信号を切換える。放送電波の受信状況が悪くなっても、聴取者は受信する放送メディアを変更するなどの操作を行う必要はなく、連続して信号再生を続けることができる
以上説明したように、本発明の各実施形態では、デジタル方式の放送受信もアナログ方式の放送受信も、デジタル信号処理を共通に用いて行う。デジタル方式の放送受信のためにはデジタル信号処理を必要とするので、デジタル方式の放送の受信が可能な放送受信機には、デジタル信号処理機能が備えられる。本発明では、デジタル信号処理機能を用いて、アナログ方式の放送受信も行うので、デジタル方式とアナログ方式との両方式の放送受信が可能な放送受信機で、受信処理に要するハードウエアの規模を小さくすることができる。
【0109】
たとえば、図26に示す放送受信機では、次の表1に示すような受信モジュールサイズが必要となる。ただし、単位はmmであり、「*」は乗算を示す。
【0110】
【表1】
【0111】
すなわち、合計で10*30*100+10*30*100=60000mm3の容量が必要となる。
【0112】
図2や図3に示す実施形態では、信号処理を共通のハードウエアで行うので、高周波アナログ部の容量は同一であっても、受信モジュールサイズは、合計で、10*30*100+10*30*50=45000mm3となり、25%の容量削減を図ることができる。このような容量削減によって、信号処理部を実装するプリント配線基板などの面積を小さくし、使用部品も削減して部品コストを低減し、筐体の小型化も図ることができる。
【0113】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数の高周波数帯に対し、それぞれ放送を受信して周波数の変換および増幅を含む高周波アナログ信号処理を、高周波アナログ回路によって行い、アナログ/デジタル変換回路によってデジタル信号に変換する。複数の高周波数帯の高周波アナログ回路に対して共通に設けられるデジタル信号処理回路は、予め設定されるプログラムに従うデジタル信号処理によって、アナログ方式の放送の受信内容およびデジタル方式の放送の受信内容を再生するので、放送内容を再生するために信号処理を行う部分を各高周波数帯毎に設ける必要はなく、複数の放送メディアが受信可能な放送受信機の小型化を図ることができる。
【0115】
また本発明によれば、共通のアナログ/デジタル変換回路は、最高の処理速度を要する出力信号に対応する高速性を備えるので、最高の処理速度を要する高周波アナログ回路から出力されるアナログ信号を容易にデジタル信号に変換することができる。アナログ/デジタル変換回路は、低速・高分解能を要する高周波アナログ回路からの出力信号をアナログ/デジタル変換後にダウンサンプリングで信号の間引き処理を行うので、分解能を高めて、忠実にアナログ信号に変換することができる。したがってアナログ/デジタル変換回路は、高速かつ高分解能を備える必要はないので、低価格となり、製造コストの低減を図ることができる。
【0116】
また本発明によれば、アナログ方式の放送受信時のノイズ低減処理を、デジタル信号処理回路によるデジタル信号処理で行うことができるので、ノイズ処理のために専用のハードウエアを設ける必要はなく、小型化を図ることができる。
【0117】
また本発明によれば、複数の高周波数帯の高周波アナログ回路からのアナログ信号からのノイズ検出を、ノイズ検出用のアナログ/デジタル変換回路で共通に行い、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路によって変換されるデジタル信号中からノイズを低減する。放送受信用のアナログ/デジタル変換回路は、ノイズ成分まで忠実に変換する必要はないので、アナログ/デジタル変換を行う周波数帯域を放送内容の受信に必要な範囲に狭め、デジタル信号処理回路での信号処理量を削減し、デジタル信号処理に使用するデジタル信号プロセッサなどの低価格化を図ることができる。
【0118】
また本発明によれば、高域通過フィルタを通過させた信号をアナログ/デジタル変換し、比較的低速でサンプリングして、デジタル信号処理によるノイズ検出を行うことができる。ノイズ検出に用いる信号の波形は必ずしも忠実に変換されなくても、帯域のレベルは検出することができ、ノイズ低減処理のために要するデジタル信号処理量を削減することができる。
【0119】
また本発明によれば、受信レベル検出用のアナログ/デジタル変換回路で変換されるデジタル信号に基づいて得られる受信レベルを、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路によって変換されるデジタル信号からノイズを検出して低減するための処理の条件として使用する。受信レベルをデジタル信号処理で求めるために、高域通過フィルタで信号の帯域を狭め、低速でサンプリングすることができ、デジタル信号処理量を削減することができる。受信レベルが低いときは、高周波アナログ回路の利得上昇によって、放送受信用のアナログ信号に含まれるベースバンドの信号レベルも上昇し、ベースバンドの信号に基づくノイズの検出も誤動作するおそれがあるけれども、ノイズ検出感度を低下させて誤動作を防ぐことができる。
【0121】
また本発明によれば、複数の高周波アナログ回路によって受信可能なるアナログ方式の放送受信信号に対して共通のノイズ低減処理を行うので、ノイズ低減処理に要する構成部分を小型化することができる。
【0123】
また本発明によれば、デジタル方式の放送受信時に受信状況が悪くなって、再生される受信内容に信号の断続による断区間が生じると、断区間に処理音を断区間に挿入して、受信信号に断続が生じても、再生音に急な音圧変化が生じ、聞きづらくなることを回避し、受信内容の再生の際の聴感を向上させることができる。
【0125】
また本発明によれば、信号の断区間にノイズ音を挿入するので、信号断続時の音の強弱を緩和し、受信内容再生時の聴感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態の放送受信機10の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の第2形態の放送受信機20の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の第3形態の放送受信機30の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の第4形態の放送受信機40の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図4のノイズ処理部41,42によるノイズ低減処理の過程を示す波形図である。
【図6】図4のノイズ検出部43でノイズ検出を行うために利用する信号帯域とノイズ帯域との違いを示すグラフである。
【図7】本発明の実施の第5形態の放送受信機50の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の第6形態の放送受信機60の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の第7形態の放送受信機70の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の第8形態の放送受信機80の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の第9形態の放送受信機90の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の第10形態の放送受信機100の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の第11形態の放送受信機110の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図14】図13の断続音処理部111による断区間への処理音挿入処理の過程を示す波形図である。
【図15】本発明の実施の第12形態の放送受信機120の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の実施の第13形態の放送受信機130の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の第14形態の放送受信機140の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施の第15形態の放送受信機150の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施の第16形態の放送受信機160の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施の第17形態の放送受信機170の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の実施の第18形態の放送受信機180の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図22】本発明の実施の第19形態の放送受信機190の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の実施の第20形態の放送受信機200の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の実施の第21形態の放送受信機210の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図25】本発明の実施の第22形態の放送受信機220の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図26】従来の放送受信機の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190,200,210,220 放送受信機
11,12,13 高周波アナログ部
14,15,16,24,34,44,54,55,65 ADC部
17,27,37,47,57,67,77,87,97,107,117,127,137,147,157,167,177,187,197,207,217,227 DSP部
27a,37a 間引き処理部
41,42,51,52,61,62,71,72,81,82 ノイズ処理部
43 ノイズ検出部
44,114 切換SW
45 メモリ
68,78 HPF
88 切換器
91,101 共通ノイズ処理部
92 信号調整部
111,121,131,141,151,161,171,181,191,201,211,221 断続音処理部
113,123 断続音検出部
115 処理音発生部
124 0値検出部
125 0値カウント部
126 カウント値評価部
135 ノイズ音発生部
143 音圧検出部
144 音圧調整部
153 f特検出部
154 f特調整部
166 断続区間長さ検出部
176 断続区間頻度検出部
186 Sレベル検出部
196 環境騒音レベル検出部
205 ビープ音発生部
215 音声通知部
225 他メディア
Claims (9)
- 複数の高周波数帯で、アナログ方式の放送とデジタル方式の放送とを含む複数の方式の放送を受信可能な放送受信機において、
各高周波数帯毎に設けられ、放送を受信して、周波数の変換および増幅を含む高周波アナログ信号処理を行う複数の高周波アナログ回路と、
各高周波数帯の高周波アナログ回路に対して共通に設けられ、最も出力信号の周波数が高い高周波アナログ回路に対応する高速性と、最も高い分解能を要する高周波アナログ回路に対応する高分解能とを有し、各高周波数帯の高周波アナログ回路から周波数変換されて出力されるアナログ信号を、デジタル信号に変換する高速・高分解能のアナログ/デジタル変換回路と、
該複数の高周波数帯の高周波アナログ回路に対して共通に設けられ、前記アナログ/デジタル変換回路からのデジタル信号に、予め設定されるプログラムに従うデジタル信号処理を施し、アナログ方式の放送の受信内容およびデジタル方式の放送の受信内容を再生するデジタル信号処理回路とを含むことを特徴とする放送受信機。 - 複数の高周波数帯で、アナログ方式の放送とデジタル方式の放送とを含む複数の方式の放送を受信可能な放送受信機において、
各高周波数帯毎に設けられ、放送を受信して、周波数の変換および増幅を含む高周波アナログ信号処理を行う複数の高周波アナログ回路と、
各高周波数帯の高周波アナログ回路に対して共通に設けられ、最も出力信号の周波数が高い高周波アナログ回路に対応する高速性と分解能とを有し、各高周波数帯の高周波アナログ回路から周波数変換されて出力されるアナログ信号を、デジタル信号に変換する高速・低分解能のアナログ/デジタル変換回路と、
該複数の高周波数帯の高周波アナログ回路に対して共通に設けられ、前記アナログ/デジタル変換回路からのデジタル信号に、予め設定されるプログラムに従うデジタル信号処理を施し、アナログ方式の放送の受信内容およびデジタル方式の放送の受信内容を再生するデジタル信号処理回路とを含み、
前記アナログ/デジタル変換回路は、高速の処理速度を要する出力信号よりも低速・高分解能を要する高周波アナログ回路からの出力信号を、アナログ/デジタル変換回路によるデジタル信号への変換後に、ダウンサンプリングで低速・高分解能のデジタル信号に変換することを特徴とする放送受信機。 - 前記デジタル信号処理回路は、予め設定されるプログラムに従うデジタル信号処理で、アナログ方式の放送の受信信号に対するノイズ低減処理を行うことを特徴とする請求項1または2記載の放送受信機。
- 前記アナログ/デジタル変換回路は、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路と、アナログ方式の放送を受信する複数の高周波アナログ回路の出力からノイズを検出するように共通化されたノイズ検出用のアナログ/デジタル変換回路とを備え、
前記デジタル信号処理回路は、ノイズ検出部と切換スイッチとメモリとを有し、アナログ/デジタル変換回路によってアナログ/デジタル変換されたデジタル信号をノイズ検出対象とし、ベースバンドのアナログ信号よりも振幅が大きい信号をノイズとして検出し、そのノイズ検出信号を切換スイッチおよびメモリに与えて切換スイッチをデジタル信号を出力する側からメモリ側へ切換えるノイズ処理部を含み、そのノイズ処理部によって、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路によって変換されるデジタル信号中からノイズを低減することを特徴とする請求項3記載の放送受信機。 - 前記アナログ方式の放送を受信する複数の高周波アナログ回路と前記共通化されたノイズ検出用のアナログ/デジタル変換回路との間に、ノイズ検出用周波数帯域の信号成分を通過させる高域通過フィルタを備えることを特徴とする請求項4記載の放送受信機。
- 前記アナログ/デジタル変換回路は、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路と、アナログ方式の放送を受信する複数の高周波アナログ回路からの出力信号に基づいて受信レベルを検出するように、共通化された受信レベル検出用のアナログ/デジタル変換回路を備え、
該複数の高周波アナログ回路と該受信レベル検出用のアナログ/デジタル変換回路との間に、中間周波数帯域の信号成分を通過させる高域通過フィルタを備え、
前記デジタル信号処理回路は、信号レベル検出用のアナログ/デジタル変換回路によって変換されるデジタル信号をノイズ処理の条件として使用し、放送受信用のアナログ/デジタル変換回路によって変換されるデジタル信号からノイズを検出して、検出されるノイズを低減することを特徴とする請求項3記載の放送受信機。 - 前記デジタル信号処理回路は、
前記複数の高周波アナログ回路によって受信され、アナログ/デジタル変換回路によってデジタル信号に変換されるアナログ方式の放送受信信号に対し、共通のノイズ低減処理を行うことを特徴とする請求項3記載の放送受信機。 - 前記デジタル信号処理回路は、
前記デジタル方式の放送受信時の受信状況が悪く、再生される受信内容に、信号の断続による断区間が生じるか否かを検出する断続音検出部と、
断続音検出部によって検出される断区間に挿入するための処理音信号を発生する処理音発生部と、
断続音検出部によって断区間が生じていることが検出されるとき、信号の断区間に、該処理音発生部から発生される処理音信号を挿入する断続音処理部とを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の放送受信機。 - 前記処理音発生部は、前記処理音としてノイズ音を発生することを特徴とする請求項8記載の放送受信機。
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